2021年04月14日
名前がGR86になったからFT86って書かれることも無くなるかな〜そんな市販車は無かったんですが…
新型「トヨタGR 86/スバルBRZ」 主戦場・アメリカでのライバル車とは
■ボディサイズに大きな変更はなし 2.4リッターエンジンが特徴
トヨタとスバルが共同開発するスポーツカー、「GR 86」と「BRZ」の新型モデルが発表された。
その発売は、2021年の夏から秋ごろを予定するという。今回は、その新世代のGR 86の主戦場となるアメリカでは、どのようなライバルがいるのか? を考察してみたい。
GR 86は、4人乗りのクーペ専用モデルであり、水平対向エンジンを搭載するFRプラットフォームを利用することが特徴だ。
このたび発表された新しい第2世代モデルも、そうした根幹の部分は、きっちり踏襲されている。
新型のボディサイズは全長4265mm×全幅1775mm×全高1310mm、ホイールベースは2575mmと、従来型と比べて変更はわずかなものだ。
大きく変わっているのは、エンジン排気量が2リッターから2.4リッターに拡大しているところと、標準タイヤが215/45R17から215/40R18へと大径化、そしてATモデルへの先進運転システム「アイサイト」の採用だ。
エンジン排気量の拡大にあわせて、最高出力も207psから235psへと向上している。タイヤの大径化は、そうした出力向上を受け止めるためだろう。基本的には、水平対向エンジンの重心の低さを活かした、ハンドリングの楽しいクルマというコンセプトはそのままに、各部をブラッシュアップする進化といえる。
そんな新型GR 86/BRZだが、販売の主戦場となる北米市場にはどのようなライバルが存在しているのだろうか。
GR 86を迎え撃つアメリカンスポーツカーといえば、フォード「マスタング」とシボレー「カマロ」の2モデルが筆頭だ。
どちらもGR 86と同じ4座のFRスポーツ。ただしGR86と違って、どちらにもクーペだけでなく、コンバーチブルも用意されている。
さらにエンジンのバリエーションも豊富にある。2.4リッターのNAエンジンだけのGR 86とは違い、2リッターから2.3リッターの直列4気筒ターボ、3リッターのV型6気筒、5リッターから6.2リッターのV型気筒などが用意されている。
マスタングの場合、トップモデルとなるシェルビーGT500は5.2リッターV8スーパーチャージャーで最高出力760ps、価格は7万2900ドル(日本円で約800万円)から。ちなみにエントリーグレードの2.3リッターモデルは最高出力310ps、価格は2万7155ドル(約300万円)からとなる。
カマロの場合は、エントリーグレードが最高出力275馬力の2リッター直4ターボで、価格は2万5000ドル(約275万円)から。トップモデルは最高出力650psを発生する6.2リッターV型8気筒スーパーチャーチャージャーを搭載し、価格は6万6190ドル(約730万円)からとなる。
NAエンジンを搭載し、パワーよりもハンドリングの良さを売りにするGR 86に対して、過給エンジンを中心に揃えるマスタングとカマロ。アメリカならではのマッスルなスポーツカーなのだ。
■アメリカンスポーツだけでなく、ドイツ勢や日本勢もライバルになる
アメリカ市場で人気のスポーツカーといえば、ポルシェを忘れてはならないだろう。
そのポルシェのエントリーモデルとなるのが「718ケイマン」だ。
ただし、4座クーペのGR 86/BRZに対して、718ケイマンは2座クーペ、しかもエンジンを背中に置く、ミッドシップスポーツだ。
こちらもマスタングなどと同じように、搭載エンジンのバリエーションが豊富だ。
エントリーモデルに搭載されるのが最高出力300psの2リッター水平対向4気筒ターボエンジンだ。価格は6万500ドル(約665万円)。トップモデルは最高出力394馬力を誇る4リッター水平対向6気筒自然吸気エンジンを搭載する718ケイマンGTS4.0で、価格は8万7400ドル(約960万円)。
ちなみに、北米で販売されている現行型トヨタ「86」の価格は、2万7000ドル(約300万円)から。エントリーモデル比較でも、718ケイマンは86の2倍以上の価格となる。
ボディサイズは近いかもしれないが、価格帯が大きく違っているのだ。
* * *
アメリカで人気を集める和製スポーツカーは、86とBRZに限らない。
ホンダ「NSX」と日産「GT-R」は、86/BRZとは価格帯も性能も隔たりがあるけれど、日産「フェアレディZ」とマツダ「ロードスターRF」は、ライバルと呼べる近さがある。
フェアレディZは、新型投入秒読み前のモデルライフ末期ではあるが、現行モデルは最高出力350psの3.7リッターV型6気筒エンジンを搭載し、車両価格は3万ドル(約330万円)である。エンジンはフェアレディZのほうがパワフルではあるが、価格はかなり近いものがある。
またロードスターRFは、最高出力181psの2リッター直列4気筒エンジンを搭載し、価格は3万3045ドル(約363万円)からだ。
フェアレディZとロードスターRFという2台の和製2シータースポーツに対して、GR 86/BRZは4シーターという点と、車両価格というふたつの点で有利になっているのだ。
2.4リッターのNAエンジンを搭載した4座クーペのGR 86/BRZ。3万ドル前後という先代の価格は、新型になっても、それほど大きく変わらないはずだ。
そうしたとき、北米市場で新型GR 86/BRZのライバルとなるのは、4気筒ターボを搭載するマスタングとカマロのエントリーグレード、そしてフェアレディZとロードスターRFという和製スポーツカーとなるはずだ。
トヨタ新型「GR86」いよいよ登場! 初代モデルとどこが違う? 進化したポイントとは
■GRブランド第3弾となる新型「GR86」世界初公開!
トヨタのFRスポーツ「86(ハチロク)」の新型モデルが2021年4月5日に世界初公開されました。
初代モデルは2012年に登場。スバルとトヨタが共同開発したモデルで、スバルでは「BRZ」として販売されていましたが、新型でも両社がタッグを組み、クルマのベースを共有しながらそれぞれの個性を伸ばした異なる味付けをおこなうことに注力しています。
新型となる86は、2019年の「GRスープラ」、2020年の「GRヤリス」に続く、TOYOTA GAZOO Racing(TGR)が展開するスポーツカーシリーズ「GR」のグローバルモデル第3弾として、新たに「GR86」という車名に変更。トヨタのスポーツモデルとしての立ち位置をより明確にしました。
新型GR86のコンセプトは、「86ファンに喜んでもらえる86らしい味の進化」としていますが、初代モデルから進化したポイントはどこなのでしょうか。新旧モデルを比べてみます。
新型モデルのボディサイズは全長4265mm×全幅1775mm×全高1310mm。初代モデルが全長4240mm×全幅1775mm×全高1320mmなので、全長が少し長くなっているものの大きな変更はありません。
その一方で、全高とヒップポイントを低く抑え、さらなる低重心化を実現。回頭性が向上し、キビキビとした走りを追求しました。
そして今回、内外装のデザインが大きく変更されました。
新型モデルはベルトラインから水平に通ったフェンダートップによって、FRらしい車両姿勢を表現。水平に低く通ったアンダーボディとキャビン後部の絞り込みでワイドなスタンスと低重心を表現しています。
フロントフェイスは初代モデル(後期モデル)が波のような形状のフロントグリルを装着していたのに対し、GRブランドのモデルとなった新型モデルは、同ブランドのアイコンである横長で大開口の「ファンクショナルマトリックスグリル」を装着し、GRブランドとしてフロントフェイスに統一感を持たせました。
さらにヘッドライトも、ふくらみのある形状に変更。LEDヘッドライトと「L字」のポジションランプを組み合わせています。
また、ボンネットには新たなプレスラインが施され、厚みが増してたくましくなったように見えます。
リアのデザインも印象が変わりました。初代モデルのテールランプは、前期が丸目、後期がL字に光るランプでしたが、新型モデルのテールランプは、最近のスバル車に取り入れられている「コの字」のデザインを採用しました。
また、新型モデルのトランクリッドはダックテール形状となりましたが、これは初代モデルのリアスポイラーと同等の空力効果を持つ形状とされています。
サイドは、初代にはなかったフロントフェンダーのエアアウトレットとサイドシルスポイラーを追加。デザイン性はもちろんですが、タイヤやホイール周りに発生する乱気流を抑制し、操縦安定性を高めるパーツとしての機能を持ち合わせました。
ホイールは初代モデルが16/17インチだったところ、新型モデルは17/18インチにサイズアップ。初代モデルもタイヤはミシュランでしたが、新型モデルの18インチ(215/40R18)はミシュランのスポーツタイヤ「パイロットスポーツ4」を装着しています。
※ ※ ※
初代モデルのシンプルだった内装デザインは、新型モデルではデジタル感満載のコックピットに進化しました。
初代モデルのメーターは、左に260km/hまで刻まれたスピードメーター、中央にタコメーター、右に4.2インチマルチインフォメーションディスプレイが配置されていましたが、新型モデルは7インチTFT液晶パネルとセグメント液晶パネルを組み合わせたデジタルメーターを備えています。
また、インパネは水平基調へ変更。初代モデルでは上部中央にエアコン吹き出し口が配置されてやや盛り上がった形状でしたが、新型モデルではフラットにすることで広い視界を確保しました。
スポーツシートの形状も変更され、ホールド性とフィット感がアップ。ロングドライブでも疲れにくく、運転に集中できる環境を作り出すとともに、クルマの挙動を正確にドライバーへ伝えるシートが装備されます。
さらに、センターコンソールにドリンクフォルダーが備わる点は初代モデルと同じですが、新たにフタが付き、USBも追加されました。
■2.4リッターに排気量アップ! 加速性能も向上
エンジンは、軽量コンパクトかつ低重心という特徴をそのままに、初代モデルの2リッター水平対向4気筒エンジン(207馬力/212Nm:6速MT)に代わり、2.4リッター水平対向4気筒エンジン(235馬力/250Nm)を搭載。
初代モデルに引き続き、新型モデルでもエンジンはトヨタの直噴技術「D-4S」とコラボしています。
排気量アップにより動力性能を向上。0-100km/L加速は初代モデルの7.4秒から6.3秒に短縮されるとともに、レスポンスを向上させ、高回転域までストレスなく伸びるフィーリングを実現しました。
トランスミッションは、初代モデルと同じく、新型モデルも6速MTと6速ATを設定しています。
基本構造は初代モデルをベースとしつつ、新型モデルはスバルのスバルグローバルプラットフォームの開発から得たノウハウを取り入れ、さらにインナーフレーム構造などによってボディを再構築することでステアリング操作への応答性を高め、より軽快な動きを実現するとともに、旋回時のトラクション性能を向上させました。
さらに、ピュアスポーツカーならではの走りを最大限に楽しめるように、運転支援システム「アイサイト」をAT車に標準装備。トヨタ車にアイサイトが搭載されるのは新型GR86が初めてとなります。
プリクラッシュブレーキや全車速追従機能付クルーズコントロールにより、安心で快適な移動をサポートしますが、新型モデルでもレバー式のサイドブレーキを装備しているので、アイサイトの機能は限定される可能性があります。
※ ※ ※
新型GR86の価格などはまだ明らかになっていませんが、初代モデルとあまり変わらない価格で登場するともいわれており、期待が高まります。
初代モデルのイメージを継承し、FRスポーツとしてのスタイルや性能をさらに高めた新型GR86は、2021年秋に発売される予定です。
【86新旧走行性能比較】乗り換えユーザー必見! 新型GR86は初代86のパーツが使えるゾ
新型GR86とBRZは先代モデルと同じプラットフォームを採用し、これに対し賛否両論叫ばれている。だが、初代86オーナーに言わせると、旧型から新型に乗り換える人にとっては大きなメリットがたくさんあり、むしろ喜ばしいコトだという。果たしてなぜそう言い切れるのか? 初代オーナーが新型GR86&BRZの褒めるべきポイントを大暴露!
プラットフォームは先代と同じながら新設計並みの改良も
GR86&次期BRZのクルマの土台となるプラットフォームやサスペンションは先代モデルと同じものを使う。
この点には賛否もあるかもしれないが、趣味のクルマであるスポーツカーの場合は改良によりその時代に必要な性能が確保されていればプラットホームなどは特に新しいものである必要もないという考えもあるのだ。
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レヴォーグの技術を投入でボディ剛性アップも軽量化に成功
細かいことを言えば、じつはプラットフォームは先代と同じながら現行レヴォーグに使われているフルインナーフレーム構造や構造用接着剤を採用。そのためねじり剛性が約50%向上するなど大幅に強化されているのだ。ハンドル操作に対するクルマの正確な動きといった動的な質感の向上が期待できる。
昨今は衝突安全性の強化などクルマが重くなる要素が増えている。
プラットフォームが同じとなると重量増が心配になるが、GR86&次期BRZでは先代モデルのボンネットに加えフロントフェンダーやルーフのアルミ化、シートやマフラーといった細かいところまで軽量化がなされている。
公開されたモデルで1270kgと先代モデルの30kg増程度に抑えられている点は非常に高く評価できる。
先代オーナーには朗報! 同じパーツが使える
またプラットフォームが新旧で共通だと初代と2代目のマツダロードスターやS14型とS15型のシルビアなどのように、サスペンションなどのパーツがそのまま使えるというメリットもあるのだ。この点は先代86オーナーの筆者としてはむしろ歓迎したいくらいだ。
自動車税は上がるも、それ以上に運転のしやすさが大幅向上
エンジンはトヨタの直噴技術であるポート噴射用のインジェクターも兼用するD4-Sエンジンを継続しながらも排気量を2リッター→2.4リッターに拡大している。
GR86とBRZの2.4リッター化は、もちろん絶対的な速さの向上を狙っている面もあるが、低回転域からトルクが太くなっていることにより、ドリフト走行中の微細なコントロールがしやすくなるなど、乗りやすさも向上している模様だ。
ATとの相性の向上を実現しながら、高回転まで回した際の気持ちよさも先代以上の期待ができる。自動車税が1ランク上がる以外はイイこと尽くめに違いない。
わずかな燃費アップも期待
トランスミッションは先代同様の6速MTと6速ATをラインアップ。燃費は中低速トルクが太くなった分ファイナルギア(最終減速比)をハイギヤード化していれば、排気量アップにより加速性能は向上しながら、巡行中のエンジン回転数が低くなることにより燃費が良くなっていることも期待できる。
ホイールもそのまま使えるゾ
タイヤサイズは公開されたモデルが215/40R18のミシュランパイロットスポーツ4を履く(「18インチ装着車」と書いてあるので17インチ仕様もありそうだ。その場合には先代モデルが履く先代プリウスのタイヤはさすがに役不足に感じるので、違う銘柄になるのだろうか)。
またホイールのPDCは先代モデルと共通の100のままなので、先代モデルオーナーがホイールをそのまま使うということもできそうだ。
難点はMT車にアイサイトがないコト……
さて気になるのがコンセプトのところで書いた2台の乗り味の違いだが、サスペンションセッティングや空力性能などにより、筆者は「86がシャープな方向、BRZがマイルドで扱いやすい方向」と予想しているのだが、どうなるのだろうか。
安全装備ではATのみということになるが、高性能な自動ブレーキや先行車追従型のアダプティブクルーズコントロールなどから構成される待望のアイサイト(ステレオカメラの形状、大きさから最新のアイサイトXではないver.3と思われる)が設定される。
自動ブレーキ機能だけでもいいから、MT車にもアイサイトが欲しいところだ。年次改良に期待したい。
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【筆者:永田 恵一】
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2021/04/14 23:10:09
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