オーストリアの飛行機エンジニアの機械いじり、数回に分けてバンドソーを修理してますが変速ギアボックスなど構造がかっこいいアメリカでWW2直後に生まれた機械の元祖がDoAll
この人でなければギアボックスを修理できなかったろうけど。もう手入れの最後のほうでブレードガイドの修理、鋳鉄素材としてブレーキローターを使い、JBウェルドとボルト併用でくっつけてからフライスで溝を掘り出し。ガイドの幅は1/2"、ここだけなぜかM6-1アレンボルトで留められてることにインチの六角レンチが合わずに気づく流れ。なぜそこだけメトリック?もしかしたらドイツ周辺の欧州で修理されたからかも。
というわけで欧州DoAllってのが北米以外の市場を網羅して売ってるわけですが、日本には扱い店はありません韓国にはある。日本語交じりでググってみると、
小林機械にある中古が一台、水色のは米軍基地よりの放出品、他はDoAllでない日本製のバンドソーあるいは日本語でググってもひっかかってくる海外サイトのDoAll。「あんたたちの機械を丸パクリしたのはすまんが日本に足を踏み入れることは許さん!」とがんばった日本のバンドソー作ってる会社すごいな。
もしやDoAllと国内の会社との提携契約での生産が初期にあったかもと調べましたが、
1955年、欧米ではすでに普及していたバンドソー(帯鋸盤)の国産化に挑戦。設計開始から3カ月で完成させた第1号機…
設計開始から3カ月で完成…所属エンジニアの技術力の高さを誇示してるようでいてむしろ、わき目もふらず一直線に〇ピーしたのを白状してるようなものです。社のスタートアップがそれだったので提携ノックダウン生産契約をしようとしたとしても相手にされずお伺いの返事が「真似するのはご自由にどうぞどうぞ」だった可能性もあります。パクリくさい製造を始めた反省なのか、この機械で社が成長し海外で相手にされるようになったのか、のちのプレスやシャーリングは米仏の会社と提携して参入したようです。
こういう輸入機械が今でいう個人輸入レベルで入手できたにしても説明書のデフォは英語。条件決めやメンテ法の英語を理解できるようになる教育は避ける方針への圧力が工業界から文科省へあったなどということは無いと思うが、ガラパゴス化にエンドユーザーの英語力レベルが効いたのは間違いない。それで国内製造業による囲い込みも容易だった。
「インチで設定なんで日本ではアウト」ってなこともあったと思う? 今でもバンドソー刃の寸法やピッチはインチベースです、1/2"幅の14-18バリアブルピッチなどと。14-18は1インチあたりの山数。日本の不二越で売ってる刃(社内で作ってるのかまでは知らん)もそれ。ポータブル機もインチでプーリーなどを設計してる、あるいはそのへんは米国市場向けの中国生産が主だったのを持ってきたせいで輪に継いで売ってる刃の全周長もメートルセンチでちょうどな数になってないのではと。
Posted at 2023/12/04 01:04:20 | |
トラックバック(0) |
ツールとガレージ | 日記