2020年12月06日
クランクとかまで改めているとは…流石としか言いようがないですよ
AMG GT ブラックシリーズがニュル市販車記録を更新! ランボルギーニから最速の称号を奪取 【動画】
Mercedes-AMG GT Black Series
メルセデス AMG GT ブラックシリーズ
アヴェンタドールの記録を凌駕
メルセデス・ベンツは「AMG GT ブラックシリーズ」がニュルブルクリンク ノルトシュライフェ(北コース)で市販スポーツカー部門の記録を更新した、と発表。計測日は2020年11月4日で、6分43秒616を叩き出した(20.6kmコース。20.832kmコースは6分48秒047)。ランボルギーニ アヴェンタドール SVJが保持していた記録から1秒354上回り、市販車最速の称号を手に入れた。
タイムアタッカーを務めたのは、GT3レーサーのマロ・エンゲル。計測開始は夕方の5時2分であたりはすでに薄暗く、外気温が7度、路面温度は7度、コースの一部は完全ドライとはいえず、決して理想的なコンディションとはいえない状況だったという。
AMG史上最強のV8エンジンを搭載
AMG GT ブラックシリーズは最高出力537kW(730ps)、最大トルクは800Nmという、メルセデスAMG史上最もパワフルなV8エンジンを積む。その獰猛な怪力を最大限引き出すべく、モータースポーツ由来のエアロパーツや、サーキット走行を見据えた数々の機能を採り入れている。
タイムアタック車は、基本的には市販車と同じ装備一式をまとう。“ソフト コンパウンド”のミシュラン パイロット スポーツ カップ 2 R MO(MOはメルセデス・ベンツの承認タイヤ)を装着。AMG GTシリーズのためにミシュランが専用開発したタイヤで、市販モデルに標準装備されているものと同一だという。
安全性を最大限確保するべく、AMGセラミックコンポジットブレーキシステムをはじめ、ロールオーバープロテクション機能や4点式ハーネスなどを備える「トラックパッケージ」で武装した。
タイムアタック時のセッティングは
AMG GT ブラックシリーズは走行シーンに応じて最適な空力性能を確保できるよう、可動式のエアロパーツを随所に備えている。今回のタイムアタックに際しては、カーボンファイバー製のフロントスプリッターは“レース”ポジションへ、リヤのウイングブレードはミドルポジションにセット。
サスペンションはフロントを5mm、リヤを3mmローダウンして、フロントディフューザーと合わせてベンチュリー効果を最大限に高めた。また、3段階調整式のスタビライザーは最もハードなセッティングとし、さらに、フロントに3.8度、リヤには3度のネガティブキャンバーを与えている。
ESPオフ時に起動する「AMG トラクションコントロール」は9段階で後輪のスリップ量を調整できるが、エンゲルはコースのセクションに合わせて「6」と「7」を使い分けたという。
「僕のGT3マシンより速い」
タイムアタックを終えたエンゲルは、次のように語った。
「本当に素晴らしい走りでした。ケッセルへンではほとんど270km/hに達し、長い長いドデッティンガーへーエのストレートでは300km/hを優に超していました。AMG GT ブラックシリーズは僕のGT3マシンより明らかに速いですね」
「このようなコースコンディションでありながら、市販車でノルトシュライフェを6分48秒047でラップできるなんて本当にスゴイことです。GT3マシンのように、AMG GT ブラックシリーズは幅広い調整が可能なので、自分にもっとも最適なセッティングを選ぶことができました」
アファルターバッハの開発スキルに脱帽
さらにエンゲルは続ける。
「ダウンフォースも絶品で、限界領域でも自信をもって信頼してドライブすることができました。アファルターバッハの開発陣にはまったく脱帽ですよ。この偉大なラップタイムを通して、素晴らしい開発スキルを証明できたことを大変喜ばしく思っています」
AMG GT ブラックシリーズによるニュルアタックの様子は、公式YouTube上で公開中。時速311kmを示すロングストレートや、高速コーナリングでの縁石を駆け抜ける衝撃、轟々と響く風切り音など、6分強のムービーは迫力満点。必見である。
【サーキット試乗】「メルセデスAMG GTブラックシリーズ」武闘派メルセデスをトラックテスト。公道も走れるレーシングマシン
ブラックシリーズとは、AMGがプロデュースするサーキット向けのハイフォーマンスバージョン。これまで2006年に登場したSLK55AMGから2013年のSLS AMGまで計5台が登場してきたが、今回は約7年振りにトップモデルのAMG GTにその名が冠された。試乗の舞台はドイツのラウジッツリンク、ユーロスピードウェイだ。
AMGだからこそ作れる究極のロードカー
ピットロードに現れたGTブラックシリーズは、眩いほどのマグマオレンジに身を包み、随所にブラックのカーボンパーツが散りばめられていた。最も目立つのはリアエンドにそびえ立つ巨大なウィングで、250km/hでのダウンフォースは400kg、325km/hのトップスピードではなんと2倍の800kgを発生し、ボディを路面に押し付ける。
エンジンのベースは標準のGTと同じ4L V8ツインターボだが、ターボチャージャーやスポーツカムシャフト、クランク、エキゾーストシステム、さらにはクーリングなど、ほぼすべてのパーツは専用設計で、その実体まさにレーシングユニットさながら。最高出力は730ps/6700rpm、最大トルクは800Nm/2000-6000rpmを発生させる。この結果、7速DCTを介してのダイナミック性能は0→100km/h加速が3.2秒、最高速度は325km/hと発表される。ちなみに、車両重量は1540kgだ。
ヘルメットのサイズをチェックしている間に、メカニックたちがエアスプリッターやウィングの調整、さらにはミシュラン・パイロットスポーツ・カップ2Rの温度もチェックしてくれる。まるでレーシングドライバー並みのホスピタリティ? である。
シートは完璧なサポート性を持つフルバケットで、サーキット走行では必須の4点式シートベルトを装備。ちなみに、この仕様は助手席とのオプションで7540ユーロ(約95万円)のエクストラとなる。ただし、ドア内張りをはじめキャビン内のトリム類はすべてアルカンターラで覆われており、スパルタン一辺倒のレーシングマシンとは異なる一面も確認できる。
ペースカーに先導されてコースイン。2周目から徐々にスピードを上げてコーナーに進入するが、スピードメーターを見ると通常の走行時よりも明らかに速い。一瞬躊躇しブレーキングが遅れたにも関わらず、コントローラブルかつ巨大な減速Gを発生させるカーボンセラミックブレーキのおかげで、ニュートラルな姿勢を大きく変えることなくクリア。サスペンションもまさにレーシングマシンのそれで、調整式ダンパーユニットのほか、すべての軸受はピロボールで、ステアリングはヒリヒリするほどシャープながら、路面からのインフォメーションはしっかりと伝わってくる。驚くべきはミシュランのウルトラハイグリップで、コーナー、そしてストレートでも狙った通りのラインを寸分違わず踏んでいける。
入念なセッティングを施してくださったAMGのメカニックには申し訳ない気持ちでいっぱいだが、今回の数周ではブラックシリーズ本来のパフォーマンスの半分すら引き出すことができなかったというのが本音だ。しかし、最新GT3マシンの実力の片鱗に触れることができたのは大きな成果だった。と同時に、これを究極のロードカーに仕立てたAMGの技術力にもあらためて感服した次第だ。
AMG GTブラックシリーズの価格は、ドイツの19%付加価値税込みで33万5240ユーロ(約4200万円)。嬉しいニュースは、このブラックシリーズは限定生産ではなく、カスタマーからのニーズが終了するまで販売が継続されるということ。ただし、日本市場ではホモロゲーションの関係で、やはり限られた販売台数になってしまうかも知れないが……。
【SPECIFICATION】MERCEDES-AMG GT BLACK SERIES/メルセデスAMG GTブラックシリーズ
■ホイールベース=2630mm
■車両重量=1540kg
■エンジン型式/種類=M178LS2/V8DOHC32V+ツインターボ
■内径×行程=83.0×92.0mm
■総排気量=3982cc
■最高出力=730ps(537kW)/6700-6900rpm
■最大トルク=800Nm(81.6kg-m)/2000-6000rpm
■トランスミッション形式=7速DCT
■サスペンション形式=前ダブルウィッシュボーン/コイル、後ダブルウィッシュボーン/コイル
■ブレーキ=前後Vディスク
■タイヤ=前285/35ZR19(10J)、後335 / 30ZR20(12J)
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メルセデスベンツ | 日記
Posted at
2020/12/06 15:56:04
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