• 車種別
  • パーツ
  • 整備手帳
  • ブログ
  • みんカラ+
イイね!
2020年05月17日

GT3っていうカテゴリーも普及しましたからね(不定期だから次回のがいつ来るか)

GT3っていうカテゴリーも普及しましたからね(不定期だから次回のがいつ来るか) 開幕までに知識を増やそう。改めて『GT3』をおさらい(1):GT3前史から誕生へ

 新型コロナウイルスの感染拡大に揺れる国内モータースポーツ界。2020年は多くのトピックスがあったスーパーGTも、開幕から5戦が延期となってしまった。ただ7月の開幕を前に、ちょっぴり知識をつけておけば、来たる開幕がより楽しく迎えられるはずだ。この連載では、GT300のみならず、いまや世界各国のGTカーレースで使用されるGT3カーについて、不定期でご紹介しよう。超初心者向けだが、詳しい方も改めてお付き合いいただければ幸いだ。

(1)GT3の誕生から世界的な流行へ。まずは歴史をおさらい
 まず、GT3とはなんなのか、どんなカテゴリーなのかをお伝えする前に、まずはGT3についての歴史を超おおまかにお伝えしておこう。

 いまや世界中のさまざまなレースで使用されているGT3カーは、FIA国際自動車連盟の車両規定のなかでグループGT3と規定されている。初めて世の中にカテゴリーとしての『GT3』という言葉が出てきたのは、2005年、FIA GT選手権の一戦としてスパ・フランコルシャンで開催されていたスパ24時間レースでのプレスカンファレンスでのこと。FIA GTを運営していたSROモータースポーツ・グループのステファン・ラテルから、GT3という構想が語られた。

 もともとGTカーレースは、グループ3などに規定されていたものの、1980年代にはGTレース自体が下火となり、スポーツカーレースの主役はプロトタイプカーのグループC/GTPとなっていく。アメリカのIMSAではGTカテゴリーは存在したが、完全な市販車ベースではなかった。

 しかし1990年代初頭、FIAの失策や景気後退もありグループCは急速に台数を減らしていく。これに代わって1994年に生まれたのがBPR GTシリーズ。当初はさまざまなGTカーが集まったが、マクラーレンF1 GTRの性能の高さ、さらにポルシェ911 GT1やメルセデスベンツCLK GTRの登場、トヨタTS020の登場などカテゴリーの過激化もあり、GT1は消滅。GT2がGTへ変貌し、その下位カテゴリーとしてN-GTが設けられた。

 2004年にはGTがGT1、N-GTがGT2と改められたが、BPR GT創設者のひとりで『R』のイニシャルをもつステファン・ラテルが、2005年のプレスカンファレンスのなかで提唱したのが『GT3』カテゴリー。この会見のなかでは、あくまで今後GT1/GT2を拡大していく目標が述べられており、GT3はあくまで「FIAによるまったく新しいクラスで、市販車に近いレース専用車」とされ、2006年からGT3ヨーロピアン選手権を立ち上げるために制定された。

 初期のコンセプトの時点でのGT3は、チームスタッフ数、テストの制限、GT1で用いられたパワーウエイトレシオ等の性能平均化、シングルタイヤサプライヤー、ジェントルマンドライバーのみの参加がコンセプトとして導入されている。このコンセプトに加え、性能調整の厳格化、さらに車両販売価格の上限を定めたことが、後のカテゴリーの隆盛に繋がっていった。

 また当初のGT3は、『カップ・オブ・カップ』とされており、ヨーロッパのスポーツカーメーカーが開催していたワンメイクレース用カップカーが基準とされている。この発表時には、フェラーリ430チャレンジ、ポルシェ997カップ、マセラティ・トロフェオ・ライト、ダッジ・バイパー・コンペティションカップとされている。

 これらの車両は、2006年からスタートしたGT3ヨーロピアン選手権においてGT3カーとしてホモロゲートされたほか、アストンマーティンがDBRS9をGT3車両として投入することを発表した。

 こうして2006年からスタートしたFIA GT3ヨーロピアン・チャンピオンシップでは、ポルシェやフェラーリ、アストンマーティン、ダッジらに加え、アスカリKZ1や、ドイツのライター・エンジニアリング製のランボルギーニ・ガヤルド、キャラウェイ・コンペティションのコルベットZ06.Rなどが参戦。初代チャンピオンはショーン・エドワーズが獲得した。

 さらに2007年から、ドイツではGT3を使ったADAC GTマスターズがスタート。さらにオーストラリアGTでもGT2との性能調整でGT3車両が使用されはじめ、ブラジルなど世界各国で使用されていく。一方、FIA GT3ヨーロピアン・チャンピオンシップはFIA GT選手権のサポート的な意味合いが強かったが、2010年にFIA GTから発展したFIA GT1世界選手権が当初の目論見からはずれ参戦台数が伸びない一方で、2011年にスタートしたGT3の耐久レース、『ブランパン耐久シリーズ』は当初から50台以上のエントリーを集め盛況となっていく。

 2012年からは、FIA GT1世界選手権の車両がGT3に変更される現象が起き、その後FIA GT1は『ブランパンGTスプリントカップ』へ。『ブランパン耐久シリーズ』は『ブランパンGTエンデュランスカップ』となっていった。日本では、2010年にスーパーGT GT300クラスにポルシェ911 GT3 Rが登場したほか、スーパー耐久にもアウディR8 LMSが登場。日本にもGT3の波が伝わっている。

 次回は『GT3とはどんなレーシングカーなのか』について触れたい。


開幕までに知識を増やそう。改めて『GT3』をおさらい(2):GT3とはどんなレーシングカーか・その1

 新型コロナウイルスの感染拡大に揺れる国内モータースポーツ界。2020年は多くのトピックスがあったスーパーGTも、開幕から5戦が延期となってしまった。ただ7月の開幕を前に、ちょっぴり知識をつけておけば、来たる開幕がより楽しく迎えられるはずだ。この連載では、いまや世界各国のGTカーレースで使用されるGT3カーについて、不定期でご紹介しよう。初心者向けだが、詳しい方も改めてお付き合いいただければ幸いだ。

■(2)GT3とはどんなレーシングカーなのか・その1
 前回、GT3の大まかな歴史を振り返ったが、初期のGT3はあくまでジェントルマンドライバーが、好きなブランドのクルマでレースを楽しむために生まれた。そのためABSやトラクションコントロールなど電子デバイスも使用可能。もともとカップカーというベースがあったこともあり、草創期から多くの車種が参加した。またその性格から、チームによる車両への改造は一切できず、セッティングは足回りのいくつかの調整やリヤウイング程度くらいしかできないのは現在も同様だ。

 また、初期のGT3の流行を支えたのは、その価格の安さ。多くの車種が2000万円〜3000万円程度で、当時のレーシングカーとしては安価。じつはここでお詫びしなければならないのだが、初期のGT3に存在していたと言われていた車両価格上限設定(コストキャップ)は、初期から設定されていない。筆者も多くの関係者からコストキャップがあると聞いており、当時は記事にも反映していたが、今回この記事を書くにあたり、SROモータースポーツ・グループからは、GT3におけるコストキャップは2006年から存在していないという返答をもらった(GT4はコストキャップがあり、20万ユーロが上限)。

 現在では4000万円程度から、高いマシンで8000万円以上という価格で販売されているGT3カーだが、自動車メーカー、もしくはメーカーから委託されたコンストラクターが販売可能。そして、GT3カーを作るにあたってまたユニークなのは、厳格な技術規定がないということだ。市販車のフレームを使うこと、また安全のための規定は定められているものの、厳密な改造範囲は定められていない。そのため、初期のGT3と比べると現代のGT3カーは、フレーム以外は大きく改造されており、外板はほぼカーボン。性能も安全性も高まっているが、同時に価格も上がっている。

 これまでのモータースポーツの歴史のなかで、特にこういった市販車改造レーシングカーは、改造範囲を定めるやり方が一般的だった。上位カテゴリーほど改造範囲が大きく、事細かに規定が定められている。厳密な改造範囲がないGT3のスタイルは非常にユニークで、これまでは適したベース車がなければそのカテゴリーに参入することが難しかったが、GT3ならばある程度自由な車種で参入することができたことも車種バラエティの増加を生んだと言えるだろう。

 GTカテゴリーのなかで、このGT3とある意味対照的なのが、スーパーGT GT500クラスでも採用されるクラス1規定だ。GT500とDTMという長い歴史を経て市販車改造という範囲からは抜けた存在ではあるが、性能を均衡化させるためにエンジンのサイズを同じにし、車両のサイズやホイールベース、果てはスケーリングと呼ばれる作業によって、フロントウインドウの角度まで同じにしてある。事細かな車両規定でフォーミュラ化することによって、性能の均衡化を図っている。スーパーGTではGT500、GT300という出力によるクラス分けだが、いまやGT300のJAF-GTをのぞけば規定の考え方すらも違う2クラスの混走なのだから面白い。

 そしてこのGT3カテゴリーの最も“キモ”とも言える点こそ性能調整だ。車両重量やエアリストリクター径、最低地上高によって各車のバランスをとるものだ。毎年シーズン開幕前に全車種を集め『BoPテスト』というものが行われ、そこでのパフォーマンスや、さまざまなシリーズのテストで集められたデータをもとに各車の性能が調整される。もちろん、テストでワザとゆっくり走れば優遇されるのでは……? と考える方もいるかもしれないが、データロガーできちんとチェックされており、目立つ場合は“やり直し”させられるという。

 実際のレースでは、性能調整は各シリーズによって運用が異なるが、スーパーGTを含め多くのシリーズでSROが定めたBoPが使われており、スーパーGTの公式テストにもSROの技術スタッフが訪れている。性能調整は、サーキットの特性によって4種類用意され使い分けられる。

 この性能調整が、GT3のすべてを決めると言っても過言ではない。車両に関して言えば、例えばあるメーカーでより速さを狙い、強力なパフォーマンスのエンジンと車体を用意したとしよう。しかし、まずGT3の場合は、事前に特別な改良をするには特認が必要な上に、それが認められたとしても、最終的には性能調整がかけられ、ライバルと同じパフォーマンスになってしまう(それどころか、事前のスペックがいいと厳しい性能調整になる傾向もみられる)。つまり、速さを追求するための過度な改造はあまり意味がないということだ。

 さらに重要なのは価格だ。もちろんレーシングカーとしての性能を追求することはメーカーの自由だが、大きな改造を加え高度な素材を使えば、販売価格は必然的に高くなる。では、ほぼ同じ性能に調整されるのであれば、あなたがレーシングチームのオーナーならどのクルマを選ぶだろうか? 当然、価格だけがレーシングカーの価値ではないが、必然的に価格が安い方のクルマが検討材料になるだろう。SROはGT3の価格決定については「すべてはマーケットが決める」と教えてくれた。このあたりの“商品としての価値”については次回触れたい。

 現在、GT3は2022年に向けて新たな規定を導入するべく協議が進められており、改造範囲の規定など細かい規定を作り上げようとしている。どう変貌していくのかは、今後注目のポイントだろう。
ブログ一覧 | 自動車業界あれこれ | 日記
Posted at 2020/05/17 11:51:29

イイね!0件



今、あなたにおすすめ

ブログ人気記事

コメ作ろ
blues juniorsさん

セドリックワゴン
パパンダさん

こんばんは、🙇🏼‍♂️
138タワー観光さん

準備万端パート2・・・
シュールさん

スバル車だらけのツーリングに参加さ ...
koba♪さん

微睡のよもぎ
べるぐそんさん

この記事へのコメント

コメントはありません。

プロフィール

「@まなひろ エアバルブ側でダブルナットとかにして固定は難しそうですかね🤔」
何シテル?   04/12 09:49
初めまして。 インプレッサG4に代替を致しました~ 自分色に染めて行こうと思います 燃費を気にする割にアクセル踏んじゃうんですよ~ バトンに関し...

ハイタッチ!drive

みんカラ新規会員登録

ユーザー内検索

<< 2025/4 >>

  12345
6 789101112
13141516171819
20212223242526
27282930   

リンク・クリップ

FrogDrive S660用リアダクトフレーム取り付けその1 
カテゴリ:その他(カテゴリ未設定)
2021/11/29 15:26:19
ポケモンGO攻略まとめ  
カテゴリ:その他(カテゴリ未設定)
2018/08/12 02:23:37
 
マギレコ攻略Wiki 
カテゴリ:その他(カテゴリ未設定)
2018/08/12 02:22:57
 

愛車一覧

スバル インプレッサ G4 スバル インプレッサ G4
初の新車に代替をいたしました~ ターボからNAになりましたが、インプレッサはインプレッサ ...
スバル インプレッサハードトップセダン スバル インプレッサハードトップセダン
GC6を自らの事故で失った後、次の愛機を探している所コイツが浮上しました。 車重は10 ...
スバル インプレッサハードトップセダン スバル インプレッサハードトップセダン
初のマイカーです。NAという事とコズミックブルーマイカって色なのであまり回りにいない車な ...
スバル BRZ スバル BRZ
兄貴の増車なんですが、いじる許可を貰っているので気ままに弄り回します。
ヘルプ利用規約サイトマップ

あなたの愛車、今いくら?

複数社の査定額を比較して愛車の最高額を調べよう!

あなたの愛車、今いくら?
メーカー
モデル
年式
走行距離(km)
© LY Corporation