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2022年09月13日

デルタは何度でも出てくるね〜今回はサファリとな

デルタは何度でも出てくるね〜今回はサファリとな 7800万円で限定10台! ランチア「デルタ」がレストモッドで蘇る! ラリー仕様を意識した「サファリスタ」とは

サファリ・ラリーの走りを体感させてくれる走行性能

スイスのバーゼルで2018年9月に催された、クルマの展示会「グランド・バーゼル」には100台以上もの出展車があった。出展車を際立たせる美術館的ともいえる展示技法をウリにして、芸術品としてのクルマの展示イベントとも言えるものになり、注目を集めていた。

来場者数を制限し(それでも4万人ほどではあるが)、商談に長けたディーラー、ブローカーたちを交えても展示されたクルマをじっくりと見られるゆとりある展示スペースを提供した。

展示物を照らし出す照明へのこだわりのもと展示されていたのは、1960年製フェラーリ250 GT SWB ベルリネッタ、1956年製ポルシェ550 1500 RS スパイダー、1968年製ランボンルギーニ・ミウラ、ミハエル・シューマッハがF1初のチャンピオンになった1994年製ベネトン-フォードB194……など錚々たるレーシング伝説マシンやヴィンテージカーで、どのクルマもまさに芸術品だった。丁寧に厳選されたクルマたちの中には、新進気鋭のコーチビルダーがワールドプレミアとして登場させ注目を集めた、ランチア「デルタ・フューチャリスタ」があった。

現代に蘇ったランチア・デルタ

このフューチャリスタは、レーシングドライバーでもあり自ら旧車コレクターでもある、エウジェニオ・アモスが立ち上げたイタリアの工房、オートモビリ・アモス(略称:AA)が作り上げたもの。オーダーメイドで請け負うその額、27万ポンド。製作には4カ月ほどを要する。当時の為替レートとは異なるが、現在の円安レートでは約4360万円(1ポンド161.55円で換算)ほどだ。コンセプトは、歴史上稀有な価値観を生み出したランチア・デルタHFインテグラーレの素晴らしさを身近に体感したい人に対してのプレゼンテーション・マシン。ベース車両としてデルタを使い、数千点の新生パーツ類で形作られているものだ。

1980年代後半の世界ラリー選手権グループA時代の始まりに、世界選手権タイトルを6年に渡り制覇し脅威を示し続けたレジェンドマシン、ランチア・デルタHF。それを手元に置いておきたいという願望を持つ熱烈なファンに対しての提言マシンである。「デルタ・フューチャリスタ」のベースマシンはデルタだという言い方はせず、「デルタ・フューチャリスタ」そのドナーカーはデルタである、という言い回しに、このマシンのコンセプトが現れているものだった。

ドナーカーという意味には単なるシャシー、エンジン提供車であるというわけではない。ランチアによって製造されたランチア・デルタHFであるということは、クルマにとってのスピリチュアルな命を支えるものを宿しているものである。そこへ最新鋭のカスタム、チューニング技法をもってして外観上はもとより、性能的にも真のパフォーマンスを備えたものとして再構築したクルマなのだ、という主張が貫かれたものだった。

第二弾のサファリスタは10台限定モデル

その第二弾として「サファリスタ」が発表され、2023~2024年にワールドプレミアを迎えるという。名前の如く世界ラリー選手権のサファリ・ラリーに挑戦し念願の勝利を勝ち取ったデルタHFインテグラーレのオートモビリ・アモス仕様現代版といったものだ。もちろん日本でも公道走行が可能な市販車カスタムカーである。

第一弾「デルタ・フューチャリスタ」はアルミのハンドメイドでのボディだったが、オーダーメイドの受注の流れもあってのことなのだろうか、次なるバリエーションとして登場した「サファリスタ」のボディは、カーボンケブラーだという。しかも限定受注10台、「デルタ・フューチャリスタ」は20台だっただけに、さらなる希少バージョンとなる。

サファリスタはホワイト基調のボディを採用

外観は、エッジの効いたランチア・デルタならではのハッチバック。ドナーカーのインテグラーレ16Vは4ドアだったが、「デルタ・フューチャリスタ」同様、「サファリスタ」は2ドアだ。何の驚きもなく見過ごしてしまうドアサイドの佇まい、これこそ驚きである。つまりはブリスターフェンダーの流れを擁した何ら違和感がないフォルムは、まさしく魂が宿っていると言いたくなるほど素晴らしい仕立てだ。

用意されたボディ色には、これぞサファリ・ラリーのイメージを後押しするカラーであると断言できるホワイト基調も用意。もちろんオーダーメイドだけにブラック、レッドの見本色も提示されている。フューチャリスタでは、往年のインテグラーレ・エボIIの最終版、ランチアが限定販売した、とくに日本だけで販売されたものもあったコレッツィオーネ仕様をもイメージさせる色合いのレッド系のほか、クラブ・イタリアを彷彿とさせるグリーン系が印象的であった。だが、今度のサファリスタといえば、やはりホワイトをボディに使い込んできたことが注目される。

ランチアのPRドレスとも言えるマルティニラインが映えるのは、ホワイトボディであるということでもあるし、ホワイトにはまたサファリ・ラリーの悪路走行における泥、砂、埃を引き立てる色彩がある。だからこそサファリスタにはホワイト基調のボディが追加されたのではないのだろうか、と憶測してしまうのだ。

四苦八苦したサファリラリーの優勝は1988年にデルタHFが成し遂げた

デルタHF登場前のサファリ・ラリーにおいて、ランチアは苦戦が続いていた。言ってみればモンテ・カルロからツール・ド・コルス、サンレモ、ポルトガル、サルデーニャ、イソラス・カナリアス、マヨルカ、エルバ、などWRCやERCで優勢を誇っていたかつてのランチアにとっては、ヨーロッパの主戦場は、勝手知ったる庭先のようなものであった。

しかしながら対岸のアフリカ、サファリ・ラリーでは、どういうわけか勝てなかった。かねてよりヨーロッパの道での俊敏な速さばかりが重要視されていたせいか、フィールドの違いに対応する構えに四苦八苦、頑丈さがなかったのか。

ところが市販車ベースになれば、速さと同等に堅実さも訴えていかなければならない。サファリでの長年の労苦が肥となり、ようやくそれをデルタHFで見せつけてゆくことができた。かくしてランチアは、グループB時代の速さと4WDで成し遂げようとしてきたサファリ・ラリー優勝を、グループA時代の2年目の1988年にデルタHFでようやく成し遂げる。

初年度1987年のデルタHFはフロントに詰め込んだエンジンの影響により、フロントヘビーのアンダーステアもあったものの、トルク配分をリヤに若干移動させ、ストラットを広げ足まわりもしっかりとさせるなど、次第に揺るぎないマシンに仕立てあげられていく。

サファリ参戦史上初勝利とともに、速さばかりでなく剛健さも証明していったデルタHFは、1987年から獲得していたWRCマニュファクチャラーズ選手権タイトル、世界最高の自動車を製造しているメーカーであるという国際自動車連盟からのお墨付きタイトルを6年連続で獲得し、WRC史上未曾有のランチアの時代を演出してゆくことになる。

その君臨時代の最終マシン、デルタHFインテグラーレ16Vの魂を汲んで作り上げたレストモッド、サファリ・ラリー参戦仕様、それがサファリスタというわけだ。しかもただ飾り置くトロフィーのようなレストアものではなく、民芸品的に使ってみるからこそ価値がある。いうなればクルマは走ってナンボの世界であり、伝統あるクルマを体感して見ませんかというシロモノ。

大量生産はメーカーとしての立場であるが、ドナーカーから作り上げるスピリチュアルなカスタムカーとは何か、歴史的文化を身近に引き寄せる術とは何か、これからのクルマはどうなるのか、WRCでのランチア・デルタHFインテグラーレ16Vに世界中のファンが引き寄せられた魅力を、発散させるひとつの品物としてAAによりサファリスタは意味深に提言されたのである。

スパルタンなコクピット

コクピットで体現されるのはしっくりと握れるアルカンターラのステアリング、無駄を剥いだメーターのバーチャルなインストルメントパネル、スパルコ6点式ベルト、レカロシート、ファッショナブルなタイヤカバーまでもがあるリヤ搭載のスペアタイヤ。

巻き上げられたマッドフラップ、アンダーガードパネルなどは、サファリ仕様ならもっとも簡単にイメージできるものだが、フロントホイールを補完しているブレーキ冷却ベンチレーター、リヤディフューザー、ギャレットターボパーツ、ドグミッション……、類似レベルにまでチューニングされている訳だから、サファリ・ラリーの走りを体感させてくれる走行性能だとも言える。

アウトサイド、インサイド、そこにあるこれらは実際にランチアの競技車にあったそのものではないのだが、それらは幻か現実かと思わせるものなのだ。

* * *

いいものはいい、欲しいものは欲しい、ならばこう対応いたしますと、伝説のマシン、ランチア・デルタHFインテグラーレ・サファリ仕様を、オーダーメイドのサファリスタとして請け負ったAA。ヨーロッパ価格57万ユーロ(8月23日のレートで換算。1ユーロ:136円=7760万円)。2023から2024年にかけてデリバリーされるとのこと。日本のどこかでも早々にお手並拝見できればと思わずにはいられない。
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Posted at 2022/09/13 00:08:05

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