2021年03月10日
抜け道で闘うライバルに対し正攻法で誕生した超絶マシン! グループAのために作られたBMW M3とは
生産車の段階でレース対策が施されたモデル
ツーリングカーによるサーキットレース、あるいはツーリングカーに準じた車両によるラリーの規定で「グループA」という言葉を耳にしたことはないだろうか? ひと口で言えば、生産車の基本構造、基本メカニズムで戦うことを規定した車両規格のことで、生産車からの改造、チューニングを大幅に制限した規定である。
このグループA規定は、1982年から1997年まで適用された車両規格で、正確にはレースとラリーで適用期間が異なっていた。サーキットレースは1982~1988年まで(例外的に日本だけが1993年まで)、ラリーが1982~1997年までとなっていた。
なぜ大幅に改造を制限した規定が設けられたのか、ということになるが、それまでの車両規定であるグループ2/4規定が、メーカーを挙げてのチューニング合戦に陥り、最終的にこの車両規定に追従できるメーカーがなくなったことから、競技の成立が危ぶまれる事態となっていたからだ。
まさにグループAレースのために作られた車両だった
グループA規定は、これへの対応策として事後の改造、チューニングを大幅に制限し、生産車両の基本構造、基本メカニズムで戦うカテゴリーとすれば、参戦門戸を幅広く構えられ、多くのメーカーが参画することでレースの隆盛化が図られると考えた結果である。
実際、この考え方は正解かと思われたが、レース向きでない車両を生産するメーカーへの救済策として用意された使用パーツの追加公認申請制度が逆手にとられ、より多くの競技用パーツの申請を行ったメーカーの車両が戦闘力を上げる結果となつていた。ボルボ240T、ジャガーXJ-S、ローバー・ビテスといった車両が主導権を握る流れとなったのは、このためである。
こうしたなかで、創業以来ツーリングカーレースを自社の身上としてきたBMWは、当時、世界最高位と目されていたヨーロッパツーリングカー選手権(ETC)に継続して参戦。グループA規定が適用された1982年以降も528iや635CSi、325iで活動を続けていたが、レースを有利に戦うためホモロゲーションシート(パーツの追加公認申請書)を山と積み上げる戦略で臨むボルボやジャガーに対し、同じ手法で相手をするにはどうにも非合理的と判断。
生産車の状態で、レースに対応できるメカニズムや構造を備えた車両を準備すれば、手間のかかるパーツの追加公認申請の手間は不要で、なおかつ想定した戦闘力の車両で戦えることから、グループAレースに対応した車両を開発、これの市販に踏み切った。
その車両が、初代BMW M3(E30)だった。車体構造をレース使用に耐える剛性、強度で仕上げ、エンジンはレース使用を見越したものを搭載。後付けが一切禁止された空力パーツも、量産車の段階からレースで使えるものを設計して装着。手間、コストはかかるが最初からグループAに対応した車両を生産すれば、レースに投入した場合、圧倒的優位に立てることは間違いない。M3は、まさにグループAレースのために作られた車両だった。
E30型M3の優れた着眼点は、最大排気量クラスとなる2500cc以上を選ばず、グループA2クラス、すなわち1600~2500ccの中間クラスで車両を選定したことにあった。グループA戦は、個別レースに総合優勝制を採らず、クラス制が採られていたからだ。こうした意味で、コンパクトでハンドリングに優れた3シリーズのレースカーは、有力チューナーのリンダーが325iを走らせていたが、この車両は6気筒エンジン搭載車で、レースカーとして必ずしも最高の条件を備える車両ではなかった。
ライバルのフォード・シエラRSとタイトルを争う高性能ぶりを発揮
6気筒エンジンは、車両の絶対重量、前後バランス、さらにはハンドリングで不利になることを承知していたBMWは、M3用のエンジンとして、M1で使われていた3.5リッター直列6気筒4バルブDOHCのM88型から2気筒分を切り落とした2.3リッターの4気筒S14型エンジン(初期型195ps、最終型220ps)を開発、搭載。M88型エンジンは、安定した高出力性、壊れないことから、グループC2カー用として需要の高い人気のエンジンだった。
BMWの選択肢としては、純レーシング仕様のM12系エンジンを使う手もあったが、M3が量産高性能ツーリングカーという点を考慮し、M88系からの派生となるS14型を新たに開発するという事情があった。
M3は1986年に市販され、ETCには1987年からの投入となったが、狙いどおりに2クラスで圧勝。白地に青/紫/赤のストライプを配したワークスカー(シュニッツァー)の戦闘力は圧巻で、最大排気量クラスのフォード・シエラRSとタイトルを争う高性能ぶりを示していた。
また、日本のプライベーターも積極的にM3を入手。まっ先に投入したオートテックM3の快走ぶり、好成績は印象的だった。なお、市販のM3は1989年にスポーツエボリューションに発展し、排気量を2.3リッターから2.5リッター(238ps)に引き上げていた。
その後M3は、次世代モデルのE36型以降も企画され続けたが、生産車の段階でレース対策が施されたモデルは初代E30型のみ。言ってみれば、サーキットレースのDNAで作られた車両だけに、現在その付加価値が見直され、車両人気が高騰中という状態である。
Posted at 2021/03/10 22:21:49 | |
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BMW | 日記
2021年02月07日
BMWのスーパーカーはランボルギーニと共同開発!? BMWの名車 M1を写真でチェック!
低いボンネットにパカッと開くリトラクタブルヘッドライト。M1と名づけられたBMW初のミッドシップスーパーカーは、当初ランボルギーニとの共同開発によって進められ、1978年に登場する。ポルシェのレースカーに対抗するため、BMWが作り上げたスーパーカーM1を画像と共に紹介しよう。
レースで勝つために計画された初の“Mシリーズ”
1978年のパリサロン(現:パリモーターショー)で発表されたBMW M1(E26)は、同社初のMシリーズであり、且つ初のミッドシップレイアウトを採用したスポーツクーペだ。1970年代当時、レース界で活躍していた「ポルシェ935」に挑むべく、グループ4参戦を目標に開発された。
BMWが全て開発したわけではなく、シャシーはランボルギーニ社、フレームはマルケージ社、ボディデザインはイタルデザインなど製作現場は多岐に渡る。
搭載されるエンジンは3.5リッター直列6気筒DOHC24バルブ、最高出力は277ps、(グループ4仕様が470ps、グループ5仕様が850ps)0~100km/h加速は5.6秒と、本格的なモータースポーツ仕様だ。
紆余曲折ありながらもレースで活躍
当初シャシー制作を委託する予定だったランボルギーニの破綻や、オイルショックなどの経済的な混乱により生産は難航。1980年にようやくレースのホモロゲーション(認証)である「24か月間継続して400台以上を生産」という条件をクリア(24か月という条件は特例で免除)するも、参戦を目指していたグループ4およびグループ5のレースは1981年を最後に終了。
しかし、グループ4/5規定で開催された最後のシーズンである1981年のニュルブルクリンク1,000kmレースでは、気量を3.5リッターに落としつつ、850psにまでパワーアップさせたグループ5車両で初優勝を飾る。
ジウジアーロが手掛ける正統派スーパーカー
ボディデザインは、数々の名車を生み出したイタルデザインのジョルジェット・ジウジアーロによるもの。薄くシャープにされたフロントフェイス、そしてBMWには珍しいリトラクタブルヘッドライト備える。また、小さいながらもBMWであることを象徴するキドニーグリルが特徴的だ。
シャープなフロントに対して、エンジンを積むリア部は厚みのあるデザイン。いわゆる“くさび型”と呼ばれる形で、空気抵抗係数(Cd値)は0.384と空力的にも優れ、見掛け倒しのスーパーカーではないということがよくわかる。
日差し避けのためのリアウインドルーバーもブラックで加飾、ホイールは平面的で斬新な形だが、あえて曲面を控えめにした面構成にすることでボディとの統一感を持たせた。また、BMWのエンブレムが左右にある点もユニークだ。
シンプルかつシブい内装だが、手は抜かない
洗練されたエクステリアに対しインテリアはどうかというと、意外にも派手な装飾などはされておらず落ち着いた雰囲気。排気量3.5リッターの直列6気筒エンジンをキャビン(客室)背後に搭載し、その後ろに大き目のラゲッジスペースを配置。ミッドシップのスポーツカーで、これほど大きなラゲッジスペースを持つのは珍しい。
ブラックの落ち着いたインテリアの中で、上部に突出したメーターパネルにはタコメーターやスピードメータなど、走行に欠かせない計器類が並び、いかにも“コックピット”といった印象の運転席。ハザードやパワーウインドウなどのスイッチ類は、シフトレバー後ろのセンターコンソールに集約される。ちなみにシフトパターンは、左下が1速の5速マニュアル。
ホールド性の良さそうなスポーツシートを備え、タイト過ぎずしっかりとした肉厚があり座り心地の良さを想像させる。ドアトリムやルーフライニングにはグレー調のファブリックが張られ、野暮ったくないクリーンなインテリア。レーシーでストイックな雰囲気を漂わせているが、エアコンやパワーウィンドウといった快適装備を搭載している。
この異様な平べったさはなんだ!? 13年前に発表されたBMW M1オマージュを写真でチェック
打倒ポルシェを掲げ、1978年に登場したBMW初のミッドシップスーパーカーM1(E26)。BMWは2008年、誕生30周年を記念しコンセプトモデル「M1オマージュ」を制作した。その名の通りM1に敬意を払ったデザインは、異様なまでの平べったさがカッコよ過ぎる! その後登場したハイブリッドスポーツカー「i8」にも影響を与えたとされる秀逸なデザインを、あらためて写真でチェック!
BMWのスーパーカー“M1”を現代風にアレンジしたコンセプトモデル
BMW M1オマージュは、2008年にイタリアで開催されたクラシックカーイベント「コンコルソ・デレガンツァ・ヴィラデステ」で発表されたデザインスタディモデル(コンセプトモデル)。その名の通り、かつて存在したBMWのスーパーカーM1の生誕30周年を記念して制作された。
元となったBMW M1(E26)は、打倒ポルシェを目指して開発された同社初のスーパーカーで、今ではBMWのスポーツモデルを象徴する“Mシリーズ”最初のモデルだ。
ミッドシップに3.5リッターの直列6気筒エンジンを搭載するM1は、数々の名車を世に送り出し、世界的に著名なカーデザイナーであるジョルジェット・ジウジアーロ率いるイタリアのイタルデザインが担当。空気抵抗を抑えたシャープなフロント回りとは対照的に、エンジンを収めるリアセクションは厚みのあるデザインとなっている。
ハッキリとわかるキドニーグリルと奥目がちな鋭いヘッドライト
BMW M1オマージュのデザインは、オリジナルのM1に通じるミッドシップ独特の低いフロントノーズを踏襲。やや膨らみを持たせ丸みのあるラインを多用し、直線定規で引いたようなM1(E26)のスタイルを、現代風にアレンジした。
一方、M1でリトラクタブル式だったヘッドライトは、薄型の固定式に変更され、奥目がちの鋭い目つきになった。さらに、M1でやや控えめだったキドニーグリルも、一目でBMWと分かるほど目立つものに変更されている。
迫力の増したリアビューにはM1を感じさせる憎いポイントも
いかにもハイパワーなエンジンが収まっていそうなリアセクションは、リアフェンダーの張り出しと相まって迫力満点。フロントやサイドのデザインと同じように、スパっと切り落とされたようなM1(E26)よりも、曲線を多用した有機的かつ未来的な印象だ。
ただし、スリット状のリアルーバーやリアゲートのコーナーにBMWのエンブレムを配置するなど、M1(E26)の特徴的なポイントは押さえている。
ハイブリッドスーパーカーi8にまで受け継がれるDNA
もしも今市販化されたら、間違いなく世界中から注目されそうなM1オマージュだが、冒頭でも触れたように、あくまでもデザインを示したコンセプトモデルに過ぎない。そのため、内装やエンジンなどの詳細は一切明らかにされておらず、残念ながら市販化されることはなかった。
しかしよく見ると、BMWのハイブリッドスーパーカーi8に通じる要素があり、M1(E26)のDNAは確実に受け継いでいることが分かる。
Posted at 2021/02/07 12:13:03 | |
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BMW | 日記
2021年02月03日
BMW M8 にカーボンシート、他のMモデルの装備も更新…2021年春から欧州で
BMWは1月27日、2021年春から欧州で、一部「M」モデルの装備をアップデートすると発表した。
◆M8にMカーボンバケットシート
BMWの高性能車、「M」の頂点に位置するのが、『M8』シリーズだ。2021年3月から、『M8コンペティションクーペ』、『M8コンペティションカブリオレ』、『M8コンペティショングランクーペ』で、「Mカーボンバケットシート」が選択できるようになる。
Mカーボンバケットシートは、斬新なデザイン、カーボンファイバー強化プラスチック(CFRP)の表面、シート一体のヘッドレスト、背もたれとサイドセクションの開口部、マルチポイントシートベルトガイドなどの特長を持つ。BMWによると、スポーティさと長距離移動時の快適さ、ラグジュアリーな仕上がりを兼ね備えているという。
運転席と助手席のMカーボンバケットシートは、高さ、背もたれの角度、前後の位置を電動で調整できる。また、背もたれの傾きなどは、ボタンひとつで調整することが可能だ。レザーとアルカンターラで仕上げられ、ヒーター機能も付く。
ヘッドレストのイルミネーション「M8」レタリングと運転席側のメモリー機能も、Mカーボンバケットシートの装備パッケージに含まれている。BMWは、軽量構造のコンセプトにより、標準のMスポーツシートと比較して大幅な軽量化を実現した、と自負する。
◆M3セダンとM4クーペに新色とメリノレザー内装
『M3セダン』新型と『M4クーペ』新型では、2021年春から、新色のスカイスクレイパーグレーメタリックのボディカラーと、メリノレザー内装が選択できるようになる。
標準仕様は、最大出力が480hp/6250rpm、最大トルクが56.1kgm/2650~6130rpmだ。トランスミッションは6速MT。動力性能は、0~100km/h加速が4.2秒、最高速が250km/h(リミッター作動)。オプションの「Mドライバーズパッケージ」では、最高速が290km/h(リミッター作動)に引き上げられる。
「コンペティション」では、直噴3.0リットル直列6気筒ガソリンツインターボエンジンの最大出力が510hp/6250rpm、最大トルクが66.3kgm/2750~5500rpmに高められた。トランスミッションは「ドライブロジック」を搭載した8速「Mステップトロニック」を組み合わせる。動力性能は、0~100km/h加速が3.9秒、最高速が250km/h(リミッター作動)。オプションの「Mドライバーズパッケージ」では、最高速が290km/h(リミッター作動)に引き上げられる。
また、『X5Mコンペティション』と『X6 Mコンペティション』では2021年4月から、オプションの「BMWレーザーライト」と組み合わせて、「BMWインディビジュアルシャドウラインライト」を装備することが可能になる。M8シリーズにオプションの4ゾーンオートエアコンには、ナノ粒子フィルターが採用される。
◆3シリーズと4シリーズにMカーボンルーフ設定
「Mパフォーマンスモデル」では、『4シリーズクーペ』の「M440i xDriveクーペ」と 「M440d xDriveクーペ」、『3シリーズセダン』の「M340i xDriveセダン」と 「M340d xDriveセダン」の4車種に2021年3月から、「Mカーボンルーフ」がオプション設定される。BMWによると、ダイナミックなカリスマ性を強調すると同時に、車両の重心を下げて俊敏性をさらに引き上げるという。
将来的には、新しいインテリアトリムがMカーボンファイバーバージョンで選択できるようになる。これらは、『4シリーズカブリオレ』の 「M440i xDriveカブリオレ」をはじめ、4シリーズクーペと3シリーズセダンの他のすべてのグレードでも利用できるようになる。「Mスポーツ」との組み合わせで選択できる、としている。
Posted at 2021/02/03 20:53:15 | |
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BMW | 日記
2021年02月01日
【画像流出】新型BMW M5 CS デザインが明らかに パフォーマンス重視の装い
サーキット走行に重きを置いたセダン
text:Piers Ward(ピアーズ・ワード)
translator:Takuya Hayashi(林 汰久也)
ハードコアな新型BMW M5 CSは今月下旬に発表される予定だが、インスタグラム(CocheSpias氏のアカウント)に投稿された4枚のリーク画像により、そのデザインの特徴が明らかになった。
軽量でサーキット走行を重視したM5 CSは、アグレッシブなカーボン製のボディパーツ、大型のボンネット・エアインテーク、イエローのヘッドライト、専用ホイールデザインなどを備え、標準のM5コンペティションとは一線を画すものと思われる。
画像からはそれ以外のことはほとんど分からないが、赤いブレーキキャリパーが制動力の高さを示唆している。インテリアは標準モデルほぼ同じだが、アルカンターラのステアリングホイールがパフォーマンスへの意欲を表している。
昨年末、BMW Mのマーカス・フラッシュCEOは、インスタグラムの投稿でM5 CSのエンジン出力を明かした。M5コンペティションの625psよりも高い635psを発揮し、0-100km/h加速は「3秒近い」とされている。
インスタグラムの投稿の背景には「You shall drift everyday」というサインが記されており、このクルマの性格を物語っているものと思われる。
ブロンズカラーがアクセントに
M5コンペティションより70kgの軽量化が施されており、どこで重量を削っているのかは現段階では不明だが、M3やM4と同様にカーボン製のバケットシートが採用されることは確認されている。
しかし、多くの軽量モデルとは異なり、M5 CSにはリアシートが搭載されるため、パフォーマンスのために実用性が完全に犠牲になっているわけではないようだ。
フラシュCEOはまた、M5とは一線を画すデザインの一部を公開している。フロントグリル周り、鍛造アロイホイール、サイドストレークがゴールドブロンズとなっている。また、フロントグリルには「M5 CS」のバッジがさりげなく添えられている。
カーボンセラミックブレーキにはレッドキャリパーを採用。珍しいことに、モータースポーツの伝統に敬意を表して、イエローのヘッドライトも装備している。
フラシュは詳しいマシンセッティングについては言及していないが、専用エグゾーストや強化サスペンションの採用を期待したいところだ。
価格もかなり高額になるだろう。M5が英国で10万2235ポンド(1415万円)からとなっているが、それをはるかに超えるはずだ。
【究極のMモデル】新型BMW M5 CS 公式発表 快適性とパフォーマンスの両立
0-100km/h加速3.0秒
text:Greg Kable(グレッグ・ケーブル)
translator:Takuya Hayashi(林 汰久也)
BMWは新型M5 CSの詳細を発表した。Mがこれまでに生産した中で最もパワフルで高速なロードカーだ。発表はBMW Mのインスタグラムの投稿で行われたが、M5 CSのリーク画像が別のユーザーにより投稿された直後のことだ。
高い評価を得ているスーパー・サルーンM5の究極のバージョンとして、M2 CS、M3およびM4のCSとともに「クラブスポーツ」のタグを採用している。BMWは、M5 CSを「日常的な使い勝手の良さと卓越したサーキット走行性能を兼ね備えた特別なパフォーマンスモデル」と説明している。
英国での納車開始は4月を予定しており、価格は14万780ポンド(1996万円)からと、M5コンペティションよりも3万8455ポンド(545万円)高い。しかし、パワフルなエンジン、再プログラムされた4輪駆動システム、専用のシャシーチューニングなど、価格相応のアップグレードが施されている。また、軽量のカーボンパーツを多用し、M5コンペティションから70kgの軽量化に成功した。
搭載されているパワートレインは、標準モデルのM5の4.4L V8ツインターボに手を加えたもので、最高出力635ps/6000rpm、最大トルク76.5kg-m/1800rpm~
5950rpmを発生する。0-100km/h加速3.0秒、0-200km/h加速10.4秒、最高速度は305km/h(電子リミッター)に達する。
直接のライバルではないが、四輪駆動のメルセデスAMG E 63 Sの4.0L V8ツインターボは、611psと86.5kg-mのトルクを発揮し、0-100km/h加速3.4秒、最高速度250km/hを実現している。
徹底的な軽量化と剛性アップ
パワーアップしたエンジンには、追加のサンプと間接冷却方式の専用オイルパンが採用されている。さらに、エンジンマウントには900N/mmのバネを採用し、マウント剛性を高め、各ホイールへのパワー伝達をよりスムーズにしているという。
シャシーは、M5コンペティションのものをベースにしているが、M8グランクーペ・コンペティション用に開発されたショックアブソーバーを搭載し、車高を7mm下げている。新開発のダンパーは、ホイール荷重の変動を軽減するという。
また、ダンパーコントロール用の新しいスプリング・ベアリング、フロント275/35、リア285/35のピレリPゼロ・コルサを装着した20インチホイールとの組み合わせにより、ハンドリングを大幅に向上させているという。
性能の向上に伴い、Mカーボンセラミックブレーキが標準装備された。フロントに6ピストン固定キャリパー、リアにシングルピストンのフローティングキャリパーを採用。M5コンペティションのスチール製ディスクブレーキと比較して23kgの軽量化を実現しているとされる。
ボンネットにはカーボンファイバー強化プラスチック(CFRP)ボンネットを採用。フロントスプリッター、ミラーキャップ、リアスポイラー、ディフューザーにもカーボンを採用するなど、軽量化に余念がない。
後部座席もカーボンバケットシート
エクステリアは、新しいグラフィックとウェルカム・ライト機能を備えたレーザーライト・ヘッドランプ、ゴールド・ブロンズ仕上げのキドニーグリルとエアダクト、フロント/リアに配置された「M5 CS」バッジなど、専用の仕上がりとなっている。
室内には4つのカーボン製バケットシートが設置されている。フロントシートには、ニュルブルクリンクのコースマップが記された一体型ヘッドレストが備わり、電動調整機能とヒーターが標準装備されている。
また、カーボン製のパドルシフト付きステアリングホイールとヘッドライニングにはアルカンターラが施されるほか、収納ボックスをなくした軽量アームレストなどが採用されている。
「BMW M5」では初の究極モデルとなる「CS」が限定発売!
「BMW M5 CS」の4.4Lツインターボは635psを発揮。「M5コンペティション」より70kg軽い車重により3.0秒の0-100km/h加速を実現
1月27日、BMWは「BMW5シリーズ」のトップパフォーマンスモデルである「M5」に、走りの性能をさらに高めた限定モデル「BMW M5 CS」を設定したと発表した。市場導入は今春からスタートする予定で、ドイツでの販売価格は18万400ユーロ(約2276万円)だ。
搭載される4.4L V型8気筒ツインターボエンジンは635ps/750Nmを発揮。このスペックは現在日本でも販売されている「M5コンペティション」より10psの上乗せとなる(最大トルクは同じ)。8速ATの「Mステップトロニック」と、BMW M専用セッティングの四輪駆動システム「M xDrive」を組み合わせたそのパフォーマンスは3.0秒の0-100km/h加速、10.3秒の0-200km/h加速、305km/hの最高速をマーク。ちなみにM5コンペティションの加速データはそれぞれ3.3秒、10.8秒だから、明確なパフォーマンスアップを図っていることがわかる。
もちろん、たったプラス10psで0-100km/h加速タイムを0.3秒削れた訳ではない。「M5 CS」では徹底したボディの軽量化が実施されており、車重はM5コンペティションと比べて70kgもダイエット。車両重量は1825kgに抑えられている。
ボンネットやフロントスプリッター、ドアミラーキャップ、リヤスポイラー、リヤディフュザー、エンジンコンパートメントカバー、そしてインテークサイレンサーにはCFRP(カーボンファイバー強化プラスチック)を採用。
さらに後席を独立した2名掛けとしてMカーボンシートを装備することで、パフォーマンス向上に寄与するとともにM5 CSの個性を際立たせている。
足まわりにも手が入っており、前後サスペンションはスプリングとダンパーに専用セッティングを施しているほか、ゴールドブロンズカラーが目を引く20インチのYスポークデザイン鍛造ホイールを採用。タイヤはサーキットトラックなどでのスポーツドライビングに対応したピレリPゼロ・コルサが標準装着されている。タイヤサイズはM5コンペティションと同じで、フロントが275/35ZR20、リヤが285/35ZR20。
これら以外にも、M5 CSの個性を際立たせるディテールが内外装にわたって与えられている。エクステリアではゴールドブロンズのキドニーグリル・サラウンドや、ボンネットフードのエアアウトレット、フロントフェンダー後部のサイド・ギルなどは、専用のデザインまたはカラーを採用。キドニー・グリルやサイド・ギル、リヤエンドには「M5 CS」のバッジを装着する。ブレーキキャリパーは標準ではレッドに塗装されるのだが、オプションのMカーボンセラミックブレーキを選択するとゴールドペイントとなる。
ボディカラーは、BMWインディビジュアル・マットペイントによるブローズン・ブランズ・ハッチ・グレー・メタリックと、フローズン・ディープ・グリーン・メタリックが設定された。
インテリアでは、12時位置にマーキングを施すMアルカンターラ・ステアリングホイールやカーボンファイバー製シフトセレクターが、卓越した走りをイメージさせる。
座面の一部にカーボンを用いたメリノレザー張りのシートはブラックカラーが基調で、肩口やステッチにレッドカラーをあしらうほか、インパネの助手席側には「CS」のロゴが表示され、独特のコントラストを演出。ドアのスカッフプレートにも「M5 CS」のロゴが表示される。
BMW M5 に70kg軽い「CS」、M史上最強の635馬力に…欧州発表
BMWの高性能車部門のBMW Mは1月27日、BMW『M5 CS』を欧州で発表した。
同車は、モータースポーツに由来するパフォーマンスを備えた改良新型BMW『M5』のさらなる高性能バージョンだ。「CS」はこれまで、『M3セダン』や『M4クーペ』に設定されたことがあり、現行ラインナップでは『M2』に『M2 CS』 が用意されている。
◆0~100km/h加速3.0秒で最高速305km/h
4.4リットルV型8気筒ガソリンツインターボエンジンは強化されており、最大出力は635hp/6000rpmを獲得する。これは、ベース車両の『M5コンペティション』に対して、10hpの上乗せだ。最大トルクは76.5kgm/1800~5950rpmに据え置かれた。
BMWによると、 M5 CSはBMWMの歴史の中で、最もパワフルになるという。「ドライブロジック」を備えた8速「Mステップトロニック」トランスミッションと、「M xDrive」4WDシステムを組み合わせた。M xDriveは、後輪駆動の2WDモードが選択できる。
M5 CSは、ボンネットをカーボンファイバー強化樹脂(CFRP)に変更するなどして、ベース車両のM5コンペティションに対して、約70kgの軽量化を達成する。サスペンションは、前後のスプリングとダンパーを専用チューニングした。タイヤはサーキット走行も視野に入れたピレリ「Pゼロコルサ」が標準で、サイズはフロントが275/35R20、リアが285/35R20とした。
動力性能は、0~100km/h加速が3.0秒で、0~200km/h加速が10.3秒。最高速は、305km/h(リミッター作動)となる。0~100km/h加速は、ベース車両のM5コンペティションの3.3秒に対して、0.3秒速い。
◆イエローで点灯するBMWレーザーヘッドライト
外観は、キドニーグリルサラウンド、キドニーグリルの「M5 CS」バッジ、フロントフェンダーのMプレート、トランクリッドエンブレム、20インチのYスポークデザインの鍛造Mアルミホイールを、ゴールドブロンズで仕上げた。ドアシルフィニッシャーには、照明付きのM5 CSプレートが付く。
BMWレーザーヘッドライトのL字型ライト部分は、ロービーム、ハイビーム、ウェルカムライトをオンにすると、イエローで点灯する。これは、GTレーシングカーを連想させるものだという。
ボディカラーには、ブランドハッチグレーメタリックなどを設定した。「BMWインディビジュアル」のマットペイント仕上げとして、フローズンブランドハッチグレーメタリックとフローズンディープグリーンメタリックも選択できる。
◆空力パーツなどにカーボンファイバー強化樹脂を使用
ボンネット、フロントリップスポイラー、ドアミラーカバー、リアスポイラー、リアディフューザー、Mパワーエンジンコンパートメントカバー、インテークサイレンサーはカーボンファイバー強化樹脂(CFRP)製だ。一部には、カーボン独特のパターンが見える演出を施している。
4本のテールパイプを備えたステンレス製スポーツエキゾーストシステムと、赤く塗装されたキャリパー(オプションでゴールドを用意)が特長のMカーボンセラミックブレーキが標準装備される。
◆後席は独立2名がけのバケットタイプ
インテリアは、前席にMカーボンシートを採用する。後席は独立2名がけのバケットタイプとした。ブラックのメリノレザーには、ムジェロレッドのステッチがアクセントに配される。フロントシート一体型のヘッドレストは、M5のロゴとドイツ・ニュルブルクリンクサーキットのコースレイアウトがあしらわれた。
Mアルカンターラステアリングホイールは、0時の位置に赤いステッチが入る。パドルシフトはカーボンファイバー製で、ステアリングホイールのスポークはブラッククローム仕上げとした。
前席のセンターコンソールのアームレストは、軽量カバに置き換えられた。ブラックメリノレザーには、赤いダブルステッチを使う。インストルメントパネルの「CS」エンブレムと後席のバケットスタイルのシートの間には、赤いアクセントが使用されている。
BMW新型「M5 CS」登場 Mモデル史上最強の635馬力で最高時速は305km!
■0-100km/h加速はわずか3.0秒 最高速度は305km/h
独BMW M社は2021年1月27日、ハイパフォーマンスモデル「M5」をベースに軽量化やチューンナップを施した「M5 CS」を発表した。
M5 CSは、2020年9月に日本でも登場した新型「M5コンペティション」をベースにしたモデルで、「CS」とはクラブスポーツ(Club Sport)の略となる。
運転席と助手席に設定されたMカーボンシートをはじめ、さまざまな専用カーボン製パーツを採用することで、M5コンペティションよりも約70kgの軽量化を実現している。
搭載する4.4リッターV型8気筒ツインターボエンジンは、M5コンペティションよりも10psアップの最高出力635ps/6000rpmを発生。これはBMW Mの歴史の中でもっとも強力なパワーユニットということだ。ちなみに最大トルクは750Nm/1800-5950rpmと、M5コンペティションと同等だ。
トランスミッションはドライブロジックを備えた8速Mステップトロニック(8速AT)で、駆動方式はMxDrive(全輪駆動)。後輪駆動の「2WDモード」も備えている。
これらにより、0-100km/h加速は3.0秒、0-200km/hは10.3秒、最高速度は305km/h(リミッター)というパフォーマンスを発揮する。
M5 CSは後席シートを持つ4人乗りモデル。ヘッドレスト一体型のフロントMカーボンシートにはM5のロゴとともに、伝説的なニュルブルクリンクの図柄が入る。
Mアルカンターラステアリングホイールは赤いセンターマーカーが施され、クラシックなレーシングカーの雰囲気を醸し出している。シフトパドルはカーボンファイバー製で、ステアリングホイールのスポークはブラッククロームトリムになる。
エクステリアでは、キドニーグリルに「M5 CS」バッジが装着される。トランクリッドやアルミホイールは、大胆な色合いのゴールド・ブロンズで仕上げられる。ホイールはYスポークデザインの20インチM鍛造ホイールになる。
BMW レーザーヘッドライトのL字型ライトチューブは、スイッチを入れるとホワイトではなくイエローに点灯する。これはGTレーシングカーを彷彿とさせるものだ。
ボンネットやフロントスプリッター、ドアミラーキャップ、リアスポイラー、リアディフューザー、Mパワーエンジンコンパートメントカバー、インテークサイレンサーは、すべてカーボンファイバー(CFRP)製となる。
M5 CSは、2021年春に欧州市場に導入される予定。ドイツでの車両価格は18万400ユーロ(日本円で約2280万円)だ。
Posted at 2021/02/01 21:31:32 | |
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BMW | 日記
2021年01月31日
BMW 4シリーズ に「Mディーゼル」、最大トルク71.4kgm 3月に欧州設定
BMWは1月27日、欧州向けの新型『4シリーズクーペ』(BMW 4 Series Coupe)に2021年3月、高性能ディーゼルエンジン搭載車の「M440d xDriveクーペ」を設定すると発表した。
◆0~100km/h加速は4.6秒
M440d xDriveクーペには、Mパフォーマンスオートモビルによる専用チューンが施された3.0リットル直列6気筒ディーゼルターボエンジンを搭載する。欧州仕様の場合、最大出力340hp、最大トルク71.4kgmを獲得する。
トランスミッションは8速AT「ステップトロニックスポーツ」で、駆動方式はインテリジェントな4WDの「xDrive」だ。M440d xDriveクーペは、0~100km/h加速を4.6秒で駆け抜ける。ディーゼルならではの環境性能は、良好なレベルにある。最も環境性能に優れる仕様で、燃費は17.5km/リットル、CO2排出量は150g/km(いずれもWLTP計測)とした。
「Mスポーツブレーキ」やフロント225/45 R18、リア255/40 R18の前後異径サイズのタイヤを備えた18インチMアルミホイールが装備される。市街地走行からサーキットに至るまで、直感的なブレーキ操作に応え、卓越したブレーキパフォーマンスを発揮する。このシステムは短いペダルストロークと明確なプレッシャーポイントが特徴のスポーティなセットアップが施された。ブレーキング時の熱に対する耐性が高く、高い制動能力を実現する。
さらにM スポーツブレーキには、よりダイレクトなブレーキレシオと分離型油圧回路で設計されたフロント4 ピストン式固定キャリパー、リアシングルピストン式フローティングキャリパーを装備している。
◆「Mスポーツパッケージ」が標準装備
M440d xDriveクーペには、「Mスポーツパッケージ」が標準装備される。キドニーグリルのフレーム、エアインテークトリム、ドアミラーカバー、台形テールパイプカバーといったボディ装備品が、セリウムグレー仕上げとなる。さらにアクセントとして、リアバンパーのインサートがハイグロスブラックとなる。また、フロントサイドエアインテークトリム、ドアミラーカバー、リアバンパーのディフューザーエレメント、リアスポイラーに軽量素材を使用した「Mカーボンエクステリアパッケージ」が用意されている。
M440d xDriveクーペには、走行安定性とコーナリング時の運動性能を最適化する「M スポーツディファレンシャル」が組み込まれた。M スポーツディファレンシャルは、トラクションと走行安定性、俊敏性とコーナリング時の運動性能をさらに向上させるという。リアディファレンシャルに一体化された電子制御式無段階可変ロッキング機能が標準装備されている。
◆48Vのマイルドハイブリッド
また、この3.0リットル直列6気筒ターボディーゼルエンジンには、48Vのマイルドハイブリッドが導入される。エンジンの負荷を軽減し、出力を向上させるのに役立つという。
強力な48Vスタータージェネレーターとバッテリー(二次電池)を搭載することにより、ブレーキ時に回生したエネルギーを、電力としてバッテリーに蓄える。48Vスタータージェネレーターは、11hpの追加パワーを発生する。この電力が、加速時などにエンジンをアシストする駆動力を生み出す。
48Vスタータージェネレーターは、エンジンをアシストする電気駆動ユニットのように作動し、エンジンを可能な限り、効率的な範囲内で作動できるようにする。また、48Vスタータージェネレーターは、エンジンの自動停止と再始動が行える。非常に少ない振動でエンジンを停止し、よりスムーズに再始動できるというメリットがあるという。これにより、ドライブトレインからエンジンを切り離すことなく、高速道路を走行する場合など、低負荷時にコースト(惰性走行)モードでエンジンを完全に停止することができる、としている。
Posted at 2021/01/31 22:27:54 | |
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