2021年10月06日
名車「レガシィ」&「インプSTI」を支えた強心臓! スバルの名機「EJ20」伝説
VAB型WRX STIを以ってEJ20搭載車の生産が終了
ついに北米仕様のWRXが公開され、そのパワーユニットが2.4L水平対向4気筒ターボを搭載することが明らかとなった。国内仕様についてはその詳細についての発表がないものの、北米仕様と同じく2.4Lターボを採用することが濃厚なのではないかという噂が飛び交っている。 先代WRXでは、EJ20型水平対向4気筒ターボエンジンに6速MTを組み合わせた「WRX STI」と、FA20型水平対向4気筒直噴ターボエンジンに、リニアトロニックCVTとスバル自慢の運転支援システム「アイサイト」を組み合わせた「WRX S4」の2本立てでラインアップされていた。なかでもVAB型WRX STIは、1989年に登場した初代レガシィから長きにわたり搭載されてきた、EJ20型エンジンを搭載する最後のモデルとして、多くのスバルファンを魅了した。
主力エンジンとしてスバルの主要モデルに搭載
EJ20エンジンは前述のとおり、1989年に登場した初代レガシィ(BC/BF型)に搭載され、それまでスバルの基幹モデルであったレオーネに搭載のEA82型水平対向4気筒SOHCエンジンから、一気に当時トップクラスのスペックを誇るパワーユニットとへと進化した。 その後も改良を重ね、続く2代目(BD/BG型))から4代目(BL/BP型)までのレガシィに搭載されたほか、WRC(世界ラリー選手権)で3年連続マニュファクチャラーチャンピオンを獲得した初代インプレッサにも搭載。インプレッサ系では3代目(GC/GF型~GRB/GVB/GH8型)まで搭載され、WRX STI(VAB型)へと引き継がれた。ほかにもSUVのフォレスターに初代(SF型)から3代目(SH型)まで搭載されたほか、7人乗りのエクシーガ(YA5型)にも搭載されるなど、一時はスバルのすべてのモデルに採用された主力のエンジンであった。
もちろん、世代ごとに大きく進化を遂げているだけではなく、モデルごとに過給機やスペックを変更するなど、同じEJ20という形式ながらそのバリエーションは数知れず存在した。
デビューから終焉まで改良を重ねファンの心をつかんだEJ20ターボ
初代レガシィセダンRS系/GT系/ツーリングワゴンGT系に搭載されたシングルターボ仕様のEJ20インタークーラーターボエンジンは、RS系が220ps、GT系は200psの最高出力を発生。ダイレクトイグニッションや水冷式オイルクーラーを採用するなど、令和となった現在でも十分に通用するスペックを誇る。
WRCで勝利を勝ち取るために開発されたインプレッサWRXには、レガシィ用をさらにパワーアップさせた240ps仕様のEJ20ターボを搭載。インタークーラーは空冷式へと改められ、ハイドロリックラッシュアジャスター付きダイレクトプッシュ式バルブ駆動へと変更、4速AT用にはタービンを小径にしてトルク重視型とした220ps仕様も設定された。 インプレッサはこのあとの世代でも空冷インタークーラーシングルターボを継承し、ライバルである三菱ランサーエボリューションとの熾烈なスペック競争へと突入。可変バルブタイミング機構AVCSや等長等爆エキゾーストなどの新しいメカニズム、吸排気系の見直しなどを経て、3代目インプレッサWRX STI(GRB型)では308ps/6400 rpm、43.0kg-m/4400rpmを誇るトップクラスのパワーユニットへと進化し、EJ20最終となるWRX STI(VAB型)へと継承された。 一方レガシィシリーズには、2代目モデルからはインプレッサと同じく空冷式インタークーラーとしつつも、タービンを2基搭載したシーケンシャルツインターボ方式(低速時にはプライマリーターボによるシングルターボのみ過給させ、高負荷になるとセカンダリーターボも過給させてツインターボ状態となる)を採用する。1996年の大幅改良モデルでは、当時の自主規制枠いっぱいの280psを量産2000ccモデルとして初めて達成した。 その後も3代目レガシィにシーケンシャルツインターボ方式を採用したが、ふたつ目のタービンが回り始める前のターボラグ、いわゆるトルクの谷がネックとなっていた。もちろん斜流タービンなどを採用することで、その谷間の解消を図るも、4代目レガシィではチタン製ツインスクロールのシングルターボ方式へ変更。等長等爆エキゾーストにより、それまでのドコドコ音という独特な排気音と別れを告げ、新しいボクサーサウンドが登場した。
マニア心を擽った高出力DOHC NAユニットもラインアップ
レガシィシリーズでは5代目(BM/BR型)登場時に排気量を拡大したEJ25型へとスイッチしたことで、EJ20を搭載するレガシィは4代目が最後となり、エクステリアデザインの秀逸さと相まって、いまでも人気が高いモデルだ。また、4代目レガシィではターボモデルの陰に隠れがちなNAにもAT仕様とMT仕様を設定。5速AT仕様では180ps/6800rpmという最高出力に対し、5速MTでは190ps/7100rpmとなり、より高出力化が図られた気持ちの良いエンジンフィールを実現した。NAながらハイオク仕様というネックもあるが、この4代目レガシィのDOHC NAエンジン仕様のEJ20搭載車の隠れファンもじつは多い。
このようにEJ20エンジンはターボ、NA(DOHC/SOHC)と多彩なラインアップが存在したが、この4代目レガシィでは、なんとCNG(天然ガス)仕様のEJ20エンジン搭載車も存在した。おもに官公庁向けではあったが、こうした環境対策仕様はハイパワーなターボ仕様の陰に隠れながらも、さまざまな試行錯誤が繰り返されていたことがうかがえる。 もちろんその後に登場する、直噴化されたFA20やFB20といった新世代ボクサーエンジンへとつながるテクノロジーも数多く、リーンバーン仕様などはその技術が礎となっている。
いち時代を築いたEJ20だが次なる名機の登場に期待したい!
多くのスバル車に搭載されてきたEJ20エンジンは、モータースポーツの世界でもWRCやSUPER GTなどで活躍した名機だ。その終焉に多くのファンがいたことを実感させられると同時に、今後のスバル車へ搭載されるEJ20を超える名機の登場に期待を募らせるファンが多いことも、スバルというメーカーにとって大きなプレッシャーとなっているに違いない。しかし、これまでの進化や功績をみれば、きっとその期待に応えてくれるモデルが登場するに違いない!
Posted at 2021/10/06 22:10:55 | |
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富士重工 | 日記
2021年10月06日
SUBARUが新世代ハイパフォーマンスセダンの新型WRXを世界初公開。日本仕様は本年10月下旬に発表予定
高性能スポーツセダンのSUBARU WRXが約7年ぶりにフルモデルチェンジして米国で発表。コンセプトモデルのVIZIVパフォーマンスを反映したスタイルに、新世代の2.4リットル水平対向4気筒直噴ターボエンジンを搭載
SUBARUは2021年9月10日、第2世代となる新型WRXの米国仕様を世界初公開した。
約7年ぶりでのフルモデルチェンジとなる新型WRXは、2017年10月開催の東京モーターショーで披露されたVIZIVパフォーマンスコンセプトのイメージを投影したうえで、パフォーマンスカーとしての価値、そして実用的なセダンとしての価値を革新的に進化させた、新世代のSUBARU AWDパフォーマンスカーに昇華させたことが特徴である。
まずエクステリアは、パフォーマンスカーにふさわしい大胆でアグレッシブなスタイリングを創出して、走りの愉しさを表現。具体的には、ヘキサゴングリルを起点とした立体的で彫りの深いマスク、ワイド&ローを強調するフロントバンパーのデザイン、コの字型造形の印象的なLEDヘッドランプ(デイライト内蔵)、力強く張り出したフェンダー、ハイデッキ処理の存在感あふれるリアビューなどを採用して、止まっていながら今にも走り出しそうな躍動感を演出する。同時に、空力特性も最大限に重視。フロントおよびリアフェンダーのスポーツサイドガーニッシュやサイドシルスポイラーなどに空気の流れを整えるヘキサゴンパターンの空力テクスチャーを組み込み、さらにフロントフェンダーとリアバンパーの後部にはエアアウトレットを設けて、パフォーマンスカーならではのデザインとコーナリング時や高速走行時の操縦安定性を両立させた。ボディ寸法は全長183.8×全幅71.9×全高57.8インチ(約4669×1826×1468mm)/ホイールベース105.2インチ(約2672mm)に設定。従来(日本仕様のWRX S4で同4595×1795×1475mm/2650mm)よりひと回り大きいサイズとなっている。
内包するインテリアは、シックなブラックのカラーリングを基調としたうえで、レッドステッチを配するなどしてアグレッシブかつスポーティなキャビン空間を創出。また、インストルメントパネル中央には様々な機能を集約した大型で高精細な11.6インチ・センターインフォメーションディスプレイを組み込む。GTトリムには、新設計・新デザインのレカロ製シートを装備した。一方でパッケージングについては、前後席それぞれのショルダールームを広げ、合わせて従来より延長したホイールベースによって後席空間を大幅に拡大。また、トランクは従来と同様にベビーカーやゴルフバッグが入る容量を確保し、さらに6対4分割可倒の後席トランクスルー機能を内蔵した。
パワーユニットには新世代の2.4リットル水平対向4気筒DOHC直噴ターボエンジンを搭載。最高出力は271hp、最大トルクは258lb-ft(350Nm)を発生する。組み合わせるトランスミッションには、改良版の6速MTと“Subaru Performance Transmission(スバル・パフォーマンス・トランスミッション)”と称する8速仕様のリニアトロニックCVTを設定。駆動機構はMTに進化したビスカスLSD付きセンターデファレンシャル方式AWDを、CVTにVTD-AWD(不等&可変トルク配分電子制御AWD)を採用した。さらに、ドライブモードセレクト機能を備えたグレードでは、LSDトルクを制御することでさらに回頭性を高めるAWDスポーツモードを導入している。
基本骨格に関しては、WRXとして初めてスバルグローバルプラットフォームを採用し、フルインナーフレーム構造や構造用接着剤を組み合わせることで、ボディやシャシーをいっそう高剛性化する。また、ボディ剛性の高さを活かして路面からの入力に対する足回りのしなやかな動きを実現するために、前マクファーソンストラット/後ダブルウィッシュボーンで構成するサスペンションのジオメトリーを最適化。従来型に対して実用ストロークを伸ばし、接地性や安定感を向上させた。一方、シューズには新デザインの18インチアルミホイール+245/40R18タイヤを設定。操舵機構には、モーターアシスト軸とドライバーのステアリング操作軸を別軸とした2ピニオン方式の電動パワーステアリングを組み込んだ。
先進安全機能のバージョンアップにも抜かりはない。Subaru Performance Transmission 搭載車には、画角を拡大した新世代アイサイトXを装備。電動ブレーキブースターを組み合わせることでプリクラッシュブレーキの作動領域をいっそう広げ、交差点などでの衝突回避をサポートする。さらに、ステレオカメラの広角化によって認識範囲を拡大。従来型では先行車を捕捉できなかった急なカーブでも追従走行を継続するほか、割り込み車両をより早いタイミングで認識できるようにセッティングした。
なお、新型WRXの日本仕様は従来通り「WRX S4」の車名を冠して本年10月下旬に正式発表となる予定。また、高性能バージョンのSTIモデルも、開発が鋭意進行中である。
スバル WRX S4 新型、ティザー…「STi」のエンブレムが見えた!!
SUBARU(スバル)は9月30日、新型『WRX S4』のティザー映像を公開した。
スバルオブアメリカは9月10日、新型『WRX』を発表した。WRXとして初めて、「スバルグローバルプラットフォーム」を導入した。6速MTに加え、新たなATとして、「スバル・パフォーマンス・トランスミッション」を採用している。
新型は、ブラックのフェンダーガードが付いたワイドボディデザインとした。ヘッドライトやフロントマスクは、『レヴォーグ』と共通。テールライトは、火山のマグマをモチーフにしているという。
北米向けのパワートレインは、2.4リットル水平対向4気筒ガソリンターボエンジンだ。最大出力は271hp、最大トルクは35.7kgmを引き出す。シンメトリカルAWDに、アクティブトルクベクタリングを組み合わせている。
この北米向け新型WRXの日本国内仕様が、新型WRX S4となる。ティザー映像からは、フロントグリルとリアのトランクリッドに、北米仕様の写真にはなかった「STi」の赤いエンブレムが装着されているのが一瞬、見て取れる。
STIバッジあり!? スバル新型「WRX S4」国内仕様のティザー映像公開でデザインちら見せ!
■日本仕様のデザイン見えた!? 新型WRX S4の映像公開!
2021年9月10日に北米で世界初公開されたスバル新型「WRX」ですが、同月30日に特設サイトがオープンし、日本仕様のティザー映像が公開されました。
ティザー映像では、ニュルブルクリンク24時間耐久レースやラリーに参戦するWRXや従来モデルに続き、日本に投入される予定の新型「WRX S4」の映像が収められています。
「WRXのDNA、新たなステージへ」というフレーズとともに、鮮やかなオレンジのボディカラーを身にまとった新型WRX S4がワインディング路を駆け抜けるシーンを収録。スポーツセダンとしてさらに進化した新型WRX S4のパフォーマンスがうかがえます。
さらに注目なのは、フロントグリルに「STI」バッジが装着されている点です。リアにもSTIとS4のバッジが装着されているのですが、よりスポーツ性を高めた「STIスポーツ」グレードが用意される可能性がありそうです。
また、北米仕様で賛否があった、フェンダーやボディ下部に備わるブラックの樹脂パーツですが、映像を見る限りでは装着されていることが確認できました。
※ ※ ※
現行モデルは2014年に登場。それ以前は「インプレッサWRX」としてラインナップされていましたが、同モデルからインプレッサが外れてWRXとして独立しました。
新型WRXは北米で2022年に発売される予定となり、8年ぶりにフルモデルチェンジがおこなわれることになります。
北米仕様の新型WRXは、新たに2.4リッター水平対向4気筒直噴ターボエンジンを搭載。トランスミッションは6速MTと新開発の「スバルパフォーマンストランスミッション」(CVT)を用意しました。
さらに、WRX初となるスバルグローバルプラットフォーム×インナーフレーム構造を取り入れることで、動的質感が向上しているといいます。
新型WRXは、パフォーマンスカーらしい躍動感と空力などの機能を両立した大胆でアグレッシブなデザインを採用。内装も新世代モデルにふさわしい先進的なコクピットを実現しました。
今回、新型WRX S4の特設サイトとティザー映像が国内で公開されたことにより、近いうちに日本仕様のスペックなどが明らかになるものと思われます。
Posted at 2021/10/06 22:07:58 | |
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