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2019年02月28日 イイね!

ホントなんでも最初にやってるんじゃないかな~って気がするね

ホントなんでも最初にやってるんじゃないかな~って気がするねポルシェ911やVWビートルに採用された「スポルトマチック」とは?

古いポルシェ911やフォルクスワーゲン ビートルの中古車には「スポルトマチック車」と書かれている個体が存在する。このスポルトマチックとは何なのだろうか。文・山本晋也

1960年代にポルシェが開発した2ペダルMT

1967年に生まれたスポルトマチック車のコクピットを確認すると、シフトノブにはHパターンが描かれているのにペダルは2つしかないという、現代の感覚からすると不思議な光景になっている。
つまり、クラッチ操作は自動ながら、変則操作はマニュアルという2ペダル・トランスミッションがスポルトマチックなのだ。
ちなみに、つづりは「SPORTOMATIC」となる。現在、韓国系ブランドのKIAが「Sportmatic」という商標でマニュアルモードを持つオートマチックトランスミッションを用意しているが、つづりが違うことからもわかるようにも完全に別物だ。


トルクコンバーターとクラッチを併用していた

スポルトマチックのドライビングは、クラッチ操作が機械任せとなっているだけで、ほぼマニュアルといえるものだ。クラッチ操作のトリガーはシフトレバーの動きを検知するセンサーで、シフトを動かそうとするとセンサーが検知してソレノイドを作動させることでクラッチを切り、シフトチェンジを行なってシフトレバーから手を離すとクラッチをつなぐという仕組みだ。
そのためシフトノブにずっと手を置いているクセのあるドライバーではクラッチが切れっぱなしになってしまうのでクセの修正が必要である。ユニットのベースとなっているのは4速MTもしくは3速MT。といってもMTをベースにクラッチを自動にしているだけではなく、駐車時にギアをかみ合わせておくパーキングロック用のギアセットも持っているなど構造は異なっている。
その最大の特徴は、エンジンとトランスミッションの間にトルクコンバーターを介していることだ。トルクコンバーターとギアセットの間に単板式クラッチが置かれている。トルクコンバーターを使うことで、ギアを抜かず(ニュートラルにせず)に停車してもエンジンが止まってしまうことはない。
もちろん、発進時でもトルクコンバーターを使ったことでスムースネスに貢献できる。前述したようにパーキングロックを必要としたのも、こうしてトルクコンバーターを使ったからであろう。


自動変速のない2ペダルは国産ではMR-Sが最後

あらためて整理すれば、ポルシェ911やフォルクスワーゲン・ビートルに採用された「スポルトマチック」とはクラッチ操作のみが自動で、シフトチェンジはドライバーが行なうもの。
車種によってはDレンジを持っているが、あくまでもドライブに最適なギアという意味であって自動変速してくれるわけではない。2ペダルとなっているのでAT限定免許でも運転できるが、事実上のセミATといえる。
MTをベースとしたAT(フォルクスワーゲンのASGやスズキのAGSなど)の多くが自動変速機構を持っていることを考えると、スポルトマチックという名前の通りに、ドライバーの適切なシフトチェンジを要求するトランスミッションだった。
このようなマニュアル変速機構しかもたないセミATというのは珍しく、国産乗用車ではトヨタのミッドシップ・オープンカー「MR-S」が採用したSMT(シーケンシャル マニュアル トランスミッション)を最後として、姿を消している。



ツインクラッチだってレーシングカーでPDK(今のではなく80年代のネ)の開発もしていたからね~
Posted at 2019/02/28 22:28:33 | コメント(0) | トラックバック(0) | 自動車業界あれこれ | 日記
2019年02月28日 イイね!

また当たりでございますよ…

また当たりでございますよ…スバル、インプレッサ&フォレスター 30万台をリコール ブレーキランプがつかない?

SUBARU(スバル)は2月28日、『インプレッサ』および『フォレスター』のブレーキランプスイッチに不具合があるとして、国土交通省にリコール(回収・無償修理)を届け出た。対象となるのは2008年9月19日から2017年3月29日に製造された30万6728台。

不具合の原因は、制動灯スイッチの接点方式が不適切だったこと。車内清掃用品や化粧品類などから揮発するシリコーンガスの影響で接点部に絶縁被膜が生成され導通不良となることがあり、ブレーキランプが点灯しなくなり、横滑り防止装置の警告灯点灯やエンジン始動不良になるおそれがある。

改善措置として、全車両、ブレーキランプスイッチを対策品に交換する。

不具合は1399件発生、事故は起きていない。市場からの情報によりリコールを届け出た。


シリコン系のスプレーが悪さをしてスイッチをダメにすると…
いや、他の電装品にもよくないんだからダメでしょ?それ以前の話として



スバルが過去最大規模のリコール、年間販売2倍以上の226万台[新聞ウォッチ]

気になるニュース・気になる内幕---今日の朝刊(朝日、読売、毎日、産経、東京、日経の各紙・東京本社発行最終版)から注目の自動車関連記事をピックアップし、その内幕を分析するマスコミパトロール。

不具合が見つかった場合、国にリコール(回収・無償修理)を届けることは決して悪いことではなく、安全面からもむしろ消費者の不安を解消させてくれる効果がある。ところが、リコールが度重なると……。

スバルが、ブレーキランプをつけるためのスイッチの不具合によってエンジンが始動できなくなる恐れがあるなどとして、『インプレッサ』と『フォレスター』の2車種のリコール(回収・無償修理)を実施する発表した。

不具合が生じる恐れのある車種は海外分を含めて計226万8841台にのぼるそうだ。2008年9月~17年3月に製造した車種が対象であり、スバルとしては過去最大となるという。

スバルの2019年の世界販売台数は前年比2%増の108万台を計画しているが、今回のリコールは年間販売台数の2倍以上の大規模になる。きょうの各紙もリコールの記事としては異例の扱いで、読売は経済面で「スバル226万台リコール過去最高」と報じたほか、産経は「スバルまた大規模リコール、ブランドに影響」などと伝えている。

また、日経も「スバル、226万台リコール、過去最大、品質問題根深く」との見出し。ただ、リコール関連費用が追加で発生するが、コスト削減のほか北米の販売が想定を上回っており相殺できる見込みで、「さらなる業績修正にいたらない」(スバル)としている。

3月1日付

●米朝、共同声明見送り、首脳会談、非核化、具体策に溝(読売・1面)

●株急落、米朝ショック、下げ幅一時200円に迫る(読売・10面)

●日産、社外取締役倍増へ、監視強化、透明性高める(読売・11面)

●スバル226万台リコール、過去最大(読売・11面)

●ゴーン被告3度目保釈請求(読売・34面)

●パナ経営陣創業家出身者不在に(朝日・11面)

●カーシェア2社協業 DeNAとSOMPO新会社設立(毎日・7面)

●米の対日強硬姿勢を警戒、通商代表、早期交渉に意欲、車輸入制限・為替条項要求も(産経・11面)

●ホンダが新型競技用車いす(東京・6面)

●フォード中国で2000人減、主力合弁、販売4割減、昨年市場縮小、人員減拡大も(日経・15面)

●自動運転独2強連携、ダイムラーとBMWレベル4まで(日経・15面)
Posted at 2019/02/28 22:19:38 | コメント(0) | トラックバック(0) | リコールなど | 日記
2019年02月27日 イイね!

スバルはSUV屋さんって感じだな…一時ホンダがミニバン屋さんなんて揶揄された気もするけど

スバルはSUV屋さんって感じだな…一時ホンダがミニバン屋さんなんて揶揄された気もするけど【スバル雪上試乗会】雪国での使用でこそ光る、スバルならではの性能

毎年1月の終わりから2月にかけて、自動車業界では北海道へ行く機会が増える。それは自動車メーカーやタイヤメーカーがこの時期ならではの雪上試乗会を開催するからである。しかしながら今回、スバルが「テックツアー」と銘打った雪上試乗会を開催したのは山形県だった。2019年2月19日、東北新幹線に揺られて山形駅に到着後、早速ホテルでプレスカンファレンスが行われた。文・河口まなぶ

恒例となった公道でのスバル雪上試乗会

聞けばスバルが今回ここ山形県で雪上試乗会を開催した理由は、「テストコースではなく、リアルワールドでスバルの性能を感じてもらいたい」からだという。
以前は北海道のクローズドされた場所での雪上試乗会も開催したが、その後は上記の理由から一般公道を使っての雪上試乗会に切り替え、これが好評だったこともあって公道での雪上試乗会が恒例となったのだという。

昨年は青森県の酸ヶ湯で行われ、今年は山形県の肘折温泉周辺が試乗場所として選ばれた。その理由はまず、日本の歴代最深積雪ランキングで雪深いところを選んだから。
ランキング1位は前回の酸ヶ湯で、今回の肘折温泉は歴代2位の445cmを昨年2018年に記録した。さらにこの肘折温泉の近くには、出羽三山のひとつである月山があり、ここはかつてスバルが初めて雪上試験を行なったという、スバルのヘリテージを生み出したゆかりのある場所ともいえる。


スバルならではの”総合雪国性能”とは

そして翌朝から試乗会が始まった。今回の試乗車は昨年登場したフォレスターと、よりコンパクトなSUVとして人気の高いXVの2車種で、それぞれにどちらかのモデルのガソリン・エンジン搭載車とマイルドハイブリッドのe-BOXER搭載車を乗り比べるという企画だ。
ルートは各自自由に決められるが、我々は往路ではスタート地点の山形市内から銀山温泉街を経由して中継地点の肘折温泉に向かうことに。そして復路はスタート地点の肘折温泉から出羽三山神社を経由してゴールとなる庄内空港という道のりを選んだのだった。
今回の試乗会はいわゆる新車試乗ではなく、純粋に公道を舞台にした雪上試乗会ということになるわけだが、スバルは前夜のプレスカンファレンスにおいて念入りに「スバルならではの”総合雪国性能”を体感してほしい」と説明した。
スバルがいう総合雪国性能とは、単に雪道に強いAWD等の技術的の各論ではなく、それらを含めてスバル車の様々な部分に入っている、雪国での使用でこそ光る性能のこと。これをリアルワールドで確かめてほしいとのことだった。

事実、我々は今回フォレスターの2台を試乗したわけだが、フォレスターの”総合雪国性能”に関していえば、スバル車の中では最も最低地上高が高い220mmに設定されていることをまず記しておくべきだろう。これによって、深雪等にも耐えうる走破性を手に入れている。
だから今回のような除雪がなされた場所や圧雪路では、車高に関しては何の問題もないばかりか意識せずに走れてしまう…と何気なく書いているが、最近はSUVとはいえ最低地上高は通常のセダンやワゴン等を変わらないのでは?というものもあるくらいなので、スバルのクルマはこの辺りこそしっかりと考えているといえる。
またフォレスター以外でもXVやアウトバックは最低地上高で200mmを実現している。こうした雪国で使うことの基本をしっかりと抑えているのがスバルのいう総合雪国性能である。
それはもちろん車高以外でも様々に展開されており、例えば、スバル車では全車で優れた視界を確保することが基本で、一般的にはウインドウの配置や高さなどの基本要素で死角を限りなく減らす設計としている。
が、雪国では通常のワイパーだと、ワイパーが停止している位置に雪が溜まったり固着して動かなくなることや、これによりウインドをうまく拭けない場合があったりするが、スバル車のワイパーにはデアイサー(ワイパーの停止位置に熱線を入れて雪がたまったり、ワイパーが固着するのを防ぐ装備)が備わっており(モデルによってはオプション)、そうした状況にはならない対策がなされている。


雪国で役立つ機能が盛りだくさん!

実際に雪道を走り出すと、確かにフロントウインドの見通しが良く、有効視界は通常時と変わらない。特に今回は、街中こそ雪は少なかったものの、ルートを進むに連れて雪深くなるとともに、天候もコロコロと変わり、一時はホワイトアウトする様な状況が何度もあったほどだった。しかし、そうした中でもフロントウインドそのものの視界が狭まることは一切なかった。
今年は北海道を中心に様々な場所で雪上試乗したが、なかにはワイパー停止部分に雪が溜まってしまい視界を遮るものもあっただけに、余計にその効果を実感した。
またこれだけでなく、雪国だからこそ重宝するステアリング・ヒーターを、このクラスで装備しているものは意外に少ないし、こびりついた雪を落としヘッドライトをしっかりと機能させるヘッドライトウォッシャーや、後席にまで備わるシートヒーターなど、”こだわりの冬季性能”が確保されているのもトピックといえる。
空調ユニットも、吹き出し口を足元近くに配置することで、冬場で特に冷えを感じる要因となる足元への暖かな送風もしっかりと考え抜かれている。またシートヒーターなどは前後席ともに、バックレスト上側まで範囲が拡大されたものにするなど、さりげない冬季性能を盛り込んでいる。

この他にも、実に細かな雪国での使用に役に立つ機能が盛り込まれる。
AWDながらも前輪にチェーンをつけた時に、フロントの駆動力が増大することによって相対的にリアの駆動力が下がり、スピンしやすくなる特性を是正するような制御を行っているし、e-BOXERでは回生ブレーキ時のアンダーステアを低減している他、X-modeでは低車速域でモーターのトルクを優先的に配分してアクセルワークに対して忠実なトルク応答を実現するなどの工夫も凝らされている。


フォレスターで見た、逞しさと信頼感

ひとつひとつを記していくと枚挙に遑がないわけだが、文字数も尽きてきたのでまとめるならば、そうしたひとつひとつの、雪国でも使ってもらいたいという想いがこもっているからこその装備が全て繋がることによって、今回フォレスターを試乗して、そこはかとない安心に包まれていることを感じたのは事実だし、それによって安全が担保されていることを感じたのもまた事実だ。
実際に今回の試乗コースは流石に歴代の最深雪ランキングに入るくらいの場所なので、とにかく刻々と変わる状況がかなりのハードなものだった。
事実、最も厳しかったのはやや凍結もある長い下りの緩やかなワインディングで、カーブでは時たま滑ってしまうような状況ながら、時折吹く風によってホワイトアウトしてしまうときがあった。が、そうした中にあって、我々はフォレスターに身を預けることのできる逞しさや信頼感をそこに確かに見たのだ。
また同時に、往復で先に記したようなハードな雪道を含む約200kmという行程にあっても、リラックスして運転でき、場合によっては走りそのものを楽しむシーンもあった。それにも関わらず疲れは少なく、なおかつそこはかとなく感じるジワジワと染み入るようなクルマの良さに、僕は改めてこの感覚こそが「スバルらしさ」なのだろうと思ったのだった。



なぜスバルe-BOXERの評判はこんなにいいのか??【AWDの信頼性×HVの緻密な制御】

 スバルの新たなハイブリッドシステム「e-BOXER」が、クルマ好き、スバル好きのあいだで大変評判がいい。

 昨年フォレスターに設定されるや、すぐに同モデルのトップセールスグレードとなり、翌月にはXVにも設定され、非常に高い評価を受けている。

 とはいえこのe-BOXER、ハイブリッドシステムらしい、制御が緻密らしいと、どうにもふわっとした理解が先行しており、ここらできっちり「どんなシステムなのか」、「どこが優れているか」を説明していただきたいところ。

 そこで自動車ジャーナリストの片岡英明氏に、スバルe-BOXERの改めての利点とシステム解説とお願いした。

文:片岡英明

■常に新しいからこそ伝統のよさが光る

 スバルが「理想のパワーユニット」として長年にわたって磨き続けている水平対向エンジン、それに組み合わせた左右対称のシンメトリカルAWDは、長年研究を積み重ねた伝統的な信頼性と安心感があるが、それとともに積極的に新しい技術を注いでいる(だからこそトップブランドでありつづけることができるわけだが)。

 そのひとつが、ハイブリッド車に代表される電動技術である。

 2018年7月にモデルチェンジしたフォレスターには、「e-BOXER」と呼ぶハイブリッドシステム採用の「アドバンス」を設定(発売は9月)し、環境性能を大きく向上させた(のちにXVにも2018年10月に追加設定)。

 e-BOXERは、走りの愉しさと運転のしやすさを、誰もが実感できる水平対向エンジンと電動技術を組み合わせた新開発のパワーユニットだ。効率を高めた直噴方式の2L水平対向4気筒DOHCエンジンに、モーターとバッテリーを加え、シンメトリカルAWDと統合し、新感覚の走りを生み出した。

 もう少し詳しく説明すると、e-BOXERは水平対向エンジンと無段変速のリニアトロニック・トランスミッションの間にモーターを組み込み、その両方を動力として走行に使うパラレル式ハイブリッドシステムである。

 エンジンを主役としているが、モーターでアシストするし、必要に応じて減速時にはエネルギー回生も行う。また、ふたつの動力源を同時に使ったり、片方ずつ上手に使い分けたりすることもできる賢いシステムだ。

 e-BOXERは、直噴システムを採用し、107kW/188Nm(145ps/19.2kgm)を発生する2LのFB20型水平対向4気筒エンジンに10kW(13.6ps)のモーターを組み合わせている。

 このようなマイルドハイブリッドシステムは先代のVXにも採用していたが、今回はバッテリーを一新し、高効率のリチウムイオンバッテリーを搭載した。また、モーターアシストの特性を変え、ドライバビリティを向上させるとともに瞬発力を高めている。

■加速や減速にハイブリッド独特の嫌な感じがない

 このシステム、わたしが最初にステアリングを握ったのは、発売されるや一番人気となったフォレスターのアドバンスだ。

 2.5Lエンジンを搭載する他のグレードと比較しても、瞬発力は際立っていた。モーターアシストのおかげでアクセルを踏み込むと、瞬時にパワーとトルクが盛り上がる。発進加速は鋭いし、追い越し加速も冴えていた。

 e-BOXERは応答レスポンスが鋭く、アクセルを踏み込むとグッとクルマが前に出る。電気を使ったターボといえる味わいで、モーターのアシストは力強い。モーターが活躍するのはほんの一瞬だけだが、違いははっきりと分かる。運転感覚も新鮮だ。

 ハイブリッド車は、アクセルを緩めたり、ブレーキを踏むと減速エネルギーの回生を行う。それが独特の(一部の人にはちょっと気になる)フィーリングを生むのだが、e-BOXERはそれがなく、ブレーキを踏むと速やかに減速Gが立ち上がる。空走感のない気持ちいい減速フィールだし、再びアクセルを踏み込めばタイムラグなしに力強い加速を披露した。モーターならではの鋭い瞬発力と軽やかなパワーフィールは大きな魅力だ。

 エネルギーフローを車載のマルチファンクションディスプレイで確認すると、緻密に電気を出し入れし、効果的に働かせていることが分かる。バッテリー容量は1kWと小さいからすぐに電力を使い果たしてしまうのでは、と心配した。が、長い坂道や加速を続けない限り、電力は余っていたのである。下り坂など、アクセルを戻す場面では効率よく回生を行う。だから、すぐに満充電になった。

 バッテリーに十分に電気がたまっていれば発進と低速走行はモーターを使って走れる。応答レスポンスがいいから発進加速は鋭いし、パワーフィールも驚くほど滑らかだ。アクセルを踏み続けるシーンでの力強さはターボに軍配があがる。だが、e-BOXERは街中や郊外など、日常の走りのシーンにおいてモーターの威力を見せつけた。12Vで駆動するインテグレーテッドスターター・ジェネレーターも装備されているから、アイドリングストップからの復帰、再始動も滑らかだ。スポーツモードをチョイスすれば、山岳路などでも痛快な走りを存分に楽しめる。

■もちろん燃費もよく、高速巡航も楽しい

 XVアドバンスも同じe-BOXERを採用するが、印象はフォレスターと微妙に違っていた。XVのほうが軽量ボディだから、モーターアシストの恩恵が分かりやすいのだ。小さなモーターでも発進加速は驚くほどパンチがある。慣れてくれば40km/hくらいまでモーターが無理なくアシストしてくれた。

 ステアリングの右側に設けられたECO-Cボタンを押せば、モーター走行の領域を広げることができる。高速道路の下り勾配でアクセルを閉じると80km/hを超えてもモーター走行を続けるなど、新鮮な運転感覚だ。

 e-BOXERはもちろん燃費向上にも大きく寄与する。

 XVアドバンスで山梨県の河口湖から都内まで走ったが、下り坂が多かったこともあり、車載の燃費計は20km/Lオーバーを記録した。

 モーターを上手に使う、ゲーム感覚の運転も愉しい。フォレスターを含め、静粛性も1クラス上のレベルにある。だからロングドライブしたときでも疲れにくいだろう。

 e-BOXER搭載のフォレスターとXVは、水平対向エンジン、シンメトリカルAWD、モーターとバッテリーの最適配置などにより、優れた重量バランスと低重心を実現している。だから一体感のある、素直なハンドリングを披露した。狙ったラインに無理なく乗せることができ、コントロールできる領域も広い。

高速道路でもワインディングロードでも意のままの気持ちいい走りを楽しめる。背の高いフォレスターであっても運転するのが愉しい。

 意外だったのは、e-BOXER搭載のフォレスターとXVのほうがスバルグローバルプラットフォームのよさを感じやすかったことだ。モーターとバッテリーを積んだことによって増えた車両重量が、新世代プラットフォームとの相乗効果によって上質な乗り味を生み出している。路面の凹凸や継ぎ目などのショックを上手に受け流し、後席に座っても快適だった。

■「アイサイト」との相性も抜群

 もうひとつの発見は、スバル独自の運転支援システム、アイサイトとの相性がよかったことだ。追従クルーズコントロールは、前走車の走り方によって加減速を繰り返し、一定の距離を保って走行する。モーターがアシストするe-BOXERは再加速が俊敏だ。タイムラグは最小だから、上り勾配でも軽やかに加速していく。

 また、e-BOXERは滑りやすい雪道も苦にしない。

 フォレスターとXVは、優れたトラクション性能を誇るアクティブトルクスプリット方式のAWDを採用するだけでなく、ヒルディセントコントロールなどを組み込んだX-MODEも搭載する。シンメトリカルAWDは滑りやすい路面でも絶大な安心感があり、コントロール性も群を抜く。モーターアシストを加えたe-BOXERは、圧雪路面だけでなくスリッピーなアイスバーンでも優れたグリップ感を見せ、滑ったときの修正もしやすい。

 トラクション、コーナリング、安定性などを緻密に4輪制御し、余裕ある走りを楽しめる。e-BOXERの採用により、フォレスターとXVは新しい魅力を手に入れた。

 まとめると、もともと評価が高く評判のよかったスバルのAWDに、e-BOXER(マイルドハイブリッド)の緻密な制御が加わったことで(もともと買い得感が高いこともあって)多くのコアユーザーだけでなく新規ユーザーも興味を持ち始め、スバル製AWDの評価がさらに高まった、ということだろう。



100万台の壁を突破! SUBARUのラインナップにニューキャラが登場する?

■スタイリッシュなSUVの投入で、生産規模の限界を超えることはできるか

先日、SUBARUの最新クロスオーバーSUVである「フォレスター」と「SUBARU XV」を山形県・肘折温泉をポイントとして雪上試乗するという機会に恵まれた。実際にハンドルを握ったのはフォレスターだったが、その際に感じたのは「SUBARUのSUVは、さほど差別化されていない」ということ。この両車、パワートレインについては排気量の違いこそあるが、e-BOXERと呼ばれるマイルドハイブリッドシステムはエンジンからして共通であるし、シンメトリカルAWDなど駆動系は同じものを使っている。スタイリングやパッケージングで差をつけているとはいえ、雪上に並べてみると、どうにもキャラが被っているという印象を受けた。

そう感じた理由を整理していると、ひとつの仮説にたどり着いた。

2018年、SUBARUのグローバルでの生産台数は1,019,364台。7年ぶりに前年割れをしたとはいえ、年間100万台の規模は死守している。以前、SUBARUの生産能力について取材したのだが、同社においてはこの規模というのは目一杯の状態に近い。将来的にも120万台の規模感の生産能力となっている。つまり、現時点ではトータルで100万台+αとなる商品企画があれば企業としては成り立つといえる。そうしたムードがエンジニアの間に漂っていることで、たとえば「30万台+30万台+30万台+10万台の商品があれば事足りる」といった意識が、表に出ないまでも深層心理として生まれているのではないだろうか。手堅い商品展開で十分という意識が、いかにもSUBARUらしいと感じられるキャラに収めてしまっていて、冒険できなくなっているのではないか、という仮説だ。

この仮説を、マーケティング担当者に率直に伝えると、否定をすることはなかった。しかし、手堅い商品企画で安定して100万台の規模を維持するというのは、激動の自動車市場においては難しいだろう。ひとつの商品で年間50万台、100万台を目指すといったチャレンジをしておかないと先細りになってしまいかねない。3本柱でバランスを取るという商品企画ではなく、どれか1本でも支えられるというくらいの気概が、これからの自動車業界をサバイブする上では必要だと思う。

そんな話をした矢先、SUBARUから新しいコンセプトカーが登場するという発表があった。3月に開幕するジュネーブモーターショーで「SUBARU VIZIV ADRENALINE CONCEPT(スバル ヴィジヴ アドレナリン コンセプト)」というコンセプトカーを世界初公開するのだという。たった一枚の画像が公開されているだけだが、そのマッシブで、スタンスの効いたシルエットはこれまでのSUBARU車にはないものだ。フォレスターやSUBARU XVのパッケージングは、デザイン代よりもラゲッジやキャビンのスペースを優先している印象を受けるが、この新コンセプトカーはデザインコンシャスであり、スタイリングファーストの提案と見える。まさに、いまのSUBARUに足りないニューキャラクターの提案である。

現状のラインナップで100万台のスケールは維持できているが、新キャラによってその壁を突破しようということだろうか。少なくとも、このスタイリングがどの従来モデルの後継とも思えないということは、ラインナップを増やす意思を示したということであろう。年間120万台の生産規模に向けて、SUBARUはきちんと次の手を打ってきたのだ。

文:山本晋也
自動車コミュニケータ・コラムニスト



スバルが「最良の車を作るブランド」に…コンシューマーリポート

アメリカの消費者向け製品ガイドメディアの『コンシューマーリポート』は19日、「最良の車を作るブランド」に、SUBARU(スバル)を選んだと発表した。スバルは個別の車種でも、新型『アセント』と『フォレスター』がそれぞれのカテゴリーで「10 Top Picks」ベストカーオブザイヤーに選ばれている。

◆最良の車を作るブランド

ブランドのランキングでは、信頼性があり高性能な車を作るメーカーと、そうでないメーカーとをランキングしている。

スバルが『コンシューマーリポート』のブランドランキングで1位になるのは今回が初めて。前回の7位から飛躍した。大幅なジャンプアップの理由は、新型アセント、『クロストレック』(日本市場の『XV』に相当)、『フォレスター』といったSUVが高評価を得たことによる。BMWやポルシェがロードテストで高得点を記録するいっぽうで、スバルは信頼性とオーナーの満足度によって順位を上げた。スバルで唯一、平均点より評価が低かったのは、スポーティセダンの『WRX』の信頼性だった。

スバル以下全33ブランド中、ランキング2位はジェネシス(前年1位)、3位はポルシェ(同5位)だった。日系ブランドで上位は、レクサスが1ランクダウンの5位、マツダが7ランクアップの6位、トヨタが1ランクアップの9位となっている。

2019年のランキングで最も順位を上げたのはMINIで、10ランクアップ。最も下がったのはクライスラーとテスラで、それぞれ9ランクダウン。ラインナップを構成する車種が少ないブランドでは、少数のモデルの評価がブランド全体に与える影響が大きい。

◆10 Top Picks ベストカーオブザイヤー

スバルは個別の車種でも2車種が「10 Top Picks」に選ばれた。中型SUVのカテゴリーで、フルモデルチェンジした3列シートSUVのアセントが選ばれた。スムーズな出力特性、快適な乗り心地、機能的なインテリアで好評だ。コンパクトSUVのカテゴリーではフォレスターがベストに選ばれている。広い室内は機能的で実用的、幅広い層にアピールする、と評価された。

「10 Top Picks」はアセントとフォレスターのほか、中型乗用車がトヨタ『カムリ・ハイブリッド』、コンパクト高級乗用車がアウディ『A4』、サブコンパクトSUVがヒュンダイ『コナ』、サブコンパクト乗用車がトヨタ『ヤリス』、大型乗用車がトヨタ『アバロン・ハイブリッド』、高級SUVがBMW『X5』、ハイブリッド/電気乗用車がトヨタ『プリウス』、フルサイズ・トラックがフォード『F-150』だった。10車種中6車種が日系ブランド。



スバル フォレスターで確認した、雪道における「e-BOXER」のメリット・デメリット

2019年の冬もスバルは雪国で公道試乗会を開催した。2018年は青森県の酸ヶ湯温泉を目的地にインプレッサとSUBARU XVというSGP(スバルグローバルプラットフォーム)に基づく新世代モデルで八甲田山エリアを走破するというプログラムだったが、2019年は山形県月山付近を肘折温泉という秘湯をチェックポイントとしてフォレスター&SUBARU XVというクロスオーバーSUVの冬季性能を確認するという内容になっていた。文・山本晋也

スバルが「AWD」と呼ぶことのこだわり

スタート地点は山形市内。今年は暖冬気味ということで道にはほとんど雪が確認できない。しばらく走ってもドライの舗装路で、目を上にやれば青空が確認できるほど。はやく標高の高い場所に行かないと! というわけで片側2車線の気持ちよく流れている国道を急ぐ。
ちなみに、今回の試乗車は全車がブリヂストンの最新スタッドレスタイヤ「ブリザック VRX2」を履いていた。北海道や東北主要都市ではもちろん、日本全国でも装着率ナンバーワンというVRX2は、こうしたドライ路面での、スタッドレスタイヤと感じさせないしっかり感も魅力のひとつで、そうした部分を感じながらのドライブとなった。

さて、まずハンドルを握っていたのはe-BOXERというモーターアシスト型のハイブリッドシステムと2.0リッターエンジンを組み合わせたパワートレインを搭載しているフォレスター「Advance」グレード。駆動システムは前後駆動力配分60:40を基本とした「アクティブトルクスプリットAWD」である。
なおAWDというのは「オールホイールドライブ」の略称で、一般的な4WD(四輪駆動)という表記を使わないのもスバルのこだわり。他社の4WDには基本は2WDでスリップしたときだけ4WDに変身するものもあるが、スバルは常時全輪駆動としている。そうした駆動システムを採用している思いをAWDという表記に込めている。

さらにいえば、スバルのパワートレインは縦置きに搭載した水平対向エンジンを軸にしていることから、基本的に左右対称となっている。その基本レイアウトを「シンメトリカルAWD」と呼んでいるが、これもスバルの伝統であり、その物理的なバランスの良さは他社にはないスバルだけの魅力となっている。また、その開発の歴史は長く、「実路でどうあるべきか」を常に考えているという。
そういえば1970年代に初期の4WD(当時はパートタイム式だ)の冬季テストを山形県・月山で行なったことが、今回の試乗ステージの選定に影響しているというエピソードもあった。今回、当時の試験の様子を写した貴重なフィルムも確認したが、乗用タイプであっても悪路走破性にこだわってきたという歴史の深みを感じさせた。


「e-BOXER」ならではのAWD制御とは?

そうした実路での経験は、フォレスターのe-BOXER車のセッティングにも活かされている。ハイブリッドカーというのは減速エネルギーを利用してモーターで発電する回生ブレーキという機能を持つが、それは雪道においては諸刃の剣となることもある。主にフロントで回生をするため、前輪のグリップを縦方向に使い切ってしまい曲がる力が弱くなることがある。
結果として、いわゆるアンダーステア傾向が強くなる。しかし、スバルのe-BOXERはAWDを前提としたハイブリッドシステムでもある。雪道など滑りやすい路面を走行していると検知したときには、アクティブトルクスプリット機構の締結力を強め、後輪の回生量を増やすことで前輪の負担を軽減、コーナリング性能を高めているという。

とはいえ、実際にはそれがパフォーマンスの差としては感じられなかった。非ハイブリッドの2.5リッター直噴エンジンを搭載する「Premium」グレードの走りと比べてもフロントの手応えがあるわけではない。むしろガソリンエンジン車のほうが雪道におけるノーズの動きはキビキビとしていた。
このあたり、車重の違い(ハイブリッド車は1650kg、試乗したガソリンエンジン車は1560kg)という要件もあるので単純比較はできないが、滑りやすい雪道でのアクティブトルクスプリット機構の制御というのはガソリンエンジン車でも行われているわけで、その緻密さはハイブリッド(電動車両)を凌駕するレベルに仕上がっているといえるのかもしれない。
しかし、坂道発進でアクセルを踏み込んだときにはハイブリッド「e-BOXER」のアドバンテージが明らかとなる。
2.5リッターエンジン車では、さすがのブリザック VRX2も横方向にスリップしてしまう感覚があるが、モーター駆動をうまく利用したe-BOXERではアクセルペダルの操作に対する応答遅れが少なくなっていることもあって、しっかりと路面をグリップして坂を登っていく。モーターならではの「素早く、緻密な駆動力」は雪道で明確なメリットとなることが確認できた。

さらにフォレスターに備わる「X-MODE」機能を使うと、よりスリッピーな路面に合わせてモーター駆動の比率を高めることでリニアリティを増しているという。今回はX-MODEを使うまでもない道路状況だったが、深雪などでの走破性が高いというアドバンテージは、クロスオーバーSUVとしてe-BOXER車を選ぶインセンティブになるだろう。


生産休止の問題とは果たして何だったのか

ところで、最近のスバルといえば生産に関わるいくつかの問題がニュースとなった。完成検査や排ガスの抜き取り検査における不適切行為は、ブランドへの信頼性を揺るがすものであり、その対策として企業風土の改革が進められている。
また2019年に入ってからは、ステアリング系パーツの問題により、スバルの国内生産が停止したこともあった。その結果としてインプレッサ、SUBARU XV、そしてフォレスターのリコールも発表されている。
今回、雪上で試乗する前に、リコールにつながったステアリングシステムの問題について、何が原因で、どのような対策をしたのかを尋ねた。雪道での車両性能がどうであろうと安心して乗っていられる信頼性を取り戻しているのかを確認したかったからだ。
まずリコールについてはすでに発表されているように、平成30年12月28日~平成31年1月16日の期間に製造された約780台が対象。限られた期間の問題というわけだ。その原因については、サプライヤーの限られたラインにおいて、限られた日数で生産されたパーツに限ったトラブルだったという。具体的には特定の1本の生産ラインにおける特定のロット(数日分の生産品)に限って起きた問題ということだ。
もちろん、こうした原因解明はすぐに出来たわけではない。そのためには一週間程度の生産休止という自動車メーカーとしては大きな犠牲を払っている。
今までのスバルであれば、生産しながら原因を解明する、つまり「走りながら考える」ということをしていたかもしれない。実際、一週間も生産を止めるというのは売り上げに対する影響も大きい。さらにいえば、生産上の都合があったとはいえ、リコールを実施するインプレッサ、SUBARU XV、フォレスター以外のモデル(レガシィ、レヴォーグ、86/BRZなど)についても生産を止めることになってしまった。
ここまで品質管理を徹底するという姿勢が生まれてきたことは、企業風土の改革が進んでいることの証左であろう。一度失った信頼を取り戻すことは容易ではないし、ブランドについた傷は簡単には治らない。しかし、ステアリング系パーツのトラブルにまつわる対応を聞けば、その険しい道を乗り越えていけるという確信を持つことができた。



アウトドアにもってこい! スバル新型「フォレスター」の雪上での走破性とは

■新型「フォレスター」の雪道での性能を検証

 優れた四駆性能を持つスバル「フォレスター」。新型モデルの雪上での性能を試してみました。

 新型「フォレスター」には、2.5リッターガソリンエンジンに加え、2リッターガソリンにモーターを組み合わせた「e-BOXER」搭載車の2つのパワートレインが用意されました。

 試乗車は2.5リッターエンジンを搭載する「X-BREAK(エックスブレイク)」というグレードです。

 スバルの水平対向エンジンと、左右対称の構造をした「シンメトリカルAWD」という独自の四駆技術により、低重心で前後左右のバランスに優れたパワートレインを実現。四輪に適切に荷重がかかるため、どんな道でも安定感のある走行を可能にしています。

 さらに、新型「フォレスター」には悪路走破性をより高める「X-MODE」が搭載され、深い雪やぬかるみなどにはまっても、四輪の駆動力やブレーキなどをコントロールすることで、容易に脱出できる機能も備わっています。

 また、下り坂では、車速が上昇するのを抑制する「ヒルディセントコントロール」が作動し、一定のスピードを維持しながら下ることができます。

 滑りやすい雪道での卓越した四駆性能もさることながら、オンロードでの走行性能も優れています。新型「フォレスター」に採用された新しいプラットフォームにより、正確なハンドル操作や乗り心地が向上し、コーナーを気持ちよく曲がることができます。

「フォレスター X-BREAK(エックスブレイク)」は、内外装の各所にオレンジのアクセントを取り入れてたデザインが特徴です。シートやラゲッジは撥水仕様となり、濡れたり汚れたりしても簡単に拭き取ることができます。

 新型「フォレスター」は、雪のシーズンはもちろん、夏のキャンプなどのアウトドアレジャーにも最適なSUVといえるでしょう。



スバル AWDの走破力を実感するリアルワールドの雪上テストドライブ

SUBARUテックツアー vol.10
スバルが恒例の「テックツアー」第10弾として、雪上試乗会を行なった。試乗車は最新のフォレスターとXVの2台で、それぞれ100kmほどの距離をリアルワールドで試乗した。あえてスタックしそうな箇所へ侵入し、AWDの走破力を試したり、日常の使い勝手を体験したりして短時間の新車試乗会では分からない性能を体験することができた。その結果、スバルのAWDは戦車のようにガシガシと雪道を走る体験をしたのだった。

雪国とはいえ、日常、走行するのは圧雪された雪道、除雪の行き届いた道路がほとんどで、稀に降雪直後などはかなり深雪となっている場合も遭遇する。また路地や山間部などでは除雪されていない箇所も多々存在するというのが雪国の日常だろう。

そこで今回のテックツアーの走行箇所は山形県の肘折地区。青森県の酸ヶ湯に次いで歴代深雪ランキング2位という豪雪エリアだ。もちろん、国道や大きな県道などは除雪もしっかりと行なわれているので、スバルのAWDでなくてもFF、FRでも走行できる環境がほとんどだ。

だが、あえて除雪されていないスキー場脇の路地を走行してみた。斜度はゆるい登りで徒歩で歩くと足首が埋まるほどの新雪が積もった状態。スバルXVでその新雪の中を進んでいくと、どんどん雪の量が増し「シャレにならないかも」という状態になったので、引き返すことにした。が、Uターンで見事にスタックしてしまった。

幸い天気は良かったので、車外に出て深雪や雪の硬いところを探し、チェック。前後にクルマを動かし、もがいてみたら、徐々に動かせる範囲が広がり、結局何事もなかったように脱出できた。これもXVのAWDとともに、最低地上高が200mmというのが大きく影響してると実感。ちなみにはフォレスターは220mmあり、またX-MODEも備えているのでそもそもスタックしなかったかもしれない。ちなみに試乗車にはブリヂストンのブリザックVRX2を装着していた。

AWDの種類と特徴

XVに搭載しているAWDは「アクティブトルクスプリットAWD」という多板クラッチを使った常時、前後に可変トルク配分する方式で、駆動力配分は通常6:4で走行しロックまで可変させることができる仕組みだ。XVの他にはフォレスターやインプレッサにも採用されている技術だ。

仕組みとしてはセンターデフはなく、フロントからのトルクを多板クラッチを使ってリヤタイヤに配分する仕組みで、可変幅を制御できる特徴がある。スバルには4種類のAWDシステムがあり、このアクティブトルクスプリットAWDが最も多くの車種に搭載している技術だ。

ちなみに、他のAWDシステムでは、WRX STIのマニュアル車だけに搭載するセンターデフ+DCCD方式(ドライバーズコントロールセンターデフ)、高出力エンジン+AT用のVTD(バリアブル・トルクディストリビューション)、そしてビスカスLSD付きセンターデフ方式の4つがある。スバルのAWDの詳細はこちらを参照してほしい。
※関連記事:スバル雪上試乗会レポート スバルを支えるAWD技術をズームアップ

AWD

AWDと言えば「スバル」という印象を持つ人が多いと思う。他に同様の印象では三菱があり、輸入車であればアウディ、レンジロバーあたりが思い浮かぶのではないだろうか。そのスバルのAWDでは、まず国内でのスバル車率は2.9%。山形県では3.7%がスバル車だ。そのスバルのうち山形で走るスバル車の95%以上がAWDということで、スバル車であればほぼAWDなのだ。もちろんBRZや営業車のFFインプレッサがあるので100%とはならないが、日本のスノーベルトエリアでは人気だ。

今回のスバルテックツアーはメディア向けにスバルが実施しているイベントで、これまで9回開催されている。狙いはスバルの技術を始め、オーバーオールにスバルへの認識を深めスバルの魅力を伝えていくことだ。したがって、これまで研究施設、テストコースなどの開発部門の見学会や、生み出された技術を搭載した車両による体験会などが実施されてきた。

そして今回は深雪でのAWD走破力の体験という狙いで実施され、スタックさせても安心のAWD技術を体験してきたのだ。



なぜスバルは4WDにこだわるのか?──冬の山形でスバル フォレスターに乗って考えた

スバルは、日本の4輪駆動乗用車の先駆けだ。開発のきっかけは冬の宮城県である。当時、東北電力が送電線点検用に使っていたジープは乗り心地が悪く、ヒーターも効かないといった問題を解決するため、初代「レオーネ」に(日産の)4輪駆動システムを組み込んだのがオリジンといわれる。1971年のことだ。

翌年の1972年には、一般ユーザーへ4WDモデル(エステートバンに設定)の販売を開始した。以降、スバルは4輪駆動にこだわってきた。「さまざまな道で安定した走りと深い安心感を生む」と、うたうように、ラインナップのほとんどのモデルに4輪駆動モデルを設定する。

ちなみにスバルは、4輪駆動システムについて「AWD(all-wheel drive)」と呼ぶ。常時総輪駆動を強調したネーミングだ。なぜAWDか? 前述のとおり「安定した走りと深い安心感」を実現するためである。なお、今回の試乗会で私が乗った「フォレスター」も、すべてのモデルがAWDだった。

リアルワールドにおいて、積雪路のために4輪駆動を開発したスバルは、いまや、モータースポーツにも4輪駆動技術を活かす。そのため、AWDのシステムもバリエーションを拡大している。

「操る楽しさを実現させる」と、うたう「WRX STI」用のDCCD(ドライバーズコントロールセンターデフ)方式AWDから、「燃費と安定性を重視した」アクティブトルクスプリットAWDまで、4種類のAWDシステムを揃える。

前置きが長くなってしまったが、私が2019年2月、冬の山形でフォレスターに乗ったとき、スバルAWDの歴史をまっさきに思い浮かべた。とくに雪で真っ白な景色のなかに佇むフォレスターを見て、(宮城ではないものの)スバルのヨンクの原点に身を置くような気分がしたものだ。

高度なAWDシステム

フォレスターのAWDシステムは、私が学生時代によく乗った、友人の「レオーネワゴン」の4輪駆動システムから大きく進化している。いまさらここで書くまでもないかもしれないが、とにかく走りがスムーズだ。

フォレスターにはアクティブトルクスプリットAWDが搭載されている。「前60:後40のトルク配分を基本に、加速、登坂、旋回などの走行状態に合わせてリアルタイムにトルク配分をコントロールする」と、メーカーがうたうシステムである。

ようするに、クルマにまかせておけば大丈夫、というメカニズムなのだ。とくにマイルドハイブリッドシステムである「e-BOXER」を搭載したグレード「アドバンス」は、回生ブレーキ時のアンダーステアを防ぐため制動力を自動で調整するし、滑りやすい路面は適切なトルクコントロールのためモーター駆動の領域を拡大するなど、雪道をより安定して走行出来る機構が複数盛り込まれている。

今回のコースは、山形県酒田市内を出発し、鶴岡や寒河江(さがえ)や天童を経由し、山形駅まで向かう約200kmだ。まず中継地点までで乗ったのは2.5リッター水平対向4気筒エンジンにAWDを組み合わせたグレード「プレミアム」である。18インチタイヤ、アイサイトセイフティプラス、フルオートエアコン、全席シートヒーター、フロントシートの電動調整機能などを装備した、ちょっと贅沢な仕様だ。

搭載するエンジンは、239Nmの最大トルクを4400rpmで発生する設定であるが、低回転域でもしっかりと力強い。アクセルペダルの軽い踏み始めから大きなトルクが出たあと、途切れることなく加速力を持続する。

試乗車のタイヤは、ウィンタードライブに合わせて、氷結路面の多い北海道を中心に大きなシェアを誇るブリヂストンの「ブリザックVRX2」だった。なお、フォレスターのなかでも、オフロードテイストの強いグレード「X-BREAK」は唯一、標準で3シーズンタイヤ装着するが、試乗したプレミアムをはじめ、ほかのグレードはサマータイヤが組み合わされる。

さまざまな道を走った結果、「スタッドレスタイヤと組み合わせれば、フォレスターは無敵になるのでは?」と、思うのであった。積雪路でのグリップはしっかりしているうえ、コーナリングも正確だ。やや強めの制動をかけたときも、直進安定性はしっかり確保されていた。さらに、ブレーキを自動制御し安定したコーナリングラインを確保する「アクティブトルクベクタリング」も標準装備しており、安心感を高める。

もうひとつ感心したのは、ドライを含む各種路面における一貫した静粛性の高さである。だから、オーディオシステムの音質の良さが際立つ。広報部が用意したCDアルバム(2019年グラミー賞候補曲)を聴いてドライブしたときも、音量を上げたくなる場面はなかった。

刻々と変わる環境下で安心して走れる

もっとも雪深かったのは、中継地点近くにあった肘折(ひじおり)温泉の近辺だった。「肘を折った際の湯治に効果があった」と、平安時代に命名されたという説のある最上郡大蔵村の温泉地だ。日本有数の豪雪地帯で、2018年は4m超の雪が積もったほど。

周辺には除雪した雪の壁が左右から迫ってくるようなワインディングロードがある。ブリザックVRX2を履いたフォレスターはなんの不安もなく、雪の回廊というべき道でのドライブを楽しませてくれた。そしてこの地で乗りかえたe-BOXER搭載の「アドバンス」もおなじく楽しませてくれた。

私個人としては、アドバンスのナチュラルな加速感が好きである。その印象が雪上でも変わらなかったのが印象に残った。トルクの出かたが自然で、アクセルワークにそれほど気を遣わなくていいのが魅力のひとだ。

もうひとつは、平坦な積雪路での好燃費である。大きく加速する場面がないため、燃費がぐんぐん伸びていく。100kmほど走ったあとの実燃費は、リッターあたり13kmを超えた。スバルが公表しているWLTC燃費14.0km/Lに迫る。

AWD(常時全輪駆動)システムは、センターディファレンシャルにクラッチがついている。理論的にはごく低負荷時、前輪駆動となるものの、基本的には4つのタイヤにいつも駆動力が配分されている。通常は前輪駆動で走行し、いざというとき4WDに切り替わるシステムであれば燃費もさらに向上するかもしれないが、AWDは譲れないこだわりという。

それでも、WLTCによる14.0km/Lの数値は、けっして悪くない。雪国でよく走るという意味で、優れた燃費性能もフォレスターの特徴にあげていいだろう。

外気温が零下になる環境下では、シートヒーターのありがたさも痛感した。肩の付近まで電熱線が入っているせいか、すぐに背中全体がジワーっと気持ちよくあたたかくなる。足元をしっかり暖めるようヒーターの吹き出し口位置も気を遣っているというだけあって、今回のウィンタードライブは至極快適だった。

余裕ある居住性、広いラゲッジルーム、AWDがもたらす走破性、ボクサーエンジンのフィーリング……さまざまな魅力によって多くの支持を集めるフォレスターであるが、今回のロングドライブで頼りになる部分を充分に感じさせてくれたのであった。



雪国で評価の高い自動車メーカー 安心と安全を追求したスバル車の実力とは

■スバルの提案する「雪国総合性能」とは

 山形県に肘折(ひじおり)温泉という場所があります。気象庁の歴代全国ランキングによると、この肘折温泉は日本における観測地点で歴代4番目(2000年以降では2番目)の積雪量を記録した場所。

 2018年2月13日に記録した最深積雪量は、なんと445cmというから驚くばかりです。そんな国内有数の豪雪地帯である肘折温泉を含めた約200kmをルートとしてスバルがメディア向けに開催した雪上試乗会が実施されました。

 昨今、自動車メーカーやインポーターがメディア向けの雪上試乗会を多く開催していますが、スバルが異例なのは長距離ドライブを敢行すること。『刻々と変わる環境のなかで、スバルのクルマの移動手段としての実力を知ってほしい。そして雪国の人がスバルのクルマにどんな印象を持っているのかを感じてほしい』と広報担当者はその狙いを説明します。

 実は、スバルは、世界的に見ても自動車メーカーとして特異的なことがあります。それはAWD(四輪駆動)比率の高さ。SUBARU車のうち国内では87.4%(OEMモデルは除く)が、世界的にみると98%がAWDという比率は他のメーカーを抜きんでているのです。

 また、SUBARUの日本国内の登録車シェア(2018年9月時点でのSUBARU調べ)は2.90%ですが、今回の試乗の舞台となった山形県では3.70%(東北地方では3.62%)と高いのも、豪雪地域での信頼の証と言え、山形県におけるSUBARU車のAWD比率(2017年度データ)は95.4%にも上ります。

 今回は、ブリヂストン製のスタッドレスタイヤ「ブリザックVRX2」を履いた「フォレスター」と「XV」で雪国のロングドライブを体験。そこでもっとも強く感じた印象は、「疲れない」ということです。

 あたりまえですが、雪が積もった路面は滑ります。また部分的に凍って極端に滑りやすくなる箇所もあるから神経を使い、一般的な走行領域ではスリップの心配がいらない舗装路とは運転時の疲労度が全く違います。

 しかし、4つのタイヤがそのコンディションの中で最大限に路面をとらえる「フォレスター」や「XV」は、アクセルのオン/オフによる挙動の乱れが少なく、神経を使わずに済むことを実感しました。

 いずれもAWDシステムは『アクティブトルクスプリットAWD』と呼ぶ電子制御式。路面状況やドライバーの運転スタイルにより前後駆動配分を「60:40」から前後ロックまで可変できるのが特徴です。

 安定性が高い一方で、ドライバーに腕があればドリフトに持ち込んで積極的にクルマをコントロールする領域まで対応します。いずれにせよ、強力なトラクションと安定感が雪道での疲労低減に大きく効いていることを実感できます。

 また、優れたAWDシステムだけでなく、「フォレスター」で220mm、「XV」で200mmを確保した最低地上高も自慢。轍の深い道などでも安心して走れるのはもちろん、除雪で左右に除けられた雪により幅が狭くなった道で多く発生するすれ違い時には、スタックや車体の接触の心配をせずに道端に盛られた雪へタイヤを寄せることができ、そのようなシーンで安心できるのも、優れた駆動力と十分な地上高の大きなメリットです。

■ガソリン車とハイブリッド車の雪国性能

 肘折温泉は、取材日も大雪で、数十センチも降雪。除雪が間に合わず雪深い道路もありましたが、そんな環境でも不安なく走れたことが、「フォレスター」や「XV」のリアルワールドでの実力の高さを端的に物語っていました。

 今回の新たな発見は、モーターを組みわせたハイブリッドモデルである「e-BOXER」のメリットが雪道でも確認できます。

 移動中に、同乗していたスタッフがドライバーの運転に対して『滑りやすい路面の発進時などで標準車よりe-BOXERのほうがハンドルの修正が少なく、挙動がスムーズ』と気が付いたのです。

 運転していた筆者(工藤貴宏)は、ハンドルの修正を無意識におこなっていたので言われてからはじめて気が付いたのですが、確かに操作が穏やかでした。

 SUBARUの開発者に確認したところ『モーターのほうがアクセル操作に正確に反応するので、発進などでアクセルの踏み過ぎなどが軽減されて運転がスムーズになる』とのこと。「e-BOXER」は滑りやすい路面でもメリットがあるというわけです。

 また、雪道において「XV」よりも「フォレスター」は運転の疲れが少ないことも、今回のロングドライブで実感。それは、単に最低地上高の違い(雪道ではそれも大きいのですが)だけではなく、『クルマの味付けも違うから』と開発者はいいます。

『(フォレスターに比べると)キビキビ感を盛り込んだXVに比べると、フォレスターはアクセルに対する反応もハンドル操作に対する反応も穏やかだから滑りやすい路面ではより神経を使わなくて済む(開発者)』と教えてくれました。

 もちろん、「XV」でも雪道の運転疲れは少なく、「フォレスター」でも舗装路ではしっかりとキビキビ感があり、あくまで『最後の味付け』レベルの些細な違いですが、乗り比べると確かに違いを感じるのです。

 ちなみに、肘掛け温泉の近くには「月山(がっさん)」という場所があります。ここは、47年前(1972年)に、富士重工業(SUBARUの前身)が東北電力の求めに応じて試作した同社初のAWD車(レオーネバン)のテストをおこなった場所。

 その後、月山での雪上テストは90年代までおこなわれていました。スバルのAWDにとって聖地ともいえる地域での雪上ロングドライブは、雪国におけるSUBARU車への信頼を再認識するものでした。 【了】



トヨタの「プリウス式」HVとは燃費勝負しない!? スバルのハイブリッド車に与えられた使命とは

■スバルのハイブリッドシステム「e-BOXER」

 真冬の山形で開催されたスバルのメディア向け試乗会「SUV SNOW DRIVING EXPERIENCE」に参加し、スバルのSUVである「XV」と「フォレスター」で、雪道を思い切り走り込むことができました。

 そこで感じられたのはスバルのハイブリッドである「e-BOXER」のユニークな個性です。世間一般でいうところのハイブリッドの代表格といえば、トヨタ「プリウス」でしょう。しかし、スバルのハイブリッドは、「プリウス」とはまったく違った走りを提供してくれるものでした。

 スバルのハイブリッドシステムである「e-BOXER」はスバルのオリジナル技術で、特徴はハイブリッド車の専用システムではなく、通常のガソリンエンジン版の派生モデルとして用意されていることです。

 そのため、「e-BOXER」は、通常の2リッターエンジン+トランスミッション(CVT)というパワートレインを生かしたまま、その後ろに新たなに小さなモーターを1つ追加することで、ハイブリッド化を実現しています。

 しかも、スバルの売りであるAWD(オールホイールドライブ)の優れた走りを失わないようにと、前輪と後輪をつなぐプロペラシャフトが残されています。

 また、通常のエンジン車とハイブリッド車で、大きく車体を変えることもできないために、追加するモーターを大きくすることができず、その出力はわずかに10kW(13.6馬力)というのも特徴です。

 そのため、モーターだけで走行するEV走行は、ほとんどできません。2リッターのエンジンとモーターを合計した最高出力は117kW(158.6馬力)です。

 つまり、「ハイブリッド専用車ではない」「トランスミッションの後ろに1個のモーター」「プロペラシャフトを残したAWD」「モーター出力は10kWしかない」「EV走行不可」というのが特徴です。

■ハイブリッドの代表「プリウス」には敵わない

 一方、ハイブリッドの代表格ともいえるトヨタの「プリウス」の特徴は、「ハイブリッド専用モデル」「モーターは駆動用と回生・発電用の2個」「FFが基本で、4WDモデルはプロペラシャフトのない後輪をモーターで駆動する方式」「モーターの最高出力は53kW(72馬力)」「EV走行が可能」「1.8リッターエンジンとモーターのシステム最高出力は90kW(122馬力)」といったもの。スバルとは、何もかも違うと言っていいでしょう。

 そして、決定的な違いは燃費性能です。「プリウス」の燃費は通常モデルで37.2km/L(JC08モード)で、4WDでも34km/L(JC08モード)を誇るのに対して、スバルは「XVハイブリッド」で19.2km/L(JC08モード)、「フォレスター・ハイブリッド」で18.6km/L(JC08モード)。つまりスバルのハイブリッドの燃費性能は、「プリウス」の3分の2にも届かないのです。

 しかし、スバルのハイブリッドの燃費性能が「プリウス」に敵わないのは、ある意味、当然のことでしょう。なぜなら、スバルは燃費性能を狙っていないからです。

 何度か、スバルのハイブリッドの開発者に話を聞く機会がありましたが、誰もが判で押したように「プリウスと燃費性能を競っても意味がない」と言います。燃費性能を極めるために業界最大手のトヨタが生み出したのが「プリウス」です。

 業界最大手のトヨタのストロング・ポイントと真っ向勝負しては、スバルに分がないということでしょう。

■スバルのハイブリッドが担う役割とは?

 では、スバルはハイブリッドで何をするのか? それが走りのブラッシュアップです。

 ハイブリッドで駆動力を生み出すモーターは、エンジンよりもレスポンスよく、しかも緻密に制御することができます。欲しいときに欲しいだけ使うことができるのです。

 そこで、雪道などの足元の悪いシチュエーションで、エンジン出力が高まるまでの一瞬前をモーターが担当。レスポンスよく、しかもタイヤのスリップにあわせて緻密にモーターの力を使って、より安心で確実な走りを実現しようというのです。

 また、街中から高速道路までの走行時も、モーターの力を使うことで、走りをよりスムーズにし、加速を力強くすることもできます。山形の雪道で、そうしたスバルの狙い通りの走りを体感することができたのです。

 おもしろいのは、「フォレスター」と「XV」では、どちらも2リッターエンジン&モーターの同じシステムを使いますが、それぞれのハイブリッドモデルのキャラが違うことです。

「フォレスター」のハイブリッドは、エンジン車よりもキビキビとした走りでアクティブな印象です。一方で「XV」のハイブリッドは、パワフルでありながらも、どっしりと重厚感があり、1クラス上のクルマのよう。まるで正反対の性格に驚きました。

 ちなみに、“走り指向”とはいえ、それでもガソリン車と比べると、「フォレスター」も「XV」もハイブリッドの方が1.2~1.3倍ほど燃費性能は優れています。

■「プリウスPHV」のプラグインハイブリッドシステムを「XV」に流用

 最後に、2018年11月のロサンゼルスショーで、スバルは「XV」のプラグインハイブリッド版となる「クロストレック ハイブリッド」を発表しました。「クロストレック」とは、北米での「XV」の呼び名です。

 なんと、このモデルは「プリウスPHV」のシステムをそのまま流用した2モーター式。しかし、相変わらずプロぺラシャフトのあるAWDであり、燃費性能の追求はそこそこ。月間の生産台数は、わずか300台程度ですから、広く販売したいようには見えません。

 開発者に話を聞くと「大容量の二次電池と強力なモーターを活用するためのスタディ」という色あいが濃いようです。

 しばらくの間は、従来型の1モーターのハイブリッドがスバルの主力になるはず。とはいえ、PHVのスタディを行うくらいなのですから、電動化への意欲は十分にあると言えるでしょう。

 そのうち、スバルからも、もっと強力な電動モデルが登場するのではないでしょうか。どんなクルマになっているのかが楽しみですね。



今後の方針はどうなるかねぇ~
Posted at 2019/02/27 11:52:31 | コメント(0) | トラックバック(0) | 富士重工 | 日記
2019年02月27日 イイね!

2リッターターボ4WD限定っていうのが面白いね~次回開催は2019年3月15日

2リッターターボ4WD限定っていうのが面白いね~次回開催は2019年3月15日稀代の4駆使いが密着指導! 2Lターボ4WD限定のドライビングレッスンが開催決定

 ゼロカウンター走行をレッスン内容に新たに追加!

 前回、WEB CARTOP新人編集部員が体験リポートをお届けした「2リッターターボ4WDドライビングレッスン」。次回の開催が2019年3月15日(金)に決定した!

 開催場所は富士スピードウェイ、参加条件は2リッターターボ4WD車に乗っている方。講師も前回同様、自動車ジャーナリストでWEB CARTOPでも活躍中の中谷明彦さんと、ニュルブルクリンク24時間レースで 2011、2012 年とクラス2連覇を果たした吉田寿博さんだ。

 レッスンの内容は座学や国際レーシングコースのフリー走行20分×3回、パイロンスラローム走行、また前回試験的に導入されたゼロカウンター走行は好評であったため、今回新たに講習内容に組み込まれた。

 参加費用は、富士スピードウェイでスポーツ走行をする為に必要な”FISCOライセンス”を持っている人が23,700円、持っていない人が29,700円。さらに49,400円でドライビングレッスンに参加しながらこのFISCOライセンスを取得することが可能。FISCOライセンス取得料金は通常42,700円であるため、今後も富士スピードウェイでフリー走行を楽しみたい人はこの機会に検討してみるのもいいだろう。

 上級者がさらに腕を磨くのも良し、また初心者の女子などでも安心して参加できるのは前回WEB CARTOP編集部員の乾が実証済み。募集台数は先着60台で集まり次第受付終了となるので、気になる人は早めに富士スピードウェイのHPにてチェックしてみてほしい。

 http://www.fsw.tv/freeinfo/036298.html



ほぇ~
Posted at 2019/02/27 11:29:44 | コメント(1) | トラックバック(0) | 自動車業界あれこれ | 日記
2019年02月26日 イイね!

NAなんかはシャシが勝っているなんて言われましたからね~

NAなんかはシャシが勝っているなんて言われましたからね~市販車でここまでやるか? 職人魂を貫きとおせ!! インプレッサ使いが証言するその凄さ

 シリーズでお届けしている「ランエボ&インプレッサ進化の歴史」。

 前回の記事では「エボ使い」中谷明彦氏の解説でランエボの開発の舞台裏をお届けしたが、今回はその絶対的なライバル「インプレッサ WRX STI」の開発秘話をお届けしよう。

 今回それを教えてくれるのは「チャンプ新井」こと新井敏弘選手。2018年は全日本ラリーでチャンピオンを獲得、かつてはWRCでも活躍するなどその偉業は数知れず。

 そんな新井選手と共に戦ってきたのがスバルのインプレッサ。もちろんランエボとのライバル対決もあるが、進化の道は少し異なったようだ。

文:新井敏弘/写真:ベストカー


ベストカー2019年2月26日号

■「ここまでやるか?」をやってのけるスバル魂

 インプレッサWRXの初代STiはかなりエンジンも攻めた仕様でした。当時個人的に乗っていたけど、あれは今思い出しても激しかった。

 そこからverIIのSTiになったら、その反動なのか凄くおとなしくなった記憶があります。そして、今回の話のスタートとなるverIIIですが、フロントマスクが変わって、アキレス腱だったミッションが強化されたのが競技をやっている人間には大きかった。

「木のエンジン、ガラスのミッション」なんて揶揄されていたけれど、かなり進歩したと感じさせる内容でした。

 そこからverIVでは、ドッカンターボだったverIIIからタービンサイズが少し小さくなって乗りやすくなり、verVとVIは、フロントマスクが変わったくらい。

 試行錯誤しながら、どんどんクルマがよくなっていっていた時代でしたよね。次にやってきたのが、伊藤健さんが開発したGDB(丸目A型)。

 その頃からラリー専用車みたいなスペックCというグレードができて、鉄板も薄くて、さらにクロスメンバーを外して軽量化していたので、ラリー車を作った時に1230kgくらいでできたことがあって驚きましたよ。

 だから速かったんだけど、フロントのクロスメンバーがないので、グニャグニャしてしまっている印象はありましたね。

 それでもGC8と比べると、ジオメトリーも変更されていて安定感も凄くあったし、特にリアのストラットはストロークがあったので、よくトラクションもかかりました。

 涙目(C型)でもスペックCがありましたが、こちらは丸目の反省を踏まえてクロスメンバーが採用されていて、ハンドリングはもの凄くしっかりしていましたね。

 GDBが面白いのは、2Lターボモデルが最初にあって、そこから1.6Lや1.5Lといったパワーのない仕様を作ったので、ボディがもの凄く強いんですよ。

 ボディがしっかりしていて、全体的にバランスがよかったモデルですね。

■WRCで勝つことを求めて進化のスピードは上がる

 驚くほどガラリと変えてきたのは涙目(E型)。顔はそのままでPCDを100から114.3に変更し、ジオメトリーまでいじりました。

 実は以前からPCDが100だとナックルとかが弱いので、強い入力が入ると首を振りやすかったんです。

 だからラフなラリーだと、1日でハブ交換をしていた。それが114・3になったことで1ラリー保つようになったのはとても大きかったですね。

 これはラリー、レース両方からの要望で変更されたんだと思います。

 涙目では、あとリアのクロスメンバーの固定がゴムブッシュからリジッドに変更されたので、クルマがダイレクトに動くようになったのがとてもよかったですね。

 時代といえば時代だけど、ここまでするか? ということも、惜しげもなくやってくれましたね。

 ちょうどその頃は三菱のランエボとバチバチWRCでやり合っていて、WRCで勝たなきゃいけないというプレッシャーがあったからだと思いますが、ダメなところがどんどん直っていくし、開発のやりがいがありました。

 GDBは競技をベースにして鍛えられたクルマだったので、どのモデルをラリーで使ってもいい印象でした。

 競技直系でスパルタン、エンジンもパワーをしっかり出せるように改良されていたのは凄かったです。


やっぱりエボがライバルとしていた頃の方が良かったのかね~
NAのインプレッサなんかはアクセラとかゴルフとかがライバルになるんだろうけど
Posted at 2019/02/26 22:15:26 | コメント(0) | トラックバック(0) | 富士重工 | 日記

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