2021年06月29日
“マイタイ・パフォーマンスキット”ってポルシェで買えるものなんだね
ポルシェ、ニュルブルクリンク市販車最速記録を更新『911 GT2 RS』で6分43秒300
ポルシェは6月24日、マンタイ・パフォーマンスキットを装着した『ポルシェ911 GT2 RS』がドイツ、ニュルブルクリンク北コース(ノルドシュライフェ)で6分43秒300をマークし、同コースでの市販車レコードタイムを更新したと発表した。
スポーツカーの“聖地”とされ、ヨーロッパメーカーに限らず数多くの自動車メーカーが新車の開発テストを行うノルドシュライフェ。スポーツカーメーカーにとっては自社のハイパフォーマンスカーとライバル車とのポテンシャルを比較する“戦場”でもある。
そんなノルドシュライフェを舞台にポルシェは6月14日、公証人の立ち会いの下『ポルシェ911 GT2 RS』によるタイムアタックを実施した。ドライブを担当したのはニュルを知り尽くす同社開発ドライバーのラース・ケルンだ。
ポルシェは今回、昨年11月に『メルセデスAMG GTブラックシリーズ』が打ち立てた6分48秒047(/全長20.832km、6分43秒616/全長20.6km)という記録を破ることを目標に掲げ見事、これをブレイクすることに成功。ケルンは6分43秒300というタイムで“グリーンヘル”を駆け抜けてみせた。
911 GT2 RSは公道用のミシュラン・パイロット・スポーツ・カップ2 Rタイヤを履き、平均時速は185.87km/hをマーク。従来のタイム計測で用いられてきた全長20.6kmコースでのラップタイムは6分38秒835だった。
市販車最速タイムを記録したポルシェには、ヴァイザッハのエンジニアとノルドシュライフェのスペシャリスト集団であるマンタイ・レーシングのコラボレーションの一環として開発された“マイタイ・パフォーマンスキット”が装着された。このキットはサーキット走行に特化したポルシェ・テクイップメント・コンポーネントのひとつで、ポルシェセンターを通じて一般販売されている。
「我々のGTカスタマーは、トラックデーなどサーキットでクルマを走らせることが多い」と語るのは、モデルラインズ911/718のフランク-シュテファン・ヴァリザー副社長。
「マンタイとポルシェのエンジニアたちは、911 GT2 RSがさらに高いパフォーマンスを発揮できるように、完璧にチューニングされたパッケージを共同で開発した」
そのパフォーマンスキットは911 GT2 RS用に特別に開発されたシャシー、エアロダイナミクス、ブレーキコンポーネントで構成されている。
■「高速コーナーではレーシングカーに乗っているかのような感覚」とケルン
ポルシェAGのインディビジュアライゼーション・アンド・クラシック担当副社長であるアレクサンダー・ファビグは次のように付け加えた。
「パフォーマンスキットの個々のコンポーネントは、互いに正確にマッチングしている」
「それらはすべてが一緒にインストールされた場合にのみ完全に有効になる。そのため、このキットは現時点ではパッケージ全体としてのみ提供されるものになっており、個々の製品として販売は現在のところ検討中だ」
空力デバイスでは、フロントスポイラーに取り付けられた追加フラップやカーボン製のアンダーボディ、ホイールエリアのエアガイドエレメントなどにより、フロントのダウンフォースレベルが高められている。具体的にはフロントで時速200キロ時に発生する力が49kgから70kgに引き上げられており、新型のリヤスポイラーや改良されたデュフューザーなどが装着されたリヤでは93kgから200kgへと大幅に向上している。
ドライブを担当したケルンは通常、タイムアタックには不向きな真夏のコンディションで、路面温度が41度にも上ったにもかかわらず新記録を樹立してみせた。彼はニューレコードホルダーとなった911 GT2 RSについて、次のように語っている。
「ポルシェ911 GT2 RSにマンタイ・パフォーマンスキットを装着すると、まるで接着剤のようにクルマがコースに密着するんだ。とくに高速コーナーではレーシングカーに乗っているかのような感覚になる」
「700PS(515kW)のパワー発揮するばかりでなく、信じられないほど優れたブレーキ性能を持ち、さらに、つねにコントロールしやすい姿勢が保たれる点は本当に驚くべきものだ」
ポルシェ911 最強の700馬力「GT2 RS」、ニュル最速の市販車に…メルセデスAMG GTの記録を更新
ポルシェ(Porsche)は6月24日、『911 GT2 RS』がドイツ・ニュルブルクリンク北コースにおいて、最速の市販車になった、と発表した。そのラップタイムは6分43秒300で、従来の記録を4.747秒短縮している。
911 GT2 RSは、先代の「991型」ポルシェ「911」シリーズをベースにした高性能モデルだ。直噴3.8リットル水平対向6気筒ツインターボエンジンをベースに、可変タービンジオメトリー(VTG)を持つ大型ターボチャージャー、新設計の吸気システムなどを採用した。この結果、ポルシェの市販車としては、史上最強の最大出力700ps/7000rpm、最大トルク76.5kgm/2500~4500rpmを獲得した。
トランスミッションは、専用ギアレシオの7速PDKで、駆動方式はRR(2WD)だ。911 GT2 RSは、0~100km/h加速2.8秒、最高速340km/hというポルシェ史上、最速のパフォーマンスを実現している。
◆純正の「マンタイパフォーマンスキット」装着
ニュルブルクリンク北コースのタイムアタックに使用された911 GT2 RSには、「ポルシェ テクイップメント」の純正オプション、「マンタイパフォーマンスキット」が装着された。マンタイパフォーマンスキットは、ポルシェのモータースポーツパートナーの「マンタイ」の持つノウハウを注入して開発。欧州の顧客はポルシェ販売店で注文でき、他の世界市場にも拡大展開される予定だ。マンタイパフォーマンスキットを装着した911 GT2 RSには、ポルシェの保証が適用される。
マンタイパフォーマンスキットは、911 GT2 RS用に特別に開発されたシャシー、空力パーツ、ブレーキコンポーネントで構成されている。また、「ヴァイサッハパッケージ」の軽量マグネシウムホイールも含まれる。空力パーツは、フロントスポイラーにフラップを追加した。カーボン製アンダーボディと前輪のエアガイドトリムとの組み合わせにより、フロントアクスルのダウンフォースを増加させる。200km/hで走行時のダウンフォースは49kgから70kgに増加。リアアクスルでは同じ速度で93kgから200kgに増加する。これは、新開発のリアスポイラー、専用のディフューザー、後輪のエアロディスクの効果という。
◆ポルシェとマンタイのモータースポーツの経験を注入
サーキット向けにチューニングされたサスペンションは、ポルシェとマンタイの長年のモータースポーツでの経験が生かされている。フロントのショックアブソーバーは3段階、リアのショックアブソーバーは4段階に調整できる。
セラミックブレーキシステムの「PCCB」用のレーシングブレーキパッドは、レスポンスとコントロールの精度を向上させながら、フェードを低減させたという。スチールで覆われたブレーキラインは、ダイレクトなペダルフィードバックを狙ったものだ。
また、冷却用のインタークーラースプレーの水タンクは、容量を約9リットル増加させている。フロントが20インチ、リアが21インチのマグネシウムホイールは、11.4 kgの軽量化を実現。ホイールの色は、ブリリアントシルバー、ブラック、オーラム、ホワイトゴールドメタリック、プラチナが選択できる。
◆メルセデスAMG GTブラックシリーズの記録を4.747秒短縮
6月14日、公証人の立会いのもと、ポルシェの開発ドライバーのラーズ・カーン氏が、タイムアタックを実施した。目標は、メルセデスAMG『GTブラックシリーズ』が2020年秋に打ち立てた6分48.047の市販車最速記録を更新することだ。
ニュルブルクリンク北コースは1周20.8km、コーナー数73という世界で最も厳しいサーキットとして知られる。自動車メーカーが、開発テストを行う場所としても有名だ。
真夏のコンディションと41度の路面温度にもかかわらず、911 GT2 RSのベストラップタイムは6分43秒300。メルセデスAMG GTブラックシリーズの記録を4.747秒短縮している。平均速度は185.87km/hだった。
ポルシェ 911 GT2 RS、ニュルブルクリンクで市販車最速ラップを更新! 【動画】
Porsche 911 GT2 RS “Manthey Performance Kit”
ポルシェ 911 GT2 RS “マンタイ・パフォーマンスキット”
ポルシェとマンタイ・レーシングのコラボレーション
ポルシェは、新たに開発した「マンタイ・パフォーマンスキット」を装着した「911 GT2 RS」で、ニュルブルクリンク・ノルトシュライフェ(全長20.8km)において、公道走行が認められた市販モデルのラップレコードを更新した。
6月14日、公証人の立会いのもと、ポルシェの開発ドライバーであるラース・カーンが最高出力515kW(700ps)を発揮する911 GT2 RSをドライブし、6分43秒300のベストタイムを叩き出した。
今回、911 GT2 RSに装着された新しいパフォーマンスキットは、ヴァイザッハにあるポルシェのエンジニアと、ノルトシュライフェのスペシャリストであるマンタイ・レーシングとの緊密なコラボレーションにより開発。このサーキット走行にフォーカスしたマンタイ・パフォーマンスキットは、ポルシェ・センターでの販売が決まっている。
ノルトシュライフェで効果を発揮したパフォーマンスキット
今回、目標に掲げられたのは、現時点でのロードカーにおける最速ラップ記録である6分48秒047を破ることだった。カーンは、公道用のミシュラン・パイロット・スポーツ・カップ2 Rタイヤを装着した911 GT2 RSのステアリングを握り、平均速度185.87km/hで従来のタイムを4.747秒も更新。見事、目標をクリアした。
ポルシェ911/718モデルライン担当責任者を務める、フランク=シュテフェン・ ヴァリザーは、マンタイ パフォーマンス キットについて次のようにコメントした。
「私たちのGTカスタマーの多くは、トラックデイなどサーキットでクルマを使用することが多いことが明らかになっています。今回、マンタイとポルシェのエンジニアは、911 GT2 RSがさらに高いパフォーマンスを発揮できるよう、完璧にチューニングされたパッケージを共同開発しました」
これまでも幾度となくノルトシュライフェでアタックを行ってきたカーンは、今回気温41度という非常に厳しい夏のコンディション下での走行を強いられた。
「911 GT2 RSは、マンタイ・パフォーマンスキットを装着することで、まるでレーシングカーに乗っているかのようにコースに張り付いてくれます。特に高速コーナーでは誰もがその感覚を味わうことができるでしょう。常にコントロールしやすい状態をキープしながら、700psのパワー、そして信じられないほど優れたブレーキ性能を試すのは、本当に息を呑むような経験です」と、カーンは振り返った。
ダウンフォースを大幅に増加させる空力パーツ
マンタイ・パフォーマンスキットは、911 GT2 RSのために特別に開発されたシャシー、エアロダイナミクス、ブレーキのコンポーネントで構成。さらにヴァイザッハ・パッケージの軽量マグネシウムホイールも含まれている。ポルシェのインディヴィジュアル&クラシック担当副社長のアレクサンダー・ファビッグは、マンタイ・パフォーマンスキットについて次のように説明した。
「パフォーマンスキットの各コンポーネントは、それぞれが完璧にマッチしています。そのため、現時点では個々のキット販売はなく、パッケージとしてのみの展開となります。個々のパーツの販売については現在検討中です」
パフォーマンスキットの最も大きな特徴となるのが空力パーツだろう。フロントスポイラーに追加されたフラップは、カーボン製アンダーボディと前輪のエリアに追加されたエアガイドエレメントとの組み合わせにより、前後アクスル周辺のダウンフォース量を増大させる。
200km/hの速度域におけるフロントアクスルのダウンフォースは49kgから70kgに、同じ速度でのリヤアクスルのダウンフォースは93kgから200kgに増加。これは新形状のリヤスポイラー、改良されたリヤディフューザー、後輪のエアロディスクによって可能になった。
レースでのノウハウが注入された前後足まわり
サーキット走行に最適化されたコイルオーバーサスペンションには、ポルシェとマンタイ・レーシングの長年にわたるモータースポーツでのノウハウが積極的に投入された。フロントのショックアブソーバーは3段階、リヤのショックアブソーバーは4段階の調整が可能となっている。
PCCB(ポルシェ・セラミック・コンポジット・ブレーキ)セラミックブレーキシステムに対応するレーシングブレーキパッドは、フェードを低減し応答性とコントロールの精度を向上。スチール製ブレーキラインを採用することで、よりダイレクトなペダルフィードバックを実現した。
フロント20インチ、リヤ21インチのマグネシウムホイールは11.4kgの軽量化を実現。カラーはブリリアントシルバー、ブラック、オーラム、ホワイトゴールドメタリック、プラチナの5色が用意された。また、インタークーラーの冷却用ウォータースプレーにタンクを追加したことで、全体の容量が約9リットル増加。ウォータースプレーの補給時間も長くなっている。
ヨーロッパに続き他の地域でも展開を予定
マンタイ・パフォーマンスキットは、ヨーロッパのポルシェ・センターで現在オーダーを受付中。さらに日本を含むその他の地域でも順次対応していく予定だ。GTカーズ担当副社長のアンドレアス・プルーニンガーは、マンタイ・パフォーマンスキットの完成度に高い自信を覗かせた。
「今回、新たに開発したパーツにより、優れた性能の911 GT2 RSをさらに進化させることができました。マンタイ・パフォーマンスキットを装着した911 GT2 RSは、自分のクルマでサーキット、特にニュルブルクリンク・ノルトシュライフェを走るのが好きなお客様のニーズに、完璧に応えることができます。今回の6分43秒300というタイムは、かつて距離の短い時に記録された6分38秒835と同等のタイムだと言えるでしょう」
ブログ一覧 |
ポルシェ | 日記
Posted at
2021/06/29 21:45:22
今、あなたにおすすめ