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2018年10月26日

終わりがあれば…そのまま消滅しなければね

終わりがあれば…そのまま消滅しなければね 自動車史で最後を飾ったクルマ 前編 MTのフェラーリ、空冷ポルシェ ほか

われわれが目にする数多くのクルマは、舞台裏で改良を重ねモデルチェンジを行い、少しでも多くの支持を得られるように奮闘した結果だといえる。例えば7代目フォルクスワーゲン・ゴルフは、いずれ8代目に交代するだろう。レンジローバーも、モデルを増やしながら連綿と進化を続けている。

その一方で、自動車の歴史の中に刻まれつつ、生産を終えるモデルも少なくない。どんなものでも生き残れるほど、自動車はシンプルなものではないのだ。今回はそんな、生産終了に追い込まれたクルマや技術などを紹介してみたい。どんなに忘れられなくても、もう新品では手に入れることができない、愛すべきものたち。

インターナショナル・ハーベスター・パッセンジャー・ビークル(IH):スカウトII(1980年)

財政難と、不景気による雇用者との闘争で悩まされたインターナショナル・ハーベスター社。1980年にはトラクターなどの農業用機械とバスに生産を絞る目的で、ピックアップやSUVなど、乗用車の製造部門を廃止してしまう。

経営者は業績が急速に悪化することを想定しておらず、3代目スカウトを含む、SUVなどの乗用車の計画を立てていたほど。スカウトIIIを目指して、1979年にひっそりと登場したSSVコンセプトは、スカウトIIのオフロード性能を向上させつつ、1980年代の流行に合わせて、ボクシーなエクステリアデザインをまとっていた。

インターナショナル・ハーベスター社は、テネコ・ナビスター社の一部として現在も残っている。

写真は、スカウトII

米国で販売されたキャブレター車:いすゞ・ピックアップ(1994年)

1990年前後にかけて、米国で販売されていたクルマの殆どが、キャブレターからフュエルインジェクション(燃料噴射)に切り替えられた。新しい環境規制に対応させるためには、変更が不可欠だったといえる。ジープ・グランドワゴニアとフォード・クラウン・ビクトリアは1991年までキャブレター式のV8エンジンを積んでいたが、いすゞはさらに粘った。

エントリーグレードのピックアップトラックにフュエルインジェクションを採用したのは、1995年になってからだった。

V型4気筒を搭載したクルマ:ZAZ 968M(1994年)

V型4気筒エンジンを積んだモデルを生産していたメーカーは数少ない。ランチアとフォード、サーブ、ZAZ、そしてAMCだけだと思う。

サーブはフォードが設計したV4をサーブ96に搭載し、1980年まで生産していたが、ウクライナのメーカーZAZ(ザポリージャ自動車工場)は、さらに長く生産を続けていた。V4エンジンを搭載した968Mは、1994年まで生産されていた。ドイツのNSUプリンスにも似たこのモデルは、とうの昔に賞味期限切れになっていたが、安価で丈夫、修理もしやすかったこともあり、最後まで人気は高かったようだ。

2018年現在では、V4エンジンはバイクと、レーシングカーで見ることができる。ポルシェはルマン24時間レースで優勝した919ハイブリッドに、V4エンジンを搭載。レース専用のプロトタイプ・カテゴリーだが、後にニュルブルクリンクでも驚異的なラップタイムを出している。しかしポルシェは、量産車にV4エンジンを採用する予定はないようだ。

空冷式ポルシェ:993(1998年)

993型のポルシェ911は、ポルシェフリークにとっては夢のクルマかもしれない。空冷式の水平対向6気筒エンジンを搭載したモデルだからだ。丸いヘッドライトと、テールが下がったシルエットは、ポルシェ911の家系に属することが一目瞭然。1960年代、エンジンの位置が間違い(ロング・エンド)と批評されたクルマは、今でもポルシェファンに愛されている。

1997年に登場した996型の911は、水冷式の水平対向6気筒になったうえ、自動車評論家からも市場からも批判を受けることになった、ボクスターに似たフロント周りのデザインをまとっていた。最後の空冷モデルとなった993型は、2018年の今ではコレクター・アイテムになっている。

AUTOCAR JAPANの編集部にも、すっかり空冷ポルシェの虜になったひとがいることは、熱心な読者ならご存知だろう。

米国でカセットデッキを搭載していたクルマ:レクサスSC(2010年)

米国で販売されていた中で、最後までカセットテープ・デッキが選べたクルマは、プラスチック製のホイールキャップに布製のシートが付くような、安価なモデルではなかった。 それは、2010年のレクサスSC430。日本のメーカーがメルセデス・ベンツSLに対抗するために生み出した、高価で堂々としたコンバーチブルだ。

レクサスは2010年以降、カセットテープ・デッキの供給も止めている。ニューヨーク・タイムズは2011年に、もはやカセットテープ・デッキを搭載するクルマが、オプションとしてもなくなったと、報じたほど。

サーブ:9-4X(2010年)

サーブは生き残ろうと、限られた環境の中で最後まで奮闘していた。2010年、ロサンゼルス・モーターショーで、新しいモデル9-4Xを発表したのだ。生産は翌年、ジェネラル・モータースのメキシコにあるラモス・アリスペ工場で開始されたものの、同2011年末に、サーブは倒産してしまう。サーブの博物館によれば、800台以上がすでに生産されていたそうだ。

ポンティアック:G6(2010年)

深刻な経営難に堕ちいていたジェネラル・モータース(GM)は、2008年にいくつかのブランドを消滅させることを発表した。翌年、サターンをなくし、サーブは売却。ハマーも消えることとなった。しかし、当時のプレスリリースによれば、ポンティアックはニッチブランドとして生き残るとされていた。

しかしその後、ジェネラル・モータースは再生計画を立てたものの、ポンティアックは採算が合わないとされ、サターンと同様に消滅されることとなる。ポンティアックとして最後に生産されたクルマは、2010年1月、白のG6だったそうだ。

シャシーとボディが独立したアメリカ車:フォード・クラウン・ビクトリア(2011年)

1970年のはじめ、米国の自動車メーカーは、フレームとボディとが別々のセパレートフレーム構造から、軽量なモノコック構造(ユニボディ構造)へと変更をはじめる。1990年半ばには、ほとんどのモデルがモノコック構造となっていたが、フォードは粘った。可能な限り、既存モデルを活かしたかったのだろう。

最後まで残ったのはクラウン・ビクトリア。米国のパトロールカーやタクシーとして愛用されたモデルで、2011年まで生産された。

V8エンジンを積んだボルボ:XC90(2011年)

V8エンジンをボルボとヤマハが共同で開発し、XC90やS80などの大型モデルに搭載していたことをご存知だろうか。日本製の4.4ℓエンジンは、当初315psと44.1kg-m発生した。2005年に生産が開始され、ガソリン価格が安く大排気量のエンジンの人気が根強かった米国では好評だった。

中国のジーリーがボルボを買収し、小排気量化が進められる中で、V8エンジンを搭載したS80は2010年まで続いた。さらにXC90には、ヤマハが生産を終了する2011年まで搭載されていた。現在、ハイパフォーマンスモデルを生産していないボルボだが、もし社外製のV8エンジンを搭載したモデルが発表されたら、相当の衝撃が走るに違いない。

マニュアル・トランスミッションのフェラーリ:カリフォルニア(2012年)

フェラーリでマニュアル・トランスミッションを選択できたのは、エントリーグレードの2011年式カリフォルニアが最後。7速デュアルクラッチATに代わって、美しくシフトゲートが切られた6速マニュアルが選べた。しかし、実際に選択したひとは極めて少なかった。メーカーも定かではないようだが、マニュアルを搭載したカリフォルニアは3~5台のみだったらしい。

既存モデルとしては、もはやマニュアル・トランスミッションを搭載したフェラーリを注文することはできない。しかし、充分なお金があれば、話は別。開発に必要な資金を提供すれさえすれば、ペダルがみっつ並んだマニュアルモデルも、喜んで製造してくれるだろう。

後編へ続く。


自動車史で最後を飾ったクルマ 後編 FFのアルファ・ロメオ、ランエボX ほか

ボルボのコンバーチブル:C70(2013年)

ボルボは、C70が同社最後のコンバーチブルだとは明言していないが、新しいモデルを目にできる可能性は、BMW i3のフロントタイヤ並みに、薄い。2ドアクーペは、欧米での人気の陰りに加えて、中国でも盛り上がりに欠けており、ボルボとしては積極的にリリースする動きは今のところない。

この市場の動きと企業の戦略は、ひとを振り向かせる魅力的なコンセプトクーペを、スポーティでラグジュアリーなS90の対ではなく、ポールスター部門から発表したことにも表れている。

マニュアル・トランスミッションのランボルギーニ:ガヤルドLP560-2(2013年)

ランボルギーニがマニュアル・トランスミッションの搭載をやめたのは、フェラーリがやめた翌年だったが、世界中に衝撃を与えての終焉だった。ランボルギーニ50周年を記念し、余分な装備を省きシンプルな構成としたガヤルドの派生モデルは、LP560-2と呼ばれた。100台の限定生産で、V型10気筒は560psを発生し、6速マニュアルを介して後輪を駆動した。

ランボルギーニによれば、需要の大きな落ち込みが、マニュアル廃止となった理由とのこと。ランボルギーニのCEO、ステファン・ヴィンケルマンの話では、マニュアル車のオーダーがない年も何度かあったそうだ。

写真はガヤルド 570-4スクアドラ・コルセ

リアエンジンのフォルクスワーゲン:コンビ・ラストエディション(2013年)

欧米では、1970年代からリアエンジン・モデルを製造していないフォルクスワーゲン。ゴルフやシロッコ、パサートなど、現在のモデルはすべてフロントエンジン・レイアウトとなっているのは説明不要だろう。その一方で、南アフリカやメキシコ、ブラジルなどでは、何十年にも渡ってビートルやバス(タイプII)が製造され続けてきた。

フォルクスワーゲンのブラジル部門がリアエンジンのミニバン、コンビの製造を終了したのは2013年。その最後には、ラストエディションと呼ばれる、1200台の限定バージョンも登場した。

コンビは、通称レイトバスのボディに水冷エンジンを搭載したモデル。メーカーによれば、コンビの売れ行きは最後まで良かったようだが、ブラジルの新しい自動車規制に盛り込まれた、前席のエアバックとABSの義務化に沿うことができなかったことが、生産終了の理由とのこと。

シャシーとボディが独立したランドローバー:ディフェンダー(2016年)

これは、まだ確定事項ではない。

ランドローバーに詳しい内部関係者によれば、2019年に発表予定の次世代ディフェンダーは、ディスカバリーやレンジローバーと同じ、アルミニウム製のモノコックボディを採用すると見込まれている。

この情報が確かなら、2016年で製造を終えたオリジナルのディフェンダーが、英国で最後に製造されたセパレートフレーム構造のクルマとなる。

三菱ランサー・エボリューション:ファイナル・エディション(2016年)

三菱は、ランサー・エボリューションの最後を、ファイナル・エディションと呼ばれる限定仕様車で飾った。2015年に発表されたこのモデルは、2.0ℓの直列4気筒ターボエンジンにチューニングを加え、307psを発生。サスペンションとブレーキは強化品に変更され、エクステリアでは限定モデルの特徴として、ブラック・アウトされたルーフパネルを備えていた。

三菱は2016年、1600台生産されたランサー・エボリューション・ファイナル・エディションの最後の1台を、オークションに掛けて販売した。落札額は、7万6400ドル(865万円)だったという。三菱はこの売上を、飢餓で苦しむひとたちのために活動する米国の慈善団体へ寄付している。意外と知られていない事実だ。

ハイドロ・サスペンションを搭載したシトロエン:C5(2017年)

数十年に渡りハイドロニューマチック・サスペンションは、シトロエンを最も快適な乗り心地を備えたクルマとして、価格帯を超えて位置づける役目を果たしてきた。それから時代は過ぎ、電子制御サスペンションの進化に伴い、2010年代には緑色のスフェアは時代遅れの技術となってしまった。2017年のC5を最後に、シトロエンはハイドロ・サスペンションの製造をやめてしまう。

オーストラリア製のクルマ:ホールデン・コモドア(2017年)

オーストラリアの自動車製造業は、2013年にフォードが経営合理化に伴う出口戦略を立てたことを発端に、終焉へと向かう。2016年、フォードがオーストラリア工場を閉鎖したことに続き、トヨタも2017年10月にアルトナ工場の終了を決める。

そしてホールデンのエリザベス工場が、最後となるV8エンジンを搭載したコモドアをラインオフしたのは、トヨタが工場を閉鎖した数週間後。2018年現在、オーストラリアで販売されているクルマのすべては海外からの輸入車となる。フォードやホールデン、トヨタも、オーストラリアでは輸入貿易の会社なのだ。

ハイブリッド不採用のV12気筒ランボルギーニ:アヴェンタドールSVJ(2018年)

「SVJ」は、ランボルギーニ・アヴェンタドールSのサーキットにフォーカスした仕様。ランボルギーニの研究開発部門のボス、マウリツィオ・レッジャーニによれば、このモデルが最後の、ハイブリッドを組み合わせない、自然吸気のV型12気筒エンジンを搭載したランボルギーニになるという。

2020年代に登場するであろうアヴェンタドールの後継モデルは、燃費を向上させるためにも、ハイブリッド化させる必要があるのだろう。SVJの12気筒は770psと73.2kg-mを発生させる。AUTOCARのテスター、マット・プライヤーは試乗後に「スピードとドラマ性、柔軟性とサウンドは、他のモデルでは得られないもの」だとまとめている。

前輪駆動のアルファ・ロメオ:ジュリエッタ(2019年)

伝統のブランド、アルファ・ロメオが生み出した前輪駆動モデルは、概して高い評価を得ていない。アルファ・ロメオの経営者は、イタリア版BMWとしての地位を確立し、富裕層向けとしてブランドを立て直すためにも、運転がしやすい後輪駆動モデルの必要性を理解していた。この決定は何度か見送られてきたが、ジュリアの仕上がりを見る限り、われわれは待った甲斐があったといえる。

アルファ・ロメオの攻めの姿勢はまだ終わっていない。詳細は明らかなっていないが、2020年に発表予定の次期ジュリエッタは、ジュリアやステルヴィオと共通の、ジョルジオ・アーキテクチャを採用すると見込まれている。

その場合、現行のジュリエッタが最後の前輪駆動モデルとなるはず。BMWが3代目となる1シリーズを前輪駆動のアーキテクチャで開発する中で、アルファ・ロメオにとってはベストといえるタイミングでの後輪駆動化といえるだろう。

フォルクスワーゲン・ビートル:ニュー・ビートル・ファイナル・エディション(2019年)

われわれの読みは正解だった。フォルクスワーゲンは、伝統ともいえるニュー・ビートルの生産を2019年に終了することとなった。最後の1台が工場をラインオフすると、ドイツ・ヴォルフスブルクに本社をおく企業が初めて、初代から続いてきたビートルの生産を終了させることになる。ちなみにリアエンジンの初代ビートルの生産が始まったのは、第2次世界大戦が始まる前年の、1938年となる。

フォルクスワーゲンは、生産を終了する前に2種類の限定モデルを発売する予定。それは、ファイナル・エディションSEとファイナル・エディションSELと呼ばれ、標準モデルの幅広いオプションリストに加え、特別色を含む特別装備が用意されるだろう。

終わりがあれば始まりもある。自動車の歴史は、次々に積み重ねられていくものなのだ。



生き残ろうことが出来れば次につながりますからね
ブログ一覧 | 自動車業界あれこれ | 日記
Posted at 2018/10/26 23:09:46

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