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2020年08月23日

新型レヴォーグがVN5って型式みたいなんだけど先代のVMの1.6LがVM4だったから1.8Lの今回はVN5って事なのかな

新型レヴォーグがVN5って型式みたいなんだけど先代のVMの1.6LがVM4だったから1.8Lの今回はVN5って事なのかな 次期レヴォーグの市販車情報が公開に。グレード展開やボディサイズも判明。正式発表は10月!

2020年8月20日、スバル(SUBARU)はステーションワゴンの次期レヴォーグの情報を一部公開した。※タイトル写真のグレードはSTIスポーツ。

進化したアイサイトXは渋滞時のハンズオフ機能も
1989年にデビューし、1990年代に一世を風靡してスバルの主力モデルへと発展したレガシィシリーズは、成長する北米市場のニーズに応えるため2000年代後半からボディサイズを拡大。結果デビュー当初のスポーティなセダン/ツーリングワゴンというイメージは薄れ、これを残念に感じたスバルファンも多かった。こうした日本マーケットのニーズに応えるため、2014年に国内専売モデルとして発売されたのがレヴォーグだった。

レガシィの実質的な後継モデルであることを謳った「25年目のフルモデルチェンジ」というキャッチフレーズも記憶に新しい。実際、全長4690mm/全幅1780mmというコンパクトさは4代目レガシィツーリングワゴン(BP型・同4680mm/1730mm)に近く、スポーティな動力性能もあってワゴンモデルが売れないと言われた日本市場でもウケた。さらに後期型では、欧州市場へも投入されることとなった。

そして2019年の東京モーターショーで、スバルは次期レヴォーグのプロトタイプを公開するとともに、2020年後半での発売を予告。そして2020年8月20日に新型レヴォーグの先行予約を開始し、同年10月15日に正式に発表される。実際にユーザーの手元に納車されるのは年末を予定しているという。

先行予約開始に合わせて試乗会も開催されたがその模様は別の機会に紹介するとして、ここでは新型の概要の一部をまとめてみた。

レガシィがボディサイズを拡大してきたのと同様にレヴォーグも若干大きくなっている。新型は全長4755mm(従来モデル比+65mm)/全幅1795mm(同+15mm)/全高1500mm(同+0mm)で、この数値は5代目レガシィツーリングワゴン(BR型・同4775mm/1780mm/1535mm)に近い。このサイズアップは居住空間の拡大に割り当てられ、前後シートの間隔は25mm延伸、左右シート間も20mm広げられて余裕が生まれている。

コクピットにはスバル初となる12.3インチの液晶メーターを採用し、センターコンソールには縦型11.6インチのタッチパネル式ディスプレイを配置され、デジタル化が一気に進んでいる。この縦型の画面ではナビやオーディオはもちろんのこと、ドライブモードやアイサイト、エアコンの操作も含まれている。

安全運転支援システムは従来の「アイサイトツーリングアシスト(ver.3)」から「アイサイトX」に進化しており、前方を監視する新型ステレオカメラに加えて前方後方に合計4つのレーダーを追加。衝突を回避するための新機能をいくつか採用している。

ブレーキだけで衝突を回避できない場合にハンドル操作もアシストする「プリクラッシュステアリングアシスト(約80km/h以下)」や、車線の変更・逸脱時に接近車両を検知するとハンドル操作をアシストする「エマージェンシーレーンキープアシスト(約60~120km/h)」などにより、走行安全性を高めている。この他にも、準天頂衛星「みちびき」や3D高精度地図データを利用したことにより、自動車専用道路での渋滞時ハンズオフ機能、カーブ前や料金所前での速度制御を可能としている。

ボディ構造は新たにSGPやフルインナーフレーム構造を採用、構造用接着剤の使用領域を拡大するなど、ねじり剛性を従来比で44%向上してスポーティさを高めている。ここに搭載されるエンジンは従来の2種類(1.6Lターボ/2Lターボ)から、レギュラーガソリン仕様の新開発1.8Lターボに統合。従来の1.6Lターボより7ps/50Nmパワーを向上させた177ps/300Nmをより低回転域で発生し、低燃費と加速性能を両立させている。

ボディ関連で気になったのがサスペンションのロングストローク化だ。従来のレヴォーグやレガシィをはじめとするスポーティモデルのデビュー初年度は、乗り心地が硬く次年度やビッグマイナーチェンジで足まわりを改善する改良を施されることが多かった。しかし、新型レヴォーグレは、従来比でフロントを25%、リアで5~10%もストロークをロング化することで快適性を高める構造を採用している。スポーティさと快適性の両立が図られた走行性能が気になるところだ。

ちなみに今回の情報公開は正式な発表ではなく、そのため車両価格は未公開のままだ。ただ、グレード展開は「GT」、「GT-H」、「STIスポーツ」の3つに分けられ、それぞれにアイサイトXを搭載した「EX」グレード(+35万円)が設定される。およそ280万円強~370万円強での展開となるというから、従来モデルと大きく変わらないと思われる。追加情報に期待しよう。


スバル レヴォーグがフルモデルチェンジ! 新型でチェックしておきたい3つのポイントとは【詳細解説&プロトタイプ試乗 その1】

2020年秋、スバルが主力車種「レヴォーグ」をフルモデルチェンジする。それに先立ち、8月20日より早くも先行予約受付が始まった!そんな中MOTAでは、まだ発売前の新型レヴォーグ・プロトタイプに触れる貴重な機会を得た。今回はそのレポート第一弾。そもそも、新型レヴォーグってどんなクルマ? 果たして“買い”なの!? モータージャーナリストの嶋田 智之氏が現場からアツくレポートする!

「えー、レヴォーグこんなによくなっちゃうの!?」ジャーナリスト嶋田 智之氏がおもわず盛り上がった理由とは

レヴォーグってもともとレベルの高いクルマだったけど、こんなによくなっちゃうわけ?

と冒頭からいきなり勝手に盛り上がってるのは、この7月20日から先行予約がスタートしたスバル 新型レヴォーグのプロトタイプに試乗することができたからだった。

2014年に発売された初代レヴォーグは、それまでのレガシィ ツーリングワゴンの事実上の後継として、さらにはレガシィ ツーリングワゴンが持つスポーティな乗り味が楽しめるステーションワゴンというキャラクターをさらに磨き上げたモデルとして、一定以上のファンの支持を得てきた。

SUVの大旋風が巻き起こる中で善戦し続けてきたワゴン「初代レヴォーグ」

初代レヴォーグが誕生した頃は、まさにSUVの人気が加速度的に盛り上がってきていたといえる時代。そうなると、特にステーションワゴンは分が悪い。けれどレヴォーグは、苦戦するモデルが多い中、平均で年間20000台を軽々越える販売台数をキープしてきた。しかもモデル末期になったからといって低迷しなかった。

ということは、すでにお披露目されてるコンセプトモデルのスタイリングこそシャープになった印象だけど、中身はわりと保守的な仕立てなんだろうな、なんて想像していたのだ。

ところが! だったのだから、喜ばしい気持ちになっちゃうのも当然ってものでしょ?

新型レヴォーグの見どころは以下の3つ!

今回、新型レヴォーグのプロトタイプに触れてみて感じた印象としては、大きな見どころが3つあるな、ということ。

1:新しい骨格、シャシーとステアリング、エンジンが生み出す走りの味の進化。

2:新世代アイサイトのアドバンテージ。

3:インフォテインメントシステムはじめ日常的な使い勝手の進化。

これから順を追って、3つの見どころについてじっくりお伝えしていくが、まずはその最初の項目「新しい骨格、シャシーとステアリング、エンジンが生み出す走りの味の進化」について、お話をしていきたいと思う。

見どころその1! 骨格の進化っぷりがハンパない!

骨格を格段に強化し新開発プラットフォームSGPは第二世代へ進化した

新型はスタイリングデザインから受けるイメージも大きく変わった。

いきなりマニアックな視点だけど、海外のスーパースポーツカーで採用されているような手法、走行時にクルマの後ろ側にどうしても生じる空気の淀みを別の空気の流れの力で整えて、高速時の車体の安定性を確保するような工夫もなされてたりはする。

が、そうした目で見える部分もさることながら、中身の方はさらに大きく進化してるというべきかも知れない。

特に骨格。車体を構成する部材をガッチリと組み上げてから外板パネルを溶接する新しい工法(フルインナーフレーム構造)に変更して、構造用接着剤を使ってる部分も、例えば同じ新世代プラットフォーム(SGP:スバルグローバルプラットフォーム)をベースとするインプレッサと較べても、さらに4倍近くも拡大してる。そうした基礎の部分の見直しをすることで、車体の捻り剛性が44%も向上しているという。

ものすごく簡単に言っちゃうと、車体を先代に較べて1.5倍近くガッチリしたものにした、ということだ。新型レヴォーグは乗り心地のよさも運動性能も従来以上によくなってるのだけど、この車体がものすごく効いている。ガチッとした車体に取り付けられるからこそ、サスペンションは持ち前の実力をキッチリと発揮できるのだから。

最上位グレード“STIスポーツ”にはスバル初の電子制御ダンパーを採用

そのサスペンションは、フロントがストラット、リアがダブルウイッシュボーンの4輪独立懸架という型式は変わらない。けれどジオメトリー、つまり機構を構成するパーツ類の配置や動かせ方を見直し、フロントでは+25%、リアでは+10%ほど大きく伸び縮みするようにセットされている。最もスポーティなグレードで最上位に位置づけられる“STIスポーツ”には、スバル初の電子制御ダンパーが採用されて、4段階+好みの設定という5種類の走行モードを状況や好みに応じて選べるようになった。

もうひとつ見逃せないのは、パワーステアリング。電動式であることに変わりはないのだが、ドライバーのステアリング操作からの入力を受けとめる軸とモーターからのパワーアシストを受けとめる軸を分離している。通常は、そのふたつをひとつの軸で担っていて、ドライバーの感覚に微妙に馴染まないところがあったり操作に対するクルマの反応に微細な遅れが出たりすることがある。それを防ごうというわけだ。

これまでのものだって決して批判されるようなものじゃなかったのに、普通は判りにくいところにずいぶんコストをかけて開発したな、と感じた。

新開発の水平対向1.8リッター直噴ターボは177ps/300Nmを発揮

新しいエンジンは、1795ccの水平対向4気筒直噴ターボ。パワーは177ps/5200-5500rpmで、これは従来の1.6リッターターボと較べると+7psという数値。トルクは300Nm/1600-3600rpmで、こちらは同じく+50Nm。

パワーの方は全体的に1.6ターボより一段上のレベルで同じように直線的な伸び方を見せ、4000rpmの時点で1.6ターボのピークとなる170psに達し、そこからさらに伸びて5200rpm以上でピークパワーを発し続ける。

トルクの方は走りはじめてすぐの1000rpm少々ですでに実力の3分の2ほど発揮、1600rpmでピークに達してその状態を3600rpmまでキープした後、なだらかにドロップしていく。ドロップしはじめる回転域ではすでに主役はパワーの方が担っているから、どの回転域でも力がたりないことにはならない、というわけだ。ちなみに燃費の方も、JC08モード換算で1.6ターボ搭載車と較べて0.6km/Lほど向上してるという。

CVTのリニアトロニックも、構成部品の約8割を変えた新型となった。カバーできるレシオが6.3から8.1へと拡大されているから、より鋭い発進加速、高速走行時の低回転化による燃費の向上の双方を得ることができている。

次回は、全スバリストが気になる走りの印象をお届け!

と、今回はここまで。次回は、完全に生まれ変わった新型レヴォーグ・プロトタイプへ実際に乗ってみた印象についてお届けしよう。

スバリストの皆さんが最も気になっているであろう、新開発エンジン&プラットフォームが生み出す次世代の走りはどうだったのか。詳しく解説する!

(続く)

[筆者:嶋田 智之/撮影:小林 岳夫・SUBARU]


新型レヴォーグ受注予約で早くも好スタート! 実車がなくても販売好調の理由とは

スバルが主力車種「レヴォーグ」10月発売に先駆け、8月20日より先行予約受付を始めた。実車展示などない中、現場はどのように対応しているのだろう。さっそく受注開始の初日にスバルの販売店を訪れてみた。すると想像以上に活況な現場の様子があった。

実車がない中で、販売店の売り方はどう変わる!?

動画や最新のVRもフル活用した万全の体制

新型レヴォーグの予約受付が始まった8月20日木曜日の夕方、首都圏のスバル販売店を訪れてみた。複数の商談テーブルが埋まっているほかサービスに訪れる客などで、平日だというのに店内は盛況だ。

営業スタッフに新型レヴォーグについて聞いてみたところ「まだ実車はないのですが、プレカタログやオプションカタログはお渡し出来ます」と、32ページの立派なカタログなどを見せてくれた。これでも“プレ”カタログで本番のものではないというから、スバルの気合の入れ様も伝わってくる。

「スバルのサイトで動画なども公開されていますからぜひ観てください」とし、実車を見なくとも自信を持っておススメ出来ると胸を張った。

さらに販売店では、最新のVRによる新アイサイト(先進安全技術)の体感も出来るというから、もはや客が断り文句を出す隙もないほどの万全な体制が敷かれていることがわかる。

コロナの影響で実車研修がリモートに変更

新型コロナウィルスの影響はあったのか尋ねると「事前に声がけをし注文する見込みだった既納客の中で、取り止めた例はある」とするものの、多くはないようだ。

ただし新型レヴォーグの事前研修にあたり、本来なら実車を前に行う予定がリモート研修に代わってしまったそう。動画による詳細な研修に加え「代表者が実車を見てきたので、細かな様子もじっくり聞いています」とこちらも影響は少ないと説明する。

初日から好調な立ち上がり! それを支えるのは熱心なスバリストたちだった

初日で早くも2台受注済み!

この営業スタッフ、初日にして既に2台を受注しているそう。しかも、最上位のスポーティグレード「STIスポーツ EX」の注文を獲得している。いずれも既納客(スバル車保有者)で、新規の顧客はまだこれからだという。やはりスバル車は昔も今も、こうした熱心なスバリストに信頼され、強く支えられ続けるブランドだとわかる。

「店舗全体でも立ち上がりは好調で、今日だけで10台くらいはいきそうです」と表情も明るい。この勢いなら週末もかなりの来店数がありそうだと話す。

熱心なファンに支えられてきたスバルは収益率も高い!?

カーライフジャーナリストの渡辺 陽一郎さんは「実車を見せないままの商談は本来の姿ではないが、特にスバルの場合は熱心なファンに支えられている印象だ」と話す。

「スバル店は全国に約460拠点あって、トヨタの4600拠点、ホンダの2200拠点、日産の2100拠点に比べると大幅に少ない。販売が好調だとすれば、スバル店の1店舗当たりの収益率は他メーカーに対し非常に高い」と説明する。もちろんモデルラインナップ数の違いもあり一概に比較は出来ないが、効率の良い販売が出来ているのは間違いないところだ。

スバル広報部にも問い合わせたところ、まだ数値データとしては集まっていないものの、いくつかの営業店からの情報ではやはり早々の受注で好調な立ち上がりだという。

新型コロナウィルスによる世界的な景気の停滞が課題となる中、新型レヴォーグの販売はひとつの起爆剤となりそうな勢いだ。正式発売日の10月15日時点でどれくらいの受注台数が集まっているか、楽しみに待ちたい。

[筆者:トクダ トオル(MOTA編集部)]


初期モデルでも残価50%! 初代レヴォーグは今が売りどきだ

あの時、超流行ったクルマって今一体いくらの値打ちがあるんだろう? なんてオーナーじゃなくとも気になるモノ。この企画はテレビでよくある“あの人は今”のクルマ版的な感じで昔流行ったクルマの“今”(買取相場)をお届け。今回は、新型登場で話題沸騰中のスバル レヴォーグ。

日本のスバリストのために生まれた初代レヴォーグ

2009年に登場した5代目レガシィは、これまでのモデルから考えると大型化し、往年のファンからは「デカくなりすぎ」「もう少し小さいのが……」などの意見が。そこで、スバルが国内のファンの声に応えるべく2014年に投入したのが初代レヴォーグだ。

3サイズは全長4690×全幅1780×全高1490mmと、人気を博した4代目レガシィに近いサイズであった。のちに人気グレードとなる上級スポーツモデル「STIスポーツ」を登場させ、往年のスバルファンのみならず、他銘柄オーナーからも注目されたモデルだ。

そんなレヴォーグも本日8月20日に新型の受注予約がスタート。10月15日にはフルモデルチェンジを控えている状況だ。一体初代モデルはどれほどの値段で下取りされるのか? オーナー必見の情報をお届け!

やっぱりSTIスポーツが人気! エンジンはどちらも差はほぼなし

今回は、よりリアルな情報をお届けすべく、走行距離5~10万キロという条件のもと見ていく。

買取相場でも高値を維持しているのは、先にも述べた通り、STIスポーツだ。2016年式の5~6万キロを走行した個体で、2Lモデルは180~200万円程度、1.6Lモデルが170~180万円程度で取引されている。

新車当時の価格がそれぞれ394.2万円、348.8万円ということから考えるに、残価率は約50%、約52%とSTIスポーツは1.6Lモデルに軍配があがる。

ノーマルグレードも残価率50%は堅い

ノーマルグレードを見てみると、1.6/2Lモデルともに上級グレードのGT-Sアイサイトが高値で買い取られているようだ。

具体的には2015年式の2Lモデルが160~180万円、1.6Lモデルが150~160万円で取引されている。例によって残価率を見てみると、前者が約50%、後者が約52%と、ノーマルモデルも1.6Lモデルの方が有利な結果に。

有利なのはWRブルー! サンルーフ装着車も高値のポイント

ちなみに高値がつく条件として。STIモデルに限ってはWRブルーが、それ以外はホワイトとブラックが評価が高くなる。さらにサンルーフ装着車であれば1割程度高く買い取られるようだ。

今回ご紹介したデータは、新型が発表される前の2020年8月19日現在の取引データのため、多少の前後はあるかもしれない。だが、いずれにしても新型が発表された今、レヴォーグオーナーの方は今が1番の売り時かもしれない。

【筆者:MOTA編集部 木村 剛大】


自動運転技術の進化は止まらない~スバル・アイサイトX体験記

スバルの新型「レヴォーグ」に搭載された先進運転支援システム「アイサイトX」を、ひと足先に小川フミオが体感した。その完成度はいかに?

進化し続けるアイサイト

2020年秋に登場といわれる新型スバル「レヴォーグ」。走りのよさという従来からの価値を向上させるとともに、乗り心地など快適性を上げたのが特徴だ。もうひとつ、見逃せないのは、最新世代の「アイサイト」が搭載された点だ。

【新型レヴォーグの試乗記はこちら!】

新型レヴォーグへの搭載が予定されているのは、新世代の「アイサイト」だ。ステレオカメラを使い、衝突安全および運転支援を行うスバル独自のシステムであるのは、おそらく、これを読んでいるかたは先刻ご承知だろう。

現行の「アイサイト・バージョン3」に続くのは、その名も「アイサイトX(エックス)」。ステレオカメラの性能向上とともに、前方レーダーを採用し、さらにより高精度のGPSの情報を取り込むことで、ステアリングアシスト機能などが大幅に上がっていると謳われる。

それは実際のところ、どんな具合なのだろうか。新型レヴォーグのプロトタイプで、「アイサイトX」の運転支援機能を体験したところ、はたして、ひとことでいって、すばらしくよく出来ているのだった。

車内のリアビューミラーのところにカメラユニットを置くのは、従来どおり。今回は、カメラのレンズが大きくなるとともに、イメージセンサーの画素数が現行の約2倍になった結果、「画角が約2倍に、さらに夜間の識別能力も上がりました」と、試乗会場にいたスバル先進安全設計部の主査は説明した。

アイサイトは、現行のレヴォーグをはじめ、インプレッサ、フォレスター、SUBARU XVに標準装備されているバージョン3でみられるように、「アイサイト・ツーリングアシスト」へと進化してきた。

アイサイトのセンシング技術を使い、全車速域で先行車追従走行と、車線中央維持を行いつつ、アクセル、ブレーキ、そして操舵支援を行う。「2030年に死亡交通事故ゼロ」なる目標を掲げるスバルにとって、必須の技術といえる。

ナチュラルな操舵支援

「アイサイトX」を体験したクローズドの試乗コースは一般道を模しており、長い直線とカーブが組み合わされている。メーカーでは「アイサイトX」のシステム実証のため、私が乗った新型レヴォーグ・プロトタイプに、もう1台の車両を並走させた。

その車両の背後につき、ステアリングホイールのボタンで、「アイサイト・ツーリングアシスト」を起動させると、追従走行を始めた。次にそのクルマが速度をゆるめ、私の車両を先行させる。

あれ、視界から消えたな、と思ったとたん、となりに座ったスバルの技術者から、「ウインカーを出してレーンチェンジしてください」と指示が出た。すぐそのとおりやってみたが、私が右に切ろうとしても、ステアリングホイールに強い反力が生まれているではないか。

死角にさきの車両がいたのだ。それをセンサーが感知して、ステアリングアシストを行った、と、説明された。いっぽう安全と判断した場合、ウインカーを出すと、車両がステアリング操作を支援して、すっととなりの車線へ移ることが出来る。

さらにカーブでも、車線を読んでいるセンサーが働くそうで、入り口手前で自動的に減速し、ステアリング・ホイールに軽く手を当てていれば、車線のほぼ中央を維持したまま、曲がっていく。

「切り増しがないように舵角制御し、適度な重さを与える舵力制御にも注力しました」と、スバルの技術者が説明する。基本的な機能は「バージョン3」にもあるとはいえ、よりナチュラルな感覚を実現したという。私は感心した。

ハンズオフ機能も初搭載

センサーと加減速の組合せとしては、高速道路の料金所を検知する機能もある。料金所があらわれると、アラートが出たあと、車両は減速してゆく。これもコース上に特設された簡易建造物で、実際の効果を体験することが出来た。

ほかにも、渋滞時にはステアリングホイールを操作しなくても、車両がアシストしてくれ、加減速、さらに停止と再発進までおこなうという、スバル初の機能も盛り込まれている。

現行の「バージョン3」にも「全車速追従機能付クルーズコントロール」や「アクティブレーンキープ」は備わっていたものの、上記のように、ステアリングアシスト機能がさらに強化されたのだ。

スバルは、カメラやレーダーを使う認識システムを、まるごと外部から購入して自車に搭載するのではなく、ソフトウェアは社内で開発している。その強みは、性能を限界まで引き出せる点にあるという。

【新型レヴォーグの試乗記はこちら!】

「外から買ってきたものをオプティマイズ(最適化)しているだけでは、本当に欲しいものは出来ないし、他社に圧倒的な差はつけられません」

さきの車両安全設計部の主査はそう語る。

安全技術は廉価で、かつ、万人に提供されなくてはいけない、と、海外のメーカーのなかには以前からそう唱えるところもある。それを実直ともいえる姿勢で実行してくれているのがスバルであるとあらためて思った。

文・小川フミオ 写真・安井宏充(Weekend.)、SUBARU


スバル新型「レヴォーグ」手放し運転可能に! 6年ぶり全面刷新で次世代支援システム「アイサイトX」搭載

■「アイサイトX」がスゴすぎる!

 スバル「レヴォーグ」がフルモデルチェンジし、2代目となる新型モデルが登場します。新型レヴォーグは、プラットフォームやエンジン、内外装のデザインなどが一新されますが、先進安全性能が一段と進化します。

 新型レヴォーグの安全機能として全車標準装備される最新版の「アイサイト」は、広角化した新ステレオカメラに加え、前側方レーダーや電動ブレーキブースターを新たに採用。後側方レーダーやリアソナーも搭載することで、高度な予防安全性能を実現しました。

 新たに自車右折時の対車両(自車速1km/hから約20km/h)、自車右左折時対歩行者(自車速約10km/hから約20km/h以下)、対横断自転車(自車速約20km/hから約60km/h以下)といった場面で衝突を回避する「プリクラッシュブレーキ」の作動領域を拡大しています。

 さらに、ブレーキ制御だけでは衝突回避が困難な場合にシステムが操舵制御をおこない、衝突回避をサポートする「プリクラッシュステアリングアシスト」(約80km/h以下)と前側方レーダーで接近車両と検知し、警報とブレーキ制御で衝突回避をサポートする「前側方プリクラッシュブレーキ・前側方警戒アシスト」をスバル初搭載しました。

 また、車線変更・逸脱時に、隣接する車線の接近車両を検知し、警報とともにステアリングを制御して逸脱を抑制する「エマージェンシーレーンキープアシスト」をスバル国内初搭載しています。

 これらのアイサイトの新機能に加え、各グレードに+35万円で装備できる先進運転支援システムとして「アイサイトX(エックス)」が登場しました。

 アイサイトXとは、準天頂衛星「みちびき」やGPSからの情報と3D高精度地図データを利用した自動車専用道路専用の先進運転支援システムで、より安全で正確な高度運転支援システムとして実現したものです。

 アイサイトXには、3D高精度地図ユニットやクルマの制御状態を表示する「12.3インチフル液晶メーター」、ドライバーを見守る「ドライバーモニタリングシステム」、ハンドルを保持していることを検知する「ステアリングタッチセンサー」といったデバイスも搭載されます。

 高速度域では、前走車がいない状態でもカーブの手前で減速する「カーブ前速度制御」や高速道路の料金所前で減速制御して安全に通過する「料金所前速度制御」(約20km/h前後)とともに、ウインカーを出すだけで車両が車線変更をおこなってくれる「アクティブレーンチェンジアシスト」(約70km/hから約120km/h以下)もスバルとして初めて実現しました。

 渋滞時は、ステアリングを自動操作することで手放し運転が可能になる「渋滞時ハンズオフアシスト」(約50km/h以下)や、停止と発進を繰り返す渋滞においてスイッチ操作なしで前走車についていく「渋滞時発進アシスト」を実装しています。

 さらにスバル初となる「ドライバー異常時対応システム」は、急病などでドライバーが運転できなくなった場合の事故リスクを下げるため、車線内で減速・停車までおこなう機能です。

 ツーリングアシスト中や渋滞時ハンズオフアシスト中、ハンドルを握るように要求があってもドライバーが反応しない場合に作動。ハザードランプの点滅やホーンを鳴らすことで、周囲の車両に異常を知らせる機能も備わります。

※ ※ ※

 新型レヴォーグでは、コネクティッドサービスもスバル国内初導入されます。

 事故発生時にオペレータへ自動通報して救援を要請する「先進事故自動通報(ヘルプネット)」や身体的に救援が必要な場合にボタン操作で発信してオペレータ経由で緊急機関と連携する「SUBARU SOSコール」、車両の救援を要する場合にオペレータ経由でロードサービスを手配する「SUBARU iコール(安心ほっとライン)」といったサービスを提供。

さらに、盗難警報装置作動時にアプリなどにアラートを通知する「セキュリティアラート」や警告灯点灯時にアプリなどにアラートを通知する「故障診断アラート」、リコールお知らせ機能やソフトウエアの更新といったさまざまな機能を備え、より安心・安全なクルマを実現しました。


【スバル レヴォーグ 新型】2代目登場、先進安全・スポーティ・ワゴン価値を追求[詳細画像]

スバルは新型『レヴォーグ』の予約注文を8月20日から開始する。『レガシィ』から続くスバルのツーリングワゴンを継承するレヴォーグは、現行モデル(VM型)の1.6リットルターボ搭載モデルで累計約11万台に達するなどスバルの中核を担う存在へと成長した。新型レヴォーグでは、伝統を継承しつつも先進安全装備とワゴンとしての価値、スポーティさに磨きをかけたという。

ボディサイズは、全長4755×全幅1795×全高1500mm。ホイールベースは2670mmとなっている。従来比で全長が65mm、全幅が15mm延長されている。

◆50Nmのトルク向上で日常域が快適に

新型に搭載されるパワーユニットは、最高出力177ps最大トルク300Nmを生み出す新開発の1.8リットル水平対向4気筒直噴ターボエンジンに新型リニアトロニックを組み合わせる。従来比で出力は7ps、トルクは50Nmの向上を果たし、低速域でのトルクフルな走りが期待できる。パワー性能と共に燃費性能も向上を果たし、17インチタイヤ装着モデルはで13.7km/h(WLTCモード燃費)、18インチタイヤ装着モデルで13.6km/h(WLTCモード燃費)となっている。

5代目『インプレッサ』から採用が始まった次世代型プラットフォーム「スバルグローバルプラットフォーム(SGP)」を新型レヴォーグでも導入。合わせて外板パネルを最後に接合するフルインナーフレーム構造や構造用接着剤拡大、樹脂リンフォースを採用することで、ボディー剛性が大きく向上。ねじり剛性は従来比で44%向上したという。その他にも、ステアリングの応答性を高める2ピニオン電動パワーステアリングや高速安定性を向上させるエアアウトレットなど空力パーツを導入した。

◆プロトタイプから大きな変化は見られないエクステリア

新たなデザインコンセプトに「BOLDER」と据えるスバルは、新型レヴォーグに「Performance×Advanced」というデザインテーマを掲げた。東京モーターショー2019で公開されていたプロトタイプと同様に、全体的にメリハリのある角の立ったエクステリアデザインへと変化したことが見て取れる。フロントのヘキサゴングリルからサイドを通り、せり出したリアフェンダーへと流れるデザインが特徴的だ。

また、導光ライトガイドを採用したCシェイプヘッドランプや新形状のドアミラーをスバルとして初めて導入し、専用の新デザインアルミホイールを履く。ボディカラーは画像のアイスシルバーなど全8色で、WRブルー・パールは「STI Sport」と「STI Sport EX」にのみ設定されている。

◆SUVに引けを取らないユーティリティを目指した

インテリアでは、センターパネルを中心に「安定・安心・愉しさ」の3つを支軸にデザインが構成されている。まず目を引くのはEXグレードに標準装備されている11.6インチのセンターインフォメーションディスプレイだろう。タブレットサイズのこのディスプレイでは、エアコン等の各種操作のほか、Apple CarPlayやAndroidAutoといったコネクティビティも充実している。

Dシェイプステアリングの奥にある12.3インチフル液晶メーターでは、2眼メーターデザインと地図、アイサイトと3つの画面を好みによって切り替えることが可能だという。また、フロントスポーツシートは座面や背もたれの形状、バネの強度を最適化することで日常生活やロングドライブでの快適性や疲れにくさ、スポーツ走行時の高いホールド性を両立させた。

SUVに負けない荷室ユーティリティと謳う新型レヴォーグの総荷室容量は561リットルで、従来モデルと比較して39リットル増となった。容量拡大に寄与しているのが床下(サブトランク)空間の拡大であり、従来比で29リットル増となっている。容量だけでなく、開口幅と開口高さを拡大することで使い勝手を向上している。

◆スタンダードグレードから予防安全性能を充実させた

新型レヴォーグではベースグレードから広角化した新型ステレオカメラや前側方レーダー、電動ブレーキブースターを標準装備している。ブレーキ制御に加え操舵制御によって衝突回避を支援するプリクラッシュステアリングアシストや、前側方からの接近車両を検知し出会い頭の衝突回避を支援する前側方プリクラッシュブレーキ・前側方警戒アシストをスバルとして初めて導入する。

EXグレードに設定されている新たな高度運転支援システム「アイサイトX」では、準天頂衛星みちびきからの高精度GPS情報と3D高精度地図データを活用し、渋滞時ハンズオフ・発進アシストやウィンカー操作に応じて車線変更可能なアクティブレーンチェンジアシスト、高速域でのコーナリング前や料金所前での速度制御を実装する。また、急病等のドライバーの異変を検知し車線内で減速・停車させるドライバー異常時滞納システムを搭載した。

グレードは、ベースの「GT」からミドルグレードの「GT-H」、そしてトップグレードの「STI Sort」が設定されている。全グレードにプラス35万円のアイサイトX搭載モデルが用意され、それぞれ「GT EX」、「GT-H EX」、「STI Sort EX」となっている。


【スバル レヴォーグ 新型】初採用のテクノロジー満載、最新アイサイトを試す…意地を感じる進化

日本車の運転支援システムの代表格として浸透してきた「アイサイト(EyeSight)」。新型『レヴォーグ』はこれの進化形を搭載することになった。その名は「アイサイトX」。スバル各車が継承してきたグランドツーリング思想を一歩引き上げるために、アイサイトのレベルアップは不可欠と考えたようだ。

◆車載3D高精度地図データを利用し、運転支援をレベルアップ

メカニズムでは、広角化したステレオカメラ、フロントバンパー左右の前側方レーダー、電動式のブレーキブースターを、いずれもスバルで初めて装備した。これにより、1~20km/hで右折時の対向車、10~20km/hで右左折時の横断歩行者、20~60km/hで横断自転車との衝突回避を新たにサポートするようになった。

さらに約80km/h以下ではブレーキ制御に加えて操舵制御も行い衝突回避をサポートするプリクラッシュステアリングアシスト、前側方からの接近車両を検知して60km/h以下で警報を発し20km/h以下ではブレーキ制御を行う前側方プリクラッシュブレーキ・前側方警戒アシストも、スバル初搭載になる。

また国内向けのスバル車では初めて、60~120km/hでの車線変更・逸脱時に隣の車線の車両を検知し警告や操舵アシストを行う、エマージェンシーレーンキープアシストも採用している。

特筆すべきは、準天頂衛星みちびきなどからの情報と車載3D高精度地図データを利用した、高速道路や自動車専用道路での運転支援のレベルアップだ。3D高精度地図データの車載は、国内向けの車種としては日産『スカイライン』の「プロパイロット2.0」に続く事例になる。これにより、高速域ではコーナー前での速度制御や料金所前での速度制御、70~120km/hでのアクティブレーンチェンジアシストを実現。渋滞時には約50km/h以下でのハンズオフアシストと渋滞時発進アシスト、そしてドライバー異常時対応システムを、いずれもスバルとして初採用している。

アイサイトX装備車はメーターが12.3インチフル液晶になり、ダイヤルモード、アイサイトモード、マップモードの3つが選択できる。アイサイトモードを選ぶと速度などの情報が左右に寄せられ、中央に道路を走るレヴォーグのイラストが浮かび上がる。

◆クローズドコースで試乗、最新の技術を体感

高速周回路ではまず、アクティブレーンチェンジアシストを試した。予想以上にスピーディに車線変更を完了。地図データの貢献を実感した。もちろん隣の車線に他車が近づいている状況では作動はしない。この状況で意図的にレーンチェンジしようとすると、警告音で注意を受けるとともにステアリングを戻された。

続いて料金所に見立てたパイロンに差し掛かる。ステアリングには手を添えているだけで、ペダルは踏んでいない。しかし20km/hぐらいまで徐々に速度を落としてゲートを通過し、今度は速度を上げていく。お見事という言葉が口から出そうになった。

まもなく前方にゆっくり進む先行車が現れる。渋滞を想定したシーンで、速度が落ちていき、50km/hを下回る。するとメーター内の車線がブルーで染められ、ハンズオフ可能であることを伝える。こちらはスカイラインで体験済みであるが、まったく不安なく前車に追従し、停止からの発進もスムーズだった。

最後はドライバーが急病になったことを想定して、高速コーナーでわざと目線を外して走行を始める。まもなく異常と察知して、ハザードランプを点滅させ、クラクションを鳴らしながら、カーブをトレースしつつ速度を少しずつ落としていく。こちらについては似た体験をしたことがある。いすゞ自動車と日野自動車が共同開発し、すでにバスに搭載して販売しているドライバー異常時対応システムを、日野の技術説明会でバスの乗客として体験しているのだ。その点をエンジニアに打ち明けると、国土交通省の取り決めがあるので手法は共通しているとのことだった。

衝突被害軽減ブレーキの普及に大きな役割を果たしたアイサイトだったが、その後他メーカーも追随し、現在は競合状態になっている。その中で新型レヴォーグに搭載した数々のテクノロジーは、世界レベルで見ても先進的な内容であり、スバルの意地が伝わってきた。


【試乗】新型レヴォーグ・プロトは4WSばりのカミソリハンドリング! 「手放し」まで手に入れた「アイサイトX」にも驚き

 切り出した瞬間にノーズが動く「鋭い刃物」のようなハンドリング

 新型SUBARUレヴォーグ・プロトタイプに触れて、驚かされたことは数限りない。基本的にはキープコンセプトであり、スバルの歴史上のひとつのモデルに過ぎない。だが、その中身に触れると、熱く煮えたぎるようなスバル開発陣の思いが込められていることを知ったのだ。新生スバルの、これからの隆盛への狼煙のように感じたのである。

 クルマを前にして感じたのは、「かっこいい」という単純な感想である。前後に長く、安定感のあるフォルムを形成している。だが、フロントマスクは鋭く前方を見据えるような力強さが感じられたし、リアエンドの造形にも存在感がある。それでいて安心感があるのは、これまで長い年月を重ねる中でスバルが育ててきたツーリングワゴンならではの公式に則って筆を振るったからであろう。

 にもかかわらず、走りは劇的に変化した。先代モデルから乗り換えた瞬間に、これがレヴォーグであることをにわかに疑いたくなるほどに、変身していたのだ。

 エンジンは水平対向4気筒1.8リッター直噴ターボを搭載する。前後に短く、クラッシャブルゾーンを確保するための細工が行き届いている。だが、先代の1.6リッターと比較して最高出力に劇的な変化はない。わずか7馬力のアップでしかない177馬力である。だが最大トルクは250N・mから300N・mに向上している。とはいうものの、加速感には驚くほどの変化はない。必要にして十分なパワーが得られたに過ぎない。

 劇的に変化したのは操縦性である。走り始めた瞬間に襲ってきた、鋭い刃物のような切れ味には驚かされた。ステアリングのほんの数ミリの入力でさえ、ノーズが大胆に反応した。同時に強烈な旋回Gが立ち上がる。身構える僕の予測を大幅に超えていたのだ。ちょっと頭がクラクラっとした。

 電動パワーステアリングはフリクション感がほとんどなく、なおかつステアリングギア比を切り詰めたことでシャープな反応を示す。

 スバル初の電子制御ダンパーは、初期から鋭く減衰力が立ち上がる。ボディ剛性も際立っている。鉄板と鉄板の接着エリアを増やしたことなどが効いて、強固なボディに成長したのだ。それらの相乗効果で、ステアリングレスポンスがドキドキするほど高まったのだ。

 切り込んじだ瞬間、4WSなのかと我が感覚を疑った。後輪が逆位相に転じたのかと信じて疑わなかったほどの切れ味なのだ。

 それでいて、コーナリング中のスタビリティは高い。サスペンションストロークが増えたことで、簡単にはグリップを身離すことはない。フロントの切れ味は鋭くても、テールハッピーではないのだ。これには驚かされた。

 ダンパーの減衰力が鋭く立ち上がるから、その分乗り心地の悪化も感じた。路面の微細な凹凸にも反応してしまう。試乗車はプロトタイプであり、走行距離も進んでいなかった。距離を重ねればあるいはなじみが得られるかもしれない。

 50km/h以下の渋滞時は手放しも可能!

 新型レヴォーグのドライブを終えて強く印象に残っているのはその刺激的な操縦性のことである。改めて思う。これはスバルの積み重ねてきたツーリングワゴンの復権の狼煙ではないのかと思う。

 スペース・ユーティリティ・ヴィークルの座をSUVが奪って久しい。各メーカーがこぞってSUVを開発し、そしてそのモデルはとても売れる。たが、そもそもユーティリティ豊かなモデルはツーリングワゴンの特権ではなかったのか。スバルワゴンからレガシィへと受け継ぎ、レヴォーグがその座を牽引している。ツーリングワゴンの老舗スバルが、ユーティリティ・ヴィークルの座をSUVから奪い返すために、レヴォーグにあれほどの走り味を盛り込んだのではないかと想像するのだ。背の高いSUVじゃ、ここまでの走りはできまいと……。

 ちなみに、新型レヴォーグには、さらに運転支援性能を高めた「アイサイトX」が搭載されている。来たる自動運転時代に備えているのは明らかな性能なのだ。

 アイサイトXには、3D高精度地図が組み込まれた。高精度GPSとの連携によって、これまでカメラやレーダーでは認識できなかった「先の先」までの把握することが可能になった。

 これにより、ウインカー操作だけで車線変更が可能な「アクティブレーンチェンジ」や、渋滞路に先行車を追尾する「渋滞時発進アシスト」だけでなく、「渋滞時のハンズオフ」も可能になった。

 料金所では自動減速してくれるし、ゲートを潜り終えればまた元の速度まで自動で復帰してくれる。曲率の強いカープが迫れば、適切な速度まで減速してくれる。もちろん復帰もする。

 トライバーを常に監視し続けてくれており、脇見運転には警告を発するし、意識を失った場合には安全を確保した上で完全停止もしてくれるのだ。運転支援技術は飛躍的に高まった。しかも、レーンキープや追尾が、人間の感覚に自然に制御するのだ。多くのテストを重ねて完成にたどり着いたことが想像できた。

 新型レヴォーグは、ツーリングワゴンの復権を願うとともに、安全性を高めて登場する。しばらく話題の中心になる予感がする。
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Posted at 2020/08/23 23:53:53

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