2020年06月17日
改正バリアフリー法が6月19日に施行 ソフト対策を強化
政府は6月12日、改正「高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律」(改正バリアフリー法)の施行日を定める政令を閣議決定したと発表した。
今国会で、東京オリンピック・パラリンピック競技大会のレガシーとしての共生社会の実現に向け、ハード対策に加え、移動等円滑化に関する「心のバリアフリー」の観点からの施策の充実などソフト対策を強化する「高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律の一部を改正する法律」が成立、5月20日に公布された。
これを受けて、政令で改正法の施行日を6月19日とする。
改正バリアフリー法は、バリアフリー基準適合義務の対象施設に公立小中学校と、バスなどの旅客のための停留所などを追加するための規定を整備したほか、公共交通事業者に対してはスロープ板の適切な操作や照度の確保など、ソフト基準の遵守を義務付ける。
Posted at 2020/06/17 21:51:23 | |
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自動車業界あれこれ | 日記
2020年06月17日
自動車保険の保険料を安く抑えたい方必見!割安な自動車保険を選ぶコツ
自動車保険にはいろいろな種類があります。「できるだけ保険料を安く抑えたいけれど、どうやって選んでいいか分からない」と悩んでいる方も多くいるのではないでしょうか。また、保険料が安くなってもいざというときに補償が不十分では本末転倒です。そこで今回は、保険料と補償のバランスが取れた最適な自動車保険の選び方のコツを紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
自動車保険の保険料の仕組みとは?
自動車保険をはじめとする「保険」の基本的な仕組みとして、人々がお金を出し合って被害にあった人を補償するという「相互扶助」から成り立ちます。そのため、2000年に法改正がおこなわれるまで保険会社は「相互会社」という独特な形態を導入している会社が多い傾向にありました。
被保険者が保険会社に支払う保険料の内訳は、「純保険料」と「付加保険料」があります。純保険料とは、事故を起こした時に支払われる保険金に充てられるお金です。一方、付加保険料とは、保険会社に勤める社員の給与や代理店への多数料など、保険会社が業務を継続するために使われるお金です。
また、自動車保険には「自賠責保険」と「任意保険」の2つがあります。自賠責保険は、「自動車損害賠償保障法」という法律で自動車の所有者に加入が義務づけられている保険です。自賠責保険は、自動車事故で他人にケガをさせたり死亡させたりしてしまった場合の治療費や慰謝料が補償される保険です。
支払い限度額は、被害者1名に対して死亡時に3,000万円、後遺障害による損害では4,000万円、ケガに対する損害で120万円となります。ただし、自分のケガや事故の相手が乗っていた自動車など、被害者の持ち物に対する補償は行われません。
一方、任意保険は、自賠責保険では補償しきれない被害を補償するための保険です。例を挙げると、自賠責保険の支払限度額を超える対人賠償を補償する対人賠償保険があります。また、事故で他人の建物や車を壊してしまった際、損害を補償する対物賠償保険と、自動車事故で自分や同乗者がケガをした際、損害を補償する人身傷害補償や搭乗者損害補償などがあります。自動車を所有している人のほとんどが、自賠責保険に加えて任意保険に加入しており万が一の事故に備えているのが現状です。
保険料をさらに割安にするには?
自動車保険には、「ダイレクト型(通販型)」と「代理店型」があります。ダイレクト型(通販型)は代理店を通さず、直接保険会社とネットや郵送などを通して契約する方法です。保険会社の社員とは、事故が発生して保険の支払いが必要になるまで連絡を取ることはほとんどありません。
一方、代理店型とは、代理店が保険の見積もりや契約書の提出まで契約者に代わって行ってくれる方法です。ダイレクト型の保険の方が代理店の手数料などがかからない分「付加保険料」が安くなり、結果として保険料の総額が割安になります。
また、自動車保険を割安にするには、「補償内容」をよく考えて選ぶことも重要です。自動車保険は補償の対象が細かく別れており、保険料が変わってきます。一例を挙げると、補償対象を自動車を運転する人全てにすると保険料は高くなり、自動車の所有者限定にすると安くなるのです。
また、車両保険の場合は、自然災害による自動車の損傷や当て逃げ、単独事故を補償の対象外にすると保険料を安く抑えることができます。補償が手厚ければ安心感は増しますが、起こす可能性が限りなく低い事故や自動車を運転することがほとんどない人まで補償しても、保険料が無駄になりがちです。
保険料を割安にするには、自分にとって必要な補償を知ることが重要です。自動車を運転する際の発生リスクが高い事故や盗難、災害などを調べてから必要な補償内容を決めれば保険料をより割安にすることができるでしょう。
相性の良い保険会社を選ぶと保険料は安くなる?
自動車保険を販売している保険会社はたくさんあり、保険会社独自の割引制度を実施しているところも珍しくありません。また、同じ割引サービスでも割引率や内容は会社によって差があります。
例えば、一定期間の走行距離が短ければ保険料が割安になる商品を売り出している会社が2つあり、一方の会社は1万キロ以上、未満の区分しかなく、もう一方の会社は、1万キロ以上、5千キロ未満、3千キロ未満と区分が細かいといった違いがあったとします。この場合、細かい区分を設けている会社と契約した方が保険料が安くなる、というケースがあります。
このように、同じ商品でも保険会社独自の決まりで、保険料が高くなったり安くなったりすることもあります。これが保険会社との相性です。 保険会社によっては、「この条件を満たすと保険料がかなり安くなる」と対象者を限定した商品を売り出しているところもあります。ですから、保険会社を選ぶときは商品の内容はもちろんのこと、走行距離や年齢条件などを比較してみましょう。また、保険会社独自の等級制度などを調べてみると、自分と相性のいい保険会社が選びやすくなります。
反対に「保険料が割安になる方法をすべて試しているが、今ひとつ安くならない」と悩んでいる場合は、保険会社と相性が悪い可能性があります。同じような補償内容の商品を扱っている別の保険会社の条件をチェックしてみましょう。今契約している保険会社の商品と同じ条件で、もっと保険料が割安になる保険会社が見つかるかもしれません。保険会社は定期的に新しい商品を発売しているので、チェックは定期的にするのがおすすめです。
割安な自動車保険を選ぶコツとは?
自動車保険を選ぶときは、複数の保険会社を比較することが大切です。代理店を通して契約をするならば、代理店の社員が複数の保険会社の商品を比較して見積もりを出してもらえることもあるでしょう。しかし、ダイレクト型の保険を選ぶ場合、比較も自分で行わなければなりません。そこでおすすめなのが、「一括見積もり」です。
一括見積もりを利用すれば自分で条件を入力するだけで、複数の保険会社の商品を比較することができます。スマホやパソコンがあればどこでも簡単に行えるので、新規契約するときだけではなく、「契約更新の時期が来たので、保険内容を見直したい」という時にも便利でしょう。
自動車保険は、加齢、自動車を運転する人の増減などで、定期的な見直しが必要です。ぜひ、一括見積もりを活用し、自分にとって最適な自動車保険を選びましょう。
自動車保険は似たような商品であっても保険会社独自の割引制度などが適用されることで、人によって相性の良い、悪いがあります。また、加入したときは相性が良くても、条件が変化した結果、商品や保険会社と相性が悪くなることもあるでしょう。自動車保険は定期的に契約内容を見直し必要ならば保険会社を変えることも必要です。その際、複数の保険会社や保険の内容が比較できる、一括見積もりの使用がおすすめです。
自動車保険のロードサービスとは?重視すべきポイントとは?
自動車を所有すると、行動範囲が広がり便利なカーライフを送れる一方で交通事故や車の故障などといったトラブルが心配です。運転中のトラブルや事故などにも対応できる存在が「自動車保険」ですが、自動車保険にはさまざまな種類があるため迷ってしまう方も多いのではないでしょうか。そこで、自動車保険の選び方のポイントとしておすすめなのが「ロードサービス」です。今回は、ロードサービスに着目した保険の選び方について紹介しますのでぜひ参考にしてみてください。
ロードサービスってなに?
「ロードサービス」という言葉を聞いたことがある方はいても、具体的なサービス内容を知らないという方が多くいます。ロードサービスはどのようなサービスなのかを知っていると、万が一トラブルになった際でも安心して頼ることができます。
ロードサービスとは、一般的に車に関する様々なトラブルが起きたときに、現場に駆けつけて応急処置などの対応をしてくれるサービスのことです。車のガス欠やパンクにバッテリー上がりなどに対応しており、交通事故以外のトラブルに対応してくれる可能性が高いです。出先のトラブル対応だけではなく、自宅において発生したキーの閉じ込みやバッテリー上がりなどといったトラブルにも対応してくれます。
ロードサービスは、自動車保険(任意保険)に付帯していることが多いサービスであり、ロードアシスタンスやアシスタンスサービスなどといった名称で呼ばれることもあります。ほとんどの自動車保険についており、加入するだけで利用することが可能です。基本サービスの一部となっていることが多いですが、特約となっていることもあるので、保険加入の際にはあらかじめ条件を確認することが重要となります。
ロードサービスを利用すると、保険の等級が下がり、翌年の保険料が上がってしまうと思っている人もいますが、そのようなことはありません。等級が下がってしまうのは、保険金の支払いがあった場合です。 そのため、ロードサービスを利用しただけでは保険内容で不利益を被ることはないでしょう。ただし、保険金がかかわる事故が発生して、その処理のためにロードサービスを利用した場合には等級が下がってしまいますので注意してください。
自動車保険のロードサービスとJAFは何が違うの?
自動車保険のロードサービス以外にも車のトラブルの際に利用できるサービスの一つとして「JAFのロードサービス」があります。JAFとは、民間のロードサービス会社であり、自動車保険の付帯としてサービスを実施している保険会社のロードサービスとは違いがあります。最も大きな違いは、サービスを受けることができる対象が異なる点です。
自動車保険のロードサービスの対象は、契約している車です。サービスを受けることができる車が限定されており、知人やレンタル会社の車など、契約外の車を運転してトラブルに見舞われてもサービスを利用することができません。それに対してJAFの対象は、入会している会員です。 年間4,000円程度の会費を支払えば、レンタカーや知人の車を運転していてもサービスを利用することができますが、会員の持っている車を知人に貸してトラブルとなった場合には対応してもらえません。ただ、JAFのサービスは会員でなくても、連絡すれば有償でサービスを受けることが可能です。
また、サービスの内容にも違いがあります。基本的には同様のサービス内容ですが、レッカーの移動距離や回数、ガソリンの補給量、宿泊・帰宅に関する費用の提供などで違いが出ています。加入する保険会社のサービス内容を確かめるとよいでしょう。また、自動車保険に加入しているのならば、JAFの会員になるメリットがないとは限りません。もし、自家用車を持っていても友人や家族、レンタカーなど複数の車を利用するのならば、対象が人であるJAFの会員になるメリットは大きいです。
保険会社ごとにロードサービスの内容には違うの?
自動車保険のロードサービスは、ほとんどの自動車保険に自動的に付帯しています。しかし、保険会社の種類も多ければ、保険サービスの種類も多種多様です。すべての保険会社のロードサービスが同一というわけではありません。おおよその保険会社では、ロードサービスのサービス項目は同じことが多いですが、その細かな内容が異なるということが多いです。そのため、保険会社を選ぶ際には、その違いもしっかりと確認してから選ぶことが必要となります。
保険会社で行われているロードサービスは、基本的にトラブルの応急処置です。トラブル現場における対処であり、その後の修理は車両保険を活用して行うか自己負担で行わなければならないでしょう。 受けることができるロードサービスの項目は、バッテリー上がりをはじめとして、鍵の閉じ込み、ガス欠にパンク、脱輪などの対処です。
半ドアやライトの消し忘れなどによってバッテリーが上がってしまった場合、一時的に電気を共有するジャンピング処置をしてくれます。保険会社によって、そのサービスを受けることができる回数やバッテリーの交換作業などに違いがあるでしょう。車の中に鍵を入れたまま施錠してしまう鍵の閉じ込みに関しても、無料で受けることができる回数に違いがあります。
ガス欠の場合は、ほとんどの保険会社では年に1回や保険期間中に1回など回数に制限を設けていることが多いです。また、補給するガソリンに関しても、無料となる範囲に違いがあります。 このほか、レッカー移動では、移動してくれる場所が自社指定工場かそうでないか、移動距離がどれだけかによって無料・有料の境が保険会社によって変わります。このように、無料で受けることができる回数や距離などが保険会社によって異なります。
ロードサービスの選び方
自動車保険の種類によってロードサービスの内容が異なります。そのため、異なる内容からどれを選べばよいのかという選び方が重要となるでしょう。自動車保険会社のロードサービス内容を比較する際のポイントは、利用回数や条件がどのようになっているかということをはじめ、拠点数や無料のレッカー移動の距離と車両運搬費用、そして宿泊・帰宅費用の補償範囲です。
拠点数が身近に多ければ多いほど、迅速なサービスを期待することができるほか、利用可能回数が多く、条件が緩やかな方が便利でしょう。レッカーでの移動距離や費用、宿泊・帰宅費用の範囲が広ければ、それだけ遠方での交通事故やトラブルの際にも安心することができます。 自分の住んでいる地域や活動範囲を考えて、適切なサービスがある保険会社を選ぶことが正しい選び方です。
車の利用にはトラブルを完全に避けることができません。ロードサービスは、自動車保険の付帯やJAFなどを通して利用することができますが、どのサービスを利用するかはしっかりと考えなければなりません。保険会社によって、そのサービスの細かな内容には違いがあります。正しいロードサービスの選び方を知り、安心で、損をすることのないサービスを選んでください。
車両全損時諸費用特約の役立つポイント・メリットとは?
万が一の自動車事故などの場合に備えて、自動車保険に加入している人は多いと言えます。自動車保険の中でも車両全損時諸費用特約は、さらに広範囲の補償が受けられるため、もしものときに役立つ特約です。そこでこの記事では、車両全損時諸費用特約がどのような内容の保険なのか、またどういったメリットがあるのかを紹介します。
車両全損時諸費用特約の基礎知識
「自動車保険」に加入する際、もしものときに保険を有効に活用できるよう、車両全損時諸費用特約の基礎知識を身につけておくとは重要だと言えます。車両全損時諸費用特約とは、事故などにより、車両が全損したとき廃車するのに必要な費用や、車を買い替える際にかかる諸費用を支給しカバーしてくれるものです。車両全損時諸費用特約によって支給される金額は、車両保険金額の10%が上限とされていて、およそ20万円ほどであることが多いとされています。
また、車両全損時諸費用特約は、車両保険に加入した際に自動的に付帯されるようになっている保険会社が一般的です。 車両全損時諸費用特約が適用される車両の全損にはいくつか目安があります。例えば、車両の修理が不可能である場合、修理費が車両保険で支給される金額を上回った場合、盗難により車両の発見が不可能な場合などは車両の全損と見なされ、車両全損時諸費用特約が適用されるのです。そうした際には、実際にかかった費用にかかわらず、一律で車両保険金額の10%が支給されます。
車両全損時諸費用特約に含まれる費用
車両全損時諸費用特約は、車両の全損時にかかる様々な費用をカバーしてくれますが、その内訳は廃車時と車両の買い替え時で異なります。まず、廃車の際に必要となる費用には、レッカー費用、解体費用、永久抹消登録にかかる費用が挙げられるでしょう。レッカー費用や解体費用は、移動距離や業者にもよりますが、およそ5千円~1万円、永久抹消登録にかかる費用はおよそ3千円~5千円が一般的です。
また車両の買い替えの際にかかる費用は、取得税や自動車税、重量税といった税金、登録費用、車庫証明の代行費用などが挙げられます。こうした諸費用は、車種や業者によって金額が変化すると言えます。 こうした諸費用をすべて合わせると、買い替える車両が中古の場合およそ10万円前後で、新車の場合には車両価格の15~20%程度の費用がかかります。例えば新車の価格が200万円なら、その際にかかるトータルの費用は30~40万円ほどです。したがって、車両全損時諸費用特約によって新車にかかる諸費用をすべてまかなうのは難しいかもしれませんが、中古車に買い替えるときや廃車にかかる費用は、車両全損時諸費用特約で支給される保険金でカバーできると言えます。
車両全損時諸費用特約のメリット
車両全損時諸費用特約は、万が一の際に十分な補償を受けられることが大きなメリットです。例えば車両保険金額が200万円の場合、車両全損時諸費用特約によって支給される金額は20万円となり、車両保険金額の10%という上限があっても十分な額だと言えます。また、車両全損時諸費用特約のために特別な契約を結ぶ必要がなく、車両保険に加入することで車両全損時諸費用特約が付帯されることが多いため、比較的手軽に万が一の際に備えることができます。
一方で、車両保険金額が20万円など少額である場合、車両全損時諸費用特約によって支給される金額は2万円なので、車両全損時諸費用特約を付帯するメリットは薄いかもしれません。ただ、そういった場合でも、一部の保険会社では、全損時諸費用再取得時倍額特約という特約を用意しているところもあります。この特約により、万が一の際の支給額が倍額となり、車両保険金額の20%を受け取ることができます。こうした仕組みは、車両全損時諸費用特約における注意点の解消にもつながることもあるため、確認しておくと良いでしょう。
自動車保険を検討する際は、車両保険と同時に加入できる車両全損時諸費用特約も併せて検討するのが万が一のときの備えとなり安心です。車両全損時諸費用特約により支給される保険金で、廃車諸費用や買い替え諸費用の一部をカバーできるため、車両全損時諸費用特約はもしものときでも心強い保険だと言えます。自動車保険に加入する際は、自分の財産である車両を守るための、車両全損時諸費用特約の加入を検討することが大切です。
自動車保険の「代車特約」って何?使い方をわかりやすく解説
自動車保険、今のままで本当に大丈夫ですか?年間の保険料や補償金額だけを見て、保険を選んでいませんか?保険の契約には、他にも見るべきポイントや補償があります。例えば、修理期間中に車が使えない場合、どのように過ごしていますか。車を日常的に使用している方は車がないと不便ですよね。そんな時にレンタカーなどの代車を利用できる特約があります。今回は、「代車特約」のメリットや注意点について、詳しく解説していきますので自動車保険の見直しや自動車保険選びの参考にしてみてください。
自動車保険の「代車特約」の基礎知識
まずは、「代車特約」の基礎知識について学びましょう。代車特約とは、自分の車を事故などで修理に出すことになった場合、修理期間中に代わりの車を保険で用意してもらえる特約です。自動車保険に最初から付いているものではなく、加入者が任意で選択して付帯させます。ほとんどの場合、車両保険に入らないと代車特約も付帯できません。
代車特約は、各保険会社でさまざまな名称が付けられています。「事故時代車費用特約」のようにストレートな名称だと分かりやすいですが、会社によっては「レンタカー費用特約」などとも呼ばれています。特約保険料についても、各保険でばらつきが見られますが、年間5,000~15,000円が相場です。特約としては、少し高めの部類に入りますがいざレンタカーを借りる場合は1日で5,000~8,000円ほどかかるので、事故が起こった際の助けとしては大変心強いです。
代車特約を使う際は、自分の車が事故に遭ったり故障したりしたタイミングで、保険会社に連絡します。ただし、地震や火事などの自然災害や、無免許運転など明らかな違反がある場合は利用できません。
自動車保険の「代車特約」の必要性と補償内容
代車特約の補償内容は、大きく2種類に分けられます。1つ目は「代車を無料で手配してくれる」パターンで、2つ目は「レンタカーを借りる費用を負担してくれる」パターンです。後者の場合、実費補償が多く定額補償は稀です。借りるレンタカーの車種は自分で選ぶことができますが、補償上限を超えるレンタカーを借りる場合の超過分は自己負担になります。
代車特約の期間は、基本的に30日間です。ただし、起算日は保険会社によって2パターンあります。1つ目は「起算日は事故の起こった日」とするパターン。2つ目は「起算日はレンタカーが手元に届いた日」とするパターンです。前者の場合は、事故が起こったらすぐに代車を手配する必要があり、後者のほうが有用性が高いと言えます。
代車特約の必要性は、ドライバーによって異なります。例えば「車を毎日の通勤で使っている」など、車がないと生活が成り立たないような場合は、必要性が高いと言えます。反対に「週末しか車を使わない」や「他にも車を持っていて、別に困らない」というような場合は、代車特約を付ける必要性と優先順位は低い可能性があります。
自動車保険の「代車特約」の注意点
代車特約の注意点の1つとして、特約があるからといって必ずしも代車が用意されるわけではないという点です。事故の過失割合によっては、保険会社に補償を渋られる可能性があります。保険会社としては、なるべく補償を断ることで出費を抑えたいという本音があります。そのため、「過失割合が10対0でなければ、代車特約は使えない」などと断られることあります。特約契約時に細かい内容についてはチェックしておき、いざというときには強く権利を主張することが大切です。
2つ目の注意点は、代車のグレードに満足できない可能性があることです。大家族でワゴン車を利用していたのに、代車は4人乗りが限界の軽自動車ということがあり得ます。この点も留意して、十分なグレードの代車を用意してくれる保険会社を選びましょう。
3つ目の注意点は、代車特約の対象です。代車特約は、友人や知人から車を借りてその謝礼のために特約を使うことはできません。指定のレンタカー会社でしか使えないなど、融通は利かないものと思っておきましょう。
自動車保険に代車特約を付帯しておけば、事故で自分の車が壊れて修理している期間はレンタカーを無料で利用できます。日々の生活に車が欠かせない場合、重視するべき特約と言えるでしょう。年間の特約付帯料は少し高めですが、いざというときには十分な見返りがあり恩恵を受けられますので心強い味方となってくれます。代車特約に関する基礎知識を付けた今、自動車保険の内容について見直してみてはいかがでしょうか。ぜひ、代車特約を検討してみてください。
自動車保険の「記名被保険者」とは?契約者、所有者、記名保険者の違いを解説
初めて自動車保険を契約する際「記名被保険者」という専門用語を見て意味が分からず戸惑ってしまったことはありませんか?自動車保険を契約する際には、このような専門用語を理解しておく必要があります。そこで今回は「記名被保険者」についての基礎知識を解説した上で、所有者や契約者との違いについてもわかりやすく説明します。
自動車保険の「記名被保険者」の基礎知識
自動車保険の「記名被保険者」とは、保険の対象となる車を主に運転する人のことをいいます。例えば、70代の父親が40代の息子夫婦と同居しており、家には父親が購入して所有している車があるとします。父親は高齢のため、最近ではほとんど車を運転することがなく、息子夫婦に自由に使わせています。一方息子は、父親名義の車ではあるけれど自分たちが主に使っているため、自分名義で自動車保険に入りました。車を頻繁に運転しているのは、買い物や家族の送り迎え等で毎日のように車を利用している息子の妻です。
この場合、記名被保険者は車を主に運転する人、つまり「息子の妻」になります。もしも車の事故やトラブルがあって自動車保険の補償を受けることになった場合も、補償対象は記名被保険者を中心に決められます。また年齢別料率区分や、等級・事故有係数適用期間など継承範囲についても記名被保険者が基準となって設定されることも基礎知識として押さえておきたいポイントです。
「記名被保険者」・「契約者」・「所有者」の違いは?
自動車保険を契約する際には、「記名被保険者」、「契約者」、「所有者」という3つの名義を記入しなくてはなりません。そのため、この3つの区別に関する知識は必要不可欠です。
先ほどの家族の例で見てみましょう。「記名被保険者」は車を主に運転する息子の妻であると説明しました。「契約者」は、この場合息子になります。実際に保険を契約し、保険料を払う義務を負うのは息子です。また、契約に関しては息子が主体となっているので、息子は契約内容や補償内容を変更したり、解約をするなど保険契約全般に関する権利を持ちます。
そして車の「所有者」は父親です。車を購入する際には車検証が必要ですが、この車検証に名前が記載されている人が所有者となります。この車が車両保険に入っている場合、万一交通事故や自然災害等で車が破損し車両保険金が支払われることになれば、受け取るのは所有者である父親です。記名被保険者、契約者、所有者は同一であることもありますが、ここで挙げた例のように別々になるケースもあります。
「記名被保険者」の変更が必要となるタイミングは?
自動車保険において記名被保険者は「車を主に運転する人」ですから、変更になることもあり得ます。変更のタイミングは、車を主に運転する人が変わった場合です。
例えば、例に挙げた家族の息子に新社会人となった子供(車の所有者から見て孫)がいるとします。孫は会社まで自動車通勤をすることになり、家にある祖父所有の車を使うことになりました。通勤は毎日のことですから、車を一番多く利用するのはこの孫になります。そうなった場合は、記名被保険者を息子の妻から孫に変更する必要があります。なお、孫が結婚して苗字が変わってもこの車を主に使い続けるのであれば、改姓に伴って名義変更の手続きが必要になります。
記名被保険者が亡くなった場合にも変更手続きが必要ですが、これは所有者や契約者が亡くなったときも同様です。また、記名被保険者を引き継げるのは本人の配偶者と、本人または配偶者の同居親族に範囲が限られているので注意が必要です。
自動車保険の契約手続きに必要不可欠な「記名被保険者」を始めとして、「所有者」、「契約者」との違いについて説明しました。補償の対象はあくまで主に運転する人を基準に決められることになっており、そのために必要なのが記名被保険者の設定です。実情に即した補償をきちんと受けるため、実際に一番車を使うのは誰なのかよく考えたうえで記名被保険者を決めるようにしましょう。
自動車保険の「団体割引」ってどんな割引?
「団体割引」とは、損害保険会社が自動車保険を募集する際の保険料割引制度の一種です。企業の役職員などに対して一括して募集することにより、契約や集金にかけるコストを削減し、保険料を割り引くことで契約者にメリットを還元する仕組みです。保険会社、取扱代理店、そして契約者のいずれにとっても便利かつ有利な割引制度だと言えます。なおネットなど通販型保険会社では一般的には提供していません。今回は、「団体割引」の基礎知識を説明したあと、割引率やメリット・デメリットについてわかりやすく解説します。
自動車保険の「団体割引」の基礎知識
まず始めに、「団体割引」の基礎知識を確認しておきましょう。団体割引とは、企業が団体で自動車保険の契約をすることで自動車保険の保険料が割り引かれる制度です。企業の役職員や従業員などが利用対象で「大口団体割引」とも呼ばれています。企業が団体で保険に加入することで、保険会社は多くの契約者を一度に集められるため、効率的になることで保険料を割り引いてくれます。ただし、団体保険が適用されるためには、加入者数が最低でも10人以上集まる企業が条件です。
企業の中には、指定した保険代理店の間で役職員や従業員の個人情報を提供できる仕組みが構築されていて、契約事務が非常にスムーズになっている企業があります。団体割引は、契約者と保険会社、企業にとっても大きなメリットをもたらします。
なお、保険料は企業の役職員や従業員の給料から天引きされ、収集した金額を企業がまとめて保険会社に支払います。在籍している役職員や従業員だけでなく、退職した元従業員も団体割引を利用できるケースがあります。団体割引を利用する場合、ノンフリート等級は引き継がれるので、それぞれの契約者の等級に応じた保険料と割引率に応じた割引を受けることができます。
自動車保険の「団体割引」はどのくらいお得になる?
団体割引はいったいどれくらいお得になるのでしょうか。団体割引の割引率は通常5%~30%と言われており、勤務先の企業が指定した保険代理店から募集がかかっているケースを見ると、10%~20%程度の割引率が一般的かもしれません。
元受保険会社は各団体の損害率を計算しており、事故で保険金請求が増えれば採算が悪化するので、毎年割引率を調整します。損害率とは、保険料対支払保険金の比率です。交通事故の死亡事故は減っても、対人・対物の賠償金額などは、一般的には時代の流れを反映して高額化する傾向にあります。また保険会社も保険金支払請求を適正に処理しないと、社会的な批判を受けることになります。
したがって、初回契約当初に保険料25%割引で契約したとしても、割引率の見直しが行われた結果、翌年は20%に下がること もあり得ます。それでも通常の保険料に比べれば大きな節約になりますので、自動車保険の団体割引を利用できる人は契約を検討してみる価値があります。
自動車保険の「団体割引」のデメリットは?
自動車保険の団体割引のメリットを中心に説明しましたが、デメリットも存在します。それは団体割引の団体規模が大きくない場合や、たまたま事故が多発して、割引率が下がってしまった場合です。団体割引を提供している損害保険会社は、従来型の代理店経由で保険を販売しているので、ネット通販型の損害保険会社に比べるとどうしても元々の保険料は若干高めです。もし団体割引率が小さければ、通販型保険会社の商品で見積もりを取って比較することが賢い選択です。通販型保険会社は、無店舗・ネット経由で契約コストを下げることで、全国にいる契約者との契約事務を効率的に行っているため保険料が安くコストが抑えられます。
事故が増えても団体割引の保険料が割増になることはありませんので、団体割引に伴うデメリットはあまり考えられません。しかし、退職した後も団体割引が適用されている場合、団体規模維持のため契約の協力を求められることがあります。自動車保険は万が一のために契約者と被害者を守るための商品ですので、事故対応時のサービスが低下する恐れがある場合などは、適切な保険契約に切り替えることを検討してください。
車を所有している方にとって自動車保険料は毎年かかる大きな出費ですが、勤務先などで団体割引が提供されている場合は、加入を検討する価値があります。契約の細かい内容は契約者自身に希望によって調整できますので、団体扱いといっても特に不便はありません。今回の記事で紹介した団体割引のメリットを理解した上で、自分がいちばんお得で便利だと判断した方法と条件で、自動車保険に加入するようにしましょう。
自動車保険の「特約」とは何を補償する?特約の補償の種類とは
自動車保険の選び方を考えていくうえで、どのような「特約」が付けられるかということを重視することがあります。特約の種類はさまざまですから、自身の希望やライフスタイルに合わせた形の補償を組み合わせていくことが大切です。今回は、特約の基礎知識や種類について解説します。どのような種類の特約があるのかをチェックしてこれからの自動車保険の選びに役立てていきましょう。
自動車保険の「特約」とは?
自動車保険はさまざまな補償があり、一つ一つを組み合わせてプランを作ることになります。自動車保険のシステム全体を把握するためにも、基本となる保険と、必要に応じてつけられる保険に分けて考えることが自動車保険選びのコツです。この必要に応じてつけることができる補償を「特約」といいます。場合によってはすでに特約を含んだ状態でプランの提示がされることもあります。
もちろん多くの特約を付けることで、補償範囲も広がりメリットも大きくなりますが、その分保険料が高くなりがちです。付けたり外したりができる点が特約の特徴ですが、すべてを付けるということをせずに必要ない部分は省きましょう。自身のライフスタイルや環境に応じて必要だと思う特約だけに絞って付けていくことをおすすめします。基本補償や、既に加入している保険などをよく理解したうえで、それでもカバーできない部分があった際は追加で特約を付けてみてください。
自動車保険の「特約」の種類
最近人気の特約として、「ロードサービス」に関するものが挙げられます。事故はもちろん何か車にトラブルがあった時は、自分で対応することが難しくなることがあります。例えば、車が故障した時のレッカー移動やパンク時のスペアタイヤ交換などが必要な際に、ロードサービスの作業スタッフが現場にかけつけてくれます。既に基本の保険に組み込まれていることもありますが、不要であれば外して保険料を下げることも可能です。
また、交通事故に巻き込まれた場合、自分に非が無い場合は自動車保険が使えないことがあります。相手に請求することになりますが、裁判が必要になるケースがあります。その際に弁護士に依頼する費用を補償する「弁護士費用特約」があります。その他にも、自動車事故以外の事故補償や、自転車での事故についてカバーする特約などもあります。自動車保険の特約は、さまざまなサービスや補償がありますので必要に応じて組み合わせていくことが大切です。
自動車保険の「特約」はどうやって選ぶべき?
自動車保険は会社や商品によってさまざまですから、一つ一つの特約を比べて比較することは難しいです。ある保険では基本プランの中に入っている特約が、別の保険では別に付け加える形になっていることもあるからです。一つ一つの保険に大して理解を深めて情報収集をした上で比較するのは時間と労力を必要とします。実際にどのように選んでいけばよいのか悩んでしまうという方も多いのではないでしょうか。
そこでおすすめな方法が、「一括見積もりサイト」などを利用することです。基本的な情報や希望の補償内容を入力するだけで、条件に当てはまる保険の見積もりを一度に表示してくれるサービスです。一括見積もりサイトでカンタンに比較しながら確認していくことで、どの保険会社がお得かということが明確になります。選ぶための助けとなりスピーディーに比較・検討できるうえ、そのまま申し込みまでできるという点は忙しい方にとっても嬉しいところです。自分に必要な自動車保険や特約を選ぶために、一括見積りも利用していきましょう。
自動車保険を選ぶ際には、基本補償について確認をすることはもちろんですが、どのような特約がありどんな基準で選ぶ必要があるのか確認しましょう。事故に遭った時に自分を助けてくれるものでもありますから、安易に決めるのではなく補償内容や適用条件などを細かく確認を、必要な保険を選んでいくようにしましょう。
自動車保険の相場や平均っていくら?保険料の仕組みと目安をわかりやすく解説
自動車保険は加入する保険会社はもちろん、選ぶ商品によって保険料は大きく異なります。少しでも負担を減らしたいと考えるのであれば、仕組みや相場を理解して自分に合った保険と加入方法を見つけることが大切です。今回は、自動車保険の基礎知識と合わせて保険料の平均相場について詳しく解説していきます。
自動車保険の保険料相場と基礎知識
自動車保険とは、事故を始めとした自動車に関連するトラブルが起こった時の損害を、保険会社が補償することです。日本では車を購入した場合の自動車保険の加入は義務とされていませんが、不測の事態に備えて加入をしておくことが安心に繋がります。一口に自動車保険と言っても商品によって保険料や補償内容は大きく異なるのが特徴です。加入する条件によっても異なりますが、初めて車を購入し保険に入る場合の年間の平均相場は、25歳以下で12万円前後、30代で7万円前後です。保険料は等級などや走行距離も判断されるため、長く保険に加入をすることで費用が安くなることもあります。
加入した場合に掛かる費用は、各保険会社が設けているデータを基に計算をすることもできますが、出し方によっては複雑な計算が必要です。その場合は保険会社のサイトにアクセスして用意されているシミュレーションを使えば、項目に従ってデータを入力するだけでおおよその費用が算出できます。
自動車保険の保険料が決まるポイントとは?
一般的に自動車保険の保険料はいくつかの項目に基づいて決まる仕組みになっています。各保険会社に共通しているポイントとして挙げられるのが「使用目的」です。プライベートや通勤など、日常生活における車の使い方は人によって違います。保険料は月ごとの利用日数が多くなるほど保険料が高くなるのが特徴です。この使用目的は変更に伴う申告が義務付けられていて、変更内容によっては費用が安くなるケースも少なくありません。
「走行距離」も保険料を決定する大事なポイントになります。走行距離は契約前の1年間で計算されるため、初めて車を購入して保険に加入をする場合には費用に影響を及ぼすことはありません。利用日数と同様に長い距離を走行するほどトラブルが発生するリスクが高くなるため、保険料も高めに設定されます。中には費用を安くするために距離を偽る人もいますが、虚偽の申告は契約の解除や保険料の支払い拒否といったペナルティに繋がるので絶対に行ってはいけません。
自動車保険の保険料の目安を紹介
年間に支払う保険料は車の型式や走行距離、年齢などで費用が大きく変わりますが、平均相場からある程度の目安をつけることはできます。30代で利用頻度が少なければ保険料の目安は年間4万円程度です。ただし、これはすでに自動車保険に加入をしている状態で、無事故無違反で更新や他の保険会社に乗り換えをした時の金額になります。初めて車を購入して自動車保険に加入をする場合には、等級による割引価格が少なくなるので若干高めの6万円前後が相場です。同じ条件でも年齢が上がると事故のリスクを考慮して、数千円程度高くなります。
走行距離による保険料の費用は大きく3段階に分かれていて、年間で3,000km以下で3万弱、1万km以下で4万円前後、2万km以上で5万円が目安です。走行距離はたった1kmのオーバーで費用が1万円以上高くなることもあります。そのため、保険料を安く抑えたいのであれば、この点に注意をして既定の数字をオーバーしそうになったら利用を控えるなどの工夫をすることが大切です。
保険料は保険会社によって異なりますが、年齢や走行距離などで保険料を決める審査項目の違いはありません。加入をするタイミングを見極めることで保険料を大幅に安くすることもできます。自動車保険を少しでも安く抑えたいのであれば、条件をしっかりと理解した上で、最適なタイミングで加入をすることが大切です。
自動車事故の過失割合とは?決まり方や損をしないポイントについてわかりやすく解説
不運にして自動車事故に遭ってしまった場合には、発生した損害をどのように分担するかについて、事故の相手方と過失割合を決める必要があります。過失割合の考え方は、法律に基づくこともあり一般の方には難解な部分もあります。しかし、基本的な事項だけでも知っておくと保険会社とのやり取りをスムーズに行えます。今回は、過失割合の決まり方など知っておきたいポイントについて説明するのでぜひ参考にしてください。
自動車事故の過失割合の基礎知識
自動車事故の「過失割合」とは、交通事故を起こしたそれぞれの当事者がその事故について有する責任の割合をいいます。全員の過失割合を合わせると100パーセントになるため、例えば当事者が二人だった場合、一方の過失割合が50%であれば、もう一方の過失割合は自動的に50%ということになります。
一般的に、当事者のうち過失割合が大きい方を加害者、小さい方を被害者と呼びますが、被害者だからといって一切責任がないというわけではありません。過失割合が80対20の場合には、被害者であっても20パーセントの過失割合を負っているため、それに応じた責任を負担する必要があるのです。加害者が制限速度を30キロ超えて走っていた場合に、被害者の走行速度も制限を5キロオーバーしていたといったように、被害者側にも一定の落ち度があるようなときには、たとえ被害者であっても責任は免れないという点を基礎知識として持っておくと良いでしょう。
自動車事故の過失割合はどうやって決まる?
過失割合の決定方法については、明確な算定式があるわけではありませんが、実際の事例を見ることでおおよそのイメージを掴むことができます。
例として、信号機がない同幅員の十字路で一時停止を怠った自動車と、徐行を怠った自動車が出合い頭に衝突した場合の事故を説明します。この場合は、一時停止義務違反をした車の運転手の過失割合が80%、制限違反をした車の運転手の過失割合は20%となります。これは、一時停止線がある道路を走行する場合には停止するとともに、交差路を走る自動車を妨げてはならないと法律で明記されているためです。
また、前方の自動車が進路変更中に、後続の自動車と接触事故を起こした場合は、前者が70%、後者が30%の過失割合となります。道路交通法で進路変更中に周りの交通を乱すことが禁じられているため、進路変更中の自動車の方がより大きな責任を負わされるというわけです。一方で、後続車も前方をしっかり確認していればよけれた可能性もあるため、まったく責任がないとはみなされません。
損をしないポイントとは?
自動車事故に遭った際に損をしないためのポイントは、あらかじめ自動車保険に加入しておくことです。過失割合を厳密に決めるのは一般の方には難しいため、できれば保険会社に間に入ってもらい相手と交渉してもらった方がスムーズにトラブルを解決できるでしょう。また、交渉次第で自分の方の過失割合を相手方よりも少なくすることができれば、過失相殺によって、損害賠償義務を負わずに済む可能性もあります。例えば、相手方と自分の過失責任が80対20の場合に、互いに20%分を差し引いて60対0にすることで、自分は責任を負わずに相手方から60%相当の賠償金を得ることができるケースがあります。
次に、自動車保険に加入する際の注意点としていえるのは、なるべく事故対応時のサポートに定評があるところを選ぶべきであるということです。インターネット上の口コミサイトなどで、各保険会社のサービスの評価が見れるようになっていますので、口コミ情報を集めて信頼できそうな保険に加入するようにしましょう。
自動車事故の過失割合の決め方は難解ではあるものの、その概要を知っておくことでメリットがあります。事故によって生じた損害を補償する責任を軽減させることが可能になります。交渉次第で過失割合を下げられれば、その分補償責任も少なくできます。そのためには信頼できる自動車保険に加入して事故対応を任せられるようにしておくと良いでしょう。
「ファミリーバイク特約」のメリット・デメリットとは?
バイクの購入と同時に一番に考えるのが保険ではないでしょうか。しかし、たくさんの保険や内容があって迷ってしまいますよね。しかも、いざ事故やトラブルが起きてしまった時、保険の内容が適応されていなければ意味がありません。そんな中で今回は、ファミリーバイク特約をご紹介していきます。また、その補償やメリット、デメリットや他の保険との違いなども挙げてみたいと思います。
「ファミリーバイク特約」の基礎知識
「ファミリーバイク特約」とは、自動車保険に付帯できる特約で125cc以下のミニバイクに対しての保障を受け取る事ができます。また事故を起こした場合、他人を死傷させて損害賠償責任を負った時や、他人の所有物を破損させてしまった時などを対象に保険金が支払われます。そして、任意バイク保険と比較してファミリーバイク特約は保険料が安く収まる傾向があります。
対人、対物賠償事故の補償に加え、人身事故が補償される「人身傷害補償タイプ」の保険や自損事故が補償される「自損事故タイプ」の保険に入ることができます。また、補償範囲として、一つの特約でミニバイクを何台でも補償することが可能で、他人から借りたバイクまで補償されます。例えば、遠方で暮らす大学生のお子さんが乗っているバイクと、家庭で使用しているバイクを所有していた場合、2台とも補償されることがファミリーバイク特約のメリットです。
「ファミリーバイク特約」とバイク保険の補償内容の違いは?
続いて、ファミリーバイク特約とバイク保険の補償内容を比較してみましょう。補償内容として、対人賠償(無制限)や対物賠償(2,000万円)、自損事故(1,500万円)、無保険車傷害(1,500万円)がありますが、内容は一緒です。その他の違いと言えば、搭乗者損害の有無が挙げられます。
搭乗者損害は、バイクに搭乗中の全員を対象に、死亡・後遺障害・医療保険金が支払われる保険で、症状別に定額で保険金を受け取ることができる保険です。バイク保険では搭乗者損害があるのに対し、ファミリーバイク特約には補償がありませんので注意が必要です。
またその他で大きな違いは、ロードサービスの有無も挙げられます。一般的なバイク保険はロードサービスが使えますが、ファミリーバイク特約は使えないことが基本になります。もしバイクの利用目的が長距離通勤やツーリングなどであれば、ロードサービスは重視されるポイントかもしれませんね。一方でファミリーバイク特約は、短い通勤や通学、日常での買い物で利用する人向けと言えるでしょう。
「ファミリーバイク特約」のメリット・デメリットは?
ファミリーバイク特約のメリットは大きく分けて4つあります。1つ目は、複数のミニバイクを所有するのであれば一特約で済むので安くなります。また2つ目は、ミニバイクの利用期間が3年~4年と限定的だとトータル保険料がバイク保険を新規契約するよりも安くなります。そして3つ目は、保険を使っても等級に影響がないことです。最後に4つ目は、自動車保険契約の年齢制限に影響されず、16歳の年齢でもしっかり保障されるという面です。
またデメリットいくつかあり、次の注意点が挙げられます。自動付帯ではないので、「人身傷害補償タイプ」か「自損事故タイプ」にするかしっかり検討したうえで、自分で付帯を申し出なければならないことです。また、特約には等級制度がない為、1年無事故であっても翌年の保険料は安くなりません。もし、長期で契約するのであれば、バイク保険の方が、トータル保険料は安くなる可能性があります。また、本契約に人身傷害補償があっても人身傷害タイプとは限らないということです。保険内容が足りない部分は保険会社から別途加入が必要になることもあるので、よく検討してから加入する方が良いでしょう。
ファミリーバイク特約は、自動車保険に付帯出来る特約で125cc以下のミニバイクを複数持ちするのであれば一つの特約でまとめられる保険です。保険料を安く済ませるメリットもありますが、長期で契約するのであればバイク保険の方が安く済む場合もあります。また、バイク保険とファミリーバイク特約の違いは、搭乗者傷害やロードサービスの有無が挙げられるので保険内容をじっくり検討し、自分の希望やライフスタイルに合わせて選ぶといいでしょう。
Posted at 2020/06/17 21:46:46 | |
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自動車業界あれこれ | 日記
2020年06月16日
オートマじゃなく自動MT? スバルも日産もポルシェも挑戦した「オートクラッチ」とは
ストレスなくATが使えるのは1980年代後半あたりから
マニュアルミッションを操作するというのは楽しいものだが、ときには面倒なこともある。その結果がATなのだが、技術が発達していない時代ではその制御や耐久性は完璧でなかったし、そもそも多段化は無理で、2速だったりした。ATが違和感、そしてストレスなく使えるものになってきたのは1980年代後半あたりからだろうか。
それまではいかに自動に変速するかとの戦いと言っても過言ではない。CVT的なものは戦前から試行錯誤されていたし、ATもクラッチとギヤ変速の部分は別で進化しつつ、自動化を長い間模索していた。ちなみにクラッチの自動化についてスムースさは別として、間断をするだけなのでそれほど技術的には難しくなく、戦前には実用化されている。
この流れは日本でもあって、流体を使ったいわゆるトルコンは、岡村製作所(現在のオカムラ)が自前で開発して、自社製のミカサというクルマに採用したのが最初で、1957年のこと。マツダも同じものをR360クーペに搭載している。
しかし、流体を使ったものは生産、そして制御も当時の技術では難しく、一気に普及するには至らなかったが、それでもクラッチだけでもなんとか自動化したいということで登場したのがオートクラッチだ。
スバル360やポルシェ911にVWビートルも採用
仕組みはとても簡単で、ベースとなるのはマニュアルミッション。クラッチも板式のものを採用しているものの、ペダルはクラッチレスの2ペダルというのが特徴となる。操作は簡単で、シフトを操作する際にノブのところに付いているスイッチを同時に握ると電磁クラッチ、つまり電気が流れて電磁石が動いてクラッチを切ってくれる。手でシフトを操作してノブを離せばスイッチも同時に切れるのでクラッチはつながるという仕組みだ。
日本ではスバルが積極的に採用して、スバル360にも設定していたほど。その後のR2やレックスにも採用していたし、ほかのメーカーでは日産がチェリーに用いた。ダイハツは電磁式ではなく、バキューム式のオートクラッチを採用していた。
制御は単純ゆえ、切るかつながるか極端で、ギクシャク感はかなりあったが、あのポルシェ911やVWビートルにもスポルトマチックという名称で採用されていたほど。その後、トルコン式ATが普及してくると、オートクラッチは廃れてしまった。AT普及前夜の過渡期的な技術と言っていいかもしれないが、いかにして自動化するかという熱意が見て取れる技術でもある。
Posted at 2020/06/16 22:37:07 | |
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自動車業界あれこれ | 日記
2020年06月16日
「Rバッジへの尽きぬ想いが産んだ傑作」ER34スカイラインセダンを完全GT-R化!
内外装はもちろんエンジンまでGT-R化!
一般的なGT-R仕様とは一線を画す仕上がり
以前は、BNR32でチューニングを楽しんでいたというオーナーだが、家庭環境の変化によって4ドア車が必要となり、手塩にかけたGT-Rを泣く泣く手放すことに…。
家族用として選んだ車種は、ER34スカイラインセダンだった。大人しく乗るつもりだったが、GT-Rのフィーリングが忘れられずに悶々とした日々が続く。そしてついに想いが爆発、妄想していた”究極のGT-R仕様”を一気に具現化させたのだ。
エンジンはBNR34に搭載されていたRB26DETTをスワップ。タービンはHKSのGT-SSをセットし、455psものピークパワーを発生させている。補機類関係も、そのほとんどがBNR34純正パーツという拘りようだ。
増大したパワーに合わせて、エンジンオイルクーラーはHKS製を装備。なお、フロントバンパーに装備されたオイルクーラーダクトはBNR34純正だ。
足回りも、前後サスペンションメンバーごとBNR34純正を移植。ブレンボキャリパーもBNR34前期用だ。また、R33時代に存在したオーテック作の4ドアGT-Rへのリスペクトを込めて、BNR34純正ホイールのセンターキャップはオーテック製をチョイスしている。
インテリアも凄まじい。ダッシュボードやステアリング、センターコンソールに至るまで全てBNR34純正を移植。マルチファンクションディスプレイまで機能させているのだから恐れ入る。NISMOホワイトメーターまで含め、コクピット周りは完全にGT-Rだ。
リヤシートはER34純正だが、フロントシートはBNR34純正に変更。さらに内装は可能な範囲を全て本革に張り替えることによって、まるでBNR34限定のMスペックのような上質な雰囲気を作り上げている。
外装もBNR34純正にイーストベア製エアロを組み合わせた上、GT-R特有のブリスターフェンダーもワンオフで表現している。
「R34のGT-Rにも4ドアの限定車があったんですね!」と話しかけられることも多いそうだが、このクオリティではそう思うのも納得だ。妥協する事なく全方位に拘り抜いたこのER34は、まぎれもなく究極のGT-R仕様なのだから。
Posted at 2020/06/16 22:33:16 | |
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自動車業界あれこれ | 日記
2020年06月16日
【4気筒モーガン史上最高】モーガン・プラス・フォーへ試乗 BMW製ユニット採用 前編
モダンなメーカーへ進化したモーガン
text:Matt Saunders(マット・ソーンダース)
translation:Kenji Nakajima(中嶋健治)
英国の老舗、モーガンはすっかりモダンな自動車メーカーへと生まれ変わったようだ。とても感銘深い。
モデルレンジのトップに位置する、BMW製6気筒エンジンを搭載したプラス・シックスに試乗したのは、2019年の6月だった。CXと名付けられた、まったく新しいアルミニウム製のモノコックは、モーガンの新時代を告げるものだった。
それからおよそ1年。今度は、プラス・フォーへ試乗する時がやってきた。新しいモーガンのマーケティング・ツールとして、個人向けの残価設定ローンのような金融プランが、英国では用意されている。
真新しいクラシカルなロードスターが、英国では手頃な価格で乗れてしまう。エントリーグレードのポルシェ718ボクスターや、アウディTTSロードスターより安価に、モーガン・プラス・フォーを楽しむことができる。
興味を抱く読者もいるだろう。とても強気な残価設定額に、そのからくりがある。一括で買う場合でも、プラス・フォーの価格はプラス・シックスよりは安い。
だが、古くからのモーガン愛好家は、4気筒エンジンを搭載した新モデルが6万ポンド(792万円)以上だと聞いて、どう感じるだろう。かなり高めの設定に思える。6万2995ポンド(831万円)という英国価格で提供されるのだ。
110年の歴史を持つブランドのモーガン。プラス・フォーは、4気筒エンジンを搭載した伝統的なモデルとは、まったく異なる個性と性能を備えている。
太陽光を浴びながら宛もなく周遊する
プラス・フォーの動的性能は、大幅に引き上げられた。操縦性や洗練性も、間違いなく進化している。それでも、モーガンらしさは残っている。個性的で憎めない。最新モデルであっても、現代的なスポーツカーほど垢抜けてはいないし、角も残っている。
筆者には、2シーター版の、初代ランドローバー・ディフェンダーといった印象を受ける。良い意味でも、良くない意味でも。カタチはまったく異なるけれど。
新しいモーガン・フォーにも、現代的なクルマのようにドアが付く。狭い車内からはみ出る右腕のために、部分的に取り外すこともできる。かなり簡単に。
モーガン・プラス・フォーにぴったりなドライビング・スタイルは、ドアの上半分を取り外し、ソフトトップを開いた状態だろう。優しい太陽光を浴びながら、特に宛もなく地図に広がるルートを周遊するのが良い。
キャビンは、プラス・シックスよりやや狭く感じられるが、身長の高いドライバーが快適に座れるだけの空間は確保されている。ダッシュボードや操作系のレイアウトは、基本的にプラス・シックスと同じ。
デザインはシンプルで運転しやすい。見た目も良い。スピードメーターはダッシュボード中央の助手席側にあって、不自然に遠い。
インテリアの素材や仕上げは、全般的に良好。メーターやスイッチ類など、あちこちにレトロ・スタイルのデザインが適用され、見惚れてしまう。
258psのBMW製4気筒ターボ
荷室は明らかに狭い。背もたれの後ろに設けられた小さな空間だけだが、小さな旅行かばん2個なら、積み込むのに充分な容量はある。
プラス・フォーは、プラス・シックスと並行して開発された別モデル。エンジンは、プラス・シックスの、BMW M340i譲りの直列6気筒ターボと8速ATではなく、BMW 330i譲りのB48型と呼ばれる2.0L 4気筒ターボを搭載する。最高出力は258psだ。
プラス・フォーではATだけでなくMTも選べる。MTの方がやや価格は安いが、最大トルクはAT版の40.7kg-mから若干低められ、35.6kg-mとなる。加速もそのぶん穏やか。
だとしても、最高出力は258psもあり、0-100km/h加速は5.2秒と充分に鋭い。一般道では、望み通りの活発な走りを楽しめる。ライバルの4気筒エンジンのスポーツカーと並んでも、負けない俊足の持ち主だといえるだろう。
エグゾースト・ノートは荒々しく、気迫を感じさせるもの。ワイヤーホイールを包むタイヤは15インチで、幅は205。太いトルクはタイヤを充分に負かすことができる。ハンドリングも快活だ。
今回はモーガン・プラス・フォーのAT版とMT版、両方を試乗することができた。マニュアルの方は、プラス・シックスのドライビング体験で欠けていた部分を備えている点が嬉しい。
このタイプのスポーツカーの場合、ドライバーはできるだけクルマと身体的につながっていた方が楽しい。タイヤからの情報量も、多い方が望ましい。
この続きは後編にて。
【4気筒モーガン史上最高】モーガン・プラス・フォーへ試乗 BMW製ユニット採用 後編
選ぶならMTでワイヤーホイール
text:Matt Saunders(マット・ソーンダース)
translation:Kenji Nakajima(中嶋健治)
モーガン・プラス・フォーのMTは、操作感はやや重いものの、過度な反発や渋さがあるわけではない。日常的な速度域でも、クルマとの一体感を強めてくれる大切な要素になっている。
クラッチペダルを踏み込む重さは適切で、つながりも漸進的。シンプルに、操作する楽しさがある。
一方でATの方は、ドライブに入れたままだとやや変速が忙しない。どこか、クルマが勝手に走っているような感覚すらある。クラシカルな雰囲気のモーガンだけに、少し奇妙だ。
試乗車は、停止中のクリープの効きも強いようだった。信号などでクルマを停めたら、想像以上に強くブレーキペダルを踏んでいないと、勝手に前へ進んでしまうほど。筆者なら、間違いなくオートマではなく、マニュアルを選ぶだろう。
モーガンでは、追加費用でオプションのアルミホイールも用意している。だが、ワイヤーホイールも充分に素敵に思う。余計なお金も掛からない。
標準の15インチのワイヤーホイールでも、充分なグリップ力を生んでくれる。サイドウオールも分厚いから、乗り心地の面でも有利だ。
プラス・シックスと比べるとパワーで劣るプラス・フォーだが、公道で許される速度域でも、充分に甘美なハンドリングを楽しめることが強み。プラス・シックスでは味わえなかった。
理由の1つに、シャシーの幅の狭さがある。プラス・シックスより全幅は78mm狭い。加えて軽量なエンジンのおかげで、フロントが軽いということもあるだろう。タイヤの幅も狭く、よりデリケートな操縦性を得ている。
郊外の一般道ペースがスイートスポット
市街地の速度域でも、プラス・フォーはとても気持ち良い。操作系の重みと反応は一貫性があり、とても穏やか。低速域での乗り心地にも優れている。
英国の郊外では一般的な流れとなる、80km/hくらいまで速度を上げると、モーガンは本領を発揮しはじめる。自信を持って、ドライバーはプラス・フォーを導いていける。フロントタイヤはステアリングホイールから離れた位置にあるが、それを感じさせない。
速度が上がると、操縦性も乗り心地も、流暢さが増す。トルクは太く、クルージングも容易。ドアからの風切り音も少なく、フロントガラスは気流を頭上へ流してくれる。
運転が楽しく、過度な速度域に踏み込む必要もない。リスクも小さい。モーガン・プラス・フォーに残る、クラシックスポーツらしさだといえる。
そこからさらに速度域が上がると、心地よさが薄まってしまう。荒れた路面では、乗り心地がギクシャクしてくる。プラス・シックスと同様に。
サスペンションのストロークが、大きな入力に対応できるほど充分ではないのだろう。バンプストップを打つことも多く、シャシーへ掛かるストレスも大きいはず。乗り心地の悪化に合わせるかのように、操縦性のスムーズさも落ちていく。
ステアリングのレシオはスローで、コーナーの頂点では探るように切り増しが求められる。ある速度域を越えると、攻め込むほどに、俊敏性が不足していることが見えてくる。
モーガン製4気筒モデルでは過去最高
数時間の試乗ではあったが、オープンで2シーターのロードスターとして、モーガン・プラス・フォーもクルマとしての妥協が求められる。遠方への自動車旅行は難しいし、日常的な足にもなりにくい。
モーガン・プラス・フォーは、穏やかなスピードで、特別なドライブの時間を楽しむためのクルマだ。むしろ、モーガンが提供するモデルの中で見れば、プラス・フォーは最高といえる完成度を備えている。
価格は6万ポンド(792万円)を超えているが、クルマとしての制限が足かせになることはないはず。これ以上モーガンに求めるものはない、と思わせるほど説得力がある。
筆者の記憶にある限り、これまでのモーガン製4気筒モデルの中で、プラス・フォーに並べるクルマは存在しなかった。確かに価格は安くはない。しかし、モーガンを理解できるドライバーにとっては、正当化できる金額といえるだろう。
モーガン・プラス・フォー(英国仕様)のスペック
価格:6万2995ポンド(831万円)
全長:3830mm
全幅:1650mm
全高:1250mm
最高速度:239km/h
0-100km/h加速:5.2秒
燃費:13.8km/L
CO2排出量:165g/km
乾燥重量:1013kg
パワートレイン:直列4気筒1998ccターボチャージャー
使用燃料:ガソリン
最高出力:258ps/5500rpm
最大トルク:35.6kg-m/1000-5000rpm
ギアボックス:6速マニュアル
Posted at 2020/06/16 22:20:07 | |
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