2021年05月24日
ポルシェ『924カレラGTS』をレストア…当時のラリードライバー、ロールに贈呈
ポルシェは5月14日、1981年式『924カレラGTS』(Porsche 924 Carrera GTS)のラリーカーをフルレストアし、当時同車でラリーに参戦してヴァルター・ロール氏の誕生日に、サプライズで贈呈した、と発表した。
◆最大出力245psの2.0リットルターボ搭載
ポルシェ各車に用意されている「GTS」は、「グラン・ツーリスモ・スポーツ」を意味しており、モータースポーツに由来する。その起源は、1963年に遡る。ポルシェのモータースポーツ部門は1963年、世界のサーキットでレースに参戦しながら、公道も走ることができるミッドシップクーペ『904』(後に『カレラGTS』に改名)を発表した。この904カレラGTSはフェリー・ポルシェの長男で、デザイナーのフェルディナンド・アレクサンダー・ポルシェが手がけた美しいボディを備えていた。
1981年に、924カレラGTSがGTSの歴史を引き継いだ。2.0リットル直列4気筒ガソリンターボエンジンは、最大出力245psを獲得。924カレラGTSは、サーキットやラリーで活躍した。
トランスアクスルモデルは、理想的なスポーツカーを体現している一方で、ポルシェの歴史から見ると独創的な存在という。その歴史は1976年、トランスアクスルパワートレインの駆動方式を導入したポルシェ『924』から始まった。ポルシェは1976~95年の約20年間で、『911』で確立された原理とは全く異なる、924、『928』、『944』、『968』を生み出した。
このポルシェ924の高性能モデルが、924カレラGTSだ。ラリーで成功を収めた924カレラGTSは、ロール氏がステアリングホイールを握って、多くの勝利を飾っている。
◆WRCなどのラリーで活躍したヴァルター・ロール氏
ロール氏は1947年、ドイツ・レーゲンスブルクで生まれた。最初に購入した車は最大出力75psのポルシェ『356Bクーペ』。フォード、オペル、フィアット、ランチア、アウディのファクトリードライバーとして活躍しながら、自ら所有する911でラリーに出場して、ポルシェとの関係を深めた。
1981年にポルシェは、すでに世界耐久選手権で2度優勝していたロール氏を、ファクトリードライバーに起用した。最初にドイツ・ラリー選手権に出場した後、911で世界ラリー選手権(WRC)のサンレモ・ラリーに参戦した。
ロール氏は、ラリーとロードレースの両方で世界選手権タイトルを獲得したモータースポーツ史上、数少ないドライバーのひとりだ。トランザム、IMSA、ヒルクライム(パイクスピーク)、ドイツ・ツーリングカー選手権など、多くのクラスやシリーズで優勝を勝ち取っている。
またロール氏は、ドライビングスキルとハンドリングを分かりやすく正確に説明する能力によって、今日に至るまでポルシェの市販スポーツカーのチューニングとテクノロジーに影響を与え続けている。ポルシェ『959』、『カレラGT』、『918スパイダー』など、スーパースポーツカーの開発にも参画してきた。現在は、ポルシェのブランドアンバサダーを務めている。
◆40年前に924カレラGTSが製造されたのと同じ場所でレストア
ポルシェは今回、1981年式の924カレラGTSのラリーカーをフルレストアし、当時同車でラリーに参戦していたロール氏の誕生日に、サプライズで贈呈した。
1982年8月、実戦から離れた924カレラGTSは、ポルシェ博物館に引き渡された。ベルギーでのラリーのために、タバコブランドの「ジタン」のブルーで塗装されていた車体は、オリジナルのコニャックメーカーの「モネ」カラーのゴールド&ブラックに塗り替えられた。
レストアを担当したのは、40年前に924カレラGTSが製造されたのと同じ場所、ドイツ・ヴァイザッハのモータースポーツ部門だ。摩耗部品やシャシーコンポーネント、燃料供給システムを除いて、『911ターボ』用のブレーキキャリパーから手動のチャージエアクーラーまで、既存のコンポーネントはすべてオーバーホールされ、再び組み立てられた。
「KKK26」と呼ばれるターボチャージャーは、内視鏡検査では何の問題もなく、ギアボックスも分解されたが、摩耗の兆候はほとんど見られなかったという。さらに、ポルシェ博物館のワークショップがレース用のクラッチを、ピレリが当時と同じ255/55R15サイズのタイヤを供給した。
フルレストアされた924カレラGTSを贈呈されたロール氏は、「40年ぶりの対面に驚いた。この車は、私にポルシェへの扉を開いてくれた。だからこそ、とくに親しみを感じている。40歳若返った気分だ」とコメントしている。
Posted at 2021/05/24 21:42:27 | |
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ポルシェ | 日記
2021年05月19日
ナンバー上部にインテーク?「顔が違う」ポルシェ パナメーラ 謎のプロト車両の正体は
謎のポルシェ『パナメーラ』プロトタイプ車両を、スクープサイト「Spyder7」のカメラが初めて捉えた。
ポルシェのツッフェンハウゼン本社付近で捉えたこの車両は、フロントナンバープレート上部にワイドなエアインテークが新たに追加されている。コンパクトになったコーナーエアインテークの内部には、薄い新LEDデイタイムランニングライトバーを備えているが、改良新型で導入された丸いフォグランプは削除されている。
後部にはほとんど変化が見られないが唯一、クワッドエキゾーストパイプが、左右に1本ずつの角張ったパイプへと変更されている。また、わずかながら写ったダッシュボードは布で覆われており、コックピットとインテリアが刷新されている可能性もありそうだ。
第2世代となる現行型パナメーラは2016年にデビュー、2020年8月には改良新型を発表し、最高出力630ps、最大トルク820Nmを発揮する「ターボS」を導入した。さらに同年10月にはハイエンドモデル「ターボS E-Hybrid」を投入。最高出力は700psを発揮し、同モデル最強のバリエーションとなっている。
現段階でこのプロトタイプの正体は不明だが、昨年登場した改良新型の新しいバージョン、あるいは2度目の改良モデル、さらには次世代型の初期テスト車両などが予想される。
Posted at 2021/05/19 21:48:35 | |
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ポルシェ | 日記
2021年04月29日
ポルシェ 718スパイダー、直4バージョンを世界展開か?
ポルシェは上海モーターショー2021にて、2.0リットル直列4気筒バージョンの中国向け『718スパイダー』を発表したが、これがグローバルに展開されるかもしれない。ニュルブルクリンクに出現したプロトタイプから予想する。
ニュルで捉えた直4バージョンは、バンパーのエアインテークがコンパクトに修正されているほか、リアバンパーを微調整、センターのデュアルエキゾーストパイプは中国版を反映しているが、やはり最高出力420psを発揮する4.0リットル直列6気筒バージョンほど攻撃的ではいエクステリアが見てとれる。
またパフォーマンスでは、0-100km/h加速4.7秒でPDKを搭載する6気筒バージョンより0.8秒遅くなっているほか、最高速度も270km/hに抑えられる。
ニュルで高速テストを開始したということで、中国だけでなく欧州、北米での発売が濃厚となってきた直4バージョン。日本ではMT車が1289万円、PDKが1337万円というプライスだった6気筒バージョンに対し、4気筒バージョンは1000万円前後と予想される。スパイダーのブランド力、コスパを見れば、グローバルで高い人気を得る可能性もありそうだ。
Posted at 2021/04/29 18:24:11 | |
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ポルシェ | 日記
2021年04月29日
【新次元の992型GT3】ポルシェ911 GT3へ試乗 510ps Fサスはダブルウイッシュボーン 前編
510psのフラット6 NAに5kgの車重増
text:Andrew Frankel(アンドリュー・フランケル)
translation:Kenji Nakajima(中嶋健治)
最新の992型ポルシェ911 GT3が発表された。スペック表を見ていると、既視感がなくもない。新しく就任したボスは、以前のボスと似た人柄のよう、とでもいえようか。
近寄って見てみても、強い新鮮味はないかもしれない。少し車重が増え、少し馬力を増している。水平対向6気筒エンジンにはターボが載らず、ペダルは3枚か2枚が選べることは以前と同じ。かなり高額になっているのだが。
もちろん、この情報だけで最新のGT3を判断するのは間違い。実際に運転すれば、今までで最も大きな進化を得たGT3だと気がつく。
初代となった996型のGT3から2代目の997型GT3への進化も、大きなものだった。だが今回の992型は、筆者がこれまで運転してきたGT3の中で最も感銘を受けた1台となった。
触れるべき内容はかなり多い。手短に確認していこう。
4.0Lのフラット6には10psが追加され、最高出力510psを獲得している。馬力で比べれば、先代の991型のGT3の500psと、最終進化形のGT3 RSの520psの間に相当する。
車重は先代から5kg増えている。むしろ、40kg近く増えていた可能性があるところを、積極的なダイエットで5kgのプラスに留めたといった方が正しいだろう。
具体的に見ていくと、エンジンの軽量化で6kgのマイナス、エグゾーストシステムで10kg、電装系用にリチウムイオン・バッテリーを採用し10kgを削減。さらに薄いガラスを用いることで4.7kgを削っている。
ダウンフォースは最大で385kg
ほかにも軽量なエンジンマウントの採用で3.5kg、カーボンファイバー製のボンネットで2.5kg、防音材の削減で1.9kg、リアデッキの変更で0.5kgなど、細かな部分も抜かりはない。鍛造ホイールは1.3kg軽いという。
オプションのセラミック・ブレーキやカーボンファイバー製のシートとルーフを選べば、一層の軽量化も図れる。ただし、この3つのオプションを加えると、GT3への支払金額が10%以上高くなるから、見積もりの際は気をつけたい。
空力的な改善も大きい。最新型は、ポルシェが詳細な数字を明らかにしたいと思えるダウンフォースを生成する、初めての911 GT3ではないだろうか。
特に、高くそびえるスワンネックと呼ばれるステーで支えられる、大きなリアウイングが目新しい。空力的な役割を果たすのは主にウイングの下面だから、上から支えることで面を平滑にし、ダウンフォースを高める機能がある。
フロントスポイラーも新形状。ボディの下面にはディフューザーが内蔵され、ホイールハウス周辺の気流を調整し、リアウイングとのバランスを取るように設計されているそうだ。ジャッキアップしてフロントタイヤを外さないと見れないが。
これらが組み合わさり、最大で385kgのダウンフォースを生成するとポルシェは説明する。先代のGT3より、150%以上も大きい数字となる。
史上初のダブルウイッシュボーン
それ以外、見た目の進化はわかりにくい。しかし、大きなホイールを外すと最大の変更部分が顕になる。58年間の公道用911の歴史上初めて、フロント側のサスペンションにダブルウイッシュボーン式が採用されたのだ。
もし992型のGT3以外でダブルウイッシュボーンが与えられた911を運転したいなら、ル・マン仕様のレーサー、RSRを選ぶ必要がある。値段は、100万ポンド(1億5000万円)くらいは必要だろう。
フロント側の変更に合わせて、リア側のマルチリンク式サスペンションも当然ながら再設計を受けた。加えて四輪操舵システムも備わり、新しいサスペンションと連携して機能することになる。
進化内容の確認はこのくらいにして、運転席に座ってみよう。走り始めてすぐ、駐車場を出る前に新しいフロント・サスペンションが生む変化に気づいた。ステアリングホイールを左右に動かすと、GT3は即時に正確に反応する。
まるでボールジョイントで可動するレーシングカーようだ。操舵感が今までの911とは異なり、少し戸惑うドライバーもいるかも知れない。ステアリングホイールは想像していたより軽い。筆者はパワーアシストの効きを弱くした。
乗り心地もソフト方向へ調整した。先代のGT3の挙動を反映してか、フロントスプリングのレートは2倍に引き締められている。ただし先代はマクファーソンストラット式で、今回はダブルウイッシュボーン式だから、直接の比較はできないだろう。
この続きは後編にて。
【新次元の992型GT3】ポルシェ911 GT3へ試乗 510ps Fサスはダブルウイッシュボーン 後編
新次元といえる落ち着きと精度
text:Andrew Frankel(アンドリュー・フランケル)
translation:Kenji Nakajima(中嶋健治)
少なくとも、郊外の道を快走するであろう多くのドライバーにとって、最新992型ポルシェ911 GT3のサスペンションは硬い。さらに締め上げることも可能だが、ユーザーフレンドリーな乗り心地の方が好まれるだろう。
まだポルシェは明らかにしていないが、GT3のツーリング仕様も出てくるようだ。引き締められたスプリングには、150%も増したダウンフォースを受け止める役割も担っている。ツーリング仕様なら、強い下向きの力を支える必要がなくなるはず。
とはいえ、最新のGT3は長距離移動もこなせるほどに洗練されている。低回転域で車内に響く共鳴音さえ気にしなければ。軽量化のためにガラスを薄くし、防音材を削ったことによる影響だろう。
そんな耳障りな音を気にせず速度を上げると、驚嘆の走りが待っている。オーマイゴッド、と叫びたくなるほど。
新次元といえる、落ち着きと精度が明らかになる。より正確にラインを狙えるから、GT3がひと回り小さく感じられてくる。
標準装備されるタイヤは、ミシュラン・カップ2。オプションでカップ2Rも選べる。少なくとも路面が濡れていたり路温が低すぎなければ、ヤケを起こさない限り公道でグリップを失うことはないと思う。
さらに今回のようにサーキットへ持ち込めば、GT3はさらに次の領域を見せてくれる。エンジンは、完璧な雄叫びを上げ続ける。これまで通り、美声を磨いた天才ユニットだ。
格段にシャープでグリッピーなフロント
試乗車のデュアルクラッチ・オートマティック、7速PDKも、シフトノブがステック状になったことを除き、不満を感じる余地は一切ない。
強さを増したダウンフォースが、高速コーナーの路面へGT3を押さえつける。確実な感覚が、ポテンシャルの高い911を存分に楽しもうという自信へつなげてくれる。驚くほどの安定性で、英国ベッドフォード・オートドロームのコーナーを抜けられる。
新しいGT3の水準を完全に引き上げているのが、ダブルウイッシュボーン式になったフロント・サスペンション。格違いと感じさせるほど。歴代の911 GT3を楽しみ、特性を理解する幸運なドライバーは、運転スタイルを少し変える必要があるかもしれない。
今までは、仮に無意識だったとしても、主にフロントノーズへ集中力が向かっていた。パワーが有効な状態にある限り、リアタイヤはそのまま制御下に留めておけた。
しかし最新のGT3のフロントは、モンスター級。格段にシャープでグリッピーだ。ポルシェ911のバランスを作り変え、ニュートラルな操縦性を獲得し、はるかに高速なクルマへ進化させている。
ニュルブルクリンクの周回タイムが18秒も速くなったと聞いて、オプションで装着できるカップ2Rタイヤのおかげだろうと考えていた。しかし実際にGT3を体験すれば、新しいフロントサスが同じくらい重要な役割を果たしていたことが理解できる。
これまで以上にサーキット志向なGT3
バランスが見直されたことで、911 GT3のセットアップはより高速走行に最適化されてもいる。まだテールスライドはする。かなり。しかし、今までより自然にスライドへ持ち込める感覚は減っている。
一部のドリフトマニアにとっては悲しい事実かもしれない。だとしても、992型のGT3は確実に進化を遂げている。お遊びの少しの犠牲と引き換えに、一層高い戦闘力を獲得している。
振り返ると、先代のGT3とGT3 RSとの中間に位置するのば510psの最高出力だけでなく、クルマとしてのキャラクターも当てはまりそうだ。これまで以上にサーキット志向なGT3だといえるだろう。多くのドライバーにとって、歓迎できる内容だと思う。
英国での価格は、2017年に発表された先代のGT3より1万6000ポンド(240万円)高い12万7820ポンド(1917万円)から。それでも、このドライビング体験を考えれば笑顔を抑えきれない。最新の911 GT3に匹敵するマシンは、ほかに思い浮かばない。
今回は、一般道での挙動は確認できていない。よりソフトなツーリング仕様の方が、より筆者好みかもしれない。そうだとしても、筆者は最新のポルシェ911 GT3に満点を与えたい。新次元の進化形だ。
ポルシェ911 GT3(992型/英国仕様)のスペック
英国価格:12万7820ポンド(1917万円)
全長:4519mm(標準911)
全幅:1852mm(標準911)
全高:1298mm(標準911)
最高速度:318km/h
0-100km/h加速:3.4秒
燃費:7.7km/L
CO2排出量:293g/km
車両重量:1435kg
パワートレイン:水平対向6気筒3996cc自然吸気
使用燃料:ガソリン
最高出力:510ps/8400rpm
最大トルク:47.8kg-m/6100rpm
ギアボックス:7速デュアルクラッチ・オートマティック
ポルシェ 911 GT3 RS が60ps超のパワーアップ!? ニュルで最終テスト
ポルシェの代名詞である『911』は、992世代に刷新してからも「タルガ」、「ターボ」、「GT3」などラインアップを拡大し続けている。「オールラウンドモデル」の登場もささやかれる中、頂点に君臨するハイパフォーマンスモデル『911 GT3 RS』新型の最新プロトタイプをカメラが捉えた。
約半年振りに聖地ニュルに帰ってきたプロトタイプは、巨大なリアウィングを装着。トラックに焦点を合わせたモデルが、そのダウンフォースをテストするには最適の場所といえるだろう。
ボディの大部分がまだクラッディングで隠されているが、ボンネットには先代同様に大きなNACAダクトを隠すカモフラージュを装備。まるでレース専用車のようにも見える武装だが、フロントガラスの下隅にナンバープレートとドイツの排出ガスステッカーが貼られていることから「911 GT3 カップ」の可能性は排除していいいだろう。
トラックに焦点をあわせた市販型では、より大きなブレーキとより剛性が高く軽量なシャーシも備えている可能性がある。フロントフェンダーは大幅に更新されており、おそらくリフトを減らすことでエアロダイナミクスを改善していると思われる。
パワートレインは、4.0リットル水平対向6気筒エンジンを搭載、最大9000rpmで、最高出力は573ps以上を発揮するとみられている。これは先代の513psから60ps以上のパワーアップとなる。0-100km/h加速は3.0秒以下となる可能性もありそうだ。
911 GT3 RS新型のワールドプレミアは2021年内とも伝えられていたが、2022年初頭あたりに遅れそうだという。
Posted at 2021/04/29 18:21:16 | |
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ポルシェ | 日記
2021年04月22日
ポルシェ 911「オールラウンドモデル」いよいよ登場か? ハイブリッドの可能性も
ポルシェ『911』シリーズに追加されることが決定している「オールラウンドモデル」、その最新プロトタイプをスクープサイト「Spyder7」が捉えた。その全貌がいよいよ見えてきた。
リフトアップされた謎の車両を初めて見たのは2020年10月のニュルだ。当時のプロトタイプは、奇妙な白いホイールウェルエクステンションを装備していた。
最新プロトタイプでは、より整えられたホイールエクステンションを身に着け、フロント&リアバンパーを修正、ナンバープレートが上部へ移動されている。足回りには前後異なるホイールが装着されているほか、車内には初めて「GT3 RS」のシートが装備されている。
そのルックスからは、1970~80年代に東アフリカのサファリラリーやパリダカールに参戦していた、伝説のラリー仕様「サファリ」を彷彿とさせる。
ポルシェが最後にサファリスタイルを手がけたのは2012年のコンセプトカー『911ビジョンサファリ』で、頑丈なホイールアーチとリフトアップされたボディ、ルーフにはライトバー、分厚いバンパーを装備し、インテリアは必要最低限に絞られ、ロールケージとバケットシートが備えられていた。
現代に蘇るオールラウンドモデルがどう進化するのか注目だ。
最新情報によると、この派生モデルは「992.2」世代に設定されるとみられ、ハイブリッドパワートレインが採用される可能性があるという。
まだあった!? ポルシェ 911の新バリエーション…謎のプロトタイプの正体とは
「オールラウンドモデル」の追加が予告されているポルシェ『911』に、さらに別のバリエーション登場の可能性が浮上した。激写に成功した謎のプロトタイプの正体とは。
ダックテールスポイラーを見ると、これまで幾度となく目撃した「カレラRS 2.7」の復刻モデルまたは「ターボRS」のテスト車両と思われるが、これまでとはいくつかの相違点が確認できる。
これまで目撃されたこれらのプロトタイプではリアフェンダー前部にあったエアインテークが、今回のモデルでは削除されている。このことからターボモデルではないことがわかる。また「ダブルバブルルーフ」を備えているのも大きな特徴だ。
さらにフロントとリアバンパーも異なり、新しいプロトタイプでは「ターボS」のフロントエンドが移植されている。またイエローのブレーキキャリパーはなく、センターロックホイールが装備されている。これらを総合すると、2009年に公開された前世代スポーツクラシックも同様の仕様だったことから、これが992世代限定の新型スポーツクラシックの開発車両である可能性が高い。
2009年のスポーツクラシックでは、3.8リットル水平対向6気筒エンジンを搭載、最高出力は408ps、最大トルク420Nmを発揮したが、新型では470ps程度まで向上する可能性もありそうだ。
開発が順調に進めば、ワールドプレミアは2021年内に行われ、限定生産されることが濃厚だ。
Posted at 2021/04/22 21:38:08 | |
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ポルシェ | 日記