2021年07月07日
マイナーチェンジで顔のデザインで賛否あるのはいつもの事だから慣れるしか無いかな?
スバル新型「フォレスター」はクールな爆イケSUV!? 大型グリルで迫力マシ!「アイサイト」はどう進化?
■新デザインのヘッドライト採用! よりシャープな顔つきに
スバルは2021年6月14日に5代目となる現行「フォレスター」の大幅改良モデルを初公開しました。同日に先行予約が開始されましたが、改良された新型フォレスターはどんな特徴があるのでしょうか。
新型フォレスターが安全面で大きく進化したポイントとしては、安全運転支援システム「アイサイト」に関して、全面的に進化した最新版の「新世代アイサイト」が搭載されることが挙げられます。
新世代アイサイトでは、ステレオカメラの広角化やソフトウェアの改良がおこなわれ、クルマがより緻密に交通環境を認識。衝突回避をサポートする作動領域が拡大し、交差点においてもこれまで以上に多彩なシチュエーションで安全運転を支援します。
また高速道路などにおいても、先代モデルでは難しかった急なカーブでの追従走行や、さらに割込み車両の認識精度などが改善。長距離移動時のドライバーの負担をより低減するシステムとなっています。
走行性能の面については、e-BOXER車にアダプティブ変速制御「e-アクティブシフトコントロール」を搭載したほか、機能面ではエアコンの設定温度をジェスチャーで調整できる機能(ドライバーモニタリングシステム内)が追加されています。
また、外観に関しては2020年11月に発売された新型「レヴォーグ」と共通するデザインコンセプト「BOLDER」を取り入れたスタイルに一新されました。
シャープさが強調されたヘッドライトのほか、スバル車共通のフロントグリル「ヘキサゴングリル」は大型化されたことで、SUVらしい迫力あるフロントフェイスがさらにパワーアップ。
ボディカラーは3つの新色が追加されるなど、見た目にも進化がわかる改良内容となります。
スバルは新型フォレスターを2021年8月に正式発表する予定です。
それではここでクイズです。
5代目フォレスターは2018年6月20日にフルモデルチェンジして発表されたモデルですが、フルモデルチェンジ直後の5代目フォレスターに関する記述として間違っているのは次のうちどれでしょうか。
【1】トランスミッションは全車「リニアトロニックCVT」が搭載される
【2】4代目フォレスターまで設定のあったターボエンジンが廃止され、新たにハイブリッドが設定された
【3】新たに3列シート仕様が設定された
※ ※ ※
正解は【3】の「新たに3列シート仕様が設定された」です。
5代目フォレスターは、初代から4代目まで歴代モデルに搭載されてきたターボエンジンの仕様をフルモデルチェンジで一旦廃止した一方、新たに「e-BOXER」というハイブリッド仕様が設定されたことが大きな話題となりました。
その後、2020年10月22日発表の改良モデルで、ターボエンジンの仕様が復活しています。
なお、5代目フォレスターのトランスミッションは搭載されるエンジンに関わらずリニアトロニックCVTが採用されています。
また、フォレスターは初代から5代目まで2列シート仕様しか設定されていません。
※クイズの出典元:くるまマイスター検定
スバル フォレスター 新旧比較! 新型“レヴォーグ”顔に生まれ変わったフォレスターを旧型と見比べてみた!
スバルが主力SUV「フォレスター」のマイナーチェンジモデルを2021年6月14日に発表した。先行予約を開始し、正式発売は2021年秋を予定する。今回は現行型フォレスターの画像と共に比較し、新旧モデルの違いや進化について見てみよう。
2021年秋の発売に先駆け、早くもスバルが新型フォレスターの先行予約を開始
スバル フォレスターは初代が1997年にデビュー。現行型で5代目となる。現在、世界中のスバル車で最も台数を販売している同社の主力モデルだ。5代目の登場は2018年。力強いスタイリングや、新開発のSGP(スバルグローバルプラットフォーム)を採用するなど、すべてを一新させた意欲作だ。
初のハイブリッドモデル“e-BOXER(イーボクサー)”を設定したほか、2020年10月には新型レヴォーグに搭載する1.8リッター直噴ターボモデルも追加するなど、常に改良を加えながら進化を続けているモデルだ。
今回、現行型としては初の大規模なマイナーチェンジ実施に伴い、デザインなどにも手を加えた。その詳細を画像と共に見ていこう。
2018年登場の現行型フォレスターで採用した新デザインテーマをさらに進化させた新型の外観デザイン
新型フォレスターは、新型レヴォーグ(2020年デビュー)から始まったスバルの新デザインテーマ“BOLDER(ボルダー)”の概念に基づき、フロントマスクを一新した。水平対向エンジンと四輪駆動をコア技術に持つスバルの“安心と愉しさ”をデザインに表現したものだという。
現行型と見比べるとフロントグリルは拡大し、ヘッドライトのデザインも個性を増した。新型フォレスターは全体に力強さを増した形状だとわかる。
現行型(旧モデル)も、デビュー時にスバルの新デザインテーマ“DYNAMICxSOLID(ダイナミック×ソリッド)”に基づき、こちらもSUVらしい力強いデザインで造形されていた。なおスバルでは、新世代“BOLDER”デザインは、“DYNAMICxSOLID”の思想を進化させたもので、同一線上にある概念だと説明する。
新旧のフォレスターを改めて見比べてみると、メッキ加飾などは現行型のほうがむしろふんだんに用いられていて豪華な印象もある。ここは新旧で好みが分かれるところかもしれない。
いっぽうで、リア回りに大きな変更はない。ただ、不思議と新型のフロントマスクデザインとリアコンビランプの形状に整合性がある点は興味深いところだ。
新型ではナッパレザーのブラウン×ブラック内装も新設定 包まれ感ある立体的なインパネは従来型を継承
内装デザインは、基本的な造形は継承されている。写真は上級グレード「Advance(アドバンス)」の本革・ブラウン内装。ブラウンとブラックの2色つかいとし、本革には上質なナッパレザーを採用している。
“DYNAMICxSOLID”の思想は内装デザインにも生かされており、現行型フォレスターのインパネは従来方に比べ立体感と包まれ感を強調した形状となった。
ナビ上にあるモニターエリアの上には画像を使った顔認識・個人認識が出来る「ドライバーモニタリングシステム」と呼ばれる機能が備わり、運転者のヒューマンエラーを監視してくれる。
[まとめ:MOTA(モータ)編集部/撮影:茂呂 幸正・和田 清志・MOTA編集部・SUBARU]
【スバル フォレスター 改良新型】上質感とスポーティさを両立、ターボエンジン搭載のSPORT[詳細画像]
6月14日に初公開となった改良新型『フォレスター』。「SPORT」は昨年10月に追加された新グレードで、1.8リットルターボエンジンを搭載したスポーティなモデルとなる。
◆1.8リットルターボエンジンを搭載
SPORTでは、1.8リットル DOHC 直噴ターボDITエンジンを設定。これにより、最高出力130kW、最大トルク300Nmを発揮する。4WDシステム「シンメトリカルAWD」に加えて、「X-MODE」を搭載することで、走破性をさらに高めている。さらに今回、サスペンションコイルスプリングとダンパーの最適化を行い、乗り心地とハンドリングを向上した。
運転支援技術としては、「新世代アイサイト」、「ドライバーモニタリングシステム」などの先進技術を搭載し、快適な運転環境を提供している。サポート機能の一つである「ツーリングアシスト」では、高速道路や自動車専用道路における時速0km~時速約120kmの車速域で、アクセル、ブレーキ、ステアリング操作をアシストする。区画線と先行車の両方を認識することで、渋滞から高速巡航まで、さまざまなシーンで運転負荷を軽減する。
◆ダークトーンのコーディネートでスポーティな印象に
エクステリアはスポーティモデルらしい、ダークトーンのコーディネートとなっている。ブラック塗装のフロントグリルに加えてBピラーとCピラーはピアノブラック調ピラーカバー、ルーフアンテナはグレーメタリックとした。タイヤは225/55R18のオールシーズンタイヤで、ダークメタリック塗装のSPORT用18インチアルミホイール。
SPORT専用装備として、グレーメタリック塗装を施した角型3灯式LEDフロントフォグランプ&フォグランプカバーを採用した。フロントバンパーガードは樹脂製のアクセントシルバー塗装加飾付き。同じく樹脂製のリアバンパーガードはディフューザータイプでシルバー加飾付きとなっている。SPORTのサイズは全長4625×全幅1815×全高1715mm、ホイールベース2670mm。
◆上級装備を採用し、上質感とスポーティさを兼ね備える
インテリアは、従来型と同様に「ウルトラスエード」と本革を組み合わせることで上質感とスポーティさを併せ持った空間とした。本革巻ステアリングホイールやアルミパッド付スポーツペダル、シルバー加飾付の2連ダイヤルタイプフルオートエアコンを取り入れた上級装備となっている。
【スバル フォレスター 改良新型】基本性能を備えたTouring、シートヒーターなどを標準装備[詳細画像]
改良新型『フォレスター』では、フロントバンパーやグリル、ヘッドランプなどをリニューアルし、「新世代アイサイト」などの先進技術を採用している。写真は基本性能を備えたスタンダードモデルの「Touring」。
◆シート素材には撥水性能の高いものを採用
Touringのフロントグリルはダークメタル塗装で、オプションのルーフレールはブラック塗装となっている。ボディカラーはフォレスターのタフなイメージをより強めるアースカラーなど、新色3色を追加した最大10色から選ぶことが可能。
ボディサイズは全長4640×全幅1815×全高1715mm、ホイールベースが2670mm。タイヤサイズは225/60R17で、ダークメタリック塗装のTouring用17インチアルミホイールを採用している。
インテリアは、基本造形はそのままに、各グレードのキャラクターに応じた様々なマテリアルを組み合わせて質感と実用性を向上した。Touringでは、撥水ファブリックシートを採用。カラーはTouring専用のグレー/ブラックの2トーン仕様とし、ステッチにはシルバーを用いた。運転席と助手席のシートヒーターは標準装備となっている。
◆アダプティブ変速制御「e-アクティブシフトコントロール」を搭載
同社独自の4輪駆動システム「シンメトリカルAWD」に加えて、2モードの走行モードを選択可能な「X-MODE」を搭載し、本格的な悪路走行性能を備える。
Touringでは、2.0リットル DOHC直噴エンジンとモーターを組み合わせた「e-BOXER」を設定。最高出力117kW、最大トルクは253Nmを発揮。燃費性能はWLTCモードで14.0km/リットルとなっている。
トランスミッションは、全グレードで無段変速機「リニアトロニック」が採用されている。このほか、従来型ではX-BREAKのみに搭載していたアダプティブ変速制御「e-アクティブシフトコントロール」を今回の改良でTouringにも搭載した。
◆「ジェスチャーコントロール機能」を追加
改良新型フォレスターでは「ドライバーモニタリングシステム」に、視線移動を抑え、スイッチに触ることなく、ジェスチャーでエアコンの温度設定を変更できる機能を追加。このほか、「新世代アイサイト」を搭載したことで画角が従来型比で約2倍になるなど、安全性能がさらに向上した。
新型「フォレスター」は“スバル顔”が進化! 大幅改良したD型の3つのポイントは?
■ネットで賛否のフロントフェイス 実物を見るとなかなか好印象!?
個性派揃いのスバル車のなかでは「フォレスター」は質実剛健なキャラクターですが、1997年に初代モデルが登場して以降、着実にユーザーを獲得。いまやグローバル販売台数トップとスバルのエースへと成長しました。
現行モデルは2018年に登場した5代目となり、スバルの年次改良のサイクルに合わせてアップデートを実施。
2019年の改良(通称:B型)は利便性の向上、2020年の改良(C型)は1.8リッター直噴ターボ(CB18)を搭載した「スポーツ」グレード追加が主でしたが、今回の改良(D型)はスバルお得意の大幅改良になります。ではフォレスターはどのような進化を遂げたのでしょうか。
ひとつ目は「見た目のアップデート」です。フォレスターは多種多彩なクロスオーバーSUVのなかで「直球勝負」なポジションのモデルですが、だからこそ周りに埋もれない“個性”をプラスさせたということでしょう。
現行モデルはひと目でスバルとわかる統一感を目指した「ダイナミック&ソリッド」を全面採用していますが、今回はフロントマスクをその進化版となる「ボールダー」を一部盛り込んだデザインにアップデート。
ボールダーとはユーザーの「楽しい心の動き」を表現したデザイン手法で、新型「レヴォーグ」から採用されています。
具体的には大型化されたヘキサゴングリルと鋭さがプラスされたヘッドランプ、立体感をさらに高めたフロントバンパー(全長は従来モデル+15mmですが、アプローチアングルは21.3°から21.4°に拡大)、サイドへの連続性を高めたLEDフォグランプ&フォグランプカバーなどの変更で、よりシャープで、より力強いデザインに仕上がっています。
このフロントマスクはネット界隈では賛否があるようですが、実車を日の光の下で見た筆者(山本シンヤ)は好意的に受け止めています。
とくに最上級グレードの「アドバンス」は新形状のアルミホイールの採用も相まって先進性もあるなと感じましたが、欲をいえばリアランプ周りにも手を入れて欲しかったです。
一方、インテリアは小変更に留まりますが、アクティブな「X-BREAK」グレードはシート表皮の変更(防水性のあるポリウレタン素材)や加飾の見直し(レッドオレンジステッチ&ブレインズガンメタリック塗装)、アドバンスはナッパレザー採用の本革シート(ブラウン内装はブラウン&ブラックの2トーン仕様に変更)などの採用がおこなわれており、グレード毎のキャラクターがより明確になりました。
■新型レヴォーグ同様に「新世代アイサイト」搭載で安心・安全も向上
ふたつ目は「運転支援システム&安全装備のアップデート」です。アイサイトは新型レヴォーグから採用の「新世代アイサイト」へと刷新。ちなみにステレオカメラはヴィオニア製で従来比約2倍の画角を誇ります。
さらに、このカメラに採用される半導体はザイリンクス(アメリカ)、CMOSセンサーはオンセミコンダクター(アメリカ)を採用することで画像認識・制御ともに大きくレベルアップ。
その結果、プリクラッシュブレーキの作動領域拡大(交差点での右左折時の衝突回避をサポート)や「アイサイトツーリングアシスト」の性能向上(より精度高く、より滑らか、より自然に)、衝突回避速度差のアップ、緊急時プリクラッシュステアリング、エマージェンシーレーンキープアシストなどの新機能の追加など、安心・安全がより高められました。
ただし「アイサイトX」は非搭載となっています。この辺りはクルマのキャラクターを考慮した判断だと思いますが、高精度マップを含めた複雑な追加デバイスが必要になるので、改良レベルではなかなか厳しいのでしょう。
また、従来モデルにも採用されていたアダプティブドライビングビームは細かい遮光が可能なアレイ式に変更され、従来式(ロータリー式)よりもハイビーム照射範囲の拡大と切り替えが素早くなっています。
細かいところでは、スマートリアビューミラーの機能向上(よりクリアな映像と視認範囲の拡大)、緊急時エンジン停止割り込み表示(運転走行中にプッシュスタートボタンを3回連続押すと、エンジン緊急停止をおこなう)なども追加。
加えて、ドライバーモニタリングシステムを用いたジェスチャーコントロールも追加されました。
手を「パー」の状態で設定温度アップ、「グー」の状態で設定温度ダウン(共に調整ダイヤル4操作分=2度きざみ)が可能になります。
実際に試してみましたが、一度コツを掴むことができるとほぼ百発百中の精度です。フォレスターは操作系と表示部が分かれているので、ジェスチャーは視線移動が抑えられることから便利なだけでなく、安全運転にも高く寄与してくれるはずです。
これらのアイテムはフルモデルチェンジなどのタイミングでもなかなか刷新が難しいといわれていますが、改良レベルでも大きく手を加えてくる姿勢は安全・安心にこだわるスバルらしい進化といえるでしょう。
みっつ目は「走りのアップデート」です。サスペンションセットアップの見直しにより、ハンドリングの純度アップと乗り心地の向上がおこなわれているといいます。
恐らく、新型レヴォーグや新型「BRZ」の開発で培ったノウハウや知見がフィードバックしているのは間違いないですが、こればかりは実際に乗ってみないとわかりません。しかし、我々の期待は裏切ることはないでしょう。
さらに従来モデルではX-BREAKのみの設定だったSIドライブと協調したアダプティブ変速制御「e-アクティブコントロール」がすべてのe-BOXERモデルに拡大展開されたのもポイントです。
オフロード走行に役立つ「X-MODE」もアップデートされており、従来モデルは40km/h以上で自動的に解除されましたが、新型は自動復帰(速度に応じて制御の有無を切り替え)やヒルディセントコントロールの制御変更で速度のコントロール性が引き上げられており、結果的に安心・安全に繋がっています。
このように総合力をより引き上げた新型フォレスターですが、個人的には従来モデルから“箱代え”したくなる価値がある一台だと思っています。
※ ※ ※
ちなみに今回の事前撮影会がおこなわれた場所は、こちらも初披露となるスバルのオープンスタジオ「SUBARU里山スタジオ」になります。
元キャンプ場とその取り付け道路を活用したリアルなアウトドアシーンを模した施設で、さまざまな用途に活用できそうな雰囲気。
現在はメディア向けのみの対応ですが、将来的にはユーザー参加型イベントへの活用も検討しているといいます。それが実現できたら、新たな「スバルの聖地」になる予感もしています。
今流行の大型グリル! アイサイトもバージョンアップ! 新型フォレスターの進化っぷりを詳細解説
ついに登場アプライドD! その進化をマリオ高野が解説
2018年夏のデビューから早3年。現行型の5代目フォレスター(SK型)がビッグマイナーチェンジを受けた。アプライドD型と呼ばれる最新型の最大の特徴は、イメージチェンジをはかったフロントマスクで、WEB上での評判を見ると、デザインの賛否が大きくわかれている。マイナーチェンジで変わった新デザインに対して、これほどまでにさまざまな意見が飛び交うクルマは久しぶりだ。
動画サイトのコメント欄を見ると否定的な意見のほうが多く、かなり辛辣な類いのコメントも目立つ。動画サイトのコメント欄だけを見ていると、新デザインは大失敗との印象を抱きかねないが、これだけで判断するのは早計だ。
たとえば、日本最大自動車動画専門YouTubeチャンネル「LOVECARS!TV!」を 運営する河口まなぶさんがTwitterで新型フォレスターの顔の好き嫌いをアンケートで募った結果は、「好き」が35.1%に対して「嫌い」が36%で、好意的に見ている人も決して少なくないことがわかる。実際は五分五分といったところではないだろうか。
筆者個人の正直な感想としては、第一印象は悪かったものの、森のなかに置かれた姿を見て印象が変わった。都会や屋内で見るよりも、大自然のなかで見ると印象が良くなるというのは、フォレスターというクルマのキャラからすれば正しいと思える。
個人的な過去の思い出を振り返ると、2005年に2代目フォレスターの後期型で顔が激変したときの衝撃は今回の比ではない。当時はWEB動画やSNSがほとんど普及していなかった時代だったとはいえ、デザインの是非を問う声が激しく飛び交うようなことはなかった。あれから10数年を経て、スバル車のデザインもこれほどまでに多くの人から注目されるまでになったのだと、感慨深いものがある。
好き嫌いはわかれても、今回の新デザインには明確な意図が見られ、狙った方向性がハッキリしているので、そこは納得しやすいというスバルファンの声も少なくない。
たとえば大型化されたフロントグリル。フロントグリルに自社のアイデンティティを強調するのは世界的な流れでもあるし、BMWの4シリーズを見たあとでは、さほど大きすぎるとは思えない。
従来よりも大きくしながら「ヘキサゴン(六角形)」の印象を増したことは、最近のSUBARUが強く推し進めるデザインのコンセプトどおりであり、「6」という数字をデザインに反映し続ける所には信念を感じる。戦後に解体された中島飛行機を前身とする6社が、再びひとつに統べることで生まれた企業であるSUBARUが、今もなお「6」をアイデンティティとしながら視覚的に現す六角形を前面に押し出す。その結果のデザインということで、狙いや意図が明確なのだ。
フロングリルの大型化によって、必然的にヘッドライトユニットを小型化。ターンランプはLEDでヘッドライトユニット内蔵式となるなど、SUBARU車としての新しい試みも見られる。従来型はヒット作であり、デザイン面の評価も悪くはなかったが、激戦区の中型SUV市場で現状維持に甘んじるわけにはいかないとの危機感も伝わり、フロントマスクの大幅な刷新は、作り手の守りに入らない前向きな姿勢の表れだととらえたい。
フロントグリルとともに、フロントバンパーも前面に押し出すイメージを強め、前端部分が15mm伸長。これに伴いボディの全長も15mm増しとなったが、アプローチアングルは従来型の20.1度から21.4度(SPORTグレードは21.3度)と、1度以上も拡大している点は見逃せない。
元々フォレスターはラダーフレーム式ではないSUVとしては世界トップクラスの悪路走破性を備えているが、地味ながら、この強みがわずかに向上。やはり、より「らしさ」を強める狙いが込められたデザインといえる。
機能面では、従来型では一部のグレードにのみ設定していたルーフレールのロープホールを全グレードで選べるようになったり、荷室の上部にカーゴアッパーフックと呼ばれるフックを全車標準装備とするなど、アウトドア現場で重宝する装備の充実化がはかられた。これも「らしさ」を強調したポイントのひとつだ。
内装は上級グレードAdvanceの本革シートがナッパレザーを採用したり、ベーシックグレードTouringでもシートやドアアームレストに撥水ファブリックを採用するなど、上質化と機能性をアップ。最廉価グレードもしっかりと質感の底上げがはかられた。
伝家の宝刀アイサイトもバージョンアップ!
性能面では、アイサイトのバージョンアップに注目。プリクラッシュブレーキが交差点対応となったり、緊急時のプリクラッシュステアリング、エマージェンシーレーンキープアシスト、青信号お知らせ機能など、従来型のフォレスターにはなかった機能が加わっている。
先行車追従オートクルーズ など、アイサイト・ツーリングシストの基本的な制御も改良され、基本性能は現行型レヴォーグに搭載される最新版のアイサイトと同等に。従来型と比較すると大幅な改良だ。ただし、前側方レーダーや電動ブレーキブースーター、高速道路での自動レーンチェンジや渋滞時のハンズオフ機能もあるアイサイトXは追加できず、すべてが最先端のアイサイトにならなかったのは残念。
この点も賛否が問われるところだが、レヴォーグも2代目に移行してまだ1年未満であり、アイサイトXをウリのひとつとして訴求したレヴォーグとの関係性からすると、アイサイトXの横展開は時期尚早との判断があったのかも知れない。また、これまでもそうだったが、アイサイトが新しく進化しても、別の車種に簡単に横展開できるものではないとの、開発面での事情があることも推察できる。
ほかの安全装備面では、アダプティブドライビングビームを12分割で遮光できるアレイ方式を採用。X-MODEのヒルディセントコントロールの制御がより自然で使いやすいものとなった。
パワートレインなど走行性能面に変更は見られないが、ミッションの制御はe-アクティブシフトコントロールをe-BOXER搭載車の全車に拡大展開。ドライブモードの「S」セレクト時に状況に応じて積極的に高めのエンジン回転をキープするようになる。
サスペンションは全車ともスプリングとダンパーが見直された。従来型でも乗り味の良さには定評があったが、やはり強豪ひしめくSUV市場にあって、現状に甘んじずさらなる動的質感と操縦性の向上をはかった。
SUVらしく意図的にやや穏やかなものに味付けされていたハンドリングを、少しキビキビ感を高める方向に修正。同時に乗り心地の良さも向上させながら、ステアリングの応答性を高めている。
フロントマスクの新デザインで、思いがけず話題沸騰状態となった新型フォレスター。新デザインに賛否はあれど、最近のSUBARU車らしさを視覚的に強めながら、従来型の美点を上手く底上げした正常進化的なビッグマイナーチェンジと言える。
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富士重工 | 日記
Posted at
2021/07/07 22:53:55
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