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2019年12月16日 イイね!

新たな挑戦?

新たな挑戦?アウディワークス格チームWRT、2019年限りでWTCR/TCR活動終了。2020年の「新たな挑戦」へ注力

 WTCR世界ツーリングカー・カップにアウディスポーツ・チーム・レオパード・レーシングとして参戦し、2台のアウディRS3 LMSを走らせるWレーシングチーム(チームWRT)が、12月13~15日にマレーシア・セパンで開催される2019年シーズン最終戦をもってシリーズを離れると発表した。チームは同時にTCRヨーロッパ・シリーズでの活動も休止する。

 ベルギーを本拠地とするチームWRTは、TCRインターナショナル時代からグリッドの一角を占め、WTCRへと変貌を遂げたシリーズにもアウディの実質的ワークスチームと呼べるトップカスタマーチームとして参戦してきた。

 2018年には、TCRインターナショナル最後の王者でもあるジャン-カール・ベルネイがドライバーズラインキング5位に入ったものの、そのベルネイは2019年最終戦を前に未勝利でランク10位に留まり、昨年は勝利も挙げているチームメイトのゴードン・シェドンに至っては、同24位と苦しい状況が続いてきた。

 チームは2019年いっぱいでのWTCR参戦終了に加え、並行参戦してきたTCRヨーロッパ・シリーズでの活動も休止し、アウディRS3 LMS、フォルクスワーゲン・ゴルフGTI TCRで戦った同プログラムにも終止符を打つことを決定している。

 チームがWTCRを含むTCRシリーズでの活動を終える理由はフォルクスワーゲン・アウディ・グループがモータースポーツ・プログラムの電動化に重点を置くことを選択したことが影響しているようだ。

 フォルクスワーゲンはモータースポーツ活動の完全電動化を推進するとして、現在展開しているTCR車両の製造を2019年内で終了。後継モデルの開発も行わないとしている。正式なアナウンスはなされていないが、姉妹ブランドとも呼べるアウディも展開中のRS3 LMS後継モデル開発を凍結したとみられており、これがチームWRTの決断に影響した可能性が高そうだ。

 なお、チームは公式サイト上でWTCR/TCRでの活動終了についてコメントを掲載しており、そのなかで「2020年には、新たな挑戦やプログラムが我々を待っている。詳細は近日中に発表する」とTCRシリーズに代わる活動を示唆している。

 チーム代表のヴィンセント・フォッセ「セパンでのレースは、我々にとってTCR最高峰でのラストレースになる」とのコメントを寄せた。

「WTCRを戦った2年間、TCRインターナショナルを戦った2年間は我々チームにとって大きなチャプターだった。素晴らしい思い出を作ることができたし、将来的にシリーズへ戻るチャンスがあればうれしく思う」

「2020年に向けて、我々は実行中のGT3プログラム、DTMドイツ・ツーリングカー選手権への参戦に加えて、新たな挑戦をするつもりだ。これについては近日中にお知らせする」

 チームWRTは、2019年のスーパーGT GT300クラスを戦ったAudi Team Hitotsuyamaと技術提携のパートナーシップを結んでいるほか、11月23~26日に行われたスーパーGT×DTM特別交流戦ではHitotsuyamaとのコラボレーションでアウディRS5 DTMを走らせていた。

 フォッセ代表が示唆した「新たな挑戦」がどんなものになるのか、チームからの発表が待たれる。
Posted at 2019/12/16 21:11:44 | コメント(0) | トラックバック(0) | AUDI | 日記
2019年11月18日 イイね!

3シリーズと比較するとクワトロの方がお買い得感はあるのかな?

3シリーズと比較するとクワトロの方がお買い得感はあるのかな?【ヒットの法則51】アウディA4 3.2 クワトロとBMW330iを比較試乗して見えたブランドの本質

アウディにはBMWにはない独自の魅力がある。それは一体どこから来るのか。今なお語られることの多いテーマだが、2005年にアウディA4とBMW3シリーズがフルモデルチェンジした際、Motor Magazine誌でアウディA4 3.2FSIクワトロとBMW330iを比較しながらじっくりとそれを検証している。ともに走りに定評のあるスポーツセダンでありながら、その中身は実に対照的。その考え方の違い、そのメカニズムからくる走り味の違いは興味深い。(以下の試乗記は、Motor Magazine 2005年7月号より)

純粋な技術オリエンテッドの傾向が強いアウディ
「必要とあらば、すべてのモデルを4WDに進化させる用意はある」、かようなコメントも聞かれるほどに、アウディが誇りとするクワトロシステムを搭載したモデルが世に送り出されてから、今年(2005)年がちょうど25年に当たる。

1980年のジュネーブモーターショーに、「アウディ・クワトロ」と呼ばれるフルタイム4WDシステムを標準装備としたアウディの乗用車の一号車が出展された。「技術のアウディ」なるイメージは、ちょうどこの頃に確固たるものになったと考えてもいいかも知れない。

クワトロシステムの実現は、ポルシェ社から同社の技術部長へと移籍をして来たフェルディナント・ピエヒが1976年の末にスタートさせたプロジェクトが実を結んだもの。 クワトロと同時進行で開発が進んでいた高出力エンジンとの組み合わせが、その後WRC(世界ラリー選手権)の舞台を席巻して行く…という話題はまだ記憶に新しい。

そんなヒストリーが代表をするように、アウディはメルセデス・ベンツやBMW以上に純粋な技術オリエンテッドの傾向が強いように感じられる。例えば、前面衝突によってパワーパックが後退する動きをワイヤーで拾い上げ、それを利用してシートベルトのたるみを巻き取ると同時にステアリングコラムを縮めるという安全ディバイスのプロコンテン(PROgrammed CONtractionTENtion)などは、クワトロシステムとともに「独自技術のアウディ」のイメージを高めるものであった。

しかし、そうした時代から比べると、最近のアウディ車のつくりはむしろオーソドックス化の方向を目指しているようでもある。それでももちろん、ハードウェア上で今なお興味深い部分は残る。例えば、FFをベースとしたクルマでは少数派の、パワーパック縦置きレイアウトはその一例だ。

トラクションをいかに有効に稼ぐかがポイント
A4 クワトロのエンジン/トランスミッションはFR車同様の縦置きレイアウト。エンジンをフロントアクスル前方にオーバーハングマウントし、その後ろにトランスアクスルをドッキング。エンジントルクは一度後方に伝わり、さらに前輪に伝えられる。まるでFRレイアウトに未練を残すかのようなレイアウトを今でも採用し続ける理由は、残念ながら、ぼくには明確にはわからない。エンジンをオーバーハングマウントするがゆえに当然フロントヘビーの傾向が強く、それを「前輪駆動時の優れたトラクション能力確保のため」と解釈することもできるが。

クワトロの場合、トランスアクスルの出口部分=プロペラシャフト付け根位置に置かれるセンターデフに、イニシャル時のトルク配分を50:50に設定したトルセンデフを採用し、75:25から25:75までの間で可変トルクスプリットを行う。後輪側駆動力をスムーズに取り出しやすいということもパワーパックを縦置きとしたひとつの理由とは考えられるが、現在ではパワーパック横置きのフルタイム4WD車も多数存在するから、これもまた決定的な要因とはなり得ないわけだが。

一方のBMW 330iはというと、縦置きされたパワーパックは、まるでキャビンの足元部分にエンジンが食い込むようなほとんど「フロントミッドシップ」のレイアウト。一般的には「Z軸回りのモーメントを減少させることで軽快な回頭性を得るための工夫」と理解されることの多い配置であるが、BMW車の場合、そもそもFRレイアウトのウイークポイントとされるトラクション能力の不十分さを少しでも補うべく、「リア荷重を増やすための手段」としてもこうしたレイアウトを採用している感触が強い。

実際、330iの心臓が発生する最大300Nmというトルクに対しても、トラクション能力が不足という印象はまず感じることはないし、それを証明するかのようにトラクションコントロールシステムが介入するシーンも稀なもの。ただし、それが成り立つのは「乾燥した舗装路上では」という注釈の下であることは付け加えておきたい。ひとたび雨、または積雪路面となったり、ダート路面に踏み込んだりすれば、そこではやはりクワトロシステムによって4輪がガッチリとスクラムを組んだA4のトラクション能力が圧倒的な強みを演じるし、今回の2台でも高速走行時によりリラックスした走りを味わわせてくれたのは、やはりA4の方だった。

走りの質感を求めて凝った足回りを設定
サスペンションシステムは、アウディ A4が4輪ともに一種のダブルウィッシュボーンタイプ。一方のBMW 3シリーズはフロントがストラット式で、リアがダブルウィッシュボーンを形成する5リンク式と、形式的には比べれば特にフロント側がよりシンプルなデザインであるのが特徴だ。

ここには、両者のフロントサスンションに掛かる荷重の大小が大きく関係をしていると推察できる。A4 3.2クワトロの前軸荷重は1トン超。一方、330iのそれは780kgほどと、比べれば実に200kg以上もA4の負担が大きい。この差がA4に「より凝ったフロントの足回りを要求した」とも考えられるし、FFベースながらライバルFR勢に負けない走りの質感にこだわったアウディが、「敢えてこだわりの足を採用した」とも想像できる。

事実、A4は高速時のフラット感の高さではヒケをとらない一方、タウンスピードではむしろしなやかな印象。ただし、比べるとサスペンションが路面凹凸を拾うことによるフロア振動が常にある程度感じられるのが、A4のちょっと惜しい点だ。

完全ニューモデルのBMW3シリーズが、ケース剛性の高いランフラットタイヤを履いてもそれに決して負けることのないボディ剛性感を演じていることを思うと、新型を謳うアウディA4にも「サスペンションの素性の良さをさらに生かすのであれば、よりしっかり感の高いボディが欲しい」というのがぼくの本音だ。

ともに電子制御式の6速AT、新しいミッションを模索?
電子制御式の6速ATというスペックが共通するトランスミッションは、確かにその出来栄えは双方甲乙をつけがたい。ただし、こうしたトルコン式ATとエンジンとのマッチングという観点では、個人的には「A4の方がやや上」とも感じられる。

330iが特別な問題を抱えるというわけではない。が、よりメリハリの効いたパワーフィールの持ち主であるBMWの新しい3Lの心臓には、トルコンスリップから訣別できるMT、もしくは2ペダルMTのSMGとの組み合わせの方が、その美点をより生かしきることができるのではと想像される。

ちなみにアウディでは、A3などパワーパック横置きモデル用にはDSGなる最先端のトランスミッションを設定。縦置きパワーパック車にはトルコンATとともにFFモデル用のマルチトロニックと呼ばれるCVT方式が混在し、ひとつのメーカーがまったく異なる3タイプの2ペダルトランスミッションを採用するという複雑な状況を生み出している。

これを、様々な車種に最適なユニットをあてがう「複眼の思想」と見るか、それとも単なる技術進歩の1つの中間過程に過ぎないと見るかは議論の分かれるところだろう。ただし、この件に関して、今でもアウディから明確な将来的ビジョンの声が聞かれないのは、少々気になるポイントだ。

ところで今回の両車の例からも明らかなように、手法は異なっても「これからのガソリンエンジンは直噴方式が主流」という考え方では、アウディもBMWも共通しているようだ。さらに、BMWがバルブトロニックなるスロットルバルブレス技術にまで踏み込んだところは、やはり「エンジン屋の意地」ということでもあろう。

こう見てくると、以前よりは目立たなくなったとは言え、現在でもアウディ独自の技術的フィロソフィは色濃く残っている。それらが巧みにバランスして、メルセデス・ベンツやBMWのFR勢に迫る走りの質感を実現させているのだ。(文:河村康彦/Motor Magazine 2005年7月号より)

アウディ A4 3.2 FSI クワトロ(2005年)主要諸元
●全長×全幅×全高:4585×1770×1430mm
●ホイールベース:2645mm
●車両重量:1660kg
●エンジン:V6DOHC
●排気量:3122cc
●最高出力:255ps/6500rpm
●最大トルク:330Nm/3250rpm
●トランスミッション:6速AT
●駆動方式:4WD
●車両価格:613万円(2005年当時)

BMW 330i(2005年)主要諸元
●全長×全幅×全高:4525×1815×1440mm
●ホイールベース:2760mm
●車両重量:1550kg
●エンジン:直6DOHC
●排気量:2996cc
●最高出力:258ps/6600rpm
●最大トルク:300Nm/2500-4000rpm
●トランスミッション:6速AT
●駆動方式:FR
●車両価格:625万円(2005年当時)
Posted at 2019/11/18 21:59:15 | コメント(0) | トラックバック(0) | AUDI | 日記
2019年09月30日 イイね!

GT1カテゴリーは復活…しないでしょうね(苦笑)

GT1カテゴリーは復活…しないでしょうね(苦笑)ブランパンGT:アウディの新型GT2カー『R8 LMS GT2』がバルセロナでレースデビューへ

 2019年7月初旬、グッドウッド・フェスティバル・オブ・スピードで初披露されたアウディの新型GT2カー『アウディR8 LMS GT2』が9月28~29日、スペインのカタロニア・サーキットで行われるブランパンGTスポーツクラブで公式戦デビューを飾る予定だ。

 アウディR8 LMS GT2は、ステファン・ラテル率いるSROモータースポーツ・グループが“復活”させたGT2規格に合致した新型レーシングカー。その特徴は、多くの自動車メーカーが参入しているFIA-GT3規格のGT3カーと比べ、空力面ではややルーズだがパワーでは上回る点だろう。

 新GT2カテゴリー誕生の背景には、GT3カーがジェントルマンドライバー向きのマシンという当初の構想から外れ年々コーナーリングのパフォーマンスが向上した結果、プロドライバー向けのクルマになっていることが挙げられる。

 このような状況を鑑みたSROは2018年末、コーナーリング性能はGT3に劣るものの、パワーとトップスピードでこれを凌ぐ新GT2カテゴリーを新設することを表明。2019年9月現在はドイツ自動車メーカー2社がこれに対応したレーストラック専用モデルを製造している。

 今回、公式戦デビューが決まったアウディR8 LMS GT2はそのうちの1台で、スペインのカタロニア・サーキットで今週末行われる、ブランパンGTスポーツクラブの一戦にジェームズ・ソフロナスのドライブで初登場する予定だ。

 なお、ジェントルマン向けの同レースにおいて、GT2カーのエントリーはソフロナス駆るアウディのみ。当初はこのレースが、7月末のスパ・フランコルシャン24時間レースのサポートレースとして行われた『ポルシェ911 GT2 RSクラブスポーツ』と『ポルシェ935』によるシングルメイクレース後、初めて開催されるGT2のマルチメイクレースとなる予定だった。

 しかし、ブランパンGTシリーズ/同エンデュランスカップ最終戦バルセロナのサポートレースとなる今戦にはアウディR8 LMS GT2以外のエントリーがなく、新GT2カーによる初のコンペティションの実現とはいかなかったようだ。

 同レースには7月末にベルギーのクラシックコースで行われた“ポルシェモータースポーツ GT2スーパースポーツカー・ウイークエンド”と呼ばれるシングルメイクレースにも参加していたソフロナスの他、GT3カーを駆る14名の選手が参加予定。イベントは28日(土)にプラクティスと予選、さらにレース1を実施。翌29日(日)はレース2が行われる。

 なお、この週末には開催地のバルセロナで、アウディとポルシェに続く第3のGT2メーカーが明らかにされる予定だ。
Posted at 2019/09/30 00:27:51 | コメント(0) | トラックバック(0) | AUDI | 日記
2019年05月31日 イイね!

R8がEVになるって事は兄弟車であるアレも変わるって事になるのかな?

R8がEVになるって事は兄弟車であるアレも変わるって事になるのかな?アウディ R8 次期型、パワートレインは電動化も含めて検討へ

アウディは、ドイツで開催した年次株主総会において、次期『R8』(Audi R8)のパワートレインを、電動化も含めて検討すると発表した。

R8は、アウディのフラッグシップスポーツカーだ。現行R8は2世代目モデルで2015年春、スイスで開催されたジュネーブモーターショー2015で発表された。ボディタイプは、クーペとスパイダーの2種類が設定されている。

最新モデルでは、トップグレードの「R8 V10パフォーマンス クワトロ」の最大出力が、610hpから620hpへ10hp向上。最大トルクは57.1kgmから59.1kgmへ、2kgm引き上げられた。0~100km/h加速は、クーペが3.1秒、スパイダーは3.2秒。最高速は、クーペが331km/h、スパイダーは329km/hの性能を発揮する。

アウディは、このR8の次期型のパワートレインについて、電動化も含めて検討すると発表した。アウディ取締役会のブラム・ショット会長は、「次期R8のパワートレインに、内燃機関は必要なのか。また、R8自体が、アウディの今後のビジョンに合っているのか。我々は議論して、その答えを導く」と語っている。


ランボルギーニはどうなるんかな~
Posted at 2019/05/31 22:05:06 | コメント(0) | トラックバック(0) | AUDI | 日記
2019年04月25日 イイね!

オールRS化計画って感じだけど、RSの名に恥じぬ仕上がりに

オールRS化計画って感じだけど、RSの名に恥じぬ仕上がりに【アウディスポーツの衝撃(4)】世界的に成功を収めているアウディ R8 LMS によるカスタマーレーシング活動

アウディスポーツ(Audi Sport)とはいったいどういうブランドなのか。RSモデルはどのようにして誕生したのか。アウディスポーツの魅力を明らかにする短期集中連載、第4回目は「カスタマーレーシング活動」についてだ。

カスタマーレーシングはアウディスポーツの重要な活動
アウディスポーツの重要な役割に、モータースポーツのワークス活動、カスタマーレーシング活動があげられる。ワークス活動としては、DTM(ドイツツーリングカー選手権)、フォーミュラE選手権が知られているが、ここではカスタマーレーシング活動について触れてみたい。まずは「R8 LMS」を紹介する。

アウディR8 LMS GT3は、アウディスポーツ社が量産モデルのアウディR8をベースに開発したFIA(国際自動車連盟)GT3規格のレーシングマシン。

GT3規格はいまやGTレースの頂点をを争うカテゴリーに成長、世界中で数多くのレースシリーズが開催されている。ブランドが持つ技術力が反映されるクラスとも言われ、世界の名だたる自動車メーカーがこぞって開発を進める注目のジャンルだ。

アウディも2009年からR8のGT3カー「R8 LMS GT3」を開発、ルマン24時間レースなどで培ったレーシングテクノロジーをフィードバックしてカスタマーサポートも行っている。

R8 LMS GT3は、量産モデルと並行して開発が進められおり、量産モデルとのパーツの共用率は50%以上、アルミとCFRPの複合素材によって構成された新世代のアウディ スペース フレーム(ASF)を採用する。エンジンは自然吸気 V10 5.2Lを搭載、最高出力585PSを発揮しながら、高い耐久性を特徴としている。ただし、GT3規格によりクワトロでなく後輪駆動となる。

日本では2011年からスーパー耐久シリーズ、2012年からSUPER GTのGT300クラスに参戦を開始。その後、新型となったR8 LMS は2015年5月に開催されたデビュー戦ニュルブルクリンク24時間では総合優勝を達成。一般のカスタマーチームへの供給が開始されている。

さらに2018年にベースモデルのR8がフェイスリフトされたことに伴い、レーシングモデルもフェイスリフト。2019年のシーズン開幕にあわせて、市販モデルに先駆けてチームに供給されている。

2019年シーズンは、SUPER GTのGT300クラスの「アウディチーム ヒトツヤマ」に新型R8 LMS GT3を、スーパー耐久シリーズST-Xクラスの「X-Works」に同じく新型R8 LMS GT3を供給し全面サポートする。

ちなみに、2018年にはGT3の下に位置するGT4規格に合致する「R8 LMS GT4」も開発。GT4規格はのGT3のレースレベルや車両スペックが高くなってしまったことから、アマチュアドライバーのレースカテゴリーとして新たに誕生したもので、「R8 LMS GT4」は60%以上の構成部品を市販モデルと共有化、同じ工場で生産することにより、価格や維持費をリーズナブルに設定したのが特徴で、エンジンパワーも500ps弱に抑えられている。

アウディスポーツの活動は頂点のモータースポーツだけでなく、カスタマーレーシングにまで広がりを見せ、その裾野はどんどんと広がっている。ブランドイメージの維持、向上のために非常に重要な活動と言っていいだろう。

アウディR8 LMS GT3 主要諸元
●全長×全幅×全高=4583×1997×1171mm
●ホイールベース=2650mm
●エンジン=5.2L V10 DOHC
●最高出力=585ps
●最大トルク=550Nm
●駆動方式=MR(後輪駆動)
●ハンドル位置=左

【アウディスポーツの衝撃(5)】アウディ RS3 LMS はツーリングカーレースの主役!?

GTレース用のカスタマーレーシング車両「R8 LMS」と並行して、ツーリングカーレースに参加するユーザーに向けた「RS3 LMS」も用意されている。RS3 セダンをベースにアウディスポーツがレーシングカーに仕立てた車両だ。

アウディ RS3 LMS ユーザー、急速に増加中
RS3 LMSはアウディスポーツ社が開発したレーシングカー。RS3セダンをベースに、いま世界中で大きな盛り上がりを見せているTCRレースへの参戦を見据えて設計されたモデルだ。

TCRとはツーリングカーレースのFIA車両規格のひとつで、4ドアまたは5ドアで、全長4200mm以上、全幅は1950mm以下。排気量1750cc~2000cc未満の量産直4ターボエンジンを搭載する前輪駆動車と規定されている。トラクションコントロールのような運転を補助する電子デバイスの採用が禁止されているのが特徴で、ユーザーによる改造は基本的に認められておらず、リストリクターやウエイトなどを使って性能を調整する。本格的なレーシングカーながら比較的ランニングコストが低いこともあって、アマチュアレースから世界選手権まで様々なレースシリーズが行われている。

日本でも耐久レースの「スーパー耐久シリーズ TCRクラス」やスプリントレースの「TCRジャパン」が行われるなど人気が高まっている。

このTCRレースで、今や主役の1台となっているのがRS3 LMS。ボディは空力を重視したロー&ワイドなもので、エンジンは2L直列4気筒ターボを搭載、その最高出力は330ps、最大トルク410Nmと言われている。トランスミッションは6速シーケンシャルで、機械式LSDを装着する。車両重量はロールケージや安全燃料タンク、セーフティネットなどを含めて1160kgにまで軽量化されている。

2019年仕様の最新バージョンはアップデートされてさらに進化しているが、2016年デビュー時の発表によれば、0→100km/h加速タイムは4.5秒とされている。左ハンドル仕様のみで駆動は規則により4WDではなくFFとなる。

日本でのカスタマーチームへのレースサポートはアウディジャパンが担当。トレーラーでチームとともに転戦し、パーツ供給やセッティングのサポートなどさまざまな面で支援する。このトレーラーには、ボディパネル、エンジン、トランスミッションなど、約2500アイテム、1万点以上の部品が積まれている。

ピレリスーパー耐久シリーズST-TCRクラスでは、バースレーシングプロジェクト、ハーネスWAIMARAMA KIZUNAレーシング、アウディチームドリームドライブ、アウディチームマーズを支援。3月24日に鈴鹿サーキットで開催された開幕戦では、アウディチームマーズが優勝。2位にバースレーシングプロジェクトが入り、アウディRS3 LMSは1-2フィニッシュを達成。ポテンシャルの高さを見せつけた。

5月に開幕するTCRジャパンでは、ニルズレーシング、パープルレーシング、バースレーシングプロジェクトをサポートする予定だ。

アウディ RS3 LMS 主要諸元

●全長×全幅×全高=4599×1950×1340mm
●ホイールベース=2665mm
●車両重量=1180kg
●エンジン=直4DOHCターボ
●排気量=1984cc
●最高出力=350ps/6200rpm
●最大トルク=450Nm/2500rpm
●トランスミッション=6速シーケンシャル
●駆動方式=FF


【アウディスポーツの衝撃(6)】RS3 セダンとTT RSクーペ、そこにはRSモデルならではの動力性能と快適性が備わっている

アウディのモータースポーツ部門を担当するアウディスポーツ社(前クワトロ社)が、その経験を生かして開発と生産を担当する各シリーズのトップパフォーマンスモデル、それが“RS”だ。今回は最新のコンパクトRSモデルを試してみる。(Motor Magazine2018年7月号より)

パッケージングの優秀さはRSモデルならではの美点
独立したモデルのR8を別として、ベースとなるモデルとは異なる広げられたフェンダーフレアなど、特別に仕立てられたボディに高度なチューニングを施したパワーユニットを搭載するのがRSシリーズの特徴。

現在、日本に導入されているRSモデルは、R8シリーズと従来型ボディで継続販売されているRS 7 スポーツバック パフォーマンスを含めると、RS 3 スポーツバッック(762万円)、RS 3 セダン (780万円)、TT RS クーペ(989万円)、TT RS ロードスター(1005万円)、RS Q3 パフォーマンス(818万円)、RS 4 アバント(1196万円)RS 5クーペ(1263万円)、 RS 7 Sportback パフォーマンス(1786万円)、R8 クーペ V10 5.2 FSI quattro (2465万円)、R8 クーペ V10 plus 5.2 FSI quattro (2915万円)、R8 Spyder (2623万円)の 11車種に及ぶ。

これらをエンジンを基軸に考えると、RSの名が付くモデルは大きく3種類に分類できる。まずひとつは、605ps/700Nmという出力の4L V8ツインターボエンジンを搭載するアッパーレンジだ。RS7スポーツバック パフォーマンスがこれに該当する。

次にミドルレンジに相当するモデルには、これまで長きにわたって450ps/430Nmという実力の自然吸気型4.2L V8エンジンが採用されていたが、現在は450psを維持しながら最大トルクを600Nmに増強した2.9L V6ツインターボエンジンに順次切り替え中である。そのトップバッターがRS5 クーペで、RS4 アバントがこれに続いている。

一方、コンパクトレンジに相当するRSシリーズは、現在モデル展開がもっとも豊富で、RS 3 スポーツバック、RS 3 セダン、TT RSクーペ、TT RSロードスター、そしてRS Q3パフォーマンスの5モデルが揃っている。

このコンパクトレンジのモデルは横置きエンジンプラットフォームを採用している。そして、これに4気筒エンジンをベースにしてパワーアップしていく手法は、すでにS3やTTSで実践済み。プレミアムブランドのトップレンジモデルとなるRS用としてさらに特別なテイストを加えるべく、2009年に専用の直列5気筒ターボエンジンが先代TT RSに搭載されて初登場した。

アウディの直列5気筒エンジンの歴史は古く、1976年に登場したフラッグシップモデル、2代目アウディ100で4気筒の経済性と6気筒並みのパフォーマンスを併せ持つパワーユニットとして初めて搭載された。

それ以降、アウディ100がA6と名前を変える1990年代末まで直列5気筒エンジンを縦置き搭載したモデルは常にラインナップされ、1980年代には4WDシステムを搭載したモデル「クワトロ」で世界ラリー選手権のタイトルを獲得している。

つまり実用ユニットから高性能なハイチューンユニットまで、直列5気筒エンジンに関しては非常に豊富な経験値を持っている。だから直列5気筒エンジンを横置きプラットフォーム用のハイパワーユニットとして復活させたのは、ある意味で自然な成り行きである。

柔軟でありダイナミック、個性に満ちたフィーリング
さっそく最新のコンパクトRSモデルを試してみよう。まずは、待望の新型RS 3 セダンだ。

このクルマ、まずサイズ感が良い。Cセグメントモデルはどうしてもハッチバックボディが主流で、今やセダンボディはかなりの少数派。そんな中、全長4480mm/全幅1800mmと手頃な大きさで、しかもトランクを有する落ち着いた佇まいのハイパフォーマンスセダンは、それだけで魅力だ。

リップスポイラー付きフロントバンパー、開口部を大きく取ったフロントグリル、リアディフューザーなど、エクステリアはRS流にカスタマイズされているが、たとえばフロントフェンダーフレアのワイド化などは抑制的で、高性能モデルであることを主張し過ぎていないところも良い。

キャビンスペースは、リアシートのヒール段差がしっかり取れているので、足下スペースの奥行きはそこそこながら、後席に大人2人乗車でも十分にリラックスした姿勢がとれる。前席はパッケージオプションのRSスポーツシートが抜群のホールド性と座り心地を実現していた。

ただこのシートは、ヘッドレスト一体型のハイバックタイプなので、リアシートに座ると前方視界が限られてやや圧迫感も受ける。またスライドやリクライニングといった調整機構がすべて手動式となるので、標準のフロント電動調整式スポーツシートという選択肢も、もちろんありだ。

トランクルーム容量は315Lとやや小ぶりだが、リアシートバックはセンタースルー付きの上に、左右分割式で全面前倒しも可能だから、使い勝手はかなり良い。

続いてTT RSクーペのパッケージングを見ていこう。小ぶりながらもリアシートを備えた2+2クーペボディは、全長4190mmとRS 3セダンより290mmも短く、一方で全幅は1830mmと30 mmワイドだ。

車重は1480kgで、今回試したRS 3セダンの1600kgよりもさらに110kgも軽い。リアシート部分は、手荷物置き場と考えればかなりの広さだ。またハッチゲートを備えており、標準状態でのラゲッジスペースは305L。クーペとしては十分に広い上に、リアシートバックを前倒しすればハッチバックモデル的な使い方もできてしまう。スポーティなアピアランスの一方で、そこそこ以上の高い実用性を備えているのもTT RSクーペの魅力だ。

RS 3セダンはシフトレバー左側のコンソール上にあるボタンを、TT RSクーペはハンドルの右スポーク部分の赤いボタンを押してエンジンを始動させる。

快音とともに目覚めた2480ccの直列5気筒ターボエンジンは、初代のものをさらに進化させたユニットで、オイルパンなどブロック構成をオールアルミ化した上に、クランクシャフトからオイルポンプといった補機類までトータルで軽量化することで、単体重量で26kgのシェイプアップを実現している。

さらに、直噴機構に加えてポート噴射機構も併用するデュアルインジェクションの採用や新型タービンの採用などにより、以前は340psだった出力は400psに、トルクは30Nmアップの480Nmへと向上している。

両車ともエンジンは同スペックゆえ110kgの重量差があってもパワーフィールはほぼ共通といえる。最高出力400psのハイチューンながら、昨今のターボエンジンらしく最大トルクの発生ポイントは1700rpmと低いため、気難しさは皆無で、どこから踏んでも柔軟に加速していってくれる。

一方でエンジンレスポンスがよりシャープになり、排気音も大きくなるダイナミックモードを選んでアクセルペダルを深く踏み込んだ時の加速感には魔力すらある。クワトロシステムがパワーを4輪に分散し、少しの無駄もなく路面に伝えている感覚で、姿勢の乱れなど一切なく、ひたすら力強く前に出て行く。加えて4000rpm手前あたりから独特のクォーンという刺激的なサウンドが聞かれるのも、この2.5TFSIユニットの大きな魅力。アウディスポーツが専用エンジンを仕立てた意義は確かに実感できる。

ちなみに0→100km/h加速タイムはRS 3セダンが4.1秒で、TT RSSクーペが3.7秒。ともに十分な俊足ぶりだが、やはりひと際軽いTT RSクーペの速さが際立っている。右足の軽い踏み込みに対する反応や所作の軽やかさは、RS 3セダンを上回る。

しかしトータルで見て、僕が大いに気に入ったのは最新のRS 3セダンだ。TT RSクーペはスポーティなのだが、短いホイールベースのせいかピッチング方向の動きに落ち着き感がやや薄く、乗り心地に少しせわしなさがある。

その点、RS 3セダンはオプションのマグネティックライドを装備(TT RSクーペは標準装備)していたこともあるが、もっとも硬いダイナミックモードでも乗り心地は十分にしなやかで、荒れた路面でパワーをかけても所作が落ち着いている。ハンドリングもシャープではあるものの、姿勢変化が穏やかで、大人っぽい乗り味のスポーツセダンだと感じた。

もちろんクーペとセダンなのだから、このくらいドライブフィールが作り分けられているのは、むしろ歓迎すべきことだ。そうした豊かな個性が揃えられているのも、このコンパクトRSモデルたちの大きな魅力と言えよう。(文:石川芳雄)

アウディRS 3 セダン 主要諸元
●全長×全幅×全高=4480×1800×1380mm
●ホイールベース=2630mm
●車両重量= 1600kg
●エンジン=直5DOHCターボ
●排気量=2480cc
●最高出力=400ps/5850-7000rpm
●最大トルク=480Nm/1700-5850rpm
●トランスミッション=7速DCT
●駆動方式=4WD
●車両価格=780万円

アウディTT RS クーぺ 主要諸元
●全長×全幅×全高=4190×1830×1370mm
●ホイールベース=2505mm
●車両重量=1490kg
●エンジン=直5DOHCターボ
●排気量=2480cc
●最高出力=400ps/5850-7000rpm
●最大トルク=480Nm/1700-5850rpm
●トランスミッション=7速DCT
●駆動方式=4WD
●車両価格=989万円


【アウディスポーツの衝撃(7)】最新作のRS4 アバントは高性能ぶりと快適性のバランスが信じられないほど高次元

「RS」シリーズの中で日本におけるその最新モデルがRS 4アバント。その真髄は超高性能と快適性の両立にあった。(Motor Magazine2019年4月号より)

日常を犠牲にしない圧倒的なパフォーマンスという思想
昨年7月、私はアウディミュージアムが所蔵する“アバント RS 2”に試乗する幸運に恵まれた。

1994年にデビューしたRS は、80アバントがベースの高性能モデル。現在に続くアウディRS(ドイツ語のRenn Sport[レンシュポルト]、英語のRacing Sport[レーシングスポーツ]を意味する)シリーズの初代モデルにあたるが、その開発にはポルシェ社が深く関わっていた。それを証明するかのように、ボディのいたるところにポルシェのロゴが刻まれ、エンジンやブレーキのフィールはまさにポルシェ車そのもの。ベースとなった80とは別物の、圧倒的なクォリティ感を味わえた。

それとともに印象に残ったのが快適性が高く、運転しやすいこと。同時代の80に比べて2倍から3倍の高出力エンジンを積んでいることが信じられないほど乗り心地はソフトで、エンジンはボトムエンドから力強いトルクを生み出してくれるのだ。

「RS」と名乗るからにはサスペンションの設定はサーキット走行も視野に入れていたはずだし、0→100km/h加速は4.8秒と当時としてはかなりの俊足。それと日常的な使い勝手を両立させた点こそがRS2の真髄に違いないとこのとき確信した。

もうひとつRS 2で特筆すべきことは、アウディのトレードマークともいうべきフルタイム4WDシステム“クワトロ”を装備するとともに、ハイパフォーマンスモデルでありながらワゴンボディの“アバント”を採用した点である。ここにもライバルメーカーのハイパフォーマンスモデルには見られない、アウディ独自の方向性が明確に表れている気がした。

高級サルーンかと錯覚する乗り心地と安定感の高さ
それから四半世紀の歳月を超えて誕生したのが、最新型アウディRS 4アバントである。

そのベースとなっているのはA4アバントで、RS 4アバントのボディサイズは大きく変わらないものの、タイヤサイズはA4 45 クワトロスポーツの225/50R17から275/30R20へと大幅に拡大。前後トレッドも30~40mm拡幅し、超高性能化に対応している。

RS 4アバントが搭載するエンジンは、2.9L V6ツインターボで、その最高出力は450ps、最大トルクは900Nmを誇る。これは、A4のベーシックモデルのおよそ3倍に相当する。本国発表データによれば、0→100km/h加速は4.1秒。本国仕様の標準モデルはリミッターによって最高速度250km/hに制限されるものの、オプションのRSダイナミックパッケージを選択するとこれを280km/hに引き上げることが可能(日本仕様のカタログにはトップスピード280km/hと表記)。まさにスーパースポーツカーなみのパフォーマンスだ。

ところが最新のRS 4アバントもまた、これほどの高性能ぶりが信じられないほどの快適性をもたらしてくれるのである。

路面からのショックを優しくサスペンションが受け止めてくれることは、走り始めた直後から実感できる。その、スムーズさの中にしっとりとしたダンパーの働きを感じさせる足まわりの動き方は、ハイパフォーマンスカーというよりはラグジュアリーサルーンに近い。ロードノイズやエンジンノイズが極端に低く抑えられていることも、高級サルーンに乗っているような錯覚を抱かせる一因だ。

アウディドライブセレクトでコンフォートモードを選んでいる限り、この快適性は車速を上げても変わらない。私は、スポーティさの度合いでいえばRSモデルよりは穏やかなSモデルの優れた乗り心地を高く評価してきたが、新しいRS4アバントは既存のSモデルに匹敵する良質で心地いい乗り味を実現していると思う。

続いてダイナミックモードを選択し、ワインディングロードを走行する。すると大きくうねるような路面でもボディの上下動はぐっと抑えられ、安定感の強いフォームを保ったままコーナーに進入。4輪は執拗に路面を捉え続けるので神経質な挙動は示さず、舵角一定のままきれいな軌跡を描いてコーナーをクリアしてくれる。

その洗練されたコーナリングマナーは、ドライバーに強い安心感をもたらしてくれるはずだ。

目を見張るダイナミクス、時代の先頭を走るクワトロ
エンジンの反応も現代的で洗練されている。低回転域でアクセルペダルを素早く踏み込むと、回転数が上昇するよりも早くトルクが立ち上がるターボエンジンらしいキャラクターながら好レスポンス。ターボラグもほぼ感じない。

しかも、ボトムエンドから中回転域までは完璧なフラットトルクで扱いやすい。一方で4000rpmを越えると、パワー感がぐっと上向きになり、選択したギア次第では暴力的な加速を披露する。

穏やかに走っている時のジェントルな振る舞いからは想像もできない、RSモデルらしい過激な一面が浮き彫りになる瞬間である。

つまり、日常的な領域ではA4を凌ぐ快適性を味わえるとともにスポーツドライビング時は目を見張るようなスピードを味わえる。

この二面性こそ、初代RS2から受け継がれてきたRSモデルの遺伝子。RS4アバントはスペースユーティリティも極めて高く、フルタイム4WDだから、たとえばスキーエクスプレスにもうってつけだ。この万能性も、RSモデルならではの伝統だろう。

アウディがオンロード走行を主眼に置いた世界初のフルタイム4WDモデル“クワトロ”を発表したのは1980年のこと。以来、連綿と開発を続けるとともに採用モデル数を増やしていった結果、全販売台数に占めるクワトロ比率は50%に迫るとされる。

とりわけ注目されるのが、ハイパフォーマンスモデルにおけるフルタイム4WDの有用性だ。最高出力が500psに迫ると、たとえ滑りやすい路面でなくとも後輪駆動のみではトラクション不足が目立つようになる。メルセデスAMGやBMWに4WD仕様が増えているのはこのためだが、それを思えば時代がクワトロに追いついてきた、と言えるかもしれない。

いや、歴史と伝統の上にあぐらをかいているだけがアウディRSモデルの現状ではない。RS4アバントと同様、近年にデビューしたRS Q3、RS3、TT RS、RS5などは、いずれも快適性が劇的に向上している。何度も繰り返すが、その乗り心地の良さは時として標準モデルをしのぐほど。

ネッカーズルムに本社を置き、RSモデルとR8の企画/開発を担うアウディスポーツ社は、そのブレイクスルーを見つけ出したようだ。今後も、続々と登場するであろうRSモデルに注目したい。(文:大谷達也)

アウディRS 4 アバント 主要諸元
●全長×全幅×全高=4780×1865×1435mm
●ホイールベース=2825mm
●車両重量=1840kg
●エンジン=V6DOHCツインターボ
●排気量=2893cc
●最高出力=450ps/5700-6700rpm
●最大トルク=600Nm/1900-5000rpm
●トランスミッション=8速AT
●駆動方式=4WD
●車両価格=1196万円



【アウディスポーツの衝撃(8)】ダウンサイジングターボで新しい時代の幕開けを告げる新型RS 5 クーペの登場

大排気量でパフォーマンスをアピールする時代は終わりを告げたのだろうか。新しい時代を切り開くのはまたしてもアウディなのだろうか。(Motor Magazine2018年7月号より)

V8 NAからV6ツインターボへ、速さだけではない進化の法則
新型アウディRS 5 クーペを前にして、ふと思い出したのは先代が登場した2010年の初夏のこと。日本導入以前に、ドイツで借り受けた広報車両でフランクフルトからベルリンまでの片道約600kmの道のりを、なんと日帰りで往復したことがあった。若さゆえということもあるが、それはやはりハイパフォーマンスかつクワトロのRSモデルだったからこそできたことだった、と今でも時おりその時のことを思い出す。

当時のRS 5 クーペの心臓は、4.2L V型8気筒自然吸気ユニットだった。最初にRS 4 アバントにそれが積まれた時の衝撃も、いまだに忘れ難い。なにしろA4の車体にR8のエンジンが積まれたのだから。5.2L V型10気筒をツインターボで過給していたRS 6などもあり、アウディRSモデルの存在感が急速に際立ってきたのが、この時代である。

時は移ろい、世はクルマにダウンサイジングを求め始めた。RSモデルを手掛けてきたクワトロ社は、今やアウディスポーツ社へと暖簾替え。取り巻く状況の変化は、もちろんRSモデルそれ自体にも変革をもたらしている。

日本上陸を果たした最新型RS 5 クーペは、これまで使ってきた自然吸気V8エンジンから訣別し、TFSI=直噴ターボ化されたV型6気筒ユニットをその心臓として戴く。2.9Lのこのツインターボユニットは、450psという従来と同等の最高出力と、600Nmという実に170Nmアップの最大トルクを発生する。

90度角のVバンクの内側に2基のターボチャージャーを装備し、インジェクターをシリンダーの中央に配置するレイアウトを採用。Bサイクルと呼ばれるアウディ独自の高膨張比サイクルにより、低燃費化も同時に追求する。

最新設計のこのエンジンは、フォルクスワーゲングループのポルシェがパナメーラ4Sなどに搭載しているのと基本的に同じ。アウディとポルシェはV型エンジンのテクノロジー共有化を推進している。参考までにパナメーラ4Sのスペックは最高出力440ps、最大トルク550Nmとなる。

トランスミッションは8速ティプトロニック。つまりトルコンATを用いる。ポルシェが8速DCTを使っているのとは対照的だ。

前後に5リンク式サスペンションを採用するシャシには、本国ではオプションのDRS(ダイナミック ライド コントロール)付スポーツサスペンションプラスが備わる。これは右前と左後、左前と右後という対角線上にあるホイールのダンパーを接続し連携させることによって姿勢変化を抑制するもので、多くのRSモデルに採用されてきた。さらに、トルクベクタリングを行うアウディスポーツディファレンシャルも、やはり標準装備されている。

深緑に映えるスタイリングにも触れておくべきだろう。まず目に飛び込んでくるのは、ハニカム形状のインナーグリルを囲った“quattro”ロゴ入りのシングルフレームグリルだ。できる限りの空気を中に取り込み、またダウンフォースを得るべく、バンパーのデザインも随分凝っている。

試乗車はカーボンスタイリングパッケージ付き。CFRPパーツのあしらい方は巧みだ。ヘッドライト脇のエアインテークなどディテールへのこだわりも半端ではない。

しかも、全幅が15mm拡げられてもはやアイデンティティと言ってもいい、四輪駆動であることを想起させる前後フェンダーの抑揚がさらに強調されている。リアディフューザーから覗くオーバル形状のテールパイプも極太で後方へのアピール力は大きい。

回せば回すほど刺激的、V8を凌ぐ快感性能に興奮
ドアを開けて室内へ。派手なダイヤモンドステッチがあしらわれたスポーツシートに腰を下ろすと、タイトなサポート性に気分が引き締まる気がした。

視界に入ってくるのはDシェイプのアルカンターラで巻かれたハンドル、そしてその向こうのアウディバーチャルコクピットの画面。通常の表示の他に、パワー/トルクメーターなどRSモデル専用の画面も用意され、フルデジタル表示のメリットが存分に活かされている。

走行モードを好みに応じて選択できるアウディドライブセレクトを、まずはコンフォートに設定して走り出すと、その走りは期待どおり質感が高く、しかも想像以上に快適に躾けられていた。サスペンションは硬めではあるけれど極低速域までしっかりとダンピングが効いていて、動きはしなやか。これなら普段使いでも、ストレスを感じることは少なそうだ。

エンジンは低速域から力強く、そしてトルコンATのおかげもありアクセルワークに実にスムーズに反応してくれる。オプションのカーボンブレーキの効きの立ち上がりがやや唐突なのを除けば、普段の走りは本当に運転しやすく、上質感に満ちている。

しかしながら何より興奮させてくれたのは、ワインディングロードでの走りだ。2.9L V型6気筒ツインターボエンジンは、実用域から分厚いトルクを発生する一方で、回すほどにパワーが漲る特性とされているから、思わずアクセルペダルを深く踏んでしまう。

回転計の表示は6400-6700rpmあたりまでをゼブラゾーンとしているが、思い切り踏み込めばそこを超える勢いで一気に吹け上がる。しかも、その時にはスポーツエキゾーストが低いけれど低過ぎない、適度なヌケ感を伴った極上のサウンドを響かせてくれるのだ。自然吸気V8はもちろん良かったが、これなら過去を振り返らなくていい。

電子制御満載のシャシも実に楽しませてくれた。ドライブセレクトをダイナミックに設定すると一般道ではやや硬過ぎる。かと言ってオートでは切れ味が……というわけで、インディビデュアルにセットした上で、いろいろとセッティングを試みてみた。

ギア比可変のダイナミックステアリングとスポーツデフをコンフォートにセットすると、クルマの動きは安心感高く落ち着いたものになる。それをベースに、まずはステアリングホイールの特性をダイナミックモードに変更すると、ターンインでの軽快感が強まり、立ち上がりは弱アンダーステアというフィーリングに変わる。

続いてスポーツデフもダイナミックに。するとターンインの切れ味は変わらないが、その後のアクセルオンでの特性が明らかにニュートラル寄りになった。まるでFR車のようにアクセルペダルを踏み込んでより積極的に曲げていくことが可能になり、躊躇せずアクセルペダルを踏み込みながら立ち上がることができるのだ。

こんな風に好みの特性を自在に作れるのは電子制御の面白さだが、それでいてクルマの動きは決してデジタル的ではない。正直、先代では若干そんな感もあったが、新型は情緒すら感じさせる、上質なスポーツ性に浸らせてくれる。マシンではなく相棒、あるいは愛機。そうなってくれそうな手触りが実現されているのである。

現時点でのRSモデルのラインナップを見ると、A6/A7系の展開がこれからなので、旗艦R8に続くのはこのRS 5 クーペということになる。ただし純スポーツカーとして生まれたR8は、量販モデルをベースとする他のRSモデルとは、やはり少し違った位置づけの存在であることも確かだ。

むしろベース車があるRS 5 クーペのようなクルマのほうが、アウディスポーツが何を目指しているのかが明確に表現されていると言えそうである。A5クーペはファッショナブルなスポーティクーペ、S5クーペは日常域で味わえる上質なスポーツフィーリング、そしてRS 5 クーペは圧倒的なパフォーマンスと洗練されたスポーツ性能の両立……たとえば、そんな具合だろうか。

ワインディングロードでRS 5 クーペのハンドルを握り、冒頭に記したベルリンへの旅のことを思い出す。技術は進化し、クワトロ社はアウディスポーツ社に変わったが、RSモデルの真髄は不変。もっと長く、ハードな旅に出てみたい。その時、このクルマはさらに真価を発揮するはずである。(文:島下泰久)

アウディRS 5 クーペ 主要諸元
●全長×全幅×全高=4725×1860×1365mm
●ホイールベース=2765mm
●車両重量=1760kg
●エンジン=V6DOHCツインターボ
●排気量=2893cc
●最高出力=450ps/5700-6700rpm
●最大トルク=600Nm/1900-5000rpm
●トランスミッション=8速AT
●駆動方式=4WD
●車両価格=1263万円


【アウディスポーツの衝撃(9)】RS 3 スポーツバックとTT RS クーぺは「小さくて軽い」ことの重要性を教えてくれる

アウディスポーツが追い求めているものとは何か。理想とするものは何か。RS 3 スポーツバックとTT RS クーぺに乗ると、目指すものが見えてくる。(Motor Magazine2018年11月号より)

ただ小さいのではなく、軽さのプライオリティを追求
「RS 3」と「TT RS」は、アウディスポーツというブランドの中で「もっともコンパクトな一員」と言えるモデルたちだ。

ただ単に「そのコンパクトさこそが、日本の道に打ってつけ」なだけでなく、実は、ことさらに高いブランド力を備えている。それは両モデルともに“Sトロニック”という愛称の7速DCTとの組み合わせで、「特別な心臓」を搭載することに由来する。それがアウディブランドのハイスペックを象徴する直列5気筒エンジンだ。

ターボチャージャーの助けを借りているとはいえ、2.5Lで400psを発揮するこのエンジンの起源は、40年以上前にまで遡る。6気筒に勝るコンパクトさや4気筒を凌駕するスムーズさなどが評価され、かつてはボルボ/フォードやフィアット/アルファロメオなどにも採用されていた。

しかしその後のV型6気筒エンジンのコンパクト化や、このところのダウンサイズ/レスシリンダー化の流れなどを受けて、徐々に消滅。今では、まさに「アウディスポーツが手掛ける一部のモデルに用いられる孤高の存在」という状況に至っている。しかしアウディはむしろ、その独自性を他のモデルなどと明確に差別化できるアイコンとして、積極的にアピールしていることが興味深い。

最新モデルに搭載されるのは、実はRSモデル用2.5Lエンジンとしては2世代目。従来型に対して実にプラス60psものアドバンテージを持ち、400psの大台に達した。

エンジンブロックやクランクシャフト、オイルパンやオイルポンプなどの設計は、まったく異なる。効率化という時代の要請に応えるべく、大幅なフリクション低減を図ると同時に26kgもの軽量化を実現している。

このパワーユニットに、アウディ自慢の4WDシステム「クワトロ」を組み合わせたRS 3は、まさに「脱兎のごとき加速力」を体感させてくれた。その比類なく高いトラクション能力のおかげで、0→100km/h加速をわずかに4.1秒でクリア。もはやスーパーカー級のデータを実現しつつ、ベースであるA3と同じくハッチバックモデルとしてのユーティリティ性能をすべてキープしていることが凄い。

一見「普通の5ドアハッチバック」として見過ごされてしまいそうなモデルが、独特の5気筒サウンドを残しながら一瞬にして視界から走り去るシーンを想像すると、やっぱりワクワクする。そうした見た目と走りのギャップ感もまた、「RS 3というモデルのカッコ良さ」を象徴する一面と言えるかもしれない。

リアルスポーツだからこそ突き詰められた速さの本質
一方で、見るからにスポーティなTT RSに飛び切りの加速力が備わるのは、言うなれば“想定内”の出来事だ。もっとも、よりリアルなスポーツカーを目指したこちらの場合、そうしたクルマづくりの姿勢は、見た目以外の分野にまで及ぶ。

TT RSがRS 3に比べて100kgも軽いのは、より本格的なスポーツカーらしさを求めるため。全長やホイールベース、全高が小さいといったディメンジョンの違いのみならず、コストアップを容認の上で、さらに軽量なボディづくりに挑んでいる。

基本的に採用されるのはフォルクスワーゲングループ最新の横置きモデル用ボディ骨格“MQB”でありながらTT RSに限っては、そこにより多くのアルミ材などを採用した。そうした専用設計が許されているところでも、TT RSの特別感を強く感じさせる。

RS 3から乗り換えれば、明確に軽快感が高く、シャープなハンドリングが味わえる。実質的には2シーターのパッケージで、RS 3に比べればラゲッジルームの使い勝手も大きく限られるなど、実用的なハッチバックとはまた違うキャラクターであり、棲み分けは明確だ。

それでもピリリと辛口のコンパクト アウディという点では共通している。趣味性の強いクルマづくりの「妙」を、改めて実感させられることになった2台だった。(文:河村康彦)

アウディRS 3 スポーツバック 主要諸元
●全長×全幅×全高=4335×1800×1440mm
●ホイールベース=2630mm
●車両重量=1590kg
●エンジン=直5DOHCターボ
●排気量=2480cc
●最高出力=400ps/5850-7000rpm
●最大トルク=480Nm/1700-5850rpm
●トランスミッション=7速DCT
●駆動方式=4WD
●車両価格=762万円

アウディTT RS クーぺ 主要諸元
●全長×全幅×全高=4190×1830×1370mm
●ホイールベース=2505mm
●車両重量=1490kg
●エンジン=直5DOHCターボ
●排気量=2480cc
●最高出力=400ps/5850-7000rpm
●最大トルク=480Nm/1700-5850rpm
●トランスミッション=7速DCT
●駆動方式=4WD
●車両価格=989万円


【アウディスポーツの衝撃(10)】2013年に開催された伝説のアルペンツアーで感じたRSモデルの奥深さ

2013年9月、当時の最新RSモデルでオーストリアのクラーゲンフルトからアルプスを超えてモナコまで往復する「ランド オブ クワトロ アルペンツアー」が開催された。アウディRSの真髄が感じられるドライビングツアーとして、いまなお語り継がれるイベント、その模様を当時の記事をもとに振り返ってみよう。(Motor Magazine2013年11月号より)

アルプス44の峠を越え、4440kmを走破するという壮大なイベント
ランド オブ クワトロ アルペンツアーの主役はクワトロ社、現在のアウディスポーツ社だった。その“クワトロ”にちなみ、4つのRSモデルで、44の峠を越え、4440kmを走破するという壮大な規模のイベントだ。この時用意されたのは、RS 6アバント、RS7スポーツバック、RS5カブリオレの3車種に加え、日本には翌2014年に上陸することになるRS Q3の4モデル。

まず乗ったのは、RS 7スポーツバック。流麗な5ドアクーペに搭載されるエンジンは、560ps/700Nmという怒濤の力を発生する4L V8ツインターボだった。

「RSモデルのコアマーケットはもちろんヨーロッパですが、このRS 7スポーツバックは北米や中国も非常に重要な市場になるでしょう。今はアウディに対する、RSモデルに対する期待が大きくなっています。多くのバリエーションを用意し、かつハイパフォーマンスも、実用性も、快適性も、もちろん燃費も、考え得るすべての要求に応えていくのがRSなのです」と、クワトロ社のマーケットディレクターであるミヒャエル・ヴィンダー氏が前日のディナーの席で語っていたが、なるほど、RS 7スポーツバックの街乗りでの乗り味は、21インチの30サイズという超扁平タイヤを履いているとは思えないほどにコンフォータブル。ハニカム柄の本革スポーツシートの座り心地やスイッチ類の触感も、さすがにアウディらしい緻密さを備えている。家族4人を乗せて余裕の長距離高速移動、というシーンがRS 7スポーツバックに一番合うと感じられた。

オートルートを降り、ズステン峠、ゴッタルド峠という2000m級のワインディングに向かう。コンフォートに設定していたアウディドライブセレクトをダイナミックに変更する。するとどうだろう。ダンパーは引き締まり、ギアは高回転まで引っ張り、アクセルペダルに対する反応もよりセンシティブになり、エキゾーストノートまで野太く変わった。急勾配ながら細かいコーナーの続くワインディングを、その大きなボディの存在を感じさせずに事もなげにクリアする。RSモデルは二面性を持つと言われるが、そのなかでもコンフォートとスポーツの振れ幅がいちばん大きいモデルがRS 7スポーツバックではないかと感じた。

続いて乗ったのはRS 6アバント。搭載されるエンジンはRS 7スポーツバックと同じ4Lツインターボ。0→100km/h加速は3.9秒と、こちらもRS 7スポーツバックと同じパフォーマンスを誇る。

基本的な走り味はRS 7スポーツバックと共通するが、RS 6アバントのほうがよりスポーツ方向に振った味つけだ。

タイヤは1インチ小さい20インチ、扁平率は同じ30サイズだったが、アウディドライブセレクトをコンフォートに設定しても、路面からのインフォメーションは高い。またスポーツ側に設定すると、先代/先々代RS 6アバントを彷彿とさせる高揚感を味わうことができる。アクセルペダルをグッと踏み込むと最大700Nmのトルクがシートバックに身体を押し付ける。トルコン式ATである8速ティプトロニックも、滑り感がなくレスポンスの良さにひと役買っていた。

RS 6アバントの魅力は、そのデザイン性もさることながら、機能性も兼ね備えていることだろう。定員乗車時でもVDA式で560Lを確保する荷室は、バカンスへの移動にもその能力を発揮する。あるときは街乗りでファミリーユース、あるときはワインディング路を楽しみ、またあるときはサーキットを走行すると、1台で何役もこなすのがRSモデルだとすれば、このRS 6アバントはまさにその“代表格”と呼ぶことができるモデルだ。

アルプスの峠でも快適で粘りのあるロール感を発揮
続いて乗ったのは、RS 5カブリオレ。こちらは4.2L V8自然吸気エンジンを搭載していた。オープンエアでダイナミックモードを選択して走ると、エキゾーストノートの高まりを直に感じられ、楽しい。このモードだと相当に乗り味がハードになり細かい上下動が続く。ただ、自然吸気らしい高回転まで淀みなく回るエンジン、そして横Gに対してグッと踏ん張るその足は、クラシカルで普遍的な楽しさがあると感じられた。ワインディング走行で心地よい汗をかいた後は、電動ソフトトップを閉めてコンフォートモードを選択すれば、すぐ日常に戻ることができる。

フランス・メジェーヴに一泊ののち、モンブラントンネルを抜けてモナコに向かったその足は、RS Q3。Qシリーズとしては初のRSモデルで、2.5Lの直5ターボエンジンを搭載する。ハンドルを握ると、背の高いコンパクトSUVとは思えないスポーティな走りに驚く。一般道では快適性に不満はないレベルの足まわりだが、アルプスの峠を攻めても粘りのあるロール感で、RSの名に相応しいスポーティな走りを見せた。

多板クラッチ式センターデフを持つ電子制御式クワトロシステムだが、 自然な駆動力と5気筒のサウンドがマッチしている。RS Q3はここヨーロッパアルプスで走行テストを行ったという。ブレーキング→ハンドル操舵からのノーズの入り方が、まさにスポーツモデルの動き。QシリーズとRSという組み合わせに、乗る前には違和感を覚えたのだが、なるほど納得できる出来だった。

アウディのブランドスローガンである「技術による先進」。洗練、革新、そしてスポーティというアウディのアイデンティティ。それをもっともバランス良く表現しているのがRSモデルだ。ラリーモンテカルロのSSとしても名高いチュリニ峠など8つもの峠を越えるルートでそれを実感することができた。(文:根岸 誠)
Posted at 2019/04/25 01:33:52 | コメント(0) | トラックバック(0) | AUDI | 日記

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