ラジアルタイヤで筑波57秒台を目指すGRBインプレッサ! キーポイントはアンチラグまで組み込んだ老舗のECUチューン
リンクECUでフルチューンEJエンジンを完全掌握!
やり残した目標を達成するためタービンを交換して新たにスタート!
もともとはGT2835タービンを使っていたオートプロデュース・ボスのGRBインプレッサ。数年前にはよくチューニング誌に登場していた車両なので見覚えのある方もいるだろう。当時は筑波サーキットコース2000のタイムアタックなどに出ていたものの、その間にD1グランプリやフォーミュラDに出場するマシンの製作などに追われ、ラジアルタイヤで1分フラットの壁を超えられないままガレージの中で眠っていた。
オートプロデュース・ボス代表の藤岡さんにとって目標を達成しないままでの中断だったので、常に心に引っかかっていたというこのマシン。使ってみたかったアイテムが手に入ったことなどもあり、改めて筑波2000の1分切りを決意したというのだ。
改めてここでスペックをおさらいしておくと、エクステリアはバリスのエアロとオーバーフェンダーを使い、ワイドトレッド化。
タイヤはラジアルタイヤのなかでもグリップ力に定評のあるポテンザRE-05D。サイズは4輪ともに265/35R18を使っている。ブレーキはプロドライブのビッグキャリパー&ローターに前後とも交換されている。
エンジン本体はJUNの2.5Lキットと264度のハイカムによって排気量などの基礎体力をアップ。排気系はエキマニとフロントパイプがHKS、触媒はサードのスポーツキャタライザーで、プロドライブのマフラーを使用している。エキマニ以外は全てメインパイプ径80φだ。
そして今回新しく投入されたタービンはGT3037Sというひと世代前のものではあるものの、コンピュータをリンクG4+に変更(以前はメインコンピュータベースのエアフロレス仕様)。点火時期と燃料だけでなく、バルブタイミングや電子スロットルの特性まで変更することで、街乗りが普通に出来てサーキットタイムアタックまで出来てしまうという今風のマシンに仕上げてきた。
「もうとっくに廃盤になっているGT3037Sがたまたま手に入ったこともあって、当時の壁だったラジアルタイヤでの筑波2000の1分切りをやろうかなという気持ちになったんです。ECUもリンクを使えばバルタイもいじれるし、アンチラグだって組める。このタービンを使って、乗りやすくレスポンスの良いサーキット仕様が作れるんじゃないかと思ったんだよね」という藤岡さん。
実際に作り上げてセッティングをしていくと、パワーは480psくらいまで出るし、バルタイを変更していることもあって低回転もトルクフルなエンジン特性に仕上がったとのこと。純粋なパワーバンドこそ4000rpmから7000rpmまでになるものの、アンチラグを使えばサーキットでのシフトチェンジ後のレスポンスは気にならないはず。以前の仕様とは比べものにならないくらいのクルマに仕上がった。
仕様変更をしてから今回が初めての走行だったものの、足まわりやLSDなどは以前に煮詰めていたこともあってウエット路面の筑波1000で40秒を切るというかなり速いタイムをマーク。藤岡さんも筑波2000の1分切りに対して、かなりの手応えを感じていたようだった。
実際にアタックしたレーシングドライバー蒲生尚弥選手も「今回がシェイクダウンということでしたが、4WDマシンにありがちなアンダー傾向もなく良く曲がるクルマに仕上がっていました。このウエット路面でも不安を感じるようなことがなかったので、足まわりはかなりのレベルに煮詰まっているという感じです。アンチラグのおかげでパワーバンドを外れるようなこともなく、乗りやすいクルマに仕上がっていたと思います」と手応えを感じている。
「今後は筑波2000を走らせて、1分を切ることはもちろん、ラジアルタイヤのまま57秒台を目標に細部を詰めて行きたいですね」とのこと。基本的にはエアコンなどの快適装備は残しつつ、さらなる軽量化と延長アームや延長ドライブシャフトなどの製作によって、目標を達成したいそうだ。
●取材協力:オートプロデュース・ボス 長野県長野市川合新田1370 TEL:026-266-6388
PHOTO&TEXT:Takeshi ISHII
知る人ぞ知るスバル車の匠が展開するGRB/GVBインプレッサチューニング!その真髄に迫る
スバル車チューンの隠れた名店「近藤エンジニアリング」探報
本当に効果があるパーツのみを製品化!
有名チューニングパーツメーカーで手腕を奮っていた近藤秀一氏が工場長を務める「近藤エンジニアリング」。大通りからちょっと入った場所にあるファクトリーは隠れ家的な雰囲気も漂う。敷居の高さを感じるユーザーがいるかもしれないが、実はライトチューンやメンテナンスの相談も大歓迎。確かな技術力で理想のクルマ作りをフルサポートしてくれるプロショップなのだ。
デモカーのインプレッサtsタイプRA(GRB-E)もユーザーライクな仕上がり。お客さんに様々なパーツを体感してもらうための試乗車としても稼働しているという。そんな特徴がよく表れている部分のひとつがATSのカーボンツインプレートクラッチ。組み付け次第では純正よりも踏力が軽く、シャープな繋がりが味わえる。これを理解してもらうにはくどくどと説明するより実際に体感してもらうのが1番というわけだ。
また、オリジナルブランド「SK♯LABO」のチタンマフラーについても然り。排気効率を重視した76.3φフルストレート仕様にも関わらず、ECV&アクティブサイレンサーを併用することで純正なみの音量を実現。こちらはYouTubeのオリジナルチャンネルに動画がアップされているのでぜひご覧いただきたい。
サイドタンク式のターンフローラジエターも自慢の逸品。純正のダウンフローに対してコア全面を有効的に使えるこの極ラジエターでは冷却効率が格段に向上する。岡山国際で行なったテストでは純正103度に対し、85度と圧倒的な効果を実証している。
全長調整式フルタップ採用のオリジナル車高調は、走行ステージに合わせて最適な減衰力に合せ込みセミオーダータイプとなる。16段の減衰力調整機能も備え、スプリングレートの変更にも対応。
現車合わせのECUセッティングも得意とする所。豊富な経験とノウハウを武器に、仕様に合せたデータを構築してくれる。ECU-TEKやハルテック、リンクなど様々なセッティングツールに対応。A/Fセンサーを使用して、安全マージンを取りつつ、エンジンのポテンシャルを最大限に引き出す。
ちなみに、このGRBはパーツ開発のための実験車輌としても稼働しており、今後はオリジナルの放熱塗装を純正インタークーラーに施工し、その効果を検証していく予定。これは約180℃で焼け付け塗装するという独自の放熱ペイントで、工業用建築でも実績のある本格派。そのテスト模様についても動画をアップしていくというから楽しみだ。
ところで同店では、GRB乗りの悩みと種ともいえるバンパーズレを予防するためのバンパーサポートプレートも新発売。その装着によりフェンダーとバンパーを繋げる樹脂パーツが割れにくくなるほか、STiリップの空力効果を高める効果も期待できる。
そのほか手軽に導入できるフロアサポートバーや、サーキット派に必需品ともいえるストレートフロントパイプなど、GRB/GVBの性能をブラッシュアップする、気になるアイテムを多数ラインアップ。本物のチューニングを味わいたい人は、ぜひ訪れてみる価値のある“隠れた名店”と言えるだろう。
●取材協力:近藤エンジニアリング 大阪府和泉市上代町147-1 TEL:0725-24-0516
各世代ごとの良し悪しがあるからソレに合わせた調律がある筈ですからね
お金を掛けて最新のものを取り入れれば速くなるだろうけどさ
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自動車業界あれこれ | 日記
Posted at
2019/04/02 22:33:16