2022年04月04日
スバリスト歓喜! 伝説の「22B」ルックの初代インプレッサWRX STIがジムカーナで怪物っぷりを発揮
この記事をまとめると
■3月12日~13日に2022年の全日本ジムカーナ選手権・第1戦が開催された
■スバル・インプレッサの初代モデルが参戦し、注目を集めた
■マシンの詳細を解説する
トヨタGRヤリスからGC8にスイッチ
3月12日~13日に筑波サーキット・コース1000で開催された2022年の全日本ジムカーナ選手権・第1戦にはJG10クラスにルノー・アルピーヌA110Sやマクラーレン600LT、さらにポルシェ911GT3RSなどスーパーカーが参戦。数多くのギャラリーの注目を集めていたのだが、これと同時に注目を集めた一台が最高峰クラス、JG1クラスに参戦したスバル・インプレッサだと言えるだろう。
インプレッサといってもVAB型のWRXではなく、なんと初代モデルのGC8型で、しかも2ドアクーペのワイドモデル。一見するに伝説のコンプリートカー「22B-STIバージョン」を彷彿とさせるルックスで、往年のスバルファンなら目が釘付けになることだろう。
114号車「DLプレジャーインプレッサ」として同モデルを投入したのは、これまでに数多くのタイトルを獲得している大橋渡で、大橋が率いるプレジャーレーシングサービスがマシン開発を担当。「GC8は車両重量が軽いですからね。ジムカーナでは軽いマシンが有利ですから、2022年に向けて昨年の秋口から開発を進めていました」と語るように、昨年までのトヨタGRヤリスからGC8にスイッチした。
しかも、車両規格は改造範囲のもっとも広いSC車両で、GC8型のインプレッサWRX STIバージョン4のタイプRをベースに徹底的なモディファイが実施されている。
まず、特徴的なエクステリアのポイントがKITサービスのワイドボディキットを装着したことで、これに合わせて純正形状のリヤウイングを装着。これだけで22Bをイメージさせる仕上がりだが、同モデルはホイールにレイズ製、マフラーにフジツボ製を採用していることから、より競技ユースに仕上がっていることが特徴と言えるだろう。
加速力はWRカーに匹敵!
もちろん、ダンパーはオーリンズ製、ブレーキキャリパーはフロントがプレジャー製、リヤがGDBの純正パーツを採用するなど、足まわりやブレーキの最適化にも余念がない。さらにLSDはATSで駆動系の強化も万全だ。
気になるエンジンはGDBの純正モデルで、三菱製のタービンに変更されているものの、ECUは純正の書き換えで対応。ギヤボックスもGDBの純正ユニットがインストールされているものの、軽量化とシフトミス防止の一環として5速と6速が外されている。
当初は軽量化の一環として、ガラスの材質変更も予定されていたようだが、予定よりも車両重量が軽くなったことから、純正ガラスをそのまま採用。大橋によれば「70kgのバラストを助手席に載せて、12kgのスペアタイヤをリヤラゲッジに搭載した状態でようやく最低重量の1210kgを満たした状態です。その状態でパワー的には360馬力ぐらいは出ていると思うので、ジムカーナに最適なマシンです」とのことだ。
実際、コースサイドでその走りを見ていると、その加速力はWRカーに匹敵するような状態で、シャッターを斬りながら「スゴイ!」と言わせるほど目立つものだった。
残念ながら開幕戦は2位に惜敗したが、大橋によれば「ベストは尽せました。マシン的にパイロンコースの方が合っていると思っていたんですけど、サーキットコースでも速いことがわかりました。コース設定にもよりますが、北海道は速いと思います」とのことで、大きな手応えを掴んでいた。
その一方で、「まだリヤのスタビが間に合っていないので、これを追加すればサイドターンが良くなると思います、これでも厳しいようならガラスの材質変更をしたい。それに今年は岡山国際サーキットで全日本ジムカーナが開催されるんですけど、5速と6速がない状態なので、4速以上を使う場合は対策をしていきたい」と語っているだけに、大橋のGC8はまだまだ進化を重ねるに違いない。
Posted at 2022/04/04 21:05:46 | |
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2022年04月04日
全日本ラリーにも激しいタイヤ開発競争あり! コバライネン圧倒的速さ”全SS首位”で連勝|第2戦ツール・ド・九州
2022年の全日本ラリー選手権第2戦「ツール・ド・九州」が4月1日~3日、佐賀県唐津市で開催。この一戦で圧倒的な強さを披露したのが、シュコダ・ファビアR5を武器に開幕戦「新城ラリー」を制したヘイキ・コバライネンで、初挑戦ながら唐津のターマックを攻略し、全SSベストタイムで2連勝を達成した。
このコバライネンの背後で激しい2番手争いを展開したのが、ヌタハララリーチームの奴田原文雄とトヨタGAZOOレーシングの勝田範彦。2台のトヨタGRヤリスが激しいバトルを展開し、奴田原が一騎打ちを制した。彼は2番手でレグ1を終えた時、次のようにコメントしていた。
「今日のコンディションには、ダンロップよりヨコハマの方が合っていたと思います」
結局、奴田原はレグ1で築いたマージンを守り抜いて2位に入り、今季初の表彰台を獲得した。これに対して3位に惜敗した勝田はレグ1を終えた時、「SS1でタイヤを使い過ぎてしまいました」と語っていたが、その遅れを最後まで挽回することはできなかった。
同じGRヤリスでも、ヨコハマタイヤを装着した奴田原とダンロップタイヤを装着した勝田。明暗を分けた要因のひとつに、タイヤおよびタイヤマネジメントも含まれていたに違いない。
全日本ラリー選手権は、スーパーGTと同様にタイヤコンペティションとなっており、時としてタイヤのパフォーマンスがリザルトを左右する。例えばJN1クラスにはシュコダ・ファビアR5、トヨタGRヤリス、スバルWRX、三菱ランサーエボリューションなどが参戦しているが、そのマシンの違いに加えて、ファビアR5ならダンロップのコバライネンVSミシュランの福永修、GRヤリスなら前述のとおりダンロップの勝田VSヨコハマの奴田原、スバルWRXならダンロップの鎌田卓麻VSヨコハマの新井敏弘といったように、同車種同士でのタイヤ対決が展開されている。これも全日本ラリーの興味深いポイントだ。
全日本ラリー選手権はFIAの公認タイヤが使用されるR5仕様車を除いて、ほとんどの車両でハイグリップラジアルが使用されている。4月の岡山国際サーキット、8月の富士スピードウェイ……といったように、ピンポイントで開発が行われるスーパーGTのレーシングタイヤほどシビアではないが、それでも2021年の全日本ラリー選手権でタイトルを獲得した勝田も「ラリーハイランドマスターズも久万高原ラリーも終盤のターマック戦はダンロップに助けられた。新しいタイヤがウエットコンディションでアドバンテージになっていた」と語ったように、タイヤとコンディションとのマッチングがリザルトを左右する大きなファクターとなっている。
タイヤがワンメイクとなっているF1やWRCに対して、タイヤ競争が行なわれている全日本ラリー。このことについてコバライネンは、次のように語った。
「ルノーではテストドライバーの時にミシュランタイヤを履いた。F1デビューしてからはブリヂストンやピレリも履いたけど、実際にタイヤコンペティションを経験したのはスーパーGTに参戦してからだった」
コバライネンがルノーでテストドライバーを担当していた頃、F1ではミシュランとブリヂストンの激しい”タイヤ戦争”が繰り広げられていた。しかし彼がデビューした2007年以降はブリヂストンのワンメイク、そして2011年からはピレリのワンメイクであり、コバライネンがF1ドライバーとしてタイヤコンペティションを経験したことはなかったのだ。しかし彼が昨年まで参戦していたスーパーGTは、今も激しいタイヤコンペティションが行なわれている。
「(コンペティションがあるのは)タイヤは常に進化していくので良いことだと思う。もしワンメイクだったらタイヤが進化しないからね。だから、全日本ラリーのタイヤコンペティションも良いと思う。エンジニアと一緒にタイヤ開発を行なうことはドライバーとしては面白いよ」
Posted at 2022/04/04 20:55:56 | |
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