2020年11月11日
【スクープ】早くも「トヨタGRヤリス」のハードコア版が登場? 「GRMN」の市販型が“ニュル”デビュー!
「GRMNヤリス」はアグレッシブなエアロを装着! パワーユニットは300㎰に到達か?
トヨタは本格派スポーツモデルの「GRヤリス」を発売したばかりだが、実はその頂点を極めるハードコアモデルとして「GRMNヤリス」の投入も計画中。今回は、その市販型プロトタイプをドイツのニュルブルクリンクで捉えることに成功した。
ノルドシュライフェに現れたプロトタイプは、ボディをベースとなるGRヤリスよりローダウン。エクステリアではカーボン製らしきルーフをはじめ、フロントバンパー両サイドのウイングレット、フロントフェンダーの巨大エアアウトレット、さらには大型リヤスポイラーの存在が確認。ベース車より一層戦闘的なスタイリングに仕上げられていることがわかる。
また、細かい部分では前後で異なるホイールを装着していることも興味深い(リヤはABT製?)。さらに、テスト車ではリヤエンドにセンサーらしきものが装着。ボディの捻じれ剛性関連のデータを採取していると思われることから、シャシーの煮詰めはまだこれからの状況であることが予想できる。
GRヤリスのパワーユニットは、1.6L直列3気筒ターボで最高出力は272psを発揮する。一方、GRMNバージョンでは同エンジンをチューニング。最高出力は300ps程度が予想され、これに6速MTを組み合わせるとの説が有力だ。ちなみに駆動方式はベース車と同じく4WD。そのワールドプレミアは、2021年以降になるという。
Posted at 2020/11/11 21:51:01 | |
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自動車業界あれこれ | 日記
2020年11月11日
「GRヤリス筑波アタック一番乗り!」ノーマルからサスチューン仕様までをNOB谷口が試す
GRヤリスはハイグリップタイヤ装着がマスト!
足回りチューンだけで1分3秒台を叩き出す実力
本格的なデリバリーが開始され、いよいよ幕を開けた“GRヤリス”チューニング。そんな中、ランエボチューンの名手“Gフォース”が早くもデモカーを筑波サーキットに持ち込んだ。
今回はデータ取りの意味合いが大きく、「テスト1:フルノーマル状態」「テスト2:ハイグリップタイヤ仕様」「テスト3:車高調+軽量化(リヤシート撤去)+ハイグリップタイヤ仕様」という3パターンでタイム計測を行うことに。
ドライバーを務めるのは谷口信輝選手。なお、当日は気温20度前後と予想外に暖かく、さらに走行はクリアラップが取りにくい一般スポーツ走行枠で行ったため、タイムはあくまで参考値と考えていただきたい。走行時の4WDモードはトラック、エキスパートモードで統一した。
まず、フルノーマル状態でのタイムは1分7秒736。谷口選手いわく「ノーズも入るし、エンジンのレスポンスも良くてキビキビ走るんだけど、いかんせん純正タイヤのグリップ力が足りない。履く靴を間違えているような感覚だね。タイヤ交換だけで結構良いところに行くと思うよ」とのこと。
その言葉通り、タイヤを純正のダンロップSPORT MAXX 050(225/40R18)からアドバンA052(255/35R18)に変更した状態でのアタックでは、一気に1分4秒809までアップしたのだ。
「見違えるくらい楽しいクルマになった。タイムの上がり幅からしても言っていることが理解できるんじゃない? コーナリングで逃げないからアクセルも入れていける。スポーツ走行するのに正しいシューズを履いた感覚だよね」と満足気に語る谷口選手。
最後に、クスコ試作2ウェイ車高調(F11kg/mm R14kg/mm)+ポテンザRE-12D TYPE-A(265/35R18)という組み合わせを試したところ、何と1分3秒122という高タイムをマーク! このタイムはGRスープラのブーストアップ仕様とほぼ同等、GRヤリスのポテンシャルの高さには驚きだ。
「これはね、例えるならスパイクシューズを履いた感覚。車高が50mmも低いから路面に吸い付いてコーナリングスピードが段違い。1.6Lのクルマとは思えないほどポテンシャルが高いね」と、チューニングの効果を熱く語ってくれた。
一方、Gフォース田澤代表は「とりあえず走る前に掲げていた目標タイムはフルノーマル(目標5秒台後半)だけクリア出来ませんでしたが、タイヤのみ交換(目標4秒台に入るか入らないか)、サスペンションとタイヤ交換(目標3秒台に入ればOK)は予想以上の結果となりました」。
「現状ではファインチューニング(タイヤ、サスペンション、吸排気、デフ)で筑波1分切りを目標としています。今日のテストでタイヤやサスペンションを変更することによる手応えが大きかったので、十分狙っていける範囲かなと感じています」。
「特にサスペンションはセッティングをイジらずに、ワンアタックでこのタイムが出たので、デフや等速トランスファーなどを含めてドライバーの好みに合わせてセットアップしていけば、かなりのところまで行けると予想しています。エンジン関係は吸排気パーツを開発したいですね」とコメント。
エンジン系はフルノーマルであること、そしてサスペンションも暫定仕様であることまで考えれば、まだまだタイムアップしていくことは明白。Gフォースの今後の展開に期待したい。
●取材協力:Gフォース 神奈川県横浜市鶴見区獅子ヶ谷2-39-68 TEL:045-716-8013
Posted at 2020/11/11 21:47:34 | |
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自動車業界あれこれ | 日記
2020年11月11日
【ほぼ市販モデルの姿で登場】次期ポルシェ911 GT3 最新プロトタイプ デザインが明らかに
アグレッシブなスタイリング
text:Lawrence Allan(ローレンス・アラン)
translator:Takuya Hayashi(林 汰久也)
新型ポルシェ911 GT3のプロトタイプが、市販モデルに近い仕様で確認された。
992世代のGT3は、来年初頭の正式デビューに向けてテストが行われてきたが、今回目撃されたプロトタイプではスタイリングを細かく確認できる。カモフラージュされているのはテールライトのみで、リアバンパーにはリアディフューザーが備わっている。
その他にも、大型の固定式リアウイング、フロントスプリッター、センターロックホイールなど、GT3のスタイリング上の特徴がはっきりと見て取れる。ボンネットには2つのエアインテークが備わり、グリルは現行992世代のどのモデルよりもワイドだ。
以前にはニュルブルクリンクでのスピードテストを行っている様子も目撃されており、そのエンジンサウンドから次期GT3にはマニアに愛される自然吸気「ボクサー」エンジンの搭載が期待されている。
確かなことはわからないが、ガソリン・パティキュレート・フィルターやその他の排出ガス低減技術が追加されたにもかかわらず、992 GT3のボリューム感とトーンは失われていないように聞こえる。
また、トレードマークのウイングを取り除いたモデルも確認されており、人気の高いツーリングモデルが復活することを示唆している。
自然吸気エンジンへのこだわり
詳細はまだ明らかにされていないが、ポルシェのGTモデルは自然吸気エンジンこだわっているため、911スピードスターの4.0Lフラット6エンジンが将来のGTモデルにも引き継がれることがわかっている。
GTモデルの責任者であるアンドレアス・プロイニンガーは次のように語った。
「わたし達はこのエンジンで未来に投資してきました。今後のプロジェクトについてコメントすることはできませんが、このエンジンをどこかで再利用しないのは愚かなことです」
「GTカーにおけるわたし達の理念は、自然吸気を維持すること。未来に残したいと思っているからこそ、エモーションやパフォーマンスを失うことなく、よりよいものにするための多大な努力をしてきたのです」
991世代911の代名詞ともいえるスピードスターは、21万1599ポンド(2888万円)という価格で、現行GT3と同じパワートレインを使用しているが、多くのアップデートが施されている。
この大容量直噴フラット6を環境規制に適合させるため、ポルシェは2つの大型ガソリン・パティキュレート・フィルターを装着した。
さらに、溶接ではなく、薄いスチールやニッケル、はんだ付け技術を採用しているため、排気システムの重量は以前より10kgも軽くなっている。パワーも500psから510psに増加し、8400rpmまで回る。
クリーンなだけでなく、新フィルターにより排気背圧が上昇したエンジンでこれを達成することは、並大抵のことではない。
燃料噴射システムの作動圧力は従来の200気圧から250気圧に変更され、6つのシリンダーにはそれぞれ専用のスロットルボディが装備された。新しいスロットルボディの効果により、よりシャープなスロットルレスポンスを実現しているという。
ついに最終デザイン露出…ポルシェ 911 GT3 次期型、6速MT装備で年内デビュー濃厚
ポルシェ『911』のハードコアモデルとなる『911 GT3』次期型の最新プロトタイプをカメラが捉えた。
これまで多くのプラスチックパネルで偽装されていたプロトタイプだが、ニュルブルクリンク付近で捉えたテスト車両は、リアバンパーのカバーをついに取り外し、残るはLEDストリップ中央のカモフラージュのみとなった。
ほぼ最終デザインが露出したフロントエンドには、最新のXダイナミック・ヘッドライトを装備、コーナーに垂直のエアインテーク、大型ラジエーター、ボンネットにはフロントアクスルにダウンフォースを生むデュアルエアスクープも確認できる。
足回りには5対のスポークと中央にラグを備えた大型ホイールを装備、クロスドリルや巨大ブレーキキャリパーも確認できる。
リアエンドには、市販型とみられるスワンネックウィング、リアリップの先端には、空気の流れを向上させる小さなスポイラー、バンパーコーナーにはエアアウトレットのほか、センター出しデュアルエキゾーストパイプやアグレッシブなディフューザーが見てとれる。
パワートレインは、前世代のGT3に採用されていた4.0リットル水平対向6気筒自然吸気エンジンのアップグレードバージョンを搭載。最高出力は520psではなく、550psを発揮するとも噂されている。トランスミッションは、8速DCTの他に6速MTも採用されると思われる。
911 GT3新型のデビューは2020年末と予想されるが、前倒しでデジタルワールドプレミアされる可能性もありそうだ。
Posted at 2020/11/11 21:42:40 | |
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ポルシェ | 日記
2020年11月11日
新たな市販車ベースのフルEVモータースポーツ「スーパーチャージ」、2022年にシリーズスタート!
SuperCharge SC01
スーパーチャージ SC01
最高システム出力670bhpを誇るワンメイクシリーズ
フルEV市販クロスオーバーをベースにした新たなモータースポーツシリーズ「スーパーチャージ (SuperCharge)」が発表された。アジア太平洋、中国、ヨーロッパ、中東、アメリカを舞台にした8つのイベントを対象とし、8チーム16名のトップドライバーが参戦。2022年のシリーズ開幕を予定している。
次世代のロードカーをベースにしたワンメイクEVレーシングマシン「SC1」は、最高システム出力500kW(670bhp)を誇り、0-100km/h加速はF1マシンにも互する2.5秒を実現する。SC1は世界の大手自動車メーカーとの協力により開発され、最新の電気自動車とバッテリー技術を展示する理想的なプラットフォームを提供。電気自動車の世界的な普及を加速させる目的を持っている。
ドライバーのテクニックにフォーカスするために、ローンチコントロール、トラクションコントロール、ブレーキバイワイヤーなどのドライバーエイドは禁止。チームにはバッテリーシステムの開発や、サスペンションやディファレンシャルのセッティングが許されている。
それぞれのイベントは街中に降雨ゾーンや2.5mのジャンプスポットを備えた全長約1kmの特設サーキットを設置。サーキット全景を見渡せるように観客席は配置され、最大6周のレースが、1イベント15レースも楽しむことができる。また、訪れたファンはパドックを含めすべてのエリアにアクセスできるという。
求められる市販車ベースのEVモータースポーツシリーズ
スーパーチャージの創設者であり、マネージングディレクターを務めるロブ・アームストロングは、新シリーズの立ち上げに喜びを隠さない。
「現在、モータースポーツは岐路に立たされていると我々は考えています。そして、すでにフォーミュラEのアレハンドロ・アガグCEOと、ジャン・トッドFIA会長は、電動モータースポーツのパイオニアとして素晴らしい仕事をしてきたことに敬意を表します」
「すでに多くの国や都市が今後数年で内燃機関を禁止する計画を発表しており、ロードカーをベースとした電動モータースポーツの必要性もますます高まっています。今後、EVモータースポーツ・シリーズが増えるのは時間の問題だと考えています。このようにEVの勢いが急速に高まっていることを考えると、スーパーチャージ設立のタイミングと魅力は理想的です」
「私たちは社会の変化を受けて、自動車会社、ファン、商業団体、会場のニーズを考慮しながら、真に持続可能で商業的に実行可能な新シリーズを作ろうと考えました。そのため、スーパーチャージのコンセプトを慎重に検討しました。このシリーズが世界中で盛り上がりを見せるのが、今からもう待ちきれません」
Posted at 2020/11/11 21:37:22 | |
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自動車業界あれこれ | 日記
2020年11月11日
スバルを30年間支えた名機! 「EJ20型」エンジンを搭載したスバル車3選
2020年3月に生産を終了したスバルの名エンジン「EJ20」。1989年にスバル 初代レガシィに搭載されてから幾度となく改良が重ねられ、最終的に328馬力を発生させるまでに熟成しました。今回は30年以上にわたり、スバルの主力車種に搭載され続けた「EJ20型」エンジン搭載車種をご紹介します。
ハイパフォーマンスワゴンの第一人者!初代レガシィ
スバル 初代レガシィは、1989年に4ドアセダンと5ドアステーションワゴンのボディタイプをラインナップしてデビュー。ワゴンモデルには、レオーネから受け継いだ「ツーリングワゴン」の名が与えられています。
新開発のプラットフォームやエンジンを採用した初代レガシィは、日本にステーションワゴンブームを起こしたパイオニア的存在であるのと同時に、当時経営の危機に喘いでいたスバル(当時:富士重工業)を救った歴史的なモデルです。
初代レガシィと共にデビューしたEJ20型エンジン
1989年から30年間、主力エンジンとして活躍するEJ型エンジンは初代レガシィと共にデビューし、排気量は1.8リッターから2.2リッターまで多くのバリエーションが存在。特に「RS」グレードに搭載されたEJ20型ターボエンジンは220馬力の最高出力を発生し、当時としては最も高いパフォーマンスを発揮する2.0リッターエンジンでした。
スバル 初代レガシィの中古車相場
■中古車掲載台数:9台
■中古車相場:39.9万円~367万円(応相談含む)
※中古車掲載台数および相場は、2020年11月1日時点のデータ
EJ型エンジンを搭載したグローバルモデル!インプレッサ
1992年にデビューしたスバル 初代インプレッサは、Cセグメントのグローバル戦略車として登場。デザインでは、前後ともに横長のライトを採用し、ボディタイプは、セダンとスポーツワゴンを設定していました。
すべてのグレードがEJ型エンジンを搭載し、1.5リッター、1.6リッター、1.8リッター、2.0リッターと、現在では考えられないほど豊富なバリエーションが用意されています。
インプレッサとスバルのブランド力を上げたWRC参戦
1992年に登場した初代インプレッサ WRX(GC8型)は、インプレッサシリーズのハイパワーモデルです。1993年には、要望が多かったワゴンモデルのWRXも追加されます。
また、WRC(世界ラリー選手権)に参戦すると、1995年から3年連続でマニュファクチャラーズタイトルを獲得する活躍を見せ、インプレッサとスバルの名を世界に広めました。
スバル 初代インプレッサの中古車相場
■中古車掲載台数:21台
■中古車相場:34.6万円~211.9万円(応相談含む)
※中古車掲載台数および相場は、2020年11月1日時点のデータ
EJ型エンジンのパフォーマンスが与えられたSUVフォレスター
1997年にデビューしたスバル 初代フォレスターは、初代インプレッサをベースとしたクロスオーバーSUVで、スバル定番のEJ型水平対向エンジンにフルタイム4WDを組み合わせたシンメトリカルAWD(4WD)を採用。最低地上高の高いSUVとは思えないほど、オンロードでも高い走行安定性を発揮し、「新ジャンルのマルチスポーツ4WD」として人気モデルとなりました。
2012年以降はEJ20型エンジン搭載モデルが消滅
初代フォレスターは2.0リッター水平対向4気筒ターボを筆頭に、2.0リッターと2.5リッターの自然吸気エンジンを採用していました。しかし、2010年にマイナーチェンジされた3代目(SH型)のNAモデルで、初めて新開発のFB20型水平対向エンジンを搭載。その後2012年に登場する4代目フォレスターから、EJ型エンジンを搭載するモデルはラインナップされていません。
スバル 初代フォレスターの中古車相場
■中古車掲載台数:9台
■中古車相場:24.8万円~99万円(応相談含む)
※中古車掲載台数および相場は、2020年11月1日時点のデータ
まさに「戦闘機」と呼ぶに相応しい中身! 歴代「インプレッサ WRX」が傑作揃いだった
スバル走りのフラッグシップマシン「インプレッサWRX」
ラリーをはじめとしたモータースポーツでの活躍など、インプレッサ時代を含みWRXはスバルにとってイメージリーダーの1台だ。しかし、昨年で名機EJ20ターボ+MTを搭載していたWRX STIは姿を消し、現在はEJ20ターボの後継となるFA20ターボ+CVTというパワートレーンに、運転支援システム「アイサイト」を組み合わせた、間口の広いスポーツセダンとなるWRX S4のSTIスポーツが販売されているのみである。
WRXはSTI、S4ともに近い将来スバル新世代のSGP(スバルグローバルプラットホーム)を使ったスポーツセダンとして再出発すると思われるが、現在は充電期間的な時期ということもあるため、いま一度WRX STIの歴史を振り返ってみたい。
初代モデル(1992年から2000年)
歴代WRX STIのベースとなるインプレッサは、レガシィの小型版として1992年に登場。レガシィの小型版というコンセプトは、当時WRC(世界ラリー選手権)にレガシィで参戦していたスバルが、次期マシンのベースとして「戦闘力向上のためレガシィを小さくしたモデルが欲しい」という目的も含まれていた。
その考えは当時ギャランでWRCに参戦してた三菱自動車も同じで、初代インプレッサと同時期に宿命のライバルであるランサーエボリューションをリリースしている。
WRX STIは、当初インプレッサのスポーツモデル並びにイメージリーダーという役割を持ち、EJ20ターボ+4WDの性能機構そのままのWRXとして登場した。その後WRXは軽いボディにパワフルなエンジンということで当時の日本車最強軍団の1台となり、WRX STIは「競技で有利になるチューニングを施したコンプリートカー」として1994年に放たれていったのだ。
特に遅れて追加されたWRX STI RAはRA(レコード・アテンプト、記録に挑戦する)が意味するように、競技ベース車のためエアコン等の快適装備を装着しない代わりに、最後のWRX STIまで続くDCCD(ドライバーズコントロールセンダーデフ)を装備していた。
DCCDの装着により走るシーンに応じた前後駆動力配分をドライバーが選べるようになったほか、ラリーやジムカーナのパーキングブレーキを使った小さなターンの際にはセンターデフがフリーとなり、クルマがクルリと向きを変えるようになるなど、戦闘力は大きく向上した。
WRX STIは1995年のバージョン ll からカタログモデルとなり、ランサーエボリューションとの死闘もあり毎年改良され、バージョンVIまで進化。また初代インプレッサWRX STIにはセダンのほか、スポーツワゴンや1997年からWRCのトップカテゴリーとなったWRカーのベースとなったクーペもあった。
2代目モデル(2000年から2007年)
2000年登場の2代目インプレッサにもベース車から若干遅れてWRX STIが追加された。WRX STIに限らず2代目インプレッサは8年振りのフルモデルチェンジということもあり、ボディ剛性を飛躍的に高めるなど、クルマ自体の質感が大きく向上した。
しかし、WRX STIに関してはボディ剛性の向上などが大幅な重量増につながり、その点は一般ユーザーがロードカーとして使うにはプラスだったが、2代目インプレッサが出た直後に登場したランサーエボリューションVllの性能向上が強烈なものだったこともあり、競技車両としてのポテンシャルやイメージではランサーエボリューションに劣勢なところも否めなかった。
そのためスバルも初期モデルの登場から約1年後の2001年冬に、大幅な軽量化などを施しサーキットなどでの速さに特化したWRX STIタイプRAスペックCを追加。ランサーエボリューションVllと互角の速さを取り戻し、2002年にビッグマイナーチェンジされ俗にC型と呼ばれるモデルでは、フロントマスクの変更に加えエキゾーストマニホールドを等長にするなど数えきれないほどの改良が行われた。
さらに2004年のD型ではタイヤサイズの拡大となり、それに伴いホイールのPDCも100から114.3に変え、耐久性も向上した。
2005年のF型では2代目インプレッサとしては3つ目のフロントマスクに変更されただけでなく細かな改良が多数施される。2006年のG型ではエクステリアなどがジェントルなAラインが追加され、2代目モデルは完全燃焼で3代目モデルに引き継がれた。
3代目モデル(2007年から2014年)
3代目インプレッサベースの3代目WRX STIもベース車から遅れて追加された。3代目モデルの大きな特徴は2つで、1つ目は当時WRCでスバルのドライバーだったペター・ソルベルグ選手の進言もあり、ラリーでの戦闘力を上げるため5ドアハッチバックとなった点。もう1つはクルマの土台となるプラットホームを、当時のスバル車では最新のリアサスペンションの形式となるストラットからダブルウィッシュボーンへの変更がなされたSIシャーシにスイッチしたこと。これにより走りが全体的にしなやかなものとなり、クルマとしての質感が大きく向上することになる。
そのためサーキットでのラップタイムに代表される絶対的な速さは2代目モデルのC型以降に軍配が挙がるのかもしれないが、この頃から絶対的な速さはあまり要求されない時代となっていたこともあり、3代目モデルでのコンセプト変更は大成功だったといえる。
3代目モデルは4代目モデルのS4につながるところも感じる2.5Lターボ+5速ATのAラインや、空力性能の有利さからサーキット向けというキャラクターも持つ4ドアセダンの追加があった。
2010年に4ドアセダンが追加されたタイミングから車名がインプレッサから独立したWRX STIに変わったことも目立ったが、2代目モデルまでのような大幅な改良というのはなかった。
4代目モデル(2014年から2020年)
4代目モデルもプラットホームはSIシャーシを継続し、4ドアセダンのみという成り立ちで、エンジンもFA20ターボではなくEJ20ターボのままだったのは「ラリーをはじめとした競技の現場で即戦力となるよう実績のあるものを選んだため」と言われている。
4代目モデルの改良はランサーエボリューションとの死闘が終わったこともあり、2017年のD型でDCCDの制御や19インチへのタイヤサイズ拡大を伴うブレーキローター&キャリパーのサイズ拡大が目立つ程度だ。それも販売台数や法規対応を考えると「存続に必要な開発資源」が年々大きなものになっているのを考えると、やむを得ないところだったのだろう。
むしろ4代目モデルではハンドメイドされターボチャージャーも変更されたスペシャルエンジンを搭載したS207、S208、タイプRA-AといったSTIのコンプリートカーも存在感を増したことが印象的だった。
そしてWRX STIは昨年の東京モーターショーの出展直後に市販化された、エンジン内部の部品の公差をより少なくしたバランスドエンジンを搭載し、内外装をゴールドのホイールやウルトラスエード巻ステアリングでドレスアップした555台限定のファイナルエディションを花道に絶版となった。
スバルのブランドイメージ向上に絶大な役割を果たしたWRXだけに、STI、S4ともに2020年代に合った姿でなるべく早期に復活してほしい!
Posted at 2020/11/11 21:30:25 | |
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富士重工 | 日記