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2017年01月21日

市販車とコンセプトカーの狭間で

市販車とコンセプトカーの狭間で インプレッサはダイナミック&ソリッドか? ─ スバル新世代デザインを解く(前編)

新しいプラットホームを投入し、渾身のモデルチェンジとなった新型インプレッサ。2016-2017のイヤーカーにも輝いた新型のデザインの魅力はどこにあるのか。今回はデザインのトップに話を聞きました。

[語る人]富士重工業株式会社スバル商品企画本部 デザイン部長兼商品開発企画部長石井 守 氏

── まず、新たに掲げたデザイン・フィロソフィ「ダイナミック&ソリッド」の発想のきっかけから教えてください

「スバルは2014年に「際立とう2020」を掲げましたが、6つの取組み要素のひとつをデザインとしたんです。ライフスタイル・デザインとロングライフ・デザインのふたつを柱として、その中に機能とDNA、そしてカタチをしっかり表現しようと」

── それは、従来のスバル車とまったく異なる方向ということですか?

「いえ。私が30年前に入社した際に先輩方から言われたのは、スバル車はチマチマせず、いい意味で大造りに徹しろと。そういう良き伝統を言葉に置き換えたのがこのフィロソフィなんです。これまでは多少個性が薄かったけれど、その中には必ずダイナミック&ソリッドがあった。ですから、過去を否定するのではなく、今後の評価軸に芯が欲しかったのです」

── では、その中で新型インプレッサ固有のデザインテーマは何だったのでしょう

「スポーティアドバンスです。とくにセダンのG4には、激戦区の北米でスバル車を買ってもらえる明快な理由が必要でした。じゃあそれをデザインで実現しようと。北米でも埋もれない、スポーティで革新性のあるクルマです」

── ではフロントから。スバルはいまコの字のライトを表現していますが、ランプ自体の形は複雑な形状で、ちょっと曖昧に感じます

「スバル車は4代目レガシィからホークアイ(鷹の目)を表現していますが、あまりシンプルな形だと力強さが足りなくなるんですね。そこで、角を丁寧に面取りすることで、型くずれのしない強い表現としているんです」

── ヘキサゴン・グリルに進化はあったのでしょうか?

「先代初期のグリルは、薄い鉄板で周囲を巻いているようなイメージがあって、ちょっと気になっていました。そこで、新型ではアルミ削り出しのような枠を取り付けています。また、左右に伸ばしたウイングがランプ内までつながって見える工夫もあり、一体感のある表現に進化させています」

── フロントフェイス全体は先代のイメージを強く残し、若干シャープさが足りません

「インプレッサは、スバルの中でも若いユーザー層に向けて楽しさ7、安心感3くらいで考えています。そこで今回はノーズをより低く、かつ薄くすることで特徴を持たせました。BMWの3シリーズに近いですね。実はグリルも先代より立てているんです」

── フロントライト周りは少々ラインが多く煩雑では?

「そこはバンパーだけで見るのではなく、建て付け自体を変えたかったんです。たとえばヘッドランプを外して見るとハッキリするんですが、ランプ下のラインはショルダーに向けてスッと伸びている。そうしたボディの構成を見直しているんです」

── なるほど。では、後半ではサイド面からお聞きします。

(すぎもとたかよし)


インプレッサはダイナミック&ソリッドか? ─ スバル新世代デザインを解く(後編)

2016-2017のイヤーカーを受賞した新型インプレッサのデザインインタビュー。後半はボディのサイド面からインテリアまでを聞きます。

[語る人]富士重工業株式会社スバル商品企画本部 デザイン部長兼商品開発企画部長石井 守 氏

── ではサイド面です。スポーツのグラフィックはワゴンに近く、レヴォーグなどとの差別化ができていないのでは?

「そこはスバル車としてユーティリティを優先しているためです。ライバル車にはもっとハッチを寝かせたクルマもありますが、それはできない。実は、その点は北米でのクリニックで修正を繰り返し、ようやくGOが出たのがこの新型なんですね」

── G4でより感じますが、ガラス下端が上にカーブすることでボディが湾曲して見え、ソリッド感を削いでいます。ここは直線ではダメ?

「バナナっぽいですか(笑)リアガラスは、キックアップさせることで軽快さを狙っているのがひとつ。また、ここは後方視界との微妙な兼ね合いがあって、スバル車では変えられない部分なんですね」

── ハイライトのボディサイドですが、どうしても2種類の異なるラインが必要でしたか?

「新型は頭部の居住性を上げるため、ガラス下端を15ミリ外側に出しています。そうするとボディの造形代が少なくなる。一方でショルダー面はしっかり出したい。そこで、ショルダーから面を垂直に下ろす表現を考えた。実は最初凹面にしたのですが、それだと陰が強すぎました」

── 下のラインをリアに向けて持ち上げているのはなぜですか?

「実は2本のラインは当初平行だったのですが、先のクリニックで線がうるさいと不評でした。そこで、コンセプトカーのVIZIV2で表現していた「削ぎ落とし」のラインを試したところ、線がひとつに見えると好評だったんですね」

── リアランプについて。フロント同様、コの字を生かすには大きくて切れがない。G4では斜めの形状も気になります

「スポーツでは開口を左右各50ミリ広げた分、固定部が少なくなって縦に伸ばす必要があった。また、G4は最初平行にしたんですが、力強さが足りなかったんですね」

── インテリアです。中央の縦長の空調口など、どこか北米を意識したイメージを感じますが

「とくにそれはないですね。先代までは空調とディスプレイが縦位置だったのを、インパネ全体を20ミリ広げたことを利用して横位置にました。これでディスプレイを一等地に置けた」

── ボディカラーは、無彩色以外は青と赤だけです

「これはあまり言いたくないのですが(笑)全色キャリーオーバーなんです。ただ、ボディがソリッドになったためか、発表会ではジャーナリストやユーザーから色が変わったように見えると好評でした。まあ、色については今後の展開を期待してください」

── 最後に。石井さんにとってデザインの時間的な耐久性とは?

「スバルは航空機のDNAがありますので、動物の躍動感というよりはマシンとしての強さを表現したい。鉄板を捻ることで剛性が出るようなイメージですね。そのソリッドさをシンプルに出したいと。Cセグメントのライバルには複雑な面を持つクルマが多いですが、その点でインプレッサは可能な限りシンプルにできたと考えています」

── なるほど。今日はありがとうございました。

(すぎもとたかよし)


デザインと空力
そんでもって使い勝手の良さが無いといけないから難しいですよね
ブログ一覧 | 富士重工 | 日記
Posted at 2017/01/21 00:07:05

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