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2020年09月24日

STIスポーツは好みだろうけどアイサイトはアイサイトXを選ぶのが正解かな〜

STIスポーツは好みだろうけどアイサイトはアイサイトXを選ぶのが正解かな〜 ターボ車初のSGPで超絶進化! 2代目レヴォーグは「走り」がスゴイ!

 2020年10月15日に正式発表、11月に発売開始となる予定のスバル「新型レヴォーグ」の全貌が明らかとなった! 先行予約は、すでに8月20日より、全国のスバルディーラーで開始されている。

 そんな注目の新型レヴォーグだが、ひと足早くプロトタイプカーではあるものの、クローズドコース(JARIテストコース)において、試乗することができた。今回は、アイサイトXだけではない新型レヴォーグの進化の全貌をお届けしたい。

※本稿は2020年8月のものです
文/鈴木直也
写真/西尾タクト、平野学
初出:『ベストカー』 2020年9月10日号

【画像ギャラリー】デザイン・走り・先進安全性ともに進化した新型レヴォーグの全貌をギャラリーでチェック!!

■やはり注目すべき大幅進化したアイサイトX

 今度の新型レヴォーグにはぶったまげました。何がって、とにかくクルマの隅々までオタクとしか言いようがないレベルで徹底的に作り込まれていること。

 デザインは初代モデルの正常進化というイメージだが、中身は事前の予想をはるかに超える出来栄え。プロトタイプの事前試乗会でそれを体験して、ボクは「4代目BP型レガシィの再来だー!」と心中密かに叫んだのだった。

スバルグローバルプラットフォーム(SGP)を採用するのはインプレッサ、XV、フォレスターに続いて第4モデルとなり、ついにターボエンジン車に搭載されることになった。SGPの”真打ち”ともいえる新型レヴォーグ

 まずは、アイサイトのバージョンアップ版、「アイサイトX」だ。

 画像センサーの性能向上や前側方監視レーダーの追加など、ハードウェア部分の強化もさることながら、やはりすごいのはソフトウェアの進歩だ。横から飛び出してくる自転車、右折時の対向車や見通しの悪い丁字路での交差車両など、プリクラッシュブレーキの作動領域がグッと広がっている。

 また、最近トレンドとなっている高速道路の渋滞時、約50km/h以下ならハンズフリーで追従するモードも装備。まずは、スペック表でライバルに負けない機能を盛り込んでいる。

アイサイトXの効果を体験する鈴木直也氏。渋滞時ハンズオフアシスト、アクティブレーンチェンジアシスト、カーブ前速度制御&料金所速度制御、ドライバー異常時対応システムをスバル車で初めて採用した

アイサイトXには広角化した新型ステレオカメラを装着。こちらはアイサイトX作動時のメーター内液晶ディスプレイの様子。これ以外に2眼メーター表示や地図表示が可能だ

 実際の走りでもアイサイトXのありがたみは大いに体感できた。レーンキープ性能の精度向上は目を見張るものがあり、高速道路によくある緩いカーブなどは得意中の得意。120km/hで進入するとやや速度を下げつつ、スムーズに旋回に入り、ビシッとレーン中央をキープするみごとなトレース性能を披露。ウインカースイッチによるレーンチェンジや、高速料金所への進入速度も自動制御される。

 ドライバー監視システムもさらに進化し、今回から運転者が意識を失うケースのような緊急事態にも対応する。ハザードランプやクラクションで周囲に注意を促しつつ、車線上での自動停止まで実体験できた。

スバルのフラッグシップモデルともいえる存在に成長したレヴォーグ。従来型は1.6Lターボ車が2014年から現在までに約11万台を販売したが、新型はそれを超えることができるか!?

■鍛え上げたボディ剛性を生かし切った 打倒欧州車も可能な走り

 次から次へと披露されるデモに、ベストカー本誌の編集担当と一緒に「こりゃすごい!」「よくできてるなー!」と驚きの連続だったのだが、しかし、それは序章に過ぎなかったのよ!

 とりあえずテスト車に乗せられ、アイサイトXの進化にキャッキャッと喜んでいた最初の興奮状態。それが醒めて気づいたのは「パワートレーンもシャシーも恐ろしく出来がいいんじゃね?」という事実。派手なADASだけじゃなく、それを支える車体やパワートレーンが素晴らしいのだ。

 完全新設計の1.8Lターボは、ごく低速域から力強いトルク感を発揮し、常用域でのドライバビリティが圧倒的にいい。また、クルマ好きにはあまり評判のよくないCVT(リニアトロニック)も、従来型のようなラバーバンドフィールは激減。ステップATに近いダイレクト感があった。

写真は最上級グレード「STI Sport」。アイサイトX(+35万円)をつけて税抜き370万円台となる。このほか、中間グレードの「GT-H」、最廉価グレードの「GT」を設定

STI Sportのインパネデザイン。インテリアにボルドーの差し色が入るのは従来型と同様だ

STI Sportには従来型と同じくボルドーカラーの本革シートが装着される。ヘッドレストにはSTIロゴが入り、座面のクッション性も向上

 さらに、乗れば乗るほど味わい深いのがシャシー性能の上質さだ。最初に「イイなぁ!」と思ったのは乗り心地のスムーズさと静粛性の高さだが、走り込むにつれて「これはただごとじゃないレベルかも?」と、思わず居住まいを正したほど。ドラポジをきちっと合わせ直し、クルマから伝わってくる情報をきちんと受け止めなくちゃイカンと、全神経を集中しちゃいましたよ、マジで。

 で、ボクが感じたことは、ステレオタイプな表現で申し訳ないが「やっぱ、ピシッと引き締まったボディ骨格に、きちんと動くサスペンションというコンビネーションだねぇ……」というもの。ボディ/シャシー系の開発者は、おおむねみんなその方向を目指すのだが、新型レヴォーグほどみごとな模範解答を提出してきたクルマは滅多にない。

 エンジニアに話を聞くと、「ベースはSGP(スバルグローバルプラットフォーム)ですが、インナーフレーム構造(骨格を組み立ててから外板パネルを溶接する工法)の採用や構造用接着剤の使用範囲拡大(インプレッサ比で4倍)が効果を発揮しています」とのこと。SGPは登場時点では個人的にあんまりピンとこなかったのだが、この新型のボディ剛性の素晴らしさには脱帽だ。

SGPに加え、スバル初採用のフルインナーフレーム構造。ボディ剛性は従来型から向上し、ねじり剛性は約44%も向上しているという

新開発の水平対向4気筒、直噴1.8LDOHCターボは177ps/30.6kgmを発揮。従来型の1.6Lターボから7ps/5.1kgm向上

STI Sportに搭載される「ドライブモードセレクト」。電子制御ダンパー採用により、「COMFORT」「NORMAL」「SPORT」「SPORT+」「INDIVIDUAL(お好み設定)」の5モードを選択可能だ

 また、電動パワステ(EPS)をステアリング入力とモーターアシストを分離した2ピニオン型にグレードアップしたり、ブレーキローターのハット部を削ってキングピンオフセットを減少させたり、ステアリングフィールに対するこだわりもスバルらしいオタクっぷりが炸裂。このあたりに投入したコストは、まさに欧州プレミアム並み。正確で雑味のないステアフィールは、ちょっと惚れ惚れするくらいイイ。

 この辺を欧州プレミアムと比較するなら、エントリーレンジのFFベースではなく、ベンツなら「C」、BMWなら「3」あたりのDセグに匹敵する上質感。国産Cセグでここまで達成してくるとは、正直まったく予想してませんでした。

 新型レヴォーグの走り(とりわけシャシー性能)のよさは、お金も手間も惜しみなくかけたエンジニアのこだわりの成果。スバル技術者のオタクっぷりを、存分に見せつけてくれた新型レヴォーグプロトの事前試乗会でした。


ドイツで鍛えた足まわりがワゴンであることを忘れさせる! 新型レヴォーグ サーキット試乗

新型レヴォーグの動的質感をサーキットで試す

10月15日の正式発表に先駆けて、8月20日に先行予約がスタートした2代目スバル レヴォーグ。正式な数字はまだアナウンスされていないが、すでに相当数の予約が入っていると言われている。8月初旬に、日本自動車研究所(JARI)城里テストセンターで行われたプロトタイプ試乗会で受けた衝撃を考えれば、その人気ぶりも納得である。

しかし、前回のJARIはあくまでもテストコースである。新世代のアイサイトXの機能を体験するには最適な環境だったかもしれないが、動的な部分を味わうにははっきり言って物足りなかった。

だがそこはさすがスバル。約1カ月後の9月上旬に、千葉県の袖ケ浦フォレストレースウェイで、メディア向けに「新型レヴォーグ・プロトタイプ試乗会(動的体感編)を開催したのだ。わかってらっしゃる!

今回は、新型レヴォーグのGT-HおよびSTIスポーツ、そして従来モデルのSTI スポーツ アイサイトで、それぞれ4周ずつのサーキット走行がメイン。パドックでは高速域からのプリクラッシュブレーキのデモンストレーションと、前側方軽快アシスト+対歩行者プリクラッシュブレーキの体験などが行われた。

CVTなのにトルコンATのようなダイレクト感
我々はまずサーキット走行へ。1台目は新型のGT-Hだ。GT-HのタイヤサイズはSTIスポーツと同じ225/45R18だが、足まわりにコンベンショナルなショックアブソーバーを装着。またドライブモードセレクトの代わりにSI-DRIVEを搭載したモデルだ。

1周目は軽く流してコースを確認。この時点ですでに軽く吹け上がるエンジンが気持ちいい。そしてメインストレート手前からSI-DRIVEをSモードに入れて加速体制に入る。

メインストレートでは軽やかな加速を見せ、150km/h強に到達。177ps/300Nmのエンジンスペック、そして車両重量1570kgの車体に撮影スタッフと2人で乗車していたことを考えればまずまずだ。

ブレーキングから右へ90度曲がる第1コーナーへ進入する。とてもスムーズに狙ったとおりの走行ラインをトレースできる。そのままフル加速して大きな右コーナーから中速の右複合コーナーへ進んでも、4WDのクセを感じるどころか、速度域や加減速状態に関係なく、ステアリングの正確性が全く失われない。コース後半にある大小の180度ターンも正確にクリッピングポイントにつくことができる。

CVTであるリニアトロニックの制御もいい。Dレンジでもまずまずのダイレクト感があるが、マニュアルモードに入れれば、今どきのトルコン式の8速スポーツATと比べても遜色ないスポーティなフィーリングが得られる。

ただ、GT-Hはサーキット走行を全力で楽しむには、若干足まわりがソフトだ。もちろんダンビングはしっかり効いていて、コーナーで不安を感じるようなことはないし、ロールスピードも上手く抑えられているが、基本的に快適性を担保したセッティングである。とはいえそれでも十二分に軽快な走りを楽しむことができた。

スポーティ一辺倒ではない動的質感
次はいよいよ新型のSTIスポーツだ。専用18インチアルミホイールや専用ステアリングホイール、レッドステッチをあしらったボルドー/ブラックのレザーシートなどがおごられたSTIスポーツは、ZF製の電子制御ダンパーとドライブモードセレクトを装備した、現時点で最もスポーティに仕立てられた仕様だ。

ドライブモードセレクトをスポーツ+に入れ、リニアトロニックをマニュアルモードに切り替えてコースイン。走り出しから足まわりのしっかり感がまるで違う。軽く流しているだけでも、シートやステアリングからGT-Hより一段上のスポーティネスが伝わってくる。

先ほどと同様に、2周目からクルマに鞭を入れる。加減速にGT-Hとの差はないが、引き締まった足まわりがロールやピッチングをさらに抑え、ステアリングの正確性も一層高められている。ステアリングレスポンスもほとんど遅れを感じさせないが、過敏だったりオーバーステア気味だったりと言うことはなく、ワゴンであることを忘れるほど、とてもダイレクト感のある走りが楽しめる。スポーツ+では前後駆動力配分がほぼ50:50になるという4WDによるトラクション性能の高さも感じられ、まさにクルマが意のままに動いてくれる感覚だ。

だがスポーティ一辺倒というわけでもなく、あらゆる動きにしなやかさが感じられる。その辺がボディ剛性向上や構造用接着剤の使用範囲拡大などで、NVHを徹底的に低減させた新型レヴォーグの真骨頂なのだろう。俊敏でスポーティネスと上質感が見事に融合した走りは、間違いなく世界に通用するレベルである。

最後に従来モデルのSTIスポーツ アイサイトでも走行したが、SI-DRIVEをSモードに入れても、あらゆる動きが感覚にリンクせず、クルマの動きがとてもチグハグな印象を受けた。新型STIスポーツのように、クルマが手足のように自由自在に動く感覚を体感した後では、なおさらだ。デビュー当時は決してそんなことはなく、十分にスポーティだったはずだが、2世代くらい前のクルマに感じてしまったというのが正直な感想だ。

おべっか抜きにドイツ勢を脅かす乗り味
では新型レヴォーグの出来栄えは、同クラス(Cセグメント)のドイツ車と比べて、どのあたりになるのか。VWゴルフ7(GTI除く)よりは上で、エンジン性能に差はあるが、特にSTIスポーツのシャシーの完成度はアウディS3(8V)にかなり迫るレベルにあるという印象。まだゴルフ8や新型アウディA3には試乗できていないのでなんとも言えないが、新型BMW1シリーズやメルセデス・ベンツAクラスのリアサスがマルチリンクのモデルともいい勝負をしそうである。

今回の取材で、開発トップの五島 賢氏から興味深い話を聞いた。それはZF製の電子制御ダンパーに関することなのだが、ZFのエンジニアは、新型レヴォーグ用の電子制御ダンパーの開発を、ドイツメーカー向けのものと全く変わらない手法で行ったのだそうだ。つまり、新型レヴォーグは、現時点では国内専用モデルだが、足まわりはドイツの道で鍛えられたのだ。走りが抜群にいいのも納得である。

これほどのクルマが300万円ほどで手に入るのだから、新型レヴォーグは間違いなくお買い得だ。あとは一般道でどんな走りを見せてくれるのかが気になるところだが、早いタイミングで手に入れたいなら、事前予約するべきかもしれない。

〈文=竹花寿実〉


EJ20型に先祖返り!? 新型レヴォーグ搭載の新設計エンジン「CB18型」のコンロッドが水平割に変更された理由

斜め割より水平割のほうが強度的に有利
新型レヴォーグはスバルの第4世代ボクサー、CB18型水平対向エンジンを搭載する。第3世代のFB16型から全方位で進化を遂げた完全新設計は見どころ満載だが、じつは第2世代のEJ20型に“先祖返り”したような技術も見られるのだ。

まず、コンロッドをクランクシャフトに取り付ける大端部の分割パターン。FA/FB型では、EJからのロングストローク化に伴う組み立て工程の変更によって、斜め割形状が採用されていた。

これがCBではEJと同じ一般的な水平割に再び変更されている。理由は連結強度の確保。CBは極限と言えるほどの軽量・コンパクト設計で、クランク長がFA/FBより34.6mmも短くなっている。これはエンジンのボアピッチを短縮し、クランクウェブを可能な限り肉薄化した成果。その分、クランク全体の剛性は不利になる。コンロッドもしかりで、強度的に斜め割より有利な水平割が採用されたのだ。信頼性を最優先した取り組みで、高強度材も合わせて採用されている。

●左が新型となるCB18型、右がFB16型

半面、斜め割で向上したボクサーエンジン独特の整備性も、EJ時代に逆戻り。ただ、コンロッドにまで手を入れる重整備が必要となるケースは極めて少なくなっており、そうした信頼性の向上も水平割復活の背景にある。

補機ベルトも懐かしい2本掛けに…なぜ?
次に、補機ベルトシステム。FA/FBではオルタネーター、エアコンのコンプレッサー、ウオーターポンプを1本で駆動する、サーペンタインベルトが採用されている。各プーリーの前後位置をずらす必要がなく、クランク方向のエンジン長を短くできる、今では極めて一般的な技術だ。サーペンタイン(serpentine)はヘビのような、曲がりくねったの意。パワーステアリングが油圧の時代はそのオイルポンプまで駆動したから、補機ベルトはサーペンタインが登場するまで2本掛けや3本掛けが当たり前だった。

●FB16型の補機ベルトは1本掛け

そして、新型レヴォーグのボンネットを開けると、CBは懐かしい2本掛けなのだ。具体的には、オルタネーターとエアコンのコンプレッサーで1本、ウオーターポンプでもう1本。それに伴ってベルトガイド役のアイドラプーリーは廃止されている。

●CB18型の補機ベルトは2本掛け

なぜ2本掛けに戻したのか!? 理由は単純で、サーペンタインよりフリクションが低いから。ベルトの屈曲率が減ったことで、FB16より約24%も低減したという。これはウオーターポンプを張力が比較的低いストレッチベルトでまかなえることが奏功しているようだ。ちなみに、この2本掛けは当初から狙っていたものではなく、CBのエンジン長が短くなったから可能になった、言わば副産物である。

興味深いのは、こうしたアイデアが入社5年ほどの若いエンジニアから発案されたという点。EJと同じに戻そうとしたのではなく、最新の解析・シミュレーションの結果、選択した技術的手法が、たまたまEJと同じだったというわけ。

先入観を持たず従来の常識にとらわれない柔軟な発想に、中堅やベテランは目を洗われる思いがしたとか。そして、新型レヴォーグではエンジン以外の開発も、若手が中心となりベテランがサポートするという新しい体制で進められたのだ。

ほかにも、前述の芸術的なまでに肉薄のクランクウェブは、これも厚さを増したFA/FBからEJ20の“カミソリ”が復活。リーンバーンの採用は、2~3代目のレガシィ以来となる。

技術は世につれ、世は技術につれ。さまざまな理由で姿を消したメカニズムが、技術レベルの進化や時代の変化によって新たな命を吹き込まれる。人生の生き方のヒントにもなるような、エンジニアリングの奥深さの一端だ。

〈文=戸田治宏〉


旧型レヴォーグと新型レヴォーグ何が変わった?スバル新型レヴォーグ プロトタイプを徹底解説!開発責任者の五島さんとのインタビューも敢行!!

旧型レヴォーグと新型レヴォーグ何が変わった?スバル新型レヴォーグ プロトタイプを徹底解説!開発責任者の五島さんとのインタビューも敢行!!

旧型レヴォーグと新型レヴォーグ何が変わった?スバル新型レヴォーグ プロトタイプを徹底解説!開発責任者の五島さんとのインタビューも敢行!!

今回は話題沸騰中のスバル新型レヴォーグのプロトタイプ試乗会へ参加しました!
新しいレヴォーグには新しいプラットフォームやエンジン、アイサイトXなどスバルの新しい技術がてんこ盛り!鈴木ケンイチさんとお届けします!

スバル レヴォーグ プロトタイプ
ボディサイズ:全長×全幅×全高4755×1795×1500mm
ホイールベース:2670mm
車重:1550kg (GT GT EX) 1570kg(GT-H GT-H EX) 1580kg(STI Sport STI Sport EX)
駆動方式:AWD
エンジン:1.8L DOHC 16バルブ デュアルAVCS 直噴ターボ“DIT”
トランスミッション:リニアトロニック(マニュアルモード付) 前進無段 後退1速
最高出力:130PS(177kW)/5200-5600rpm
最大トルク:300Nm(30.6kgm)/1600-3600rpm
燃費:16.6km/L (GT GT EX) 16.5km/L (GT-H GT-H EX) 16.5km/L (STI Sport STI Sport EX) *JC08モード


新型レヴォーグ サーキット試乗!もしかしてドイツ車を超えちゃった!?

スバルGTの血統を継承する生粋のGTワゴン、 レヴォーグの2代目がついに登場する。

今回はプロトタイプのサーキット試乗会に参加。

前回に引き続き試乗を担当した竹花氏は、自らの経験からドイツ車との性能比較。

一新されたモノコックやエンジン、足まわりによってレベルアップした2代目レヴォーグの実力とは?

ヨーロッパでも通用する性能なのだろうか?

〈文=ドライバーWeb編集部〉





なぜスバル「レヴォーグ」は生まれた? 歴代レガシィから継承したモノとは

■業界騒然!? 新型レヴォーグが凄すぎるらしい…

 2020年8月20日より先行予約が開始されたスバルの新型「レヴォーグ」。その注目度はここ数年のスバル車トップレベルで、先行展示会では乗車体験1時間待ちという話も聞いています。
 
 予約のほうも好調で、関係者によると予約台数はスバル自身が驚くレベルの台数を記録しているそうです。

 そんな新型レヴォーグの開発コンセプトは「継承と超革新」です。今回は“継承”の部分に注目してみたいと思います。

 今では好調なスバルですが、1980年代は他社による買収や倒産の危機まで報道されるほど厳しい局面に立たされていました。この危機感から「クルマで勝負」、「本気でいいクルマを造る」という流れから開発されたのが、1989年に登場した初代「レガシィ」でした。

 開発コンセプトは単純明快で「日本一で一番いいセダン/ワゴンを作る」。その実現のために、プラットフォームは「スバル1000」以来となる全面新設計でサスペンションも4輪ストラットが奢られました。また、エンジンも同じ水平対向ながらも完全新設計となるEJ型が開発されました。

 ハードの刷新のみならず開発手法にもメスが入り、従来の「縦割り&技術主導」から「プロジェクトチーム制」へと変更。

 さらに走りの味付けは一人の担当者に一任されました。彼はベンチマークとしてメルセデス・ベンツ「190E」を徹底的に解析すると同時にプライベートで参戦していたダートトライアルでの経験を活かし、舗装路でも通用する「曲がる4WD」を作り上げました。

 その実験担当者とは、現在STI NBRチャレンジの総監督でありハンドリングマイスターの辰己英治氏です。

 このような経緯で生まれた初代レガシィの走りは高く評価され、スバルのイメージは「積雪地域で乗るクルマ」から「走りにこだわりのあるメーカー」へと大きく変わりました。

 その後、レガシィは世代を重ねるごとに進化・熟成がおこなわれていきます。「世界一」を目指した2代目(1993年)、「世界で通用する本物のブランド」を目指した3代目(1998年)、「走りと美しさを融合」を目指した4代目(2003年)と、歴代モデルを振り返るとさまざまなトピックがありますが、大きな転機は2008年に登場の5代目です。

 北米からの要望に応えてボディサイズを拡大。この判断が功を奏して北米で大ブレイクし、スバルの業績アップに大きく貢献しました。しかし、これまでレガシィを支えてきた日本市場からの反応は「レガシィは日本市場を捨てた」といわれ苦戦。

「レガシィだけでは全て地域のユーザーを満足できない」、そんな想いから生まれた企画が「日本人のためのレガシィ」で、それが2014年に登場した初代レヴォーグです。ちなみにネーミングの由来は「レガシィ・レボリューション・ツーリング」とド直球でした。

 スバル自ら「レヴォーグは『レガシィ・ツーリングワゴンの血統』を継承する、日本のためのクルマ」と語っていますが、何が継承されたのでしょうか。

 そのひとつは「グランドツーリング(GT)思想」です。ちなみにスバルの考えるGTの要件は、「より速く」、「より快適に」、「より遠くに」、「より安全に」です。要約すると“総合性能”が重要ということで、言葉でいうと簡単ですが、実現は非常に難しいです。

 歴代レガシィはその難関に立ち向かうためにその時代におけるスバルの最先端技術を惜しみなく投入してきました。後継の初代レヴォーグも4代目レガシィ並みの扱いやすいボディ、2種類のターボエンジン、「WRX」譲りのフットワークの良さ、進化したアイサイト(前期:バージョン3、後期:ツーリングアシスト)などが導入されています。

 初代レヴォーグは市場で高く評価され、日本市場をけん引する新たなリーダー的存在になりましたが、その裏で2代目となる新型レヴォーグのための仕込みが進められていました。

 ただ、他社と違って将来ビジョンをほとんど語ろうとしないスバルの姿勢に、「スバルの未来はホントに大丈夫?」と心配になったのも事実です。

 ただ、今回新型レヴォーグに乗ってスバルの未来がハッキリしました。つまり、言葉ではなくモノで証明したわけですが、まさに究極の口下手といえます。

■新型レヴォーグは、歴代レガシィ&初代レヴォーグのDNAを継承して生まれた?

 スバルのクルマづくりの基本は乗る人すべてに安心と愉しさの提供ですが、全面刷新されたメカニズムが相乗効果を生み、結果として激変レベルに高められています。

 例えるなら30年前に「レオーネ」からレガシィに変わったくらいの衝撃です。ただ、勘違いしてほしくないのは、新型レヴォーグが突然変異で生まれたのではなく、歴代レガシィや初代レヴォーグでの経験が次世代技術という武器を用いたことで花開いたことにあります。

 フルインナーフレーム構造採用のSGP(スバル・グローバル・プラットフォーム)や新世代ボクサーターボ「CB18」をはじめとするメカニズムの刷新、アイサイトX採用といった先進安全の進化と、すべてが刷新されています。

 開発責任者の五島賢氏は「新型レヴォーグでスバルの未来を証明するために、次世代技術は新型レヴォーグに合わせて開発したといっても過言ではない」と語っています。

 ちなみに新型レヴォーグの走りの味付けは、辰己氏の愛弟子であるエンジニアが担当。さらにSTI社とのコラボレーションもこれまで以上に密接におこなうなど、従来の枠にとらわれない開発アプローチとなっているそうです。

 実は新型レヴォーグに乗る前に新車に近いコンディションに仕上げられた歴代レガシィと初代レヴォーグに乗る機会がありました。

 どの世代もスバルのグランドツーリング思想に則っているのは間違いないですが、バランス重視な1代目/3代目、スポーツ性重視の2代目/4代目と初代レヴォーグ、そしてツーリング志向の5代目と時代背景やユーザーの嗜好に合わせて個性は少しずつ異なりました。

 それを体験した後に新型に乗ると、歴代モデルのいい所が見事に融合している事に気が付きました。それは新型レヴォーグが現時点でスバルが理想とするGT性能を手に入れた事を意味しています。つまり、「レガシィ→新型レヴォーグ」への継承は、超革新なくしては実現できなかったのです。



【現実世界で使えるかどうか】スバル次世代アイサイト 本当に使えるのか? 疑似交差点で体験してみた

スバルの次世代アイサイトとは何か?

text:Kenji Momota(桃田健史)

新型「レヴォーグ」から採用される、次世代アイサイト。

その実力については、2020年8月のレポートでは、高速道路を想定したアイサイトX実体験の模様をお伝えした。

今回は、交差点など市街地を想定して体験だ。その模様を詳しくご紹介したい。

まず、次世代アイサイトとアイサイトXの違いについて触れておきたい。

スバルは、予防安全技術に関する技術として、2008年からアイサイトという名称を採用している。その後、性能の向上に伴い、バージョン2、さらに現行車ではバージョン3に進化した。

ハードウェアとしては、日立オートモーティブシステムズ製で2つのカメラを人間の目のようにして使う、ステレオカメラ方式を用いてきた。

一方、次世代アイサイトはアイサイトバージョン4ではなく、ハードウェアやソフトウェアなどを刷新した、まったく新しいモノだ。これまでスバルが蓄積してきた、様々なノウハウを活かしつつも、モノ自体が違うのだ。

スウェーデンのヴィオニア製となり、カメラのイメージセンサーや画像認識に関する半導体などはアメリカ製だ。

車内の装着位置はこれまでのアイサイトと同じだが、モノとしてはひと回り小さくなっており、視界をあまり妨げない。

次世代アイサイトは、新型レヴォーグでは全グレードで標準装備となる。

次世代アイサイトどんな時に役立つ?

一方、アイサイトXはプラス35万円のオプション設定。高速道路で三次元地図とGPSから情報を照らし合わせる。

機能としては、料金所付近での自動的に減速し、高速コーナーでも安全な速度まで減速する。また、渋滞時を想定して約50km/h以下でハンズオフ走行が可能。前車が動き出すまでハンズオフ状態で自動停止を続けて、前車が動くと自動的に発車する。

では、市街地での性能はどうか?

キーポイントは、ステレオカメラの性能向上と、新たに加わった前方向けのミリ波レーダーである。

現行アイサイトでは、斜め後方から接近するクルマに対して、ドライバーにアラートを出すために、車両後部の両サイドに周波数帯域24GHzのミリ波レーダーを装着している。

次世代アイサイトでもこの機能を継承した上で、車体前部の両サイドに検知精度が高い周波数帯域77GHzのミリ波レーダーを採用した。

では、シチュエーション別に見てみる。

交差点では、大きく3つのケースがある。

1つめは、右折時での対向車の検知。自車速度が1km/hから約20km/hで作動。

2つめは、右左折時の歩行者の検知。自車速度が10km/hから約20km/h以下で作動。

3つめは、目の前を自転車が横切った場合の検知。自車速度が約20km/kmから60km/h以下で作動。

これらすべて、旧型比で2倍に広角化したステレオカメラのみで対応する。

実体験 出会い頭の事故防止の重要性

もう1つが、一般的に出会い頭の事故例が多い、見通しの悪い信号機のない交差点での対応だ。

ここで斜め前方向けのミリ波レーダーが効く。

自車速度約60km/h以下で、車内に警報が鳴り、自車速度約20km/h以下で衝突被害軽減ブレーキが作動する。

つまり、ステレオカメラを広角化してもカバーしきれない、自車の進行方向に対して真横の領域について、ミリ波レーダーで対応する。

この機能をスバルは、前側方プリクラッシュブレーキ・前側方警戒アシストと呼ぶ。

では、実車で体験してみると、どう感じるのか?

スバルが用意した疑似的な、信号機のない見通しの悪い交差点で、新型レヴォーグの助手席に乗車した。

停止状態から、時速10km/h程度でジワジワと交差点に差し掛かると、交差する道の左からクルマが接近。このスピードだと、警報が鳴ってすぐにブレーキがかかった。

ほっとして、右折しようと思うと、横断歩道に歩行者の姿。ステレオカメラが作動しブレーキをかけ、歩行者との衝突を無事回避した。

筆者自身の日常生活と照らし合わせてみて、確かにこうしたシチュエーションは十分に想定でき、改めて次世代アイサイトの実力に感謝した。

現実で「本当に使える」先進安全技術

同乗走行の後、ダミー障害物に対する衝突被害軽減ブレーキ作動の模様を見学した。

接近速度は約70km/hと、一般道路ではかなり高速である。アイサイトバージョン3では約60km/h想定だったが、さらに高性能化した。

背景にあるのは、ステレオカメラが刷新されてことに加えて、電動ブレーキブースターの採用がある。

次世代アイサイトからの制御指令に対するブレーキ開始までの時間が短くなり、結果としてより高い速度からでも衝突を回避できるようになったのだ。

今回の体験でも、また8月のアイサイトXの体験でも、共通しているのは「リアルワールド」という点だ。

スバルは次世代アイサイトの開発の狙いを「リアルワールドで安心して『本当に使える』先進安全技術」だと強調する。

90年代から先進安全技術の開発を地道に進めてきたスバル。2010年代になり、世界各国で自動運転の実証試験や、高度運転支援システム(ADAS)の量産化が進む中、スバルとしては、一貫してリアルワールドでの使い勝手を最優先している。

リアルワールドで、どのような状況で事故が起こっていて、そうした事故を可能な限り回避するために、大手メーカーと比べると開発投資に制約があっても、スバルとして何かできるのか?

そうした毎日の小さな努力の積み重ねが、次世代アイサイトの精度を上げている。


【スバル新型レヴォーグ試乗】新旧比較でわかる、新型レヴォーグのシャシー性能の劇的な進化

 2020年10月15日に発表発売が予定されている、スバル新型レヴォーグ。フルモデルチェンジだけにデザインの変更はもちろんだが、エンジン、プラットフォーム、ボディ、そしてスバル自慢のアイサイトまで新設計される気合いの入れっぷりで、その性能のデキに注目が集まっている。

 ここ最近「スバルはどうしたの?」なんて声が囁かれているが、新型レヴォーグの進化は、その心配を完全に吹き飛ばす、スバルエンジニアの意地とプライドが伝わってくる渾身の1台に仕上がっていた。そのなかでもシャシー性能の飛躍的な進化は圧巻だった。

 スバルの新型レヴォーグと前型レヴォーグを複数回乗り換え、パイロンスラロームを行った。一度乗れば明らかだが、何度乗っても間違いなく、新型は動きがいい。

 最も顕著な違いはロールで、新型は前型より圧倒的にロールが小さい。新型から前型に乗り換えると、派手なロールに愕然とするほどだ。逆に、前型から新型に乗り換えると「こんなに違うもの?」と、思わず感嘆の声が漏れる。

 新型のほうが安心して舵をあてられるし、切り込んでステアリングを戻していく一連のプロセスが気持ちいい。

 ロールの衝撃が大きすぎてその影に隠れがちだが、ステアリング操作時の感触がいいし、ブレーキのタッチがいい。乱暴に結論を出し過ぎかもしれないが、新型の動きは何もかもがいい。

 劇的に良くなった理由のひとつは、シャシーの進化だ。新型と前型は車体骨格を構成するプラットフォームが異なる。

 前型は旧世代のプラットフォームに手を入れて剛性を高めていたが、新型は2016年に発売された5代目インプレッサから導入した新世代のSGP(Subaru Global Platform)を採用する。

 さらに、新型レヴォーグは国内のSGP採用モデルでは導入していなかった新構造を採用して剛性を高めた。その結果、ボディのねじり剛性は前型比で44%向上したという。

 ボディ剛性が向上したことによって、サスペンションがきちんと動くようになった(前後のストロークを向上させてもいる)。

 サスペンションへの入力によってボディが変位してしまうと、ダンパーやスプリングは狙いどおりに機能せず、車両運動性能の面でも、フィーリングの面でもネガティブな影響が顔を出す。

 だから、新型レヴォーグではまず、剛性の向上に取り組んだ。剛性の確保が基本中の基本なのは、カテゴリーを問わず、レーシングカーの設計にも共通する考えである。

 ステアリング機構を変更したのも大きい。前型レヴォーグはピニオンアシスト(1ピニオン式)タイプの電動パワーステアリング(EPS)を採用していたが、新型はデュアルピニオン式(2ピニオン式)を採用した。

 2ピニオン式にするとステアリング操作軸とモーターアシスト軸を切り離すことができてフリクションが減り、応答性が高くなる。

 最上位グレードの『STI Sport』には、スバル初の電子制御ダンパーを採用した。前輪左右のダンパーには加速度センサーを搭載している。

 シート下に搭載するECUには加速度センサーとジャイロ(角速度)センサーを採用し、車体やタイヤの動き、ステアリング舵角に車速などの情報から、必要な減衰力を演算して“そのとき”に最適な減衰力に制御する。

 いわゆるフィードバック制御というやつだが、「それで間に合う?」という心配は無用。1秒間に500回演算(0.002秒に1回)して指示を出すので、ドライバーの感覚とのズレは生じない。

 減衰力の低い側はインプレッサより低く、高い側はWRX STIよりも高いという。ロールは抑えておきながら、ひとたび強い入力があったときには、しなやかに受け止めることができるようになった。

 新旧レヴォーグを乗り比べて感じた顕著な違いは、ボディ剛性の高さもさることながら、電子制御ダンパーの効果も大きい。

 その電子制御ダンパーと2ピニオンのEPSを手に入れたことで、新型レヴォーグは前型にはない機能を手に入れることができた。それが、ドライブモードセレクトだ。『STI Sport』専用の機能である。

 ドライブモードセレクトは、パワーユニット(トランスミッション)、EPS、電子制御ダンパー、エアコン、AWD、アイサイトの各制御をモードごとに最適化し、レヴォーグを“キャラ変”させる。モードはComfort、Normal、Sport、Sport+の4種類だ。

 Comfortを選択すると、電子制御ダンパーは乗り心地重視の減衰力に変わる。ストローク速度に対する減衰力の発生は低めだ。ゆったりした乗り味がメインだが、大きな入力があった際には瞬時に減衰力を高め、不快なロールや振動の発生を抑える方向に作動する。

 いっぽう、Sport+を選択すると、ストローク速度に対する減衰力の発生を高めの制御に切り換える。ロールの発生を極力抑える仕様だが、路面から大きな入力が入った際は減衰力を下げ、乗り心地を悪化させないよう制御する。

「スポーツと聞くと、硬くて跳ねる脚をイメージすると思いますが、そうではなく、ロールは抑えるけれども乗り心地はいい。それが両立できるダンパーにしています」と、開発を担当したエンジニアは説明した。

 WRX STIをしのぐ引き締まった脚と、インプレッサをもしのぐしなやかな脚を両立しているのが、電子制御ダンパーを採用した『STI Sport』だ。

 EPSは、Comfortを選択すると取り回しの良さを優先。Sport+を選択すると、スポーツ走行に適した、低速からしっかりして変化の少ない操舵力を実現するセッティングに変わる。

 Comfortを選択した際の『取り回しの良さ』は、操舵力を軽くすることで実現しているが、フリクションの大きいステアリングシステムだと非線形な特性(切り込んでいったときの感触がリニアではない)が目立ってしまう。

 だが、新型レヴォーグはフリクションの小さな2ピニオン式を採用したことで、リニアな感触を残しながら軽くすることができたという。

 コンフォートとスポーツの両立と言うのは簡単だが、背反する要素だけに両立は難しい。その背反要素を両立させ、「前型は一体何だったんだ?」と思わせるほど大きく進化したのが新型レヴォーグだ。

 ベース(GT/GT-Hグレード)のポテンシャルも高まっているが、キャラ変が味わえる『STI Sport』の魅力は群を抜く。


【まったく別物】新型レヴォーグ・プロトタイプ サーキットで試乗してみた 「異次元の走り」に嘘はない?

レヴォーグ・プロト 走行体験第2弾

text:Kenji Momota(桃田健史)

2020年10月15日の日本国内発売開始を前に、スバル新型「レヴォーグ」プロトタイプに再び乗った。

初乗りは、2020年8月に茨城県内の一般財団法人 日本自動車研究所のテストコース。今回は、サーキットでの全開走行だ。

走りの体験談に移る前に、改めて新型レヴォーグの生い立ちについて触れておきたい。

初代の発売開始は2014年4月。スバルとして全く新しいモデルラインナップとして登場した。

背景にあるのは、スバル(当時の富士重工業)が2010年代初頭から本格化させた、事業戦略のアメリカシフトだ。

企業としての成長を考えると、最も大きな可能性を秘めたアメリカを最優先として、それまでの商品企画を大きく見直した。

その反動として、「ほぼ日本専用車」という考えのもと、レヴォーグが企画された。

ベースにあるのは、旧来の「レガシィ」が築き上げてた、ツーリングワゴンというクルマ、つまりはグランドツーリング思想だ。

より遠くまで、より早く、より快適に、より安全に。スバルとして多くのユーザーに「心からツーリングを愉しんでもらいたい」という気持ち。

こうしたグランドツーリング思想とサーキット走行。なんだか、相反するように思えるが、実際に走ってみて、なにがどうわかったか、それともわからなかったのか?

改めて感じた 「軽くて雑味がない」

スタンダードモデルがGTとGT EX。スポーティさと上質さを兼ね備えたハイグレードモデルがGT-H とGT-H EX。

そして最上級モデルがSTIスポーツとSTIスポーツEXというラインナップだ。

今回は3種類のレヴォーグを試乗した。

順序としては、新型レヴォーグSTIスポーツ、現行レヴォーグSTIスポーツ、そして再び新型に戻ってGT-Hだ。

発売前ということで、初回の試乗時と同じく、今回もプロトタイプという扱いだ。

試乗の舞台は、千葉県の内房にある、袖ケ浦フォレストレースウェイ。

全長約2.4kmで、コーナー数は14。高低差は少ないが、全長約2kmの茨城県筑波サーキットと比べると、緩やかな起伏がある中、半径の大きな高速コーナー、スピードがのるS字コーナー、さらに直角コーナーやヘアピンなどを織り交ぜており、量産車の性能チェックにはもってこいのコースレイアウトだ。

まず、新型レヴォーグSTIスポーツで、ドライブモードセレクトをCOMFORTにセットした。

コースインにて、すぐに出た言葉が「やっぱり、軽いし、雑味がない」だった。

アクセルを軽く踏み込んで、しっかりとトルクが立ち上がるのが、実に軽快だ。

エンジンとトランスミッションからの、また路面からの振動や少なく、車内の空気感がすっきりしている。こうした感じを、自動車業界では「雑味がない」と表現する。

走らせてみて、数値と実感がシンクロ

雑味のなさは、数値でも明白だ。

スバルが提示した資料によると、乗員の上下振動を他モデルと社内比較したグラフでは、新型STIスポーツのコンフォートの状態は、現行レヴォーグと比べて43%も減少している。同じくスバルグローバルプラットフォームを採用している現行インプレッサと比較してもグラフ上で見る限りざっと2割ほど減少しているのだ。

車内の静粛性も上がっており、「車内の会話のしやすさ」という社内指標で、現行車比で前席で22%、後席で30%も向上している。

軽さについても、数値がある。

車重ではなく、CVTの改良に関する値だ。

トランスミッション開発担当者によると「プーリーのレシオカバレッジを現行の6.3から8.1に変えた。これは最新の8速AT並み」という。

エンジン側で見ると、現行1.6L比で、新型1.8Lは最大トルクが5.1kg-mアップし、さらにトルクの立ち上がりが現行より300rpmほど前倒し。

よって、出足の軽さ感があるのだ。また、高速巡航では「100km/hで200rpm低い」という設定で燃費にも新設定のプーリーが効いている。

走りを進めると、圧倒的なハンドリングの良さを感じる。

滑らかだが、キレがある。

クルマ全体の動きも、ロール量は抑えされても、懐の深さがある。

では、ドライブモードセレクトをSPORT、さらにSPORT+とするとどうなる?

比較試乗を終え最後に出た言葉とは?

独ZF製の電子制御ダンパーの可変で、スバルがいう走りの「キャラ変」が起こる。

足が硬くなるとか、ハンドリングがクイックになるとか、エンジンの吹き上がりが良くなる、といった単純な変化ではない。

体感は、クルマ本体の良さを最大限に引き出すイメージであり、ひと言で表現すると「粘り強く」なる。

また、直角コーナーやヘアピンでは、まるでリアステアが効いているように小回りする。アクティブトルクスプリットの効果だ。

AWDスポーツモードによりアクセルオフ時で後輪への駆動力を高めている。

次いで乗った現行車は、ロール量が大きく、フロントヘビーで、ゆったり動く。そう感じてしまうほど、新型との差は歴然だ。ロールレートでは、現行比で26%減少している。

最後に、GT-Hに乗った。ZF製制御ダンバーは未装着だが、新型レヴォーグとして素性の良さが実感できた。

こうして新旧3台を比較して、最終的に口から出た言葉。

それは……。

「これならロングドライブでも疲れない」だった。なにせ、サーキット走行ですら「疲れない」のだから。

スバルが掲げる、新型レヴォーグの開発の狙いである、技術的な「超・革新」

ユーザーが実感するのは、レガシィのヘリテージを継承する「もっと長く、遠くまで走っていきたい」という気持ち良さだ。


超高性能!? 話題の新アイサイトXの実力は? 新型レヴォーグを買うなら必須か?

 V6井ノ原快彦さん出演によるCMの放映が始まった、スバルの進化型高度運転支援システム「アイサイトX」。CM内では、井ノ原さんが、実際に減速や車線変更、衝突回避などを体験し、驚いている様子が公開されている。

 筆者も先月、このアイサイトXが搭載される新型レヴォーグのプロトタイプ試乗会に参加させていただき、アイサイトXの実力を、じっくり体感させていただいた。

 本記事では「究極のぶつからないクルマをめざした」というアイサイトXの実力はいかほどのものなのか、そして「買い」のシステムなのか、をお伝えしていこうと思う。

文:吉川賢一
写真:SUBARU、ベストカー編集部/撮影:池ノ平昌信

【画像ギャラリー】コスパ最強の超先進モデル!! 新型レヴォーグの全てを写真でチェック!!

アイサイトXは35万円

 新型レヴォーグのグレード構成は、17インチタイヤのベーシックグレード「GT」、18インチタイヤと助手席パワーシート、ハンズフリーオープンパワーリアゲート、アンビエント照明を備えた上級装備の「GT-H」、そして前後専用バンパーと専用アルミホイール、電制ダンパー、ドライブモードセレクトを装備した「STI Sport」だ。

 それぞれに、アイサイトX(+35万円)を搭載したグレードは「GT EX」「GT-H EX」「STI Sport EX」という呼び方となる。アイサイトXを搭載しない標準グレードでも、アイサイトVer.3ツーリングアシストが標準搭載だ。

フロントバンパーの造形が深くなり、厳つさも持ち合わせたスタイリッシュなデザインに進化。ボディカラーはラピスブルー・パール

 価格は現時点分かっていないが、おおよそのイメージは、282万円(GT)~336万円(STI Sport)、アイサイトXが備わるEXは、317万円(GT)~371万円(STI Sport)というところだ。

 「アイサイトX」は、車両価格の約1割にも及ぶ高価なメーカーオプションであるが、それだけのコストパフォーマンスはあるのか、という点が焦点となる。

現時点世界最高水準のテクノロジー

 「アイサイトX」のパフォーマンスが非常に高いことは、すでに様々なメディアや評論家の方々の試乗レビューでも評価されている。

 準天頂衛星やGPSの情報、3D高精度地図データを利用した、自動車専用道路での先進運転支援は、お見事のひとことだ。コーナー前での自動減速や、アクティブレーンチェンジアシスト、50km/h以下での渋滞時ハンズオフアシスト、料金所前速度制御(25km/h程度まで自動減速)、そして渋滞時の自動再発進機能もある(待機時間は10分とのこと)。

アイサイトXには、カーブ前速度制御や、料金所前速度制御、アクティブレーンチェンジアシストのほか、50km/h以下での渋滞時ハンズオフアシスト、渋滞時発進アシストも備わる

 また、ドライバーを常時モニタリングする「ドライバー異常時対応システム」は、万が一、ドライバーが走行中に気を失ってしまった場合に、車内にアラームが鳴り、外部にはハザードとクラクションで危険を知らせ、そして最終的には、完全停止まで行う。

「ドライバー異常時対応システム」は、ドライバーが走行中に気を失ってしまった場合、アラームが鳴り、外部にもハザードとクラクションで危険を知らせ、最終的には、完全停止まで行う

 いずれも体験させていただいたが、どの動作も至極なめらかな制御で、運転支援特有の怖さ(ハンドル取られやふらつき、車間が近いときの強め制動など)はみじんも感じられない。

 アイサイトXは、現時点で、最高品質の先進安全装備だといえる。しかも、このような先進装備を300万円台の量販車に採用したことに、大きな意味がある、と筆者は考える。

アイサイトXは「買い」のオプションか

 先進運転支援技術には、大きく分けて、頻繁に使う機能、緊急時にお世話になる機能の2通りある。前者は、アダプティブクルーズコントロールやレーンキープアシストなど、そして後者は、緊急時の自動ブレーキや警報などだ。

 頻繁に使う先進運転支援技術としては、アイサイトVer.3ツーリングアシストでは、全車速追従機能付きACCや、先行車追従操舵、車線中央維持をする機能、などだ。アイサイトXではそれらに、アクティブレーンチェンジアシスト、渋滞時ハンズオフ、渋滞時発進アシスト、カーブ前&料金所前での自動減速、などが搭載される。

カーブ前&料金所前での自動減速はなめらかに減速をするので安心だ 

 そして、緊急時の機能では、アイサイトVer.3ツーリングアシストでは、プリクラッシュセーフティや、歩行者衝突回避、後退時ブレーキアシストが備わっている。

 アイサイトXではさらに、プリクラッシュブレーキの作動範囲の拡大(広角カメラで視野が広がった)や、カメラで見えない前側方プリクラッシュブレーキ、プリクラッシュセーフティでは止まり切れない場合に操舵制御まで介入する緊急時プリクラッシュステアリングや、ドライバー異常時対応システムなどが搭載される。

緊急時のステアリング支援は、万が一の場合に、乗員の命を救ってくれる装置となるだろう

 正直なところ、普段運転するうえでは、ツーリングアシストがあれば十分だ。アイサイトVer.3ツーリングアシストの出来が素晴らしく、運転も楽になるし、追突する心配も無くなり、安心感が高い。しかも、高速道路を普段使わない方にとっては、その機能の半分は恩恵を受けられない。

 しかし、先進運転支援技術の本質は「運転が楽になる」ではなく、「事故を起こさない」ことにこそある。だからこそ、このアイサイトXは、300万円台の量産車に真っ先につけられたのだ。

自身の命を守るため、そして自らが加害者とならないため

 事故は、突然起きる。どんなに気をつけて運転していても、どれほど運転スキルがあっても、だ。自動車メーカーのテストドライバーだって公道で事故を起こすことはある。万が一のリスクを、限りなくゼロに近づけるため、お金で買える「安全」は、ぜひともつけるべきだ。

アイサイトXが付くEXグレードの価格は317万円(GT)~371万円(STI Sport) 装備内容を考えると「コスパが良い」としか言いようがない

 オプション価格で35万円は確かに高い。でも万が一、死角から飛び出した歩行者や自転車をはねたり、不注意でクルマをぶつけてしまった場合に、35万円程度で済むはずがない。お金では解決できないほどの懺悔と、一生の後悔を持ち続けることになる。

 究極のぶつからないクルマをめざし、事故を1件でも減らすため、スバルのエンジニア達が考えた、素晴らしい先進安全装備「アイサイトX」は、ぜひとも選択してもらいたいオプションだ。
ブログ一覧 | 富士重工 | 日記
Posted at 2020/09/24 22:11:26

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