まあそれより制動装置安全規則の追加で、2年も使われなかったS30初期マスターシリンダー。具体的には前後フルード流路途中に合流式のプロポーショニングバルブが付いた、バルクヘッドについてるやつ。初期型にはそれがなくリヤフロア裏の配管左右分岐部に減圧調整バルブかましてあるだけ。
アメリカから渡ってきた初期マスターバックはだいたい下駄んとこに液体ガスケットが盛ってあります。
漏れてるのマズい、止めないと…
ユーザーなのか工場なのか知らんけど、今となっては旧車の240Zでもどうでもいい中古、ゴミ扱いの時代を経てきてるわけ。
「え?そんなどうでもいい車レストアすんの?」が普通。テキトーな修理はいっぱいあるやろうね。この下駄んとこをシールすると漏れたフルードはもっとマスターバック内に吸われるとかの知識はない。でもオレ並みにブレーキのこと分かっていてもやっちゃう。
「次おかしいとこ出たら新しいのに乗りかえるしそれまで我慢」
…てなボロクルマ乗ってた人ならわかると思う。
そういう今となっては旧くて数が減ったクルマたちがたどってきた価値変動の事情を考えず、入手した旧車のボディを掘り返して「ヒドいレストアしてる、オレならこうする」て自分のスキルをひけらかす行為はマジ格好悪い。
実際当時の板金屋としてみたら価値ある旧車をレストアしてる気は全然ないんだわ、中途半端に時代遅れになりつつあるクルマの持ち主から「なるべく安く直してね、外観キレイにしたあとすぐ売っちゃうから」みたいな依頼の仕事。「5年せんうちに解体やな」、20年後に掘り返されることは想定していない。
…なのだが21世紀以降は任意保険での修理に特化し、見積が得意な板金屋ばっかりで、基本純正部販や解体中古品ごっそり交換やパテ塗装で食ってるから、旧車の絶版パネル作ったりのスキルなく、一部の専門店しかできないありさまなので、この先どうなるかは知らん。
ことこの初期S30ブレーキに関してはあまりにひどいの多い。うちの240Zのも10年くらい前にマスターシリンダーマスターバックとも機能的に生きては居たが、錆はそれなり、画像下のやつよりひどかった記憶。そんときは純正ブレーキに興味も知識もなくゴミ扱い、マスターシリンダーマスターバック一体のまま躊躇なく捨てた。
これはなんといってもマスターシリンダーリザーバーキャップがただのフタで空気中の湿気を遮断しない構造ってのが大きい。今だとレース用かよって。日本の露天保管だと1年でアウト、TOKICOマスターシリンダーピストンはスチールなので錆びてアルミのボア内壁をザリザリして漏れ発生すると思うね。
Posted at 2020/03/12 12:34:21 | |
トラックバック(0) |
ブレーキ | 日記