2020年05月20日
まぁ、読めないよね…今期はどうなることやら
スバル 中村社長「米国の動向はもう少し確認したい」…2020年3月期営業利益は4期ぶり増益の2103億円
SUBARU(スバル)は5月18日、2020年3月期の連結決算をメディアとの電話会議によって発表した。新型コロナウイルスの感染拡大の影響はまだ軽微となり、営業利益は前期比15.7%増の2103億円と、4期ぶりの増益になった。
今期(2021年3月期)の業績予想についてはコロナ禍で「主力の米国市場ではなお6割の販売店が営業活動に制約を受けていることなどから、現時点では合理的な算定が困難」(中村知美社長)とし、公表は見送った。
前期の連結グローバル販売は3%増の103万4000台となった。主力の米国は『アウトバック』などがモデル切り替え期になったものの、『フォレスター』や『アセント』が好調で、6%増の70万2000台となり、全体をけん引した。しかし、消費税増税の影響が出た日本は8%減の12万6000台にとどまった。
前期の為替レートは1ドル109円で前々期から2円の円高、ユーロも121円で9円の円高となり、営業損益段階での減益要因は290億円に及んだ。しかし、売上・構成比の改善による効果が392億円、会計基準をIFRSに変更したことに伴う研究開発費の増益影響が161億円となるなど、4期ぶりの営業増益を確保した。純利益は7.9%増の1526億円だった。
電話会議で中村知美社長は、前期の業績について「若干計画を下回ったものの、コロナの影響を最小限にしっかりと留め、増収増益とすることができた」と評価した。一方で、業績予想の公表を見送った今期の展望については、「7割の販売を依存する米国は(新型コロナの)最大の感染国となっている。楽観視はできず5月、6月ともう少し市場の動向を確認したい」と述べ、慎重に見極める意向を示した。
また、中村社長は自身を含む28人の執行役員について、報酬の自主返納を行うことを決めたと明らかにした。前期の業績連動報酬について5~30%の幅で、また今期の4~9月については月額報酬の一律5%を返納する。中村社長は「前期の配当を減配とすること、また工場の従業員は一時帰休していることから、痛みを分かち合うため」と説明した。
スバル、海外市場好調で増収増益もコロナ禍で今期業績予想は未定 2020年3月期決算
SUBARU(スバル)は5月18日、2020年3月期(2019年4月~2020年3月)の連結決算を発表。海外市場での販売台数増加などにより増収増益となった。
全世界販売台数は、前年同期比3.3%増の103万4000台となった。国内販売は『インプレッサ』の減少などにより、同7.7%減の12万6000台となったが、海外販売は米国市場で『フォレスター』や『アセント』が好調に推移したことなどにより、同5.0%増の90万8000台となった。売上高はこれら販売台数の増加などにより、同6.0%増の3兆3441億円となった。
営業利益は販売台数の増加や販売奨励金の抑制など、改善に努めた結果、同15.7%増の2103億円となった。税引前利益は同11.6%増の2077億円、当期利益は同7.9%増の1526億円となった。
なお同社は今期より、従来の日本基準に替えて国際財務報告基準(IFRS)を任意適用。そのため、比較対象となる2019年3月期通期連結業績(日本基準)を、IFRSに従って再計算した上で、比較・分析をした数字となっている。
今期の業績見通しについては、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)の感染拡大に伴う影響を現時点で合理的に算定することが困難なことから未定としている。
米国依存のスバル 高まる業績悪化の懸念 増収増益でも大幅減配に
スバルの業績が急激に悪化する懸念が高まっている。18日発表した2020年3月期連結業績は増収増益だったものの、期末配当を1株当たり28円(前年同期実績は72円)と、従来予想から44円減配する。米国で新型コロナウイルスによる自動車市場への影響が甚大で、米国に依存してきたスバルの今期業績を直撃する見通し。新型コロナウイルスの影響は業界他社よりも深刻になりそうで、手元資金を確保するなどして危機に備える。
スバルが18日に発表した20年3月期連結業績は、米国の販売が順調だったことから全世界販売台数が同3・3%増の103万4千台となり、売上高が同6%増の3兆3441億円、営業利益が同15・7%増の2103億円と、増収増益だった。主力の米国で新型コロナウイルス感染拡大による市場減速が3月中旬だったことから、20年3月期業績への影響は限定的だったためだ。中村知美社長兼CEO(最高経営責任者)は「計画を若干下回ったが評価したい」と述べたものの、そこに安堵感はない。
米国の感染者数は150万人に迫っており、死者数も9万人近くで、ともに世界最大。しかも米国の中でもスバルのシェアの高い州で感染者数が多い。直近では全米での感染者数は減少傾向にあり、一部で経済再開の動きもあるが、パンデミックの「第二波」が到来するとの見方も強い。スバルは新車販売全体の7割を米国に依存しており、新型コロナウイルス感染拡大による業績への影響は深刻だ。今期業績見通しは感染の収束時期が不透明で合理的な算定が困難として「未定」とした。しかし、足元ではすでに影響が出ている。
スバルの国内生産拠点は4月9日から、米国工場は3月23日からそれぞれ稼働を停止した。5月11日から再開したものの、国内生産拠点は昼勤のみの1直で、米国工場も通常よりペースを大幅に落として生産調整している。スバルの米国の販売拠点は現在も6割が制約を受けており、正常化する時期は見通せない状況だ。
スバルが先行きに強い危機感を持つのは米国市場の需要だけではない。落ち込んだ市場のカンフル剤としてインセンティブ(販売奨励金)が増大するリスクが高まっている。「他銘柄ではすでに7年間金利0%ローンで、しかも6カ月支払期間猶予などが打ち出されている」(中村社長)という。スバルは米国市場でインセンティブを抑制することでブランドイメージを向上、高い利益率を確保して業績を伸ばしてきた。市場のインセンティブ競争に巻き込まれれば、業績が急激に悪化する。
米国での中古車販売低迷による中古車価格の急落も懸念材料だ。中古車価格が下落すると、自動車メーカーの金融部門はローンやリースの損失を抱える。スバルの顧客は個人が中心だが、それでもマイナス影響は避けられない。
これら米国市場の変調で危機的な状況に陥ることを避けるため、スバルは対策に乗り出している。インセンティブをコントロールするため、日本、米国で積極的に生産調整して在庫を削減、5月までの減産規模は15万台を超える。
財務面では手元資金が8590億円あるが、借入金と社債でさらに1千億円を調達し、金融機関との間で約2千億円のコミットメントラインを設定した。「新型コロナで事業活動に多大な影響が及ぶ資金需要に備える」(中村社長)。増収増益でも期末配当を大幅減配するのもこの一環で、執行役員以上の報酬などを自主返納して危機に備える覚悟を内外に示す。
スバルでは、米国一極集中に対する危機感を持っていなかったわけではない。得意のSUVが人気の中国やロシア、豪州で販売を増やしてポートフォリオを拡充する意向を持っていたが、米国市場を最優先した商品開発が定着しており「簡単に構図を変えることができない」(中村社長)のが実態だ。新型コロナウイルス感染拡大という未曽有の危機によって、長年手つかずだった米国一本足打法の大きな代償を支払うことになりかねない。
(編集委員 野元政宏)
増収増益のスバル、前期末配当28円---予想から6割減配のショック[新聞ウォッチ]
気になるニュース・気になる内幕。今日の朝刊(朝日、読売、毎日、産経、東京、日経の各紙・東京本社発行最終版)から注目の自動車関連記事をピックアップし、その内幕を分析する新聞ウォッチ。…………
内閣府が発表した2020年1~3月期の国内総生産(GDP)速報値が、物価変動の影響を除いた実質の季節調整値で前期比0.9%減、年率換算で3.4%減となった。マイナス成長は2四半期連続。新型コロナウイルスの感染拡大の影響で2月ごろから輸出や消費、設備投資などが軒並み急減したたためという。
景気の悪化は、戦後最悪の落ち込みが予想されている。民間予測でも「回復、早くて来年後半」(日経)との見方もあり、経済の正常化は長期戦を強いられている。
こうした中、ソフトバンクグループの2020年3月期の決算は、投資先の企業価値が落ち込んだことで営業損益が1兆3646億円で過去最大の赤字。最終損益も9615億円の赤字となった。「投資失敗。コロナ二重苦」(読売)、「コロナの谷に転落」(毎日)などの厳しいタイトルが際立つ。
一方、電話会議による決算を発表したSUBARU(スバル)は、2020年3月期の連結決算は売上高が前期比6.0%増の3兆3441億円、本業のもうけを示す営業利益は15.7%増の2103億円、最終利益も7.9%増の1525億円と、主力の北米市場で新型コロナ感染拡大の影響が3月中旬以降と限定的だったことから増収増益を確保した。
しかし、期末配当を予想の72円から前の期実績に比べて約6割減の28円とすると発表した。先行きが見通せないため配当を減らし、業績が今後悪化する可能性に備え、資金の外部流出を極力抑える狙いだという。
高配当を期待していた株主にとっては“コロナ・ショック”どころか“スバル・ショック”のようだが、同業で無配転落の日産自動車などの株主に比べれば、贅沢な悩みなのかもしれないが……。
2020年5月19日付
●GDP2期連続マイナス、コロナ影響、年3.4%1~3月(読売・1面)
●検察庁法案今国会見送り(読売・1面)
●ソフトバンクG1~3月期、赤字1兆4381億円、国内最大規模ファンド損失で(毎日・1面)
●パナ営業益28.6%減、3月期工場停止で2937円(毎日・6面)
●富士山今夏の閉鎖決定、「今は我慢」「観光止まる」(東京・20面)
●中国EV市場、急ブレーキ、政府支援頼みに限界(日経・8面)
●新車販売4月は91%減、インドネシア、最大の落ち込み(日経・8面)
●ダイハツ、主力工場来月一時停止(日経・13面)
●ニュース一言 ホンダ 八郷社長(日経・14面)
●スバル、前期末6割減配、融資枠活用、2500億円確保へ(日経・18面)
スバル、増収増益ながら期末配当を大幅減配へ 役員報酬を一部自主返納
スバルは5月18日、2020年3月期の期末配当を従来予想の1株当たり72円から28円に大幅減配すると発表した。
同社の2020年3月期業績は、米国販売などが好調で増収増益となった。しかし、新型コロナウイルスの世界的な感染拡大で生産・販売などの事業活動にも多大な影響が出ており、資金需要を含めて総合的に勘案した結果、期末配当を大幅に減配することにした。前年同期は1株当たり72円だった。
期末配当の総額は214億8200万円となる。
年間配当金は前年同期と比べて44円マイナスの100円となる。
大幅減配とすることから執行役員全員が報酬の一部を自主返納する。
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富士重工 | 日記
Posted at
2020/05/20 20:58:13
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