「自ら運転する」福祉車両は障がいに合わせてほぼワンオフ仕様
多種多様な福祉車両だが大きく分けると障がい者が運転するか乗せてもらうかの2種類
最近、よく耳にするクルマの種類が福祉車両。新型車が登場すると、そのクルマのバリエーションのひとつに福祉車両がラインアップされていることも多い。しかし、その種類は多岐にわたり、さまざまなタイプがあるが、大きく2つに分けることができる。ひとつは、障がい者自身が運転する自操式。もうひとつは車いすなどを必要とする人を乗せる介護式となる。今回は、障がい者自身が運転する「自操式福祉車両」について紹介しよう。
「自操式」と呼ばれている障がい者が自分で運転するためのクルマは、下肢が不自由な人がアクセルやブレーキを手だけで操作できるようにしたもの、右半身が不自由な人が左足と左手だけで操作できるようにしたもの、そしてその逆なども存在する。また、ホンダは上肢が不自由な人がハンドル操作を足で行えるようにした”フランツシステム”と呼ばれるものの製造も行なっている。いずれの車両には、四つ葉のクローバーをイメージする「身体がい害者標識」を装着している。
一人ひとりの状態に合わせてワンオフ仕様
「自操式」の場合は障がいに合わせたクルマ作りが大切なため、ワンオフで作られるクルマが主流。たとえば手でアクセルとブレーキの操作を行なうハンドドライブの場合は、レバーなどによってアクセルとブレーキの操作を行う。このハンドドライブ用の装置は自動車メーカーやメーカー系架装会社だけでなく、専門業者が製造しているものも多い。こうしたハンドドライブのクルマは、ハンドルを片手で操作する必要があるため、パワーステアリングのアシスト量を増やしたベース車があるほか、ショップでの個別対応によってセッティングを変更して操舵力を軽くするなどの工夫が行なわれている。
先に紹介したように、ホンダは上肢が不自由な方が下肢のみでの操縦を可能にした”フランツシステム”を製造。フランツというのはこのシステムを生み出した人の名前で、フルネームはエーベルハルト・フランツといい、ドイツの重電機メーカーのエンジニアであった。フランツは感電事故により上肢に障がいを負ったが、それを補うために自分で開発したのが下肢のみで操縦できる運転装置”フランツシステム”なのである。
”フランツシステム”は右足でアクセルとブレーキを操作、ステアリングは左足で行なう。左足はフットレストの位置に用意された専用のペダルを操作。このペダルには、スリッパや靴のようなものが取り付けられ、押す方向にも引く方向にも動かすことができる。この左ペダルを自転車のペダルを漕ぐように操作することで、ステアリングが左右に回る仕組みになっている。
四肢だけでなくほかの障がいの場合も、クルマなどの装備を変更することなどで、運転が可能になる場合がある。たとえば、聴覚障がいのある方でもワイドミラーや補助ミラーを装着し、聴覚障がい者標識を表示することで運転が可能となるのだ。ただ、この聴覚障がい者標識(蝶のマーク)については認知度が低く、一般ドライバーに周知されていないことが問題となっている。
定期的にこの手の話は出てくるのですがね
車内格納だとどうしても積載性が落ちるのが難点なんだよね…
合わせ技としてコッチも重要なんですよ
ドライバーがまず車椅子を使用するようなタイプなのかによっても変わってくるが、乗り降りを自分一人で行えるのか?乗った後に車椅子の収納はどうするのか?
あとは運転動作を四肢のどこを用いて行えるのか
実際に左手でアクセル&ブレーキなどと右手でハンドル周辺などを操作するタイプの車を運転した事があるが、ハンドル周辺は右手で左にあるワイパースイッチを動かせるような延長アームが付いていたりする以外は普通
むしろ左手でアクセルコントロールをするという感覚が掴み難く慣れるまで時間を要する印象でした
【見てわかる福祉車両の種類】運転補助装置付車ってなに?
近年、数多くのモデルに設定される福祉車両は、高齢の方、歩行が困難な方の移動を快適にするべく、目覚ましい進化を続けている。そこで、福祉車両をタイプ別に分けて、その機能を解説しよう。
こんな方に: 身体の不自由な方が自ら運転するために必要となるのが「運転補助装置」。もっとも多いのが、足が不自由な方が運転できるように手動でアクセルやブレーキ、ハンドリングなどが行える手動運転補助装置で、ドライバーそれぞれの障がいの部位や程度、さらには車種によって、機能や取り付け位置など細かな調整が行われる。これら運転補助装置が付いた「運転補助装置付車」は、その多くが、ひとりで車いすを収納することが可能なタイプを指す。ドライバーが安全、スムーズに乗り降りや運転操作を行えるように設計された福祉車両だ。
特徴: 運転補助装置には、手のみで運転操作できる「手動タイプ」、足のみで操作できる「足動タイプ」がある。右手だけで操作できるステアリング、前後の動きでアクセル/ブレーキ操作ができるレバー、さらにはステアリング操作を行えるペダルなど、ユーザーに合わせて多種多様な装置があるので、販売店で相談したい。また、「運転補助装置付車」は、車いすの収納と運転席への乗り込みが快適に行えるものが多く、ルーフの上もしくはラゲッジに、車いすを電動で持ち上げて収納するタイプが主流となっている。
ステアリンググリップなどの手動運転補助装置が取り付けられたステアリング。どの種類の装置が必要かは、免許センターで行う「臨時適性検査」で決定される。グリップだけでもさまざまな用途、形状のものがあり、セッティングは、ドライバーに合わせたセミオーダーメイドとなることが多い。
購入の際の注意点: 運転補助装置での運転に慣れておくことは大前提として、車いすの収納、乗り降りに関する注意点も少なくない。車いすから乗り込む場合、「運転席への移乗がスムーズか?」、「車いすの積み下ろし操作に無理はないか?」、「安定した運転姿勢を保つことができるか?」などを確認したい。ルーフ上の収納ボックスは横にスライドするので、操作を行うときは十分なスペースを確保する必要がある。ちなみにルーフ上のボックスに車いすを収納するタイプのほか、運転席に座りながら自分で持ち上げて、助手席に積み込むタイプの運転補助装置付車もあるので、もっとも適したタイプを選びたい。また、折り畳み式の電動車いすに対応しているモデルもある。オーダーの内容によっては時間がかかる場合もあるので、事前に納車時期を確認しておこう。
自分で車いすを収納する
こちらは手動運転補助装置付車で、車いすをルーフ上のボックスに収納するタイプ。移乗をサポートするボードを使って運転席に乗り込み、リモコン操作で、ボディ保護のプロテクターと車いすを吊り上げるベルトが降りてくる。
※この車両は、トヨタ プリウス フレンドマチック取付用専用車でウェルキャリー装備モデルです。
※写真の男性モデルの身長は180cmです。
車いすの座面にあるバンドにフックをかけると、引き上げ時に車いすが自動的に畳まれる仕組みになっている。操作リモコンは車内に備え付けられ、ホルダーも用意される。
車いすの後輪がセイフティーガイドの中に収まっていることを確認してしながら引き上げていくのがポイント。ボックスは、車いすを収納すると横にスライドして搭載が完了する。
【見てわかる福祉車両の種類】運転補助装置付車ってなに?はBelieve - ビリーヴ ジャパンで公開された投稿です。
ブログ一覧 |
自動車業界あれこれ | 日記
Posted at
2018/09/04 09:06:36