2021年09月30日
トヨタ不正車検は11社12店舗で1345台、全国総点検で判明
トヨタ自動車は、トヨタおよびレクサス販売店における不正車検問題を受け、全国4852拠点で総点検を実施。その結果、販売店11社12店舗にて不正車検が行われていたことが判明したと発表した。
トヨタ/レクサス販売店ではこれまで、レクサス高輪(東京都港区)や、ネッツトヨタ山梨本社セイリア店(山梨県甲府市)、ネッツトヨタ愛知プラザ豊橋店(愛知県豊橋市)などで不正車検が行われていたことが発覚。これを受け、トヨタは全国販売店の4852拠点にて、指定整備に関係する法令の遵守、また会社全体の仕組み・風土を確認する自主的な総点検を、販売店とメーカー共同で実施してきた。その結果、これまで販売店11社12店舗で不正車検が行われていたことが判明した。
不正車検があったのは、トヨタモビリティ東京(レクサス高輪/江戸川瑞江店)、広島トヨタ(広店)、トヨタカローラ山口(安岡店)、ネッツトヨタ山梨(本社セイリア店)、トヨタカローラ愛媛(中央通店)、ネッツトヨタ沖縄(南風原店)、鳥取トヨペット(米子店)、トヨタカローラ宮崎(日南店)、徳島トヨペット(阿南店)、沖縄トヨタ(宮古支店)、長崎トヨペット(琴海店)の11社12店舗。対象となる車両は合計1345台。一部検査の未実施、検査結果の改ざんが確認されたほか、検査員による整備作業の実施、一部確認作業の未実施等の違反が行われていた。一部、過失によるものもあるが、故意性ありと思われるものもあったという。
トヨタでは総点検結果から見えてきた課題として、「サービス現場における過大な業務量と、エンジニアの人員不足」、「車検制度への役割認識と遵法意識の不足」、「経営層・管理者と現場作業者の風通しの悪さ」、「指定整備における監査機能の不備」、「車検を正しくおこなうためのお客様への確認や説明の不足」を挙げている。再発防止に向けては、必要な人員の増強や、サービス機器の更新などを最優先で進めるとともに、不正を誘発する背景となりうる要因を改善すべく、働く環境の改善や、職場風土づくり、改善をリードし継続できる人材の育成などについても、早急に取り組んでいく。
トヨタの不正車検で全販社調査、11社12店舗で発覚
トヨタ自動車は29日、系列販売店で発覚した不正車検を受けて全販社を調べたところ、7月以降の総点検の結果、「レクサス高輪」を含め11社12店舗で1345台の不正車検が見つかったと発表した。調査の過程で過大な業務量やメカニック不足のほか、経営・マネジメント層が現場の実態を把握できていなかったり、コンプライアンス(法令順守)意識の不足や監査機能の不備といった複数の課題が見つかったとし、メーカーと販社とで再発防止に取り組む。
同日、オンライン会見したトヨタの佐藤康彦国内販売事業本部長は「今後も不正が明らかになった場合は隠さず、きちんとお伝えしていく」と語った。
国交省、「レクサス高輪」の指定取り消し
国土交通省は29日、トヨタモビリティ東京(関島誠一社長)が運営する「レクサス高輪」に対し、関東運輸局が指定自動車整備事業の指定取消処分を行ったと発表した。レクサス高輪では一部検査での数値改ざんなどの不正車検が明るみになっていた。
また、トヨタ自動車が行っていた系列販売店の総点検において、同店を含む12店舗の違反が発覚したことも国交省に報告された。これを受け、国交省では対象車両の再検査の早急な実施や四半期ごとの状況報告などをトヨタに要請した。新たに違反の事実が発覚した11店舗については、今後、各地方運輸局が処分を実施する予定だ。
トヨタの苦悩、系列販売店で不正車検相次ぎ発覚
「45」という数字を聞いて、最近は大手洋酒メーカーの社長が提案し、物議を醸している「45歳定年制」を思い浮かべてしまうが、こちらの「45」は、トヨタ自動車系の販売店で展開していた最短45分で完了する車検の作業時間のことである。
その「45車検」の導入で作業時間の短縮が目的化していることや、深刻な人手不足などを背景に、トヨタ系の販売店では不正車検が相次いで発覚しているという。不正車検問題については、すでに直営のトヨタモビリティ東京が営む「レクサス高輪」などでも判明し、一部のメディアでも取り上げたが、改めてきょうの朝日も経済面のトップ記事で「トヨタ系不正車検次々」などの大見出しで報じている。
それによると、不正車検の台数は9月10日に発表したネッツトヨタ山梨などを含めて計約6000台にも及んでおり、これから増える可能性もあるという。トヨタ本社では全国に約260ある販売会社で、ほかに不正がないか調査を進め、「近く再発防止策をまとめようとしている」とも伝えている。
また、記事では整備業界が深刻な人手不足となっていることにも注目。車検の担い手である自動車整備士の技能検査は合格者が低迷。2009年度に約4万人だった合格者は11年度以降は3万人前後に減少。賃金の低さなど労働条件の課題が指摘されているしている。
そういえば、コロナ前に自宅を訪ねてきたトヨタ系販売店の若い営業マンに話を聞くと、整備士の資格は持っているが、待遇が良いのでセールスを志望したという。ただ、その営業マンが凄腕なのかどうかはわからないが、今年になってから欧州系輸入車の販売店に転職したというハガキが届いた。人材の不足は整備士ばかりではないようだ。
2021年9月28日付
●緊急事態全面解除へ、重点措置も、時短要請知事判断(読売・1面)
●トヨタ系不正車検次々、計6000台、本社、近く再発防止策(朝日・7面)
●不正調査報告書、来月1日に公表、三菱電機(毎日・7面)
●こちら特報部「茨城ダッシュ」警鐘、でもそれだけじゃない、ご当地危険運転なぜ全国で横行?(東京・22面)
●レンタカー観光ガイド、NTTデータなど、端末でルート提案(日経・18面)
●バス自動隊列走行実験、JR西・ソフトバンク、BRT向け(日経・19面)
●トヨタ、個人株主誘う、30年ぶり株式分割上場来高値を更新(日経・20面)
Posted at 2021/09/30 22:44:01 | |
トラックバック(0) |
自動車業界あれこれ | 日記
2021年09月30日
ブガッティ史上最速、1600馬力の「シロン スーパースポーツ300+」
ブガッティは9月23日、『シロンスーパースポーツ300+』(Bugatti Chiron Super Sport 300+)の生産を開始した、と発表した。世界限定30台のうち、最初の8台の出荷準備が整った、としている。
シロンスーパースポーツ300+のプロトタイプは2019年、490.484km/hという世界最高速記録を樹立した。その後、市販モデルを世界30台限定で生産すると発表していた。
◆車両重量は23kg軽量化
シロンスーパースポーツ300+では、8.0リットルW16+4ターボエンジンをチューニングし、その最大出力を100ps引き上げて、1600psとした。エンジニアは、ターボチャージャー、オイルポンプ、バルブトレイン付きのピストン、トランスミッション、クラッチに変更を加えた。
これにより、エンジンの許容回転数は300rpm引き上げられ、最大7100rpm に。163kgmの最大トルクは、従来の6000rpmではなく、2000~7000 rpmの幅広い領域で発生し続ける特性とした。同時に、車両重量は23kg軽量化されている。
より効率的なコンプレッサーホイールを備えた大型ターボチャージャーの効果で、7速デュアルクラッチトランスミッションは、フルスロットル状態で6速から7速に403km/hでシフトアップする。0~200km/h加速は5.8秒、0~300km/h加速は12.1秒。0~400km/hは、通常のシロンよりも7%速く加速する。
また、ブースト圧は最大近くに維持される。ギアを変更すると、ブースト圧は0.3 秒間低下するだけで、その後2.8バールのフルブースト圧に戻る。6000rpmを超えても加速は低下せず、最大7100rpmまで強力な加速が維持されるという。
◆500km/hでも安定して走行できる世界唯一のタイヤ
ブガッティは、新しいシャシーを開発した。ステアリングシステムとダンパーは改良され、より滑らかなステアリング動作のためにタイトなステアリングを実現しているという。スプリングレートは引き上げられ、電子制御シャシーも再チューニングされた。走行モードは「EB」、「ハンドリング」、「アウトバーン」、「トップスピード」の4種類だ。
ボディはリアを延長し、フロントを改良した。これにより、最高速領域において、バランスのとれた空力特性を発揮することを狙う。高速コーナリングでも、リアは落ち着いたニュートラルな状態を保つという。
新開発のミシュラン「パイロットスポーツ・カップ2」タイヤは、最高速領域での性能を最適化した。ピュールスポーツ向けのタイヤよりも、優れた剛性と滑らかさを実現するという。大きな力に耐えることができる強化ベルトによって、500km/hでも安定して走行できる世界唯一のタイヤとして開発された。すべてのタイヤは、製造後にX線検査を受けるという。
◆「ロングテール」によりリアを250mm延長
ブガッティは、シロンスーパースポーツ300+のために、空力特性を最適化した新しい車両デザインを開発した。フロントのリップスポイラーからリアのディフューザーまで、そのすべてが最高速のために新設計されているという。
420km/hを超える速度域では、車両は最小限の抗力で充分なダウンフォースを得る必要があるという。シロンスーパースポーツでは、最高速領域でのニュートラルなセットアップと、可能な限り流線型のフォルムにすることを目標に掲げた。
シロンスーパースポーツ300+では、リアのオーバーハングがおよそ250mm延長された。この「ロングテール」デザインにより、空気の層流がより長く車体の上を通ることを可能にしているという。ディフューザーも新デザインとなり、風の抵抗が減少。これらの変更により、リアのプロポーションは従来よりもワイド&ローになった。
テールパイプの配置も変更された。ディフューザーの効果を高め、より多くのスペースを確保するために、中央の排気システムを横にずらし、パイプを垂直に配置した。エキゾーストシステムも、より深く豊かなサウンドを発生するという。
◆『EB110スーパースポーツ』を連想させる9個のエアダクト
フロントのデザインも変更された。エアインテークの横にサイドエアカーテンを追加することなどにより、フロントからホイールアーチへのエアフローが改善されているという。
左右のフロントフェンダーには9個のエアダクトが設けられた。これは、かつての『EB110スーパースポーツ』を連想させるだけでなく、前輪付近の空気の流れを最適化し、フロントアクスルにより多くのダウンフォースを発生させる。フロントホイールアーチの後ろにも、エアダクトが追加されている。
5本スポークデザインの新しいアルミホイールは、専用デザインだ。ダイヤモンドカット仕上げのオプションも用意した。バネ下重量をさらに軽減する「ピュールスポーツ」用のマグネシウムホイールも、オプションで選択できる、としている。
Posted at 2021/09/30 22:36:05 | |
トラックバック(0) |
自動車業界あれこれ | 日記