間もなく登場の新型レガシィで、ついに消えるスバルの水平対向6気筒。EZ36型が終焉を迎える
間もなく登場する七代目スバル・レガシィ。デビューは2月7日に開幕するシカゴ・オートショーだ。SPG(スバル・グローバル・プラットフォーム)を採用する上級モデルの登場に期待が集まるが、新型レガシィのデビューが意味するのは、スバルの水平対向6気筒エンジンの終焉である。
新型レガシィは、北米をメイン市場にするスバルにとって重要なモデルだ。5年ぶりにフルモデルチェンジを受けて登場する七代目レガシィは、SGPを採用する。エンジンは、おそらく2.5ℓ水平対向4気筒NAのFB25と、2.4ℓ水平対向4気筒直噴ターボのFA24になるだろう。
現行六代目レガシィ(日本ではレガシィB4)のエンジンはFB25型とEZ36型3.6ℓ水平対向6気筒NAの2種類(レガシィB4はFB25のみ)を用意していたが、新型ではFB25とFA24のふたつの水平対向4気筒エンジンになる、と予想される。
これが意味するのは、明確だ。
スバルの水平対向6気筒エンジンの終焉
である。
EZ36型3.6ℓ水平対向6気筒からFA24型2.4ℓ水平対向4気筒ターボエンジンへダウンサイジングを図ることによって、ついにスバルから水平対向6気筒エンジンが消えることになる。
すでに日本ではカタログから落ちていた(先代五代目のレガシィアウトに3.6というグレードがあった)。北米ではトライベッカに搭載していたが、アセントになってFA24へ移行した。最後までEZ36型水平対向6気筒エンジンを搭載していたレガシィ/アウトバックがモデルチェンジすることで、スバルの水平対向6気筒エンジンの歴史が終わるわけだ。
これで、量産車向けに水平対向6気筒エンジンを生産するのは、ポルシェだけになる。
EZ36とはどんなエンジンだったのか?
エンジン形式:水平対向6気筒DOHC
エンジン型式:EZ36
排気量:3629cc
ボア×ストローク:92.0×91.0mm
圧縮比:10.5
最高出力:260ps(191kW)/6000rpm
最大トルク:335Nm/4000rpm
給気方式:NA
カム配置:DOHC
吸気弁/排気弁:2/2
バルブ駆動方式:直接駆動
燃料供給:PFI(ポート噴射)
可変バルブタイミング機構:In/Ex
スバル最後の水平対向6気筒となるEZ36は、3.0ℓのEZ30の排気量アップしたエンジン。EZ30は、スバル初のチェーン式カムシャフト駆動を採用するなど、全面的に刷新されたエンジンだった。
ダイレクトバルブ駆動ながら、可変バルブタイミングを実現する機構が追加されるなどの変更を経て、2007年に排気量をアップしてEZ36になった。吸排気ダブルAVS(可変バルブタイミング機構)を装備したことで可変リフトは廃された。斜め割りコンロッドの採用など、見所の多いエンジンだった。
ER27型2.7ℓ水平対向6気筒SOHC
そもそも、スバルの水平対向6気筒エンジンは、2.7ℓのER27型から始まる(1988年)。そう、アルシオーネに積むために開発されたエンジンだ。
エンジン形式:水平対向6気筒SOHC
エンジン型式:ER27
排気量:2672cc
ボア×ストローク:92.0×67.0mm
圧縮比:9.5
最高出力:150ps/5200rpm
最大トルク:210Nm/4000rpm
給気方式:NA
カム配置:SOHC
吸気弁/排気弁:1/1
バルブ駆動方式:直接駆動
燃料供給:PFI(ポート噴射)
EG33型3.3ℓ水平対向6気筒エンジン
その後、アルシオーネSVXのために、EG33型が登場(1991年)。排気量は3.3ℓだ。EG33は、EJシリーズに2気筒を追加した構成を採っていた。
エンジン形式:水平対向6気筒DOHC
エンジン型式:EG33
排気量:3318cc
ボア×ストローク:96.9×75.0mm
圧縮比:10.0
最高出力:240ps(177kW)/6000rpm
最大トルク:309Nm/4800rpm
給気方式:NA
カム配置:DOHC
吸気弁/排気弁:2/2
バルブ駆動方式:直接駆動
燃料供給:PFI(ポート噴射)
EZ30型3.0ℓ水平対向6気筒エンジン
EG33型の後継が、今回生産が終わるEZ36の前型の3.0ℓ水平対向6気筒のEZ30型だった。最初に積んだのは、レガシィランカスター6だった(2000年)。
エンジン形式:水平対向6気筒DOHC
エンジン型式:EZ30
排気量:2999cc
ボア×ストローク:89.2×80.0mm
圧縮比:10.7
最高出力:250ps(184kW)/6000rpm
最大トルク:289Nm/4000rpm
給気方式:NA
カム配置:DOHC
吸気弁/排気弁:2/2
バルブ駆動方式:直接駆動
燃料供給:PFI(ポート噴射)
可変バルブタイミング機構:In/ ×
ひとつの時代の終わりと言ったら少し大げさかもしれないが、ER→EG→EZと続いたスバル水平対向6気筒エンジンの系譜はこれで終わるのである。
さようならEZ36! スバルのボクサー6はポルシェのどのエンジンと同等性能か
水平対向6気筒・EZ36。われらがスバルの誇る最大排気量ボクサーエンジンである。このフォーマットといえばポルシェ。比べてみるとどんなエンジンがライバルとなるのか。
フラットシックスといえばポルシェ――と言いたいところ、われらがスバルにも6気筒は存在する。EZ36型。しかし同エンジンはレガシィのフルモデルチェンジにともない、ひょっとすると生産中止になるかもしれない。ボクサーディーゼルEE20型はそのEZ36とボアピッチを同一にして生産効率を追求していたが、ついにその生涯を閉じようとしている。EZ36のディスコンもその流れから決定事項だったのかもしれない。
日本から消えようとしている水平対向6気筒エンジン。じゃあそのパフォーマンスはポルシェと比べてどうなのか、調べてみた。
エンジン形式:水平対向6気筒DOHC
エンジン型式:EZ36
排気量:3629cc
ボア×ストローク:92.0×91.0mm
圧縮比:10.5
最高出力:191kW/6000rpm
最大トルク:335Nm/4000rpm
給気方式:NA
カム配置:DOHC
吸気弁/排気弁:2/2
バルブ駆動方式:直接駆動
燃料供給:PFI(ポート噴射)
可変バルブタイミング機構:In/Ex
3.6ℓ/191kWという最高出力で比較すると、ズバリそのものという機種が見つかった。M64/03型@MY92の911カレラRSである。自然吸気フラッグシップと同じ性能を発揮していると思うと、なんだか感慨深い。
ではサフィックスナンバー01と02はどうかといえば184kWという数値。これらはMY89~94のカレラ/カレラ4に搭載されているエンジンだった。
エンジン形式:水平対向6気筒DOHC(空冷)
エンジン型式:M64/03
排気量:3598cc
ボア×ストローク:100.0×76.4mm
圧縮比:11.3
最高出力:191kW/6100rpm
最大トルク:325Nm/4800rpm
給気方式:NA
カム配置:SOHC
吸気弁/排気弁:2/2
バルブ駆動方式:ロッカーアーム
燃料供給:PFI(ポート噴射)
可変バルブタイミング機構:×
さらに調べてみると、typ993の初年/2年目にあたる1994~1995年の911カレラ/カレラ4に搭載されたM64/05~08型が200kWと、性能として近い数値を出しているようだ。もちろん01から08まで、空冷のフラットシックスである。
エンジン形式:水平対向6気筒DOHC(空冷)
エンジン型式:M64/05~M64/08
排気量:3598cc
ボア×ストローク:100.0×76.4mm
圧縮比:11.3
最高出力:203kW/6100rpm
最大トルク:329Nm/5000rpm
給気方式:NA
カム配置:SOHC
吸気弁/排気弁:2/2
バルブ駆動方式:ロッカーアーム
燃料供給:PFI(ポート噴射)
可変バルブタイミング機構:×
では、排気量を問わずに191kWという最高出力のみで比べるとどうか。調べると、MY78~80の911ターボが195kWという数値を掲げていた。3.3ℓのターボ過給・M930型エンジンである。サフィックスナンバーは61から65。
ちなみにM930型エンジンはサフィックスナンバー60番台がターボ過給仕様のようで、195~221kWを発揮している。
エンジン形式:水平対向6気筒DOHC(空冷)
エンジン型式:M930/61~M930/65
排気量:3299cc
ボア×ストローク:97.0×74.4mm
圧縮比:7.0
最高出力:195kW/5500rpm
最大トルク:395Nm/4000rpm
給気方式:ターボチャージャー
カム配置:SOHC
吸気弁/排気弁:2/2
バルブ駆動方式:ロッカーアーム
燃料供給:PFI(ポート噴射)
可変バルブタイミング機構:×
日本仕様には存在しない
レガシィ3.6RS
それにパフォーマンスパッケージを装着した
STIパフォーマンス
なんてのもニュージーランドではあったんですよ♪
カーボン製のエアインテークとか日本で見た事ない設定部品もあるくらいですからね~
ドリルドローターとかとか見てみると印象が変わるかも
勿体無いけど最終的には売れないから企業としては続ける訳にもいかないよね…MTもこのまま消滅するのかね~スバルは
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富士重工 | 日記
Posted at
2019/02/05 11:24:57