2020年03月22日
スバルが米国で生産一時停止、30日に再開目指す 新型コロナウイルス感染拡大で
スバルは3月20日、新型コロナウイルスの感染拡大の防止と生産調整のため、米国生産拠点のSIA(スバル・オブ・インディアナ・オートモーティブ)を3月21日から29日まで停止すると発表した。
米国では新型コロナウイルスの感染が急激に拡大しており、政府が国家非常事態を宣言した。一部地域では外出禁止令も出されており、実体経済にも影響が及んでいる。
スバルではSIAの従業員と家族、地域社会の安心・安全を最優先に考えて生産を停止する。3月21、22日、28日、29日はもともと休日の予定で、21日から29日まで停止、30日の操業再開を目指す。操業停止による生産台数の減少は1日当たり約1700台。
SIAの従業員6300人で操業停止期間中も給与は全額支給する。操業停止中の3月21~23日は従業員の健康確認と工場内全域を入念に消毒する予定。
スバルではSIAなどの子会社を含めて新型コロナウイルスの感染者は確認されていない。
Posted at 2020/03/22 11:49:35 | |
トラックバック(0) |
富士重工 | 日記
2020年03月22日
デザインが酷い! 走りが悪い!? 酷評された車5選
■イマイチ評判が良くなかったクルマたち
毎年、数多くのクルマが発売され、大ヒットするモデルがある影で売れないモデルが存在します。
売れない理由は、外観のデザインがユーザーに受け入れられなかったり、見た目から期待するほどの性能でなかったりとさまざまです。
そこで、かつて販売されたクルマのなかから評価が低かった残念なモデルを、5車種ピックアップして紹介します。
●フォード「スコーピオ」
欧州市場でラグジュアリーカーを購入するユーザーに向け、欧州フォードから1985年に初代「スコーピオ」が発売されました。ボディタイプは当初、5ドアハッチバックのみでしたが後にセダンとステーションワゴンが加わります。
欧州での初代スコーピオの評価は高く、1986年には「ヨーロッパ・カー・オブ・ザ・イヤー」を受賞しました。
そして、1994年にモデルチェンジされた2代目では、内外装のデザインを一新。また、脚まわりの改良により走行性能の向上が図られます。
しかし、小ぶりなヘッドライトとグリルを配したフロントフェイスと、ボッテリとしたリアのデザインが酷評され、販売は極端に低迷しました。
デザインにテコ入れがおこなわれましたが、販売台数が上昇することなく、スコーピオは1998年に生産を終了。後継車は無く、これがきっかけで欧州フォードは高級セダン市場から撤退してしまいます。
●日産「レパードJ.フェリー」
1980年に登場した日産初代「レパード」は、斬新なスタイリングの4ドア/2ドアハードトップで、燃費計やフェンダーミラーワイパーなどの先進機能を搭載して話題となりました。
1986年に発売された2代目では、当時大人気だったトヨタ「ソアラ」を意識した2ドアクーペに一新され、TVドラマシリーズ「あぶない刑事」の劇中車として使用されたこともあって、若者を中心に人気となります。
そして、1992年に登場した3代目にあたる「レパードJ.フェリー」は、先代の2ドアクーペとは異なり、トヨタ「クラウン」や「セルシオ」をライバルとして捉えた、エレガントな高級サルーンに生まれ変わります。
最高出力270馬力を発揮する4.1リッターV型8気筒エンジンを搭載するなど、北米市場を強く意識していました。
しかし、国内では高額な価格設定と「尻下がり」が特徴的なリヤデザインが不評で、一気に不人気車となってしまいます。
1996年に4代目が発売されると車名をレパードに戻し、「セドリック/グロリア」をベースとした比較的オーソドックスなデザインのセダンに改められました。
●ロータス「エラン」
ロータスは天才技術者コーリン・チャップマンが創業した、イギリスを代表するスポーツカーメーカーです。
F1マシンを製作するほどの高い技術力を持っていたロータスは、高性能な市販車を数多く生み出し、スポーツカーメーカーとしての地位を盤石なものにするため、欧州だけでなくアメリカ市場での拡販を狙いました。
そのために開発されたのが、1962年に登場した初代「エラン」です。
エランは鋼板製フレームにFRP製ボディを架装したオープン2シーター(後にクローズドボディを追加)のFRスポーツカーで、軽量な車体にパワフルな1.6リッター直列4気筒DOHCエンジンを搭載して、優れた走行性能を発揮。
当初の目論見どおり、エランは欧州とアメリカでヒットし、その後も改良が重ねられ、1975年まで販売されました。
そして、ロータスは1980年代になるとトヨタと資本関係を結び、1986年にはゼネラルモーターズ(以下、GM)の傘下に入ります。
1990年にはオープン2シーターの2代目エランが登場。スタイリッシュなFRP製ボディには、ロータスと同じくGM傘下だったいすゞのエンジンとトランスミッションが搭載され、駆動方式はFFとなっていました。
2代目エランは非常に優れたハンドリングを実現していたことで、新世代のFFスポーツと高く評価されます。
しかし、伝統的に後輪駆動のクルマを製造してきたロータスがFFを採用したことと、高額な価格だったことがファンから酷評され、販売は極端に低迷。
その後、2代目エランの製造権が韓国のキアに売られ、1996年にキア「エラン」(日本では「ビガート」)として販売されました
■4代目は本当に史上最大の失敗作だったのか!?
●ホンダ「1300」
本田技研工業の創業者、故・本田宗一郎氏は、空気でエンジンを冷やす「空冷」至上主義でした。
実際に、空冷エンジンは構造がシンプルで、ラジエーターやウォーターポンプなどが必要ないため、信頼性が高く、低コストというメリットがあります。
ホンダは軽自動車の「N360」シリーズやオートバイで空冷エンジンを積極的に採用し、空冷エンジンを搭載したF1を実戦に投入したほどです。
そして1969年に、1.3リッター空冷直列4気筒エンジンをフロントに搭載するFF車の「1300」を発表。
ボディは4ドアセダンと2ドアクーペがあり、グレードはエンジンの仕様で大きく2種類に分けられ、シングルキャブで最高出力100馬力のスタンダード仕様の「77シリーズ」と、4連キャブで最高出力115馬力と高性能仕様の「99シリーズ」で、どちらも当時の水準ではかなり高性能なモデルとなっていました。
しかし、1300に搭載された「二重空冷」という複雑な構造のエンジンは、空冷の利点からかけ離れた重量で、前後重量バランスの悪さから操縦性に悪影響を及ぼし、販売が低迷。
1972年に1300は「145」に改名し、新型車として水冷エンジンに換装され、ホンダの4輪用空冷エンジンは終焉を迎えました。
後に1300は失敗作だったと揶揄されますが、この時に蓄積された生産技術のノウハウと、システム化された開発手法は、大ヒットした初代「シビック」に活かされたといいます。
●トヨタ「クラウン」4代目クジラ
1971年に発売されたトヨタ4代目「クラウン」最大の特徴は、それまでの国産高級セダンとは一線を画する外観にあり、いまでは普通になったボディ同色バンパーを採用するなど、美しく先進的なデザインでした。
また、電子制御燃料噴射装置や電動リクライニングシート、アイドリングストップ機能など、当時最先端の技術が採用されています。
しかし、外観は賛否が分かれて販売は低迷してしまい、有名なフレーズで「クラウン史上最大の失敗」とまでいわれましたが、実際にライバルの日産「セドリック/グロリア」の販売台数を下まわったほどです。
発売からわずか3年後の1974年に、直線基調で重厚感のあるデザインに一新された5代目にモデルチェンジして、販売台数は回復しました。
後に4代目のデザインは再評価されてファンも多く、現在も旧車イベントなどでは良好な状態の4代目クラウンを見ることができます。
※ ※ ※
近年、かつてのような極端に販売が低迷するモデルが少なくなったようです。
とくに日本車はグローバルで販売する必要があり、さまざまな土地で受け入れられるように開発されているため、失敗は許されません。
メーカーにとっては良いことなのですが、個性という点では面白いクルマがあまり見られないのは、寂しさも感じます。
Posted at 2020/03/22 11:09:58 | |
トラックバック(0) |
自動車業界あれこれ | 日記
2020年03月22日
将来のコレクターズアイテムは確定している
今から17年前のコンセプトカーDIVAを思い出させるスタイル、驚きのプリプレグ成型CFRPモノコックボディをもつ美しいイタリアンベルリネッタもついに生産終了に。ファイナルバージョンとなるやも知れぬ限定モデルに乗り、モータージャーナリストの西川 淳は何を思うか。
CFRPモノコックボディをもつ美しいベルリネッタアルファロメオ4C(クワトロ・チ)と聞いて思い出す名車は何か? アルフィスティならティーポ33/2ストラダーレ(以下ティーポ33)と言うだろう。確かにアルファロメオも4Cのスタイルはティーポ33へのオマージュだとオフィシャルに言っている。
けれども筆者はそんな大昔のモデル(1960年代末)ではなく、今から17年前のジュネーブショーに登場した1台のコンセプトカーを思い出す。その名もDIVA。たった1台が造られたのみで、そのままお蔵入り。生産車として日の目をみることはなかったが、改めて4Cと比較してみれば、そこに随分と多くの類似点があることに気づく。というか、デザインの方向性はほとんど同じで4CのプロトタイプがDIVAだったと断言してもいいくらいだ。もっともDIVAもまたティーポ33の現代版と称されていたから、4Cは“孫引き”のような存在ではあった。
何が言いたいのか。つくづくアルファロメオというブランドは不思議だなぁということだ。やると言ってやらなかったり、やらないと言って復活させてみたり。なんかそんないい加減さがとても人間的(それも正にイタリア人的)で、好き者をコーフンさせてしまうのかも、とさえ思う。フェラーリやポルシェと並ぶくらいそのエンブレムは有名だというのに、クルマはとんと売れないという摩訶不思議さと、熱烈なファン=アルフィスティが日本にはとっても多くいらっしゃるというアンバランス……。
ともあれ2013年のジュネーブで4Cがデビューしたとき、筆者はDIVAを思い出しながら、その中身の“すさまじさ”に驚きを通り越して呆れ果ててしまった。さすがはアルファロメオ、いつも期待を裏切ってくれる。
1000万円級スポーツカーではあり得ない中身4Cの場合、その中身はいい意味での裏切りだった。1750ccの直列4気筒(それゆえクワットロ・チリンドリで4C)をミドに横置き搭載というのは常識的だったとして、問題はその中身、ボディ骨格にあった。
なんとCFRP(炭素繊維強化樹脂製)のモノコックボディを採用してきた。しかもレーシングカーやハイパーカーにのみ活用される高価なプリプレグ成型のバスタブモノコックシャシーを使っているというのだ。三千万円級のスーパーカーでも使わない(使えない)成形方法である。現在でも五千万円以上級のスーパーカーでしかお目にかかれないシロモノだ。
手作業で複雑な形状のモールド(型)に生地を貼り重ねてから高圧窯に入れてじっくり時間をかけて硬くするという恐ろしく手間のかかる手法で、それゆえとても高価になってしまう。だから販売価格の高いクルマでないと使えない。とてもじゃないけれども一千万円級の、それもある程度の量販性を覚悟したスポーツカーに使うという決断は蛮勇でしかないと驚き、呆れたのだった。
案の定、プリプレグ成型CFRPモノコックボディの生産は4Cの製造工程におけるボトルネックとなった。その高コスト体質は改まることなく、さらには排ガス規制の問題もあって欧州市場ではすでにその販売を終えている。生産終了の公式アナウンスが聞こえてくるのも、そう先の話ではなさそうだ。
これが愛のない見解、ファクトだ。そして、だからこそ4Cの価値はこれから上がるしかないとも思っている。確かに千万円級ミドシップスポーツカーとしての完成度はアルピーヌA110のほうが圧倒的に高いだろうし、ドライビングファンにおいてはロータスエキシージにやっぱり劣るし、総合的なバリューフォーマネーではポルシェケイマンのほうが上だ。
けれども4Cは、プリプレグ成型CFRPモノコックボディをもつ美しいイタリアンベルリネッタという他にない超魅力的なただ一点で、ライバルの誰よりも早く将来のコレクアーズアイテムになりうると思っている。蛮勇=他にない。絶版になれば、必ず価値は上がっていく。手に入れるなら今のうちとだけ愛をこめて言っておこう。
最終バージョンとなった4Cの乗り味とは?デビューから7年。改めて試乗したのはファイナルバージョンとなるかも知れない4Cスパイダーイタリアだった(ひょっとして110周年仕様もあるか?? )。鮮やかなブルーはこの特別仕様専用で、ラインナップにはなかった色だ。クーペにも4Cコンペティチオーネという特別仕様があり、こちらもマットグレーの専用色をまとっていた。いずれも限定(日本国内はクーペ25台、スパイダー15台)で販売されたが当然もうソールドアウト。けれどもノーマルモデルのオーダーはまだジャパンとして受けているという。
4Cの魅力はちょっと乗っただけでも分かるし、ずっと乗ればもっと分かる。アジの薄れないガムのようだ。
カーボンファイバーの存在をダイレクトに感じさせるコクピットを目の前にすれば、否が応でも気分が盛り上がる。横幅はそれなりにあるけれど、低くタイトな室内であることは間違いない。目覚めたエンジンは多少演出過多な音質ながらスポーツカー好きにとっては好ましいサウンドを背後で奏でていた。早く走ってしまえとクルマが催促する。これもまたイタリアンスポーツの常道だ。
いまどきノンパワーのステアリングに驚くだろう。エンジンが後にあるとはいえ、切りはじめの重さといったら! 狭い室内で悪戦苦闘である。けれどもこれまたミドカーの常で動き始めたらすーっと軽くなっていく。それもごく自然な軽さ(重さ? )で、これがスポーツドライブには向いている。いわゆるリニアなステアリングフィールというやつだ。
近頃の高性能車ではあえてステアリングのパワーを軽くして腕に負担をかけずに走ることが多くなっている。それじゃツマラナイ。ドライバーもタイヤと繋がるステアリング機構のひとつだと思い知らせてくれるという意味でも、ノンパワーは有り難い、というか心から楽しい。ハンドルを切っている最中ににやけてくるなんて、クラシックカーじゃないとありえない。
4気筒ターボとDCTミッションの制御は、デビュー当初よりずいぶん良くなったとはいえ、未だに荒々しい部類に入ると思う。何をするにせよ思い切った操作をしてやらないと、クルマと息が合わなかったりする。昔ながらの気難しさもまた妙味だ、なんて思える人じゃないと付き合いきれない。少なくともドイツ勢の、あの精密な制御に慣れた人にとっては、とんでもないシロモノであろう。
操作の難しさがオーナーを飽きさせない2020年、アルファロメオが110周年を迎える今年に乗っても、速いと感じるスポーツカーだった。特にターボが効いた直後の伸びは、身体がふわりと浮くような感覚もあってスリリングである。ボディは相当に硬く、しなやかさには欠けるので、ドライバーの思いと道路のキャラクター、パワートレインの状態(=速さ)とが三位一体で上手くハマったときのドライビングファンは格別だが、そうでなければ“難しいナァ”と、クルマの性能をけなすか自分の腕をなじるかのいずれかになる。つまり、付き合っていて飽きがこない。
今回、実は東京から京都まで4Cスパイダーで帰ってみた。以前にもいちど乗って帰ったことがあったが、そのときよりもラクだと思えた。最新のインフォテインメントなどないから退屈するかと思いきや、これがすんなり楽しく走り切った。乗り心地も悪くなく、快適ですらあった。こう見えて、実はいいGTだったのだ。4Cスパイダーの新たな魅力を見つけたと思った。たぶんボディのもっと硬い4Cクーペだとそうはいかないかもしれない。
けなしているようで褒めている。アルファロメオとはいつもそういうクルマだ。熱心なアルファロメオ乗りだってそう思っているに違いない。愛する自分のアルファロメオがパーフェクトなクルマだなんてこれっぽっちも思っちゃいない。けれども、他人の気づかない魅力を見つけては、こっそり楽しんでいる。
個人的には4Cスパイダーをナナメ後からみたスタイルがイチバン気に入っている。走りよりも何よりもそこがいい。1960年代のクラシックなミドのイタリアンベルリネッタを思い出す。
たとえばフェラーリ250LMだと言ったら、言い過ぎか?
ボクだけはそうは思わない。
文・西川 淳 写真・柳田由人 編集・iconic
Posted at 2020/03/22 11:06:10 | |
トラックバック(0) |
自動車業界あれこれ | 日記
2020年03月22日
ポルシェにおける「GTS」グレードとは?
スポーツカーであり実用車、このふたつの配合を上手く変えたモデル&グレードを展開するポルシェ。そのバランスが絶妙なグレードこそがGTSである。今回のパナメーラスポーツツーリスモで、その“ニクい”グレードの妙味を知って頂ければ、他モデルでの相対的位置づけまでご理解頂けるのではないだろうか。
バランスが絶妙なスポーツサルーンニクい。何が? ポルシェが展開する「GTS」という名のグレードだ。どこが?実用と性能のバランスの取り方が絶妙なところだ。
ポルシェといえばスポーツカーであり実用車だ。この相反するふたつの特徴を上手に配合することにかけて、ポルシェ以上のカーブランドはほかにない。で、今の時代の多様なニーズに応えるべく、それらの配合を様々に変えたモデルとグレードを沢山用意することで顧客の信頼を勝ち得ている。ポルシェが強い根本的な理由である。
とはいえ例えばRRの911シリーズではカレラに始まり、カレラSときてGT3となる。4WDモデルならカレラ4、カレラ4S、ターボだ。フツウならS系を買っておけば十分にハッピーである(いやもちろんベースでもかなりハッピーだが)。
けれども人間誰しも欲がある。ベテランともなれば尚さらだ。たとえば筆者のようにポルシェ以外のスーパーカーばかり乗り継いで来て、じゃあ今この瞬間に911を選べと言われると、どうしてもGT3やターボじゃないと我慢できない気がする(ちなみに人生最後は素のカレラがいいと思っている)。一方で、ポルシェらしく日々の実用性(=気軽さとか気の使わなさとか)を考えた場合に、GT3やターボではトゥマッチな気もする。要するにSじゃモノ足りない=みんな乗っているし、かといってGT3じゃいろんなものを背負い込み過ぎ=なんだか常に速く走らなきゃいけない。
ちょうどいい911はないの?
GTSがある、というわけだ。
ポルシェの凄いところは、そんなGTSシリーズをスポーツタイプだけじゃなくSUVやサルーンにも設定していること。要するにポルシェのラインナップモデルはすべて911と同じようなグレードヒエラルキーをもたされていて、それらのノーマルとターボとの間には実にはっきりとした“段差”があると言っていい。フツウのクルマ好きならノーマルの最上級(S)で十分だろうし、大金持ちの性能こだわり派はターボやGT3(やさらにその上)を迷うことなく買えばいいのだけれど、そのどちらにも属しないけれど、どちらの条件も手に入れたい、と思う人は多いはず。
そこで、ニクいGTSグレードの登場というわけなのだ。
SUVからスポーツカーまで、そのカテゴリーにおける根本的なパフォーマンスに差はあるにしても、GTSというグレードのそれぞれのモデルにおける相対的な位置づけは同じだと思っていい。
911フィールの強い、ポルシェらしい走り今回リポートする5ドアのパナメーラGTSスポーツツーリスモで「GTS」の妙味を知っていただければ、あとはお好みのモデル(マカンでもボクスターでも)におけるGTSグレードを同じような位置づけだと思って検討してもらえばいいんじゃないだろうか。
というわけで前置きが長くなったけれど、本題のパナメーラシューティングブレーク=スポーツツーリスモのGTSだ。あらためて位置づけは4Sとターボの間、となる。V8エンジンのパワーも460psで、4Sの440psとターボの550psの間、とはいえターボに近寄り過ぎない程度というところがミソ。フラッグシップの優位性を自ら脅かすようなバカな真似はしないということ。
それにしても取材車両の派手なコンフィギュレーションであることよ。21世紀に入ってからのポルシェといえば真っ先にオプションを充実させたブランドで、「これも純正? 」というような仕様が数多ある。ボディ同色のグリーンに塗られた個体を見て、「え? これ、特注?? エクスクルーシブ??? 」と思ったら、フツウにボディ同色ホイールとしてオプション設定されていた(GTSの場合+42万円)。
派手なポルシェといえば964時代(90年代)を思い出す。ピンクやペパーミントグリーンといったヴィヴィッドな色とポルシェ911とのアンマッチぶりが格好よかった。パナメーラスポーツツーリスモというでかいクルマにホイールまでグリーンというのも、なかなか意表をついている(というか個人で選ぶには勇気がいる)。コンフィギュレーター画面だけではなかなかイメージ通りにはいかない(慣れが必要だ)。こうして実際に見せられると良し悪しの判断もできよう。デモカーとしてもナイスチョイス!
価格が妥当と思えるほどの素晴らしいバランス肝心のドライブフィールはどうか。GTSというだけあって、パナメーラのなかでも特に911フィールが濃いというか、実にポルシェらしい走りをみせてくれた。予想通りの展開だ。
ハンドルを握りしめて動き出した途端、クルマと身体とがギュッと引き締まったように思える。それがポルシェらしさだ。路面からのショックや前輪のクィックな動き、腹の底から湧いてくるトルク、それらが全て渾然一体となる。
加速は力強く、そして滑らかでもある。だから、いかような加速体験にも応えてくれる。ゆっくり加速しても心地よいし、ガバっと開けても鋭敏に応じてくれる。たとえドライバーが臆病で、アクセルペダルを弱々しく踏むことしかできなかったとしても、決してぐずったりしない。懐が深いというか、扱い方のバンドが広いことも最新ポルシェの魅力だろう。
それゆえ、ゆっくり街中を流して交差点を曲がっていくといった場面でも、何だか笑みがこぼれてしまう。もう大きなグリーンモンスターを駆っているという気がしない。前を向いているかぎりポルシェのスポーツカーだ。
GTSは価格もSとターボの間だ。けっして安い買物ではない。けれどもそれだけの価値はあると、街中を流すだけでも思わせてくれるが、郊外の峠道をいちどでいいから駆け上がってみて欲しい。強いボディとシャシー、そして上等な電子制御がもたらす、ドライバーの意思に忠実で一糸乱れぬ走りを体感すれば、「買ってよかった」どころか「また買ってやろう」という気になるに違いない。
高性能をウリにするブランドは多くなった。けれどもポルシェのようにリセールバリュー、つまり売る時まで満足できるブランドはまだまだ少ない。特に4ドアモデルの場合はそうで、そのあたりもまたポルシェを買う理由になると思う。
文・西川 淳 写真・柳田由人 編集・iconic
Posted at 2020/03/22 11:00:30 | |
トラックバック(0) |
ポルシェ | 日記
2020年03月22日
「世界限定10台、トラストのWRX STIコンプリートカーを手にした男」購入オーナーを直撃取材!
オートサロン会場で何となく抽選会に参加したら当たった!?
トラストの技術力が詰まったVAB新車ベースのチューンドコンプリート
「以前、限定300台のWRX STI tS(GVB)に乗っていたんです。少しイジったりしていたのですが、どうしても譲って欲しいという方がいて手放したんですよ」。栄えあるトラストのWRX STIチューンドコンプリート1号車(オートサロンスペシャル)を手にした小林さんが語り出す。
続けて「オートサロンには毎年行ってるんです。で、たまたまトラストのブースに立ち寄ったら、オートサロン限定コンプリートカーの抽選をやっていたので申し込みました」。
トラストのWRX STIコンプリートは、世界限定10台(通常モデル9台/東京オートサロンスペシャル1台)で、価格は555万円だ。金額だけを見るとハイプライスに感じるが、このクルマには250万円相当のチューニングパーツが組まれており、作業工賃まで含めて考えると超バーゲンプライスなのである。
その中でも1台のみ設定された東京オートサロンスペシャルモデルは、他の9台とは異なる装備(アラゴスタ車高調や内外装の架装)が与えられた、文字通り特別なWRX STI。東京オートサロン期間中に公開抽選会が行われ、倍率は10倍以上だったそうだ。
小林さんは長野県で中古車屋“信州オート”を経営している人物。スポーツカー好きで、これまでにインテグラやシビックのタイプRなどを乗り継いできたという強者、さらに付け加えると無類の“限定好き”でもある。
「ルノーアルピーヌの限定モデル、あれは30台でしたか。それとFK2のシビックタイプR、750台ですね。どちらも抽選に当たって買いました。でも、スバルだけは…、相性が良くないんですかね」。
限定好きの小林さんが、スバルのSシリーズを逃すわけがない。ところが、幾度となく抽選に参加するも吉報は届かず。2019年末に世間を沸かせた、WRX STIの最終限定モデル“EJ20ファイナルエディション”も落選した。
「今回もどうせ外れると思っていたから、抽選の申し込みだけして帰ったんですよ。仕事もあったので」。
しかし、最後の最後で運命の女神は小林さんに微笑んだ。東京駅に向かうために電車に乗り、窓越しにディズニーランドを眺めながら物思いにふけっていたその時、携帯が鳴ったのだ。
「当選の知らせでした。ビックリしましたけど、それ以上に嬉しかったですね」。かくして小林さんは、トラストの技術力が詰まったWRX STIを手にすることができたというわけだ。
納車されたWRX STIを見ていく。エンジンは、純正交換タイプのタービンキットやエアインクス、前置きインタークーラー化や専用ECUなどによって最適化。出力は346psまで高められている。
エンジンルームには、グレッディパフォーマンスエディションを証明するシリアルナンバーも刻まれる。
エキゾースト環境は、フロントパイプからキャタライザー、そしてエンドマフラー(パワーエクストリームR-DD)までトラスト製で統一。保安基準の範囲内で、排気効率を極限まで高めているのだ。
ステアリングはこのモデル限定に製作されたオリジナル品。その他にもシリウスの透過式メーターや専用のシフトノブもセットされる。
ホイールはボルクレーシングTE37SAGAで、前後9.5J×18にディレッツアZIIIの245/40-18が組み合わされる。
「ちょっとマフラーの音量が大きいので通勤には使えないかもしれません。世間体がありますので(笑)。でも、慣らしはシッカリやりたいですね。ここから少しずつチューニングしていこうとも考えていますよ」。トラストから贈呈されたマフラーテールの記念オブジェを眺めながら、嬉しそうに鈴木さんが話を締めくくる。
日本を代表するチューニングパーツメーカーが作り上げた、唯一無二のコンプリート。鈴木さんが今後どのようにVABを進化させていくのか楽しみだ。
●取材協力:信州オート 長野県長野市若穂川田1831-2 TEL:026-282-5678/トラスト TEL:0479-77-3000
Posted at 2020/03/22 10:55:34 | |
トラックバック(0) |
自動車業界あれこれ | 日記