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2017年10月25日

やはり原点はソコに

やはり原点はソコに 【SUBARUテックツアー】ボーイング787の要…中央翼を作っているのはスバルだ

SUBARU(スバル)はテックツアーと題し、報道陣に対して同社のフィロソフィやDNAを伝えるイベントを開催している。今回第7弾として、“SUBARU中央翼体感フライト&スバル研究実験センター美深試験場見学”が開催された。

◇ボーイング787の中央翼を作るスバル航空宇宙カンパニーとは

ボーイング787の中央翼はスバル航空宇宙カンパニーが製造している。この事業所はヘリコプターのような回転翼機、翼のついた固定翼機、人が乗る有人航空機と無人航空機、防衛省向けと民間向けなど、あらゆるタイプの航空機を作っている。

また、「JAXAや防衛省はもとより、ボーイングをはじめとする世界中のパートナーと協業しながら様々な製品を提供している」と自社を紹介するのは、SUBARU航空宇宙カンパニー技術開発センター研究部長の齋藤義弘氏だ。スバルの航空機分野は1917年の飛行研究所設立以来100年の節目を迎えた。因みにボーイングは1916年に設立なのでひとつ違いということになる。

スバル航空宇宙カンパニーの最新のトピックスとして齋藤氏は、ヘリコプターの分野では、「ベルヘリコプターテキストロン社と最新のヘリコプターを国際共同開発しており、さらにはこれをプラットフォームとして陸上自衛隊のUH-1Jヘリコプターの後継機を開発」。

旅客機の分野では、「ベストセラー機、ボーイング777の改良版である、777Xの開発に参加しており、777、787に引き続き機体の要である中央翼を請け負っている」と紹介した。

◇女性におすすめの787

ボーイング787は、数多くの日本企業も参画し、国際共同で開発された旅客機だ。構造質量の50%に相当する部分にはCFRP、炭素繊維強化プラスチックを使用しており、機体の軽量化を果たしている。

主翼の形状は滑らかで洗練された形だ。これもCFRPの採用によるもので、「つるんとした滑らかな形状の羽を作ることが可能となった。また、それによって、軽くて空気抵抗が少なく、低燃費で長距離を飛ぶことができる非常に効率の良い旅客機となっており、ゲームチェンジャーとも呼ばれている」と齋藤氏。

CFRPを採用したメリットは他にもある。それは窓だ。「大きさが通常の旅客機に比べ大きくなっており、機内が明るく感じられるだろう。また、室内の気圧がより地上に近いレベルに設定されている。旅客機は高度の高い、空気の薄いところを飛ぶので室内にも気圧をかけている」という。

この気圧について斎藤氏は、「これまでの旅客機は富士山の5合目くらいの高度になるように気圧をかけていたのだが、787ではCFRPを使うことによって、構造の強度が上がり富士山の3合目ぐらいの高度にまで気圧を上げることが可能となった」と話す。そのため、「気圧の変化によって、耳がツンとなりにくいと感じるだろう。また、室内の湿度、湿気も普通の旅客機よりも高く、乾燥しにくく設定されているので、肌に優しく女性にはおすすめだ」と述べた。

◇中央翼は500トンもの力に耐えている

787の中央翼は、その名の通り航空機の中央に位置しており、左右の翼と前後の胴体をつなぐ役割を果たしている。そのため機体の中に隠れて外から見ることはできない。

航空機は飛んでる間、胴体は重力によって下方向に引っ張られ、それを翼に作用する空気の力で空中に持ち上げている。787の場合、主翼の端は、「通常の飛行でも地上にいる時と比べ、最大で約3メートルも上方向に大きくたわむ。これだけ大きくたわむと、中央翼に作用する力も非常に大きく、通常の飛行でも、トータルで約500トンもの力が作用しているといわれており、これを支えているのが中央翼なのだ」と説明。

中央翼は、前後左右は動体と翼が結合され、上は中部胴体の床面、つまり客室の床になっている。また後方には飛行機の脚を収納する部位がある。中央翼の内部は燃料タンクとなっており、たくさんの燃料を積むことが可能になっているという。

この中央翼は、数多くの構成部品から成り立っている。中央翼はちょうど箱のような形になっており、齋藤氏によると、「前後は桁、上下面はパネル 、左右は翼動力骨に囲まれ、内部は構造強度を保つためのビームが配置され、配管や機能部品が取り付けられている。そしてそれぞれの桁やパネルは、さらに細かい部品から成り立っている」と述べる。

スバルは中央翼ボックスの製造と、主脚収納部との結合を担っており、組み立てられた中央翼は愛知県半田市にあるスバルの工場から、セントレア中部国際空港に船で運ばれ、そこからアメリカに向けて空輸されている。

◇安全性は最優先

787の中央翼には数百トンもの力が作用する。その力に耐えるために、「一番分厚い部材ではCFRPの薄いシートを100枚以上も積み重ねて制作。飛行機が一生のうちに作用する、最も厳しい飛行条件のさらに4倍程度の力が作用しても壊れないように設計している」と齋藤氏は高い安全性を強調。その一方で、「むやみやたらに補強してしまっては、重たく燃費の悪い飛行機になってしまうので、余計な肉は削り必要なところには十分に手当てをするというメリハリをつけた設計を行っている」とした。

使われている素材はCFRP、アルミだけでなく、チタンなどの素材を目的に応じ適材適所で使い分けている。構造同士をつないでいるボルトも787の中央翼では「2万本以上を使い分け、しかも一本一本全て強度計算を行い、求められる機能性能が十分であることを確認している」と話す。さらに中央翼の内側は燃料タンクになっているので、燃料が一切漏れることがないよう、何重にもプロテクションをかけた設計だ。さらに、飛んでいる最中に万が一雷が当たっても絶対に安全性が確保される特別な設計となっている。

品質面においても緻密な製造公差のコントロールを行っている。「部品の厚さは0.3mm以下。ボルトの直径は0.1mm以下。穴とボルトのはめ合いは1/100mm以下の精度でコントロールしている」と齋藤氏。

燃料が一切漏れない設計において、製品として実現するシーリング技術も非常に高度なものを持っており、「ボーイング社から是非お手本にしたいといわれたほどだ」とそのレベルの高さをアピールした。

品質保証体制について齋藤氏は、「製造工程ごとに作業の記録を取り、検査を行い、確認をしていき、それを記録化していく。つまり誰がいつどこで何を使ってどのように作ったか、どのように検査したのかが分かるようになっており、それを追跡出来るようになっている」とし、「我々は常に安全と品質を第一に生産活動を行っている。これが航空機メーカーとしてのDNAにつながっていると認識している」と述べた。

◇組み立てに90日かかる

さて、今回のフライトでは日本航空が全面協力。日本航空が保有する機体のメンテナンス等を行う、JALエンジニアリング技術部システム技術室気体技術グループの盛崎秀明氏によると、「2012年3月25日に初号機及び2号機を同時に受領して以来、やや胴体の短い787-8型機25機、胴の長い787-9は10機の合計35機を運行。世界26都市へフライトしている」と話す。

この787は、スバルを始め三菱重工、川崎重工など日本のメーカーはもちろんのこと、アメリカ、イタリア、韓国、オーストラリアなど様々な国々のパートナーと呼ばれる企業において、それぞれ巨大な部品が作られ、それがアメリカワシントン州シアトル及び、東海岸サウスカロライナ州チャールストンにあるボーイングの2つの工場に運ばれ航空機の組み立てが行われる。

盛崎氏は、「組み立て、塗装、飛行試験、そして機体を受領し、簡単な整備をした上で路線に投入されるまでにおよそ90日かかる。航空会社にとっては航空機を運行することが使命なので、ある路線に投入したい場合には、その航空機の組み立て自体が、運行開始日の最低でも90日前には開始をしないと物理的に間に合わない」と製造日程を説明。

そこで、各工場での製造進捗具合は大きな関心事だ。実は盛崎氏はボーイング工場にある日本航空のオフィスに、2011年から約3年駐在していた。「当時の使命はボーイング社のみならず各パートナーの製造進捗状況のレポートも含まれていた」。その理由は、「2011年、新生JALとしてボストン線、ヘルシンキ線、サンディエゴ線の路線を開設し、ここに787を投入するというビックイベントがあったからだ。お客様を裏切るわけにはいかないので、飛行機を受け取る日を死守する必要があった」と振り返る。

しかしながら、「現実にはパートナーによって、残念ながら製造時のミスや、作業者が確保出来ないなど、色々な問題がありスケジュールが若干遅れ気味になることが多数あった」と明かす。一方でスバルは、「納期は確実で、しかもミスはほとんどない。非常に綺麗な中央翼を製造している。他社においては注意深くモニターをしているが、スバルの中央翼製造に関しては全くといっていいぐらい全面の信頼を置いていた」と絶賛だ。

さらに、初号機就航後6年が経とうとしている。通常6年経った機体は、「ランディングギアと呼ばれる脚を格納する部屋がある。この中は油まみれで、若干の錆が見られたりするものだが、787においては白のペンキが綺麗に残っており、本当に美しい状態で、整備の実感としても複合材製の中央翼は素晴らしいものだといつも感心している」と大いに評価した。

前出SUBARU航空宇宙カンパニーの齋藤氏は、「スバルは約10年にわたって787の生産を行ってきており、これまでに累計で約670機を出荷した。これからもお客様の安全と品質を第一に生産活動に取り組んでいく」と語った。



【SUBARUテックツアー】“絶対に壊れない”をめざして…ボーイング787の中央翼

SUBARU(スバル)は10月20日、北海道・美深町にある「スバル研究受験センター美深試験場」を刷新。そのお披露目を報道関係者向けに行うにあたり、最寄りの旭川空港までのフライトに利用して最新鋭旅客機・ボーイング787-8の「中央翼体感フライト」を実施した。

このイベントは、これまでにもスバルが衝突実験や中央翼製造現場の見学会を実施してきた「SUBARUテックツアー」の一環として、報道関係者向けに行ったもの。

スバルは今年4月に「富士重工業」から「SUBARU」に社名を変更したが、そのルーツは1917年に中島知久平によって創業された飛行機研究所に遡る。つまり、スバルにとって今年は創業100周年に当たる。それを機にスバルが携わる航空機産業を知って、そして体感してもらおうということでこのツアーは企画された。

スバルの航空機産業やボーイング787の中央翼の製造について話してくれたのは、スバルの航空宇宙カンパニー ヴァイスプレジデントの若井洋氏だ。

若井氏によれば、「当時、中島飛行機は陸軍などから戦闘機の製造を依頼されてきたが、フランスから導入した技術をベースに“パイロットを守る飛行機”の開発をモットーとしていた。そのため、しっかりとした防弾鋼板を備え、その上で運動性能も高めた。その意味では(防弾鋼板を省いてまで)軽量化して運動性能の高さを重視した零戦とは対極の位置にいた。つまり、パイロット、すなわち“人を守る”という思想がクルマに活かされているのも、この時の思想が連綿と受け継がれているから」なのだという。

また、一見すると、クルマと航空機の製造に当たっては、お互い何のつながりもないように見える。しかし「吉永社長になってから互いの技術交流が盛んになっており、それぞれの経験が多くのメリットを生み出している」と若井氏は話す。たとえば、自動車の空力設計やカーボンの利用方法などでは、航空宇宙カンパニーのエンジニアから自動車の開発スタッフがアドバイスを受けているそうで、その一方、航空機側では、ボーイング社の次世代大型機777-Xのロボットによる生産ラインの設計を、群馬の自動車生産設備を担当する技術者に関わってもらっているという。

そんな中、ボーイング787の中央翼は、愛知県にあるスバルの半田工場で製造される。この中央翼はCFRP(炭素繊維強化プラスチック)で出来ており、主翼の中央部分の、機体の真ん中に位置するものだ。そもそも中央翼は、左右の翼と前後の胴体とをつなぐ要の役割を担っている。飛行中は空気の力で翼が持ち上げられ、地上にいる時よりも先端が3mも上方にたわんでいるのだ。一方で重力によって動体は下方に引っ張られ、これらの力の作用で中央翼にはトータルで約500トンもの力がかかる。

それだけに「中央翼は機体すべての荷重がかかってきており、飛行機の中で最も強固に作る必要がある。しかも、部品として設計されるのは最後で出荷は一番最初という、製造にとっては一番困難な部分でもある」と若井さんは説明する。

その精度とはどのぐらいなのか。若井さんによれば、「ボーイング787の中央翼は、長さが約9m、幅6m、高さ4mの巨大な部品だが、精度はコンマ1ミリの精度で作られる。最も厳しいところでは0.03mmの精度」を要求されるという。

しかも忘れていけないのは「内部は燃料タンクであって、万が一不時着しても絶対に壊れてはいけない」(若井氏)ということ。「仮に衝突した際は燃料が9Gもの加速度で前方の壁にブチ当たる。そのため、内部を細かく分けて衝撃を吸収する工夫をしている。飛行機そのものは安全な乗り物だが、敢えて言えば中央翼付近は飛行機の中で最も安全な場所」(若井氏)なのだという。

スバルでは、このボーイング787の中央翼を2007年に初出荷し、今では毎月の生産数は12機から14機分にまで向上。すでに累計670機を出荷する安定生産の領域に入っている。生産する機体も現在は、787-8型と基本設計が大きく異なる、次世代型の787-9型や、2019年頃に初飛行となる予定の787-10型に生産の中心が移っているという。そして、完成した中央翼はボーイング747LCF「DREAM LIFTER」によって中部国際空港から出荷されるわけだ。


またスバルが飛翔する日は来るのだろうか


スバルが設計製造したボーイング787の中央翼の体感フライトを開催

スバルの前身は1917年創業の航空機メーカー。そのスバルが国際共同開発の一員として、左右の主翼と前後の胴体をつなぐ「中央翼」の設計・製造を行なったボーイング787型機を体感する「SUBARUテックツアー ボーイング787中央翼体感フライト」を2017年10月20日に開催した。

このフライトには、スバルがWeb上でユーザーとのつながりを深めることを目的に開設している「SUBARU Web コミュニティ(#スバコミ)」の会員の中から選ばれた人を招待。JALとして初就航となる成田空港-旭川空港を往復し、スバル製「中央翼」が使用されているボーイング787型機の飛行を体感した。機内では、スバル航空宇宙カンパニーの技術者が「SUBARUの航空機作りの考えかた」についてレクチャーを行ない、また旭川空港では、JALオリジナルの自動車輸送サービス「J SOLUTIONS WHEEL」を使って空輸した「SUBARU BRZ」の積み下ろしのデモンストレーションも見学した。スバルでは今後もこのようなファンイベントを開催する予定とのことだ。




スバル 今も中島飛行機のDNAを受け継ぐスバル・ブランドの核心「航空宇宙カンパニー」

2017年はスバルにとって、ひとつの節目の年にあたる。最も大きなトピックは4月1日に従来からの「富士重工業」から「スバル」に社名を変更したこと、それと同時に産業機器部門を自動車部門に統合を行なうなど、事業の集中を進めていることがある。そしてもう一つの節目となるのが、スバルの起源となる中島飛行機が設立された1907年(大正6年)から数えて2017年は100周年になるということだ。

■航空機メーカーとしてのDNA

中島飛行機は1907年に飛行機研究所から日本飛行機製作所を設立し、その後中島飛行機へ社名変更。太平洋戦争時まで陸海軍の需要に応え、軍用機、航空用エンジンの製造を行なう日本最大の航空機製造会社として1945年まで存続した。

敗戦により富士産業に改称したが、占領軍により解体が命じられ企業分割されていった。その後、1950年から53年にかけて、分割されていた企業が改めて合同し、富士重工業が発足し現在のスバルに至っている。

そして注目すべきは、富士重工として再建してすぐに航空機生産が開始したことで、1945年から1953年まで一貫して航空機の生産事業に関わっていることだ。

1958年にスバル360が発売され、富士重工は自動車メーカーとして大きな成長を遂げたが、その自動車を設計・開発したのも中島飛行機のエンジニア達であったことも有名だ。

そして企業としてのもう一つの柱が航空機製造で、現在の航空機部門は「航空宇宙カンパニー」と呼称している。つまり現在のスバル・ブランドは自動車メーカーと、航空機メーカーという2つの顔を持ち、特に100周年を迎える航空機ビジネスは、スバルのDNAを象徴する存在なのだ。

現在の「航空宇宙カンパニー」は、宇都宮製作所と半田工場(愛知県)を本拠とし、防衛省向けの小型機、ヘリコプター、無人機の納入と大型機を含めた複数の機体の生産分担を行なっている。また、民間機向けではボーイング社、エアバス社の旅客機の分担生産を行なっている。

■ボーイング787の中央翼を製造

スバルの航空宇宙カンパニーが製造するボーイング社の旅客機では747、767、777の機体の一部を分担製造した歴史を持ち、現在では最新の旅客機、ボーイング787の中央翼(ウイング・ボックス:翼を支持する構造体)の製造が主力事業となっている。

ボーイング787は、ボーイング社の方針により国際的な製造分担を行なっており、前部胴体は川崎重工、中央胴体はイタリア、主翼は三菱重工など多くの航空機関連企業が製造の分担を行なっている。中でもスバルは大荷重を受ける中央翼の製造を半田工場で行なっているのだ。

ボーイング787は新世代の中型旅客機として開発され、高出力・低燃費エンジンと、機体の約50%におよぶカーボンファイバーを採用したことが特長だ。スバルは中央翼、主脚収納部の製造を行なっているが、特に中央翼は500トンの荷重に耐え、内部は燃料タンクとなっているため液密構造で、さらに耐避雷性能も備えている。

この部分はカーボンファイバーとアルミ合金、チタン合金の複合構造で、精密な製造公差も要求されている。部品の厚さは0.3mm以下、ボルト径は0.1mm以下、穴とボルトの隙間は1/100mm以下の公差精度だという。

中央翼に使われている材料のCFRP、アルミ、チタンなどの材料を適材適所で使い分け、構造同士を結合するボルトも787の中央翼では2万本以上を使用ししているという。一本一本が強度計算され、求められる性能が十分であることを確認しているわけだ。

中央翼では一番厚い高負荷の部材はCFRPのシートを100枚以上も積層し、飛行機が一生のうちに使用する最も厳しい飛行条件のさらに4倍程度の力が作用しても壊れないように設計しているという。

品質を保証するため、中央翼の製造工場では、製造の各作業工程ごとの検査、確認、そして誰が作業したかなどのトレーサビリティなどにより完璧ともいえる品質保証を行なっているのが特長だ。これが航空機品質なのである。

もちろんこうした航空機製造での技術や思想、ノウハウは自動車部門の設計や製造にもフィードバックされ、スバル全体でのモノ作りのフィロソフィーとなって確立されている。

スバルはボーイング787の中央翼を2008年から納入を開始しており、787は2011年から就航を開始している。ちなみに787の最初の納品は全日空で、全日空における就航は2011年11月から。日本航空は2012年4月からで、世界の航空会社に比べ、全日空がトップ、日本航空が2番手と早い時期から787を積極導入している。

スバルは、こうした航空宇宙カンパニーの存在を広く知ってもらおうと、メディアと「スバルWEBコミュニティ」に参加しているスバル・ファンに向け、10月下旬に「スバル中央翼体感フライト」を行なった。このフライトは日本航空のチャーター便で国際線仕様の787-8により行なわれた。チャーター便は成田-旭川を往復。日本航空の協力により、BRZの空輸などのデモも行なわれた。




ボーイング787の中心パーツを作るスバル、自動車生産との関連はあるのか?

そのルーツを中島飛行機に持つSUBARU(スバル)。航空機メーカーとしてのDNAが自動車の開発にも活かされているという話を目にすることは少なくありません。そして、スバルは現在も航空機生産に関わっています。有名なのはボーイング787の中央翼を作っているというエピソードではないでしょうか。

中央翼というのは左右の翼をつなぐ部分で機体の中にあるので外からは見えませんが、もっとも力を受ける部分であり燃料タンクも兼ねているため、強度と精度が高いレベルで要求されます。だからといって、職人技に頼って作っていてはムラのない生産にはつながりません。

そうした点において「自動車メーカーでもあるSUBARUの強みが活かされています」と言うのは、同社・航空宇宙カンパニーのヴァイスプレジデントを務める若井 洋さん。

先日、自動運転に関する設備などを新設した『スバル研究実験センター美深試験場』での取材で北海道を訪れたときに、移動中に興味深い話を伺うことができました。航空宇宙部門と自動車部門は基本的には別の組織ですが、お互いに協力しあう関係にあるといいます。

「ボーイング787の中央翼はCFRP(炭素繊維強化プラスチック)で作っていますが、航空宇宙カンパニーからはCFRPの扱いなどのノウハウを自動車部門に提供しています。また、空力に関する知見も共有化することで、自動車の設計に役立っています」ということ。

逆に自動車部門から航空宇宙関部門へ何らかのプラスになるノウハウの提供はあるのかと質問したときの答えが、前述した「自動車メーカーでもあるSUBARUの強みが活かされています」というものだったのです。具体的には、自動車の生産技術による正確でスピーディな生産ロボット技術に関するノウハウが航空宇宙カンパニーに提供され、積極的にロボットを用いるなどして高いレベルで安定した生産が実現しているということです。

航空機と自動車、SUBARUという同じ会社の中に”たまたま”異なる部門があるというのではなく、お互いのノウハウを共有することによるポジティブなループが生まれているわけです。そして、こうした他にはない関係性は、SUBARUのモノづくりにおける独自性につながっているといえそうです。

(文:山本晋也 写真:SUBARU)
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Posted at 2017/10/25 00:14:05

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