2019年08月29日
日本国内でもWRCやれないもんですかね…
【国沢光宏がWRCに挑戦】ついに本格的な競技スタート! 新人編集部員が受けた洗礼と感激とは
ブドウ畑のなかを国沢さんのフィエスタR2が駆け抜ける!
WEB CARTOPでもおなじみの自動車評論家、国沢光宏さんがドイツで開催されるWRC(世界ラリー選手権)第10戦ラリー・ドイツに挑戦中! 今回ラリー・ドイツ取材のチャンスを得た新人編集部員篠田! だがじつは、ラリーについてはまったくの素人。渡航前の国沢さんにラリーの基礎や国沢さんがラリーに挑戦するワケ、ラリーカーの試乗を行なった。そしていよいよ私、篠田もドイツ入りし、ラリーを目の当たりにすることになる。
本格的な競技のスタートともいえるDAY2は、SS2~SS7(SS:全速でタイムを争うスペシャルステージ)までが行われる。午前はSS2~4までのコース、午後は午前と同じコースを5~7として見ることができる。
ラリーの生観戦では自分が見たいステージを自分で選ぶ必要がある。SSが開かれるエリアはサービスパークから距離が離れていることもあり、すべてのSSを回ることは難しい。私篠田は、現地の名産品であるワインの産地であるブドウ畑のなかをラリーカーが駆け抜けるSS3と、スタートとゴールが同じ場所で見られるSS7を選んだ。
SS3では両側をブドウ畑に囲まれている絶景のなかをラリーカーが駆け下りてくる部分が見どころ。私、も機材を抱えながら山登りさながらにブドウ畑を上がっていく。ちょうど見どころのひとつであるヘアピンカーブのそばにやってきたが、地元の人たちは見どころをよくおさえているようで、かなり早い時間から多くの観客がのんびりとラリーカーがくるのを待っていた。私もそれにならい、ブドウ畑の間から間近に迫るラリーカーを見ることにした。
DAY2は1位から順番にやってくる。スタート時間が過ぎると、早速ラリーカーの爆音が迫ってくるのがわかった。最初に来たのはWRカー。ヘアピンカーブ手前の直線を一瞬で駆け抜け、カーブでもほとんど速度を落とすことなく、クルマが流れるように走り去っていく。そしてあっと言う間にブドウ畑に消えていった。圧倒されている間にも、次々とWRカーがやってくる。必死にカメラを向けるも、速度が早すぎてなかなか追いつけない。
WRカーが抜けていくと、WRC2クラスの車両がやってきた。WRカーと比較すると少しゆっくりになった気するが、それでも速い。ここらで見る場所を変えるために、さらに山登りを続ける。丘の上から下を見下ろすと絶景が広がっていた。クルマと合わせて撮る技術がないことが悔やまれる。ラリーの知識と共にカメラ技術も磨かねば!
そしていよいよ国沢さんがやってきた。ブレーキ音を響かせながら、目の前のブドウ畑を駆け抜けていくラリーカーの迫力はとにかくすごい。だが、2日目を終えた国沢さんに話を聞くと「クルマの調子があまり良くない。新型だと車両のトラブルが起きやすいのかもしれない」と弱音もこぼしていた。
また、ちょうどその場面を見ることはできなかったのだが、畑に入り込んでしまいコースアウトした国沢さんの前にも妖精(妖精:本来競技中にドライバー&コ・ドライバー以外がマシンに触るのはNGだが、観客が手伝ってコースに戻ることがあるため観客のことを「妖精」と呼ぶ)が現れたという。DAY2の動画でも公開されており、コースアウトしたと見るや否や、ここぞとばかりに妖精がたくさんやってきているのがわかった。
ラリーの楽しみ方は人それぞれ! SSには出店も用意
SSでは、こういった見どころに行くと、多くの観客に出くわすことになる。ドイツ国旗などの旗を持って応援する人や、椅子に座ってのんびりとビールを飲む人、ドイツ国旗をイメージした帽子をかぶった人など人それぞれにラリーを楽しんでいる。一部では来場者を楽しませようと、出店が設けられているSSもあり、軽食やお酒を楽しむことができる。
DAY2では私も訪れたSS7がまさにその状態であった。日中からビールを片手に騒いでいる姿はうらやましい。カメラを持ってうろついていると声をかけられることや、記念撮影してくれとばかりにしっかりとポーズを決めてくれる人もいた。
SS7は広場のようなところでひらけており、スタートしてからもしばらく車両の行方を追うことができる。自分たちの前を競技車両が通過すると声を上げたり笛を鳴らしたりと、陽気な観客たちがその場を盛り上げていた。私も仕事が終わったら思いっきりドイツビールを飲もうと心に決めた。
実際にSSまで行って感じた醍醐味は、ラリーカーが間近で見られること。サービスパークはもちろん、SS内やリエゾン(移動区間)でも、観客との距離がとにかく近い。レースのように同じコースを何度も走ることは一部しかないため、長い時間待っていて通り過ぎるのはほんの一瞬。ただ、それでも待っていて良かったと思えるくらい、迫力ある走りや音を体感することができる。
ただ、私にとっては、今回が初めてのラリー取材。SSでの取材にあたって困ったこともあった。撮影ポイントの確認などを含めてかなり時間に余裕を持って行動していても、道路の規制や徒歩での山登りなどで時間を要するということ。また、良い場所を確保しようとすると、スタート時間の1時間以上前からはその場で待機していなければならず、日差しが強いなど気候を事前に確認しておくことの大切さを学ぶことができた。
こちらは番外編だが、トイレの問題についても触れておきたい。特にSS3のブドウ畑の中には簡易トイレもほとんどなかった。初めてラリー観戦に来られる際には携帯用のトイレなどを持参することをオススメしたい。
DAY2で初めてのSSを体感した私篠田。仕事終わりには満点の星空をツマミにしっかりとビールをいただき、明日に備えた。DAY3ではラリー・ドイツ名物のパンツァープラッテ(軍事演習地内にあるコース)などの様子をお伝えする。次回もお楽しみに!
【国沢光宏がWRCに挑戦】新人編集部員もびっくり! クルマが歪むほどの荒れ地を全開で駆け抜けた
WRCファンの日本人にも遭遇
WEB CARTOPでもおなじみの自動車評論家、国沢光宏さんがドイツで開催されるWRC(世界ラリー選手権)第10戦ラリー・ドイツに挑戦中! 今回ラリー・ドイツ取材のチャンスを得た新人編集部員篠田は、ラリーについてはまったくの素人。そこで、渡航前の国沢さんにラリーの基礎などを聞き、知識を身につけたところで、ついにラリー・ドイツへとやってきた。
競技3日目となるDAY3は、午前中に丘を走り抜けるSS (スペシャルステージ)9と、午後にはドイツ名物の軍事演習場内で行われるパンツァープラッテを見ることに。午前は90度のほぼ直角に曲がるコーナリングが見えるところで待機していた。ラリー・ドイツはすべてターマック(舗装路)のコースなのだが、そのコーナー部分の右側には土が盛られていて、ショートカットする際は少しグラベル(未舗装路)のような動きが見られそうだと期待。
その場で腰を下ろして待っていると、スペクテイター(観客)用のタグをつけた人から「すみません」と日本語で話しかけられた。ついに取材班でない日本人に初めて出会うことができたので、待っている間にお話を伺った。
12年ほど前から海外のラリーも観戦しているという松浦淳一さん。ニュージーランドやオーストラリア、ヨーロッパ圏のラリーを観に行ったことがあるそうで、ドイツも4年前に1度観戦したことがあるという。今回も休みの合間を縫って年に1度のWRC観戦に訪れていた。どのチームのファンということではなく、WRC自体が好きという松浦さんに、ラリーの楽しみ方について聞くと「ラリーカーが目の前で見られることが一番の醍醐味」とのこと。
確かにブドウ畑では目の前で見ることができた。基本的にクルマが飛んでくる可能性のあるところにはいられないので、これは世界的に見ても珍しいそうだ。
早速、1台目がやってきた。リバースになっていて、WRカーのなかで1番遅いほうから順番に走っていく。必ずしも1位が最初に来るわけではないようだ。さすがWRカーはしっかりショートカットして土煙を上げながら走り抜けていった。ギャラリー側に風が流れてくるため、砂を吸い込んでしまい、カメラにも粉じんがくっついていた。これもラリーの面白さのひとつで、松浦さんは慣れた様子でカメラについた砂を取り払っていた。
近くにいたドイツ人にも声をかけられ、さっきのクルマがゴール付近を通過しているよ、と教えてもらった。確かに小粒のようなラリーカーが遠くの坂を駆け上がる姿が見えた。撮影していたポイントは丘のようになっているため、かなりひらけていて、遠くまで見渡せる。
国沢さんのフィエスタR2も砂煙を上げながら豪快に走り抜けていった。道幅の狭いところをとんでもない速度で走り去るラリーカーのすごさを改めて目の当たりした。
午後にはラリー・ドイツ名物のパンツァープラッテへ。昨年もラリー・ドイツの舞台となったが、今年は去年と逆ルート。SSの2カ所が交差する場所のため、会場を埋め尽くすほどの人が集まっていた。出店もかなり多く、この日も天気に恵まれていたため、アイスやビールを片手に観戦している人がたくさんいた。ステージも設けられ、始まる前からDJが登場し、会場のボルテージも徐々に高まっていく。
そしてついに1台目が登場すると、前方に群がって見る人と、中継で競技車両を映しだしてのんびりと椅子に座って観戦している人に分かれ、それぞれがラリーを楽しんでいた。何十メートルもの下り坂を一気に駆け下りる姿は一番盛り上がるポイントとなっている。また、ゴール付近は人が集まっているところからはよく見えないのだが、テレビ中継でその模様も映され、ゴール後にドライバーにインタビューも行われた。
国沢さんたちのフィエスタR2が下ってくるところを坂道で待つ。すると音を響かせながら勢いよく下ってきた。走行後の国沢さんに話を聞くと「パンツァープラッテは道が荒れていて、クルマが歪んでしまい、ドアが開かなくなるほど」だったという。
大きなトラブルもなく、無事にDAY3を終えた国沢さん。昨年、1回もリタイヤせずに完走した完走率はおよそ40%という厳しい環境のなかで、完走まで目前に迫った。次回もお楽しみに!
国沢氏は自身でラリー参戦経験あるからね
トランスミッションが特殊じゃないから一般人にも普通に乗れるだろうね~
【国沢光宏がWRCに挑戦】歓喜のクラス3位を獲得! 4日間の激闘の末に新人編集部員が見たモノとは
ラリー観戦には時間配分と事前準備が欠かせないポイント
WEB CARTOPでもおなじみの自動車評論家、国沢光宏さんがドイツで開催されるWRC(世界ラリー選手権)第10戦ラリー・ドイツに挑戦! 今回ラリー・ドイツ取材のチャンスを得た新人編集部員篠田は、ラリーについてはまったくの素人。そこで渡航前に国沢さんからラリーに関する基礎を伝授され、ラリー・ドイツへやってきた。果たして篠田が見たモノとは!
ラリー・ドイツもいよいよ最終日。残るSS(スペシャルステージ)は4つだ。SS16と18はブドウ畑のコースで、SS17と19がパワーステージと呼ばれるボーナスポイントが入る特別なステージになっている。
私・篠田はどうしても一般車とラリーカーが一緒に街中を走るリエゾン(移動区間)が見たかったので、SS18の速度が乗る畑道のなかをとおるエリアと、すべてのSSが終わったあとのリエゾンを見にいくことにした。
しかし、SS18にいく道中ではトラブルに見舞われ、時間前に到着できず……。しかも、この日もリバースで順位の低いチームから出走していたため、到着したころには上位のWRカーが走っていた。ここは少しグラベルのあるルートで、ラリーらしい走りっぷりが見られる。目の前をラリーカーが勢いよく砂を撒き散らしながら走り抜けていった。この場所での観戦は迫力があって、最初から見られなかったのが非常に残念だった。
日曜日ということもあり、SSまでの道路が混んでいることや、通行止めになっていることもあるため、事前の下調べが重要になる。観戦初心者にとってこうした時間配分の難しさは大きなハードルになりそうだ。
しかし、SS18とSS19は近かったことから、面白い光景を見ることができた。リエゾンエリアに向かっている間、選手たちの休憩場所に出くわしたのだ。地元住民しか知らない場所なのか、有名選手にここまで近づいて撮影することができる。たまたま私がそこに立ち寄った時にはTOYOTA GAZOO RACINGの勝田貴元選手が空気圧のチェックを行っていた。
通りすがりの観客たちが立ち止まり、選手に声をかけたり、写真を撮ったりと自由にできるのもラリーならではの魅力だ。
すごいぞ! 国沢さんがラリードイツでクラス3位に!
そしてリエゾンの撮影ポイントへ。せっかくなので、ドイツらしい教会の煙突と橋が映るところで待機。しかし、この日も雲ひとつない晴天で、とにかく暑い! 最終SSでは現地で簡単な表彰式が行われる。そのため、サービスパークに戻る時間差がかなりあるのだ。
のんびりと待っていると、たまたま犬の散歩で通りかかったドイツ人の女性に話しかけられた。暑すぎて犬が川ではしゃいでしまい、泥だらけになってしまったらしい。暑いから気をつけてね、という女性の言葉に従い、ときどきクルマのなかで休憩したり、水分補給をしたりと、体調管理にはかなり気を使っていた。
そして終盤に国沢さんが登場! 残念ながら一般車と一緒に撮影することができなかったが、公道を一般車と同じように走るラリーカーの姿を見られた。そして急いでサービスパークへと向かう。
クラスで3位までに入賞するとポディウムフィニッシュといって、サービスパークの近くにあるポディウムで表彰式が行われる。国沢さんも完走し、3位に入った。完走するのが難しいと言われるWRCで、大きなトラブルもなくフィニッシュできるのはすごいこと! 日本国旗を持って祝ってくれる人たちも沢山見られた。日本が誇るTOYOTA GAZOO RACINGも表彰台を独占し、勝田選手もデビュー戦を10位で完走した。
この日は近くの街まで出かけ、国沢さんと祝勝会を行なった。ドイツビールや食事も美味しく、最後のドイツを楽しんだ。
今回のラリー・ドイツ取材では実際にラリーカーが目の前を通り抜けていき、そのときの音や匂い、ラリーファンの歓声、景色など、五感をすべて活用してラリーを感じることができた。もちろん事前に話は聞き、映像で見ていたのだが、百聞は一見にしかず、という言葉のとおり、本物を実際に見なければわからないことがたくさんある。ここまでドライバーとの距離が近く、また目の前で車両が見られるモータースポーツはラリーだけではないだろうか。
この記事を読んでいる読者のなかで、もしラリーに興味を持った人がいたなら、ぜひ一度会場に足を運んでみてほしい。上位に位置するWRカーはとにかく速い。本当に市販車がベースなのだろうかと不思議に思えるほどだ。そしてセダンやスポーツカーが好きな私でも、だんだん見慣れてくると、出場しているコンパクトカーがかっこよく見えてくる。そして道中では細い道を180km/hくらいで走っていくのだ。考えただけでもとんでもなくスリリングな競技だということがわかる。私はすっかり、ラリーファンのひとりになってしまった。
今年、11月9日(土)、10日(日)にはWRC日本ラウンドのテストイベントが行われる。また、2020年にはラリージャパンの復活も噂されている。トヨタチームや日本人選手が活躍しているこのタイミングで、WRCが日本にやってくることは大きなチャンスだ。さまざまなトラブルに見舞われながらも、一般道を駆け抜けていくラリーカーのかっこよさを一人でも多くの日本人に見てもらい、ラリーの面白さに気づいてほしい。
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自動車業界あれこれ | 日記
Posted at
2019/08/29 21:31:20
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