2020年08月11日
T.50のレーシングバージョンが出るとしたらロングテールになるのかな
ゴードン・マレー T.50、ついに詳細を世界初公開! スーパーカーの定義を書き換え、再び神話となるか?
Gordon Murray Automotive T.50
ゴードン・マレー オートモーティブ T.50
邦貨約2億9500万円のミッドシップ スーパーカー
ゴードン・マレー オートモーティブ(GMA)は2020年8月4日、ついに最新作「T.50」の全貌を世界に初公開した。100台限定生産のミッドシップスポーツは、2022年1月より英国のGMA生産拠点で製造を開始。車両価格は税抜きで236万ユーロ(約2億9500万円)だ。
搭載エンジンは自然吸気のV12。車体中央にドライバーを据え、その左右にパッセンジャーを座らせる3シーターレイアウト。6速MT、バタフライドア、1トンを切る車重。ボディ後端に配した400mmの巨大なファン・・・。
かようにゴードン・マレーが21世紀に作ったスーパーカーは、「これまで作られたスーパーカーの中で、最もピュアで、軽く、ドライバー中心のクルマを目指して開発」された。
1万2100rpmまで回る自然吸気V12
T.50のボディ全長は4352mm、全幅1850mm、全高1164mm、ホイールベースは2700mm。モノコックタブ、ボディパネル、シャシーはカーボンファイバー製で、車内のありとあらゆるパーツは中空ないしはトラス構造とし、車重はたった986kg(乾燥重量957kg)に抑えた。
1トンを切る車体の原動力は、コスワースと共同開発した65度V型12気筒自然吸気ガソリンエンジン。排気量は3994ccで、最高出力663ps/1万1500rpm、最大トルク467Nm/9000rpmを発生する。ガルウイングのフード下に収まる単体重量178kgのV12は、レブリミットの1万2100rpmまで抜けるように吹け上がるという。サーキット走行も見据え、ギヤ駆動にドライサンプ方式を採用している。
ハイブリッドやターボは一切採用していないが、レスポンスを最大限に高める48Vのスターター兼ジェネレーターだけは搭載した。これが車体後部のファンを稼働する役割も担う。
チタニウム製ギヤスティックを据えた6速MT
車体中央に据えられたコクピットでドライバーが操るのは、5速までクロスレシオ化した6速マニュアルトランスミッション。目の前ど真ん中に120mm径のアナログタコメーターが収まる。針はアルミニウムの削り出しだ。クラスター左右には最小限のダイヤル式ロータリースイッチを6個配している。左側の一番上に据えたのが、自慢の「空力システム」を切り替えるスイッチだ。
ドライバーが右手を差し出す先には、繊細なチタニウム製ギヤスティックが長く伸びている。ボルトがむき出しになったコンソール上にもタッチパネルの類は見当たらず、キャビンにはドライバーが直感的に操作できる物理スイッチのみが存在する。足元には、左からアルミニウム製のクラッチペダルとブレーキペダル、そしてチタニウム製のスロットルペダルが並ぶ。
ホイールはセンターロック式を採用
サスペンションもコンベンショナルなダブルウィッシュボーン+コイルスプリングを前後に配備。タイヤはミシュランのパイロット スポーツ 4 Sで、フロントが235/35R19、リヤが295/30R20サイズを履く。モータースポーツ由来のセンターロック式を採用している。ブレンボ製カーボンセラミックのブレーキシステムはディスク径が前370mm(6ピストン)×後340mm(4ピストン)という構成だ。
空力性能を徹底して追求したボディは、余分なエアロパーツを可能な限り排除した。リヤのツインスポイラーとテールに据えた巨大ファン、アクティブディフューザーの調整により、「オート」「ブレーキ ブースト」「ストリームライン」「V マックス ブースト」「ハイダウンフォース」「テスト」の6モードへ切り替えられる。
最も偉大なアナログのドライバーズカー
ゴードン・マレーは、T.50を「最も優れたアナログのドライバーズカー」を目指して開発したと語る。プレス向け資料のドライバーアシストの項目にはESP、ABS、低速時パワーアシストステアリングのみが記されていた。
彼は言う。
「毎日私のビジョンを共有されることになるのは、ちょうど100人の顧客の皆様です。マクラーレン F1の手法をあらゆる面で磨き上げたこのクルマでね。あれから30年、技術やシステムは進化しました。それらを使い、最も優れたアナログのドライバーズカーを作るべきタイミングが今だったのです。他に作れる会社はきっとありません。この英国製スーパーカーの生まれるときこそ、私にとってもっとも誇らしい瞬間となるでしょう」
【SPECIFICATIONS】
ゴードン・マレー オートモーティブ T.50
ボディスペック:全長4532 全幅1850 全高1164mm
ホイールベース:2700mm
トレッド:フロント1586mm リヤ 1525mm
車両乾燥重量:957kg
エンジンタイプ:V型12気筒DOHC自然吸気
総排気量:3994cc
最高出力:663ps/1万1500rpm
最大トルク:467Nm/9000rpm
レブリミット:1万2100rpm
トランスミッション:6速MT
駆動方式:RWD
サスペンション:前後ダブルウィッシュボーン
ブレーキ:前後カーボンセラミックディスク
タイヤ&ホイール:前235/35R19 後295/30R20
天才デザイナーのゴードン・マレーが究極のマシン「T.50」を発表。V12で超軽量1トン切り!?
英ゴードン・マレー・オートモーティブは8月4日、同ブランド初の市販ハイパーカー「T.50」をオンライン上でワールドプレミアした。
レーシングエンジニアとして50年を超えるキャリアを持ち、多くのチャンピオンシップマシンを手がけたゴードン・マレー。一方で、彼はロードカーデザイナーとしても活躍し、名車「マクラーレンF1」などで卓越した手腕を発揮してきた。そして、2017年に自らゴードン・マレー・オートモーティブを立ち上げると、究極のスポーツカー製作という目標に向け邁進してきたが、ついにその成果が今回発表されたT.50というわけだ。
その際立った特徴は、コスワース製3.9L V12自然吸気ユニットとカーボンファイバーからなる986kgの軽量ボディ。ターボや電動アシストなど複雑な機構を一切廃したV12は、レーシングエンジンさながらの12,100rpmまで吹き上がり、最高出力663PSと最大トルク467Nmを発揮する。出力はシンプルな6速マニュアルギアボックスを介して後輪へと伝えられるが、672PS/トンという驚異的なパワー・トゥ・ウェイト・レシオを誇るわりに派手なウイング等は一切見当たらない。実は、リアエンドの400mm径の電動ファンがボディ下のエアーを吸い上げることでダウンフォースを得るため、T.50はハイパーカーとしては異例のクリーンなルックスに仕上がっているのだ。
ミニマルな設計思想はインテリアにも貫かれており、タッチスクリーンなどのデバイスは一切備わらない一方、ドライバーを中心に2人のパッセンジャーが快適に乗車できる空間が確保されている。その他にも288Lのラゲッジスペースや日常使いにも痛痒を感じないフロント120mmのロードクリアランス、10スピーカーのオーディオシステムなど、ユーティリティを決して軽視しないゴードン・マレーのポリシーは明確だ。
価格は236万ポンド(約3.3億円)とこちらもハイパーだが、限定100台の生産ロットはすぐに埋まってしまいそうだ。
ゴードン・マレー設計の公道ファン・カー『T.50』初公開。生産台数は限定100台
ゴードン・マレー・オートモーティブは、元F1カーデザイナーのゴードン・マレーが設計した公道走行が可能な最新スーパーカー『ゴードン・マレーT.50』をワールドプレミアした。
T.50は彼の傑作である『マクラーレンF1』の後継モデルに位置づけられるロードゴーイング・スーパーカーだ。ゴードン・マレー・オートモーティブはこのクルマをこれまでに製造された中で、もっともドライバー中心のスーパーカーとなるように設計されていると説明している。
その哲学はコクピットに色濃く表れており、ドライバーズシートは車両中央部にセッティングされた。また、V型12気筒エンジンを搭載しながら1トンを切る986kgという車両重量を実現するため、無駄なものを省いた設計もコクピット内では顕著だ。
とはいえ、T.50はトラック専用マシンではなく、公道を走ることができるロードカーであることから優れたパフォーマンスに加えて日々の使いやすさ、実用性を向上させ搭乗者に快適さを提供するという。
マレーが設計する50番目のクルマであることからその名が与えられたT.50。同モデルのエクステリアは他のハイパフォーマンス・ロードカーとは一線を画する。その際たるは“ファン・カー”こと『ブラバムBT46B』を彷彿させる車体後部に設置された直径400mmのファンだ。
過去にF1マシンでも用いられたこの装置は、床下を流れる空気を強制的に排出することでダウンフォースを生み出す。その結果、T.50は他社のスーパーカーに見られるような大柄なリヤウイングやスカート、カナード、ベントを持たない純粋でバランスの取れたデザインとなっている。
搭載されるエンジンはコスワース製100%特注の3.9リットルV12自然吸気エンジン。このエンジンは1万2100回転まで回すことが可能で最高出力は663ps、最大トルク467Nmをマークする。重量はロードカー用V12エンジンとしては世界製軽量となる178kgだ。
ギヤボックスはXトラック社製の6速マニュアルトランスミッションが組み合わされ、ギヤチェンジはパドルシフトではなくHパターンシフトで行う。
マレーは「ちょうど100人の顧客が私のビジョンに共感してくれるだろう」と語った。
「T.50は考えられるあらゆる方法で、F1(マクラーレンF1)を進化させるために作成されたクルマだ」
「30年に及ぶ技術とシステムの進歩により、今こそ、最高のアナログドライバーズカーを設計するときだ」
「私は他の会社が2022年までに(このようなクルマを)市場に投入することはできないと信じている。この英国産スーパーカーを生産することが私の誇りとなる瞬間なんだ」
2021年1月にカスタマーバージョンの製作を開始し、翌22年にデリバリーを見込むゴードン・マレーT.50。F1譲りのファン機構を搭載した、類を見ないこのスーパーカーは世界限定100台の販売となり、価格は236万ポンド(約3億2700万円・税抜)とアナウンスされている。
【3億円超え 1万2100rpmまで回る】ゴードン・マレーT50 4.0Lコスワース製V12搭載
T50スーパーカー発表
text:Steve Cropley(スティーブ・クロプリー)
ゴードン・マレーの、新しいV12エンジンを搭載したT50スーパーカーが、英国・サリー工場で発表された。
同じくマレーがデザインを手がけた、1992年型マクラーレンF1の「事実上の後継モデル」とされるこのロードカーは、来年後半に生産開始、2022年の初めに納車が始まる予定となっている。
マレーが「最も純粋で、最も軽く、最もドライバー重視のスーパーカー」と呼ぶこの新車は、ミドエンジン、フルカーボンファイバーの3人乗りとなる。
半世紀以上にわたるデザイン・キャリアを持つマレーの、記念すべき第50番目のモデルとして、T50と名づけられている。
1978年のF1シーズンのグランプリレースで、ブラバムBT46Bで初めて導入された、ダウンフォース重視の「ファンカー」テクノロジーの、更新バージョンを使用している。
T50は、回転数1万2100rpmを達成する、新しい660psの自然吸気4.0Lコスワース製V12エンジンを搭載し、ゴードン・マレー・オートモーティブ (GMA)によって構築される。
2017年、マレーは既存のデザイン事業と並行してこの会社を設立、T50の生産を発表している。
100台限定で生産され、税抜きの販売価格は236万ポンド(3億2700万円)とされている。
米国と日本をメインとする世界の自動車愛好家によって、すでにほとんどが売約済みとなっており、それぞれ60万ポンド(8300万円)のデポジットが支払われている。
詳細なスペック決定の際に75万ポンド(1億400万円)と、納車時にその残りが支払われることとなる。
記念すべき1台目のT50は、2022年1月にそのオーナーの手に渡る予定となっており、残る99台も年内に生産される予定となっている。
その後、25台のハードコアなサーキット・エディションが投入される。
カーレースへの参戦についてマレーは、現在進行中のロードカーに専念しており、また2022年以降のスポーツカーやGTレースの規制がまだ明確になっていないため、積極的には考えていないと語っている。
6つのエアロダイナミクス・モード
マレーがデザインチームのリーダーとなり、完全に社内でデザインされているこのT50は、マクラーレンの先代モデルと同様、後輪駆動で、ジェット戦闘機のようにキャビンの中央にドライバーシートが配置されている。
そのサイズ感は、ポルシェ911より小さく、アルパイン110よりも軽い、ミニ・カントリーマンに近い。
ドアミラーがカメラに置き換えられているため、1.85mの広めの車体幅にもかかわらず、タイトな場所でも走行がしやすくなっている。
コンパクトサイズ、先のとがったフロントパネル、ルーフに取り付けられたエアスクープ、ディヘドラルドア、サイドガラスへの「チケットウィンドウ」の採用など、F1とのデザインの共通点が多く見られるが、さらにコンパクトに見えるように尽力されている。
優雅なフロントエンドに対し、リアエンドには、大きなエグゾースト、エンジンンベイ・クーリングのための機能が重視されたメッシュ、巨大なボディ下のディフューザー、400mmのファンが備えられている。
48V電気システムからパワーを得るファンは、車体の下の空気の流れを急速に加速してダウンフォースを発生させる。
マレーは、これにより「ロードカーのエアロダイナミクスの常識を塗り替えます」と胸を張る。
ファン、ディフューザー、テールに取り付けられた2組のダイナミックなエアフォイルにより、非常に大きなダウンフォースが発生し、これまでのスーパーカーでは実現できなかったレベルのコーナリング・グリップが可能となる。
6つのエアロダイナミクス・モードがあり、そのうちオートとブレーキングの2つのモードでは、スピードとドライバーの操作に応じて、自動的に機能する。
そのほか、ハイダウンフォース、Vマックス、ストリームライン、テストのモードは、コックピットから選択が可能となっている。
ストリームラインとVマックスは似ているが、ストリームラインは、フルスピードでファンを作動させ、上面と底面のアクティブフラップを引き込むことにより、「仮想ロングテール」でエアロダイナミクスを作り出す。
Vマックスは、V12にクランクマウントされた30psの統合スタータージェネレーターを、フルスピードで実行し、3分間のバーストで追加のパワーを提供する。
スピードが240km/hを超えると、ルーフに取り付けられたインダクション・エアスクープが最大出力を約710psまで引き上げる。
あらゆる点でF1より優れたクルマへ
印象的なインテリア空間は、T50のもう1つのテーマとなっている。
T50のキャビンは、そのライバルやF1よりも広々としており、フロアがフラットになったため、センターシートへのアクセスがしやすくなっている。
ジェット戦闘機スタイルのアナログスイッチギアとインストゥルメントは、比較的シンプルだが、スイス時計と同等の品質を誇る。
サイドマウント式の2つのラゲッジ・コンパートメントは、F1と同じように広々としているが、トップロードも可能となっている。
230万ポンド(3億円)以上のコレクターズ・カーとなるが、日常的に使えるクルマとなるとマレーは言う。
「T50は完全なロードカーとなります」
「パッケージングとラゲッジスペースの、新しいスタンダードを設定します」
「出入りのしやすさ、ラゲッジ容量、保守性、メンテナンスとサスペンションのセットアップなど、あらゆる点でF1より優れたものとなります」
「選択可能なエンジンマッピングにより、あらゆる状況に適した運転モードを提供します」とマレーは述べている。
超軽量ボディ
マレーは、T50の開発中に最も頻繁にベンチマークしたスーパーカーは、1972年に生産されたF1だったと言う。
その理由として、このターボフリーV12とマニュアルギアボックスを備えた、超軽量のセンターシート・スーパーカーを、これまで誰も真似しようとしなかったためだと述べている。
T50の縁石重量は986kgで、マレーが「平均的なスーパーカー」と呼ぶクルマの、約3分の2の重量となっている。
重量の管理のためには、新しい素材を使用するだけではなく、意識を変えていく必要があるとして、設計チームは毎週会議を開いた。
T50のカーボンファイバー製タブシャシーの重量は、すべてのパネルを含め150kg未満となっている。
約900に上る、すべてのナット、ボルト、ブラケット、ファスナーは、軽量化の観点から個別に精査された。
英国のトランスミッションメーカー、エクストラックが提供し、新しい薄壁鋳造技術で設計され、横向きに取り付けられた6速マニュアルギアボックスは、F1で使用されているフェザーウェイトボックスよりも10kg軽量となっている。
一方、コスワースV12は、F1のBMW派生エンジンと比べさらに60kg軽量となっており、カーボンファイバー製のドライバーシートはわずか7kg、そのほかのシートはそれぞれ3kgとなっている。
重いクルマでは実現できない、軽いクルマならではの利点を提供するため、こだわりぬいたと、マレーは言う。
T50は、新しいV12の軽さと660psのポテンシャルで、ほとんどのスーパーカーが960psの出力を必要とした、パワーウエイトレシオを実現する。
排気量は、もともと予想されていた3890ccではなく、3994ccとなると確認されている。
価値のあるドライビング・エクスペリエンス
マレーは、ニュルブルクリンクのラップ記録を破ることや、加速時間の短縮などは、目指してはいないと言う。
「そのようなことには、まったく興味がありません」
「わたし達は、これまで製造されたスーパーカーの中で、最も価値のあるドライビング・エクスペリエンスを提供することを目指しています」と述べている。
マレーは、新型コロナウイルスのパンデミックが始まった際に、T50がまだ生産に入っていなかったことは幸運だったと言う。
サプライヤーの協力のおかげで、開発スケジュールの遅れは、ほぼ取り戻すことができている。
「わたし達には、コスワースやエクストラックを含む、イギリスの最高の部品サプライヤーがいます」
「T50は、イギリスが世界に誇るクルマの1つになると、確信しています」と述べている。
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Posted at
2020/08/11 19:36:36
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