車検証の電子化、2023年1月導入を想定 国交省が報告書をとりまとめ
国土交通省は6月21日、自動車の検査・登録手続にをオンラインで完結した申請を可能とするための「自動車検査証の電子化に関する検討会」が報告書をとりまとめたと発表した。
自動車保有関係手続については、関係省庁と連携しオンラインで一括した申請手続が可能となるようにワンストップサービス(OSS)の導入・推進しているが、現在、紙の自動車検査証の受取のため、運輸支局などへの来訪が必要となっている。OSSで申請手続を完結することを可能とする自動車検査証の電子化を実現するため、2018年9月から自動車検査証の電子化に関する検討会が、電子化の基本的な方針や技術的要件、電子化された自動車検査証ICチップの空き領域の利活用に向けた要件について議論してきた。
報告書では、自動車検査証をICカード化することと、国からの事務の委託制度を創設することを基本的な方向性として、道路運送車両法の関係規定の改正を含めて2023年1月からの導入を想定して準備を進める。
自動車検査証の電子化によるICチップの空き領域の利活用では、車両のモデル、グレード、塗色、車台番号の打刻位置など、車検証に記載されていない車両情報を格納することや、整備情報をデータとして格納すること、会員情報やポイント情報を格納するアイデアがある。主体間の情報の連携を容易とするための車両IDの導入や、各主体の独自サービス提供のために利用できる領域の設定、空き領域を活用するサービスに求められる要件を整する必要があるとしている。
自動車検査証の電子化のための技術的要件として、ICカードのサイズ、信号インターフェース、券面記載事項、セキュリティ対策、運輸支局などでの自動車検査証発行業務及び記録等事務代行業務の実施手順などを定めた。
今後、2023年1月の導入を目指し、利活用事務の要件や技術的要件を詳細に確定し、システムの設計・開発、テスト、実証実験を着実に行えるよう早めに準備を進めるとしている。また、課題を整理し、組織や業界の垣根を越えた自動車関連情報の連携についての取組みを促進することを目指すとしている。
スマホが運転免許証に? 国際規格案の審議開始へ
経済産業省は6月22日、スマートフォンを運転免許証などの身分証明としての活用を実現する国際規格案が審議されると発表した。
海外では身分証明機能をモバイル機器に持たせる取り組みが進みつつある。モバイル機器はグローバルに流通する製品であるため、実際にモバイル機器にパスポートや運転免許証など、高精度な本人確認を必要とする身分証明機能を搭載するには、複製・偽造・改ざんなどを防止するための国際的な仕組みが必要で、ICカードと同等以上のセキュリティ機能が求められる。
このため、身分証明書の機能をスマートフォンのアプリで実現し、必要に応じて最新の身分証明書情報への同期やセキュリティの更新などを担保するための仕組みが国際的に検討されている。この仕組みについては、これまでプロトコルなどの国際規格開発が進められてきたが、今回、日本から重要情報の安全性確保のための「セキュアエリアの信頼度に関する認証利用の仕組み」を提案したところ、2020年5月にISO/IEC専門委員会で正式に承認され、国際標準化の審議が開始されることになった。
日本は身分証明書発行時に個人認証可能なモバイル機器でのセキュアエリアが機能要件を満たしているかを確認するための仕組みを規定する国際標準案を提案した。2020年7月から本格的な議論が始まり、2022年の国際標準化を目指す。
自動運行装置とサイバーセキュリティの国際基準が成立
国土交通省は6月25日、国連の自動車基準調和世界フォーラム(WP29)第181回会合で乗用車のレベル3(システムの要請に応じて手動運転)自動運行装置とサイバーセキュリティの国際基準が成立したと発表した。
自動運転レベル3の自動運行装置の国際基準の主な要件としては、少なくとも注意深く有能な運転者と同等以上のレベルの事故回避性能を義務付ける。運転操作引き継ぎ警報を発した場合、運転者に引き継がれるまでの間、制御を継続する。運転者に引き継がれない場合はリスク最小化制御を作動させ、車両を停止させる。ドライバーモニタリングシステムやシステムの作動状態記録装置の搭載を義務付ける。
サイバーセキュリティ対策としてシミュレーション試験、テストコース試験、公道試験と書面審査を適切に組み合わせた適合性を確認することとする。
また、サイバーセキュリティとソフトウェアアップデートの国際基準の主な要件としては適切な組織体制の確保と車両の対策について設定した。
日本は、自動運行装置等の基準化に向けて、WP29傘下の専門家会議などで共同議長の役職を担い、官民オールジャパン体制で議論をリードしてきた。国内では2020年4月1日付けで今回の国際基準の成立に先行し、これと同等の内容の自動運行装置の基準を施行している。
iPhoneが車の鍵へ iOS14新機能「デジタルキー」採用でエンジン始動もスマホでOKに
■iPhoneをドアハンドルに近づけるだけでロックが解除、スタートできる
米アップルは2020年6月22日、世界開発者会議「WWDC2020」をオンライン開催した。そのなかでiPhone用の新OS(iOS 14)やmacOSの発表などがおこなわれたが、注目は、iPhoneがクルマのデジタルキーになる技術を導入したという発表だ。
これは新OS「iOS 14」に搭載される新しい機能で、iPhoneのNFC(近距離無線通信規格)を使い、キーを持っていなくてもドアロックを解除し、始動することができるようになる。
この機能に最初に対応するのは、2020年夏に北米で発売される予定の2021年製BMW「5シリーズ」。WWDC2020では、駐車場でこの機能のデモンストレーションをおこなう映像が流れた。
その様子を見てみると、5シリーズのドアハンドルにiPhoneを近づけるとドアロックが解除される。シートに座り、センターコンソールにある充電パッドにiPhoneを置いたあと、エンジンスタートボタンを押すとエンジンが起動する。
また仮にiPhoneを紛失しても、iCloud経由で無効にすることもできるため、セキュリティにも配慮されているという。
さらに、クルマを共有することも今までの鍵よりも簡単で、ディーラーに行ってスペアキーを作る必要はなくなる。どこにいても、オーナーは最大5人までのiPhoneユーザーに対して、iMessageを送るだけでクルマを貸し出すことが可能。またそのデジタルキーを無効にしたり、制限をかけることも簡単にできる。
たとえば若いドライバーに貸し出す際には、最高速度や馬力、ラジオの最大音量などを制限する設定が可能な「カー・アクセス・オプション」も用意されているという。
今後はBMW5シリーズだけではなく、業界の標準になるよう取り組んでいるそうだ。このデジタルキーの仕組みは、現行のiOS i3でも使えるようになるという。アップルウォッチも互換性がある。
アップルは「自動車のキーは100年以上存在し、大きくなるばかりでいまは考え直す時期だ」とコメントしている。
BMWはこのiPhone用デジタルキーを、45カ国で利用可能にすると発表している。今後対応するモデルは、1/2/3/4/5/6/8各シリーズ、X5/X6、X7/X5M/X6M/Z4で、2020年7月1日以降に製造されるモデルが対象になる。
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そのほか、WWDC2020では自動車向け「CarPlay(カープレイ)」のアップデートも発表された。カープレイは、アメリカでは97%の新車で使用可能、ワールドワイドでは約80%の新車に標準装備されているという。
今後導入予定の「iOS 14」の新しいカープレイでは、新しい壁紙を追加。また新しいカテゴリーのアプリケーションにも対応、駐車場や充電スタンド、食事の注文などが可能になっている。
また、アップルとBMWは、カープレイのユーザーがBMWの電気自動車をつかって、いつどこで充電するかを自動的に考慮することで、これまで以上に長距離移動ができるようになる新機能を発表した。
ドライバーはカープレイで目的地を入力するだけで、アップルMapsが走行可能距離と途中の充電ステーションの位置をもとに、最適なルートを選択するというもの。この機能は2021年に欧米で発売される予定のフルEV、BMW「i4」で初めて利用できるようになるという。
まぁ、日本でそれをやるのは利権絡みで無理なんだろうな〜
いっその事、身体にチップ内蔵とかしてそれで同期するくらいにしないと無理だろうけど「プライバシーが〜」とかいう人に阻まれて無理だろうけどね…
iPhoneが「デジタルキー」になってエンジン始動&安全にキーを共有できる! いずれはバイクにも?
まずはBMWのクルマから
アップル社は、新OS(iOS 14)によりiPhoneをクルマのデジタルキーとして使用できる機能について、BMWが最初に市販車に搭載するメーカーになることを発表した。BMWは最初にiPodを車両に統合し、最初にワイヤレスのCarPlayを搭載したメーカーでもある。これらに続き、デジタルキー機能も搭載される日は近い?
iPhoneをクルマのキーとして使い、ロック、ロック解除、運転、友人と共有もできる
アップル社は、ワールドワイドデベロッパーカンファレンス(WWDC 2020)で新型OSのiOS 14などを発表。そしてこの新OSには、iPhoneをフルデジタルキーとして使用できる機能も含まれることを明らかにした。このiPhoneのアップルウォレット(Apple Wallet)に格納されるデジタルキーは、NFC(近距離無線通信規格)を利用してクルマと通信し、ロックを解除したり、エンジンを始動して運転したり、さらには友人のiPhoneにデジタルキーを送信することでクルマの共有も可能になるというものだ。
そんなデジタルキー機能を最初に市販車に搭載するメーカーは、やはりというべきかBMWである。MWは過去にも最初にiPodを車両に統合したり、アップルカープレイを最初に搭載したりと、常に時代を先取りしてきている。その後、カープレイなどをバイクに搭載していることもあって、デジタルキー機能がバイクで使える時代が来ることも期待させる。
今後登場するiPhone用BMWデジタルキーでは、iPhoneをドア開閉レバーに近づけることでロックを解除し、iPhoneをスマートフォン用トレーにおいて、スタートボタンを押すだけで簡単に操作を開始できるようになる。デジタルキーのセットアップはBMWが用意するスマホアプリから実行。クルマの所有者は、最高速度、馬力、最大オーディオ音量などを制限する、若いドライバー向けの設定可能で、こうしたアクセスオプションを設定したうえで最大5人の友人とアクセス権を共有することができるという。アクセス権の管理は、車内からでもApple Walletからでも可能だ。
気になるのはスマートフォンのバッテリー切れだが、iPhoneの電源が切れた場合でもキーが最大5時間機能する“パワーリザーブ”機能も備えているというから安心だ。アクセス権の共有は、iMessageを介して行う。また、Apple Watchでも互換可能だ。
アップルとBMWは、カーコネクティビティコンソーシアム(CCC)と緊密に連携して、世界標準の確立を推進している。 NFCのデジタルキー仕様2.0は2020年5月にリリースされたが、ウルトラワイドバンドテクノロジーを使用した次世代のデジタルキーはすでに開発が進んでいるという。互換性のあるiPhoneモデルは、iPhone XR、iPhone XS以降、およびApple Watch Series 5以降。
―― ドアの開閉レバーに近づけ、画面をタップすることでロック/ロック解除ができる。バイクでも速度制限などをアプリで設定して共有できるようになれば、家族間の貸出しでも安心感が増すかもしれない。
Posted at 2020/06/28 20:21:00 | |
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