2021年06月19日
「深海」「サーキット」「めまい」! 由来もさまざまな「青」が印象的なクルマ5選
クルマ業界を代表する鮮やかな「青」が大集合!
例年よりかなり早く突入した地域があるかと思えば、関東などお預けを食っている地域もありますが、いずれにしても日本人が年に一度は通らなければいけないジメジメ期、それが梅雨ですね。どんよりした空とムシムシした湿気にイヤになりますが、そんな時は、街を駆け抜ける青空のようなボディカラーを見つけて、しばし心だけでもカラッとしてみてはいかがでしょうか。空色はもちろん、海のようなブルー、宝石のようなブルーなど、今回はずっと眺めていたくなる美しく個性的な「青」が魅力的なクルマたちをご紹介したいと思います。
1)スバル WRブルー
まず1台目は、2020年度の衝突安全テストで最高得点をマークし、日本で最も安全なクルマに贈られる「ファイブスター賞」を受賞した、スバル・レヴォーグ。このトップグレードとなる「STI Sport」だけに設定されているのが、「WRブルー」という青色です。
由来を知らなくても綺麗なボディカラーですが、スバルがWRCで大活躍していた時代を知っている人にとっては、特別に思い入れのある色でもあります。世界中の過酷なコースを疾走するマシンのために開発された初代「WRブルー」は、砂や石畳、雪など、それこそラリーの主戦場となった自然の色を背景にしたときに、より美しく強く映える色として開発されたのです。
のちに、SUPER GTやニュルブルクリンク24時間レースなど、サーキットで戦うようになるにつれて、「WRブルー」の色味も少しずつ変化しつつも、スバルのスポーティイメージを象徴する色として、受け継がれてきました。新型レヴォーグの「WRブルー・パール」は隠し味的に赤を仕込んだり、華やかさもある美しいブルーとなっています。
2)日産 AUTECHブルー
続いて2台目は、湘南・茅ヶ崎に拠点を構え、日産の純正カスタマイズモデルを生み出しているAUTECH(オーテック)が大切にしている「AUTECHブルー」です。
最新モデルでは日産ノートに採用されていますね。もともと社内では「湘南ブルー」と呼ばれていて、湘南の空と海、そしてこの地域特有の夜光虫が放つ青白い光の3つに、AUTECHのヒストリー、ヘリテージ、地域性の意味を込めているといいます。
全モデルにまったく同じ色味を使うのではなく、AUTECHブルーと認識できる範囲で、そのモデルのデザインやキャラクターなどに合わせて、もっとも上質に美しく見えるようにデザイナーが調整してこだわっているという、特別なブルーとなっています。
3)アルピーヌ ブルーアビス
3台目は、1960年代~1970年代にWRCで大活躍し、もはや伝説となっていたラリーカーで、2018年に待望の復活を果たしたアルピーヌA110。フロントマスクの特徴だった丸目4灯のヘッドライトや、ヒップラインに向けてなだらかに傾斜するラインなど、旧モデルを思わせるデザインにときめきます。
そしてブルーのボディカラーも、旧モデルからの特徴のひとつでしたが、新型には深い深い海をイメージした「ブルーアビス」が採用されました。スポーティかつ気品溢れるフレンチエレガンスの真骨頂といったブルーで、実はこのブルーアビス、フランスを代表するハイブランドであるエルメスも、代表作のバーキンなどにラインアップしている色なのです。
眺めていると、地中海のグランブルーが目の前に広がる妄想にふけってしまいそうですね。アルピーヌA110のブルーアビスは、30台限定色となっています。
4)BMW ミサノブルー
4台目は、エンブレムにもブルーが使われており、昔からブルーのイメージが強いブランドでもあるBMWの、現行モデルに採用されているとても鮮やかな「ミサノブルー」。
見ているだけで、どこか素敵な海辺へとバカンスにでも出かけたくなるような色にも感じますが、じつはこのネーミングの由来はイタリア北東部・ロマーニャ州にある「ミサノ・ワールド・サーキット・マルコ・シモンチェリ」。モータースポーツがお好きな人なら、Moto GPのサンマリノGPが開催されるサーキットと聞くとわかるかもしれませんね。このサーキットは、「イタリアのマイアミ」と称されるビーチリゾート、リミニにほど近く、吸い込まれるようなアドリア海のブルーと、古き良き石造りの街並みのコントラストがとても美しいのです。そんな名前がついたブルーだと思うだけで、ちょっと心がウキウキしてきそうですね。
5)プジョー ヴァーティゴ・ブルー
さてラストの5台目は、販売店の名称が「ブルーライオン」となっていたくらい、同じくブルーにこだわりのあるブランド、プジョーの208に新色として登場した、「ヴァーティゴ・ブルー」。
つやつやとして宝石のような鮮やかなブルーなのですが、ヴァーティゴというのが日本語にすると「めまい」や「回転性めまい」という意味で、ダイビングで海に潜っている時にグルグルと目が回るような状態になることを指したりもするようです。そこから、「目の眩むようなブルー」という意味合いが込められているといいます。新世代プジョーは文字が浮かび上がって見える、未来的な「3D i-cockpit」が特徴でもありますが、その画面もブルーがベースになっていて、ブルー好きな人にはたまらない空間ではないでしょうか。
というわけで、古来から青というのは稀少性が高い色だったようですが、技術のブレイクスルーによって、今では多種多様なブルーが開発され、目を楽しませてくれるようになりました。梅雨の時期こそ、ぜひブルーのクルマたちに注目してみてください。好みのブルーに出会ったら、心には青空が広がるかもしれませんね。
Posted at 2021/06/19 11:26:21 | |
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自動車業界あれこれ | 日記
2021年06月19日
【1年も前から】違法「後付け」チャイルドシート部品 大手通販サイトで販売 国交省/サイトの対応は
ISO FIXチャイルドシートの普及進む
text:Kumiko Kato(加藤久美子)
editor:Taro Ueno(上野太朗)
チャイルドシートをクルマのシートに固定するにはシートベルト固定と、ISO FIX固定の2種類がある。
かつてはシートベルトでの固定が主流だったが、現在はISO FIX固定が急増している。
ISO FIX金具(正式名称はISO FIX下部取付装置)を備えた車両が増えてきたことやISO FIXチャイルドシートの種類が増え価格もリーズナブルになってきたことが主な理由だ。
2012年7月1日以降、販売されるほぼすべての乗用車(一部の2シーター車は除く)にISO FIX金具が義務付けられたのだが、実際には2008~2009年以降にモデルチェンジを受けた乗用車(ミニバン/SUV含む)にはISO FIX金具が装備されていると思っていいだろう。
ISO FIXはシートベルトに比べて取り付けが簡単で、チャイルドシート側の金具をクルマ側の金具にガチャッとはめ込むだけで完了する。
確実に取り付けるにはかなりの労力とコツが必要だったベルト固定に比べると簡単にしっかりと取り付けられる。
クルマ側のISO FIX金具は後部座席の左右座席、背もたれと座面の継ぎ目(腰が当たるあたり)に設置されている。シートの形状によって金具が露出しているものもあれば、継ぎ目の間に隠れるように装備されている場合もある。
いずれにしても、ISO FIX金具はクルマの剛体部についているもので、自動車メーカーがクルマを製造するときに作られる。
チャイルドシート(ECE R44/04やR129)と同様、ISO FIX装置に関しても国連(UN規則R14)による厳格なルールのもと製造されている。
ISO FIX金具は車両剛体部に装備
衝突事故などで強い衝撃を受けた場合、チャイルドシートを取り付けているISO FIX金具の部分にも想像を絶する加重が掛かるためシートレールなどと同様、強度を担保する必要がある。
もちろん強度だけではなく、角度や距離、素材、振動に対する移動量など1000以上に及ぶUN規則によってさまざまな基準が定められており、それを満たさないISO FIX金具は保安基準適合とみなされない。
UN規則で「ISO FIX」は以下に定義されている。
2.16. 「ISO FIX」とは、年少者用補助乗車装置を車両の剛体部に取り付ける装置2個とそれに対応する年少者用補助乗車装置(=チャイルドシート本体)の剛体に取り付けられた装置2個及び年少者用補助乗車装置の上下回転を防ぐ中心位置の機構をいう。
もうおわかりかと思うが、「オプション」や「後付け」はありえないのである(ISO FIXの黎明期、2000年代初頭の全車義務付けになる以前には一部車種でメーカー純正オプションのISO FIX金具が存在していたことはある。当時は特定の車種に特定のISO FIXチャイルドシートという状態で試験がおこなわれていたため、これでも基準をクリアできていた)
ISO FIX金具に関して、いかに厳しく細かい規定があるかはおわかりいただけただろうか。
自動車メーカーとは何の関係もない中国の製造会社が適当にみよう見まねで作ったISO FIX金具の販売は許されない。
部品自体は頑丈なスチール製だが、支えているのはシートの背もたれだ。
100km/hでの衝突はビルの10階(約40m)から、60km/hでもビル4階(約14m)からの落下に相当する衝撃とされている。
シートの背もたれがそんな衝撃を支えられるはずもない。ISO FIX金具ごとチャイルドシート本体が外れて、車外に放出されるなど命に係わる危険も考えられる。
1年前から後付けISO FIXが大手通販サイトで?
しかし、事実としてこのような「後付け」ISO FIXが、2020年夏頃から大手通販サイトで販売がおこなわれている。
レビューがついている商品もいくつかあり、「説明書が欲しかった」、「なんとかしっかり付けられました」、「頑丈な商品で作りがしっかりしています」などのコメントも寄せられている。この1~2か月でとくに増えている印象だ。
チャイルドシートメーカー各社に聞いてみたところ、一般ユーザーや販売店からの問い合わせも目立ってきているという。
その多くは「後付けISO FIXで使えるチャイルドシートはありますか?」、「うちのクルマにはISO FIXがついていない古いタイプですが、後付けISO FIXを使って取り付けても大丈夫でしょうか?」などなど。
もちろん、各社は「後付けISO FIXは使えません。ISO FIX装置のない座席ではベルト固定のチャイルドシートをお使い下さい」など、その都度伝えていたわけだが、ブリタックス・レーマーの日本総輸入代理店であるGMPインターナショナルは6月15日に同社の公式サイトにてマキシコシブランドとともに、「後付けISO FIXにご注意ください」のタイトルで注意喚起をおこなった。
ご存知の方も多いと思うがブリタックス・レーマーはメルセデス・ベンツ、ボルボ、フォルクスワーゲン、アウディ、ベントレー、マツダ、トヨタなどで純正チャイルドシートとして採用されている、高い安全性と使いやすさで人気のブランドだ。
国交省/大手通販サイトの対応は?
ところで、日本の国交省はこの状況を把握しているのだろうか?
後付けISO FIXについて国交省自動車局の担当部署に尋ねてみたところ、「このような商品が販売されていることを初めて知りました。保安基準に適合していない製品には認証を与えることはできません」
「今後も具体的な商品について、保安基準に適合していない疑いがあるなどの情報提供をいただければ、その情報をもとに対応します。基準に適合していなければ、注意喚起などをおこないます」との回答を得た。
チャイルドシートは単なる育児用品ではなく国交省が認証をおこなって型式が指定される「自動車部品」に相当する。取付装置に関しても同様で保安基準の対象となるは当然だ。
ところで、アマゾンをはじめとする通販サイトの対応はどうだろうか?
アマゾンには筆者が6月15日に広報担当者を経由してこの件を伝えており、後日、アマゾンから公式なコメントを頂いた。
「アマゾンはお客さまの安全を最も重要と考え、お客さまが安心してお買い物を楽しんでいただけるよう努めています。規約違反が疑われる商品については、販売を事前に阻止するよう対策を講じており、販売中の商品の安全性についてもチェックをおこなっております」
「違反が確認された場合は商品をサイトから削除し、必要に応じて販売事業者やメーカー、関連機関とも連携しながら適切に対処いたします」
「購入された商品にご懸念をお持ちのお客さまには、カスタマーサービスにご連絡いただけますようご案内しております。調査のうえ、適切に対処してまいります。なお今回お問い合わせいただいた商品は、すでにサイトから削除しております」
ISO FIX金具がついていないちょっと古いクルマには、従来どおりシートベルト固定のチャイルドシートを使用して欲しい。
なお、現在販売されているベルト固定式チャイルドシートはほとんどが3点式ベルト専用だが、中には2点式ベルトで装着が可能なタイプもある。
アメリカ・イーブンフロー(総輸入販売元:トライスターインターナショナル株式会社)の製品に2点式シートベルトで使用可能な米国保安基準FMVSSに適合した製品(新生児~身長137cmまで適用)がいくつか販売されている。
危険で違法な部品を使ってかけがえのない子どもの命を危険にさらすことがないことを強く願っている。
Posted at 2021/06/19 11:23:23 | |
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