2021年06月04日
新型BMW M3/M4搭載「S58B30Aエンジン」を解説。究極の直6を目指して
BMWの新型M3/M4には3L直6ツインターボ「S58B30Aエンジン」が搭載されており、一見先代モデルと変わっていないようだが実はそうではない。ここでは歴代モデルの進化と共に最新エンジンを解説する。(Motor Magazine2021年6月号より)
直4NA→直6NA→V8NA→直6ツインターボへの変遷
新型M3とM4が登場したところで、BMW M社が開発した歴代3シリーズベースのMの日本導入モデルのエンジンを解説しよう。Mモデルには約40年の歴史があるが、そこに搭載されるS型エンジンの5つの特徴は一貫している。
(1)ハイパフォーマンス:これは最高出力と最大トルクが並のエンジンより高いこと。
(2)高回転型:出力(仕事量)を高めようとする時はトルクを太くするか回転数を高める方法がある。S型エンジンは高回転型にしている。
(3)ハイレスポンス:アクセルペダルの応答性が素早いことは、サーキットを走る上では重要な要素になる。
(4)サーキット走行に対応:ハイスピードでの高が続くサーキットでは冷却系、オイル潤滑系が重要となってくる。
(5)新しいテクノロジーを採用:BMWエンジンに採用するための先行開発の意味もあり、新開発のS型エンジンには専用技術を使う。
これらの特徴を守り抜きながら、S型エンジンは時代と共に進化を果たしてきた。初代からざっと見ていくことしよう。
まず初代M3(E30)のエンジンは、2.3L直列4気筒(S14B23型)だった。M3スポーツエボリューションというE30 M3の最終モデルでは、2.5Lに排気量をアップ。238psと240Nmを発生した。2世代目のM3(E36)は3L直列6気筒(S50B30型)になった。インテーク側のみVANOS(可変バルブタイミング機構)を組み込んだのが特徴で、後期モデルでは排気量が3.2Lにアップして、321psと350Nmと順調にパワーとトルクがアップした。
3世代目(E46)も直列6気筒で、排気量は3.2L(S54B32型)と先代の後期型と同じだが、今度はエキゾースト側にも可変バルブタイミング機構が付いてダブルVANOSに進化。ボディを軽量化したCSLモデルでは360psと370Nmとさらなる動力性能向上を果たしている。4世代目(E90/E92)のM3/M4は4LのV型8気筒(S65B40A型)を搭載。直6と同等まで軽量化されたこのエンジンは、ベッドプレート方式でクランクシャフトを支え、アルミニウムのシリンダーブロックを採用した。ここまでは自然吸気の時代だが、次からは方向転換してターボチャージャー付きの時代になる。
5世代目(F80/F82)は3L直列6気筒+ツインターボエンジン(S55B30A型)を搭載する。通常のBMW 6気筒エンジンはシングルターボだが、Mモデルはツインターボでレスポンスとパワーを稼ぐ。トピックは最後に登場したGTSで、500psと600Nmを発生するのだが、500psを発生させる燃焼室を冷やすためにウォーターインジェクションシステムを採用。トランクの床に埋め込んだ水タンクからエンジンルームに水を引き、負荷が大きい時にインテークマニフォールド内部に水を噴射するのだ。
これで燃焼室を冷却してノッキング限界を高めてパワーアップを果たした。もし水を使い切っても、最高出力は出せないが普通に走れるので安心だ。要するにターボチャージャーのブースト圧を高めても、冷却が追いつかなければパワーは出せない。次モデルでは秘策によって、ウォーターインジェクションなしでもさらなるパワーアップを果たした。
最新のS58B30A型はより高回転型に進化
そして最新型となる6世代目(G80/G82)M3/M4のエンジンは、3L直列6気筒ツインターボを踏襲しており、一見5世代目と大差ないように見えるが、実は中身が大きく変わっている。
シリンダーヘッドの内部を冷却水が巡回するために隅々まで細かい回路が必要になる。それを作るためにひとつずつ3Dプリンターを使って型をとってアルミ鋳造するという丁寧な作業によって成り立っている。これによりウォーターインジェクターなしでノーマルのM4クーペ(ベースモデル、6速MTのみ)用のS58B30B型は480psと550Nmを発生。さらにM3/M4コンペティション用のS58B30A型は510psと650Nmにパワーアップしている。
さらにS58型から始めた冷却方法は、ピストンを下から冷やすオイルサンプだ。通常は1本の噴射だが、S58型は2本にしたのだ。この他に新しいS58型が先代のS55型と大きく異なるのは、クランクシャフトの受け方だ。クランクシャフトを下から支えるのはアルミニウム製のベッドプレートタイプだったが、新しいエンジンでは鉄製の受けになった。アルミのベッドプレート方式は高回転で回る分には問題ないが、1回ずつのより大きな爆発力に耐えられるようにするためには鉄製の受けが必要になったからだ。
クランクシャフトといえば、S58型はフルカウンタータイプになっている。ひとつひとつは薄くして質量を減らしているが、これでバランスを取って高回転に対応できるようにしている。また、サーキットを走ることを前提に作られたエンジンだから、長い高速コーナーでオイルが偏っても潤滑できるようにメインポンプ以外にサクションポンプを複数設けているのも特徴だ。
このS58型エンジン、実はM3/M4の前に2018年にデビューしたX3 M/X4 Mですでに採用されていた。ただしチューニングはM3/M4とは異なり、ベースモデルは480psと600Nm、コンペティションは510psと600Nmの仕様となる。X3 M/X4 Mの場合はエンジンルームの高さに余裕があったから、吸気用のインタークーラーがヘッドの上に配置されていたが、M3/M4ではシリンダーの横に移されている。
こうしてBMW M社はMモデル専用のエンジンを絶え間なく開発している。このMモデル専用エンジンはコードの頭に「S」が付く。通常のBMWのエンジンコードはB(古いのはN)から始まるが、Sから始まるものはない。ただし例外的にG30/G31のBMWアルピナB3には、新しいS58B30型エンジンが採用されている。もちろんプログラムはアルピナのキャラクターに合わせて変えられていて、最大トルクは700Nmとかなり太い。
エンジンコードの頭文字に関わらずBMWのすべてのエンジンは「TVDI」の要素が入っている。これはターボ、バルブトロニック、ダイレクトインジェクションで、今のBMWエンジンに共通する技術である。
新しいM4コンペティションに乗ると、先代よりも低速トルクが薄くなった気がする。不精してシフトダウンしないで高いギアのままアクセルペダルを踏み込んでも期待するほど加速してくれない。その代わりエンジン回転を高めにして走ると凄い性能を発揮する。安楽ドライブではなく、超官能的ドライブ。これぞMモデルらしい味わいと言えるだろう。
今後CSLやGTSが出るのか不明だが、さらなるパワーアップ、トルクアップする際にはまた別の秘策があるのだろうか・・・。(文:こもだきよし/写真:伊藤嘉啓・永元秀和)
Posted at 2021/06/04 22:24:45 | |
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BMW | 日記
2021年06月04日
「GTLM消滅は悲しいが、GT3こそが未来」と“プロ”クラスに上がったウェザーテック・ポルシェのマクニール/IMSA&ル・マン
IMSAウェザーテック・スポーツカー選手権のGTLMクラスに参戦しているウェザーテック・レーシングのドライバー、クーパー・マクニールが、2年連続で挑むル・マン24時間レースと“プロクラス”への移行、そして来季IMSAで新たに採用される『GTDプロ』クラスへの見通しなどについて、考えを明らかにした。
ポルシェがファクトリープログラムを停止したことにより、シボレーとBMWのみがワークス参戦している今年のIMSA・GTLMクラス。しかもBMWはフル参戦ではなく、“ミシュラン・エンデュランス・カップ”のみのエントリーとなる。
そのGTLMクラスに、プロトン・コンペティションのサポートを受けながら、79号車ポルシェ911 RSR-19で今季から参戦しているのがウェザーテック・レーシングだ。IMSAではマクニールがフル参戦し、ほかのドライバーはレースごとに入れ替わる体制を採っているが、ここまではポルシェワークスドライバーなど、錚々たる顔ぶれがエントリーしている。
チームはまた、2021年のル・マン24時間レースのエントリーリストにも名を連ねている。マクニールはル・マンのレースに向け、ELMSヨーロピアン・ル・マン・シリーズのレースにもポルシェで参戦。先日のレッドブルリンク4時間レースでELMSデビューを果たしたマクニールは、マット・キャンベル、そしてプロトン・コンペティションのチームボスであるクリスチャン・リードとともに、クラス6位でフィニッシュしている。
マクニールはル・マン前に行なわれるポール・リカールとモンツァを含むELMSの残りのレースにも参戦し、IMSAのレースと合わせてGTE仕様のポルシェでのマイレージを稼ぐ方針だという。
「競争の激しいヨーロッパの雰囲気のなかで、このポルシェ911 RSR-19をもっとドライブしたかったんだ」とマクニールは、Endurance-infoに対し語っている。
「そのための最良で、かつ予算にもっとも見合っているのがELMSだった」
「IMSAのGTLMクラスでも、引き続きドライブする。いずれのシリーズでの参戦も、チームやドライバーたちと確かな関係を築くこと、また僕自身がこのクルマを学んでいくことの助けになると思う」
「目標は、なるべく多くの時間、ステアリングを握ることだ。僕らはGTEプロクラスでル・マンを戦うことになるが、それはおそらく難しいものだ。僕らは世界屈指のチームやドライバーと対戦することになる」
「ル・マンは地球上でもっとも権威のあるレースだ。だから、その大きなレースの前にできるだけ多くの準備をすることが重要になる」
28歳のマクニールは、FIAのドライバー・カテゴライゼーションではシルバーにレーティングされている。昨年のル・マン24時間には、トニ・バイランダー、ジェフ・シーガルとともにスクーデリア・コルサのフェラーリ488 GTE Evoで出場した。
■ル・マンでLMGTEアマクラスに参戦する場合の問題点
GTEプロクラスに再び参戦するという決定は、ウェザーテック選手権とル・マンの間での「確かな継続性」を維持したいからであると、マクニールは述べている。
「僕たちはIMSAでは今年GTLMクラスに参戦しているし、昨年のル・マン24時間ではLMGTEプロクラスでドライブした」とマクニール。
「(昨年のル・マンは)トニーのクラッシュがなければ4位でフィニッシュしていただろうし、もう少し何かがあれば表彰台に立てていたかもしれない」
「LMGTEアマクラスのレベルは非常に高いけれど、(ラインアップに)ブロンズ・ドライバーが必須になるという問題がある」
「ル・マンに出場した経験があり、速く、資金を持つ(ブロンズ)ドライバーを見つけるのは非常に困難だ。GTEプロでは、この種の心配をする必要がない」
「非常に強力なフィールドに直面することは分かっているが、それがアマであれプロであれ、レースは常に難しい。一列に並んで走るような、イージーなレースはない」
「ポルシェ、コルベット、フェラーリといったマシンたちと競争するのは素晴らしいことであり、すごくモチベーションが湧くよ」
「ウェザーテック・カンパニーとして、僕らはお互いに向き合い、最高のライバルを打ち負かそうとしている。これがGTLM、そしてル・マンでGTEプロへとステップアップした理由だ」
「競争のレベルは信じられないほど高いが、チャンスがあることも分かっている。(クラス優勝したIMSA第2戦の)セブリングでは自分たちにペースがあることを確認したが、(開幕戦の)デイトナでもレースが始まる前に問題が起こらなかったら、同じだったと思う」
「プロカテゴリーに移ったことに、後悔はないよ」
ウェザーテック選手権におけるマクニールの次のレースは、ワトキンス・グレン6時間レースだ。キャンベル、そしてマシュー・ジャミネが再びマクニールに加わる。
なお、チームはル・マン24時間におけるマクニール以外のドライバーラインアップを、まだ発表していない。
■2022年のGTDプロクラス参戦は未定。BoPを注視
かようにしてプロカテゴリーを選んだ今年のマクニールだが、来季のIMSAではGTLMクラスが消滅し、GT3車両をベースにした『GTDプロ』クラスに取って代わる。マクニールはGTDプロクラスにおいてオールプロのラインアップを継続するか、プロ/アマとなるGTDクラスへ復帰するかについては、現在のところ未定であると述べている。
「この新しいクラスに関する懸念は、BoP(性能調整)だ」とマクニールは語っている。
「GTDプロとGTDでは、マシンは同じ(GT3)だろう。両クラスでBoPは同じだろうから、現時点でどちらを選択するか明言するのは難しい」
「プロクラスでより良いBoPが得られるのなら、そちらに行く。現在のところ、僕はGTD全体について、より考えを巡らせている」
「新たなGTDプラットフォームが構築されるなかで、GTDプロの一部になれるのであれば嬉しい。ただ、ポルシェ911 RSRは素晴らしいクルマだから、GTLMクラスが消滅するのを目の当たりにするのは悲しいことだ」
「GTLMのマシンがIMSAで走れなくなるのは本当に残念だけど、モータースポーツの世界はGT3へと向かっていると思う」
「もうすぐ、世界中でGT3カーのレースができるようになる。これこそが未来だ」
Posted at 2021/06/04 22:19:15 | |
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自動車業界あれこれ | 日記
2021年06月04日
リマックが新型ハイパーEV、『ネヴェーラ』を発表…0-96km/h加速は1.85 秒
リマック・アウトモビリは6月1日、新型EVハイパーカーのリマック『ネヴェーラ』(Rimac Nevera)を発表した。
リマック・アウトモビリは2009年、クロアチアに設立された。リマック・アウトモビリの名を広めたのが、2011年に発表されたEVスーパーカーの『コンセプトワン』だ。コンセプトワンは、「世界初のEVスーパーカー」を掲げて登場した。2ドア、2シーターのスポーツカーデザインで、前後アクスルにそれぞれ2個ずつ、合計4個のモーターを搭載し、4輪を駆動する。
リマック・アウトモビリは2018年、ポルシェからの出資を受けた。ポルシェがリマック・アウトモビリの10%の株式を取得し、その後、出資比率を15.5%に引き上げた。リマック・アウトモビリは、高電圧バッテリー技術と電動パワートレインに関するノウハウを持っており、ポルシェは同社の技術を電動化の推進に役立てる方針。ポルシェはリマック・アウトモビリへの出資比率を、現在の15%から24%に引き上げることを決めており、ポルシェは電動化への取り組みをさらに強化していく。
ネヴェーラは2018年春、ジュネーブモーターショー2018で初公開されたコンセプトカー、『C_Two』の市販モデルだ。ネヴェーラとは、リマックが本拠を置くクロアチア近くの地中海で発生する嵐に由来している。ネヴェーラは、世界限定150台を生産する予定だ。
◆初期のプロトタイプよりも空力性能を34%向上
ネヴェーラはボディ全体、ディフューザー、インテークの変更により、初期のプロトタイプよりもエアロダイナミクス性能を34%引き上げた。ボンネットやピラーの形状、ディフューザー、リップスポイラー、ラジエーターのデザインは見直され、エアフローとダウンフォースを追求している。
ネヴェーラの冷却性、パフォーマンス、安定性、効率性を高めるために、新しいアクティブエアロダイナミクスを開発した。フロントボンネット、アンダーボディフラップ、ディフューザー、リアウィングはそれぞれ独立して動き、さまざまな走行状況で最適な空力性能を発揮する。 「ハイダウンフォース」から「ロードラッグ」モードに切り替えると、空気抵抗が 17.5%減少する。ハイダウンフォースモードに戻すと、ダウンフォースが326%増加するという。
ネヴェーラには、先進運転支援システム(ADAS)用のカメラとセンサーが組み込まれた。バタフライドアは開いた時に、乗り降りしやすいスペースを作り出す。軽量の鍛造アルミホイールは、空気をブレンボ製のカーボンセラミックブレーキシステムに導くとともに、車体の側面にスムーズな空気の流れを実現するという。
◆1914hpの4モーターで最高速は412km/h
ネヴェーラのモノコックには、カーボン製ルーフ、バッテリーパック、リアのカーボンサブフレームが組み込まれており、自動車向けとしては世界最大級の単一カーボンファイバー構造とした。単体重量は200kg以下で、2200枚のカーボンファイバー層と 222枚のアルミインサートを使用して、バッテリーを保護する。
H字型にレイアウトされた6960セルのリチウムマンガンニッケルバッテリーは、蓄電容量が120kWh。バッテリーを車両床下中央の低い場所に搭載することで、低重心を追求する。前後重量バランスは48対52とした。
ネヴェーラには4個のモーターが搭載されており、4輪を個別に駆動する。4個のモーターは合計で、1914hpのパワーと 240.6kgmのトルクを引き出す。1914hpのパワーは、内燃エンジンを搭載した標準的なスーパーカーの3倍の出力という。前輪と後輪はそれぞれ、シングルスピードギアボックスに接続されている。
ネヴェーラの動力性能は、0~96km/h加速が1.85秒。最高速は412km/hに到達する。静止状態から161km/hまでの加速タイムは4.3秒。静止状態から300km/hには9.3秒で到達する。0~400m加速は8.6 秒だ。
◆ドリフトなど7種類のドライビングモード
「全輪トルクベクタリング2 (R-AWTV 2)」システムは、ESCやトラクションコントロールシステムに代わり、グリップとトラクションを強化する。R-AWTV 2 システムは、4輪に供給されるトルクの量を調整することにより、道路やサーキットの状況に応じた最適なレスポンスを可能にする。R-AWTV 2 は、4輪に伝達するトルクの正確なレベルを毎秒100回以上計算し、トルクレベルを調整する。
ブレーキペダルフィールシミュレーターを備えた電気油圧式ブレーキブースターは、バッテリー、パワートレイン、ブレーキの状態に応じて、制動力を調整する。たとえば、バッテリーが熱限界に近い場合は、摩擦ブレーキを通じて運動エネルギーを消費。摩擦ブレーキが高温になっている場合は、より多く回生ブレーキを作動させる。電気モーターによる最大300kWの回生ブレーキに加えて、390mm径の ブレンボ製カーボンセラミック ブレーキディスクと6ピストンキャリパーによって、強力なストッピングパワーを追求した。
電子制御ダンパーとアクティブライドハイト調整機能を備えたダブルウィッシュボーンサスペンションは、スムーズで快適な乗り心地、ボディコントロール、機敏なハンドリングの組み合わせを可能にするという。
ネヴェーラでは、7種類のドライビングモードが切り替えられる。「SPORTモード」はスロットル、ブレーキ、サスペンション、ステアリングの応答をシャープにする。「DRIFTモード」は後輪により多くのトルクを配分して、パワースライド状態を維持しやすくする。「COMFORTモード」は、リラックスした乗り心地、効率性、スポーツドライビングのバランスを取る。「RANGEモード」は、バッテリーの充電状態を考慮しながら、最大の航続を達成できるようにする。「TRACKモード」では、ドライバーが車両の性能を最大限に活用できるようにする。2 つの 「CUSTOMモード」により、ドライバーは事前に設定した好みのパフォーマンス特性にアクセスできる、としている。
【0-100km/h加速は1秒台】新型リマック・ネヴェーラ 正式発表 クロアチア発のEVハイパーカー
クロアチアの嵐「ネヴェーラ」
text:Felix Page(フェリックス・ペイジ)
translator:Takuya Hayashi(林 汰久也)
クロアチアの電動ハイパーカーメーカーであるリマックは、先鋭的なコンセプトカー「C_Two」に数々の改良を加え、新たに「ネヴェーラ(Nevera)」という名前を付けて生産を開始する。
2018年3月にC_Twoが発表され、以後3年間にわたる開発の集大成である200万ユーロ(約2億6000万円)のネヴェーラは、クロアチアの海岸線で発生する強力な嵐に敬意を表して命名された。
リマックは、2018年に発表した「野心的な性能目標」を追求するために、エンジニアたちが「あらゆるレベルで新しいフラッグシップを洗練させた」としており、部品のほとんどに特注の自社開発品を使用している。
この目標に沿って、コンセプトモデルのパワートレインは、ほとんどが市販モデルに引き継がれている。ネヴェーラは、各ホイールに高出力モーターを搭載し、合計で1914psと240kg-mのトルクを実現。
これは、従来の燃焼エンジンを搭載したスーパーカーの3倍に相当するパワーだとリマックは述べている。同社によると、0-300km/h加速は当初の計画よりも2.5秒早い、9.3秒で達成できるという。
また、0-100km/h加速がわずか1.85秒、1/4マイル(402m)を8.6秒で走り抜けることができると謳われているネヴェーラは、アスパーク・アウルに次ぐ加速性能を誇り、最高速度は415km/hと、W16エンジンを搭載したブガッティ・シロンとほぼ同等だ。
可動式エアロパーツを多数搭載
電力は、H型の120kWhバッテリーに蓄えられる。このバッテリーは、最大1.4MWの電力を生み出し、WLTPサイクルでの航続距離は547kmになるとされている。また、バッテリーはモノコックシャシーの構造の一部となっており、剛性を37%高めるとともに、前後重量配分が48:52となるように配置されている。
リマックによると、ネヴェーラのセントラル・モノコックは、自動車業界全体で使用されている単一ピースのカーボンファイバー構造の中で最大のものだという。
全体的なデザインはC_Twoと同じだが、ディフューザー、インテーク、ボディパネルに微妙な調整を加え、当初のプロトタイプと比較して空力効率を34%、ブレーキとエンジンの冷却性能(低速時)を30%向上させたとしている。
アンダーボディプレート、フロントボンネット、リアディフューザー、スポイラーなど、一部のボディパネルは空気の流れに応じて独立して動く。ダウンフォースを326%向上させる「ハイダウンフォース」モードと、空力効率を17.5%向上させる「ロードラッグ」モードを備えている。
また、従来の電子制御式スタビリティー・コントロールやトラクション・コントロールではなく、「全輪トルクベクタリング2」と呼ばれるシステムを採用することで、必要に応じて「正確なトルク量」を各ホイールに伝達できるほか、毎秒100回の計算を行い、「路面やコースの状況に応じて無限に変化するダイナミックな反応」を可能にしている。
レーサーでありグランドツアラー
電気油圧式回生ブレーキは、バッテリーやパワートレインの状態に応じて反応するように設定されている。例えば、バッテリーが高温になっている場合は、運動エネルギーがブレーキを通ってホイールに戻ってくる。一方、ブレーキが高温の場合は、回生度合いが最大で300kWになるように調整される。
ブレーキシステムは、390mmのブレンボ製カーボンセラミックディスクと6ピストンキャリパーで構成されており、フェードフリーで「非常にパワフル」な制動性能を実現しているという。
また、ステア・バイ・ワイヤ・システムを採用しており、ドライバーからのフィードバックのレベルを変えることができる。これは、7つのドライブモードのうちの1つである「ドライバーコーチ」モードで変更可能で、人工知能ベースのツールとして「最適なレーシングラインと車両制御」をドライバーに示す。このシステムは、センサー、カメラ、レーダーを駆使して、サーキットを走行する際に音声と映像でガイダンスを行うもので、世界初の試みだという。
しかし、リマックは、ネヴェーラがサーキット走行に特化したハイパーカーであると同時に、グランドツアラーであることを強調している。ミニマルなインテリアでは、2つのシートの中央に仕切りがあり、ほとんどの機能を3つのTFT液晶スクリーンで操作できるようになっている。
また、各TFTスクリーンにはリアルタイムのテレメトリー・データが表示され、PCやスマートフォンにダウンロードすることができる。
新時代のハイパーカー
創業者のマテ・リマックは、ネヴェーラの発表を、EVにとって画期的な出来事であるとしている。
「わたし達は、ハイパーカー市場をさらに高いレベルに押し上げるクルマを発表しました。電動パワートレインの可能性を最大限に活用し、わたし達が常に発信してきたことを証明しました。ネヴェーラという電動ハイパーカーは、刺激的なだけではなく、サーキットでも、大陸を横断するときのようにスリリングです」
リマックは、150台のネヴェーラをそれぞれオーダーメイドで製作する。標準仕様として3つのモデルを用意しており、GT、シグネチャー、タイムレスから選択できる。すべての車両が納車前にテストされ、マテ・リマックのサインが入る。
Posted at 2021/06/04 22:14:39 | |
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自動車業界あれこれ | 日記
2021年06月04日
PUI PUI モルカー「カロッツェリア」とコラボ、「ドラレコの選び方」プイプイ教えちゃうよ
パイオニア「カロッツェリア」が、アニメ「PUI PUI モルカー」とコラボした特設サイト「PUI PUI モルカー ドライブレコーダー選びで失敗しちゃって大騒動!?」を公開しました。
PUI PUI モルカーは、ご存じクルマになったモルモットの世界が舞台のストップモーションアニメ。放送開始早々に人気を集めた話題の作品です。カロッツェリアは、カーオーディオやカーナビ製品を主にするパイオニアのオートモーティブ向けブランドです。
PUI PUI モルカーが紹介してくれるのは「ドライブレコーダー」。社会問題化したあおり運転や事故発生時の備えとして急速に普及するドライブレコーダー製品ですが、カメラの画質、録画の仕様、機器の機能やサイズ、設置方法、価格帯もさまざまに数多くの製品が乱立し「どれを選べばよいのかが分からない」人も増えています。
例えばよくある失敗は、「録画したデータが破損していて見られなかった」「夜間が真っ暗で何も映らなかった」「画質が悪く、肝心のナンバーがぼやけて見えなかった」など。
そんな人に向け、モルカーがライブレコーダー使用時のさまざまな失敗談をもとに「ドライブレコーダーの選び方」を教えてくれます。
ドライバーでなくても楽しめるモルカー愛あふれる構成も魅力。家族一緒にドラレコ選びをしてみてはいかがでしょうか。
「PUI PUI モルカー」とドラレコ選びの悩みを解決…パイオニアのウェブコンテンツ
パイオニアは6月1日、テレビアニメ「PUI PUI モルカー」とコラボレーションしたWebコンテンツ「ドライブレコーダー選びで失敗しちゃって大騒動!?」を公開した。
PUI PUI モルカーは、パペットアニメクリエイター 見里朝希氏が初めて監督を務めたTV アニメシリーズ。モルモットが車になった世界が舞台の、癒しあり、友情あり、冒険あり、ハチャメチャアクションもありの作品で、放送当初からTwitterのトレンド入りを果たすなど話題を集めている。
Webコンテンツでは、「録れていなくてショッキング」「まっくらでがっかり」など、モルカーが、ドライブレコーダー使用時のさまざまな失敗談をもとに、ドライブレコーダー選びの悩みを解決する。
可愛すぎる!「PUI PUI モルカー」と「カロッツェリア」がドライブレコーダーでコラボを実施
■「PUI PUI モルカー」と「カロッツェリア」のコラボはどんな内容?
パイオニアは、人気のテレビアニメ「PUI PUI モルカー」とコラボレーションしたWebコンテンツ「ドライブレコーダー選びで失敗しちゃって大騒動!?」を、2021年6月1日に公開しました。
PUI PUI モルカーは、パペットアニメクリエイターの見里朝希氏が初めて監督を務めた作品で、モルモットがクルマになった架空の世界が舞台のストップモーションアニメです。
2021年1月よりテレビで放送が開始されると、Twitterでは毎週トレンド1位を獲得。
20代の女性を中心に多くの人の心をとらえ、公式ツイッターのフォロワーの数は2021年6月1日時点で39万人を超えています。
YouTubeでの期間限定の見逃し配信では、1話~12話の総再生回数が2,400万回再生を記録するなど、その勢いは国内にとどまらず、台湾においても社会現象と呼べるほどのブームを巻き起こしました。
今回公開された「カロッツェリア」とのコラボページでは、「モルカー」が、ドライブレコーダー映像の画質や後方カメラがないことなど、使用時に起こりうるさまざまな失敗談を解説し、ドライブレコーダー選びで大事なポイントを教えてくれています。
PUI PUI モルカーファンはもちろん、ドライブレコーダー選びで悩んでいる人にも必見のコンテンツです。
【ドラレコ選び、失敗で大騒動?】PUI PUI モルカーとカロッツェリアが教える、正しい選び方
モルカーとパイオニアが、コラボレーション
text:Hideaki Hamasaki(浜先秀彰)
パイオニアが、テレビアニメ「PUI PUI モルカー」とコラボレーションをしたWebコンテンツを、6月1日より同社ウェブサイト内で公開した。
PUI PUI モルカーと聞いてもピンと来ない人もいるかもしれないが、2021年1月にテレビ放送が開始されると直後から人気爆発。公式Twitterのフォロワーは1週間で5万人を突破し、現在では39万人を超えているという。
20代女性を中心に多くの人の心をとらえ、その人気は台湾でも社会現象と呼べるほどのブームが起きているそうだ。
モルモットがクルマになった世界が舞台で、癒しあり、友情あり、冒険あり、ハチャメチャアクションもありのアニメーションで、パペットアニメクリエイターの見里朝希氏が初めて監督を務めた作品。興味がある人はぜひYouTubeの見逃し配信でチェックしてほしい。
ちなみにYouTubeでは、1話~12話の総再生回数が2400万回オーバーを達成した。
そんなPUI PUI モルカーがプロモーションする製品は先月下旬から販売を開始した2カメラドライブレコーダー「VREC-DH300D」だ。
カロッツェリアとしては久々のニューモデルで、最新技術の投入とともに従来モデルユーザーの声を反映させて開発された期待の1台。この夏注目のモデルと言えるだろう。
アンケートデータが明かす、ドラレコのポイント
実際に公開されたばかりのWebコンテンツをチェックしてみたが、「PUI PUI モルカー」ならではのほのぼのとした世界をそのままに感じられる絵作り。
今回は「ドライブレコーダー選びで失敗しちゃって大騒動!?」というストーリーで、モルカーの仲間たちが5つのシチュエーションでの失敗に基づき、ドラレコ選びの大切なポイントを同社のアンケートデータとともに教えてくれる。
もちろん同時に「VREC-DH300D」に対する理解も深められ、信頼性の高さや画質の良さといった特徴が早わかり。カロッツェリアの製品紹介サイトへのリンクも張られ、より詳しい情報も得られる。
思わず引き込まれてしまうPUI PUI モルカーとカロッツェリアのコラボレーションWebコンテンツ。これならば今までクルマやカーグッズに興味がなかった人にもわかりやすさ満点だ。
ドライブレコーダーの購入に積極的ではない奥さんを納得させるのにも、役立ってくれるだろう。
Posted at 2021/06/04 22:09:20 | |
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