2021年07月12日
トヨタのV6とAMGの直4だとどっちが良いのかね〜
ロータス最後のエンジン搭載車「エミーラ」。トヨタ製だけじゃない、もうひとつのエンジンとは
2021年7月6日(現地時間)、ロータスカーズはブランニューのスポーツカー「エミーラ」を発表。7月8~11日に開催されるグッドウッド フェスティバル of スピードで実車を公開する。
3.5L V6はトヨタ製、では初搭載の2L 直4ターボエンジンは?
ロータスカーズは、タイプ131と呼ばれている同社の最後の内燃エンジン搭載車は「エミーラ(EMIRA)」という車名で、2021年7月6日に発表するとアナウンスしていたことは、以前に当Webモーターマガジンでも紹介した。これ以降は、EVのみを生産することになるという。
そのエミーラが、ついに公開された。そのスタイリングは、エッジをシャープに仕上げたボンネット、後部に向かって次第に引き締まっていくシュリンクラップされたキャビン、力強いリアまわりに切り込まれたアーティスティックシェイプが施されたドアとベントなど、同社のEVハイパーカー「エヴァイヤ」の影響を受けている。
ヘッドランプはツインブレードデザインの縦型オールLED。リアでは「LOTUS」のロゴが入ったバンパーもエヴァイヤからインスパイアされたもので、両端にはホイールアーチからの空気を排出するアウトレットが備わる。テールランプはフラットなC字型のLEDで、ボディ後端下部はディフューザーとなっている。
パワートレーンは2種類ある。従来からトヨタ製エンジンをベースとしてきたロータスは、エキシージやエヴォーラと同様にトヨタ製の3.5L V6にスーパーチャージャーを組み合わせて搭載する。これに加え、ロータスにとって初となるAMG製の2L 直4ターボを採用する。組み合わされるトランスミッションは、V6はMTもしくはAT、直4はDCT(いずれも変速段数は未発表)となる。
インテリアはロータスの哲学であるドライバー中心で人間工学に基づいた、手の動きと視線移動を最小にしたものだが、現代的なデザインと素材の品質から、収納スペースの拡大、卓越したフィット感と仕上がり、細部へのこだわり、豊富な先進技術が統合された。
ドアトリムと一体化し包み込むようなダッシュボードは、ドライバーがクルマと一体感を感じるようなまとまりのある感覚を生み出す。シートは、高速コーナリングでのサイドサポートと、ロングツーリングの快適さとを満たすよう設計されている。12ウエイのパワーシートもオプション設定される。
安全&快適装備も充実し、ストレージも豊富
メーターパネルは12.3インチのTFTドライバーディスプレイで、センターダッシュに取り付けられた10.25インチのタッチスクリーンとともに車両のインフォテインメントシステムにアクセスできる。スマートフォンともリンクは可能だ。英国KEF製の10チャンネル プレミアムサラウンドシステムも専用装備される。
グローブボックスや、携帯電話収納スロットを備えた2つのカップホルダー、500mlボトルを収納できるドアポケット、USBポートと12Vソケットを備えたアームレストなど、ストレージも考えられている。シートの後方には208Lのラゲッジスペース、エンジン後部には標準サイズのフライトケースかゴルフクラブのセットが収納できる容量151Lのトランクも備えている。
キーレスゴー、クルーズコントロール、雨感知ワイパー、電動格納式ドアミラー、リアパーキングセンサー(オプションでフロントセンサー付き)、自動防眩バックミラー、カーテンエアバッグ、ローンチコントロール(ロータスドライバーズパックの一部)、および盗難車両トラッカーなども装備される。
先進運転支援システム(ADAS)も、アダプティブクルーズコントロール、衝突防止システム、疲労感知アラーム、道路標識情報、車速リミッター、車線逸脱警告、後退時安全確認警告機能、レーンチェンジアシストなどを装備する。
限定生産のファーストエディションには3.5LのV6が搭載され、2022年春からデリバリーを開始する。直4搭載車は同年夏以降にデビュー予定だ。いずれも、車両価格は未定。気になる日本仕様だが、2022年春以降から生産予定で、価格は決定次第、発表される。ロータス最後の内燃エンジン搭載車、エミーラが日本の道を走る姿を、1日でも早く見たいものだ。
■ロータス エミーラ 主要諸元
●全長×全幅×全高:4412×1895×1225mm
●ホイールベース:2575mm
●車両重量:1405kg(目標値)
●エンジン:直4 DOHCターボ または V6 DOHCスーパーチャージャー
●総排気量:2L(直4)、3.5L(V6)
●最高出力:365−405ps(予定)
●最大トルク:430Nm(予定)
●トランスミッション:DCT(直4)/MTまたはAT(V6)
●駆動方式:横置きミッドシップRWD
●タイヤ:前245/35ZR20、後265/30ZR20
●0→100km/h加速:4.5秒以下
●最高速度:290km/h
●CO2排出量:180g/km以下
●現地車両価格:未定
ロータス、“最後”のエンジン車・新型「エミーラ」発表 AMGエンジン初採用、トヨタエンジン搭載モデルも
ロータスカーズ(以下、ロータス)は7月6日(現地時間)、新型ピュアスポーツカー「エミーラ」を世界初公開。英国のイベント「グッドウッド・フェスティバル・オブ・スピード 2021」で披露しました。
エミーラは、同社いわく「ロータスが作り上げた、最高で“最後”のミッドシップエンジン車」。生産終了が告知された軽量ミッドシップスポーツ車種「エリーゼ」、エリーゼのクーペ版でより過激スペックの「エキシージ」、やや高級路線に振ったスポーツクーペ「エヴォーラ」の特徴や技術を継承し、10年後(2031年)、ロータス車が完全にEV化するまで同社最後のエンジン車ラインアップをリードする主力車種に据えます。
外観は、同社の超ハイスペックEV「エヴァイヤ」のイメージを色濃く取り入れた、スッと鋭いシャープなデザインを採用しました。
パワートレインはAMG製とトヨタ製、2種類から選べます。
ロータス車で初となるAMG製エンジンは2リッター直列4気筒ターボ「i4」+DCT(デュアルクラッチ トランスミッション)仕様で360~400馬力(予定)を発生。トヨタ製エンジンはエキシージ、エヴォーラにも搭載した3.5リッターのスーパーチャージャー付きV型6気筒(365~405馬力予定)でMTかATを選択可能。トヨタ製エンジンを搭載した初回生産限定「ファーストエディション」も用意します。
ゼロヒャク(0~時速100キロ)加速は4.5秒未満、最高速度は時速290キロ。車体サイズは4412(全長)×1895(幅)×1225(高さ)ミリ、重量1405キロ(最軽量モデル目標値)。
デリバリーは2022年春から、英国市場価格で6万ポンド(約914万円)以下を予定。日本市場向けも2022年春以降生産開始を予定します。
ロータス エミーラ 発表…ブランド最後の内燃機関? 変革を体現
イギリスのスポーツカーメーカー、ロータスは7月6日、ミッドシップエンジンのプレミアム2シーター・スポーツカーの新型車、『エミーラ』を発表した。ロータスのビジネスとブランドの継続的な変革を体現した新しいスポーツカー、とメーカー自ら定義する。
エミーラは、人々がロータスに期待するすべての特徴を備えている、ともいう。印象的なデザイン、スポーツカーのクラスで最高の乗り心地とハンドリングを実現する動力性能、卓越した空力特性など。全ては「For The Drivers」、ドライバーに比類のない体験を届けるためだ、と謳う。
これらのブランドシグネチャとそのコアバリューは、いっぽうで実用性、快適性、機能性、テクノロジーのパラダイムシフトと組み合わされているとする。つまりロータスの「飛躍的な進歩」を表した車ということだ。
エミーラという車名は、多くの古代言語で使用されている単語で、「司令官」または「リーダー」と訳されるという。10年後、ロータスが完全にEV化するまで、内燃エンジンを備えたロータスをリードするスポーツカーがエミーラなのだ。
ロータスカーズのマネージングディレクターであるマット・ウィンドルは、「エミーラはロータスのゲームチェンジャーだ。ビジネスの変革、つまりロータスの進歩の具現化においてビーコンの役割を果たす。ロータスがグローバルなパフォーマンスカーブランドになるために重要なマイルストーンだ」と述べている。
たとえばシャーシ。エミーラは新開発の軽量な接着組み立てアルミニウムシャーシを採用している。軽量はロータススポーツカーのDNAだ。そしてその革新的な車両アーキテクチャが、『エヴァイヤ』以来のデザイン言語で包まれる。
エミーラのエンジンには2種類のガソリンエンジンが設定される。限定生産の「ファーストエディション」に搭載されるのは、『エキシージ』と『エヴォーラ』にも搭載されているトヨタ製3.5リットルV6スーパーチャージャー付きだ。2022年の夏以降、メルセデスベンツのパフォーマンス部門AMGとロータスが共同開発した、ターボチャージャー付き2.0リットル直列4気筒が搭載される。AMGとロータスの共同開発は初めて。
パワーユニットは横置きで後輪を駆動する。トランスミッションは、V6はマニュアルまたはオートマチックより選択でき、直4はAMGのDCT(デュアルクラッチトランスミッション)オートマチック。パフォーマンスの詳細は不明だ。エンジンによって異なるはずだが出力は360~400hp、最大トルクは430Nm(43.8kgm)、そして0-100km/h加速:4.5秒未満、最高速度:290km/h、CO2排出量:180g/km以下という数字が予告されている。
シャーシ+サスペンションの設定は2種類がある。「ツアー」は日常の道路での使用に合わせて調整され、ダイナミックなパフォーマンスと快適な乗り心地を提供する。「スポーツ」はオプションのロータスドライバーズパックに含まれる。より強化された運動性能とフィーリングのため、サスペンションセットアップがわずかに硬くなっている。
寸法は全長4412mm、全幅1895mm、全高1225mm、ホイールベース2575mm、車重については「目標車両重量は最軽量で1405kg」という表現だ。
車両の製造はヘセルの本社工場で行なわれる。施設には1億ポンド(約155億円)以上が投資された。ウィンドルは、「エミーラは、ヘセルのファクトリーから出荷される車両の中で、最も完成度の高いロードカーだ。エミーラは、人を振り向かせる魅力を備えたジュニアスーパーカーであり、快適性と機能性に優れた日常のスポーツカーだ」と述べている。
エミーラは7月8~11日にグッドウッド・フェスティバル・オブ・スピードで一般にお披露目される。最初のデリバリーは2022年の春、日本向け車両の生産はそれ以降となる予定だ。
ロータス新型「エミーラ」はAMG製エンジンも搭載! 先進運転支援システムも充実
■AMG製2リッターエンジンが搭載される!
英ロータスはミドシップ・スポーツカー、「エミーラ」を公開した。
ロータスは2020年代の後半には完全な電気自動車専門ブランドへ移行することを明言しており、エミーラは最後の内燃エンジンを搭載したモデルになる。
●シャシは新設計
エミーラの基本構造は、2シーターのオープン・スポーツカーの「エリーゼ」、そのクーペ版であり、サーキット・ユースに特化した「エキシージ」、そして2+2シーターの上位版の「エヴォーラ」という、1996年から2021年までのアルミ押し出し材による接着式シャシを用いてきた近代ロータスの流れを汲むものだ。
ただしこのシャシはすべての寸法が従来型のシャシとは異なるまったく新しいもので、ロータスの本拠地であるヘセルに近い、ロータス・アドバンスド・ストラクチャーで製造される。
ボディサイズは全長4412mm×全幅1895mm×全高1225mm、ホイールベースは2575mmとエヴォーラと非常に近しいサイズだ。18mm長く、47mm幅広く、2mm高いだけで、しかもホイールベースは共通である。
ただしエヴォーラが小さな後席を備えていたのに対し、エミーラは2人乗りとなる。シート後方にはVDA方式で208リッターのラゲッジ・スペースを備えるほか、エンジン・ルームの後方に151リッターの独立したトランクを確保している。
●エンジンは2種類
キャビン後方に横置きに搭載されるエンジンは、エキシージやエヴォーラで採用していたトヨタ製の3.5リッターV型6気筒スーパーチャージド・ユニットと、新たにメルセデスAMGから供給される2リッター直列4気筒ターボチャージド・ユニットの2種類。
前者には6段MTと6段ATが、後者にはデュアルクラッチ式の自動MTが組み合わせられる。
今のところ最高出力が365psから405ps、最大トルク43.8kgmということだけが公表されており、メルセデスAMG「A35」や「A45S」などに搭載されるM260型(最高出力306ps、最大トルク40.8kgm)およびM139型(最高出力421ps、最大トルク51.0kgm)のいずれかをベースにするのではないかと推測されるが、詳細については未公表。変速機も7段になるのか8段になるのかは、現時点では不明だ。
メルセデスAMGのパワーユニットは、エミーラのキャラクターに合わせて吸排気システムの変更がおこなわれることのみ、アナウンスされている。車両重量は1405kg以下を目標としており、0-100km/h加速は4.5秒未満、最高速度は290km/hに達するという。
■スパルタンなロータス一転、安全装備も充実の「エミーラ」に
●油圧式ステアリングを採用
エミーラのシャシセッティングは、日常ユースでの快適な乗り心地とロータスらしいハンドリングを両立した“ツアー”と、オプションのロータス・ドライバーズ・パックに含まれる、よりダイナミックな動きに対応する“スポーツ”の2種類が設定されている。
ホイールサイズは前後ともに20インチで、タイヤはグッドイヤー・イーグルF1スーパースポーツが標準だが、前述のドライバーズ・パックを選ぶとミシュラン・パイロット・スポーツ・カップ2が組み合わせられる。
パワーステアリングは昨今、多くのスポーツカーが電動式に切り替えているが、エミーラはエヴォーラと同様、油圧式を採用している。
●「エヴァイヤ」のようなデザイン
エクステリアデザインは、縦型のLEDライトや、フロントボンネット左右およびドアからリアフェンダーへ続く非常にシャープなエアベントなど、ロータスの旗艦モデル、「エヴァイヤ」ととてもよく似ている。ただし、電動格納式のドアミラーや斜め前方に向かって開くディヘドラルドア、上下に可動するリアウイングなどは採用されておらず、より柔らかでよりシンプルな、これまでのロータスらしさも感じられるものだ。
●新生代コックピット
一方インテリアは完全に新世代のものとなった。ステアリングホイールはこれまでのモデルではほぼ真円だったが、フラットボトム・タイプのD字型に。
ドライバー正面の12.3インチ・ディスプレイのほか、ダッシュボード中央に10.25インチのタッチ式ディスプレイを配置。上下二重構造のセンター・コンソールには、ドリンク・ホルダーやスマートフォン用のスペースまで備わっている。Android AutoおよびApple CarPlayにも対応。
また、従来のロータスでは設定のなかった、アダプティブ クルーズ コントロールや衝突防止システム、疲労感知アラーム、道路標識情報、車速リミッター、車線逸脱警告、後退時安全確認警告機能、レーンチェンジ・アシストなど先進運転支援システム(ADAS)も装備する。従来のロータスたちと共通に見えるのは、アルミ削り出し材を用いたアクセレレーターとブレーキのペダルくらいだ。
●「エミーラ」の発売時期は?
エミーラのデリバリーは2022年春からスタートする予定で、トヨタ製3.5リッターV6を搭載した限定モデル“ファースト・エディション”がまず生産される。
メルセデスAMG製2リッター4気筒搭載車は2022年夏以降にデビューする。日本市場向けの車両の生産は、2022年の春以降になる予定だという。
ロータス・エミーラ発表 価格未定 エンジンはAMG/トヨタ 日本仕様、2022年の春以降生産
公表されたロータス・エミーラのスペック
text:AUTOCAR JAPAN編集部
editor:Taro Ueno(上野太朗)
価格:未定
全長:4412mm
全幅:1895mm
全高:1225mm
ホイールベース:2575mm
車両重量:1405kg(目標値として公表)
パワートレイン:4気筒2000cc/V型6気筒3500cc
最高出力:365-405ps
最大トルク:43.8kg
トランスミッション:i4はDCT/V6はマニュアルとオートマティック
最高速度:290km/h
パワートレインはAMGとトヨタの2つのガソリンエンジンから選択ができるという。
最初に生産される車両は、エキシージとエヴォーラに供給されているトヨタ製3.5L V6エンジンを搭載したモデル。限定生産の「ファーストエディション」として発売される。
2022年夏以降搭載されるロータスにとって初となるメルセデスAMGのエンジンは、ターボチャージャー付き2.0L 4気筒「i4」。AMGとロータスは初めて開発協力をおこない、AMGはエミーラプログラムのテクニカルパートナーとして参加したという。なお、このモデルのトランスミッションはDCT。
世界で最初のデリバリー、2022年春
ロータスは、エミーラの最新情報を発表した。エミーラの由来は、古代言語で使用される「司令官」または「リーダー」といった単語。10年後のロータス・ブランドの完全EV化を前に、最後の内燃機関を備えた、ブランドをリードするモデルにちなんで名づけられたという。
また、生産終了となった伝統モデルのエリーゼ/エキシージ/エヴォーラの性能や特徴、技術に基づいて構築されたプレミアムスポーツカーとも表現されている。
このエミーラは、ロータスによって開発された新しい軽量の接着アルミニウムシャシーを搭載。ロータス・スポーツカーのDNAを継承する。
車両のサイズは、全長4412mm、全幅1895mm、全高1225mm、ホイールベースは2575mmと発表された。
エミーラの世界で最初のデリバリーは、2022年の春から開始、日本向け車両の生産は、2022年の春以降を予定しているという。
エミーラの外観、エヴァイヤ彷彿
エミーラのデザインの流線的なサーフェイスと鮮明なライン、エッジをシャープに仕上げたボンネット、後部に向かって次第に引き締まっていくシュリンクラップされたキャビンなどはエヴァイヤの流れを汲んだもの。
縦型のオールLEDヘッドランプが標準装備されており、ロータスハイパーカーでもおなじみのウイングにインスパイアされたツインブレードデザインが採用されている。
ボンネットには、象徴的な新たなロータスロゴを配している。
ドアに切り込まれたアーティスティックシェイプセクションがドアを通してリアホイール前の吸気口に向かって空気の流れを導くことで、エンジンに空気を供給するだけでなく、エンジンを冷却するという2つの目的を果たす。
5つのデザインから選択できるホイールは20インチを採用。標準でグッドイヤーイーグルF1スーパースポーツタイヤが装着され、ミシュランパイロットスポーツカップ2がオプションで選択可能。
外装色は、
・ヘセルイエロー
・シャドーグレー
・マグマレッド
・ニンバスグレー
・ダークバンダント
・ローンチエディションでセセネカブルーが選択可能。
キーレスゴー、クルーズコントロール、雨感知ワイパー、電動格納式ドアミラー、リアパーキングセンサー(オプションでフロントセンサー付き)、自動防眩バックミラー、カーテンエアバッグ、ローンチコントロール(ロータスドライバーズパックの一部)、および盗難車両トラッカーが選択できる。
また、先進運転支援システム(ADAS)として
・アダプティブクルーズコントロール
・衝突防止システム
・疲労感知アラーム
・道路標識情報
・車速リミッター
・車線逸脱警告
・後退時安全確認警告機能
・レーンチェンジアシスト
が装備される。
エミーラのインテリア ドライバー中心
インテリアは常にドライバー中心に考えられおり、純粋な人間工学に基づいたデザインと、直感的に使用できるように配置された計器類を備えている。
エミーラも手操作と視線移動が最小にできるモダンなコクピット環境とした。
シートは2種類。高速コーナリングにおける卓越した横方向のサポートと長距離旅行における快適さの双方を満たすように設計されているという。
標準シートは4方向電動調整を備えている。運転席/助手席の両方に12方向電動調整を備えたプレミアムスポーツシートにアップグレードするオプションも用意。
インフォテインメントシステムへのアクセスには、ダッシュボード中央に取り付けられた10.25インチタッチスクリーンと、ステアリングホイール後方に設置されている12.3インチTFTドライバーディスプレイを介しておこなわれる。
また、アンドロイド・オートとアップル・カープレイが標準で組み込まれている。
さらに、英国ブランドKEFの10チャンネルプレミアムサウンドシステムが装備され、音質にもこだわった。
なお、インテリアカラーは、
・ブラックナッパレザー
・レッドナッパレザー
・グレーナッパレザー
・タンナッパレザー
・ブラックアルカンタラ/グレーステッチ
・ブラックアルカンタラ/レッドステッチ
・ブラックアルカンタラ/イエローステッチ
の7種類から選択可能。
ロータス エミーラが全貌を公開! 最後の内燃機関にはトヨタ製V6とAMG製直4ターボの2種類を用意
Lotus Emira
ロータス エミーラ
車両価格は邦貨約915万円から
ロータスは2021年7月6日、新型スポーツカー「Emira(エミーラ)」を世界初公開した。年内に生産を終えるエリーゼやエキシージ、エヴォーラの後を継ぐエミーラは、ロータスにとって「最後の燃焼エンジン搭載モデル」となる。車両価格は本国で6万ポンド(約915万円)から。同日より世界各地の販売店で予約受付を開始、デリバリー開始は2022年春を予定している。
ロータスの最新ミッドシップスポーツ、エミーラがとうとう全貌を明らかにした。全長4412×全幅1895×全高1225mmと、エヴォーラよりわずかに大きなボディを持つ2シーターモデルで、ホイールベースはエヴォーラと同値の2575mmとなっている。ベースとなっているのは、アルミの押し出し材を使用した軽量な「スポーツカー アーキテクチャー」だ。
お馴染みのV6に加えてAMG製直4を用意
気になるエンジンには、2種類のガソリンユニットが用意された。導入モデルとして限定発売する「ファーストエディション」には、エキシージやエヴォーラに搭載されてきたトヨタ製のスーパーチャージド3.5リッターV6を搭載。そして、2022年夏にはAMG製の2.0リッター直列4気筒ターボを積んだエミーラが登場する。
エミーラの開発にあたり、ロータス×AMGという初のタッグが実現した。車体後部に横置き搭載するAMG製の直4ターボは、新しいインテーク/エキゾーストシステムを組み合わせた完全なる“ロータス仕様”。ヘセルの経験豊富なエンジニアたちがチューンし、ロータスらしいキャラクターを作り上げたという。
マニュアルトランスミッションも健在
トランスミッションは「マニュアル、オートマティック、そしてデュアル・クラッチ・トランスミッション(DCT)から選択できる」と公式資料には書かれているが、トヨタ製V6モデルがMTもしくはAT、AMG製直4モデルはDCT、という組み合わせになると予想される。
エンジン別のパワースペックは現時点で不明だが、「最高出力は360~400hp、最大トルクは430Nm」であり、「0-100km/h加速は4.5秒以下、最高時速290km/h」であること。そして車両重量は「最も軽量な仕様で1405kg」であることは明らかにされた。
先進運転支援システム(ADAS)にも対応
現行エリーゼの導入時から採用している、アルミニウム製シャシーのもつ魅力はすでに十分なお墨付きとなっている。今回エミーラが採用するのはその進化形といえるシャシーであり、「これまでのロータスのシャシーとはすべてのディメンションが異なり、生産もまったく新しい施設で行う」と公式資料にある。シャシーの製造は、ヘセルから数マイル離れたノリッジにあるサブアッセンブリ施設であるロータス・アドバンスド・ストラクチャーズが担当する。
フィーリングを重視するロータスらしく、電動の油圧式パワーステアリングを採用。走行モードは日常づかいに相応しい「ツアー」と、ドライバーズパック装着モデルにはよりスポーティな乗り味となる「スポーツ」を設定する。さらに、ACCや衝突予防システム、標識認識機能、車速制限機能、車線逸脱警告、リヤクロストラフィックアラート、車線変更アシスト機能といった先進運転支援機能(ADAS)も用意している。
荷物の置き場にはもう困らない
コクピットまわりの景色は一新。体の触れやすい部分にはソフトパット材を使用し、マテリアルも高級感のあるもので統一している。メーターは12.3インチの液晶画面となり、センターにも10.25インチのタッチスクリーンを設置。シートサイズや視界の広さも徹底的に追求し、高身長のドライバーからそうでないドライバーまで、幅広いカスタマーがロータスのドライビングを楽しめるよう設計したという。その一方で、MTモデルではリンク機構が露出したお馴染みの“景色”も用意しているという。
キャビン真ん中には2つのカップホルダーと携帯電話を置けるスペースを設置。“使える”グローブボックスはもちろん、ドアポケットにも500mlのボトルを収納できるなどユーティリティも刷新した。さらにシート背後にも208リットルの収納スペースがあり、エンジン後方にも151リットルの空間(機内持ち込み手荷物サイズに対応)を確保。ロータス乗りに無駄な荷物など無用、とやせ我慢をする必要はなくなったと言えるだろう。
“小さなスーパーカー”のような大迫力
エミーラは、次期型フルEVハイパーカーとして開発が進む「エヴァイヤ」とデザイン言語を共有している。流れるようなシルエットや塊感のあるキャビン、筋肉質なリヤセクション、大胆なベントデザインなどを採り入れ、“小さなスーパーカー”と呼びたくなるような、迫力ある外観を実現している。
ヘッドランプはフルLEDを標準装備とし、翼をモチーフにしたツインブレードデザインを採用。ボンネットには新しくなったロータスのロゴを初めて装着し、車名のエンブレムはCピラー部へ溶け込むように配している。
コンベンショナルな空力パーツに宿るロータス流哲学
タイヤサイズは全車20インチで、標準仕様がグッドイヤー製イーグルF1スーパースポーツ、有償オプションとしてミシュランのスーパースポーツ カップ 2を用意。いずれのタイヤもエミーラのために専用開発されたものである。
空力性能の追求は、ロータスが創業以来一貫して守り続けてきた開発テーマのひとつ。エミーラもその例に漏れず、公道からサーキットまで、あらゆるシチュエーションで卓越したパフォーマンスを発揮するよう、車両全体のエアロダイナミクス性能を鍛え上げてきたという。アクティブに稼働する可変デバイスを用いることなく、コンベンショナルな手法でスポーツカーに相応しい空力特性を実現しているのもロータス流だ。
ロータスの新章を告げる重要なプロダクト
ロータスはいま、創業80周年を迎える2028年に向けた戦略「ビジョン80」を押し進めている。エミーラは、その戦略のもとに生まれた最初のプロダクトであり、次の時代へと踏みだそうとしているロータスにとって、新章の幕開けとなる1台だ。
車名の「Emira」はいくつかの古代言語に由来する単語であり、「リーダー」や「司令官」といった意味合いをもつ。世界の主要なマーケットすべてをターゲットに開発したグローバルモデルであるエミーラは、その名のとおり、今後ロータスの看板をより広く世界へ浸透させるための旗振り役を務めていく。
英国ブランド最後のミッドシップエンジン車『ロータス・エミーラ』AMG供給の2Lターボも用意
ロータスはイギリス時間7月6日、新型スポーツカー『Lotus Emira(ロータス・エミーラ)』を世界初公開した。このプレミアム・スポーツカーは、イギリスのスポーツカーブランドが作り上げた最後のミッドシップエンジン車両となる。
ロータス・カーズのマネージングディレクターを務めるマット・ウィンドルは、「エミーラはロータスのゲームチェンジャーです」と述べる。
「これは、ビジネスの変革、つまり私たちの進歩の具現化において、これまでに達成したすべてのビーコンとしての役割を果たします。これは、グローバルなパフォーマンスカーブランドになるための非常に重要なマイルストーンです」
複数の古代言語で司令官、又はリーダーを意味するモデル名が与えられた新型スポーツカーは、ヨーロッパの自動車メーカーと同様に、電動化へ舵を切ったロータスのビジネスとブランドの継続的な変革を完全に体現するものだ。
それを象徴するポイントのひとつが、フルEVハイパーカー『ロータス・エヴァイヤ』からインスピレーションを受け、滑らかなサーフェイスと鮮明で特徴的なラインが表現されたエクステリアデザインだ。人目を惹くエッジをシャープに仕上げたボンネットをはじめ、後部に向かって次第に引き締まっていくシュリンクラップされたキャビン、力強いリヤ回りに切り込まれたアーティスティックシェイプが施されたドアとベントは、このクルマのデザイン哲学をさらに明白なものにしている。
シャシーはエミーラのために新たに開発された軽量接着アルミニウムシャシーが採用される。これは数多くのライトウエイトスポーツカーを手掛けてきたロータスのスポーツカーに宿るDNAの本質的な部分だ。車両寸法は全長4412mm、全幅1895mm、全高1225mm、ホイールベースは2575mmとなり、目標車両重量は1405kgであることが発表された。
搭載されるエンジンユニットは、エヴォーラやエキシージで実績のある3.5リットルスーパーチャージャー付きV6に加え、テクニカルパートナーであるAMGから初めて供給される2.0リットル直列4気筒ターボ『i4』をラインアップ。前者ではマニュアル又はオートマチック。トランスミッションが選択可能で、エンジンを横置きとする後者ではDCT(デュアル・クラッチ・トランスミッション)が組み合わせられる。
これらのパワートレインが生み出す最大出力は360~400hp(約364~405PS)となる予定。また最大トルクは430Nm(43.8kgm)、0-100km/h加速は4.5秒以内、最高時速は290km/hをマークするという。
なお、2022年春から(日本では春以降)デリバリーが開始されるエミーラには限定生産の“ファーストエディション”が設定され、この限定モデルは3.5L V6エンジン車となる。今後イギリス・ノーフォークのヘセルにあるロータスの本拠地で製造が行われるエミーラは7月8~11日に同国で開催される、グッドウッド・フェスティバル・オブ・スピード(FoS)でパブリックデビューを迎える予定だ。
■ロータス・エミーラ 主要諸元
全長4412mm全幅1895mm全高1225mmホイールベース2575mmエンジン3.5リットルV6スーパーチャージャー/2.0リットル直列4気筒ターボ(i4)トランスミッションV6:マニュアル/オートマチック/i4:DCT最高出力360~400hp(約365~405PS)最大トルク430Nm(43.8kgm)0-100km/h加速4.5秒以下最高速度290km/hCO2排出180g/km以下車両重量(EU DIN kerb weight)1405kg(目標値)コネクティビティ―とインフォテインメント10.25インチタッチスクリーン、ナビゲーション(一部地域除く)、Apple CarPlay、Android Auto、KEF Uni-Q プレミアムオーディオシステム主要テクノロジーと機能キーレスゴー、クルーズコントロール、雨感知ワイパー、電動格納式ミラー、電動シート、LED式エクステリアライト、アダプティブクルーズコントロール、衝突防止システム、疲労感知アラーム、道路標識情報、車速リミッター、車線逸脱警告、後退時安全確認警告機能、レーンチェンジアシスト価格帯日本価格が決定次第発表
新型ロータス エミーラをジェンソン・バトンがドライブ! 元F1王者による最新ミッドシップスポーツの評価とは
Lotus Emira
ロータス エミーラ
ロータスの新時代を告げる最新スポーツ
ロータスは新型車「エミーラ」を、2021年7月6日に世界初公開した。エリーゼ、エキシージ、エヴォーラの年内生産終了を発表した同社にとって、エミーラは唯一にして、最後の内燃機関モデルとなる。同時に、生産・研究設備からアーキテクチャー、モデルポートフォリオを大刷新中のロータスにとっては、新時代を告げる重要なプロダクトだ。
いわば新生ロータス渾身の一作といえるミッドシップスポーツのエミーラに、ジェンソン・バトンが乗った。聖地ともいえるヘセルのテストトラックを30周以上もラップした元F1世界チャンピオンの口から飛び出したのは、こんな言葉だった。
「ロータスといえば低速コーナーでのしっかりしたメカニカルグリップに定評がありますが、エミーラは高速コーナーでもたっぷりのダウンフォースが生まれる。どんな運転をしているときでも、素晴らしいバランスを感じることができるはずです。本当にずば抜けていますよ。僕もすでに大ファンです」
すべてが体になじむコクピット
運転のプロフェッショナルはもちろん、すべてのドライバーにとって、コクピットでぴたりと正しいポジションを最初に見つけられるかどうかは重要な鍵である。エミーラのコクピットについて、バトンはこう説明する。
「しっくり体に馴染むように感じました。セレクトレバーとステアリングホイール、ペダルといったすべてのポジションがあるべき場所にある。これが最初から大きな安心をもたらしてくれるんです。インフォテインメントシステムもいいですね。必要な情報をすべてカバーしていて、かつすごくシンプルです」
なによりバトンを驚かせたものとは?
日常的な使い勝手を重視した機能性や実用面もエミーラは兼ね備えている。ロータスにそんなものは求めていないという人もあるいはいるかもしれないが、バトンはこう語る。
「ロータスの純粋なる愛好家も、きっとエミーラを気に入るでしょう。初めてロータスに触れるという人たちは、インテリアの高級感に惹かれるはず。シートとコクピットにひとたび身を落ち着ければ、背中を下部分からしっかりと支え続けてくれるので、長旅でもずっと快適でしょうね。ここにきっとみんな驚くのではないでしょうか」
エミーラの快適性にびっくりさせられたバトンだったが、なにより彼を驚愕させたのがその価格であったという。
「まだ衝撃が収まりませんよ。6万ポンド(約915万円)以下からの価格設定だなんて素晴らしいじゃないですか。たくさんの人が手にすることができる可能性があるっていうことですからね。“ジュニアスーパーカー”なんて呼ばれていますが、多くのスーパーカーはそれなりの値段がするものです。それに、そういうスーパーカーのほとんどよりも、ずっと快適なんですから!」
新時代のロータスあらわる──エミーラ登場!
7月6日、ロータスは、新型ミドシップ・スポーツ「エミーラ(Emira)」を発表した。
エンジンはV6と直4ターボの2種類
エミーラは、まったく新しいふたり乗りのミドシップ・スポーツだ。ポルシェ「718ケイマン」などがライバルになる
ボディは全長×全幅×全高=4412×1895×1225mmで、ホイールベースは2575mm。アルミニウムを多用したシャシーを使い、車両重量は1405kgに抑えた、とされる。
すでに発表済みのEV(電気自動車)のエヴィジャ(Evija」を彷彿とさせるスタイリングで、20インチのアルミホイールを履く。グッドイヤー製の「イーグルF1スーパースポーツ」が標準タイヤで、ミシュラン製の「パイロットスポーツカップ2」はオプションだ。いずれもエミーラ用に、ロータスと共同開発したタイヤという。
室内には、ふたつの液晶パネルがダッシュボード上にならぶ。ひとつはメーター用で12.3インチ、もうひとつはインフォテインメント用の10.25インチだ。後者はApple CarPlayとAndroid Autoに対応する。エアコンやオーディオ・コントローラー付きのステアリング・ホイール、アンビエント・ライト、KEF製のプレミアムサウンドシステム、4Wayの電動調整機構付きシート、リア・パーキングセンサーなどは標準だ。
ラゲッジルームの容量は151リッターで、標準サイズのスーツケースやゴルフバッグを積めるという。シート背後には208リッターのスペースが確保され、センターコンソールやドアライニングには小物入れが、センターコンソールにはふたつのカップホルダーがある。
搭載するエンジンは2種類。トヨタ製の3.5リッターV型6気筒ガソリンと、メルセデスAMG製の2.0リッター直列4気筒ガソリンターボだ。いずれも詳細なスペックは明かされていないものの、最高出力は360~400psの間になるそうで、最大トルクはいずれも430Nmという。組み合わされるトランスミッションは、V6がMTないしはATで、直4ターボがダブル・クラッチ式の自動MT(DCT)。公称の0~100km/hの加速タイムは4.5秒未満、最高速度は290km/h。
衝突被害軽減ブレーキや車線逸脱警報機能、さらにはACC(アダプティブ・クルーズ・コントロール)も搭載する。
価格は6万ポンド(約914万円)未満になるという。デリバリーは来春を予定する。
文・稲垣邦康(GQ)
ジェンソン・バトンがロータス「エミーラ」を試乗! バリューある価格に驚き
■快適でバランス感覚が優れた「エミーラ」
2021年7月6日(英国時間)にワールドプレミアされたロータス「エミーラ」。新設計された2シーターのプラットホームに、トヨタ製3.5リッターV型6気筒スーパーチャージャーを搭載したモデルと、AMG製2リッター4気筒ターボを搭載したモデルを用意する、ロータスとしては最後の内燃機関搭載スポーツモデルである。
●「エミーラ」発表にバトン登場
このエミーラの発表会に、元F1ワールドチャンピオンである、ジェンソン・バトン氏が登場した。バトン氏は長年のロータスのファンであり、現在は130台限定で発売されたロータスの電動ハイパーカー「Evija(エヴァイヤ)」のオーナーでもある。
バトン氏はエミーラを、発表前にロータス本社に付属するテストコースで試乗をしたそうだ。
ロータスの本社は、イングランド北東部ノーフォークのヘセルにある。ロータスが、ここにかつて存在した米空軍飛行場跡地を利用して、1周約3.5kmのコースと工場を建設したのは1966年のこと。以来半世紀以上にわたって、数々のモデルがロータスに関わるF1パイロットたちの手によってテストされてきた経緯がある。
●バトンの「エミーラ」インプレッションは
そのヘセルのテストコースにおいて、バトン氏は30周以上、エミーラをドライブし、次のような感想をコメントした。
「低速コーナーではメカニカルなグリップがあり、高速コーナーではダウンフォースの強さがある。つまりどんな走り方をしても、バランスの感覚が素晴らしい。
シフトレバーやステアリングホイール、腰をしっかりホールドしてくれるシート、ペダル類のすべてがあるべき位置にあるため、最初から自信を持って運転ができた。これはプロだけではなく、すべてのドライバーにとって重要なことだ。
インテリアは高級感があり、シートも腰のサポートが充実しているので、長時間の移動でも快適に過ごせる。これは多くの人を驚かせるだろう」
バトン氏がさらに高く評価したのは、エミーラのプライスだった。
「エミーラのバリューある価格には、いい意味でのショックを受けている。これは多くの人がこのクルマを体験できる、ということを意味するものだ。
エミーラの車格はジュニアスーパーカーと呼ばれているが、その走りは多くのスーパーカーに引けを取らないばかりか、それらスーパーカーの大半よりも快適に走りを楽しむことができるクルマだ」
* * *
先日、イギリスのコーチビルダーであるラドフォード社から、ロータス「62」のレストモッドが発表されたが、バトン氏はこのラドフォード社の経営陣のひとりだ。
また、バトン氏が率いるエクストリームEレースチーム「JBXE」のテクニカルパートナーとして、ロータスの電動車開発部門であるロータス・エンジニアリングが加わっていて、JBXEの初表彰台獲得に貢献している。
今後本格化するであろう、ロータスの電動スポーツモデル開発においても、ロータスとバトン氏の協力体制は深まっていくのではないだろうか。
ロータス最後のエンジン車爆誕で振り返る! 日本でも有名なロータス車5選
■新型エミーラとともに記憶に残るロータス車を振り返る
英国を代表するスポーツカーメーカーのロータスは、天才技術者のコーリン・チャップマンが、バックヤードビルダー(裏庭でクルマの製作やチューニングをおこなう)を経て1952年に創業しました。
当初はチャップマン自身が乗るレーシングカーの製作からスタートし、レースマシンの販売を経て、ロードカーの開発を開始。
レースでは数多くの革新的なアイデアを投入したF1マシンを製造する高い技術力を誇り、その技術を市販車にもフィードバックすることで、軽量かつ高性能を信条としたスポーツカーを次々と輩出しました。
その後、ロータスはオーナーが変わった後も、スポーツカーに対する明確なコンセプトは変わっていません。
そして、日本時間で2021年7月7日午前4時、ロータスは新型「エミーラ」を世界初公開しました。
すでにエミーラは、ロータス車のなかでも内燃エンジンを搭載する最後のモデルとアナウンスされたメモリアルなモデルとして、世界的にも注目されています。
そこで、新型エミーラとともに、日本でも広く知られているロータスのクルマを5車種紹介します。
●エミーラ
新型エミーラの外観は「エヴォーラ」に近いシルエットのGTカーというイメージですが、フロントフードのエアアウトレットやボディサイドの大型エアインテークなどによって、アグレッシブなフォルムを実現。
ボディサイズは全長4412mm×全幅1895mm×全高1225mmで、やはりエヴォーラ近いサイズで2575mmのホイールベースはエヴォーラと共通です。
シャシは「エリーゼ」から始まったアルミ押し出し材をエポキシ樹脂の接着剤で結合したバスタブ型を継承していますが、すべての寸法が従来型のシャシとは異なるまったく新しいものとアナウンスされています。
室内は2シーターで、ステアリングホイールはロータスでは初のDシェイプを採用。インパネは正面の12.3インチ・ディスプレイのほか、ダッシュボード中央に10.25インチのタッチ式ディスプレイを配置するなど、近年のトレンドが織り込まれています。
リアミッドシップに横置きに搭載されるエンジンは、エキシージやエヴォーラと同様なトヨタ製の3.5リッターV型6気筒スーパーチャージドと、新たにメルセデスAMGから供給される2リッター直列4気筒ターボの2種類を設定。後者の出力は最高出力365馬力から405馬力、最大トルク43.8kgmということだけが公表されており、トランスミッションは6気筒には6速MTと6速AT、4気筒はDCTが設定される予定です。
また、ロータスでは初の先進運転支援システムを装備。アダプティブクルーズコントロールや衝突防止システム、疲労感知アラーム、道路標識情報、車速リミッター、車線逸脱警告、後退時安全確認警告機能、レーンチェンジアシストなどが搭載されます。
車重は1405kg以下を目標としており、従来のモデルと比べると重くなりそうですが、装備を考えるとある程度は仕方がないといえるでしょう。
一方で、0-100km/h加速は4.5秒未満、最高速度は290km/hに達するパフォーマンスを誇り、生粋のスポーツカーであることには変わりありません。
新型エミーラの価格は未定ですが、デリバリーは2022年春からV6車からスタートする予定となっています。
●セブン
創業当初のロータス車は、欧州でも安価なスポーツカーとして高く評価されていました。その理由はエンジンを自社開発とせず、既存のモデルから流用したことと、オーナーが自分で組み立てることを前提としたキットカーとして販売したことにあります。
このキットカーをメインとしてヒットし、後に傑作といわれたのが1957年に登場した「セブン」です。
外観はロングノーズ・ショートデッキのフォルムで、ドライバーは後輪軸付近に着座する古典的なFRスポーツカーに習い、公道を走れるフォーミュラーカーのようなイメージです。
シャシは鋼管を組み合わせたスペースフレームで、外板はアルミパネルとされるなど、やはり当時のフォーミュラーカーと同様な構造とされました。
エンジンはさまざまな仕様が設定されましたが、有名なのはコスワースチューンの欧州フォード製OHVユニットで、86馬力の1.3リッターから106馬力の1.5リッターまであり、さらにDOHCのシリンダーヘッドを自社で生産した1.6リッターの「ロータスツインカム」も設定。
一方、セブンの真骨頂は軽量なボディにあり走るために不必要な装備を省いた結果、ほぼすべてのモデルが500kg台で、ある意味大出力のエンジンを必要としていなかったといえるでしょう。
このセブンは「シリーズ1」から1973年登場の「シリーズ4」まで生産が続き、その後セブンの製造権と販売権は現在のケータハムが引き継ぎ、とくに優れた見た目と性能の「シリーズ3」をモチーフに生産が続けられています。
●ヨーロッパ
ロータスのモデルのなかでも、日本でもっとも知られ高い人気を誇るモデルといえば、1966年に誕生した、「ヨーロッパ」ではないでしょうか。
日本で1970年代後半に起こった「スーパーカーブーム」の火付け役となった漫画「サーキットの狼」の主人公がロータス ヨーロッパに乗っていたことや、当時の日本車ではありえない斬新なフォルムは、少年たちを夢中にさせました。
ロータス ヨーロッパは大きく分けてシリーズ1からシリーズ3がありますが、シリーズ1と2は、リアサイドが高く立ち上がったデザインで、シリーズ3でデザインが変更されてリアサイドは低くなり、日本で広く知られるようになったのはシリーズ3です。
ボディサイズは全長3980mm×全幅1650mmというコンパクトなサイズもさることながら、全高1090mmという低さが際立ちます。なおボディ構造は鋼板バックボーンフレームにFRP製のボディを載せる手法です。
エンジンはリアミッドシップに縦置きに搭載。当初はルノー製の1.5リッターOHVで、最高出力は82馬力とローパワーですが600kgほどの軽量な車体には十分な出力とされました。
そして、シリーズ3の高性能モデル「ヨーロッパ スペシャル」で最高出力126馬力の1.6リッター直列4気筒DOHCを搭載し、よりスポーツカーにふさわしい走りを獲得。
パワー的にはイタリアンスーパーカーよりも劣りますが、地を這うようなスタイルのヨーロッパは、紛れもなくスーパーカーといえるでしょう。
■映画で大ブレイクしたモデルと、新時代のロータスを象徴するモデルとは
●エスプリ
ロータスのモデルでFRのセブンと「エラン」(後にFFも登場)や、ミッドシップのヨーロッパがヒット作となりましたが、1976年に登場した「エスプリ」は、それまでのライトウェイトスポーツカーではなくGTカーとして開発されました。
エスプリは鋼板バックボーンフレームにFRP製ボディを搭載する、ロータスでは定番となっていた手法でつくられ、当初は2リッター直列4気筒エンジンをリアミッドシップに縦置きに搭載。
デザインは直線基調のキャビンとややラウンドしたボディを融合させた、GTカーらしい高級感とスピード感あふれるフォルムを実現しています。
当時、スーパーカーブームでエスプリも日本で紹介されましたが、映画「007私を愛したスパイ」で潜水艇にもなるボンドカーに採用されたことで、エスプリはヨーロッパと並んでロータス車のなかでも少年たちから人気のモデルとなりました。
また、エスプリは2004年まで生産された28年ものロングセラーで、大きくシリーズ1からシリーズ4まで分かれ、ボディも1987年に大幅な変更を受けた「X180」と呼ばれるモデルでは、角を丸めたモダンなデザインに変貌。トヨタと提携していたことからテールランプがAE86型「カローラレビン」のものを流用していたのは、有名なエピソードです。
エンジンも後に2リッターと2.2リッター直列4気筒ターボへと昇格し、さらに1996年には3.5リッターV型8気筒ツインターボとされ、最終的には350馬力を発揮しました。
●エリーゼ
前述のとおり、ロータスのモデルは軽量であることが使命で、たとえハイパワーなエンジンでなくても軽量な車体によって優れた走行性能を実現するというのがロータス車の美学といえます。
このコンセプトを受け継いで1996年に発売された新時代のスポーツカーが、「エリーゼ S1(シリーズ1)」です。
タルガトップとしたオープン2シーターのボディは全長3726mm×全幅1720mm×全高1200mmと非常にコンパクトなサイズで、外観は曲面で構成されるグラマラスなデザインを採用。ロー&ワイドなスタンスは古典的な面もありながら新時代のスポーツカーのフォルムを表現しています。
もっとも特徴的なのがシャシで前述のとおりアルミ製のバスタブ型を同社で初めて採用し、ボディパネルはロータスがもっとも得意とするFRP製とすることで、車重はわずか690kgを達成。
また、ヒーター以外の快適装備やエアバッグなどの安全装備は搭載されず、S1でも初期のモデルではアルミ製ブレーキディスクを採用するなど、ストイックなまで軽量化にこだわっていました。
当初、リアミッドシップに搭載されたエンジンはローバー製の1.8リッター直列4気筒DOHCで、最高出力は120馬力とローパワーですが加速性能は十分で、コーナリング性能の高さも折り紙付きです。
その後、エンジンはトヨタ製にスイッチされてパワーアップを図り、S2、S3とデザインのアップデートもおこなわれました。
さらに、快適装備や安全装備が充実したことでS1から次第に車重は増えていきましたが、それでも900kg前後に抑えられています。
エリーゼはすでに生産を終えていますが、ロータスの伝統的なコンセプトを受け継いだ集大成といえるモデルでした。
※ ※ ※
繰り返しになりますが、新型エミーラは内燃エンジンを搭載した最後のロータス車となる予定です。
一方で、ロータスのモデルはエンジンノイズや振動などが容赦なく室内に入ってくるモデルが多く、スポーツカーをドライブしていることをあらゆる感覚で感じとれます。
そうしたモデルこそロータスならではであり、やはりEV化は一抹の寂しさもありますが、きっと次世代のロータス車もすばらしいコーナリングマシンであることは普遍でしょう。
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自動車業界あれこれ | 日記
Posted at
2021/07/12 21:47:01
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