2020年07月30日
V8ツインターボ730馬力の最強ロードカー!メルセデスAMG GT ブラックシリーズデビュー|約4,127万円~
2020年7月24日メルセデスAMGは、2ドアスポーツカーAMG GT ブラックシリーズの販売をドイツ本国で開始。730馬力を発生するV8ツインターボエンジンに加え、専用のエアロパーツやボディカラーが設定される。価格は335,240ユーロ、日本円で約4,127万円(2020年7月24日の為替レート)。
GT3やGT4マシンからフィードバックしたAMG GT ブラックシリーズ
今回発売されたメルセデスAMG GT ブラックシリーズは、GT3やGT4マシンに使われている技術を採用。レーシングカーからフィードバックされた大径のエアインテークと、カーボンファイバー製ボンネットに設けられた大型エアアウトレットが存在感を放ち、冷却性能を高めると同時に強力なダウンフォースを生み出す。
エクステリアカラーに採用されてる鮮やかなオレンジ色のマグマビームペイントは、AMG GT ブラックシリーズ専用カラーとしてオプション設定。
730馬力を絞り出すパワートレイン
搭載されるエンジンは、4.0L V8ツインターボエンジンで、最高出力730馬力/6,700~6,900rpm、最大トルク800Nm/2,000~6,000rpmを発揮し、低回転から強力なトルク絞り出す。
0-100km/h加速は3.2秒、時速200km/hまでもわずか9.0秒以下で加速し、最高速度は325km/h。組み合わされるトランスミッションは、7速AMGスピードシフトで後輪を駆動させる。
また、リアアクスルのアッパーウィッシュボーンとロアウィッシュボーンにも、モータースポーツから直接供給されたのベアリングが使用することで、設計上の遊びは皆無。高負荷によるトーやキャンバーの変化を抑え、正確なステアリングとステアリングフィードバックにより、レーシングカーのようなコーナリングパフォーマンスを発揮する。
AMG GT ブラックシリーズの主要スペック
■エンジン:4.0L V8ツインターボ
■トランスミッション:7速AMGスピードシフト(DCT)
■駆動方式:後輪駆動
■最高出力:730馬力/6,700~6,900rpm
■最大トルク:800Nm/2,000~6,000rpm
■0-100km/h加速:3.2秒
■最高速度:325km/h
■価格:335,240ユーロ(日本円:約4,127万円、2020年7月24日時点)
AMG史上最強モンスターは4000万円オーバー! AMG 「GTブラックシリーズ」発売開始
■4リッターV8ツインターボは730ps・800Nmを発生
メルセデス・ベンツの高性能車部門、メルセデスAMGは2020年7月24日、メルセデスAMG「GTブラックシリーズ」の注文を欧州で開始した。
ドイツでの車両価格は33万5240ユーロ(日本円で約4140万円。ドイツ付加価値税16%含む)となる。
AMG GTブラックシリーズは2020年7月15日にワールドプレミアされたスーパースポーツモデルで、AMG史上もっともパワフルなV8量産エンジンを搭載したモデルだ。
フラットクランクシャフトを採用した新しいV型8気筒ツインターボエンジンは、6700rpmから6900rpmで730psの最高出力を発生し、2000rpmから6000rpmで800Nmの最大トルクを発揮する。
これにより、AMG GTブラックシリーズの2ドアバージョンは、0-100km/h加速で3.2秒、0-200km/h加速は9秒未満、そして最高速度は325km/hというパフォーマンスを誇る。
レーシングカー「AMG GT3」や「AMG GT4」との類似性は、視覚的にも技術的にもこれまで以上に強くなっている。
新型AMG GTレーシングカーの、大幅に大型化された冷却エアインテークと同様、モータースポーツから直接派生したもうひとつの特徴は、黒く仕上げられたカーボン表面から作られた2つの大きな排気口を備えた新しいカーボンファイバー製のボンネットだ。
この大きな排気口は、斜めに配置された冷却パックから供給される暖かい空気をエンジンルームの外に排出。この技術により、全体的なダウンフォースが向上しているという。同時に空気抵抗が減少し、エンジン冷却のためのエアマスフローが最適化されている。
リアアクスルの上部と下部のウィッシュボーンのベアリングも、モータースポーツで使用されているものをそのまま使用している。その設計は高負荷がかかってもトーインとキャンバーが変化しないことを意味している。
AMG GTブラックシリーズは、正確なステアリングを可能にし、明確なステアリングフィードバックを提供することで、コーナリング性能も向上させている。
モンスタースーパースポーツといえるAMG GTブラックシリーズだが、日本での発売は未定だ。
Posted at 2020/07/30 22:39:29 | |
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メルセデスベンツ | 日記
2020年07月19日
【復活を予告】メルセデスAMG GT ブラックシリーズ登場へ 2段リアウイングか
最強最速のブラックシリーズ
メルセデスAMG GTに、最強グレードが追加される。「ブラックシリーズ」の復活である。
AMGが動画サイトに投稿したムービーには、AMG GTブラックシリーズが濡れたサーキットを走行する様子が収められている。
様々な角度からその姿を確認することができ、GT3やGT4のレーシングスピリットからインスピレーションを得ていることがわかる。
最も顕著なのは、リアに装着された2段の巨大なリアウイングだ。
その他の変更点としては、大型のリアディフューザー、冷却性を高める新形状のフロントグリル、その下の大きなフロントスプリッターなどが挙げられる。
ダウンフォースと高速走行時の安定性を高めることが、開発の主眼であったことは明らかだ。
ニュルブルクリンクで行われたプロトタイプのテストでは、GT Rのボディに新しいボンネットベントを取り付け、大幅にチューニングを施された4.0LツインターボV8を冷却していたが、少なくとも690psを発揮するとの情報がある。
加速力の面では、2020年半ばに登場する限定生産のハイパーカーAMG「ワン」に勝ると、AMGのボスであるトビアス・モアーズが昨年のニューヨークモーターショーでAUTOCARに語った。
「ワンを抜きにして、ラップタイムはAMG史上最速のものになるでしょう」
「走破性能が最も重要ですが、バランスを取ることでラップタイムも良くなると考えます」
現在、4.0L V8の最もパワフルなモデルはGT63 4ドアクーペで、638psを発揮する。
690psを超える可能性もあり、ブラックシリーズは585psのGT RとGT Rプロのピーク出力を簡単に超えることができるだろう。
911 GT2 RSの「素晴らしい相手」に
また、このカテゴリーで最も過激なスーパーカーのひとつである、700psのポルシェ911 GT2 RSとの差を縮めることになるはずだ。
モアーズによると、新たなブラックシリーズは「我々の隣人との素晴らしい競争相手になる」という。
AMG GTブラックシリーズは、サーキット走行に焦点を絞ったシャシーと空力性能の向上も施されており、AMG GT Rプロよりもさらに上を行くかもしれない。
このようなセットアップの結果、GTブラックシリーズの重量は1575kg前後となり、GT Rプロと同等かそれ以下となる。
最後のブラックシリーズは、SLS AMGをベースにしたモデルで、2013年に生産が開始された。
AMGで最もエクストリームなGTブラックシリーズは、7年間の休止期間を経て2020年に登場することになる。
メルセデスAMG GTに最強「ブラックシリーズ」、パワーは730馬力に決定 7月15日発表予定
メルセデスベンツは7月14日、7月15日14時(日本時間7月15日21時)から開催するオンラインイベントの「Meet Mercedes DIGITAL #6」において、メルセデスAMG『GTブラックシリーズ』(Mercedes-AMG GT Black Series)をデジタルワールドプレミアすると発表した。
「Meet Mercedes DIGITAL」は、メルセデスベンツのオンラインイベントだ。その第6回目では、メルセデスAMG GTブラックシリーズが初公開される。メルセデスAMG GT ブラックシリーズは、スポーツカーの『メルセデスAMG GT』の頂点に立つ最強グレードとして開発されている。
ブラックシリーズとは、メルセデスAMGのブランドスローガン「ドライビングパフォーマンス」を体現したピュアドライビングマシンだ。メルセデスAMGが、モータースポーツで培った最先端テクノロジーを注ぎ込んで開発。究極の運動性能と圧倒的な存在感を示すスタイリングを兼ね備えた少量限定生産車となる。
メルセデスAMG GTブラックシリーズは、メルセデスAMG史上、最も強力な市販車となる。パワートレインの詳細は明らかにされていないが、V型8気筒ツインターボエンジンは、最大出力が730hpに決定した。
この他、洗練されたエアロダイナミクス、インテリジェントな軽量設計、高いドライビングダイナミクス、表現力豊かなデザインを採用する。メルセデスAMGは、このブラックシリーズが、パフォーマンスとスポーツカーブランドの新しいフラッグシップモデル、としている。
メルセデスAMG GT、「ブラックシリーズ」の写真公開 実車は7月15日に発表予定
メルセデスベンツの高性能車部門のメルセデスAMGは、メルセデスAMG『GT』(Mercedes-AMG GT)の「ブラックシリーズ」の写真を公開した。7月15日、デジタルワールドプレミアされる予定だ。
メルセデスAMG『GTブラックシリーズ』は、スポーツカーのメルセデスAMG GTラインナップの頂点に立つ最強グレードとして開発されている。
ブラックシリーズとは、メルセデスAMGのブランドスローガン「ドライビングパフォーマンス」を体現したピュアドライビングマシンだ。メルセデスAMGが、モータースポーツで培った最先端テクノロジーを注ぎ込んで開発。究極の運動性能と圧倒的な存在感を示すスタイリングを兼ね備えた少量限定生産車となる。
ブラックシリーズは、2006年に『SLK55AMGブラックシリーズ』、2007年に『CLK63AMGブラックシリーズ』、2008年に『SL65AMGブラックシリーズ』、2011年に『C63AMGクーペ・ブラックシリーズ』が設定された。
公開されたメルセデスAMG GTブラックシリーズの写真からは、黒く塗装されたフロントリップスポイラー、サイドスカート、大型リアウイングや、専用デザインのフロントグリル、ボンネット、フェンダー、バンパー、ロールケージなどの特長が見て取れる。
The new beat is: 1-8-2-7-4-5-3-6. Listen to it on July, 15th. pic.twitter.com/pQ5aXCJJ7T— Mercedes-AMG (@MercedesAMG) July 13, 2020
Faster than its shadow. Follow me if you can on July, 15th. pic.twitter.com/CEeockX3Zr— Mercedes-AMG (@MercedesAMG) July 12, 2020
メルセデスAMG GT、史上最強の「ブラックシリーズ」発表…730馬力ツインターボ搭載
メルセデスベンツは7月15日、オンラインイベントの「Meet Mercedes DIGITAL #6」において、メルセデスAMG『GTブラックシリーズ』(Mercedes-AMG GT Black Series)をデジタルワールドプレミアした。
「ブラックシリーズ」とは、メルセデスAMGのブランドスローガンの「ドライビングパフォーマンス」を体現したピュアドライビングマシンだ。メルセデスAMGが、モータースポーツで培った最先端テクノロジーを注ぎ込んで開発。究極の運動性能と圧倒的な存在感を示すスタイリングを兼ね備えた少量限定生産車となる。
◆専用チューンの4.0リットルV8ツインターボ
メルセデスAMG GTブラックシリーズは、メルセデスAMG史上、最もパワフルな市販車となる。ドライサンプ潤滑システムを備えたメルセデスAMG の4.0リットルV型8気筒ガソリンツインターボエンジンを、強化して搭載する。
ブラックシリーズでは、ツインスクロールのターボチャージャーを減摩ベアリングに取り付け、スロットルレスポンスをさらに高めた。ターボチャージャーには大型のコンプレッサーホイールを装備。1時間あたりの空気供給量は、メルセデスAMG『GT R』の900kgを上回り、1100kgに達するという。大型のインタークーラーも装備されている。
これらの変更により、メルセデスAMG GTブラックシリーズは、最大出力730hp/6700~6900rpm、最大トルク81.6kgm/2000~6000rpmを獲得する。新しいカムシャフトと排気マニホールドが新しい点火順序に適合し、ガスサイクルをさらに改善しているという。
◆0~100km/h加速3.2秒で最高速325km/h
メルセデスAMG GTブラックシリーズは、リアアクスルに配置されている7速デュアルクラッチの「AMG SPEEDSHIFT DCT 7G」を介して、後輪を駆動する。この7速デュアルクラッチは、最大トルク81.6kgmに対応するよう強化された。7速デュアルクラッチのパフォーマンスやレスポンスは、よりサーキットに適したものに改良されている。
発進時のエンジン回転数の引き上げ、ホイールスリップコントロールの性能向上、スポーツタイヤのサーキットへの適合により、レーススタート機能が強化された。トランスミッション冷却性能も引き上げられ、ギア比も変更された。これらの変更により、メルセデスAMG GTブラックシリーズは、0~100km/h加速を3.2秒で駆け抜け、9秒以内に200km/hに到達する。最高速は325km /hだ。
エンジンとトランスミッションをつなぐ「トルクチューブ」は、カーボンファイバー製で重量は13.9kg。メルセデスAMG GTのアルミ製よりも約40%軽量だ。ドライブシャフトも、軽量なカーボンファイバー製とした。
◆モータースポーツの技術を採用したサスペンション
ブラック塗装のブレーキキャリパーとホワイトレタリングを備えた軽量なセラミック高性能コンパウンドブレーキシステムを、標準装備した。専用のブレーキパッドとディスク、最適化されたブレーキ冷却により、強力な制動力を発揮する。標準の鍛造アルミホイールも軽量化に貢献している。
ダブルウィッシュボーンとステアリングナックル、前後のハブキャリアは100%鍛造アルミ製とし、バネ下重量を軽減した。モータースポーツの技術が採用されたダブルウィッシュボーン式サスペンションは、ホイール支持とサスペンション機能を分離し、スプリングストラットとダンパーストラットを下側のラテラルリンクで支える。このため、上下動を最小限に抑えつつ限界に近い状況のコーナリングにおいて、路面の感覚を的確にドライバーへ伝える。リアアクスルのロアウィッシュボーンに採用したピロボールジョイントもモータースポーツから流用した技術だ。ウィッシュボーンブッシュより耐摩耗性が高いうえ、設計上まったく遊びがないことから、大きな荷重を受けてもトーインとキャンバーが変化しない。その結果、さらにドライバーの意思に忠実に走行することが可能になったという。
調整可能なメルセデスAMGのサスペンションを装備した。このモータースポーツのテクノロジーは、「AMGライドコントロール」の連続可変アダプティブダンピングシステムと組み合わされている。
AMGライドコントロールは、各ホイールの減衰力を走行中のハンドリング状況や車速、路面状態に合わせて自動調整する。この減衰特性の調整を高速かつ精密に行うために、ダンパー内に伸び側用と縮み側用のバルブを別々に備えている。コーナリング時やブレーキング時などにはダンピングレートが硬くなることで、ロールが効果的に低減される。なお、車速に応じた減衰力連続調整には、高速走行時にも最大限の接地性を確保することで安全性を高める効果もあるという。
さらに、AMGドライブユニットシステムのボタンを押すか、「AMGダイナミックセレクト」のドライブモードを使用することで、アダプティブダンピングシステムの特性を調整できる。日常走行の快適性を優先する「C(Comfort)」、ニュルブルクリンクの北コースのような一部起伏があるようなサーキット走行に適した「S(Sport)」、鈴鹿サーキットなどのグランプリサーキット走行に適した「S+(Sport Plus)」の3つのシフトモードを採用している。
タイヤは、ブラックシリーズ専用のミシュラン「パイロットスポーツカップ2 R MO」。サイズは、フロントが285/35ZR19、リアが335/30ZR20とした。サーキット向けに、ハードコンパウンドがオプションで選択できる。
◆9段階に調整できるAMGトラクションコントロール
「AMGトラクションコントロール」もモータースポーツの技術が採用されたシステムだ。駆動輪であるリアアクスルのスリップ量を、9段階であらかじめ設定することができる。操作は、エアアウトレット下のセンターコンソールにある専用ダイヤルで行う。設定の違いによって、リアホイールに許されるスリップ量が変化することから、さまざまな路面状況に対応する。
レベル1は、ウエット路面を、安全に余裕を保ちながら走行する設定。一方、レベル9ではリアアクスルのスリップを最大限許容する。選択された設定は、ロータリースイッチを囲むLEDゲージに表示される。この表示方式もレーシングカーから採用している。マルチファンクションディスプレイのセンターディスプレイにも設定が表示される。
AMGトラクションコントロールの利点は、仮想μシミュレーターや制御装置が処理するさまざまなデータを利用して、状況を瞬時に予測できることだ。駆動するリアホイールの最大許容スリップ量は、AMGトラクションコントロールの選択レベルに応じて計算される。加速中にホイールスリップが上限レベルに達すると、AMGトラクションコントロールはこの許容量を超えないようにエンジン出力を調整する。このため、車体は設定されたスリップ量の中で加速を続ける。調整には「AMGリミテッド・スリップ・デフ」の効果も含まれる、としている。
最強の「メルセデスAMG GT」! 「ブラック・シリーズ」が登場!
4L V8ツインターボは専用チューンにより730ps/800Nmを発揮。0-100km/h加速は3.2秒
7月15日、ダイムラーは「メルセデスAMG GT」の新たな最高峰モデルとなる「AMG GTブラック・シリーズ」を発表した。
メルセデスAMGモデルに設定されるブラック・シリーズは、2006年に登場した「SLK 55」を皮切りに、2007年に「CLK 63」、2008年に「SL65」、2012年に「C63」、そして2013年に「SLS AMG」と、これまで5モデルに設定された経緯がある。パワートレインはもとより、エアロダイナミクスやシャシー、足まわりといった主要コンポーネントに手が加えられ、通常モデルのAMG車とは一線を画す、とりわけエクスクルーシブなモデルに位置付けられる。
メルセデスAMGのトビアス・ムアース会長は、このたびの発表に際して次のようにコメントしている。
「この新しいGTブラック・シリーズは、最新AMG車のハイライトであり、2006年に確立された伝統を継承しています。6番目を数える今作はAMGのマイルストーンであり、アファルターバッハ(メルセデスAMGの本拠地)の驚くべき開発能力や専門知識の確たる証拠で、私はこのユニークなスーパースポーツカーを開発したチームを誇りに思っています。GTブラック・シリーズは、今や成功したGTシリーズの最高峰を象徴しており、そのパフォーマンス、ルックス、ドライビングダイナミクスは他の追随を許しません。このプロジェクトはメルセデスAMGにおける私の仕事に有終の美を飾るものとなり、本当に感謝しています」
ムアース会長がコメントのなかで感謝の意を表したのは、メルセデスAMGを離れることが決定しているから。ちなみに8月からはアストンマーティンのCEOに就任することがすでに明かされている。
4L V型8気筒ツインターボエンジンは、ターボチャージャーに大型のコンプレッサーホイールや大型インタークーラーを装備するなど、専用仕立てとすることにより、730ps/800Nmを発揮。リヤに搭載する専用セッティングを施した7速DCT(AMGスピードシフトDCT 7G)との組み合わせにより、0-100km/h加速を3.2秒、0-200km/h加速を9秒未満でこなす加速性能を実現する大きな原動力となっている。最高速は325km/hだ。
ダブルウイッシュボーン形式のサスペンションやステアリングナックル、ハブキャリアはすべて鍛造アルミニウムで製造。これによりバネ下質量を減らし、ステアリングからのフィードバックをより明確にし、コーナリングパフォーマンスを向上させている。
タイヤは専用にカスタマイズされたミシュランの「パイロットスポーツ・カップ2 R MO」でサイズはフロントが285/35ZR19、リヤが335/30ZR20。
ドライブモードの「AMGダイナミックセレクト」は、「コンフォート」、「スポーツ」、「スポーツプラス」の3モードを設定。コンフォートとスポーツは公道向け、スポーツプラスはサーキットトラック向けと大まかに分けられるが、スポーツモードはウエットコンディションのサーキットトラックでも有効だという。
センターパネル中央部のダイヤル操作によってレベルを調整できるAMGトラクションコントロールも、ブラック・シリーズ専用セッティングが施されている。レベル1からレベル9まで選択でき、レベル1では、ウエット路面で安全に余裕を持った走行に適しており、一方レベル9では後輪のスリップ量を最大限に許容する。
エクステリアは、軽量化の促進とともに、エアロダイナミクスが追求されていることが明確に表現されている。これはGT3マシンをはじめとするレースカーから技術的フィードバックを得たもので、フロントスプリッターやボンネットフード、ルーフ、リヤウイングといったパーツはカーボンファイバー製。フロントスプリッターは「ストリート」と「レース」の2モード設定され、レースモードではより路面から近い位置まで下降し、ボディ下部に流れる空気を加速させる、いわゆる「ベンチュリ効果」を生み出しフロントのダウンフォースを高める。
一方、カーボン製テールゲートに装着されるリヤウイングには、上部中央に最大20度の範囲で角度が変更する可変フラップが組み込まれた。このフラップはAMGダイナミックモードに合わせて電動で調整し、ダイナミクスを最適化する。
このほか、ほぼ完全にパネル化されフラットになったアンダーボディやリヤディフューザーなど、エアロダイナミクスを高める策が多彩に取り入れられた。その結果、AMG GTをベースとしていながらも独特のルックスになっている。
エクスクルーシブナッパレザーと「DINAMICA」マイクロファイバ-を組み合わせたインテリアはブラック基調で、オレンジの差し色がシートやステッチに用いられ、マットブラックカーボンファイバートリムやAMGカーボンファイバーバケットシート、グロスブラックが特徴のAMGインテリアナイトパッケージと合わせて独特の雰囲気を発散する。なおこの差し色はオプションでグレーが選べる。
オプションのAMGトラックパッケージを選択すると、チタン製チューブによるロールケージや4点式シートベルト、消化器などで構成するロールオーバープロテクションシステムが搭載される。
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最高出力730ps! 史上最強のV8エンジンを搭載する「メルセデスAMG GT ブラックシリーズ」デビュー【動画】
Mercedes-AMG GT Black Series
メルセデスAMG GT ブラックシリーズ
最強を謳う「ブラックシリーズ」6番目のモデル
メルセデスは、史上最もパワフルな新開発V型8気筒ツインターボエンジンを搭載した「メルセデスAMG GT ブラックシリーズ」を発表した。アグレッシブな専用デザイン、作り込まれたエアロダイナミクス、最新素材の組み合わせにより、これまでにないドライビングダイナミクスを実現している。
最強のAMG GTの称号を掲げたこの公道走行可能なスーパースポーツは、メルセデスとAMGのモータースポーツにおける豊富な経験が惜しみなく注ぎ込まれた。フラットプレーン・クランクシャフトが採用されたV8ツインターボは、最高出力537kW(730ps)を発揮。AMG GT3由来のデザインに加えて、速度域により可変するアクティブ・エアロダイナミクスが搭載されている。
トビアス・ムアース会長、ブラックシリーズが最後の作品に
メルセデスAMGは、妥協を許さないスポーツ性能、特別なエクステリア、モータースポーツ由来のテクノロジーなどを投入した少量限定車「ブラックシリーズ」を展開してきた。今回のGT ブラックシリーズは、6番目のモデルとなる。
ブラックシリーズは非常に希少性が高いものの、コレクターのガレージで埃をかぶるために作られたのではない。レーシングトラックで抜群のタイムを叩き出せる性能を持ちながら、一般公道も走行可能な車両として開発されている。AMG GT ブラックシリーズは、この伝統の最新作であり、メルセデスAMGのV8エンジン搭載車で最もパワフルなモデルとなった。
メルセデスAMGのトビアス・ムアース会長は、メルセデス AMG GT ブラックシリーズについて、以下のようにコメントした。ムアースはこの後、アストンマーティンの新CEOになることが決まっている。
「この新しいGT ブラックシリーズは、2006年に確立された“ブラックシリーズ”の伝統を引き継いでいます。6番目のブラックシリーズは、AMGが打ち立てた新たなマイルストーンであり、アファルターバッハの高い技術力を証明しています」
「あらためて成功を収めてきたGTファミリーの絶対的な頂点に立つ、このユニークなスーパースポーツを生み出したチームを誇りに思います。GTブラックシリーズのパフォーマンス、エクステリア、運動性能は他の追随を許しません。このプロジェクトは、AMGでの私の仕事の締めくくりとして素晴らしいものとなりました。皆さんに心から感謝しています」
最高出力730ps・最大トルクは800Nmを発揮する「M178 LS2」
一般的にV型8気筒エンジンには、4気筒分のクランクピンが90度位相で配置されている「クロスプレーン」と、全てのクランクピンが180度位相で配置される「フラットプレーン(フラットクランクシャフト)」というふたつのバリエーションがある。AMG製V8エンジンはこれまでクロスプレーンを採用してきた。クロスプレーンは特徴的なエンジンサウンドを持ち、抜群の滑らかさと低回転域での高トルクが特徴となる。
今回、アファルターバッハのエンジニアは、4.0リッターV型8気筒ツインターボエンジンの排気量を最大限活用するために、フラットプレーンの採用を決定。クランクとピストンの取り付け角度が180度となった結果、より俊敏なスロットルレスポンスを実現している。
そして、様々な改良が施されたAMG製V8ツインターボエンジンは、新たに「M178 LS2」という型式名が与えられた。新しいカムシャフトとエキゾーストマニホールドの採用により効率は向上。最高出力537kW(730ps)、最大トルクは800Nmという、メルセデスAMG史上最もパワフルなV8エンジンの称号も手にしている。
スロットルレスポンスやスタート時の反応を改善
ツインスクロール・エキゾースト・ターボチャージャーは、4ドア仕様の「AMG GTクーペ」と同様にアンチフリクション・ベアリングを採用し、スロットルレスポンスを最適化。コンプレッサーを大型化したことで、エア供給量もAMG GT Rの900kg/hから1100kg/hに増加した。また、インタークーラーも大型化されている。
エンジンの刷新により、パワーやトルク、レスポンスの向上に加えて、そのエンジンサウンドも大きく変化した。もちろん走行性能も進化しており、0-100km/h加速は3.2秒、0-200km/h加速は9秒以下、最高速度325km/hというスペックを実現している。
強大なパワーはAMG製7速スピードシフトDCT(デュアル・クラッチ・トランスミッション)を介して後輪を駆動。従来のAMG GTと同様に、最適な重量配分を実現すべくリヤアクスルにトランスアクスルを採用する。また、トランスミッションの冷却も改善された。
エンジンとトランスミッションをつなぐトルクチューブは、従来のアルミニウム製からカーボンファイバー製に変更。約40%の重量を削減し、13.9kgもの軽量化を実現した。また、ドライブシャフトにもカーボン製が採用された。
ゼロ発進加速を最適化するローンチコントロール機能も改善。スタート時のエンジン回転数を増加し、ホイールスリップコントロールをより繊細に制御することが可能で、さらにレーストラックに適したスポーツタイヤを採用したことにより、スタートレスポンスが大幅に改善されている。
大型化された新形状のラジエーター・エアインレット
エアロダイナミクスは、AMG GT RやAMG GT R PROと同様に、AMGの技術陣により徹底的に煮詰められている。今回、レース仕様のAMG GT3とAMG GT4から、様々な技術がキャリーオーバーされた。
大型化された新形状の「ラジエーター・エアインレット」はGT3から採り入れられた。中央のエアインレットからは、ホイールアーチクーラーにも直接フレッシュエアが供給されるようになり、従来存在していた2基のアウターエアアウトレットが廃止されている。フロント周辺のエア流量を最適化し、フロントアクスルのダウンフォースレベルを向上するだけでなく、ブレーキ冷却効率もアップした。
また、エアカーテンにより空気の流れをコントロールし、ホイールに向けて誘導。ホイール前部に設置されたフリックと組み合わせることで、ドラッグを大幅に低減し、ダウンフォースを増加させることができる。
走行条件に合わせて展開するフロントスプリッター
カーボンファイバー製フロントスプリッターは、手動での角度調整が可能(公道仕様/サーキット仕様)で、様々なサーキットコンディションに合わせてアジャストできる。レース仕様に設定すると、フロントセクション下部に逆ウイングプロファイル形状のフロントディフューザーが形成される。
走行速度が上がることで、スプリッターは自動的に下へと展開。アンダーボディのエアフローを大幅に加速させることで「ベンチュリー効果」が発生し、フロントアクスル周辺のダウンフォースレベルを増大させる。高速コーナリング時にはより正確なコントロールが可能となり、優れた安定性を発揮。コクピットのドライバーはステアリングでその効果を実感することができるだろう。
モータースポーツから直接派生したコンポーネントとして、2基の大型エアアウトレットを備えた新形状カーボンファイバー製ボンネットがある。この大型エアアウトレットは、エンジンルームから出る熱気を斜めに配置された冷却ファンを通して放出。ダウンフォースを増加させると同時に空気抵抗を減少させ、エンジンを冷却するためのエア総量も最適化される。
可変フラップを備えた2段式大型リヤウイング
Aピラーとサイドウインドウ周辺を通過したエアフローは、完全に刷新されたリヤセクションへと導かれる。
大型ディフューザーを備えた新形状のリヤエプロン、左右に配置されたツインテール・パイプトリム、サイドホイールアーチ・ベンチレーションに加えて、革新的なカーボンファイバー製2段式リヤウイングが採用された。2枚のブレードは、様々な路面状況に合わせて調整が可能となっている。
ボトムウイングは上段よりも幅が狭く、これはフロントからのエアフローに合わせた形状が採用された。軽量かつ堅牢なカーボンファイバー製ステーはマットブラックにペイントされ、テストにより空力的に最適化された形状になっている。リヤウイングはカーボンファイバー製テールゲートにボルトで固定されている。
アッパーウイングは中央に可動式フラップを備える。このアクティブエアロダイナミクスは、走行状況と選択された「AMG ダイナミクス」のモードに合わせて、自動的に20度の範囲で調整される。フラットポジションは空気抵抗を低減した最高速度重視のセッティング。立ち上がったポジションは、リヤアクスル周辺のダウンフォースを増加させることで、ブレーキ性能とコーナリングの安定性を向上させる。
AMG ダイナミクスは「ベーシック(Basic)」「アドバンスド(Advanced)」「プロ(Pro)」「マスター(Master)の4つのモードを用意。250km/hまではフラップが自動展開し、250km/hを超えると空気抵抗を減らすためにフラットポジションとなる。
ただし、ドライバーが急ブレーキをかけたり、コーナーでハンドルを切ったりした場合、フラップはすぐに展開。ダウンフォースと空気抵抗の増加により、ブレーキングとコーナリング性能を最適化する。このフラップは、センターコンソールにあるボタンを使ってドライバーが任意にコントロールすることもできる。
ブラックシリーズは、ダブルバブル形状の軽量カーボンファイバー製ルーフ、小型リップスポイラーを備えたカーボンファイバー製テールゲート、軽量薄板ガラス製前後ウインドウなど、“インテリジェント”なマテリアルを積極的に導入。大幅な軽量化を実現した。
3つのモードが用意された足まわりのセッティング
ダブルウィッシュボーン・サスペンションは、バネ下重量を減らすためにウィッシュボーン、ステアリングナックル、ハブキャリアなどを鍛造アルミニウム製とする。リヤアクスルの上下に配置されたボールジョイントはモータースポーツで使用されている強化パーツを採用。ブラックシリーズは明確なステアリングフィードバックを提供することで、コーナリング性能が向上している。
AMG GT Rと同様に、調整可能なAMG製コイルオーバー・サスペンションをチョイス。過酷なレーストラックでの使用に対応するため、モータースポーツで鍛えられた可変アダプティブ・ダンピング・システムが組み合わされた。このシステムは高度に電子制御されており、スピードや路面状況に合わせて、各輪の減衰レベルを自動的に適応させる。
コーナリングやブレーキング時に減衰力を強めに設定し、車両のロールを効果的に抑制。また、速度に合わせて減衰量を連続的に可変調整することで最高のロードコンタクトが確保され、高速走行時の安全性を高めることに成功している。
ドライバーは「AMG ドライブユニット」のスイッチを押すか、「AMGダイナミックセレクト」のドライブモードを使って足まわりの特性を調整することも可能だ。
AMGダイナミックセレクトは、「コンフォート(Comfort)」「スポーツ(Sport)」「スポーツ・プラス(Sport Plus)」の3モードを用意。コンフォートとスポーツは公道での走行に適したセットアップで、スポーツは足まわりのセッティングがより硬くなり、乗り心地など快適性は低下する。スポーツはウェットコンディションなど滑りやすい路面状況が続く場合には、レーストラックでも選択できる。
スポーツ・プラスはサーキットでの使用を想定。平坦な高速コースのホッケンハイム、バンピーなニュルブルクリンク・ノルドシュライフェなど、コース状況を自動的に認識し、ダンピング・レベルを自動的に適応させる。
2基の大型ディスプレイを備えたレーシーなコクピット
インテリアは、専用ナッパレザーにスポーティなブラックのDINAMICAマイクロファイバーが組み合わせられた。トップステッチにはレーシーなーオレンジのコントラストが施されている。インストゥルメントパネルと新デザインの軽量ドアパネルには、ループ・プルハンドルを採用。この軽量ドアハンドルは、ブラックのDINAMICAマイクロファイバーでトリミングされている。
マットブラックのカーボンファイバー製トリム、インテリアナイトパッケージにより、印象的なコクピットが実現。AMGカーボンファイバー製バケットシート(米国、カナダ、中国では未販売)は、軽量化と最適な横方向のサポートを両立。米国、カナダ、中国では、AMGパフォーマンスシートが標準装備される。また、インテリアにはグレーのトップステッチを施したオプションも用意された。
これまでのAMG GTファミリーと同様に、フルデジタル・インストゥルメントディスプレイを採用。ドライバーの前方には12.3インチのインストゥルメント・クラスターを配置し、センターコンソールには10.25インチのマルチメディアモニターを装備した。
インストゥルメントクラスターはAMG専用の「クラシック(Classic)」「スポーティ(Sporty)」「スーパースポーツ(Supersport)」という3種類のディスプレイスタイルが用意されている。「スーパースポーツ」モードでは、中央にレブリブカウンターが配置され、マニュアルトランスミッションモードでのシフトアップを促す「シフトライト」など、幅広い追加情報を表示する。
ロールケージを備える「AMGトラックパッケージ」
米国、カナダ、中国以外のマーケットでは「AMGトラックパッケージ(AMG Track Package)」をチョイスすることができる。このパッケージには、ロールオーバープロテクションシステム、ドライバーシートと助手席用4点式シートベルト、サーキット専用消火器が含まれる。
ロールオーバープロテクションシステムの軽量チタン製ロールケージは、メインロールバー、シートベルト取り付け用ブレース、2基のリヤブレース、リヤのX形状ブレースで構成。ロールケージを装着することで安全性はもちろん、ベースモデルの高い車両剛性をさらに向上させ、ドライビング・ダイナミクスを大幅にアップさせる。
【SPECIFICATIONS】
メルセデスAMG GT ブラックシリーズ
エンジンタイプ:4.0リッターV型8気筒ツインターボ
総排気量:3982cc
最高出力:537kW(730hp)/6700-6900rpm
最大トルク:800Nm/2000-6000rpm
トランスミッション:AMG スピードシフト 7速DCT
駆動方式:RWD
最高速度:325km/h
0-100km/h加速:3.2秒
VIDEO
Posted at 2020/07/19 10:42:49 | |
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メルセデスベンツ | 日記
2020年06月30日
【レスポンスを大幅に向上】メルセデスAMG 新しい電動ターボチャージャー 技術概要が明らかに
新しい電動アシスト・システム
text:Greg Kable(グレッグ・ケーブル)
メルセデス・ベンツの高性能車ブランド、AMGは、次世代モデルに搭載する、新しい電動アシスト・ターボチャージャーの詳細を明らかにした。
新しいシステムには、AMGのハイ・パフォーマンス・パワートレイン部門が、メルセデスのF1エンジン用に開発した技術を採用する。
2.0L 4気筒と4.0L V8エンジンの両方で、現在AMGが使用している排気ガスを利用してコンプレッサーを駆動するターボチャージャーを、置き換える予定となっている。
ギャレットモーションの協力を受けて、設計開発されている新しいターボチャージャーは、開発の最終段階にあるという。また、3.0L 6気筒を搭載する「AMG 53」モデルで使用されている、電動アシスト・エグゾースト・ガス・ターボチャージャーとは、異なる制御をすると言われている。
最大17万rpmまで作動が可能
新しいシステムは、吸気側のコンプレッサーホイールと、エグゾースト側のタービンホイールの間にある、ターボチャージャー・シャフトに組み込まれた、コンパクトな電気モーターを使用して、吸気を高める。
ターボラグの解消のために、排気ガスが流入する前に、48V電気システムを介して制御されるモーターが、コンプレッサーホイールを駆動。
メルセデスAMGは、その新しいターボチャージャーが最高で17万rpmまで対応し、はるかに高いエアフローを提供できると述べている。
新しいターボ、電気モーター、パワーエレクトロニクス・システムは、燃焼エンジンの冷却回路に接続される。
レスポンスを大幅に改善
近く退任するAMGの会長、トビアス・ムアースは「電動化の未来のための、わたし達の目標を明確にします」と述べている。
「モジュラーテクノロジーを戦略的に補完し、パフォーマンス要件に合わせて調整していますが、その一歩として、F1テクノロジーを公道に移した、電動ターボチャージャーに着手します」
「ターボチャージャー付きの燃焼エンジンを、これまで達成できなかったレベルにまで引き上げることができます」と説明する。
新システムの詳細な技術情報はまだ明らかにされていないが、メルセデスAMGは、新しい電動アシスト・エグゾースト・ガス・ターボは、「アイドリングを含む、すべてのエンジン回転数でのレスポンスを、大幅に改善します」と述べている。
さらに、「低速域でも高いトルクを生み出すだけでなく、スタンディング・スタートからの加速を最適化し、俊敏性を向上させます」と付け加えた。
AMGが電動ターボを市販モデルに近く搭載へ。ホンダほかF1参戦メーカーの新たな技術トレンドになるか?
ターボ軸に組み込む薄さ4cmのモーターをギャレットと共同開発
F1ではターボチャージャーと同軸にMGU-H(熱エネルギー回生システム)を配置してエネルギー効率を追求しているのは知られていますが、その現代F1において最強といえるのがメルセデスAMGのパワーユニットという点に異存のある人は少ないでしょう。
そのメルセデスAMGが、F1テクノロジー直系といえる「電気式ターボチャージャー」について情報発信をはじめました。
今回、メルセデスAMGが発表したテクノロジーは、まさしくMGU-Hを市販・量産車に落とし込んだといえるものです。通常のターボチャージャーのシャフト部分に4cmの薄型モーターを内蔵して、F1のMGU-Hほどの発電量は見込めないにしても、量産車への搭載を実現しているのがポイントといえます。
公開されている画像ではターボチャージャー本体に「Garrett」のロゴが確認できるので、ターボチャージャーの名門ギャレットとの共同で、この市販車向け電気式ターボチャージャーは開発されているというわけです。
F1のMGU-Hというと、どうしてもエネルギー回生(発電)能力に着目しがちですが、市販車向けの電気式ターボチャージャーではターボラグの解消などレスポンス面でのメリットを活かすものとなっているのが特徴です。
電子制御アクチュエータなどでターボチャージャーが過給圧の立ち上がりを速くするのは常套手段ですが、それでもアイドリング領域から過給することは難しいのが現実です。
しかし、電気式ターボチャージャーであればアクセルオフのアイドリング状態であっても、シャフトに組み込まれたモーターでダイレクトに過給をはじめられます。実際、メルセデスのニュースリリースには、電気式ターボチャージャーは停止状態からの加速性能に寄与すると記されています。
欧州メーカーが使う48Vシステムとの相性もばっちり
さらに、この薄型モーターはターボチャージャーが低回転で動いているときだけ作動するわけではありません。
ターボチャージャーの特性として、アクセルオフ時は回転が落ちてしまい、次にアクセルを踏み込んだときにターボラグ(過給遅れ)が発生します。その対策として、モータースポーツやチューニングエンジンでは「ミスファイアリングシステム」といってアクセルオフ時にも燃料を燃やすことでターボチャージャーを回し続け、ターボラグを減らすという工夫があります。これによってコーナーの進入時にアクセルを抜いて、立ち上がりで加速するといったシチュエーションでも鋭いレスポンスを実現することができるのです。
この電気式ターボチャージャーにはミスファイアリングシステムは不要です。アクセルオフ時も薄型モーターでターボチャージャーの回転を維持することができ、アクセルを踏み込めばラグを感じさせないトルクを得ることができるのです。
なお、モーターは48Vということですから欧州車で増えつつある48Vマイルドハイブリッドシステムとのコンビネーションも最適なのでしょう。
現時点では、メルセデスAMGが電気式ターボチャージャーを、どのモデルに搭載するのかアナウンスされていませんが、世界最強の2.0Lエンジンとして310kW(421PS)を発生するAMG A45の次期モデルへの搭載が期待されます。
A45は4WDですが、その2.0Lエンジンがさらに進化するとなれば、F1でのライバルであり、2.0L FFの世界最速をシビックタイプRで目指しているホンダも黙っているわけにはいかないでしょう。
ホンダが電気式ターボチャージャーにどのようなアプローチをしているのかは不明ですが、F1パワーユニット直系といえる電気式ターボチャージャーは、F1参戦メーカーのブランディングにとって欠かせないアイテムになるのではないでしょうか?
文:山本晋也(自動車コミュニケータ・コラムニスト)
Posted at 2020/06/30 21:30:34 | |
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メルセデスベンツ | 日記
2020年06月26日
【スクープ】最強の「メルセデスAMG GT」、「GT Rブラックシリーズ」が“ニュル”に再臨!
最高出力は「GT R」を大幅に上回る711㎰で0-100km/hは3秒フラット?
メルセデスAMGが開発を進める「GTシリーズ」の最強モデル、「GT Rブラックシリーズ」の市販型プロトタイプが再びニュルブルクリンクに現れた。新型コロナウイルスの蔓延がメルセデス・ベンツのタイムラインにどのような影響を与えているかは不明だが、GT Rブラックシリーズの開発が継続されていることは確かなようだ。
今回捉えたプロトタイプは、パナメリカーナグリルを備える迫力のフロントグリル、エアベントが備わるボンネット、巨大なリヤのウイング、アグレッシブなリヤディフューザー、クワッド形状のエキゾーストパイプなどで武装。カモフラージュこそされているが、強力なAMGモデルに共通する特徴のすべてが確認できる。
その心臓部には、「メルセデスAMG GT63S 4ドアクーペ」と共有するAMG伝統の4L V型8気筒ツインターボを採用。ブーストアップを筆頭とする専用チューニングにより最高出力は711ps、最大トルク800Nmを発揮するという。この数値は「AMG GT R」比でそれぞれ126㎰と100Nmもの上乗せとなる。また、車重は限定車としては日本でも発売された「GT Rプロ」とほぼ同じ1575kg。最高速度は320km/hに達し、0-100km/h加速はGT Rの3.6秒を大幅に凌ぐ3秒フラットを叩き出す。そのワールドプレミアは、新型コロナウイルスの影響でいまのところ流動的だ、2020年内の登場が期待されている。当然、価格は日本で2954万円とされたGT Rプロを上回る設定となるだろう。
Posted at 2020/06/26 22:06:14 | |
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メルセデスベンツ | 日記
2020年06月05日
究極のGクラスが帰ってくる…メルセデスベンツ G500/G550 4x4 スクエアード 新型をスクープ!
メルセデスベンツのハードオフローダー、『Gクラス』のフラッグシップとして発売された『G500/G550 4x4 2(スクエアード)』に新型が登場するようだ。プロトタイプをスクープサイト「Spyder7」のカメラが初めて捉えた。
4x4 2は、2016年にGラクスの旗艦モデルとして誕生。6輪駆動車として話題となった『G63 AMG 6x6』の足回りを移植し、最低地上高を224mm高い460mmにリフトアップ。巨大ホイールを装備し3351万円という高額で発売されたが、2017年10月に生産終了となっていた。しかし、その後も顧客からの大きな反響があり、後継モデルに着手していたとみられる。
捉えたプロトタイプは、カモフラージュはないものの多数のテスト機器が取り付けられており、開発初期とみられる。
前世代モデルで採用されていたサイド出しエキゾーストシステムが見られないほか、ルーフラックに重りが追加されフロントガラスにはファンキーなバイザーが見られる。さらにLEDリングデイタイムランニングライト、テールライトなどを刷新、リアにはスペアホイールも確認できる。
ベースとなる2020年モデルのGクラスと比較すると、エクストラワイドのホイールアーチ、サイドステップ、再設計されたフロントとリアバンパー、後部にはスチール製のエクステンションが追加されていることがわかる。足回りには、325/55 R22タイヤを装備する22インチホイールを装着している。
パワートレインは、4リットルV型8気筒ツインターボエンジンの搭載が濃厚で、レンジトップの最高出力は585ps、最大トルク849Nmと強力なパフォーマンスが予想される。
最新情報によると、G500/550 4x4 2新型のワールドプレミアは2020年内で、2021年モデルとして発売sれるという。
Posted at 2020/06/05 22:12:44 | |
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メルセデスベンツ | 日記