2020年11月18日
アウディ『RS e-tron GT』、高性能「RS」初のEV…量産プロトタイプの写真
アウディは11月5日、新型EVスポーツカーの『e-tron GT』のさらなる高性能モデルとして開発中の『RS e-tron GT』(Audi RS e-tron GT)の量産プロトタイプの写真を公開した。
◆RSのラインナップ拡大の本格化を象徴
アウディRS e-tron GTは、スポーティ車を担当する「アウディスポーツ」が手がける高性能モデルシリーズ、アウディ「RS」初のEVだ。アウディRSは現在、12車種を欧州でラインナップしている。『RS3スポーツバック』、『RS3セダン』、『RS4アバント』、『RS5クーペ』、『RS5スポーツバック』、『RS6アバント』、『RS7スポーツバック』、『TT RSクーペ』、『TT RSロードスター』、『RS Q3』、『RS Q3スポーツバック』、『RS Q8』が用意されている。
小型ハッチバックとセダン、ワゴン、クーペ、オープンカー、SUVと顧客のニーズに合わせた幅広いモデルがそろう。しかし、アウディは「RSイニシアチブ」をさらに進行させ、RSのモデル攻勢を本格化する。アウディスポーツはすでに、近い将来に向けてさらに多くのアイデアを提案している。そのひとつが、アウディRS初のEV、RS e-tron GTだ。
◆4ドアのEVスポーツカー「e-tron GT」がベース
アウディRS e-tron GTは、『e-tron GTコンセプト』の市販モデルとして、2020年末からドイツ・ネッカーズルムのベーリンガーホフ工場で生産を開始するe-tron GTがベースだ。アウディは2018年9月、ブランド初の市販EVとして、アウディ『e-tron』を発表した。e-tron GTコンセプトは、アウディe-tronに続くEVを提案したコンセプトカーで、4ドアのEVスポーツカーとなる。
e-tron GTコンセプトのEVパワートレインでは、前後に搭載したモーターが、最大出力590hpを引き出し、トルクベクタリング付き電気4WDの「クワトロ」によって4輪を駆動する。電子制御の4WDシステムは、路面の状態や走行状況に応じて、左右の車輪間だけでなく、前後アクスル間の駆動トルクを調整する。動力性能は0~100km/h加速がおよそ3.5秒で、12秒間で200km/hに到達する。最高速度は240km/h(リミッター作動)だ。
e-tron GTコンセプトでは、連続してフル加速が行えるよう、冷却システムがモーターやバッテリーを最適に冷却する。1回の充電での航続は、新燃費基準のWLTPモードで最大400kmだ。リチウムイオンバッテリーは蓄電容量が90kWh以上で、フラットなデザインとして、フロア下に搭載される。アウディによると、車両の重心はスポーツカーのアウディ『R8』並みに低いという。
e-tron GTコンセプトには、800Vシステムが装備されており、従来のシステムと比較して充電時間が大幅に短縮される。バッテリー容量の80%を充電するのに必要な時間はおよそ20分で、320km以上の航続を可能にした。
◆RSらしい専用デザイン
アウディは今回、RS e-tron GTは量産プロトタイプの写真を公開した。バンパーやサイドスカート、アルミホイール、エアロダイナミクス性能などの面で、RSらしい専用デザインが採用される。
この新たなRSは、ベースモデルのデビュー後の早い段階で追加され、ラインナップを強化する。RSの特性は、開発の初期から確定され、標準モデルとほぼ同時進行で開発が進められている。開発作業では、デザインだけでなく、パワートレインやサスペンションも重要な開発テーマに掲げられている。最終的には、すべてのアウディ製品が備えるスポーティなDNAを最大限に引き出すことが、開発の最大のテーマになるという。
アウディのRSモデルは、アウディモデルラインナップのダイナミズムを象徴する存在だ。エクステリアデザインにも、そのコンセプトが現れている。RSのデザインは、モータースポーツをインスピレーションとして、クールで控えめな表現とダイナミックなディテールを巧みに組み合わせている。モータースポーツで最高のパフォーマンスを発揮するには、部品の設計においても極限を追求することが求められる。モータースポーツからフィードバックされたハイパフォーマンステクノロジーは、RS専用のデザインに現れているという。
アウディRS e-tron GTの量産プロトタイプのサスペンションは、専用制御のダンピングシステム、エアサスペンション、全輪ステアリングを組み合わせたものだ。大容量ブレーキは強力な減速を可能にする。また、4つのヒーター&クーラーシステムが、高電圧コンポーネントの温度を最適化する。その結果、急速充電による高出力と高性能が実現する、としている。
アウディが「RS e-tron GT」を先行公開。2系統の冷却系をもつハイテクEVの最高峰
独アウディは11月5日、まもなくデビューする電動4ドアクーペのハイパフォーマンスモデル「RS e-tron GT」によるテスト走行の模様を公開した。
今回、バイエルン州「ノイブルク・アン・デア・ドナウ」に所在する開発センターで、RS e-tron GTのステアリングを握ったのはEVレースの最高峰フォーミュラEドライバーであり、2016-2017シーズンのチャンピオンでもあるルーカス・ディ・グラッシ。ブラジルで生まれ、現在モナコを拠点に活躍する彼は、国連の大気環境部門でもアンバサダーを務めており、超高性能とゼロエミッションを両立するRS e-tron GTのテストにはうってつけの人材だ。
ほぼ量産型となるプロトタイプで5ラップを重ねた後の感想は「ファンの一言に尽きる」というもの。運転する楽しさを心ゆくまで味わえるという点でRS e-tron GTは明確にレース用EVとは異なっており、周回を重ねても繰り返し0-100km/h加速を4秒以下で駆け抜けられる性能は、このベテランドライバーに深い感銘を与えたようだ。
開発陣によれば、卓越したパフォーマンスを引き出すカギはバッテリー等の厳密な性能管理にあり、そのためRS e-tron GTは温度レベルの異なる2つの冷却系統を有しているという。具体的には、より低温の系統が高電圧バッテリーを、もう一方がモーターと電力用半導体を冷却し、最大の出力を発揮できるよう緻密な制御を実施。室内にも冷却と保温の2系統が引き込まれ、これらは計4つのバルブでコントロールされる。
ディ・グラッシが感銘を受けたもう一つの点は、精緻なハンドリングとグランツーリスモに必須の乗り心地を高いレベルで融合していること。これは3チャンバー式のエアサスペンションや調整式ダンパーによって実現したもので、RSが装備するカーボンセラミックブレーキも相まって、EV最高峰にふさわしい走りが期待できそうだ。
普段からEVレーサーに乗り慣れているディ・グラッシも手放しで絶賛するRS e-tron GT。実車の公開を楽しみに待ちたい。
Posted at 2020/11/18 22:21:46 | |
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AUDI | 日記
2020年11月18日
ビジネスジェット機の顧客専用、ポルシェ 911 に限定仕様
ポルシェは11月5日、新型『911ターボS』(Porsche 911 Turbo S)をベースにした限定車の「デュエット」を発表した。エンブラエル社のビジネスジェット機、『フェノム300E』にも同仕様のデュエットが設定され、同機を購入した顧客専用に10台を限定生産する。
◆最高飛行速度988km/hのビジネスジェット機
エンブラエル社は、ブラジルに本社を置くグローバルな航空宇宙企業だ。同社は、航空機とそのシステムの設計、開発、製造、販売を行っており、アフターサービスも手がけている。
エンブラエル社のフェノム300Eは、過去10年間で最も成功したビジネスジェット機のひとつだ。最高飛行速度は988km/hに達し、航続は最大3723km。最大10人が快適に移動し、機内でリラックスした時間を過ごすことができる。
ポルシェは今回、エンブラエル社と協力し、新型911ターボSをベースにした限定車のデュエットを発表した。ドイツ・ヴァイサッハにあるポルシェのデザイン部門の「スタイルポルシェ」や、ドイツ・シュトゥットガルトにある「ポルシェエクスクルーシブマニュファクトゥール」が主体となり、新型911ターボSにフェノム300Eのモチーフを反映させた特別なカスタマイズを施している。
◆ポルシェ初の2種類の光沢を組み合わせたツートン塗装
エクステリアは、ポルシェとしては初めて、光沢とサテン光沢の塗装を組み合わせたツートンとした。車体上側を光沢プラチナシルバーメタリック、車体下側をサテン光沢のマットジェットグレーメタリックで塗装した。塗装仕上げは、すべて手作業で行われる。ブリリアントクロームとスピードブルーのトリムストリップも採用された。デュエットのロゴも特別にデザインされ、新型911ターボSの内外装に配された。
専用デザインのアルミホイールは、プラチナシルバーメタリックで塗装され、リム部分にはスピードブルーのラインが添えられた。サイドエアインテークとサイドウィンドウトリムは、ジェット機のデザインの特長を取り入れ、ブリリアントクロームで塗装された。LEDドアプロジェクターは、専用のロゴを地面に投影する。Bピラーには、特別なエンブレムが装着された。
リアウイングには、機体識別番号を入れることができる。例えば、機体と同じ「N911EJ」の文字を添えることが可能だ。
◆ビジネスジェットがモチーフのインテリア
インテリアには、ブラックとホワイトカラーのレザーを使用した。ブラックレザーの表面には、スピードブルーのステッチ加工が施された。ステアリングホイールは、ツートンカラーのレザー仕上げで、12時の位置にはスピードブルーのマーキングが記される。「カーボンインテリアパッケージ」が標準装備された。ルーフライナーはホワイトのアルカンターラ仕上げとしている。
フロントシートの背面は、光沢カーボン仕上げとした。ヘッドレストには専用のロゴがエンボス加工された。前席の背もたれを前方に倒すノブは、ビジネスジェット機の座席をモチーフに赤で仕上げた。
ドアシルトリムは、ジェット機のように、「NO STEP」の文字が赤く光る。「スポーツクロノパッケージ」のストップウォッチも、ジェット機がモチーフだ。助手席側のダッシュパネルトリムには、「One of 10」のロゴが添えられる。フロントラゲッジコンパートメントは、ブラックレザー仕上げで、スピードブルーのコントラストステッチが入る。キーはスピードブルーで塗装された。
◆0~100km/h加速2.7秒で最高速330km/h
新型911ターボS には、3.8リットル水平対向6気筒ガソリンエンジンを、2つのVTG(可変タービンジオメトリー)ターボで過給した新ユニットを搭載する。再設計された給気冷却システム、電動調整可能なウエストゲートフラップを備えた対称レイアウトの新しい大型VTGターボチャージャー、応答性や出力、トルク特性、エミッション挙動、吹け上がり性能に関する車両の特性を大幅に改善するピエゾインジェクターが採用されている。
この新しい6気筒エンジンは、新設計のエアインテークシステムによって吸気される。そのために、処理空気と給気冷却の経路が、入れ替えられている。処理された空気の一部は、リアサイドセクションの特長的なターボエアインテークを通って流れる。リアフェンダーに備わるエアフィルターの前方にも、リアリッドグリルを通る2つの別のエアフローが組み込まれた。
全体の断面積が大きく空気抵抗の小さな4つのエアアインテークを備えており、エンジンの効率を向上させる。可変タービンジオメトリーを備えて対称に配置された2つの大型ターボチャージャーが、従来型のパーツに代わり、コンプレッサーとタービンホイールは反対方向に回転する。タービンホイールの直径はプラス5mmの55mmに、コンプレッサーホイールの直径はプラス3mmの61mmに、拡大された。ウエストゲートフラップは、ステッピングモーターによって電気的に制御される。
これらの新技術の結果、最大出力は従来型を70ps上回り、650psを獲得した。最大トルクは5.1kgmプラスの81.6kgmを引き出す。強化された4WDシステムの「ポルシェ・トラクション・マネジメント(PTM)」によって、最大で51kgmのトルクがフロントホイールに伝達される。標準装備の新世代「PASM」シャシーも、さらにスポーティに改良された。ポルシェによると新型では、より迅速かつ精確に制御されるダンパーが、ロール安定性、ロードホールディング、ステアリング挙動、コーナリングスピードのダイナミクスに大きなメリットをもたらすという。
トランスミッションは、ターボ専用の8速「PDK」(ポルシェ ドッペルクップルング)。0~100km/h加速は、従来型を0.2秒短縮する2.7秒で駆け抜け、最高速は330km/hに到達する。0~200km/h加速は、従来型を1秒短縮する8.9秒としている。
Posted at 2020/11/18 22:16:53 | |
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ポルシェ | 日記