2020年10月18日
トップエンドじゃないのがミソですよね
BMW 1シリーズに「ti」復活、265馬力ターボのFFスポーツ…欧州発表
BMW は10月7日、『1シリーズ』(BMW 1 Series)の新グレード、「128ti」を欧州で発表した。
◆最上位の「M135i xDrive」グレードの下に位置
現行1シリーズには、トップグレードとして、「M135i xDrive」グレードをラインナップしている。直噴2.0リットル直列4気筒ガソリンターボエンジンは、強化クランクドライブ、新設計のピストンとコンロッド、大容量ターボチャージャー、最適化された燃料噴射システムなどにより、最大出力306hp/4500~6250rpm、最大トルク45.9kgm/1750~5000rpmを獲得する。
トランスミッションは8速「ステップトロニック」、駆動方式は4WDの「xDrive」だ。M135i xDriveグレードは、ローンチコントロールとトルセンLSDが装備されており、0~100km/h加速4.8秒、最高速250km/h(リミッター作動)のパフォーマンスを発揮する。このM135i xDrive の下に位置する新たなスポーツグレードが、128ti だ。
◆BMWが1960年代から設定してきた「TI」の再来
BMWのラインナップに「ti」が設定されるのは、E46型『3シリーズ』のtiが生産を終えた2004年以来、16年ぶりとなる。もともとBMWは1960年代から、「TI」(Turismo Internazionale)グレードを、BMW『1800TI』や『2002TI』に設定してきた。その後、1994年には、E36型の3シリーズに、「ti コンパクト」を設定。3シリーズの一員でありながら、トランクを切り落とした3ドアハッチバックボディを備えており、BMWの入門モデルの役割を担っていた。なお、ドイツ本国では、このtiコンパクトに『M3」のストレート6を搭載した『M3コンパクト』も設定された。
BMWは2004年、初代『1シリーズ』を発表した。3シリーズのtiの後継モデルで、BMWの新たな入門モデルに位置付けられた。現行1シリーズは3世代目モデルで、2019年に欧州で発表されている。
◆0~100km/h加速は6.1秒
128tiには、新開発の直噴2.0リットル直列4気筒ガソリンターボエンジンを搭載する。このBMWの「ツインパワーターボ」テクノロジーを搭載した4気筒エンジンは、最大出力265hp/4750~6500rpm、最大トルク40.8kgm/1750~4500rpmを発生する。トランスミッションは8速「ステップトロニック・スポーツ」、駆動方式はFF。0~100km/h加速6.1秒、最高速250km/h(リミッター作動)のパフォーマンスを可能にしている。
128tiには、トルセンLSDが標準装備されており、フロントアクスルのトラクションが向上している。専用チューンされた「Mスポーツサスペンション」は、車高が10mmダウンし、俊敏性を高めるように設定された「BMWパフォーマンスコントロール」を備えている。さらに、ステアリングは正確なレスポンスを狙ってチューニングされており、ドライバーにダイレクトなレスポンスを提供するという。
強化スタビライザーベアリングと強化スタビライザーも採用した。M135i xDriveと同様に、ブレーキキャリパーは赤で塗装される。標準装備の「M スポーツブレーキ」は、高い制動力を発揮する。18インチのYスポーク「553M」ツートーンカラーホイールは、128ti専用だ。スポーツタイヤとして、ミシュラン『パイロットスポーツ4』が無償オプションで選択できる。なお128tiは、4WDのM135i xDriveよりも約80kg軽量だ。
◆スポーティな専用の内外装
128tiの外観は、「Mスポーツ」をベースに、専用カバー&トリムモールディング、サイドスカートトリムを装備した。リアタイヤの前には、赤い「ti」エンブレムを添えている。ボディカラーがメルボルンレッド、またはミサノブルーのメタリック塗装の場合、tiエンブレムはブラックとなる。
ドイツ本国仕様では、キドニーグリルとドアミラーカバーが、ブラックとなる。オプションの「BMWインディビジュアルライトシャドウライン」は、クロームトリムを廃して、ダークなエクステリアを演出する。
インテリアは、スポーツシートが標準だ。センターアームレストには、tiのロゴを刺繍する。ドアパネルやインストルメントパネルのコントラストステッチなどには、赤いアクセントが配された。Mスポーツステアリングホイールのステアリングホイールリムとエアバッグカバーにも、赤いステッチ加工が施されている。
BMWが本国で「128ti」を発表! 1990年代の3シリーズコンパクト「ti」グレードの復活なのか!?
2020年10月7日、BMW AGは128tiを発表。ドイツでの販売価格、そして2020年11月に発売することを公表した。E46型 3シリーズコンパクト以来16年振りに「ti」のグレード名が採用されたが、果たしてBMW 128tiは1990年代のE36型やE46型3シリーズコンパクトの再来なのか。
「ti」は歴史のあるグレード名
BMWはドイツ本国で、コンパクトハッチバックの1シリーズに新たなグレード「128ti」を発表した。グレード名の最後にある「ti」という名称は、2004年に生産終了したE46型3シリーズコンパクト以来、16年ぶりの採用となる。これは1800tiや2002tiなど、BMWの歴代モデルで幾度となく採用されてきたもので、新型128tiを語る前にまずは過去に遡ってみようと思う。
「ti」というグレード名が初めて採用されたのは1960年代初頭のこと。戦略のひとつとしてBMWのラインアップ拡充を図るなかで発表されたのが1500/1600/1800/2000で、ノイエ・クラッセとも呼ばれる現在の3シリーズの原点になった車種だ。
そのなかでも1800はソレックスキャブレターを1基搭載して最高出力90hpを発生、最高速は162km/hをマークしていた。そのハイパワー版として設定されていたのが「1800ti」だ。ソレックスサイドドラフトキャブレターを2機搭載して最高出力を110hpに高められ、最高速は175km/hに到達。1800tiの高性能ぶりは当時のヨーロッパ―ツーリングカー選手権で好成績を収めるほどで、BMW社は後に正式なホモロゲーションモデル1800ti/SAを発表していた。
その後もバリエーションとして2000tiや、ノイエ・クラッセの後継となる02(マルニ)シリーズでも高性能バージョンとして2002tiが設定されるなど、ハイパワーモデルとして展開されてきた。「ti」はBMW流「羊の皮を被った狼」に与えられるグレード名と捉えることができる。
その後の空白期間を置いて1990年代にデビューしたのがE36型と、2000年代のE46型3シリーズコンパクトだ。いずれもセダンモデルより全長を20cm強も短くしてトランク部を短縮、ハッチバック化して30~50kgほど軽量化したモデルだった。日本未導入ながら2.5L直6エンジン搭載車も存在し、コンパクトカー市場では珍しいFR駆動のハッチバックとして知られていた。
つまり、「1960年代のハイパワーなti」と「1990年代のコンパクトなボディのti」とで車両キャラクターは大きく異なるということだ。では新型の128tiはどちらのtiの意味を持っているのか、これについてBMWは公式に1990年代のtiの伝統を汲む車両として紹介している。しかし私は、ここに異論を唱えたい。
というのも、BMW流のスポーティさとは人馬一体感であり、大パワーエンジンを与えられたならそれに見合う足回りも必要で、「1960年代のti」はまさにここに当てはまる。一方の「1990年代のti」はコンパクトボディにそれ相応、もしくは少し大きな排気量のエンジンを搭載した標準車であった。
下で解説するが、新型128tiはエンジン・足回りともにスポーティに改良され、「1960年代のti」の流れを汲むモデルではないかと推察できるのだ。
BMW 128tiはFFのMパフォーマンスモデルとも言える内容
では、以上を踏まえた上で、新型を見てこう。BMW 128tiはコンパクトスポーツ派やハッチバック派には魅力的なモデルだ。シルエットは118i Mスポーツと同様だが、フロントバンパーに設置されたエアインテークとリアバンパーのエアアウトレット内側、サイドエアダム、それにブレーキキャリパーが専用アイテムとなり、赤く塗装されている。
BMWのブランドアイコンであるキドニーグリルはFFの1シリーズと同様のデザインだが、縁取りがクロームメッキではなくハイグロスブラック塗装が施されていて、ただ者ではない雰囲気を醸し出している。ボディサイドにはグレードを表すデカールが貼られているが、もちろん採用しないバージョンも選択できる。
駆動方式はFFのみで、コーナリング時の車両姿勢制御に優れるトルセンLSDを組み込み、FFコンパクトスポーツならではの軽快なドライビングプレジャーを追求している。エンジンは可変バルブ付きの2L直4 DOHCにツインパワーターボを装着。「直噴」と「可変バルブ」のふたつの機構を採用して「ツインパワーターボ」を名乗り、決してタービンを2機設置したツインターボではない。最高出力は265hp/4750-6500rpm、最大トルクは400Nm/1750-4500rpmを発揮する。
トランスミッションにステップトロニック付き8速ATを与えられ、サスペンションはMスポーツのものに専用チューンを施し10mmローダウン。ブレーキはフロント/リアともにBMW M社製ベンチレーテッドディスク式を装備され、フロントは4ピストン式となる。
内装は118iと大まかなデザインに変更なく、室内色はブラック基調だ。そこにアームレスト、ドアトリム、ステアリングなど随所に赤いスティッチが施され、アームレストに赤い「ti」のロゴも刺繍されている。シートはスポーツシートで、色は同じく赤いアクセントを与えられたブラック。黒い内装に赤いアクセントとは古典的なスポーツイメージの演出だが、定番の取り合わせだけあってカッコいい。
BMW 128tiはドイツ本国で、2020年11月より販売される予定だ。価格は約4万1575ユーロ(付加価値税16%込み)というから、円換算すると約520万円となる。これはつまり118i MスポーツとM135i xDriveのほぼ中間にあたる。日本導入はまだアナウンスされていないが、BMWファンならずとも日本でも注目を浴びる1台ではないだろうか。(文:猪俣義久)
BMW 128ti 主要諸元(欧州仕様値)
●全長×全幅×全高:4319×1799×1434mm
●ホイールベース:2670mm
●車両重量:1445kg
●エンジン:直4 DOHCターボ
●排気量:1998cc
●最高出力:265hp/4750-6500rpm
●最大トルク:400Nm/1750-4500rpm
●トランスミッション:8速AT
●駆動方式:FF
●タイヤサイズ:225/40R18
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Posted at
2020/10/18 21:02:47
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