スバルが世界ラリー選手権のワークス活動を終了
12月16日(火)、スバルが世界ラリー選手権(WRC)からの撤退を発表した。以下は富士重工業から出されたリリース全文。
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富士重工業 世界ラリー選手権ワークス活動の終了について
富士重工業は、本日、今シーズン2008年をもって、世界ラリー選手権(WRC)におけるワークス活動の終了を決定した。
富士重工業は、水平対向エンジンとシンメトリカルAWD(All Wheel Drive)をコア技術として、いかなる環境においても安全、快適に走ることができるスバル車の認知向上と、量販車開発への先端技術・ノウハウのフィードバックを目的に、WRCのトップカテゴリーでの競技に19年に渡って英国のモータースポーツ専門会社プロドライブ社とともに、SWRT(Subaru World Rally Team)として参加してきた。
スバルのWRCでの活動は、これまで3度のマニュファクチャラーズチャンピオンを獲得、3人のドライバーズチャンピオンを輩出し、スバルのブランド価値を高め、世界でのスバルの拡販に貢献している。
富士重工業は、WRC参戦の当初の目的を達成し、今後スバルのブランディングにWRCをどう位置づけていくか検討を進めていたところ、世界的な経済情勢の急激な悪化に見舞われ、同社の経営環境も大きく変化したことから、経営資源を効率的に活用し、スバルブランドを守り、より強めるために、WRCワークス活動を終了することを決めた。
なお、スバルのラリーの取り組みについては、量産車カテゴリーであるGroup Nクラス、およびその車両を用いた世界選手権であるP-WRC活動に参加しているチーム、ドライバーへの車両供給や活動支援を続けていく。
富士重工業社長の森郁夫は、「WRCで活躍する青いインプレッサは、ファンの皆様にとってスバルの象徴であり、この決断は本当につらいものでした。」と語り、「これまでの世界中のスバルファンの熱心な応援に心より感謝します。こうしたファンの方々こそが、スバルの貴重な財産です。」とコメントしている。
富士重工業は、WRCでの挑戦や経験を糧として、これからも「お客様第一」を信念に、「快適・信頼の新しい走りと地球環境の融合」を実現したスバルならではの商品、サービス、カーライフをお客様にご提供することに務めていく。
スバルも撤退か~
インプレッサでラリーに出ていたからこそ、うちの今があるんだけどな…ハァ
日本の海外でのモータースポーツのワークス活動は終了ですね。
スバルはあとはスーパーGTとS耐かな~大きい所では
スズキは休止って書いてあるけどスバルは終了って…ホントに終わりなのかな?
追記:
【スバルWRC撤退】森社長「決断は本当につらいものでした」
スズキがWRCワークス活動の休止を発表した翌日の16日、今度は富士重工業=スバルが「WRCにおけるワークス活動の終了」を発表した。これで2009年は、ラリーの最高峰WRC=世界ラリー選手権のトップシーンからワークス日本車の姿が消えることになる。
スバルの活動終了の理由は、これまた「世界的な経済状況の急激な悪化に見舞われたため」。ホンダF1の撤退を端緒とする日本メーカーのモータースポーツ活動縮小の波に、歯止めがかからない状況となってきた。
ラリーにおけるワークス活動か否かの線引きは難しいが、少なくとも1980年代末以降の直近20年ほどは、常に日本メーカーのワークスマシンがWRCの上位戦線を賑わせてきた。選手権タイトル獲得経験のあるメーカーだけでも、トヨタ、三菱、そしてスバル。
特にスバルはWRCこそが企業アイデンティティといえる状態にあっただけに、現在の世界的な経済恐慌状態にあっても、活動を継続すると考えられていたのだが……。
1990年のWRC本格参戦開始以降、95 - 97年にマニュファクチャラーズタイトルを3連覇し、95年コリン・マクレー、01年リチャード・バーンズ(いずれも故人)、そして03年ペター・ソルベルグ(08年現在もスバル)と、3人のドライバーズチャンピオンを輩出してきた名門が、WRC最前線を去る。
16日の午後6時からの緊急記者会見には、森郁夫・富士重工業社長が出席。「WRCで活躍する青いインプレッサは、ファンの皆様にとってスバルの象徴であり、この決断は本当につらいものでした」との意を公表した。また、会見後に記者団に囲まれた際には、「今回の決定に、(資本関係のある)トヨタの意向は関係していない」「予算決定の段階に比べて、円高の影響が大きくなり過ぎてしまった」「WRC全体への影響? それはなんともいえない」などとコメント。
また、言葉としてはホンダF1の“撤退”や、スズキWRCの“休止”とも異なる“終了”という表現をしているが、森社長は「撤退ということ(解釈)でいいと思います」。
なお、量産車ベースのクラスに参戦する多くのプライベーターへの車両供給や支援は継続していく、とのことなので、PWRC=プロダクションカー世界ラリー選手権に参戦する新井敏弘(05、07年王者)らの活動には、当面、直接の影響はないものと考えられるが、状況が状況だけに楽観はできない。
また、04年から始まったWRCの日本ラウンド、北海道でのラリージャパンについても、WRCでの次回開催は2010年と決まっているが、地元ワークスの消滅によって、集客面等への打撃は避けられないだろう。
追記の追記:
富士重工業、WRCのワークス活動を終了
富士重工業は、2008年いっぱいで世界ラリー選手権(WRC)シリーズからの撤退を発表した。
世界的な経済不況に見舞われた現状を踏まえ、経営状況が大きく変化したことを受け、同社は経営資源を効率的に活用するため、WRC活動からの撤退を決定した。
富士重工業は量産車開発への先進技術、競技に出場することで得られるノウハウのフィードバックを目的に、英国のモータースポーツ専門会社プロドライブ社と共に1990年より活動を続けてきた。
スバル・ワールド・ラリー・チーム(SWRT)として、19年におよぶ活動の中で、3度のマニファクチャラーズチャンピオンを獲得。また、故コーリン・マクレー、故リチャード・バーンズ、ペター・ソルベルグと3人のドライバーズチャンピオンを輩出する華々しい実績を残してきた。
今後は、量産車カテゴリーのグループNクラス、および世界選手権のP-WRC活動に参加しているチーム、ドライバーへの車両供給や活動支援は続けていく予定であるという。
【スバルWRC撤退】世界的な経済状況の急激な悪化、以外に…
16日、突然のWRCワークス活動終了を発表した富士重工業=スバル。理由は「世界的な経済状況の急激な悪化に見舞われたため」であるが、それ以外の複合的な理由が見え隠れするのも事実だ。
まず、WRCのトップ戦線を争うマシンの規定に関する動き。少しややこしい話になるが、WRカーと呼ばれるトップクラスの車両規定が2010年から本格的に変更される予定にある。そして、その新WRカー規定が「S2000」という車両規定をベースとしたものになる、ということが決まったばかりなのだ(今後の流転も予想されるが)。
これはスバルにとっては、あまり都合のいい決定ではなかった。スバル的には、新WRカー規定が「グループN」という車両規定ベースでつくられることを望んでいたはず。08年型のWRカーで参戦できるのは、09年までで、翌10年も参戦継続するためには、完全ニューマシンをつくらなければならない。
これはネガティブな要素だ。だったら、世界的に経済事情が苦しくなったここで、いっそのこと……。そういう心理が働いたとしても不思議ではない。
そして、近年の成績不振も影響しているはずだ。ここ3年、未勝利。見切りをつけたくなっても仕方のない成績であったことは、ホンダF1と共通する。ともに、かつての栄光があっただけに辛いところだ。
【スバルWRC撤退】4人がシートを喪失
富士重工業(スバル)は16日、WRCワークス活動終了を発表した。スズキのWRC撤退に続いてのスバルの発表である。WRC全体への影響の大きさは、ホンダF1撤退の比ではないだろう。
連日の日本勢ワークス撤退事件により、03年チャンピオンのペター・ソルベルグと気鋭クリス・アトキンソン(以上スバル)、フル参戦初年度のスズキで奮戦したトニ・ガルデマイスター&パーガンナー・アンダーソンと、4人のトップドライバーがいきなり来季のシートを喪失したことになる。
スバルのWRCワークス活動の母体は、英国のプロドライブ社。その総帥はデイビッド・リチャーズという人物で、スバルのWRC活動に携わる傍ら、ベネトンやBARホンダでF1チームのマネージメントにも参画した経験を持つ。つい1 - 2年前にも、“12番目のチーム”でF1新規参戦を狙った経緯がある(未遂に終わる)。
そのリチャーズが、現在、ホンダF1チームの資産を購入する候補のひとりとして噂されているのは、皮肉と言うべきか、何なのか……?
12月に入ってホンダ、スズキ、スバルと続いた、世界選手権レベルでの“撤退ショック”。今後も国内カテゴリーを含め、さらなる波及的影響が予想される。日本のモータースポーツ界が、1970年代のオイルショック時と同等かそれ以上の厳しい環境を迎えてしまったことは、間違いないようだ。
追記の追記の追記(笑)
【スバルWRC撤退】欧州でもトップ報道された森社長の「涙」
スバル富士重工のWRCワークス撤退は、欧州のニュースチャンネル「ユーロニュース」でも17日朝から、それもスポーツ枠のトップで報道されている。
ユーロニュースはヨーロッパを代表するニュースチャンネルのひとつ。衛星などを通じ英、仏、独、伊、西、ポルトガル、露、アラブの8か国語で放映されている。
スバルWRC撤退のニュースはスポーツコーナーの冒頭扱い。東京で同日に行なわれた森郁夫社長による緊急記者会見の映像が、ラリーカーの走行シーンとともに織り込まれている。
森社長が「…コーナーが(スバルのチームカラーである)青一色に染まっているのを目にすると」と発言した直後、突然涙を浮かべて数秒声を詰まらせる姿が、各国語の翻訳音声付きで放映されている。この模様は欧州の17日午前、毎時15分から始まるスポーツ枠で繰り返し流されている。
欧州のニュースチャンネルで、日本における自動車関連発表会の模様が報じられるのは異例のことだ。たしかにイタリア、フランス、スイスなどにおけるスバルの評価は、WRCやそれをモティーフにしたコンピューターゲームのおかげで非常に高い。毎年12月に開催されるボローニャモーターショーでも、スバルスタンドに併設されるグッズ販売ブースは若者たちの人気コーナーのひとつとなっている。
しかし今回のユーロニュース報道に関していえば、フィアットのマルキオンネ社長をはじめ欧州メーカーのトップは普段感情を露わにしないだけに、森社長の涙とワークス活動への思いが欧州人記者に驚きをもって捉えられた、と見るのが正しいだろう。
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富士重工 | ニュース
Posted at
2008/12/16 20:32:37