2021年02月12日
もう300馬力オーバーの純然たるガソリンエンジン車は出せないんじゃないか〜今のスバルじゃ…日本以外ならありえるって事?それとも??
次期型開発中は間違いなし! スバル スポーツセダンの雄「WRX」はどうなるか!?
北米では2021年モデルが発売された『WRX』だが、ベストカーのスクープ情報では2021年夏に『WRX S4』が、遅れて『WRX STI』がフルモデルチェンジを果たすと予想している。
現在スバルが持っているリソースから考えると、次のフルモデルチェンジでどのように変わりそうかや、次期WRXに求められる立ち位置とは何かについて語っていきたい。
文/渡辺陽一郎
写真/SUBARU、編集部
【画像ギャラリー】伝統の走りは継承!スバルWRX 次期型の気になる全貌をチェック!
■すでに新車では手に入らないWRX STI & WRX S4
運転する楽しさと4名乗車の可能な実用性を併せ持つスポーツセダンは、大人のクルマ好きにとって魅力的な存在だ。ファミリーでも使えて、クーペとは違う落ち着いた雰囲気も備える。高性能をひけらかさない控え目な性格も、スポーツセダンの特徴だろう。
このようなスポーツセダンの中心的な存在がスバル『WRX』だ。6速MTを搭載する『WRX STI』は2019年に生産を終えており、販売店によると「CVT(無段変速AT)を組み合わせた『WRX S4』も、2021年1月下旬に受注を終了した。少数の在庫車は残るが、基本的にSTI、S4ともに今は新車では購入できない」という。
WRX STI FJ20 ファイナルエディション。スバルのスポーツモデルを支えてきた名エンジンFJ20も惜しまれつつ2019年に生産を終了。純粋なスポーツエンジンが生き残る事が困難な時代となった
■次期型WRXは走りの骨格をレヴォーグと共通化へ
そこで気になるのが次期型の情報だ。従来型を販売している時は、買い控えに繋がるから次期型の情報を伝えたがらないが、生産を終了したなら話は変わる。買い控えの心配もないから教えてくれるだろう。
そこで販売店に尋ねると「今のところメーカーから次期型の情報は来ていない。車両の内容やフルモデルチェンジする時期も不明だ。WRXのお客様からは、次期型について質問を受けるが、返答できないのは申し訳ない」という。ベストカーの把握する情報では、S4は2021年夏、STIは2022年前半に登場する。
スバルは車種の数が少なく、共通化によってコストを抑える必要もある。WRXのために、専用のプラットフォームを用意することは考えにくい。そこで次期WRXは、現行インプレッサから採用が開始された新しいスバルグローバルプラットフォームを使い、2020年に発売されたワゴンの『レヴォーグ』と同様、フルインナーフレーム構造も採用する。構造用接着剤なども併用して、ボディ剛性を向上させながら、車両重量の増加を抑える。
2020-2021日本カー・オブ・ザイヤーを受賞したレヴォーグ。新型WRXはこのレヴォーグとプラットフォームをベースにボディ 剛性のUP、更に新エンジン搭載による走りの進化に期待大!
実際にレヴォーグは、走行安定性と乗り心地のバランスが優れている。次期WRXにも同様の設計を施すことで、走行性能を進化させるだろう。
そしてWRXはセダンだから、後席とトランクスペースの間には、骨格と隔壁が設けられている。ワゴンのレヴォーグと違って、開口部の大きなリヤゲートは装着されない。レヴォーグ以上にボディ剛性を高めやすく、さまざまな条件下で、サスペンションを正確に作動させる。
つまり現時点で次期WRXの走行安定性、操舵感、乗り心地を知りたければ、レヴォーグSTIを試乗するといいだろう。車両の走行性能に関する考え方を含めて、次期WRXの運転感覚は、レヴォーグの延長線上にあるからだ。
走りの基本的な方向性は共通で、ボディや足まわりの剛性と熟成度を高めることで、走行性能をさらに引き上げたのが次期WRXになる。具体的には、ステアリングを操作した時の車両の正確な反応、峠道などでの曲がりやすさ、危険を避ける時の後輪の接地性などを向上させる。それがCVTを使う『WRX S4』の運転感覚だ。
■注目のパワーユニットは水平対向ながら2.4Lに拡大
『WRX STI』は、従来型と同じく6速MT専用になる可能性が高い。モータースポーツのベース車両という位置付けもあるから、足まわりも強化される。S4のスポーツ指向をさらに強める。
ちなみに従来型のエンジンは、水平対向4気筒2Lターボであった。WRX S4は設計が比較的新しいFA20型、STIは以前から採用されてきたEJ20型だ。開発者に2種類のエンジンを使い分ける理由を尋ねると「STIにはモータースポーツの使用も含めて、チューニングを行うお客様が多い。この時に新しいFA20型では、従来のチューニングパーツを使えなくなったり作業の仕方が変わってしまう。そこでSTIには、あえて従来型のEJ20型を搭載した」と説明された。
そして次期型では、エンジンを全面的に刷新する。2020年11月に北米で発表された次期BRZの水平対向4気筒2.4Lをベースに、ターボを装着する。
このエンジンはFA20型の排気量を拡大したFA24型とされ、S4はターボの装着により、最高出力を290ps、最大トルクは42kgm前後となりそうだ。現行型は300ps/40.8kgmだから性能の数値に大差はない。排気量の拡大で従来の性能を確保しながら、効率を向上させることで、燃費規制も視野に入れて燃料消費量を抑えることになりそうだ。
次期WRX S4は2.4Lターボ車となる模様。最高出力290ps最大トルク42kgm前後と現行型とほぼ同スペックながら、燃費を改善するなど環境性能を向上させる。トランスミッションはCVTだ
一方、スポーツ指向の強いSTIは、FA24型をベースにしながらピストンやコンロッドなどを変更する。エンジン型式はFA24型でも、中身は大幅に異なる。従来のSTIも、高強度鋳造ピストン、強化エンジンマウント、大型インタークーラーなどの採用でチューニングのニーズに対応しており、次期型ではこの特徴をさらに強めるだろう。
従って次期WRX STIは、動力性能の向上率が大きい。最高出力は400ps、最大トルクは50kgm前後に到達しそうだ。従来型の308ps/43.0kgmに比べると、大幅にパワーアップとなる。
次期WRX STI予想CG。エンジンは 名機EJ20搭載の現行型とは異なり、S4と共通のFA24型を搭載するが、中身はモータースポーツでの活躍を前提とした全くの別物。驚異的な動力性能を獲得する!
従来型もCVTを搭載するS4は一般ユーザー向け、6速MTのSTIはモータースポーツにも適した高性能モデルという位置付けだったが、動力性能の数値に大差はなかった。そこを次期型は、STIを400ps/50kgmまで高めることで、S4との違いを明確にする。
■ライバルは高額車ばかり! 高性能ながらお手頃価格のWRXへの期待
ここまで性能が高まると、走行安定性も向上させねばならない。STIはS4をベースにしながら、ボディやサスペンションにも手を加えて走りのバランスを整える。
レヴォーグSTIに採用されたのと同様の電子制御式ショックアブソーバーも装着する。走行状態に応じてショックアブソーバーの減衰力が最適に調節され、なおかつドライブモードの切り替えにより3段階の設定を選べる。これをWRX用にアレンジする。
次期WRXのボディサイズと運転のしやすさは、従来型やレヴォーグに準じる。全長4650×全幅1805×全高1450mm前後だ。ホイールベース(前輪と後輪の間隔)はレヴォーグと同じ2670mmで、従来型に比べると20mm長くなる。
スポーツ専用モデルにありがちな極端な幅広ボディとはならず、レヴォーグと同様に日本の道路事情にマッチしたボディサイズになりそうだ。この凝縮感のあるフォルムにグッとくる
ホンダ『シビックタイプR』(すでに販売は終了している)のボディサイズは、4560×1875×1435mmで、ホイールベースは2700mmだ。似かよった大きさだが、WRXは全幅を抑えることで、混雑した街中や狭く曲がりくねった峠道での扱いやすさに配慮する。WRXの適度な大きさは、国内向けのワゴンとされるレヴォーグをベースに開発した効果でもあるだろう。
このほかの日産『GT-R』、ホンダ『NSX』、トヨタ『スープラRZ』、レクサス『RC F』といった高性能モデルは、いずれもボディが全般的に大きく、価格は700~1000万円に達する。
その点でWRXは、高性能なエンジンと4WDシステムを搭載しながら、ボディサイズや価格が適度で高性能車の中では購入しやすい。次期型はSTIでもアイサイトを選べるようになり、S4についてはアイサイトXも採用する。日本のユーザーに向けた配慮の厚い高性能車だ。
価格はS4の場合、安全装備や運転支援機能を充実させた仕様が450万円位になる。STIは高性能化も著しく、前述の通りメカニズムも上級化するから500万円前後だ。それでも700~1000万円というほかの高性能車に比べれば割安になる。最も価格の近い高性能車は、シビックタイプRで価格は475万2000円だ。
WRXは日本の使用環境に適した高性能車で、S4とSTIを用意することにより、モータースポーツまで含めた幅広いニーズに対応している。特にS4は走行安定性と併せて乗り心地にも配慮するから、日常的な移動にも使いやすい。
そして高い動力性能に対応した優れた走行安定性により、WRXなら高速道路上でトラブルに見舞われた時でも、急ブレーキを作動させながらステアリング操作で危険を避ける操作を的確に行える。
高性能なスポーツセダンであると同時に、進化したアイサイトとの相乗効果で、安全性の優れたクルマとしても注目される。高速道路を頻繁に使う場合、運転の楽しさよりも安全性の向上を目的に、WRXを購入する方法もあるだろう。
WRXは発売が待ち遠しいクルマだ。スバルはせめて、今後の発売スケジュールを明らかにして欲しい。そうしないとユーザーは、欲しくても購入に向けた計画を立てられない。
ハイレベルな動力性能と安全性の高さも両立するモデルとなりそうだ。現在のところスバルから発売時期のアナウンスは無い。が、全国のスバルファンがその登場を待ちに待っている!
いよいよ来るぞ新型WRX STI!!! スバルの2022年を追う
昨秋からのラインナップ一新を経て、レヴォーグ発売、BRZの世界初公開(北米)と、怒涛の新型ラッシュが続くスバル。
今年(2021年)もその勢いは衰えず。WRX S4、レガシィアウトバック、さらにはSUVクーペ「アドレナリン」と、ファンにとって楽しみなモデルが続く。
そして2022年、いよいよ復活すると目されているのがWRX STIだ。インプレッサとともに最新情報をお届けする!
●スバル2021年のラインナップ
・BRZ(7月)
・WRX S4(8月)
・レガシィアウトバック(10月)
・アドレナリン(12月)
【画像ギャラリー】2022年登場! スバル WRX STIとインプレッサ 予想CGと最終仕様・現行型を比較!
※本稿は2021年1月のものです
文・予想CG/ベストカー編集部、写真/SUBARU、ベストカー編集部
初出:『ベストカー』 2021年2月10日号
■2.4Lターボ搭載! 出力は400ps級!!! 新型WRX STI(2022年3月デビュー)
堅牢で耐久性に優れた名機・EJ20型エンジンの生産終了により、現在スバルのラインナップから姿を消しているWRX STIが、来春に復活する。
新型はプラットフォームがSGP(スバル・グローバル・プラットフォーム)になり、さらにレヴォーグで高い評価を得ているフルインナーフレーム構造も採用。
大幅に高められたボディ剛性による走りの質感向上が期待される。
今夏(2021年)登場のWRX S4のデザインを踏襲するが、大型リアウイングの装着で差別化を図る(画像はベストカー編集部による予想CG)
その新たなボディに搭載されるエンジンは、北米で販売されるSUV、アセントが積むFA24型2.4L直噴ターボ。
このエンジンは今夏にデビューする新型WRX S4にも採用されるものだが、S4が290ps程度の出力に抑えられるのに対し、STIは高度な専用チューニングにより400ps/50.0kgm級のパフォーマンスを目指して鋭意開発中だという。
400ps/50.0kgm級の4WDとなればトータルの戦闘力は圧倒的に高くなるだろう
これは新型WRX STIが、421ps/51.0kgmの出力を発生する、最強の2Lターボ搭載車・メルセデスAMG A45S 4MATIC+を開発ターゲットとしているからであるが、この強敵にWRX STIがどこまで迫れるか注目される。
トランスミッションの設定は6速MTのみになる予定。メルセデスAMG A45Sのミッションは8速DCTであり、このあたりにメーカーごとのスポーツに対する考え方の違いが見られるようで面白い。
予想価格は450万~550万円。内容を考えれば、正直バーゲンプライスだ。
ヘッドライトと共通イメージとされたリアコンビランプが目立つ。リアはエッジが強調され、精悍な印象だ(画像はベストカー編集部による予想CG)
■1.5Lターボの設定に期待! 新型インプレッサ(2022年11月デビュー)
スバルが誇るベーシックモデル、インプレッサのフルモデルチェンジが2022年11月に行われる。
6代目となる新型も現行型同様、ハッチバックの「スポーツ」、セダンの「G4」が用意され、駆動方式はFFを基本としながらも、グレードによっては4WDを設定。ミッションはリニアトロニックCVTとなる。
新型インプレッサ。トルクで有利な1.5Lターボに期待したいところだ(画像はベストカー編集部による予想CG)
搭載エンジンも現行型同様、1.6Lと2L、2種の水平対向4気筒エンジンが想定されているが、ダウンサイジングの理念で作られた新開発の1.5Lターボに置き換えられる可能性もある。
ベストカー的には、この新開発ターボエンジンに期待したい。
また現代のクルマに欠かせない予防安全性能も、レヴォーグに初搭載された「アイサイトX」が選択できるグレードが用意されるなど、抜かりなく進歩。
新型インプレッサは、スバルらしい爽快な走りと堅実な作り、そして優れた先進安全技術が魅力の一台となる。
アイサイトX搭載グレードは、レヴォーグ同様タテ型モニターが目立つコックピットとなるだろう(画像はベストカー編集部による予想CG)
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富士重工 | 日記
Posted at
2021/02/12 22:52:33
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