2019年10月24日
4気筒モデルって出るのかな?GRはどうなるのか??
【新型ヤリス詳解(1)】判明した、ヴィッツ改め「新型ヤリス」のアウトライン
本日(10月16日)ついに待望の「新型ヤリス」が世界初公開された。車名はもちろん、すべてを一新した渾身の世界戦略コンパクトカーの全貌を4回連続でお届けしよう。まずは、そのアウトラインから。(新型ヤリスは東京モーターショー開催期間中、お台場のヴィーナスフォートに展示されるほか、10月末から12月にかけて全国各地で展示・公開予定)
ヴィッツからヤリスへ、クラスを超えたファーストカーの登場
「いいクルマづくりのカギはコンパクトカーにある」。
1999年、競合ひしめく欧州市場でライバルと闘うために投入されたのが初代ヤリス(国内名:ヴィッツ)だ。確かに安いが性能もそれなりだった当時の国産コンパクト・セグメントに与えた衝撃は今も語り草となっている。同年、トヨタ車として初の欧州カー・オブ・ザ・イヤーに輝いたのも納得だ。
続く2代目(2005年発売)、そして現行型となる3代目(2010年発売・現行型)も世界戦略車として登場。ヤリス・ブランドはすでに世界中で定着している。2017年に復帰したWRCのベースマシンに選ばれたのも当然だ。
そして、満を持して発表された4代目は世界統一名称として「ヤリス」を採用。日本国内でのみ使用されていたヴィッツの車名は現行型をもって消滅することになった。「(大中小というクルマの)ヒエラルキーを再構築するため、ヤリスという名前に統一した」とは豊田章男社長のコメントだ。
実際、プラットフォームからパワートレーンまで一新されたヤリスは、トヨタが総力を挙げて開発したクラスレスの新世代コンパクトカーであり、初代登場のインパクトを思い出させるほどの進化を遂げていた。
パワートレーンは3種類、国内仕様は全車5ナンバーボディを踏襲
では新型のアウトラインを紹介しよう。
搭載されるパワートレーンは3種類だ。新開発の1.5リッター3気筒ハイブリッド(エンジン型式:M15A-FXE)、同じく新開発の1.5リッター3気筒直噴ガソリン(同:M15A-FKS)、そして現行型にも搭載されている1リッター直3ガソリン(1KR-FE)を大幅改良して搭載車を設定している。新開発の1.5リッター直3エンジンはともに、トヨタのTNGA戦略に基づくダイナミックフォースエンジンで、トヨタの新世代直4ユニット(2.5リッター&2リッター)とモジュール設計されている。
プラットフォームもまったくの新規開発。TNGA戦略に基づくトヨタ最小プラットフォーム「GA-B」を採用した初めてのクルマでもある。コンパクトカーに特化したGA-Bは、従来型に比べおよそ50kg軽量化(同クラスハイブリッド車比)を達成するとともに、ねじり剛性は30%以上強化。TNGAプラットフォームに共通する低重心化も盛り込まれ、安全性、快適性はもちろん、ハンドリングも大幅に向上してクラスを超越した走りを実現しているというから楽しみだ。
国内仕様のボディサイズは、全長3940mm×全幅1695mm×全高1500mm、ホイールベースは2550mm。駆動方式はFFと4WD(メカニカル4WD。1.5リッターガソリン車に設定あり)のほか、ハイブリッド車には待望のE-Four(電気式4WDシステム)搭載車も設定される。ボディタイプは欧州仕様も含めて5ドアのみに統一。現行型で欧州仕様に設定されている3ドアはない。
公表されたグレード構成は以下のとおり。
ボディカラーは新色の「コーラルクリスタルシャイン(メーカーop.)」「アイスピンクメタリック」を始め全12色の基本カラーに加え、ルーフ色をブラックまたはホワイトとした2トーンカラーを6色設定した全18タイプのワイドバリエーションとしている。
ほかにも先進の安心安全技術も盛り沢山な新型ヤリス。その詳細は次回以降詳しく紹介していくのでお楽しみに。
【新型ヤリス詳解(2)】新型ヤリスを支える3気筒エンジン専用新開発プラットフォーム[GA-B]
2020年中旬から国内販売が始まる新型ヤリス。ヴィッツを改めヤリスとしてすべてを一新した世界戦略コンパクトカーの全貌を探る短期集中連載の2回目は、クラスを超越する走りを実現する新開発プラットフォームを中心に新開発パワーユニット、さらに欧州仕様との違いをご紹介しよう。
GA-B~軽量・高剛性・低重心、3気筒エンジン搭載を前提に完全新設計
2012年にその構想が明らかにされた「TNGA(トヨタニューグローバルアーキテクチャー)」。“もっといいクルマづくり”を標榜し、基本性能を突き詰めたプラットフォームをベースに複数車種で共用することによって、基本性能を上げながらサイズや駆動方式ごとに「一括企画」する戦略だ。
2015年にデビューした4代目プリウス(GA-C)を皮切りに、C-HRやカローラスポーツ(同)、カムリ(GA-K)やRAV4(同)、クラウン(GA-L)など続々とTNGA採用車が登場している。
そして今回、ヤリスで初採用されたのが3気筒エンジン搭載車に特化した「GA-B」だ。低重心、ワイドスタンス、ショートオーバーハングなどTNGAに共通する特徴はそのままに、ホイールベースとトレッド、さらに最低地上高を可変とする基本設計により、適合車種(タイプ)やデザインの自由度を高めている。ヤリスでは、車両重量を50kg以上低減(現行型同クラス車比)。主要骨格を連結することでボディのねじり剛性を30%以上高めたほか、エンジン搭載位置も下げて重心高を現行型比で15mmも下げている。
また足回り形式は前ストラット、後トーションビームを基本としながらも、後ろはマルチリンクなど独立懸架にも変更できるなど多彩なアレンジが可能とされている。ヤリスでは4WD車のリアサスペンションに新開発の2リンク式ダブルウイッシュボーンを採用。とくにハイブリッド車には、トヨタのコンパクトカーとして初めてのモーター駆動式4WDを搭載することができた。
プラットフォームを3気筒エンジン搭載に特化したことで、フロントストラットの取り付け角度が適正化されて摺動摩擦が低減されているのもポイント。さらに、全車に前後スタビライザーを標準装備するなど、スプリングレートを下げながらロール角度を現行型よりも減らすことに成功している。
文字どおり「土台」が一新されたことで、「ひとクラス上という感じはあるね。もっと走っていたい!(by豊田章男社長:テストコースにてコメント)」とうるさがたをも納得させる乗り味を実現している。その走りはまさにクラスレスなのだ。
ダイナミックフォース第3弾は1.5L 直3エンジン
搭載されるパワートレーンは3種類。1Lの1KR型こそ現行型の大幅改良だが、1.5LのガソリンNA(M15A-FKS型)と同ハイブリッド(M15A-FXE型)に搭載されるユニットは完全な新設計である。と言っても、すでに搭載車が発売されている2.5L&2Lの直4とTNGAの思想に基づいてモジュラー設計されており、ボア×ストローク=80.5×97.6のロングストロークは、レクサスUXやRAV4に搭載される2L 4気筒と同一だ。
さらにNAのM15A-FKSと新開発ハイブリッドのM15A-FXE型では仕様が異なり、あたまのM15A までは同じだが、~FKSは直噴、~FXEはポート噴射を採用。さらに、~FKSにはアイドル時の振動対策としてバランスシャフトが追加されている。また~FKSに組み合わされるミッション[Direct CVTまたは6速MT]はいずれもヤリスに初めて搭載されるもので、いずれもコンパクトカー用に最適化。新開発のエンジンとともに気持ちの良い加速が味わえる。
一方、現行型にも搭載されている1L 3気筒の1KR-FE型もCVTの改良とともにおよそ6kgも軽量化され、ヘッド回りを全面刷新して全域で希薄燃焼を可能とするなど基本性能が向上している。
注目のハイブリッド車は、トランスアクスル、パワーコントロールユニット、駆動用バッテリーともにコンパクトカー用に最適化された高効率・軽量タイプを新開発。なかでも駆動用バッテリーは効率を50%以上もアップすると同時に、システム総出力も16%アップ。その結果、動力性能を向上させながら世界最高レベルの燃費を実現しているという。
【こぼれ話】GA-Bにはナローとワイドが存在!? 国内仕様と欧州仕様の違い
余談になるが、GA-Bには足回りの設定により2種類が存在する。国内仕様に採用されるGA-Bナローと、欧州仕様に採用されるGA-Bワイドだ。あくまでトヨタ社内での呼称とのことだが、取り回し性能とドライビングの愉しさの両立を狙った国内仕様と、高速性能を重視する欧州仕様では自ずと仕様が異なるらしい。もっとも具体的な違いは足回りのみで、プラットフォーム本体は同じである。主な違いは以下の通り。
<国内仕様:ナロー>
・ボディ全幅:1695mm
・トレッド:前1480mm/後1475mm
・ホイールベース:2550mm
・4穴ホイール
<欧州仕様:ワイド>
・ボディ全幅:1745mm
・トレッド(15インチ装着車):前1530mm/後1526mm
・トレッド(16&17インチ装着車):前1520mm/後1516mm
・ホイールベース:2560mm
・5穴ホイール
トレッド拡大版の通称GN-Aワイドは、サスペンションアーム類の変更で実現されている。このパーツ類に実はひとクラス上のGA-Cのパーツ(カローラ系?)が使用されているようだ。また欧州仕様のホイールベースが10mm長いのは、高速域での直進安定性を重視してキャスター角度を大きくした結果である。フェンダーも拡幅されているので、結果的に欧州仕様のほうが重い。搭載されるパワートレーンのラインアップは同じなので、加速性能では国内仕様が有利ではある。もっともその差はわずかとなるように、エンジンの出力特性は若干異なるようにチューニングされているとのこと。
次回は日本車離れしたデザインの秘密とクラスを超えた先進の安全安心装備にフォーカスする。
トヨタTNGA戦略「もっといいクルマ」のこれからの展開は?
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2018年8月3日、トヨタは2019年3月期 第1四半期の決算説明会を東京本社で開催した。第1四半期の売上高は前年同期比3151億円(4.5%)増の7兆3627億円、営業利益は前年同期比1083億円(18.9%)増の6826億円、営業利益率は前年同期の8.1%から9.3%へと向上。連結販売台数は2万1000台増の223万6000台であることを発表した。
販売台数が日本市場で3万4000台の減少となった以外、海外市場では好調に推移し、原価改善、営業努力、諸経費の低減などにより、営業利益は前年同期より1000億円増加した。
TNGAの役割
この決算発表会で、コーポレート戦略部ミッドサイズ・ビークルカンパニー(プレジデント)・MSボデー設計部(部長兼務)の吉田守孝副社長の「トヨタのもっといいクルマづくり~『愛車』をつくり続けるために~」というテーマのプレゼンテーションが行なわれた。
このプレゼンテーションにより、豊田章男社長が提唱する「もっといいクルマ」の具体像や、その代名詞ともなっている新世代プラットフォーム「TNGA」はどのように展開されるのか、という戦略が初めて明らかになった。
TNGA(トヨタ・ニューグローバル・アーキテクチャー)は、完全モジュラー・プラットフォームの意味で、単にボディの土台であるプラットフォーム(車台)を意味するだけでなく、車内の配線や搭載する電子機器のモジュラー化=電子プラットフォーム、モジュラー設計を徹底したエンジン、トランスミッションの新採用、その他主要なユニット部品のモジュラー化、世界各国にある生産工場での生産関連技術の共通化などを含む、幅広いモジュラー化の概念を指している。
吉田副社長は、トヨタのもっといいクルマづくりはTNGAとカンパニー制(社内のバーチャル・カンパニー制度)を両輪として進めていると語る。クルマのポテンシャルを大幅に高めた上で、賢く共用化するのがTNGAの目指すところで、車種ごとにこだわりを持って「愛車づくり」を実行するのがカンパニー制だという。
まずTNGAは、クルマの基本となる基本要素、コンポーネンツをすべて一新し、ひと目見てかっこいいと感じられる特徴的で魅力あるデザインや、一度乗ったらずっと乗っていたいと感じる気持ちの良い走り、安全、燃費など、愛車づくりの基本となる基本性能や商品力を大幅に向上させることを目的としている。
そしてTNGAは、多くの車種に適用できるようにグループ分けを行ないつつ、共用化や効率化、そして原価低減に繋げるように企画されている。クルマの基本性能を決める機能部品がTMGAと位置付けられている。その結果、車両の原価の60%~70%をTNGAコンポーネンツが占めているという。
カンパニー制の役割
各カンパニーは、TNGAで基本性能を大幅に高めた基本骨格をもとに、それぞれがこだわりを持って愛車づくりを行なうシステムがカンパニー制と位置付けられている。現在の社内カンパニーの展開は、レクサス、ミッドサイズ、コマーシャル(商用車)、コンパクト、ガズーレーシング(GR)の5つのカンパニーと、完全子会社のダイハツが担当するAセグメント+新興国向け車両カンパニーの合計6つのカンパニーが展開されている。
ミッドサイズ・ビークルカンパニーはレクサスブランドをつくり、高級感にこだわり、より多くのユーザーがハンドルを握った時に笑顔が生まれるクルマづくりを目指している。また、コンパクト・ビークルカンパニーはコンパクトで低価格にこだわり、そしてGRカンパニーは気持ちの良い走りにこだわるという役割だ。
これら各カンパニーは、総責任者のプレジデントがトップダウンで意思を決定し、企画、設計、生産技術、製造現場の各部門が一体となって、より速いスピードで効率的にクルマつくりを行なうようにしており、その成果が最新のクルマに反映されつつある。
TNGA-C(Cセグメント)では、プリウス/プリウスPHV、SUVのC-HR、グローバル・ハッチバックのカローラ スポーツはいずれも共通化されたプラットフォームを使用し、ハイブリッド、SUV、ハッチバック、さらには今後登場するステーションワゴンなど多様な商品展開を実現。いずれもが開発、生産ともにしやすくなっている。
TNGA-Cのトップバッターとなったプリウスは、燃費に特化したクルマで、ダイナミック性能はそれほど鮮明ではなかったが、その後のC-HR、カローラ スポーツの展開によって、TNGA-Cの高い性能はより明確になってきた。
特にグローバルCセグメントのハッチバックとして造られたカローラ スポーツは、強豪ライバル車がひしめくマーケットの中で、トップレベルの走りの質感を達成できるところまできたのはTNGAとカンパニー制のメリットが最大限生かされたといえる。
また、レクサスLC、レクサスLSで開発されたTNGA-L(縦置きエンジンの大型FR用プラットフォーム)は新型クラウンにも採用され、クラウンの運動性能を飛躍的に向上させている。単にプラットフォームを共用化しただけではなく、その走りの質を一挙にグローバル基準で高いレベルに飛躍させることができたのは、プラットフォームのポテンシャルの高さと、ミッドサイズ・カンパニーの新たな走りを目指すという取り組みの成果といえるのだ。
新たな課題と今後の展開
現時点で、TNGAのコンセプトのもとで7車種が登場し、それぞれが成功作となっているが、その一方で課題もクローズアップされてきている。吉田副社長は、「お客様からいいクルマになったが、価格が少し高くなったという指摘も受けている」と語っている。
大幅な性能向上、先進安全装備などを採用したことなど、装備の向上、商品力のアップを行なった結果ではあるのだが、一方でユーザー側の視点では高価格化と捉えられているのだ。
もうひとつは、今後のさらに厳しくなる燃費、排ガス規制に対する対応、コネクテッド化、クルマの知能化、電動化などを想定すると、トヨタが生き残るためには、より開発のスピードアップや開発のフレキシビリティ、商品競争力の強化も求められている。
そのため、先行開発や商品企画の強化、コストダウン、開発現場でのムダの排除やジャストインタイムの導入などTNGAコンセプトをより進化させる必要があるとしている。また、これらを実現できる人やチームの育成も同時並行的に進めるという。
こうしたTNGAの成長を進めながら、2020年頃には世界約30の生産工場でTNGA車両の生産を行ない、全トヨタ車の約半数をTNGAモデルとする計画だ。
トヨタはTNGAの導入以来、はっきりと目に見えるほどクルマづくりが変わり、個別の最適化された作り方から、グローバルで通用するよりシンプルで運動性能が高いクルマにシフトしている。これは「もっといいクルマ」の具体像と考えられるが、果たして日本市場でこの運動性能の高さがユーザー層に認知されるのだろうか?
また、トヨタのTNGAコンセプト、もっといいクルマつくりは、言い換えれば「コンペティティブ」(競争力)向上であり、その総責任者(チーフ・コンペティティブ・オフィサー)はディディエ・ルロワ副社長(ルノー出身)だ。
日産は、チーフ・コンペティティブ・オフィサー兼製品開発担当として山内康裕執行役員が就任している。こうしたグローバル規模での商品競争力の向上という発想は、他の日本の自動車メーカーにも波及すると予想される。
トヨタ新型「ヤリス」公開! しかし北米で2020年モデルがすでに発表済だった!? 2台の違いは
■北米版「ヤリス」が日本仕様とは別物!? その理由とは
トヨタは、「ヴィッツ」を10年ぶりにフルモデルチェンジし、車名を世界統一名「ヤリス」に変更した4代目新型「ヤリス」を2019年10月16日に世界初公開しました。トヨタを代表するコンパクトカーの1台として、世界最高レベルの燃費性能をはじめ、さまざまな性能が向上しています。発売は2020年2月中旬が予定されています。
そんななか、北米ではすでに「ヤリス」の2020年モデルがラインナップされているというのですが、いったいどういうことなのでしょうか。
今回、日本市場や欧州市場などで発表された新型「ヤリス」は、ボディ骨格にTNGAプラットフォーム「GA-B」が初採用され、燃費性能や走行性能、先進安全装備などさまざまなスペックが向上しました。
一方、北米でトヨタがラインナップしている2020年モデルの「ヤリス」は、マツダが日本でも販売する「マツダ2」をベースに、デザインなど一部の仕様をトヨタ仕様に変更して販売しているモデルです。トヨタとマツダの業務提携によって誕生したOEMモデルで、ハッチバック(コンパクトカー)とセダンの2タイプが存在します。
同じ車名を持ちながら、中身はまったく別物となっているふたつのヤリスは、具体的にはどのような違いがあるのでしょうか。日本でこれから販売が始まる新型ヤリスと、北米仕様のハッチバックタイプのヤリス(以下、ヤリスハッチバック)の2車種を比較します。
※ ※ ※
日本仕様の新型ヤリスのボディサイズは、全長3940mm×全幅1695mm×1500mmとなっており、他社の国産コンパクトカーでは全長4mを超える車種もあるなかで、比較的コンパクトといえます。
一方、北米仕様のヤリスハッチバックは、全長4105mm×全幅1694mm×全高1496mm(それぞれ、インチを変換した概算値)となっており、日本仕様よりも全長が長めでほかはほぼ同等、というボディサイズです。
外観のデザインは、北米のヤリスハッチバックがマツダ2ベースである以上、シルエットが大きく異なることはいうまでもありませんが、口を大きく開けたように見えるフロントグリルをはじめ、顔つきには似ている点も見受けられ、両車共にトヨタらしさを感じるクルマであるといえるでしょう。
一方、車内の印象を左右するインパネは、北米のヤリスハッチバックがほぼマツダ2そのままのデザインを採用していることから、大きく異なります。
シンプルで親しみやすいオーバル基調のデザインが採用された日本仕様のヤリスに対し、北米仕様のヤリスハッチバックは水平基調のスポーティな加飾が加えられている点が特徴です。
■日本のヤリスと北米のヤリスはパワートレインにも違いが
搭載されるパワートレインは、日本仕様のヤリスでは3種類が設定されます。
1リッター直列3気筒ガソリンと、1.5リッター直列3気筒ガソリン、そして1.5リッター直列3気筒ガソリンにモーターが組み合わされるハイブリッド仕様が存在し、このうちハイブリッド仕様では世界最高レベルの低燃費性能を目指して開発がおこなわれたとトヨタは説明します。
トランスミッションにはCVT(ハイブリッドは電気式無段変速)と6速MT(1.5リッターガソリンのみ)の2種類です。駆動方式にはFFと4WD(1リッター除く)が用意されました。ハイブリッド仕様の4WDは、トヨタのコンパクトカーで初となる電気式のE-Fourです。
一方、北米仕様のヤリスハッチバックに搭載されるエンジンは1.5リッター直列4気筒で、トランスミッションに6速ATを組み合わせています。駆動方式はFFのみです。
日本仕様の新型ヤリスは、トヨタ最高レベルの安全性能を誇る予防安全パッケージ「トヨタセーフティセンス」が装備されている点も大きな特徴です。
歩行者検知(昼夜間)や自転車検知(昼間)だけでなく、トヨタ初となる右折時の対向直進車や右左折後の横断歩行者も検知する最新型となっており、プリクラッシュセーフティ機能で、衝突回避支援または被害軽減に貢献します。
一方、北米仕様のヤリスハッチバックも衝突被害軽減ブレーキを装備しており、現代のコンパクトカーに求められる安全性能は備わっています。
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前述のように、北米仕様のヤリスハッチバックはトヨタとマツダの業務提携によって誕生したモデルです。トヨタとして地域ごとの生産効率の最適化を図った結果、マツダからのOEM供給を受けることとなり、マツダのメキシコ工場で生産された車両が販売されています。
また、日本仕様の新型ヤリスの発表会において、今後トヨタは先進国と新興国でのニーズの違いに応えていくために、先進国向けのコンパクトカーはトヨタ自身が開発して、新興国向けのコンパクトカーはダイハツと協力して開発をおこなう方針であることを明らかにしています。
トヨタの車種ラインナップにはこれまでにも、地域別に用意されたさまざまなモデルに同じ車名が採用されていた例がありましたが、今後も同じような車名の別モデルが現れるのかもしれません。
欧州コンパクトを超えた? トヨタ新型「ヤリス」はセグメントリーダーになれるのか
■「ヤリス」はグローバルカーとして欧州でも長く販売されている
トヨタの新型「ヤリス」が世界初公開されました。
もともと、日本では「ヴィッツ」というモデル名で知られていましたが、日本以外での市場では、以前からすべて「ヤリス」名で販売されていました。
ヨーロッパ市場でも、1999年から初代ヤリスを販売しています。
ヨーロッパでは現在、コンパクトSUVの人気が急上昇していますが、販売の中心はBセグメント、およびCセグメントと呼ばれるカテゴリーのコンパクトカーになっています。
ちなみに、国際的な自動車関連リサーチ会社のJATOによると、2019年上半期の、EU(欧州連合)とEFTA(スイス、ノルウェー、アイスランド)を合わせたヨーロッパ全体の車名別ランキングを見ると、1位はCセグメントのフォルクスワーゲン「ゴルフ」ですが、2位にBセグメントのルノー「クリオ」(日本名ルーテシア)、3位に同じくBセグメントのフォルクスワーゲン「ポロ」がランクインしています。
ほかにもランクを見ていくと、5位にフォード「フィエスタ」、6位にプジョー「208」、7位にダチア「サンデロ」、11位にシトロエン「C3」、そして13位にトヨタ・ヤリスが入ってきます。これは、日本で販売されている3代目ヴィッツと同じモデルになります。
新型ヤリスが欧州市場でライバルとなるのは、こうしたBセグメントモデルです。今回は、ドイツ車であるフォルクスワーゲン「ポロ」と新型ヤリスを比較してみます。
●新型ヤリスのライバル、フォルクスワーゲン「ポロ」ってどんなクルマ?
日本で販売されているBセグメントのドイツ車、となると、まず挙げられるのはフォルクスワーゲン「ポロ」です。
ポロは1975年に登場した、Bセグメントのベンチマーク的存在のモデルです。初代が登場してから40年以上で、累計生産台数は1400万台を超えています。
現在販売されているモデルは6代目で、2018年3月に日本に上陸しました。
新たにVWのモジュラー戦略「MQB」を採用したボディは、全長4060mm×全幅1750mm×全高1450mmというスペックで、先代モデルに比べると全長で65mm、全幅で65mm増え、逆に全高は10mm低くなっています。ホイールベースは2550mmで従来比80mm延長されています。
■新型ヤリスはセグメントリーダーのVWポロを超えられるか
新型ヤリスは全長3940mm×全幅1695mm×全高1500mmと発表されています。
このボディサイズは、全長で5mm短くなったほかは現行型ヴィッツとほぼ変わりません。世界的に、コンパクトカーがフルモデルチェンジすると先代に対して大きくなるのがいままでの流れでしたが、新型ヤリスはそれに逆行しているかのようです。
新型ヤリスとポロを比較すると、全長で120mm、全幅で55mmヤリスのほうが小さく、全高は逆に50mm高くなっています。ただし新型ヤリスが5ナンバーサイズの小型車枠に収まっているのに対し、ポロは全幅1750mmと、3ナンバーサイズになっているのが大きな違いです。
日本では、まだ5ナンバーサイズにこだわるユーザーが多いです。ポロも先代まで全幅が1685mmと5ナンバー枠に収まっていたのですが、現行型でよりワイドになりました。日本でのフォルクスワーゲンのラインナップでは、ポロの弟分であるAセグメントの「up!(アップ!)」が唯一の5ナンバーサイズになっています。
●搭載されるパワートレインはどう?
ポロは200馬力/320Nmを発生する2リッターターボエンジンを搭載したスポーツモデル「ポロGTI」や150馬力/250Nmを発生する1.5リッターターボ「TSI Evo」エンジンを搭載した「TSI Rライン」もありますが、ノーマルモデルの「TSIトレンドライン」「TSIコンフォートライン」「TSIハイライン」は、すべて95馬力/175Nmを発生する1リッターターボエンジンを搭載、7速DCT(DSG)と組み合わされます。
1リッターターボエンジンで95馬力と聞くと、数字上ではどうしても非力な印象も受けますが、ダイレクト感のある7速DCTとの組み合わせで、かなり元気な走りを披露します。
一方、新型ヤリスのパワートレイン詳細は発表されていませんが、新開発の1リッター直列3気筒エンジン+CVT、1.5リッター直列3気筒エンジン+CVTまたは6速MT、そして1.5リッター直列3気筒エンジン+モーターのハイブリッドの3種類が用意される予定です。
新型ヤリスからコンパクトカー向けTNGAプラットフォーム(GA-B)を採用したことで、従来に比べ車両重量を50kg軽量化、さらにねじり剛性を30%以上強化、そして重心高も15mm下げられたというリリースを見ると、その走りも相当期待できると考えられます。まだ発表されてはいませんが、新型ヤリスにも今後「GR」が設定され、スポーティなモデルが登場するはずです。
通常モデルのポロの燃費は、19.1km/L(JC08モード)。対する新型ヤリスの詳細は発表されていませんが、「従来よりも約20%向上させた世界最高レベルの燃費」とプレゼンテーションで謳っています。現行ヴィッツハイブリッドのJC08モード燃費は34.4km/Lなので、新型ヤリスの燃費はJC08モード換算でリッターあたり40kmを超えそうです。
●車両価格はどう?
ポロの車両価格は、「TSIトレンドライン」が216万3000円、「TSIコンフォートライン」が237万2000円、「TSIハイライン」が273万3000円、「TSI Rライン」が304万1000円、「GTI」が355万7000円です。
新型ヤリスの車両価格はまだ発表されていません。しかし、現行型ヴィッツの車両価格を大きく超えてくることはないはずです。
ちなみに現行ヴィッツの1リッターモデル「F」は120万3400円から、1.3リッターモデル「U」は182万500円から、ハイブリッド「F」は185万3500円から、1.5リッターエンジンの「GRスポーツ」は211万5300円から用意されています。
※ ※ ※
ポロ以外のドイツ車で、日本で販売されているBセグメントのコンパクトモデルを探してみると、アウディの最コンパクトモデル「A1」、MINIの「MINI3ドア」「MINI5ドア」くらいしかありません。
アウディもMINIもプレミアムブランドになるため、車両価格は高くなります。ちなみにアウディA1は253万6112円から355万4631円、MINI3ドアは247万円から466万円、MINI5ドアは281万円から472万円となります。
ですので日本の市場だけでなく欧州市場でも、アウディA1やMINI3ドア/5ドアは新型ヤリスの直接的なライバルとなることはありません。
【ニューモデル写真蔵】トヨタ ヤリス「ヴィッツからヤリスへ」新世代コンパクトとして生まれ変わる
2019年10月16日、トヨタは新型車「ヤリス」を世界初公開した。日本では「ヴィッツ」と呼ばれていたコンパクトカーだが、今回のフルモデルチェンジを機に世界統一名称となった。日本仕様の詳細は未定だが、まずは発表会場の写真からディテールを見ていこう。
次の時代に求められるコンパクトカーの新たな価値を追求
トヨタのコンパクトカー、ヴィッツは4代目にフルモデルチェンジされるのを機に、車名を世界統一名称の「ヤリス」に変更した。ヤリス(YARIS)とは、ギリシア神話の気品やエレガンスを象徴する女神 CHARIS をベースとした造語であるという。新型ヤリスは、コンパクトカー向けのTNGAプラットフォームを初採用したほか、エンジン、ハイブリッドシステム、ミッションやサスペンションなど、すべてをゼロベースから作り上げた新世代コンパクトカーだ。
パワートレーンは、新開発の直列3気筒 1.5Lダイナミックフォースエンジン、それにモーターを加えたハイブリッド、そして1.0Lと3種類を搭載。駆動方式はFFが基本だが、電気式4WDのE-Four も設定されている。組み合わされるミッションは、ハイブリッドは電気式無段変速機、ガソリン車はCVTだが、1.5Lには6速 iMTも用意される。
アクティブで躍動感のあるエクステリアに、広くスポーティなインテリアは、誰が見ても好感の持てるデザイン。トヨタ初の高度駐車支援システム、最新のトヨタセーフティセンス、トヨタ初のターンチルトシート、スマホと連携できるディスプレイオーディオなど、安全&快適装備も、このクラスとしてはトップレベルの充実ぶり。気になる日本仕様の発売は、2月中旬を予定している。(写真:井上雅行)
トヨタが新型「ヤリス」を世界初公開! 前モデルの「ヴィッツ」からどう進化する?
■トヨタのコンパクトカー「ヴィッツ」が「ヤリス」に大変身!
トヨタを代表するコンパクトカー「ヴィッツ」がフルモデルチェンジし、海外名である「ヤリス」に統一されて生まれ変わります。
今回、世界初公開された新型ヤリスは、どのようなモデルなのでしょうか。現行ヴィッツと比較してみます。
新型ヤリスのデザインは、「B-Dash!(ビーダッシュ)」をコンセプトとしています。
「BOLD(大胆)」「BRISK(活発)」「BOOST(加速)」「BREAUTY(美)」などのBに加え、「BULLET(弾丸)」のようにダッシュして「力」が凝縮され、いまにも走り出しそうな躍動感を表現したとトヨタは説明します。
新型ヤリスのボディサイズは全長3940mm×全幅1695mm×全高1500mmで、現行ヴィッツより全長が5mm短くなっていますが、全幅と全高は同じです。
コンパクトカー向けのTNGAプラットフォームを初採用し、軽量で高剛性、低重心のボディを実現しました。
現行ヴィッツよりシャープなヘッドランプとし、スポーティな印象になりました。フロントバンパー下部の開口部の形状が変更され、力強いフロントマスクを表現しています。
さらに、ボンネットにキャラクターラインを設けることで、動きのあるデザインを実現しました。
また新型ヤリスと現行ヴィッツを見比べると、フォグランプ周辺のデザインはあまり変わっていないことがわかります。
ヘッドランプの上面やグリル中央には、立方体(キューブパターン)のような柄が入っています。よく見ると「YARIS」の「Y」を意識したグラフィックで、遊び心を詰め込んだといいます。
リアビューにおいて、上部はリアウインドウとリアコンビランプをひとつにまとめた特徴的なデザインで、バンパーはタイヤの張り出しを際立たせる造形でスタンスの良さをアピールしています。なお、新型ヤリスのアンテナはシャークフィンになります。
内装は、「SPORTECH-COCOON(スポルテック・コクーン)」をキーワードに、ムダをそぎ落として広さと快適さを確保し、運転に集中できる空間としました。
ハンドルは現行ヴィッツよりも小さくなり、広くてスポーティな室内を実現。また、インパネ中央のディスプレイは、最近のトヨタ車に採用されている大型モニターが装着されます。
若い女性をメインターゲットとする新型ヤリスではワンランク上の質感を目指し、シートの素材にファッションやインテリアに用いられるツィードのような華やかな素材を採用。厚みを感じさせるジャージ素材にラメプリントを施しています。
また、ドアトリムに、ソファーなどに用いられているフェルト素材を初採用し、ファブリックのようなパターンをプリントして温かみのあるデザインとしました。
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新型ヤリスに搭載されるエンジンは、1リッター直列3気筒ガソリンと、1.5リッター直列3気筒ガソリン、そして1.5リッター直列3気筒ガソリンにモーターが組み合わされるハイブリッド仕様の3種類です。
ハイブリッド仕様は、世界最高レベルの低燃費(現行ヴィッツと比較して20%向上)と、加速力の向上を両立させているといいます。
トランスミッションは全車にCVT(ハイブリッドは電気式無段変速)が用意されるほか、1.5リッターエンジン仕様には「iMT」と呼ばれる6速MT仕様がラインナップされます。
また、予防安全パッケージ「トヨタセーフティセンス」は、トヨタ初となる右折時の対向直進車や右左折後の横断歩行者も検知する最新型が標準装備されました(一部グレード除く)。
新型ヤリスの発売は、2020年2月の予定となります。
トヨタ新型「ヤリス」とスズキ「スイフト」よりスポーティなのはどっち? 徹底比較
■スポーティコンパクトの新型ヤリスとスイフトを比較
トヨタは同社のコンパクトカー「ヴィッツ」の車名を海外名に変更し、そのうえでフルモデルチェンジをおこなった新型「ヤリス」を2019年10月16日に世界初公開しました。ボディの基本骨格から見直し、気持ちの良い走りが特徴のひとつに挙げられます。
一方、スポーティさが特徴となっているコンパクトカーのひとつとして、スズキ「スイフト」が現行モデルのなかで挙げられますが、2台のコンパクトカーは具体的にはどのような違いがあるのでしょうか。
今回のフルモデルチェンジで4代目となる新型ヤリス(前日本名:ヴィッツ)は、1999年に初代モデルが発売されたコンパクトカーです。国内市場においては、1999年の登場以降ヴィッツとして20年の歴史を持っていましたが、今回のフルモデルチェンジで海外名に統一されることになりました。
一方、スイフトは2000年に初代モデルが発売されたコンパクトカーです。じつは、ヤリスと同じくスイフトも、海外では日本と違う車名「イグニス」で販売されていた時期がありましたが、現在は欧州市場をはじめとした海外でも、基本的には「スイフト」へ統一されて販売されています。ちなみに「イグニス」は、同社の小型クロスオーバーモデルの車名に再利用されました。
車名に関しては似た歴史を持つ2台の、内外装やスペックの違いを比較します。
新型ヤリスのボディサイズは、全長3940mm×全幅1695mm×全高1500mmです。現行型3代目ヴィッツとの差異は全長が5mmほど短くなった程度で、ほぼ同じボディサイズといえます。
スイフトのボディサイズを新型ヤリスと比較すると、全長3840mm×全幅1695mm×全高1500mm(2WD)と、全長の短さが際立っていて、ボディの縦横比を単純に比較するとスイフトの方がよりワイド感が強調されているといえます。
また、スイフトの派生スポーツモデル「スイフトスポーツ」では、全長3890mm×全幅1735mm×全高1500mmの3ナンバーサイズとなったボディを採用。よりスポーティさに磨きがかかっています。
2台のデザインコンセプトを比べると、新型ヤリスの外装は大胆(BOLD)に、活発(BRISK)に、そして美しく(BEAUTY)、弾丸のようにダッシュするというイメージの「B-Dash!」というテーマが掲げられて、凝縮感のあるエクステリアとなりました。
ボディ前面は大開口のフロントグリルが特徴的で、リアフェンダーの張り出しは、踏ん張り感と走りの良さを予感させます。
一方、スズキはスイフトの外装を手掛けるにあたり、重心の低いプロポーションと躍動的なフォルムを意識したデザインとしたと説明します。リアドアハンドルがCピラーガーニッシュに配置されたことで、クーペルックなスタイリングとなっている点も特徴的です。
内装に目を向けると、新型ヤリスはムダがなく、運転に集中できるデザインとなっています。また、従来より小径のハンドルが採用されたことで、スポーティさの演出も欠かしません。
スイフトの内装も、新型ヤリスと同様、スポーティさを意識したデザインが採用されました。操作性、乗降性に配慮されたD型ステアリングホイールや、操作パネル系を運転席側に5度傾けて配置するなど、ドライバーが運転操作をしやすい内装デザインが採用されています。
■パワートレインの豊富さがスイフトの特徴のひとつ
新型ヤリスとスイフトの共通点のひとつに、パワートレインの多様さが挙げられます。
新型ヤリスに搭載されるパワートレインは、1リッター直列3気筒ガソリンと、1.5リッター直列3気筒ガソリン、そして1.5リッター直列3気筒ガソリンにモーターが組み合わされるハイブリッド仕様の3種類です。トランスミッションはCVT(ハイブリッドは電気式無段変速)と6速MT(1.5リッターエンジン仕様のみ)が設定されます。
なかでもハイブリッド仕様は、世界最高レベルの低燃費を実現すべく開発をおこなったとトヨタは説明していることから、同社のハイブリッド専用コンパクトカー「アクア」の燃費も超えることが予想されます。
スイフトに搭載されるパワートレインも、極めてバリエーションが豊かです。
ベースとして用意される1.2リッター直列4気筒ガソリンと、それにマイルドハイブリッドおよびフルハイブリッドが組み合わされる仕様があり、それとは別にエンジンの異なる1リッター直列3気筒ガソリン直噴ターボがあります。派生モデルのスイフトスポーツに用意される1.4リッター直列4気筒ガソリン直噴ターボも入れると、全5種類です。
スイフトスポーツに搭載されるエンジンは、最高出力140馬力/最大トルク230Nmを発揮する、国産コンパクトカーのなかでもとくにハイパワーなユニットです。
現在、新型ヤリスではスポーティグレードの設定は予告されていませんが、今後、トヨタが同社のいくつかのモデルに設定しているスポーティグレード「GR」がヤリスにも設定されるのか、そして搭載されるエンジンがどんなスペックとなるのか、注目されます。
なお、スイフト/スイフトスポーツのトランスミッションは、CVT/5速MT/5速AGS(自動MT)/6速AT/6速MTの5種類が、各エンジンごとにそれぞれ設定されています。
運転支援装備を比較すると、最新設計のモデルということもあり、新型ヤリスの優位が目立ちます。
新型ヤリスに搭載される予防安全パッケージ「トヨタセーフティセンス」はトヨタ最高レベルの安全性能を発揮する最新型が搭載されています(一部グレード除く)。歩行者(昼夜間)や自転車(昼間)はもちろん、トヨタ初となる右折時の対向直進車や右左折後の横断歩行者の検知も可能としました。
スイフトに搭載される予防安全装備は「スズキセーフティサポート」と呼ばれ、歩行者の検知には対応しています。
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新型ヤリスとスイフトを比較すると、先進装備については新型モデルのヤリスが優位となっているものの、内外装のスポーティさやパワートレインの幅広さではスイフトも現状互角です。
スイフトは国産コンパクトカーのなかでもスポーティな走りで評価が高いことから、これから走り始める新型ヤリスがどのような走りを見せるのか、期待が高まります。
ちなみに、現行型3代目ヤリス(日本名:ヴィッツ)は、現在世界ラリー選手権に参戦するWRカー「ヤリスWRC」のベース車となっていますが、スイフトも、かつてジュニア世界ラリー選手権に参戦するラリーマシンのベース車でした。
世界の道を駆けるラリーマシンのベース車の経験を持つという共通点がある両車が、今後ユーザーから改めてどのような評価を受けるのか、注目されます。
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自動車業界あれこれ | 日記
Posted at
2019/10/24 00:32:02
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