2021年08月04日
G系最後のSとV系最初のS
限定300台でも即完売した「究極のWRX STI」! ニュル24時間を制した「S206」の本気過ぎる中身
STIコンプリートカーならではの専用チューンが施されている
スバルWRX STI S206は2011年11月24日に300台限定で発売されたSTIの手掛けるコンプリートカー。GRB型で5ドアへとボディをスイッチしたWRXシリーズだが、市場の熱烈な声もあり、2010年のマイナーチェンジで4ドアモデルが追加された。
STIが挑戦し続けてきた「ニュルブルクリンク24時間レース」(以下NBRチャレンジ)も2010年に発売された4ドアモデルのSTIコンプリートカー「WRX STI tS」をベースに参戦するようになった。
NBRチャレンジで培ったテクノロジーを惜しみなくフィードバック
S206には、先代のR205同様NBRチャレンジで培ったテクノロジーを惜しみなくフィードバックしていることもあり、ベースモデルも4ドアとなっている。また、2011年のNBRチャレンジではクラス優勝を獲得したことを記念し、S206にはスペシャルアイテムを追加装備した「NBRチャレンジパッケージ」も設定。以降発売されるS207、208はもちろん、WRX S4 tSにもNBRチャレンジパッケージを展開していった。
先代のR205ではベースモデルは軽量モデルの「スペックC」となっていたが、S206では標準モデルとなる。走りの性能に特化した「R205」に対し、内外装にもこだわったS206はプレミアムスポーツというSシリーズならではの上質さを重視した結果のチョイスといえそうだ。
STIコンプリートカーならではの専用チューンが施されている
とはいえ、スペックCならではのボールベアリングターボやアルミボンネットフードといった走りに直結する装備はS206にも特別装備されている。さらに専用チューニングECUとクランクシャフトやピストンなどのバランス取り、加えて専用スポーツマフラーなどの組み合わせにより、スペックは320ps/6400rpm、44.0kgm/3200-4400rpmを発生する。
専用のビルシュタイン製ダンパー&コイルスプリングを採用
足まわりも、STIコンプリートカーならではの専用チューンが施され、専用ビルシュタイン製ダンパー&コイルスプリング、フレキシブルタワーバー、フレキシブルドロースティフナー、フレキシブルサポートリヤなどシャーシ系にも手が入る。ほかにもBBS製19インチ鍛造アルミホイールとミシュランタイヤも装備。
ブレンボ製のブレーキを装備
ブレーキもフロントにブレンボ製6POT対向ピストンキャリパー、18インチ2ピースドリルドディスクローターを採用。リヤにはブレンボ製4POT対向ピストンキャリパーに18インチドリルドローターが組み合わされ、ストッピング性能も申し分ない。
エクステリアは専用フェンダーアウトレットなどを特別装備
エクステリアでは専用の大型フロントアンダースポイラーや専用フェンダーアウトレットなどを特別装備。見た目だけでなく空力性能や冷却性能を考慮したスペシャルアイテムだ。インテリアも専用表皮のレカロシートやピアノブラック塗装を施した専用インテリアパネル、S206ロゴ入りサイドシルプレートなど、質感も向上させた特別な内装となる。
100台限定のスペシャルパッケージ
そして、300台限定のS206のうち、ニュルブルクリンク24時間耐久レースクラス優勝を記念したNBRチャレンジパッケージを100台限定で設定。上記のスペシャルアイテムに加え、角度調整も可能なドライカーボン製大型リヤウイング、WRX STI tSでも採用されたカーボン製ルーフを装備。ほかにも専用オーナメントや専用のブラックカラーのBBSホイール(形状、サイズはS206と同一)などが追加され、さらに走りに磨きをかけている。
ちなみにベースとなる3代目WRX STIの後期モデルからは、カタログ、店頭、WEBサイトなどから“インプレッサ”の文字が消え、車種としてWRX STIとなったモデル。厳密には車両形式はGR/GVというインプレッサに与えられる“G系”のままであるため、本格的に車種名としてWRXを名乗るのは次のVA型からとなる。
走り出した瞬間にS206との違いがわかるNBRチャレンジパッケージ
実際にS206 NBRチャレンジパッケージを幾度かドライブする機会があったが、インテリアの色使いこそR205と異なるが、インパネ形状などが同一なこともあり、走り出した瞬間にその味付けの違いに驚かされる。 軽快かつスパルタンな印象のR205に対し、ステアリングギヤレシオをあえてスローにしたS206はその手ごたえや挙動が実にジェントル。決してダルなのではなく、乗り心地だけでなくステアリングフィールまでもしなやかなのだ。
セダンボディということもあり、R205のようにひらひらと舞うような走りとは対照的に、スポーティでありながら上質さを感じさせる。それでいて、ひと度アクセルを踏み込めば圧倒的なパワーとトルクが炸裂する。まさに普段はその能力を内に秘め、いざというときに豹変するという印象だ。
中古市場は新車価格と変わらない金額で流通
ちなみにS206は人気も高く、中古車サイトにも2021年7月現在でたったの3台! しかもNBRチャレンジパッケージは掲載がない状態。金額もコンディションによりまちまちではあるが新車当時の価格からほぼ変わらない金額で流通している。もし本気で購入を考えるなら相当な根気が必要となるが、手に入れた時の満足感は計り知れないだろう。
ニュル24時間レースで鍛えた運動性能! 400台限定「WRX STI S207」は何がスゴかったのか
走行性能以外にも静粛性や快適性も向上している
スバルWRX STI S207はVAB型WRX STIをベースとしたコンプリートカー。2015年に400台限定で発売されたモデルだ。3代目インプレッサのGRB型(ハッチバック)をベースとしたR205や、マイナーチェンジ後のGVB型(セダン)をベースとしたS206に続くWRXベースのSシリーズの第7弾となる。
ベースモデルがGR/GV系からVABへスイッチしたことでボディ剛性が大幅に向上し、ポテンシャルも向上している。この辺りはSTIコンプリートカーを持ってしてもベースモデルの持つ“素材”の部分だけはどうにもならないこともあり、S206からS207への進化は見た目やスペックだけでは計り知れないものがある。
“S”にふさわしい装備を多数搭載
S207のスペシャルアイテムはエクステリアにSTI製専用大型フロントアンダースポイラーやリヤバンパーエアアウトレット、BBS製19インチアルミ鍛造ホイールなどを装着。
メカニズム面ではエンジンバランス取り、専用ECUに低排圧マフラー、ボールベアリングターボの採用などにより、最高出力328ps/7200rpm、最大トルク44.0kgm/3200-4800rpmを発生。 高められたスペックを受け止めるブレーキもブレンボ製モノブロック対向ピストンキャリパー(フロント6ピストン、リヤ4ピストン)とドリルドローター(フロント2ピース・リヤ1ピース)を採用している。
専用開発のビルシュタイン製減衰力可変ダンパーを採用
もちろんSTI珠玉のチューニングが施される足まわりには国内メーカー初採用となる専用開発のビルシュタイン製減衰力可変ダンパー「ダンプマチックII」を採用。さらに「11:1」のギヤ比を持つ専用ステアリングギヤボックス、フレキシブルタワーバー、フレキシブル ドロースティフナーなども惜しみなく標準装備される。
これらのチューニングにより、ベース車比(STI社内実験結果)で、ヨーレートの応答遅れ時間を約13%、横G遅れを約10%低減。車線変更時ロールレートを約23%減らして、操縦安定性と乗り心地を高めている。
インテリアにもスペシャルアイテムを採用
インテリアもスペシャルアイテムが満載だ。セミアニリンレザー表皮の専用レカロ製バケットタイプフロントシートや遮音用中間膜を挟み込んだフロントウインドウは、吸音材・防振材などを追加することで、静粛性や快適性も向上した上質なプレミアムスポーツモデルに仕立てられている。
Sシリーズコンプリートカーとは切っても切れない関係にあるニュルブルクリンク24時間レース(以下STI NBRチャレンジ)もVAB型での初参戦となった2014年はクラス4位という結果だったが、2015年は見事クラス優勝を獲得。その記念の意味も込められたNBRチャレンジパッケージには、リヤに誇らしげにチャンピオンエンブレムが添えられる。
このNBRチャレンジパッケージはS206と同じくドライカーボン製の大型ウイングやブラック塗装のBBS製アルミ鍛造19インチホイール、センターマーク付きのウルトラスエード表皮のステアリングなどの特別装備が与えられたが、ドライカーボン製ルーフの装着は見送られている。
その代わりと言ってはなんだが、ボディカラーにGRB型WRX STIスペックCに採用されたサンライズイエローのボディカラーを纏ったS207 NBRチャレンジパッケージイエローエディションを100台限定で設定した。
S206からの正常進化を感じさせる乗り味
実際の乗り味はどうか? デビュー当時、プロトタイプのSTIデモカーのS207 NBRに試乗した第一印象は「S206と比べて硬派になった」だった。その後ユーザーカーのS207 NBRに改めて試乗したところ、S206からの正常進化を感じさせる印象へと変わった。
全体的にS206よりもシャープになった印象はデモカーと変わらないが、デモカーよりもずっとマイルドで、路面からの入力も角を丸くした上質なフィーリングを得られた。これの違いは試作車両だからなのか、プロドライバーの全開走行を多用したシビアコンディションだからなのかは不明だが、何よりオーナーの手元へ届くクルマの乗り心地の方がよかったことに何よりもホッとした。
GR/GV系ではR205、WRX STI tS、WRX STI A-LINE tS、S206、WRX STI tS TYPE RAとtSシリーズも含めると5種類ものコンプリートカーがリリースされたが、VA系ではS4 tSや北米専売のS209を含めても4種類とコンプリートカーの設定が少なかったことで、貴重な存在といえるだろう。
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富士重工 | 日記
Posted at
2021/08/04 22:19:56
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