2021年02月21日
氷上は走ったけど雪上は今季走ってないな〜どれくらい現行車は良いのかな
スバル「XV」は雪道も楽しい! AWDとe-BOXERが生み出す安心感の秘密とは
■XVの最新モデルの性能を雪道で試す!
SGP(スバルグローバルプラットフォーム)を武器に2016年に登場した5代目「インプレッサ」ですが、それをベースにしたクロスオーバーSUVの「XV」は、いまではインプレッサシリーズ」をけん引する存在となっています。
オンロードでは「目線の高いインプレッサ」、オフロードでは「下手なクロカンSUVを超える」というオールラウンダーな性能が高く評価されているというわけです。
今回、そんなXVを新型「レヴォーグ」と共に雪道へと連れ出しました。
XVは2020年10月に改良を受け、よりスタイリッシュな内外装にアップデートされています。
とくにエクステリアは「XVらしさ」をより際立たせたデザインを採用。雪道のようなシーンでは、むしろ新型レヴォーグよりも頼もしい印象さえ感じます。
インテリアは新型レヴォーグと比べると時代を感じますが、質感もまずまずで落ち着いた空間に仕上がっています。
ラゲッジスペースもハッチバックとしては十分以上で、後席を畳むことなくカメラマンの機材と荷物をシッカリと飲み込みました。
新型に搭載されるパワートレインは、2リッター直噴エンジンにモーターを組み合わせた「e-BOXER」ですが、モーターアシストに粘りが増したのと、改良モデルでは「アクティブシフトコントロール」を追加しています。
アクティブシフトコントロールはアクセルOFF時にエンジン回転数を高い領域にキープする制御でオンロードではスポーティな走りに寄与しますが、雪道ではアクセルOFF時にクルマの安定性をより高める効果を実感。
オンロードよりも雪道のような低μ路のほうが電動化の恩恵を受け、応答性の良さによるアクセルコントロールのしやすさに効いているように感じました。
ただ、「乗りやすさ」という観点で見ると、個人的にはエンジン特性は電動ターボのようなアシストをおこなう「Sモード」、トランスミッション特性は「Iモード」の組み合わせが欲しいと感じました。
XVの燃費性能は、高速道路/一般道ともに、新型レヴォーグの1.8リッターターボ(CB18)を上回る値でしたが、電動パワートレインとしては「素晴らしい!」というレベルではないので、もう少し頑張って欲しいところです。
燃費規制のことも考えると、将来的にはPHV(北米専売の「クロストレックハイブリッド」)の技術を用いた「ストロングハイブリッド(トヨタTHS・II採用)」の投入も必要でしょう。
■200mmの最低地上高により深い雪でも安心して走れる
XVのフットワークは、SUVらしいしなやかさとスポーティさを両立。サスペンションのアップデートもあわせておこなわれています。
従来モデルのe-BOXER搭載車は、バッテリーによる重量増の影響から、クルマの動きはガソリン車に対して重厚かつ穏やかでした。
しかし新型モデルはバッテリーの搭載を感じさせない軽快なクルマの動きと従来モデル以上に質の高い乗り心地をともに実現。この辺りは、新型レヴォーグ開発での知見がXVにもフィードバックされているのでしょう。
さらにXVには200mmの最低地上高という武器があります。深い新雪や轍のある路面だと新型レヴォーグでは躊躇しますが、XVだと躊躇なく入っていけるのです。
これも雪道における安心性能のひとつですが、そう考えると「新型レヴォーグにクロスオーバー仕様があったら最強」だと考えるのは、筆者(山本シンヤ)だけではないはずです。
また、XVには悪路走破性を高める「X-MODE」が装着されていますが、今回はお役立ちシーンはありませんでした。逆をいえば、雪道での日常走行ではノーマルモードで事足りるということです。
ちなみにフラットな圧雪路の広場で少し派手は走りを試してみましたが、新型レヴォーグと車両重量はそれほど変わらないにも関わらず、XVは軽快なクルマの動きと基本的に安定方向のAWDシステム(ACT-4)を搭載しながらも振り回せる自在性を持っていることがわかりました。
「どちらが愉しい?」と聞かれたら、この部分に関してはXVに軍配を上げたいと思います。
ただ逆をいえば、安定性は新型レヴォーグのほうが高いことも事実で、この辺りはXVのプラットフォームの素性や最低地上高から来る重心の高さ(バッテリー搭載で低くはなっていますが)などが影響しているといえそうです。
XVの運転支援システムは「アイサイト・ツーリングアシスト」です。新型レヴォーグの「アイサイトX」を体感してしまうと物足りなさを感じてしまいますが、単体で見ると他社のそれよりも圧倒的な信頼性と正確性を持っています。
すべてが刷新された新型レヴォーグと比べてしまうとXVはバツが悪いかなと想像していましたが、ステアリングを握って一安心。
XVならではの個性やポイントなどは新型レヴォーグ相手でも決して負けていないことを改めて実感しました。
最新のXVはまさに「熟成」といった仕上がりで、見た目はもちろん走りも「XVらしさ」がより色濃くなっていると思います。
実はシェアもかなり高い!? なぜ雪国にスバルが多いのか
スキーやスノーボード、旅行で雪国を訪れ、スバル車の多さに驚いた。そんな方も少なくないだろう。地元の方々にはおなじみながら、実際に雪国におけるスバル車のシェアは高い。
スバル広報部によると、2020年の全国におけるスバル車のシェアは3.4%。いっぽう北海道で4.5%、東北では4.0%と、全国平均に比べて雪国でのスバル率は明らかに高い。
では、実際にスバル車のどのような部分が雪国での支持に繋がってるのか? 本稿では、現役ラリードライバーで2020年の全日本ラリー選手権チャンピオン、新井大輝選手が、その理由を解説します。
文/新井大輝 写真/SUBARU、編集部
【画像ギャラリー】雪国で熱い支持を得る「四駆のスバル」を写真で見る!!
■実は東北電力の依頼が端緒!? 「スバルの四駆」の原点
黎明期4WDの名車、スバル レオーネ。スバルのAWDの歴史は豪雪地・東北からの依頼に始まった!?
なぜ雪国にスバル車が多いのでしょうか? それはスバルが長年開発してきたAWD(四輪駆動)システムを探究し続けた結果にほかなりません。
スバルのAWD技術が一番はじめに産声を上げたのは1970年代。山岳部の積雪地域でも走破性と快適性を両立させる車を作ってほしいという東北電力からの依頼がAWD誕生のきっかけになったと言われています。
「東北」、「山岳」、「積雪」。この3つのワードを聞いてすぐに頭の中でイメージできるのは豪雪地帯です。日本特有の湿った雪は10cm積もるだけで二輪駆動車でも容易にスタックするほどの重みがあります。
それが一晩に30cm以上積もる山岳地域は、さらに車が走破するには厳しい環境で、スタックしていたらあっという間に仕事もできずに1日が終わってしまいます。
その当時はジープなどのハイリフトされた車両が四輪駆動のスタンダードであり、幌製のルーフなどでは極寒の地域で車内を温めることは容易ではなかったと想像できます。
そこで当時のスバルはこの依頼に応えるためにFF(=前輪駆動)車両の1000バンをベースに改良を加えて四輪駆動にしました。
のちに『誉エンジン』(中島飛行機と日本海軍が発明したレシプロエンジン)などの開発したことで有名な百瀬晋六さんが設計統括をしていたff-1へ、このAWD技術が受け継がれていくことになります。
実際に、北欧や北米でも雪が多く降る地域へ行けば行くほどAWDのスバル車を目にすることが多くなります。
私も北欧に住んでいましたが、路面グリップの低い積雪路面においてスバルが長年培ってきたAWD技術は、安全運転をするうえでの技術として目を見張るものがあることは事実です。北欧の友人に聞いても、スバル車に乗っておけば間違いないと言っていました。
■雪道に強いのは四輪駆動だからという理由だけではない?
インプレッサWRX STI。DCCDによって制御される4WDによって雪道でも抜群の安定感を生んでいる
スバルが長年にわたり商品の主要ポイントとして謳ってきたものは、一重に四輪駆動だからという簡単な言葉だけでは表現しきれないのかもしれません。
四輪駆動とは4つのタイヤへ駆動が掛かることで前に進もうとする推進力(トラクション)を得られます。
直線的な道であれば駆動輪の回転差は生まれませんが、ハンドルを切って曲がるようなコーナーでは常に左右や前後でタイヤの回転差が生じます。“車輪の回転差が生まれる”ことを制御することで、車は安定したハンドリングを実現できるのです。
ドライバーズ・コントロール・センター・デフ(DCCD)も、正にその一端を担っており、機械式のLSD(リミテッド・スリップ・デフ)とは違い、ステアリングやブレーキ、車速に応じて四輪駆動の前後の締結を調整し、トルク配分を電気制御で行うことで安定化制御を可能にしています。
路面グリップがない雪ではこの制御の有無で天と地ほど安定感が変わってきます。2008年以降からはオートDCCDも更に制御が細かくなり、3種類が存在しているので、このことからも車両安定化システムの進化を感じることができますね。
■世界の舞台で培ったノウハウも「スバルが雪に強い」大きな要因に
写真は1995年のチャンピオンマシンとなったインプレッサWRC。改造範囲の狭いグループA規定のもと市販車ともども鍛え上げ、世界の舞台を席巻
加えてスバルが参戦してきたモータースポーツ活動、なかでも制御系開発における一般市販車へのフィードバックという点で参戦していた世界ラリー選手権(WRC)などは、とりわけ究極の研究室ではないかと感じています。
時代とユーザーのニーズの流れというものが存在するので、一概にラリーが今でもその自動車マーケットのプロモーションに合っているのかというのは難しい判断です。
しかし当時の「グループA」や「プロダクションカップ」などは改造範囲がほとんどないので市販車を“素”の状態で売っていくという意味では絶大な影響力がありました。
簡単に説明するとラリーというのは雪道から未舗装路まで、世界に存在しうる一般道を舞台にしておこなう競技です。公道での走行性能のアピールとしては最高の舞台といえるでしょう。
世界選手権の舞台には、マイナス20℃近い気温の中で走行する雪のラリーもあり、海外での「スバルは雪に強い」というイメージは、雪のイベントで何度も総合優勝を成し遂げてきた功績でもあるように感じます。
当時の噂ではWRCのイベントで勝つと次の1週間でプラス1万台車が世界中で売れると言われていたぐらい影響があったといわれます。
それに加えて、必然的にグリップの最も低い雪路で速い車というのは、車体バランスの良さに通じているので、舗装路や未舗装路でも安定感がある車両ということが言えます。
そして、雪道を安全に走れる高い技術は、WRC、スーパーGT、ニュルブルクリンクと多種多様なフィールドで培った制御システムが今日の市販車へ更に洗練されて市場マーケットへ販売されています。
■雪道という難しい路面こそクルマの“素”が現れる
運転の難しい雪道は、車の「素」の性能が問われる状況といえる
水平対向エンジンというバランスに優れたエンジンを、更にもうひとつ上の商品へと昇華させてくれる四輪駆動の制御技術は、長い年月をかけて惜しみない研究と情熱を傾けてきたスバルだからこそなし得たのだと感じています。
近年、突如として豪雪の影響で起こるスタック大渋滞も記憶に新しいところです。それに加えて雪道の経験が少ないドライバーはより一層、車の制御で安全に守ってあげなければいけません。
雪道という難しい路面こそスバルという乗り物の“素”の良さが伝わります。
だからこそ日本だけでなく世界各国の雪の降る寒冷地域での『安心』や『安全』といった信頼感へと繋がっているのではないでしょうか。
「雪道最強の乗用車!」 スバル新型「フォレスター」は雪でも無敵? 安定感バツグンの訳は
■雪の下り坂でも安定感を発揮
マイナーチェンジで1.8リッターターボを搭載してきたスバル「フォレスター」ながら、同じスバルの新型「レヴォーグ」に注目が集まりがち。かくいう私(国沢光宏)も試乗していなかった。
そこで「スバルといえば雪でしょう!」というタイミングを見計らい、存分に滑りやすい路面を楽しんでみました。ここまで読んで「雪道は怖い」とか「イヤだ」みたいに考える人もいるかもしれない。以下、じっくり。
まずマイナーチェンジ後のラインナップだけれど、ベースモデルは「e-BOXER」と呼ばれる145馬力の2リッターマイルドハイブリッドになる。
1.8リッターターボは、今までハイパワーモデルという位置づけになる184馬力・239Nmの2.5リッターと入れ替わります。理由は簡単。CAFE(企業平均燃費) と呼ばれる燃費規制が厳しくなったから。
2.5リッターのターボ無しはWLTCモードで13.2km/Lという数値。新型レヴォーグに搭載された1.8リッターターボなら、177馬力/300Nmと大幅にトルクアップしながら燃費もWLTCで13.6km/Lに向上している。CAFEを達成するにはこの差の0.4km/Lも重要ということなんだと思う。
では試乗といきましょう。一般道で乗ると、やはりトルクの太さが印象に残る。
2.5リッターターボ無しの最大トルクは4400回転まで引っ張らないと出ない。一方、1.8リッターターボになると1600回転で最大トルクを出す。したがってスタートからアクセル踏んで走り出すや、いつでも最大トルクを出せる回転域に入ります。
一般道の巡航でも高速道路の巡航でもパワー感は上々。大雑把なイメージとしては3リッターのターボ無しエンジンといった感じ。
スバルの4WDシステム、常に4つのタイヤに駆動力を与えていることもあり(大半の4WDは巡航中、ほぼFFです)直進安定性もよく、アダブティブクルーズコントロールをセットすればロングドライブ上等です。
国境の長い関越トンネルを抜けると雪道。しかも下り坂のため、条件的に厳しい。
前述の通り4WDといっても巡航時はFF状態のクルマが多いため、滑りやすい下り坂でアクセルを戻すと前輪だけにエンジンブレーキが掛かる。雨の日の自転車で前輪にだけブレーキ掛けるようなモノ。当然ながら安定性イマイチの状況になってしまう。
フォレスターはアクセルを戻すと4つのタイヤにエンジンブレーキが掛かるため、安定したまま減速してくれます。最新のスタッドレスタイヤさえ履いていれば、ストレスなく雪道のドライブを楽しめることだろう。
またブレーキを掛けるような時も、精密な制御をおこなうABSが付いているため、左右輪でグリップが違う状況ですらキッチリ減速する。
新潟県の湯沢ICで高速を降りると雪道パラダイス状態! 新雪から圧雪。アイスバーン、シャーベットまでさまざまな雪道がある。最低地上高が本格的なクロカン4WDに勝るとも劣らない220mmもあるため、相当の悪条件でもガンガン走ります。
すべての乗用車のなかでフォレスターは最後までスタックしないと思う。雪道世界最強の乗用車といって良い。
今シーズンは大雪に見舞われることも多く「次は雪に強いクルマがいい」と考えた人も多いんじゃなかろうか。となった時のショッピングリストにぜひフォレスターを加えておくといい。
ちなみにフォレスター以外にショッピングリストへ載せておくべきは、トヨタ「RAV4」とマツダ「CX-5」。3モデルをジックリ比べ、自分に合ったクルマにしたらいいと思う。
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富士重工 | 日記
Posted at
2021/02/21 22:41:11
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