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2021年02月23日 イイね!

国内競技は良いとしてもニュルに行くのはね…仕方ない

国内競技は良いとしてもニュルに行くのはね…仕方ないスバル 新型「BRZ GT300」正式公開 2021年シーズンのモータースポーツ活動計画も発表

スバルとスバルテクニカインターナショナル(STI)は2021年2月22日、富士スピードウェイで今シーズンのスーパーGT選手権に出場するニューモデル「BRZ GT300」を正式に公開し、同時にスバル/STIの2021年モータースポーツ活動計画の発表を行ないました。

関連記事:SUBARU STI 2021年モータースポーツ活動発表 平岡社長インタビュー
関連記事:SUBARU BRZ GT300 2020総括、そして2021シーズンにむけて
関連記事:スーパーGT2021 SUBARU BRZ GT300新チーム代表 小澤正弘総監督インタビュー

2代目BRZをベースにした新型BRZ GT300

スバルは2020年11月にアメリカで2代目となる新型BRZのワールドプレミアを行ない、日本では今秋発売予定となっています。この新型BRZのボディワークをいち早く採用したのが、今回お披露目されたスーパーGT GT300クラス用のニューマシン「BRZ GT300」で、公開された富士スピードウェイではテスト走行も行なわれました。

実は、この新型「BRZ GT300」は、すでに2月2日~3日に岡山国際サーキットで、テスト走行を行ない、2020年のタイムを上回る好調さを見せていますが、このときは非公開テストで、今回がメディア向けに正式公開となっています。

新型BRZ GT300は、ベースモデルの市販車2代目BRZのボディフォルムを採用することで、従来よりフロントノーズが低められ、さらにエンジンルーム内のエア抜き、リヤのタイヤハウスからのエア抜き性能を向上させるなどにより、ダウンフォースを強化するなど空力性能を改善しています。

またエンジン搭載位置をより後退させ、ドライサンプのオイルタンク位置の低下、フロントのサードダンパーの取り付け位置の適正化など細かな改良が加えられ、よりコーナリング性能を高めています。

注目のパワーユニットは、今秋発売される新型BRZにはFA24型が搭載されていますが、新型BRZ GT300は実績のあるEJ20型が継続使用されています。

新型エンジンの研究はしているものの、まずは実績重視作としてEJ20型を選択し、エンジンの構成は大きな変更は行なわれていません。したがってパワーも同等となっています。なお、今回の正式公開の時点では新型BRZ GT300の諸元は発表されていません。

2021年モータースポーツ活動計画

スーパーGT選手権GT300クラスに参加する新型BRZ GT300のチーム体制では、これまでの渋谷真総監督に代わり、新たにエンジン担当だった小澤正弘氏が総監督に就任しました。

ドライバーは井口卓人選手、山内英輝選手で変更なし。チーム運営はR&D SPORTで、これも変更ありません。

全日本ラリー選手権は、JN1クラスでWRX STIで参戦している新井敏弘選手、新井大輝選手、鎌田卓麻選手の3名をサポートします。

またGAZOOレーシング86/BRZレースでは、CG ROBOT RACING TEAMがからプロフェッショナルシリーズに出場する久保凜太郎選手、手塚祐弥選手のドライバー2名をサポートします。

STIのレース活動で重要な位置づけのニュルブルクリンク24時間耐久レースは、前年から準備が進められ、すでにテストも行なわれています。

レースの開催日程は、今年は暫定ながら6月3日~6日の開催と想定されていますが、世界的な新型コロナウイルス感染拡大の状況を考え6月の参戦は見送りとしています。しかし現地の情勢も流動的で、もし6月の予定がスライドして秋の開催となるようなことになれば、STIの参戦もあり得るとしています。


SUBARU STI 2021年モータースポーツ活動発表 平岡社長インタビュー

スバル/STIの2021年のモータースポーツ活動について、またコンプリートカーなどの商品ラインアップも含めたインタビューを、STIの平岡泰雄社長に聞くことができた。

モータースポーツの位置付け

編集部:最初にスバル/STIが考えるモータースポーツについて、どんな位置づけとして参戦をしているのでしょうか。

平岡社長(以下敬称略):そもそもSTIの存在意義として最上位にあるものは、SUBARUのブランドを押しあげるということで、その手段のひとつとしてモータースポーツがあります。とりわけファンとのコミュニケーションとしては有効な方法だと考えていますので、継続参戦していきます。特にスーパーGTとニュルブルクリンク、ラリー参加者への支援といったものに力を入れてきました。将来的にもっと有効なファンコミュニケーションが可能なものがあれば、シフトする可能性はありますが、現時点ではモータースポーツが大事だと考えています。とくに、今季のスーパーGTでは無観客だったり、入れても数戦だけの観戦という、厳しい状況でしたが、多くのファンの方に関心を持っていただけたことには感謝しています。


編集部:参戦する以上優勝することが目標だと思いますが、参戦目標をカテゴリーごとに教えて下さい。

平岡:スーパーGTのGT300クラスに引き続き参戦します。2021年に関しては、トラブルを出さずに、リタイヤせず最後まで走り切ることが最低限のことで、最後までお客様に見ていただくことが大事だと思います。そしてその上にあるのが、勝つということで表彰台に登ることです。

2020年はいろんな施策を打ちまして、信頼性は上がりましたが、まだ、十分ではありません。あまり表に出ませんでしたけど、マイナーなトラブルがいくつか出ていました。それでも、シーズンを通して見れば戦闘力は向上したと思います。速さに関しては、2020年は路面温度が非常に極端で、中盤戦は路面温度が高すぎて、また第8戦は低すぎて結果を出せなかったですね。しかし昨年の経験は必ず今年の戦いに活きてくると考えています。

2021年のニュルブルクリンク24時間レースは一旦見送ることにしました。コロナの感染状況次第ですが、改善されれば参戦には前向きに考えていきます。

ニューマシン投入のスーパーGT BRZ GT300

編集部:2021年のスーパーGTではBRZ GT300マシンが新型になるということですが。

平岡:はい、2021年は新型車両になります。既に確認走行はしている状態で、エンジン搭載位置を後ろへ移動させ、重量物を車両の中心に集めるようなレイアウトで製作しています。前後の重量配分や左右のバランスなども考慮した設計になっています。狙いはこれまで以上のコーナリングマシンにしていくという目標です。パワートレーンはEJ20型を継続して搭載します。次世代エンジンの開発も進めていますが、デビューまでにはまだ時間が必要です。そのため、21年はEJ型を使います。それでも、まだまだこのエンジンでできる領域が残っているということがあり、エンジンそのものの戦闘力アップを狙っています。

編集部:ニューマシンの設計についてですが、これまでのR&Dスポーツとの関係はどうなりますか?

平岡:車体の設計・製造はR&Dスポーツで、剛性解析などはSTIでやってます。それとパワートレーンの供給というのは従来どおりの連携でやっていきます。

編集部:チーム体制についてですが、変更はありますか。

平岡:レース運営も従来どおりR&Dスポーツで、ドライバーも変更なく井口卓人と山内英輝で参戦します。それとチーム総監督を渋谷真から小澤正弘に変更します。

編集部:小澤さんについて教えて下さい。

平岡:小澤はWRCに参戦していたころからEJエンジンの開発をやっていた経験豊富なエンジニアです。渋谷が社内の年齢規定になったこともあり、若返りを図りました。小澤はチーム全体を見るような経験はありませんが、パワートレーンはレースにおいてキーになるポイントなので、豊富な経験と若さを生かした活躍に期待します。でも2020年はチームに帯同しパワーユニットを見てましたので、スムースに移行できると思います。

電動化への対応

編集部:スーパーGTに関しては次世代を見据えた参戦についてはいかがでしょうか。

平岡:スーパーGTは2021年からニューマシンになり、その先を見据えた開発も進めています。モータースポーツを通じてファンの皆様との交流は継続的にできるように取り組んでいます。加えてSTIとしてはモータースポーツの世界でも電動化の波が予測以上に早く進んできましたので、将来の電動化の準備も進めます。具体的には公表できる段階ではありませんが、電動化への準備はキチンと着手しています。

編集部:それと最近の報道などでCO2排出問題からモータースポーツがシュリンクすることを心配しているファンが多いようですが、逆に電動化される方向へシフトし、ますます活性化していくという方向になるのでしょうか。

平岡:そうですね、ガソリンエンジンは次第にシュリンクしていくと思いますが、電動化されても我々STIらしさを持って参戦し、ファンとのコミュニケーションもしっかり連携していく必要があると感じています。電動化されてもレースを楽しんで頂くことへの対応は必要だと思います。先日もDTMの電動化についての情報も得ましたが、ヨーロッパは動き出すと早いですね。

編集部:そうした電動化への対応もやっているというのは、非常に嬉しいお話だと感じます。

積極的にモータースポーツを通じてファンコミュニケーション

編集部:近年はスーパーGTへは積極的なレース参戦というより、マシン、機材、人材を流用して参戦といったイメージがあったのですが、平岡社長になってからレース活動が積極的になった印象です。そのあたりはSUBARUとの連携が変わったのでしょうか

平岡:2019年はスバルの中村社長はじめ多くの役員が現場に駆け付け、ファンコミュニケーションやチームの激励をやってくれました。やはり現場でのファンの方々の熱い声援を近くで見ると、本当に嬉しいし、熱い想いになります。今後もそのような現場の生の感覚を直接感じて頂くために、コロナ収束後は現場にお誘いしてみて頂こうと思っています。

編集部:そうした意味でもWRCジャパンが開催された場合、どのようなことが企画されていますか?

平岡:もちろん、開催されれば前向に検討し協力していくつもりです。19年はペター・ソルベルグさんに来てもらってトークショーを新城でやりました。2020年はWRXミーティングを企画していましたが、中止になってしまいました。ですので、2021年も開催するのであれば、何かしらの盛り上げ企画は考えるつもりですが、現時点は開催が確定していませんので、お伝えできるものはない状況です。

編集部:最後にモータースポーツ以外でコンプリートカーなど、今後の活動について教えてください。

平岡:スバルの工場生産されるインラインモデルに「STIスポーツ」を設定し、モデルを増やしていくというのは中期計画として決まっています。具体的な車種は言えませんが、これまで設定されていないモデルにも追加され、お客様の期待に応えていくつもりです。また特装車に関しても決まっていますので、期待してください。

編集部:新型車となるスーパーGT300マシン、そして将来の電動化スポーツと盛りだくさんのお話をありがとうございました。ご活躍を祈念しております。


SUBARU BRZ GT300 2020総括、そして2021シーズンにむけて

SUBARU BRZ GT300は2020シーズンをチームランキング6位、ドライバーランキン5でシーズンを終了した。そしてファンの間ではすでに新型BRZ GT300マシンの情報が飛び交っている。新型マシンを得て、期待が膨らむ一方で、コアなファンからは2020年マシンのポテンシャルの高さを理解し、ニューマシンとなるリスクはないのかなど、さまざまな声もある。

そこで、昨季総監督を努めていた渋谷真さんに、詳しく話を聞いてみた。

編集部:2021年はニューマシンになりますが、開発はいつ頃から始まったのでしょうか。

渋谷:具体的な時期は言えませんが、例年より早い段階で始まっています。2020年がコロナの影響で開幕が遅くなりましたが、同時進行していたイメージでいいと思います。

編集部:異例の早さですね。平岡STI社長からもスバルの中村社長や役員が度々レースを訪れて、ファンとの繋がりにおいてスーパーGTはとても大切なものだということと、STIの活動が重要なことが実感として伝わっているという話を聞きました。

渋谷:そうしたことも影響していると思いますが、これまでのBRZ GT300 はトラブルが多く出ていて、私がPGM、総監督になった2017年シーズンからはそのトラブルとの戦いという言い方もできると思います。

編集部:2020年は開幕戦こそリタイヤですが、それ以外のマシントラブルはないように思えますが。

渋谷:そうですね、年々早くなっていくFIA-GT3に追いつくために、かなりチャレンジせざるを得ず、その結果パワーユニット関連のトラブルが多く、会社としても組織や人材を含め対策が必要という判断がありました。その成果が2020年シーズンのマシンで、耐久性、信頼性を上げることができました。もちろん、ブーストを下げてエンジントラブルを避けるということもありますが、それではレースに勝つことができませんから、並行して解決していくというのが重要だったわけです。

編集部:エンジン以外に2020シーズン前から改良を加えていたとはありますか?

渋谷:トラブルを出さないことと、レースで勝つために、基本諸元を良くしたかったというのがありました。ダンパーやバネ、スタビラザーなどでセットアップが変わる部分もありますが、劇的には変わりません。いつでもどこでも速く走るために諸元を良くしたかったです。そのためにエンジン搭載位置を下げ、前後重量配分を検討し、同時にラップタイムシミュレーションを繰り返し、そうした中シャシーの弱い箇所が数箇所見つかり補剛や剛性解析をして走ったのが2020シーズン前のテストでした。




編集部:またボディ形状も変更したと思いますが。

渋谷:フロントの床下の空気の流れがポイントで、如何にきれいに後方まで流すかというのが大事ですが、水平対向エンジンは真下にマフラーがあり、タービンはラジエターの近くにレイアウトされています。そのため、エンジン房内の冷却も必要でした。ですから単に整流して、後方まで流すだけでは冷却不足になります。我々は、スプリッター形状を変更して実車とシミュレーションを繰り返しながら作りました。それが成功して結果を出すことができたというのも2020年仕様です。

編集部:そして迎えた開幕戦でトラブルが発生しリタイヤしています。このときの原因は何だったのでしょうか。

渋谷:エンジン系センサーのトラブルでした。以前にもセンサーのトラブルがあったので、一つ一つ丁寧に確認して、かなり神経質になっている中でのトラブルだったので、『なんで開幕戦で出るんだ』という私の気持ちの中では許しがたいことでした。なんのためにやってきたのか、というやり場のない状況でした。原因は、センサーの断線なのですが、完全に断線するとフェールセーフモードになって、走行はできます。だからリタイヤすることはないのですが、中途半端に微電流がながれていたので、フェール判定されなかったわけです。そこで誤信号が出ていて結果的に走行不能になってしまいました。こうした反省も踏まえて新型には改良した回線方法でセンサーが取り付けられています。

編集部:なるほど、そうした知見が新型マシンには搭載されているわけですね。そのあたりを少しお話しいただけますか。

渋谷:まず、私は総監督を退任し、後任に今季パワーユニットのリーダーをしていた小澤正弘に総監督が代わります。その小澤と話をしているのが戦い方です。マシンについては、小澤に聞いてください。それで、2020年のレース結果をいま分析していますが、チャンピオンを獲ったKondohレーシングのGT-R GT3の56号車は予選順位を上回る決勝リザルトが6回あります。65号車のLEON メルセデスAMG GT3は7回もあります。SUBARU BRZ GT300は3回だけなんですね。みなさんもご存知のように今季のBRZは予選ではいい成績が獲れています。ポールポジションもありましたし、苦手だった富士やもてぎも得意なコースにできるまで成長しました。でもチャンピオンは獲れませんでした。

編集部:これまでは予選でポールを獲得し、決勝では逃げまくる作戦でした。逆に戦略はそれしかできなかったという印象ですが。

渋谷:その通りだと思います。ですから第6戦、第7戦のときのように、セーフティーカーが導入されると上位に戻れない結果になるんだと思います。でもいつまでも、そのリスクを背負ったままではだめですので、そうした戦略の部分が今季のステージになると思っています。来季はそうした戦略面での進化を目指してマシン開発をしています。

編集部:2020年シーズンではウエイトハンディを搭載しても速かったし、良くも悪くもダンロップタイヤの影響が大きかったように見えますが、いかがでしょうか。

渋谷:まず、ウエイトハンディはこれまで経験のない重量ですが、物理的な問題は想像ができます。例えば慣性が増える分、ブレーキがきつくなるとか、コーナリングが悪化するとかですね。それ以外はなかなか想定の域を超えられないという状況でした。でも、ダンロップタイヤの新しいタイヤがドンピシャでハマったという印象です。特にウエイトを搭載していない第2戦で予選4位、決勝2位の成績が出せています。このときはまだ「苦手な富士」と言われていました。また115kgまで積んだときでも予選でポール争いができるまで速くなりました。ただ、路面温度によっては、十分に性能を発揮できない場合もありましたので、そこは課題です。でもそれは、ダンロップ側では原因と対策はあるようなので、来季には反映できると考えています。

編集部:逆に言えば車両重量が増えてもマシン本体は影響が少なかった?ということでしょうか?

渋谷:重くなってもそれを支えるタイヤ、シャシー、エンジン特性にはなっていたのは間違いないと思います。とくにレスポンスも改良したパワーユニットの効果があり、だから高いレベルで走りきれるマシンに仕上げることができたということで、それはR&Dスポーツ、ドライバー、ダンロップ、STIの信頼関係が構築でき、その信頼関係の中で作り上げることができた、ということだと思います。

編集部:それが2021シーズンのマシンにつながるということでしょうか。

渋谷:弱いところのあるシャシーにしない、空力はきれいに流し、かつ、冷却もキチンとする。そして重心を下げ、重量物をマシン中央に集め、マスを中央に集中させて諸元を良くするというのがニューマシンです。それと先程話した戦略の変更というのが来季の取組になると思います。

まとめ:渋谷真さんがリーダーとして4シーズン戦い、さまざまな成果を出してきた。それはマシントラブルの解決があり、組織、人材の変更まで広げた対応をした。それは2020年を見れば、その成果が出ていることが分かる。そしてR&Dスポーツ、ドライバー、ダンロップとの信頼関係もこれまで以上に強い絆が生まれている。

こうしたことはレースで勝つためには必須要件でもあり、その構築に費やした4年と言えるかもしれない。さらに、戦略の点でも幅広い作戦が獲れなかった理由に関し、データをオープンにしてGTA側へ伝え、その理解を得ることに努力してきたことは大きな業績と言えるだろう。これらを踏まえて開発している2021年マシンだからこそ、フルモデルチェンジとなったからリスクが大きいとは考えにくく、知見を活かし戦闘力アップしたマシンになっていると考えられるだろう。(マシン詳細は次回)

こうして2021年シーズンは開幕するが、これまで戦っていたステージを一段上の段へ引き上げた功績は大きい。今季のSUBARU BRZ GT300の戦いに注目だ。


スーパーGT2021 SUBARU BRZ GT300新チーム代表 小澤正弘総監督インタビュー

スバル/STIは2021年スーパーGTに新型マシンを投入した。市販車の新型BRZが2021年デビューすることもあり、レーシングカーも新車へと変わった。またチーム総監督は、これまでの渋谷真氏がシニアマネージャーとなり、新たに小澤正弘氏が総監督に就任。SUBARU BRZ GT300は新体制でシーズンに挑むことになった。

その小澤正弘氏とは、スバルがWRCにワークス参戦していたころのエンジン担当エンジニアで、ペター・ソルベルグや、クリス・アトキンソン、ステファン・サラザンらと世界を転戦していた経験がある。またEJ20型エンジンで参戦していたWRCでは、レギュレーションの変更で失ったパワーを取り戻すためのアイディアを、英国のプロドライブ社にぶつけ、説き伏せたことも知る人ぞ知る武勇伝だ。

スバルのWRC参戦プログラム終了後は、スーパーGTのGT300レガシィB4、2012年からのBRZにも関わり、2013年からニュルブルクリンクレースでは監督も努めている。

一時、スバル/STIを離れ、交通安全環境研究所やAVLでRDE試験法の開発を行なっていたが、2019年に渋谷真・前総監督に声を掛けられ、2020年にSTIへ復帰している。2020年はスーパーGTに帯同し、2021年からは総監督の立場でレースに参戦することになった。編集部の見立てでは、BRZ GT300が2020年パワートレーンで大きなトラブルがなくなったのは、小澤氏の参加が大きな成果のように映っている。

新型BRZ GT300は20年仕様の正常進化

編集部:小澤総監督、早速ですが2021年の新型マシンについて教えて下さい。市販車のBRZがフルモデルチェンジをしたので、GT300マシンも空力デザインが変更されていますよね?

小澤正弘総監督(以下敬称略):GT300のレギュレーション(JAF-GT)で基本形状は量産のサーフェースを残すことになっているので、変更できる部分は限られています。拡幅した場所とレギュレーションで許可された部分を変更しますが、冷却とダウンフォースに注力したマシン設計になっていまして、20年仕様を正常進化させたのが21年仕様です。

編集部:具体的に教えていただけますか。

小澤:エンジン房内の冷却と整流というのがポイントで、ラジエターやインタークーラーの冷却のためのダクトを見直し、エンジンルーム内の乱流の影響を抑えています。そして吸い出し効果を高めるような設計にしました。房内の空気がマシンの下に流れてしまうと揚力になって、最悪な状況になるので、房内の空気はなるべく上に吸い出します。そうすることでダウンフォースとして働きます。ですので、ボンネットのスリットの数とか形状が変わりました。

それと、リヤ周りも変更しています。リヤディフューザー周りの形状を変更してリヤタイヤ周りの空気の抜けを変更しています。そうすることでダウンフォースを得て、またコーナリング時のダウンフォースにも期待できると考えています。ですが、まだ最終的なデザインは決まっていません。これからCFD解析を繰り返し、そして実走行をすることでドライバーのフィーリングを聞きながら変更をしていく予定です。

EJ20型エンジンに進化はあるのか

編集部:小澤総監督はエンジンが専門分野ですが、今季も流用となるEJ20型の改良はあり得るのでしょうか?歴史あるエンジンで、やり尽くしたという話も聞きますが。

小澤:まだまだできることはたくさんありますが、ここ数年はトラブルが多かったので、耐久性を重視する方向でチューニングしています。また2020年以前のBRZ GT300はトップスピードが遅く、ストレートで抜かれることもあって、だからエアロを変えたりして苦労してきましたが、2020年のレースを見ると、最高速度はGT3勢より少し遅いのは事実ですけど、ストレートで一気に抜かれるほどでもなく、拮抗した性能でどのレースも戦うことができました。

ですから、まだまだ可能性を残していますし、手を入れていけば十分戦闘力はあると思います。その理由ですが、2020年仕様のエンジンは、ターボのセットアップを変更し成果が得られました。ですので、今季もその方向で、よりいい方向にいくように変えていこうと思います。

編集部:ターボの変更というのは、具体的にどんなものでしょうか?

小澤:ドライバビリティを重視しています。これまで低速トルクがなくて、急に加速するという、小排気量ターボ特有の乗りにくさがありました。唐突に反応するのは乗りづらいですから微小なスロットル開度にきちんとエンジンが反応するようにしました。微小な開度に反応していればタイヤに荷重がうまく掛けられ、ドライバーはコントロールできます。そうした変更をしていました。

それを今季はもっと低速トルクの立ち上がりを良くする、ターボレスポンスを上げるといった方向でチューニングします。また、アンチラグはタービンの回転制御を正確に行って、レスポンスを上げることをしていました。今後は、タービンサイズの変更を考えています。サイズを上げてレスポンスを良くするという背反性能になりますが、そこを追求することになると思います。そうすることで、コーナー出口でアクセルを開けるタイミングが早くなり、ストレートで抜かれるということは起こりません。逆にコーナリング速度が上がり、BRZの特徴に磨きがかかると考えています。

将来技術も見据えた開発

編集部:GT500ではプレチャンバー技術(副燃焼室燃焼)が投入されていますが、そのあたりはいかがでしょうか?

小澤:レースエンジンにもトレンドというのがありますから、高速燃焼や希薄燃焼(リーンバーン)という技術は必要だと思います。特に直接シリンダーへ噴射せず、ポート噴射でも適応できるのではないかとか検討していて、将来技術として、もっと高速燃焼するエンジンにはしていきたいと考えています。

戦略の広がり

編集部:次に戦略についてお伺いしたいのですが、これまではピットストップの時間が長いため、最初のスティントで逃げるだけ逃げ、ピットタイムロスを最小限にするという作戦でした。もっと言えば、それ以外作戦がとれないという状況にも見えました。今季も同様の展開を想定しているのでしょうか?

小澤:今年の目標は全戦でポイントを獲ることです。これまでは予選が速くても結果につながらないこともあり、より決勝を重視したセットアップが必要だと考えています。ライバルチームの中には予選はあまり重視していないのではないかと思えるほどに予選で下位にいても、決勝では必ず上位を争っているチームがいます。

BRZでそうした戦略にするには、ロングランで速く走るセットアップを作ることだと思います。マシン作りとしては、ロングで走ったときにどういう性能で安定させるか、タイヤに優しくアベレージで速く走るといったセットアップを探すことになります。また、レースによっては予選が重要になる場合もありますが、予選のセットアップはすでにデータもありますから、今季はロングランを重視していきたいです。

編集部:タイヤについてはいかがでしょうか? 20年はブリヂストン勢のタイヤ無交換作戦がある中、ダンロップが苦しんだようにも見えますが。

小澤:そうは言っても夏の暑いときはダンロップが優勢だったと思いますし、逆にウオームアップではBSよりダンロップのほうが有利だと思います。ただ、最終戦の異常な低温ではBSが強かったことは感じますが、それぞれ得意、不得手があるのだと思います。ですから、ダンロップらしいところをさらに伸ばして、2本交換で戦えるようなタイヤ開発で相談をしています。

ダンロップとは走行データやタイヤデータを共有し、非常にいい関係が築けていると思います。お互い開発領域なので、公表できないものがある中でも情報共有が広い範囲でできていると思うので、期待しています。

全戦ポイント獲得が目標

編集部:2020年はシリーズチャンピオンがもう少しで手に入るシーズンだったと思いますが、今季は明確な狙いになっていそうですね。

小澤:全戦でポイントを獲得という目標が達成できれば、ある程度結果はついてくると思います。そのためにできることを全力投入しますが、そうした新しいことへのトライができるのもJAF-GTの魅力だと思います。というのは、改良の余地があるという意味で、メカニックの腕やチーム力でさらに速くすることができると思いますが、GT3だと手を入れられる範囲が限られています。ですので、できる限りの知恵と技術を投入していきたいと考えています。もっと言えば、今は、GT300の中心はFIA GT3ですが、JAF勢がもっと増えるレースになれば、レースガレージの技術力も高くなるし、ものづくり日本としてもいい方向に行くと考えています。

編集部:ありがとうございました。今季のシリーズチャンピオンに期待したいと思います。


今年こそ王者なるか!? SUBARU BRZ GT300 シェイクダウンイベント開催!

 BRZでスーパーGT選手権に参戦しているスバルは、「NEW SUBARU BRZ GT300シェイクダウンイベント」を2月22日(月)にLIVE配信する。

 例年、ファンの注目度の高いシェイクダウンイベントだが、コロナ禍の今年は、スバルYouTube公式ちゃんねる「SUBARU On-Tube」でのライブ配信となる。

 レース実況でおなじみのピエール北川氏による進行のもと、プローバ代表取締役社長、吉田寿博氏の解説とともに、今シーズンのドライバー陣をはじめ、モータースポーツ体制の発表やSUPER GT 2021参戦車両のカラーリングが初公開される必見のイベント。

文/ベストカーWeb編集部、写真/SUBARU

【画像ギャラリー】今年はますますかっこいい! 新型BRZ GTマシンに高ぶる!

新型GTマシンを初お披露目

スバルファン待望のニューマシンがついに見られる!!

 ニューマシンによるオンボード映像やコースサイドから映した迫力満点の走行シーン、ドライバーへのインタビュー映像、そしてSUPER GTドライバー・監督・メカニックによるトークショーなどが予定され、2021スーパーGT選手権開幕戦(4月10~11日/岡山国際サーキット)に向け、テストを繰り返すチームの緊張感漂う様子を感じることができる内容となっている。

【2/22配信プログラム】

(13:40~)
オープニング
2021モータースポーツ体制発表
(14:00~)
SUPER GT 2021 参戦車両シェイクダウン走行
・オンボード映像配信
・吉田寿博選手・ドライバーによる走行解説
・監督、ドライバーインタビュー
(15:00~)
NEW SUBARU BRZ GT300マシン紹介&トランポカラーリング紹介&GT GALS BREEZE 2021メンバー発表
(15:30~)
SUPER GT 2021 監督、ドライバー、メカニックによるトークショー
※内容・時間は予告なく変更となる可能性あり。

イベント概要はコチラ!

今年こそチャンピオンを狙えるか!?

イベント名:NEW SUBARU BRZ GT300 シェイクダウン オンラインイベント

開催日時:2021年2月22日(月)日本時間13:40~16:15

(終了時間は変更となる可能性あり)

配信方法:SUBARU公式YouTubeチャンネル内にてライブ配信

出演者

MC:ピエール北川、吉田寿博

ドライバー:配信当日に発表

BREEZE:配信当日に発表

その他:SUPER GT新監督、メカニック

(順不同・敬称略/出演者の一部はビデオレター形式での出演となる予定)

※イベント内容、出演者は変更となる可能性あり。

配信はSUBARU公式YouTube「SUBARU On-Tube」からどうぞ。


【スーパーGT】新型BRZの魅力は“かっこ良すぎる”見た目以外にも……内装にもドライバビリティ意識した数々の工夫アリ

 SUBARU及び同社のモータースポーツ統括会社スバルテクニカインターナショナル(STI)は2月22日、2021年のモータースポーツ活動計画について発表。スーパーGTのGT300クラスに新型BRZを投入して参戦することを改めて明らかにした。同日に行なわれたライブ配信では、新型BRZに隠されたこだわりの一端が垣間見えた。

 この日富士スピードウェイでは、新型BRZのシェイクダウンが実施されており、その様子もファンに向けて配信された。61号車SUBARU BRZ R&D SPORTのドライバーとして長年チームを支える井口卓人はその中でインタビューに応えたが、そこで見せた持ち前の明るい表情は、新型BRZの仕上がりの良さを感じさせた。

「けっこう順調です。環境もすごくいいので色々と試せていますし、いいんじゃないかなと思います」

 昨年の61号車BRZは第7戦もてぎでのポールポジションをはじめ随所で速さを見せ、優勝を狙えるポテンシャルがあることを見せつけたが、レースではセーフティカーなどの不確定要素にも悩まされ未勝利。タイトルも逃す形となった。そういったこともあり、新型BRZで臨む2021年シーズンへの思いは強いようだ。

「去年はセーフティカーなどの影響で自分たちの思ったレースができなかったので、どうしようもない事とはいえ、悔いの残る結果となりました。チームが速いクルマを作り上げたにも関わらず、結果が残らなかったというもどかしさもあったので、このクルマにはものすごい愛情が注がれていて、良い部分がすごく出ています。運も手繰り寄せながら結果に繋げたいですよね」

 今回明らかになった新型BRZの2021年版カラーリングは、昨年から配色が変更されており、そのボディ形状と相まって見目麗しいものとなっている。それは井口本人も「かっこ良すぎません?(笑)」と自画自賛するほどで、ドライバーのさらなるモチベーションに繋がっているようだ。

 もちろん、BRZが進化したのはその容貌だけではない。ドライバビリティを向上させるため、内装でいくつかの変更があったようだ。井口は次のように語る。

「シートを自分の身体にフィットするような形にすることができました。僕の身長が低い分、新たにパッドを入れないといけなくなったのでピット作業は少し大変になりますが、乗りやすい状態で乗れるようになったのはドライバーとして嬉しいです」

「僕とチームメイトの山内(英輝)選手は身長差が5cmほどありますが、去年は同じドライビングポジションで走っていました。彼も我慢していたでしょうし、僕も妥協して我慢していた部分もありましたが、今回シートをイチから作るということで、ふたり共良い状態のシートを追求することができました」

「センターのディスプレイも分かりやすくなりました。画面が大きくなったことで情報が分かりやすくなりましたし、位置も話し合いながら調整していきました。文字の色も変えられますが、カラフルにすると見にくいことが分かったのでほぼ単色に落ち着きました(笑)」

 レース中、迅速かつ効率的に情報を得る上で、ディスプレイの機能性の確保は不可欠。このディスプレイを含めた内装に関して、今季からチーム総監督を務める小澤正弘が解説した。

「ドライバーが快適な形で全てのインフォメーションを確認できるようにする、というのがやはり重要なので、今回新型車両を作るにあたって、そういった部分にはこだわっています」

「ステアリングのスイッチひとつにしても、ドライバーがグローブをしていてもスイッチが入ったことが分かるようなクリック感が大事です。それがないと、押したつもりが押せていなかった、ということが起こりますから」

「あとはディスプレイを大きくしてより多くの情報を得られるようにしたのと、センターパネルのスイッチの場所を自由に割り付けて変えられるようにしたりと、利便性を高めて操作のミスが少なくなるようなものに変更しました」

 そう語った小澤総監督。新型車両にスイッチするタイミングだからこそ出来ることがたくさんあるという。

「特にハーネス類は車両の中を全部通っているので、クルマを最初に作る時にやるのが一番良いんですよ。今回は電装系の設計も大きく変えました。これまでトラブルの多かった部分をトラブルがないように、仮にどこかでトラブルが起きてもその他の部分には影響を与えず最後まで走れるように、という感じですね」

 進化を遂げた新型BRZがどんな活躍を見せるのかにも注目が集まるGT300クラス。2021年のスーパーGTは3月に岡山国際サーキットと富士スピードウェイで2度の公式テストを行なった後、4月10日、11日に岡山で開幕戦が開催される。


【スーパーGT】SUBARU、2021年GT300クラス参戦体制を発表。”コーナリング”マシンで王座獲得を目指す

 SUBARUと同社のモータースポーツ統括会社であるスバルテクニカインターナショナルが、2021年のモータースポーツ活動の詳細を発表した。その中で、スーパーGTのGT300クラスには、昨年同様井口卓人と山内英輝のコンビで挑むことを明らかにした。

 昨年は44ポイントを獲得してドライバーズランキング5位になったものの、優勝には手が届かなかった#61 SUBARU BRZ R&D SPORT。今季は新型のSUBARU BRZをベースとしたニューマシンで、GT300クラスに挑むことになる。

 このニューマシンは、チームのプレスリリースによれば”ライトウェイト・コーナリングマシン”がコンセプト。「これまでのレースで磨き続けてきた技術と知見を余すことなく盛り込む」としており、目標は全戦でポイントを獲得し、その結果としてシリーズチャンピオンを手にすることだとしている。

 ドライバーは、すでにスーパーGT発表のエントリーリストにも記載されていた通り、昨年から引き続き井口と山内のコンビ。2015年から、7年連続の組み合わせということになる。チームの運営は引き続きR&D SPORTが務めるが、チーム総監督は渋谷真から小澤正弘に交代するという。

 この後13時40分から、SUBARUはオンラインでも2021年のモータースポーツ参戦概要を発表する予定としており、ニューマシンのシェイクダウンの模様も公開されることになっている。


STI、モータースポーツの電動化に備え準備中。”STIらしさ”を持って……

 スバルテクニカインターナショナル(STI)の平岡泰雄社長は、同社の2021年モータースポーツ概要発表の場で、将来モータースポーツが電動化するのに向けた準備を進めていることを明かした。

 富士スピードウェイからのオンライン発信という形で、STIはスーパーGTをはじめとする2021年のモータースポーツ参戦概要を発表した。プレゼンターを務めた同社の平岡社長はその中で、将来のモータースポーツについて言及。STIとしても、電動化への対応を準備していると発言した。

 フォーミュラEなど、欧州を中心に電動マシンを使ったレースが増え始めている。特にフォーミュラEは、2020-2021シーズンからF1やWRCと並びFIAの世界選手権レースになることが決まっている。また、電動SUVを使うレースシリーズであるエクストリームEも4月に開幕予定であるなど、電動化の波は確実に押し寄せている。

「エンジンを使ったレースが次第に縮小されていくことが予想される中、電動化の波も押し寄せてきています。欧州のモータースポーツの電動化への取り組みも、盛んになりつつあります」

 平岡社長はそう語った。

「モータースポーツが電動化されても、我々はSTIらしさを持って参戦し、ファンのみなさんとのコミュニケーションを取ってしっかり連携し、楽しんでいただくことが重要だと考えています」

「残念ながら本日は、具体的に発表できるモノはありませんが、そうした電動化への対応も準備していることをお伝えしておきます」


新型BRZ GT300マシンを激写! 空力良好な新型ボディで戦闘力アップ! 気になるエンジンは?


2月22日、株式会社SUBARU/スバルテクニカインターナショナル株式会社(STI)は富士スピードウェイにて今シーズンのスーパーGTに参戦する車両、新型BRZ GT300のシェイクダウンおよび報道機関向けの取材会を実施した。

2021年シーズンを戦う車両はベースモデルのフルモデルチェンジに伴い刷新され、これまでも動画などでその走行シーンなどが発信されてきたが、今シーズン用にカラーリングされたマシンの公開は今回が初めてとなる。ドライバーは昨年に引き続き井口卓人選手、山内英輝選手の2名。R&D SPORTが運営を担当する。総監督は渋谷真氏から小沢正弘氏に引き継がれた。

取材会の冒頭にスバルテクニカインターナショナル株式会社 代表取締役社長の平岡泰雄氏はSTIの存在意義をSUBARUブランドへの貢献だと強調。とりわけモータースポーツ活動を通じてのファンとのコミュニケーションは重要な施策だと語った。

さて、ファンとの絆を紡ぐべく開発された新しいSUBARU BRZ GT300を早速見てみよう。

全体のフォルムは市販車との関係性が重視されたGT300のレギュレーションにのっとったもので、すでに北米などで発表された新型BRZのレーシングバージョンそのものだ。メカニズムは昨年モデルを踏襲したもので大きな変更はないとのこと。気になるエンジンも引き続きEJ20型を搭載する。

ベースモデルが新型になったことで大きく変わったのは空力特性だ。GT300のマシンはもともと前後に大きなスポイラーやウイングを備えているが、それでもノーズやリアトランク後端の形状の効果は大きいという。ベースモデルの日本での発売も気になるところだ。

またボディ後端のタイヤが露出したボディ形状も、新たに採用されたデザイン。先日北米で公開された新型モデルを見るかぎり、サイドの後端がキックアップした特徴的な形状は、GT300のマシンでもSTIのシンボルカラーでもあるチェリーレッドのラインで表現されている。

なおボンネットにもSTIが中軸であることを表現したラインがスッと引かれていて、その両サイドのブラック/グレーのラインは水平対向エンジンを表しているという。

小沢正弘総監督によると、マシンの速さが結果には結びつかず悔しい展開が多かった2020シーズンのBRZだが、その進化は十分感じ取れたシーズンでもあったという。今回の新型はその正常進化版といえるものだが、各パーツの取り付け位置やドライバーが操作するスイッチなどの操作感など細部は相当作り込んでいるとのことだ。

井口、山内、両ドライバーともに新型マシンについて、現時点でも昨年のように乗れて相当いいフィーリングだと語っている。あとはタイヤとのマッチングを考えながら今シーズンの開幕戦に向けセットアップを煮詰めるという。

井口選手は、山内選手とはもう7年間コンビを組んでいることに触れ、「結婚してまだ5年、妻より長く付き合っているこのコンビでぜひとも結果を出したい!」と仲良しコンビらしい抱負を語った。

チームの目標は「全戦ポイントゲットでチャンピオン」とあくまで一番高いところを目指す。六連星のエンブレムを持つスバルのマシンがナンバーワン!との想いを込めたゼッケン「61」。スバルファンやチームの想いが詰まったマシンでの初戦は4月10日~11日、岡山国際サーキット。その走りが今から楽しみだ。

なお、SUBARUは例年1月に幕張メッセで開催されている東京オートサロンでモータースポーツの体制発表を実施してきたが、今年はオートサロンが中止。そのため、今回の取材会で体制発表が行われた。その模様は追って報告する。

〈文と写真=高橋 学〉


新型 BRZ GT300 が登場!…スバルSTIが2021年のモータースポーツ体制を発表

スバル・STIは22日、2021年のモータースポーツ体制を発表した。2021年のSUPER GT選手権は新型「BRZ GT300」で参戦すると発表した。またニュルブルクリンク24時間レースは残念ながら参戦を断念することを合わせて発表した。

SUPER GT選手権はベースとなる市販車の『BRZ』が日本国内での販売を終了しており、新型BRZがワールドプレミアされているなかで、国内でも新型BRZが遠からず発表されると思われる。SUPER GTにおいてはベース車両の変更に伴い、SUPER GT参戦車両も新型BRZをベースとされるマシンに変更された。2021年「ライトウエイト・コーナリングマシン」をコンセプトに、これまで磨き続けてきた技術と知見を盛り込む事で、全戦ポイント獲得し、シリーズチャンピオンを獲得するとしている。

チーム総監督を今までの渋谷真氏から、昨年まではパワートレインの責任者だった小澤正弘氏に交代することも発表された。

スバルを象徴するWRブルーをベースに、赤、黒を交えたカラーリングとなり、昨年のカラーリングからガラッとイメージを変更したデザインとなった。センターにはスバルの絆を示す赤のラインが入り、その横に水平対抗をイメージした黒と白のラインが入っている。合わせてマシンを運ぶトランスポーターのデザインも刷新され、マシンを運ぶとはブルー一色になるが、サーキットに到着して展開すると真ん中にピンクのデザインが現れる仕様となっている。

SUPER GTのドライバーは昨年までと同様に井口卓人・山内英輝選手がドライブする。また全日本ラリーは新井敏弘・新井大輝・鎌田卓麻選手がWRX STIで参戦する。86BRZレースにおいては、昨年チャンピオンを獲得した久保凛太郎・手塚裕弥選手をサポートする。

ニュルブルクリンク24時間レースは新型コロナの影響を鑑みて、今年6月の参戦を見送りとした。しかし技術開発や人材育成において非常に重要な位置付けとしており、参戦が叶う状況になれば、再度参戦を検討するとしている。


スバル、ニュル24時間参戦を見送り…SUPER GTには新型BRZ GT300 で参戦

SUBARU(スバル)とスバルテクニカインターナショナル(STI)は2月22日、2021年のスバルモータースポーツ活動についての概要を発表。ニュルブルクリンク24時間耐久レースへの参戦を見送ることを決定した。

両社は「第49回ニュルブルクリンク24時間耐久レース(6月3~6日)」のSP3Tクラスへの参戦を計画していたが、世界的な新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)感染拡大の状況に鑑み、今年6月の参戦は見送り。しかし、同レースへの参戦は技術発展および人材育成において重要な活動という位置付けに変わりはなく、参戦が叶う状況になり次第、再度検討するとしている。

SUPER GTシリーズについては、GT300クラスに新型『BRZ』をベースとした「SUBARU BRZ GT300」で引き続き参戦する。チーム総監督は渋谷真から小澤正弘に交代。チームは2020年に引き続き「R&D SPORT」が運営、ドライバーは井口卓人選手と山内英輝選手の2名体制で臨む。2021年の参戦車両は「ライトウェイト・コーナリングマシン」をコンセプトに、これまでレースで培ってきた技術と知見を盛り込むことで、全戦ポイント獲得、シリーズチャンピオンを目指す。

全日本ラリー選手権では、JN1クラスに「WRX STI」で参戦する新井敏弘選手、新井大輝選手、鎌田卓麻選手の3名をサポートする。昨シーズンは、新井選手が同クラスで最年少シリーズチャンピオンを獲得。また各競技会場にて、SUBARU特約店から選抜されたメカニックが協賛選手の競技車両メンテナンスサポートを実施する。

また、GAZOOレーシング 86/BRZ レースにスバルからCG ROBOT RACING TEAMがSUBARU BRZ RA Racingで参戦し、プロフェッショナルシリーズで久保凜太郎選手・手塚祐弥選手のドライバー2名をサポート。また各レースでスバル特約店から選抜されたメカニックがチーム車両メンテナンスサポートを実施する。



モータースポーツも電動化の準備着々。スバル/STIが2021年のモータースポーツ体制発表。ニュル24hは参戦見送り

2月22日、株式会社SUBARU/スバルテクニカインターナショナル株式会社(STI)は富士スピードウェイにて今シーズンのスーパーGTシリーズを戦う車両SUBARU BRZ GT300の発表および、2021年のモータースポーツ活動についての概要を発表した。モータースポーツ活動については例年1月に幕張メッセで開催する東京オートサロンで発表されてきたが、開催の中止を受け富士スピードウェイでの発表となった。

なお、スーパーGTシリーズへの参戦車両については別記事をご覧いただきたい。

■ニュルブルクリンク24時間レース

●2021年シーズン参戦に向けてテストも行われてきたが…苦渋の決断

スーパーGTシリーズとともにSTIのモータースポーツ活動の中核をなすニュルブルクリンク24時間レースへの参戦だが、新型コロナウイルス感染症の状況を鑑み、今年の参戦は見送られた。STI代表取締役社長 平岡泰雄氏によると今シーズンの参戦を目指しマシンの準備に全力進めてきたので参戦の中止は苦渋の決断だったが、一方でこの先状況が変化すれば再度検討する余地を残しているとのことだ。

現状では2年連続での参戦中止となってしまったが、技術の蓄積、人材の育成においてこれからもニュルブルクリンク24時間レースはSTIにとって重要な位置付けに変わりはないと述べた。

なお今年は6月3~6日に開催が予定されている。

■全日本ラリー選手権

●2020年全日本ラリー参戦車両(写真は東京オートサロン2020 新井敏弘車)

全日本ラリー選手権については、JN1クラスにWRX STIで参戦する新井敏弘選手、鎌田卓麻選手、そして昨シーズン同クラスの最年少チャンピオンに輝いた新井大輝選手の3名をサポートする。また、各競技会場でSUBARU特約店から選抜されたメカニックが3名の競技車両のメンテナンスサポートを行う。

■Gazoo Racing 86/BRZレース

●2020年、SUBARU BRZ初のシリーズチャンピオンとなった久保凛太郎選手

トヨタ86、スバルBRZで競われる国内最大級の規模を誇るワンメイクレース「Gazoo Racing 86/BRZレース」ではCG ROBOT RACING TEAMからスバルBRZ RA Racingで参戦する久保凛太郎選手、手塚祐弥選手の2名をサポートする。ちなみに2020シーズン、久保凛太郎選手はこのレースにおいてスバルBRZに初のチャンピオンをもたらしている。なお、全日本ラリー同様各レースにてSUBARU特約店から選抜されたメカニックが競技車両のメンテナンスサポートを行う。

■レーシングマシンの電動化について

●参考:昨年1月に行われたSUBARU技術ミーティング

参戦発表ではSTI代表取締役社長 平岡泰雄氏は自動車の電動化について「モータースポーツが電動化されましても、我々STIはSTIらしさを失わずファンの皆様とのコミュニケーションを大切にし、このコミュニケーションを通じて楽しんでいただきたい。また、これが非常に重要だと考えております」と述べた。

また現在電動化についての準備を着々と進めていると現状を伝えた。

なお、電動化についての具体的な内容、およびそれに伴うガソリンエンジン開発への影響などについては語られなかった。

■2021SUBARU BRZ GT GALS “BREEZE”発表

発表会では今シーズンのスーパーGTレースクイーン「BREEZE」のメンバーが発表された。

●左から平野杏梨さん、須藤セリナさん、あやきいくさん、津田知美さん

〈文=高橋 学 写真=高橋 学/STI〉
Posted at 2021/02/23 22:56:50 | コメント(0) | トラックバック(0) | 富士重工 | 日記
2021年02月23日 イイね!

軽自動車に4人以上乗っているっていうのはどの座席に何人乗っていたのやら??

軽自動車に4人以上乗っているっていうのはどの座席に何人乗っていたのやら??若者が8人乗りの軽自動車で起こした事故! 運転技量以前に「事故って」当たり前の状況とは

 乗車定員に合わせて安全に走れるよう開発されている

 高齢ドライバーの運転適正について、その是非が論議されていることは広く知られるとおりだ。高齢化による身体機能の衰えが、安全に自動車を走らせる上での大きな障害になるというのがその争点だが、逆に、若年層ドライバーに対しては、運転技量の未熟さを取り沙汰する傾向があるようだ。

 たしかに、運転経験が少ない分だけ運転技量は未熟という言い方はできるのだが、もう少し正確に表現するなら、自動車の動きに対する経験値の不足と言い替えるべきだろう。

 正直なところ、運転技量の巧拙は、免許取得年数に比例するものではない。何年運転していようが、ダメな人はダメであり、上手い人はたちどころに技量を上げているからだ。実際、日常自動車を走らせる上で、運転技量の巧拙が大きな問題となるケースはほとんどない。

 それよりも、やはり効いてくるのは経験値の積み重ねの有無だ。たとえば、定員をはるかに超す人数で乗車した軽自動車が事故を起こした、というニュース報道を耳したこともあるが、これなども運転技量の巧拙が事故に直結した、とは言い難いからだ。

 もちろん、卓越した運転技量であれば、多人数乗車の軽自動車でも、事故を起こさずに済むかもしれないが、なにより軽自動車の運動特性が、物理限界の面で相当危うい状態にあった、という事実のほうが重要である。

 記憶に残る例として、運転免許を取得してから日も浅いドライバーが、仲間と8人で軽自動車に乗り込み、コースアウトして衝突、大きな事故となったケースだ。車種が何であったかは確認できなかったが、2シーターのコペンやS660、あるいは軽トラでないことは確かで、物理的に8人が乗り込める空間スペースを有する車両ということで間違いないだろう。

 さて、クルマには走る、曲がる、止まるという基本の運動3要素があるわけだが、これと車両重量の関係について着目したい。8人が乗車できたということだから、ミニバンタイプを想定してよいと思うが、各メーカーの当該車両のデータに目をやると、700kg台中盤から900kg近い空車重量となっている。この数字を元に、乱暴だが冷却水とオイル、ガソリンを満タンの状態にして850kgの車両重量だったとしよう。

 定員は4名。データは少し前のものとなるが、厚労省発表の平成30年の統計データによると18~20歳男子の平均体重は62~63kgとなる。1人62.5kgとして4人で250kg。これに車両重量の850kgを足すと1100kgとなる。一方、8人乗車では1350kgとなり、定員乗車よりじつに19%の重量増となる。

 想定を超える重量増は安全走行を阻害する

 エンジン出力を55馬力とした場合、8人乗車の場合パワーウエイトレシオは24.5kg/馬力となり、相当緩慢な加速性能となるが、問題は、曲がると止まるの2要素だ。曲がる、つまり遠心力、止まる、つまり制動力の問題だが、ともに質量に比例、速度の2乗に比例して大きくなるため、想定車重よりはるかに重くなった車両では、曲がらない、止まらないと動きとなってしまう。

 とくに、旋回運動に対しては、重荷重によってサスペンションが縮んだ状態となり、伸び縮みによって荷重を支えるサスペンション本来の働きができなくなり、さらに慣性力が格段に大きくなることで、簡単に転倒しやすいというリスクまで負ってしまう。

 問題は、重量の増減で変化するクルマの動きを、ドライバーが経験値として対応できるか、否かにある。重量とハンドリングの関係は、たとえばセダン型乗用車でもはっきり体感することができる。前2席乗車のときと後席にふたり追加した状態では、旋回特性や制動特性に大きな違いが出てくることは、経験を積んだドライバーなら本能的に理解できる問題だ。

 許される話ではないが、経験値が豊富なドライバーなら、8名乗車で走る際は、本能的に速度を抑えた運転となるだろう。通常の乗車定員の場合と同じ速度で走ってしまうと、曲がれない、止まれないことを、身を以て知っているからだ。しかし、この経験がないと、なんとか走ることはできても、ステアリングを回した場合、ブレーキを踏んだ場合、曲がれず、止まれず、コースアウトや転倒、衝突といった事態に結び付くことなる。

 経験値のあるなしで、過乗車の例を説明したが、問題の根底は、車両重量増という物理特性にあることは言うまでもない。わずか10kg~20kgの車重変化でも、走行タイムに差が生じるレーシングカーの例を考えれば、軽自動車で大人4人分、250kgの車重変化が生じることは、いかに重大事であるか分かるだろう。自動車は、物理限界を超えて走ることはできないのである。
Posted at 2021/02/23 22:28:58 | コメント(2) | トラックバック(0) | 自動車業界あれこれ | 日記

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