三菱自動車の燃費不正操作、26日に国交省に報告
石井啓一国土交通相は26日の会見で、三菱自動車工業が同日、燃費不正操作についての報告を同省に行うことを発表した。
同社は型式認定試験で燃費を有利にみせかけるため、計測の前提となる走行抵抗値を定められた手法を使わずに導き出した。国交省はこの不正操作の報告を受け、詳細を27日までに求めていた。
同省自動車局は22日までの3日間、走行抵抗値の提出に関係した名古屋製作所技術センターに道路車両運送法に基づく立入検査を行った。
「報告内容や立入検査の内容の精査し、その結果をふまえて厳正に対応する。本件の全容を解明する」(石井氏)。
同社は27日に決算発表を控えている。そのため前倒しで報告を行うものとみられる。国交省は同社の報告を待ち、立入検査の内容についても会見を行う予定だ。
型式指定審査、自動車メーカーの不正行為防止でタスクフォース設置
三菱自動車工業の不正操作が、自動車の車両管理制度全体に波及する可能性がでてきた。
国土交通省は26日、「自動車の型式指定審査におけるメーカーの不正行為を防止するためのタスクフォース」を設置した。制度設計を行う自動車局と実際の審査を担当する自動車技術総合機構・交通安全環境研究所で構成される。28日に初会合を開く。
型式指定を受けるための審査では、国が申請者に対して前提となる条件の提出を求めている。例えば三菱自動車が燃費向上を狙った走行抵抗値は、申請する自動車メーカー各社が独自にデータを作成する。これまで提出されるデータの妥当性を確認する仕組みはなかった。タスクフォースはこれら自動車メーカーから提出される数値の不正防止対策の検討に入る。
石井氏は「自動車の燃費の試験に用いるデータを恣意的に改ざんしたもので、自動車業界の信頼を傷つけ、ユーザーにも不信感を与え、ゆゆしき問題と考えている」と、三菱自動車の姿勢を批判した。他のメーカーについても同様の不正がないか確認を5月18日までに求めている。
三菱自 相川社長、16時30分から国交省で記者会見
三菱自動車工業の相川哲郎社長は4月26日の16時30分から、国土交通省で燃費データの不正問題について記者会見する。
同日、この問題に関する社内調査結果を国交省に報告し、そのうえで会見する。調査結果では同社の『eKワゴン』や日産自動車向けを含む軽自動車4車種以外での不正実態も注目される。
三菱、燃費試験における不正行為の調査結果に関して会見
三菱自動車は26日、国土交通省で会見を行い、燃費試験における不正行為に関する調査結果を報告した。
以下、プレスリリースより抜粋。
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【1】当社製軽自動車における燃費試験データ不正の経緯について
(1)14型『eKワゴン』『デイズ』(2013年2月申請)に設定されている4つの類別(燃費訴求車、標準車、ターボ付車、4WD車)のうち、燃費訴求車の開発において、目標燃費は当初(2011年2月)26.4km/lであったが、その後の社内会議で繰り返し上方修正され、最終的(2013月2月)には29.2km/lまで引き上げられた。
(2)同燃費訴求車につき、法規で定められた惰行法と異なる方法「高速惰行法」で走行抵抗データを実測。燃費を良く見せるため、計測したデータの中から小さい値を選別し、走行抵抗を設定した。残る3類別については、実測を行うべきところ、同燃費訴求車の値を基に机上算出した。
(3)14型『eKスペース』『デイズルークス』(2013年10月申請)、15型『eKワゴン』『デイズ』(2014年3月申請)、15型『eKスペース』『デイズルークス』(同年12月申請)、16型『eKワゴン』『デイズ』(2015年6月申請)のいずれについても、14型『eKワゴン』『デイズ』を基に目標燃費に合わせて机上算出し、申請していた。
【2】法規に定められたものと異なる測定法「高速惰行法」使用の経緯について
以下のいずれについても、当時の判断理由については調査中。
(1)1991年、道路運送車両法により走行抵抗の測定法が「惰行法」と指定されたが、当社ではそれと異なる「高速惰行法」で国内向け車両の計測を始めた。
(2)1992年1月、走行抵抗から惰行時間を逆算する計算法が作られた。
(3)2001年1月、「惰行法」と「高速惰行法」の比較試験を実施し、最大2.3%の差にとどまることを確認。
(4)2007年2月、試験マニュアルにより、「DOM(国内)はTRIAS(「惰行法」)」と追記改定したが、以降も「高速惰行法」を継続して使用していた。
【3】今後の調査方針について
(1)上述の経緯1、2について、一定の調査が進んだものの、原因や責任については未解明であり、引き続き調査を進める。
(2)上述の軽自動車以外の当社製車両についても十分な調査が進んでおらず、引き続き調査の上、別途ご報告する。
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三菱、調査結果を国交省に提出 不正車種限定せず
カタログ燃費値の算出の際に、燃費値が実際よりも良く見えるように不正を行っていたことを明らかにした三菱自動車は26日、国土交通省からの指示により、不正行為にかかわる報告書を同省に提出した。
報告書では、現在生産・販売を停止している「三菱 eKワゴン」「日産 デイズ」シリーズについて、目標燃費値が途中段階で社内会議により26.4km/Lから29.2km/Lへと1割ほど引き上げられたことや、これらの車種の一部のグレードで意図的に数値が良くなるように改ざんを行ったこと。それ以外のグレードについては、走行抵抗データの実測すら行わず、机上で算出していたことが伝えられた。
また、燃費計測に必要な走行抵抗の算出方法については、該当車種を「三菱 eKワゴン」および「日産 デイズ」と限定せず、「国内向け車両」において、法規で定められた方法ではなく独自の測定法で行ってきたことを明らかにし、その期間は1991年から現在に至るという。三菱車全般に、燃費がよく見える計測方法がとられていた可能性がある。
三菱自動車は「三菱 eKワゴン」と「日産 デイズ」シリーズ以外の車種について十分な調査が進んでおらず、引き続き調査を行い、報告するとしている。
三菱自の燃費不正、ライバル超える高い目標燃費がきっかけだった
三菱自動車工業の相川哲郎社長26日午後、国土交通省に出向き、型式指定の審査で燃費性能をよく見せかけるための不正操作の経緯について報告を行った。
「誤った燃費の数字をもとにお客様にご迷惑をかけたことは、おわびするしかない」と、謝罪した。
同社の報告によると、軽自動車の不正操作には燃費データそのものの改ざんと、国内法とは異なる走行抵抗を測定する手法の2種類を組み合わせて操作された。
きっかけとなったのは『ekワゴン』『デイズ』に設定された燃費を重視する燃費訴求モデル(13年2月申請の14型)だ。11年2月の目標燃費が26.4km/リットルだったが、社内会議で繰り返し上方修正され、13年2月には29.2km/リットルが最終的な目標燃費となった。
「コンセプト会議や役員が出席する商品会議で5回の改定があった。弊社でもあまりないレベルの変更だったと思っている。(ダイハツ)ムーブの値をもとに最終的な数値を設定した」(中尾龍吾副社長)
さらにこの燃費訴求モデルについて、国内法で定められた惰行法に使わずに走行抵抗データを実測。計測したデータの中から小さい値を選別し、走行抵抗を設定した。他のモデルについては、すべてこの燃費訴求車の最終目標燃費が指標となって、不正が行われた。
「開発部門からは29.0km/リットルまではめどがついた。あとの0.2km/リットルについては走行抵抗を確認すると報告がなされている」(中尾氏)
中尾氏はこの段階で、計測データの中からより燃費に有利な小さな値を選別した可能性がある。だが、同社の報告は、いまだ詳細に及んでいない。適法な手法で行った場合の燃費と公表燃費のかい離は不明だ。
「軽自動車の燃費は連休明けに。それ以外の車両は膨大な試験量になるので、そのスケジュールを作成中」(中尾副社長)とした。
三菱自、燃費不正の経緯報告…異なる走行抵抗の測定法、1991年から使っていた
三菱自動車は4月26日、『eKワゴン』『eKスペース』などで行った、燃費試験における不正行為の経緯をまとめた報告書を国土交通省へ提出した。
それによると、不正行為のきっかけとなったのは目標燃費の引き上げ。14型 eKワゴンとデイズ(2013年2月申請)の燃費訴求モデル開発で、当初(2011年2月)の目標燃費は26.4km/リットルだったが、その後の社内会議で繰り返し上方修正され、最終的(2013年2月)には29.2km/リットルまで引き上げられたという。
目標数値クリアのため、三菱自動車は法規で定められた惰行法と異なる「高速惰行法」で走行抵抗データを実測。燃費を良く見せるため、計測したデータの中から小さい値を選別し、走行抵抗を設定した。標準車、ターボ付車、4WD車については実測せず、燃費訴求車の値を基に机上算出した。
14型『eKスペース』『デイズルークス』(2013年10月申請)、15型『eKワゴン』『デイズ』(2014年3月申請)、15型『eKスペース』『デイズルークス』(同年12月申請)、16型『eKワゴン』『デイズ』(2015年6月申請)についても、14型eKワゴン/デイズを基に目標燃費に合わせて机上算出し、申請していた。
「高速惰行法」については、道路運送車両法により走行抵抗の測定法が「惰行法」と指定された1991年より、国内向け車両の計測で使い始めた。その後1992年1月には、走行抵抗から惰行時間を逆算する計算法を作成し、2001年1月には、「惰行法」と「高速惰行法」の比較試験を実施。最大2.3%の差にとどまることを確認した。2007年2月、試験マニュアルにより、「DOM(国内)はTRIAS(「惰行法」)」と追記改定したが、以降も「高速惰行法」を継続して使用していたという。なお、当時の判断理由については現在、調査中。
三菱自動車では、原因や責任については未解明であり、当該軽自動車以外のモデルについても十分な調査が進んでおらず、引き続き調査の上、国土交通省に報告するとしている。
三菱自、燃費不正問題で特別調査委員会を設置
三菱自動車は4月26日、燃費試験における不正行為問題に関して、外部の専門家で構成する特別調査委員会を設置すると発表した。
特別調査委員会は、元東京高等検察庁検事長の渡辺恵一弁護士が委員長を務め、坂田吉郎弁護士と吉野弦太弁護士が参加。調査には、技術知見のある有識者に参画してもらうことも検討している。
今後は、燃費不正問題について、関連書類・データの調査および関係者への聴取を含む事実関係調査に加え、類似した不正の存否および事実関係の調査、原因分析や再発防止策の提言などの活動を行う。調査は3か月を目処に実施し、調査結果を報告する。
三菱自の燃費データ、1991年から違法試験…「自浄作用が働かなかった」
三菱自動車工業の相川哲郎社長と中尾龍吾副社長は4月26日、国土交通省で燃費データの不正問題について記者会見し、この日、同省に提出した社内調査結果などを明らかにした。
調査の中で、走行抵抗データの計測は国が1991年に「惰行法」の採用を決めたが、同社は米国で採用されている「高速惰行法」を1978年から使い続けてきたことが判明したという。
また、問題の発覚となった軽自動車『eKワゴン』などの走行抵抗データ測定では、最も良い燃費を訴求した量販グレードのみ試験を行ったうえでデータを改ざん。ターボ車や4輪駆動車などは、そのデータを基にいずれも机上計算で算出したという、極めてずさんな測定内容が示された。
なぜこのような不正が続けられたのかは「自浄作用が働かなかったということ」(中尾副社長)と指摘したものの、原因究明などは今後の外部者による調査に委ねると説明した。軽自動車以外の不正についても詳細の調査はこれからという。
問題の軽自動車については正規の計測によるデータを「5月連休明けまでに国交省に提出したい」(同副社長)とした。正しい燃費値はこれを受けて国交省が審査する。相川社長は三菱グループへの経営支援要請について「問題の全貌が分からないと要請もできない」と述べ、まずは調査を急ぐとの意向を示した。
三菱自の新たな発表「1991年から続いた4重の不正」とは?
三菱と日産のJVであるNMKVが企画した軽自動車、三菱「eKシリーズ」、日産「DAYZシリーズ」における燃費試験データの不正使用が明らかになってから、およそ一週間。不正行為について国道交通省に報告したのに合わせて、概要が発表されています。
その内容は大きく2点。ひとつは軽自動車の認証取得に際して、開発中における燃費性能の引き上げと、それに伴う不正。もうひとつは、1991年から続いていたという走行抵抗試験に関する不正行為についてとなります。
軽自動車については、2013年に発売されたeKワゴンとデイズについて、開発段階で燃費目標の引き上げ(26.4km/Lから29.2km/L)があり、道路運送車両法に定められた「惰行法」とは異なる「高速惰行法」において走行抵抗値を実測。その上で、中央値をとらずに、最良値を申請したという二重の不正が明らかとなっています。
ターボエンジン車や4WD車、そして標準モデルについては、前述した燃費訴求車の数値を元に、机上で計算したといいます。本来であれば、いずれも実測する必要があり、この行為により三重の不正です。
全高の異なるeKスペースやデイズルークスなどの追加モデルや、その後のマイナーチェンジモデルについても、初期の高速惰行法によって得られた数値をベースに算出したデータによって申請していたといいます。シリーズ名こと共通していますが、誰が見ても異なるモデルにおいても実測をしていないというのは、四重の不正であり、またコンプライアンス意識の低さを感じさせる行為といえます。
さらに、三菱自動車工業においては、日本国内の法規で定められた「惰行法」による走行抵抗の計測は行なわれていなかったと思わせる発表もされました。その経緯を以下に引用します。
(1)1991年、道路運送車両法により走行抵抗の測定法が「惰行法」と指定されたが、当社ではそれと異なる「高速惰行法」で国内向け車両の計測を始めた。(2)1992年1月、走行抵抗から惰行時間を逆算する計算法が作られた。(3)2001年1月、「惰行法」と「高速惰行法」の比較試験を実施し、最大2.3%の差にとどまることを確認。(4)2007年2月、試験マニュアルにより、「DOM(国内)はTRIAS(「惰行法」)」と追記改定したが、以降も「高速惰行法」を継続して使用していた。
この発表は、国内で必要とされる「惰行法」による計測を行なっていなかったという風に読み取れます。つまり、軽自動車の燃費目標を達成するためのインチキではなく、法規が定められたときから守ることがなかったと捉えることもできるでしょう。
なお、日産自動車は同社WEBサイトにて、デイズとデイズルークスの販売停止に関する『お詫びとお知らせ』を出した後は、公式なアナウンスはありません。不正な計測方法が1991年から続いていたとなると三菱自動車工業の社内的な問題が大きく、日産は静観するほかないということでしょうか。
また、1991年から不正行為が続いていたとすると、2000年から5年間ほど提携を結んでいたダイムラークライスラー(当時)の品質管理の目もかいくぐったということになります。
今回の発表は、ひとまずの報告に基づいたもの。検事経験者などによる特別調査委員会による徹底的な調査結果が待たれます。
(山本晋也)
少なくともランエボの速さとパジェロの走破性は間違いないからそれは良いんじゃないかな?
にしても91年からっていうのはなんとも言えないな~
なんか日産が謝罪しないことに対して怒りを覚えている人もいるようだけど、確かに日産の顧客からしてみれば加害者だもんね。しかも共同開発社の筈なんだから知らなかったはずもないだろ?っていうのもわからなくもないけど…
今までスズキからパレットとかMRワゴン貰っていた訳だしネ
今更ながらGDIとかのエンジンが悪く言われるんだろうな…当時から好評ってエンジンでは無かったけど(汗)
Posted at 2016/04/26 21:28:07 | |
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