2020年06月18日
ヤリスベースのヤリスWRCが投入されるのはまだ先ってことになるのかな
「F1&WEC」よりも「WRC」! いまトヨタがラリーを猛プッシュする理由
トヨタが推す理由のひとつは復活するラリージャパン成功のため
トヨタがいまラリー推しなのは当然、今年ラリージャパンが復活するからだ。2020年11月19日~22日、愛知県と岐阜県を舞台にWRC(世界ラリー選手編)第13戦「ラリージャパン」が開催される予定だ。実現すれば、10年ぶりの復活となる。
ただし、新型コロナウイルス感染拡大の影響で今季WRCは第3戦メキシコ以来、シリーズは休止に。世界的にモータースポーツの中止や延期が相次ぎ、いわゆる第二波・第三波に対する懸念が世界各国に広がるなか、世界的イベントであるWRCが日本再上陸するかは、今後の社会情勢をしっかり見守る必要がある。
最近では、トヨタを含めてメーカーやレース主催者が、eモータースポーツ開催を行っており、モータースポーツの新しい可能性を示唆している。だが、やはりモータースポーツは実戦の迫力が一番。日本でのWRCマシンの激走を生で観たいと思っているラリーファンが大勢いる。ラリージャパン関係各位はさまざまな課題に直面していると思うが、11月に無事実施されることを祈りたい。
ラリーへの参戦は自動車ビジネスに直結する
そもそもラリーという競技は、自動車メーカーがさまざまな自然環境のなかで自社製品の性能を試す良き機会として捉え、ワークス活動として、またはプライベーダ―を支援するかたちで参戦してきた。
古くから、モータースポーツはメーカーにとって、走る実験室、走る広告塔、また社員の士気を高めるためなどが目的とされてきた。なかでもラリーは、F1やスーパーGTなどのロードレースと比べると、使用するマシンが量産ベース、または量産車に近いことで、量産車の実売に直接影響を及ぼしてきた。
その筆頭は、スバルWRXであり、三菱ランサーエボリューションであり、近年ではレギュレーション上、いわゆるホットハッチが参戦マシンの主流となり、その代表格がGRヤリスである。
トヨタとしては、ル・マン24時間やニュルブルクリンク24時間レースとは別の視点で、WRCを捉えていることは間違いない。日本でもヴィッツから改名したヤリスを、改めてトヨタの世界戦略車の中核として捉え、さらにGRというトヨタの企業としての攻めの姿勢を明確にする。
一方で、WRCのコストパフォーマンスについても精査している。近年、F1参戦費用が高騰し、コロナ影響もありF1は来期からの参戦コスト大幅縮小を掲げているが、WRC参戦費用と比べると大きな差がある。
いまのトヨタのように、GRヤリスという量産モデル市場導入が明確になっており、ヤリスファミリー全体に対する実売効果があり、かつ企業イメージアップにつながるWRCのコストパフォーマンスはとても高い。トヨタとともにWRCを戦う韓国ヒュンダイとフォードにとっても、トヨタと同様の発想を持っているはずだ。
【まさかの開発中止!】ヤリスWRC、2021年の新型デビューは白紙に
2020年6月15日、トヨタGAZOOレーシング ワールドラリーチーム(TGR WRT)は公式ツイッター上で、予定していた2021年シーズンでのGRヤリスベース新型ワールドラリー(WR)カーの投入を中止したと発表した。
原因はCOVID-19(新型コロナ)ウイルスの影響が、開発現場に大きく遅れを生じさせたからだそうだ。2021年シーズンは、現行ヤリスWRカーを使用し、今後の開発は、2022年から始まる新レギュレーションに向けた新型WRカーに集中していくようである。
TGR WRTは、2020年に発売するGRヤリスをベースにした新型WRカーをすでに開発していて、2月にはスノー路面で走行テストも行ったと報じられた。開発は順調に進んでいるはずだった。しかし、世界中に広まったコロナウイルスのせいで開発はストップ。FIAからはトップカテゴリーに参戦する全チームにテストの禁止が命じられていた。
今回のツイートは、そのテスト禁止が解除され再開したというお知らせと一緒に書きこまれていた。
2022年にはハイブリッドシステムとスペースフレーム構造による新WRカー規定が始まることが決定したが、2021年のたった1シーズンを制するべくGRヤリスベースの新WRカーを開発していたTGR WRT。見られるはずだった初めてのカーボンルーフWRカーは、幻となってしまったようだ。
TGR WRTが生み出す、2022年規定の新型WRカーに期待したい。
<文=driver@web 編集部・青山>
トヨタ、GRヤリスベースの新型WRC車両の来季導入を断念。現行ヤリスを継続使用
WRCに参戦するTOYOTA GAZOO Racing WRTは当初、今シーズン終了後に現行車両を廃止し、1月に東京オートサロンで発表されたGRヤリスをベースにした新しいマシンに置き換えることを計画していた。実際、トヨタは2月の時点でGRヤリスをベースとしたマシンのテストを開始していた。
しかし、TOYOTA GAZOO Racing WRTはWRCのシーズン再開に向けて6月15日(月)に投稿したツイートで、フィンランドでのテスト実施を報告した。合わせて、2021年まで現行のヤリスWRCを使用し、新モデルのデビュー計画をすべて破棄すると発表した。
トヨタは計画が変更された理由を何も述べていないが、自動車産業に対するコロナウイルスの経済的影響を考慮して決定が行なわれた可能性が高い。
世界中で自動車販売が打撃を受けているため、現行マシンとGRヤリスベースの新型車両、さらに2022年からWRCに導入されるハイブリッドシステムを並行して開発するのは、コストがかかりすぎると考えられている。
トヨタはGRヤリスでのさらなるテストの実施を停止するが、これまでに収集されたデータは、2022年車の開発に使用される。
現行のヤリスWRCは2021年11月までラリーを戦い、新レギュレーションが導入される2022年に新しい車両と置き換わることになる。
WRC:トヨタ、2021年の新型ラリーカー投入を見送り。チームはテストで活動再開
GRヤリスをベースとした新型WRカーの開発を進めていたTOYOTA GAZOO Racing WRTが、2021年シーズンへの新車投入を見送った。
トヨタが開発を進めている新型WRカーは2020年夏ごろ発売予定の新型スポーツカー、GRヤリスをベースとしたもので、当初は2021年シーズンに投入される予定だった。
WRCでは2022年にハイブリッドシステム導入を軸とする新たな車両規則が導入されるため、仮に新型WRカーが2021年に投入されても、わずか1シーズンで世代交代を強いられる状況だったにも関わらず、チームは精力的に開発を進めていた。
2月初旬には、カモフラージュカラーをまとった新型WRカーがフィンランド国内で雪上テストをこなす様子なども公式SNSで公開されていたが、TOYOTA GAZOO Racingは6月15日、公式Twitterを通じて、2021年も現行のトヨタ・ヤリスWRCで参戦する旨を明らかにした。
海外メディアによれは、新型コロナウイルス(COVID-19)感染拡大の影響で、開発にかかわるスタッフの作業体制や車両製作に必要な部品供給の状態が不安定であることなどから、2021年の投入が見送られたようだ。
ラリー専門サイト『DirtFish』は、ある情報筋が「2021年型WRカーの開発スタッフをファクトリーに招集できなかったことも(開発中止を決めた)要因だが、それだけではない」と語ったと報じている。
「部品を供給するサプライヤーがいつ従来どおりの安定供給を再開できるか見通せなかったことも要因だ。今はあらゆるものが混乱状態にあり、開発にもその影響が及んでいる」
この結果、チームは2021年も現行のヤリスWRCで参戦を続けるべく改良を続けながら、並行して2022年に向けたハイブリッド搭載WRカーの開発も進めることになる。
\#WRC テスト再開🚗💨/COVID-19の影響で中断していたテストを本日再開する事ができました。来季も現行 #YarisWRC で参戦すべく更なる改善を重ね、#GRYaris ベースの新型車両開発も継続していきます❗️医療現場で戦っておられる皆様への感謝を胸に毎戦最大の戦果を挙げるべく努力していきます#WRCjp pic.twitter.com/IJEZ6MpB7v— TOYOTA GAZOO Racing (@TOYOTA_GR) June 15, 2020
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Posted at
2020/06/18 20:48:32
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