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2020年10月12日

レーシングカーみたいにハンドル全然切らないようなクルマだったらハンドルについていても良いんだろうけど

レーシングカーみたいにハンドル全然切らないようなクルマだったらハンドルについていても良いんだろうけど いまや軽自動車にも採用される「パドルシフト」! 「一緒に回る」ステアリング側と「位置固定」のコラム側が混在するワケ

 自動変速ではモノ足らずに広がっていったシフトスイッチ

 いまやスポーティなモデルでは珍しくなくなった、パドルシフト。オートマティックトランスミッション(AT)やCVTなど、本来はギヤをシフトする必要がない変速装置に、あえてシフト感覚を取り入れたものだ。

 時代を振り返ると、1960年代は日本でもマニュアルトランスミッションが当たり前だった。それが70年代に入ると、自動車メーカー各社がトルクコンバーター方式の自動変速機を「トルコン」と呼び普及を急いだ。

 トルコン導入初期、筆者はまだ運転免許がない年齢だったが、我が家で購入したトルコン車について助手席や後席から「加速が甘い」などと勝手に評価していた。だが、母親は「毎日の運転がとても楽になった」と絶賛していたことを思い出す。

 その後、オートマティックトランスミッションは3速AT、4速AT、5速ATと徐々に多段化が進む。

 こうしたなかで、「ATでもシフトして走りを楽しみたい」というユーザーの声があり、まずはシフトレバーを動かすタイプのマニュアルシフトモードが登場する。

 次に、マニュアルシフトモードの操作を「ステアリングを握ったまま、手元でやりたい」という声が出始めたので、ステアリング周辺にシフトスイッチを配置するようになった。

 当初は、ステアリングの後ろ側に、シフトのアップ、ダウンをするボタン式スイッチがあるタイプが出回った。これはステアリング内部の小規模な改良で量産が可能であり、メーカーにとって開発費用も部品メーカーからの購買費用も比較的低く抑えることができた。

 レーシングカーからパドルシフトが普及していった

 一方、レーシングカーの分野では、Hパターン式のマニュアルシフト、次に前後方向に動かすシーケンシャルシフト、そしてステアリングの手元でシフトするパドルシフトへと、ギアシフト機構が進化していった。

 このパドルシフトを量産車でも味わいたい、というユーザーの声を受けて、スポーティなクーペ、セダン、またSUVでもパドルシフトの採用が進んだ。

 その上で、課題となったのはコストだ。

 本来、パドルシフトはステアリングを切った状態で、ステアリングから手を放さず素早くシフトするための装置なのだから、レーシングカーのようにステアリング一体式が望ましい。だが、近年の量産車のステアリングには、オーディオ操作や、予防安全技術に関する各種スイッチが備わるようになり、パドルシフト付けるとさらにステアリングの構造が複雑になってしまう。

 そこまでの導入コストが新車価格に反映されても需要がある、高級スポーツモデルでは、ステアリング一体式パドルシフトが採用されている。

 一方で、スポーティ感覚が加味するレベルのモデルでは、コスト削減の面、または商品性の面やインテリアデザインの面から、ステアリングコラム装着式パドルシフトが採用される傾向がある。



パドルシフトは2種類存在! ハンドルと一緒に回るのと回らないものがある理由とは

■2ペダル車でもMT感覚で積極的に変速できるパドルシフト

 スポーティに走るための装備として定番アイテムとなりつつあるのが、2ペダル車の「パドルシフト」だ。

 パドルシフトは、シフトノブではなく、ステアリングまわりに備えられたパドルのようなスイッチを操作することで、変速をおこなえるというもの。トランスミッションにATやセミAT、DCTやCVTを採用する、2ペダル車に搭載される。2ペダルでも、指先の操作だけでMTモデルのように積極的にシフト操作ができるため、とくにスポーツ派のドライバーには人気の高い装備だ。

 フェラーリやポルシェ、マクラーレン、ランボルギーニなど、本格的なスポーツモデルに搭載されるが、最近では軽自動車でも用意されるモデルもあるなど、パドルシフトは身近な存在になりつつある。

 ドライバーの右手と左手の部分にパドルがあり、そのほとんどが右手のパドルを手前に引くとシフトアップ、左手のパドルを引くとシフトダウンとなる。ほかにも右手、左手のどちらのパドルも奥に押すとシフトアップ、手前に引くとシフトダウンというタイプもあるが、最近ではあまり見かけなくなった。

 パドルシフトの発祥はモータースポーツにある。

 実際に試してみれば実感できると思うが、MTモデルでシフトノブを使って変速をおこなうと、操作時にステアリングは片手で保持することになる。

 コーナーリングの途中などで変速しようというのであれば、片手でステアリング、もう片方の手でシフトノブを操作しなければならない。しかし、パドルシフトがあれば、常にステアリングを両手で保持できる。この違いは大きい。つまり、ステアリング操作がより正確にできることで、コーナーリングがよりうまく走れることにつながるのだ。

 しかし、よくよく注意してみると、パドルシフトはすべて同じではなく、ステアリングに装着されているものと、コラム側に装着されているものの2種があることに気づくだろう。ステアリングに装着されているものは、当然だがステアリングを回せばパドルシフトも一緒に回る。対してコラム側に装着しているパドルシフトは、ステアリングを回しても常に同じ位置にある。この違いは大きい。

 この2種には、それぞれメリットとデメリットがある。そのため、どちらかに統一されずに、両方が存在しているのだ。

■日産「GT-R」は2017年モデルからステアリング側に変更された

 まず、ステアリング側に装着されているパドルシフトのメリットとデメリットは何か。

 メリットは、パドル自体を小さくできることだ。小ぶりなものでも操作性が悪くならない。また、半回転以下のステアリング操作、つまりステアリングを持ち替える必要のないくらいのコーナーならば、コーナリング中にそのまま変速操作ができる。これはサーキット走行などでは有効だ。

 では、デメリットはなにかといえば、半回転以上のステアリング操作をおこなってステアリングを持ち替えると、パドルの左右が分からなくなる。つまり、パドルでのシフト操作ができなくなるという問題がある。ジムカーナなど、大きくステアリングを切り、頻繁に持ち替えなければならない場合には、シフト操作は難しい。

 一方、コラム側にパドルが装着されていれば、どれだけステアリングをグルグル回してもパドルの位置は動かないので、わかりやすくパドルシフトが可能となる。

 ただしコラムからスイッチを伸ばすため、パドルのサイズはハンドル装着の場合よりも大振りになる。これはデメリットだ。

 さらに、左コーナーのときは右手がステアリングの頂点以上に切り込むと(右コーナーのときは左手が頂点以上)、どんなにパドルシフトが大きくても変速操作はできない。つまり右手は常にステアリングの右半分の180度の範囲内、左手は左半分のなかにあることが前提となる。

 逆にいえば、いわゆる「送りハンドル」と呼ばれる操作方法ならば、いかなる場合でも変速ができるということだ。このステアリング操作の場合、常に右手はステアリングの右半分、左手は左半分の位置にあるため、パドルの位置が動かないコラム側のパドルだと変速が可能なのだ。

 面白いのは、オープンホイールのフォーミュラのレーシングカーのほとんどが、ステアリング側のパドルシフトを採用しているのに対し、WRCなどのラリーカーはコラム側を採用することだ。

 フォーミュラの場合、ステアリング操作の角度は小さいというのも、ステアリング側にパドルシフトを装着する理由となるだろう。またドライバーが乗り降りするのにステアリングを外して、移動空間を作る必要がある。そのときにパドルシフトが残っては邪魔になるというのも理由だろう。

 逆にWRCなどのラリーカーは、ステアリングを常に大きくグルグルと回している。そこでパドルシフトができないというのでは、導入する意味がない。だからこそ、使うならコラム側のパドルシフトとなるのだろう。

※ ※ ※

 では、量産車は、どうなのだろうか。

 実際に採用されている車種を見てみると、どうやら日本車やドイツ車といった日本人にとって身近なクルマは、ステアリング側に装着する例が多いようだ。ただし、三菱ランサーエボリューションXなどはコラム側についている。日産GT-Rは、登場当時コラム側に付いていたが、2017年モデルからステアリング側にパドル位置を変更している。

 また、イタリア車やフランス車は、多くがコラム側に付いているようだ。

 しかし、考えてみれば、本来、量産車はコラム側のパドルシフトのほうがメリットは多いだろう。たとえサーキットを走ろうとも、量産車であればヘアピンなどでは半回転以上のステアリング操作が必要となる。フォーミュラとは違うのだ。また、乗り降りするときにステアリングを取り外す必要もない。

 しかし、現実を見ると、量産車に採用されているのはステアリング側のパドルシフトが多数派だ。これは、モータースポーツのイメージを反映させたいというのであれば、日本やドイツではWRCよりもF1の方が認知度は高い。

 つまり、パドルシフトは“F1と同じほうが好まれる”という判断が理由なのではないだろうか。また、コスト的にはステアリング側の方が有利そうだ。また、最近のクルマは、ステアリングにオーディオやADAS系の操作系スイッチを集中させていることが多い。それに合わせて、パドルシフトも同じステアリングに配置するということもあるのだろう。

 一方、実際にモータースポーツに利用するために、どうしてもコラム側にパドルシフトがないと困るというシーンがそれほど多いわけでもない。公道のワインディングを走る程度であれば、どちらにパドルシフトが付いていても問題が発生することは現実にはないのだ。

 イメージ、操作系の統一、コスト。そういった理由や都合が重なったのが、現状のステアリング側の優勢という理由ではないだろうか。
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Posted at 2020/10/12 20:48:10

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この記事へのコメント

2020年12月9日 7:38
初めまして。
私は、3代目デミオで時々スポーツ走行を楽しんでいます。
貴殿の分析、まったく同感です。
このクルマは、左右ともハンドル表面のスイッチを押してダウン、パドルでアップとなっていますので、比較的混乱は少なく、扱いやすく感じます。
とはいえ、送りハンドルを持ち替えしないスタイルに変えました。
コメントへの返答
2020年12月9日 17:11
コメントありがとうございます。
最近の発売車両は殆どがハンドルに固定されるタイプのものだと思います。
恐らくですが、ACCの普及で極力ハンドルから手を離させたくないメーカーの考えからの物と思います。
ただ、クルマの車速のコントロールはいつ何時減速しないといけないのにも関わらずブレーキペダルだけに頼るよりはパドルにてエンブレを有効に活用した方が賢明と私は判断いたします。

https://minkara.carview.co.jp/smart/userid/238718/car/1269566/10497221/parts.aspx
その為、コラムに固定するタイプに改造までしてしまいましたから。

そもそもパドルを使用しない客層等も車種によってはあるのかもしれませんが、出来る事なら決まった位置にパドルが欲しいと思います。

プロフィール

「[ハイタッチ!drive] ハイタッチ!drive
2025年05月03日09:03 - 20:32、
271.58km 9時間16分、
4ハイタッチ、バッジ97個を獲得、テリトリーポイント1000ptを獲得」
何シテル?   05/03 20:34
初めまして。 インプレッサG4に代替を致しました~ 自分色に染めて行こうと思います 燃費を気にする割にアクセル踏んじゃうんですよ~ バトンに関し...

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