• 車種別
  • パーツ
  • 整備手帳
  • ブログ
  • みんカラ+
イイね!
2021年07月12日

水平対向をそのまま搭載して戦績が出たらまた違ったのだろうか

水平対向をそのまま搭載して戦績が出たらまた違ったのだろうか 「下着メーカーが作った国産スーパーカーをご存知?」リヤミッドにF1エンジンを積んだジオット・キャスピタという奇跡

リヤミッドにジャッドV10エンジンを搭載!

『F1 ON THE ROAD』をコンセプトに開発

往年のレースファンならよく覚えてると思うが、1980年代半ばから後半にかけてトヨタ、童夢とタッグを組み、グループCカーであるトヨタ童夢84/85/86/87Cのメインスポンサーを務めたのが、女性用下着メーカーのワコールだ。

後、日本が好景気に沸いたバブル期には男性向けブランドを開発するための会社、“ジオット”を設立。そのイメージリーダーとして誕生したのが、2シーターリヤミッドシップスーパーカーのキャスピタだった。

ジオットキャスピタは、1989年9月にプロトタイプが完成。リヤミッドに搭載されたエンジンは、スバルとイタリアのレーシングエンジンコンストラクター、モトーリモデルニ社が共同開発した3.5Lフラット12だった。

このエンジン、翌1990年にはイタリアのF1チーム、コローニに供給されたことで知られるが、F1用エンジンとしてはパフォーマンスも信頼性も低く、エントリーした6戦で全戦予備予選落ちという屈辱的な戦績しか残せなかったことは、当時のファンなら覚えているだろう。これによってスバルモトーリモデルニはF1から撤退。ジオットキャスピタに搭載されての市販化も白紙に戻ってしまった。

普通ならそこで計画中止となってもおかしくないが、簡単には諦めなかったのがジオット。プロトタイプの発表から4年が経った1993年、フラット12に代えて、これまた当時のF1マシンやグループCカーで使われたジャッドV10搭載のナンバー付きモデルを送り出してきたのだ。

ボディサイズは全長4534×全幅1996×全高1136mm、ホイールベース2700mm。シャシーはグループCカーと同じフルカーボンモノコック製(重量わずか85kg)、ボディカウルもオールカーボン仕様とすることで、車重は1240kgに抑えられていた。

エンジンは72度のバンク角を持つV型10気筒のジャッドGVで、制御はザイテック社製ECUが担当。グループCカー用をベースに、ストリート走行を考慮してデチューンされているが、それでも585ps/1万750rpm、39.2kgm/1万500rpmという超ド級のスペックを誇った。ちなみに、有効回転域は7000rpm以上。いくらストリート向きに仕立て直しても、レーシングエンジンの素性までは隠し切れなかったということだ。

そこに組み合わされたミッションは、マクラーレンやウィリアムズなどにF1マシン用ミッションを供給していたトラクションプロダクツ社製の6速MT。キャスピタ用に専用設計されたもので、6速直結、ファイナル比は3.479と、超高回転型のエンジン特性に合わせて、かなりローギヤードな方向に振った設定とされていた。

サスペンション形式は前後ダブルウィッシュボーン。ショウワ製ダンパーユニットが組み合わされ、リヤサスは当時F1マシンの多くがそうであったようにプッシュロッドを介して作動する。また、油圧によってプッシュロッド長を変えることで、最低地上高は130mmと70mmの2段階で切り替え可能。減衰力もソフトとハードをセレクトできる。

フロントブレーキはブレンボ製4ポットキャリパーに2ピースドリルドディスクローターの組み合わせ。ローター径は前後とも254mmとされる。マスターバックを持たないつくりはレーシングマシンそのもので、ホイールもセンターロック式となる。

気になる動力性能だが、最高速テストまではやってなかったものの450ps仕様で280km/hをマーク。シミュレーションでは585ps仕様で300~320km/hという数字が弾き出されていた。

ナンバー付きモデルの登場で市販化も大いに期待されたが、結局、生産されたのは1台だけ。そもそもが男性用下着ブランド、ジオットのイメージリーダーカーとして誕生したことに加え、バブル景気の崩壊により、実はワコールが市販化に向けての開発資金を捻出できなかったという事情もあったのでは…と推測する。

ともあれ、ジオットというブランドも、そこから生まれたキャスピタというスーパーカーも、バブル期だからこその壮大なロマンに満ち溢れていたことだけは確かだ。

●TEXT:廣嶋健太郎(Kentaro HIROSHIMA)
ブログ一覧 | 自動車業界あれこれ | 日記
Posted at 2021/07/12 22:42:48

イイね!0件



今、あなたにおすすめ

ブログ人気記事

竹島ドライブ&BGM
kurajiさん

雨☔の洗車...😅
すっぱい塩さん

シュアラスター様 洗車相談会6周年 ...
大十朗さん

8/10 日曜日の朝‼️
ミッキーたんさん

山中湖~厚木方面の東名高速の渋滞迂 ...
「かい」さん

沢山のイイね!ありがとうございます ...
KUMAMONさん

この記事へのコメント

コメントはありません。

プロフィール

「@うーさー トランクに切れ込み入っていて車体にウイングの足を残しながら外れてくれます(開くって表現はしなくなります)」
何シテル?   06/22 22:42
初めまして。 インプレッサG4に代替を致しました~ 自分色に染めて行こうと思います 燃費を気にする割にアクセル踏んじゃうんですよ~ バトンに関し...

ハイタッチ!drive

みんカラ新規会員登録

ユーザー内検索

<< 2025/8 >>

     12
3456789
10111213141516
17181920212223
24252627282930
31      

リンク・クリップ

FrogDrive S660用リアダクトフレーム取り付けその1 
カテゴリ:その他(カテゴリ未設定)
2021/11/29 15:26:19
ポケモンGO攻略まとめ  
カテゴリ:その他(カテゴリ未設定)
2018/08/12 02:23:37
 
マギレコ攻略Wiki 
カテゴリ:その他(カテゴリ未設定)
2018/08/12 02:22:57
 

愛車一覧

スバル インプレッサ G4 スバル インプレッサ G4
初の新車に代替をいたしました~ ターボからNAになりましたが、インプレッサはインプレッサ ...
スバル インプレッサハードトップセダン スバル インプレッサハードトップセダン
GC6を自らの事故で失った後、次の愛機を探している所コイツが浮上しました。 車重は10 ...
スバル インプレッサハードトップセダン スバル インプレッサハードトップセダン
初のマイカーです。NAという事とコズミックブルーマイカって色なのであまり回りにいない車な ...
スバル BRZ スバル BRZ
兄貴の増車なんですが、いじる許可を貰っているので気ままに弄り回します。
ヘルプ利用規約サイトマップ

あなたの愛車、今いくら?

複数社の査定額を比較して愛車の最高額を調べよう!

あなたの愛車、今いくら?
メーカー
モデル
年式
走行距離(km)
© LY Corporation