2020年06月23日
正式名称? 俗称? スチールホイールはなぜ「鉄チン」と呼ばれるのか
一説には鉄の成形時に下敷きにする鉄の塊の名が由来と言われる
ホイールには大きく分けてふたつあるのはご存じだろう。スチールホイールとアルミホイールで、名前からわかるように素材の違いだ。今やアルミホイールが、多くの廉価グレードにも標準化されているし、スタッドレスに付ける安いホイールも低価格化が進んだアルミホイールにする事例も増えてきた。
その昔はアルミホイールというのは憧れの存在であり、スチールホイールが当たり前の時代が長かった。その際に愛称的に使われたのが「鉄チンホイール」で、略して「鉄チン」とも呼ばれた。最近ではそう呼ぶこともめっきり減ったが、もちろん使われなくなったわけでもない。
なんとなく、スチールホイールのもつ、無骨というかシンプルな感じをうまく表しているが、鉄はいいとしてもチンは何を表しているのか、よく考えると意味がわからない言葉ではある。
じつは確定的なことはわからず、恐らく俗語的に自然発生した言葉で、一番有力なのは「鉄砧(てっちん)」が由来という説。あまり使われない言葉だが、パソコンやスマホなどで「てっちん」と打つと「鉄砧」にきちんと変換される。
てっちんは金床とも書くことからもわかるように、鉄を打って鍛えたり、成形する場合に下敷きとして使う、鉄の塊のこと。ホイールキャップを外したスチールホイールは黒くて、塊感が強いことから、鉄チンという言葉を使いだしたのだろう。
使われだしたのは昭和というのは確実で、昭和30年代に使っていたという意見もあるが、正確なことはわからないのは残念なところだ。
Posted at 2020/06/23 22:26:41 | |
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2020年06月22日
1年でボツとなった野心的アイデア。02年型ニッサンGT-Rのラジエター移設大作戦【スーパーGT驚愕メカ大全】
1994年に始まった全日本GT選手権(JGTC。現スーパーGT)では、幾多のテクノロジーが投入され、磨かれてきた。ライバルに打ち勝つため、ときには血の滲むような努力で新技術をものにし、またあるときには規定の裏をかきながら、さまざまな工夫を凝らしてきた歴史は、日本のGTレースにおけるひとつの醍醐味でもある。
そんな創意工夫の数々を、ライター大串信氏の選定により不定期連載という形で振り返っていく。第7回を迎えた今回は、R34型のスカイラインGT-Rがその“代名詞”を捨てて搭載したV6エンジンと、ラジエター移設という大技の成否を振り返る。
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ニッサン陣営は、1994年にJGTCが始まったときから、ベース車両にGT-Rを選んできた。JGTCが始まった段階でニッサンの手元には史上最強のツーリングカーと言われるR32型GT-Rが競技車両の形で残っていた。その資産を有効に活用しようと考えるのは当然だ。当初、ニッサン陣営のよりどころは、ターボ過給直列6気筒エンジン、RB26DETTのパフォーマンスだった。
だがJGTCでの技術競争が激化すると、前後に長くて重い直列6気筒エンジンは車両全体の運動特性を阻害するという点で逆にハンデになっていった。
車両規則では市販ラインアップには存在しなくても同じメーカーのエンジンならば換装することができたが、ニッサン陣営は市販車営業上GT-Rの個性を維持せざるをえず、どんどん不利になっていくことを認識しつつも直列6気筒エンジンにこだわり続けた。
ようやく鋳鉄シリンダーブロックを持つRB26DETTに見切りをつけ、新世代のアルミシリンダーブロックを持つターボ過給V型6気筒「VQ30DETT」へ換装したのは02年シーズン途中のこと。R34型GT-Rが生産中止となり一時的にベース車両が市販されていないという特殊な状況になったことを理由に、念願のV型6気筒エンジンをR34型GT-Rのエンジンルームに押し込んだのだった。
このとき、開発陣は重い直列6気筒エンジンゆえのフロントヘビーに苦しんできた反動のように、あえて言うならばドサクサ紛れで非常に興味深い大改造をR34 型GT-Rに加えている。
なんと、それまで車体前端部に置かれていたラジエターを車体後端部、トランク内に移設したのだ。軽くてコンパクトなV型6気筒エンジンに換装するとともに冷却水が回る重量物であるラジエターを車体後端に置いた結果、R34 型GT-Rの前後重量配分は劇的に改善された。
ただし、ラジエターは位置を変えれば済むというものではない。車体前端に置いておけば走行時に空気がラジエターに当たって冷却が行なわれるが、本来密閉空間であるトランクの中に走行風は流れてこないからだ。だからと言って空気を導くために下手なダクトを設ければ空気抵抗が増大してしまう。
開発陣はまず、改造範囲が拡大された新しい車両規定を受けてそれまでトランク内に置かれていた燃料タンクをキャビン内へ移設した。これだけでも前後重量配分が改善される大きな改良である。そのうえで、空になったトランクの底面に寝かした状態でラジエターが置かれた。
冷却風を取り入れるインレットはリヤウインドウ下、トランクリッド上面前端部に開けられ、上方からラジエターを通り抜けて冷却を終えた空気はトランク底面からディフューザー上面へ抜けて後方へ向けて排出するようアウトレットが設けられた。
■野心的配置で上がってしまった02年型GT-Rの重心
しかしトランクリッド上面は通常のグリルに比べて空気の圧力が低いので冷却に充分な空気は流れない。そこで追加されたのが、レーシングカーのラジエターでは用いられることのないファンだった。
このファンは、エンジンの動力を流用して回したポンプが生み出した油圧で働き、空気を引き込んで排出した。油圧の軸流ファンは量産車で多用される電動ファンに比較して軽量にまとまるという見通しだった。
しかし結果的に予想より重量が嵩んだうえ、車体後部の高い位置に冷却系コンポーネントが配置されたため前後重量配分は改善されたものの重心が上がってしまうなど弊害も生じた。02年シーズン途中、実験的に実戦投入された野心的アイデアではあったが、当初期待しただけの効果が認められなかったため、R34型GT-R最後のシーズンとなった翌03年の車両のラジエターは通常の位置に戻されてしまった。
V型6気筒エンジンを搭載したR34型GT-Rという異形も03年いっぱいで実戦を退き、翌年GT500 クラスのベース車両はZ33型フェアレディZに切り替えられたのだった。
Posted at 2020/06/22 21:54:58 | |
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2020年06月22日
「完全競技ベース車として生まれたEK10マーチRという怪物」快適性など皆無! だが、それが良い!
国産車初のツインチャージドエンジンを搭載!
クロスミッション標準装備で登場した競技ベースマシン
マーチRはラリーに参戦するために生産された、完全な競技ベース車両だ。デビューは1988年8月。その頃、ラリー競技は排気量別にA/B/Cの3クラスに分けられていたが、マーチRは排気量1001~1600ccのBクラス制覇を狙って開発された。
当時の国内ラリーのレギュレーションでは、過給機付きエンジンは係数1.4をかけた排気量とみなされていたが、すでに海外ラリーではその係数が1.7とされ、89年シーズンからは国内ラリーもそれに準じることが予想されていた。つまり、マーチRには係数1.7をかけて1600cc未満に収まるエンジンを載せる必要があったわけだ。
そこで、マーチターボに搭載されたMA10ET型のボア径を2mm縮小。ボア×ストロークをφ66.0×68.0mmとしたMA09ERT型を生み出した。これで排気量はMA10ET型の987ccから930ccとなり、係数1.7をかけても1581ccと1600cc未満に抑えられた。
また、MA10ET型は日立製HT07タービンを備えていたが、MA09ERT型は低中速域のトルクを補うためASN-09A型ルーツ式スーパーチャージャーを追加し、中高回転域のみを担当すれば良くなったターボチャージャーはHT07よりタービンもコンプレッサーも大きいHT10をセット。
直列で並ぶ2つの過給機は負圧によって作動するバイパスバルブで切り替えられ、4000rpm以下はスーパーチャージャーが、それ以上の回転域ではターボチャージャーが受け持った。
118ps/Lという出力は当時としてはかなりのハイスペック。マーチR初期型のECUは、アクセルオフでも3秒間スーパーチャージャーを駆動し続け、再加速時のトルクの立ち上がりやレスポンスを高められるような制御が行われていた。
そこに組み合わされるミッションは、RS5F31V型5速MT。89年に登場するストリート仕様のスーパーターボに対して1速のギヤ比が高く、2~5速が低く設定されたクロスミッションで、ファイナル比もローギヤード化。ビスカスカップリング式LSDも標準装備していた。
ラインナップは、大型フォグランプや4点式ロールバーが付かず、エンジンオイルクーラーがオプション設定とされた標準車をベースに、オーテックジャパンでラリー用パーツを装着したタイプ1~3の計4モデル。取材車両は日産トリコロールカラーを始め、ラリー用パーツをフル装備したタイプ1だ。
タイプ1は、本来は樹脂色の黒とされる前後バンパーがカラードになる。また、フロント、センター、リヤに装着されたマッドガードもオーテックジャパンで架装されるラリー用パーツで、タイプ1と2に装備。ホイールはスチール製13インチから、テクノモーターワークスのアルミ製14インチに交換されている。
フロントバンパー開口部の奥に装着されたエンジンオイルクーラーは標準車にオプション設定、タイプ1~3には標準装備されたパーツだ。また、路面との干渉からオイルパンやミッションを守る大型アンダーガードも装着。
ダッシュボード上の3連メーターは右からブースト圧計(スーパーチャージャー作動インジケーター付き)、電圧計、アナログ時計。メーターナセル右側にはHKS製ブースト計が追加される。ラリー用にデザインされたニスモ製ステアリングホイールと革巻きシフトノブはタイプ1と2に標準装備。
ダッシュボード助手席側にはラリーコンピュータやツイントリップメーターが備わり、足元には大型フットレストや消火器が確認できる。
4点式ロールバーの装着によって乗車定員は2名に変更。運転席、助手席ともニスモ製フルバケットシートに交換される。
ドアトリムはビニール製の簡素なもので、サイドウインドウの開閉は当然手巻き式。コーナリング時、身体を支えるためのニーレスト兼ドアポケットも備わる。
内装トリムはもちろん、アンダーコートまで剥がされたラゲッジルーム。リヤクォーターウインドウは固定式で、開閉式のスーパーターボとは異なる。
右フロントフェンダー上部には本来ラジオ用のアンテナが備わるが、競技ベース車両のマーチRにはそもそもラジオの設定がない。そのため、アンテナ部はゴム製のフタで塞がれる。
取材車両のオドメーターが示す距離はわずか3万km。助手席の目の前にはラリーコンピュータが備わるが、実戦で使われた形跡はない。それだけにボディの剛性感は十分すぎるほど。
ただ、固められた足回りによって常に細かなピッチングに見舞われるし、シャシーに当たった小石の音が容赦なく室内に入ってくるほど遮音性には乏しいし、クロスミッションのギヤ鳴り音も盛大…と、現代のクルマに乗り慣れた身体にはなかなか厳しいものがある。
街中で乗るにはシフトチェンジが少しばかり忙しいが、タイトに回り込んだコーナーが続くワインディングに入ると、マーチRはがぜん生き生きと走り出す。切れ目ない加速を見せるクロスミッションに加え、スーパーターボより全幅が30mm狭く20kg軽いボディが強力な武器になる。
ただ、ハンドリングには要注意。パワーアシストを持たないステアリングはキックバックが強く、機械式よりも効きがマイルドなビスカス式LSDが組まれてるといっても、アクセルオンと同時に結構なトルクステアに見舞われるから。
よくできたFF車と違い、クルマをねじ伏せるように走らなくてはならないが、ちょっとクセが強いくらいの方が楽しいのも事実。確かに、ベースは日産のボトムエンドを担ったK10マーチに違いない。しかし、国内外のラリーを始め、ダート競技で数々のクラス優勝を収めたマーチRは、走りも存在感も全くの別モノなのだ。
■SPECIFICATIONS
車両型式:EK10
全長×全幅×全高:3760×1560×1405mm
ホイールベース:2300mm
トレッド(F/R):1350/1355mm
車両重量:740kg
エンジン型式:MA09ERT
エンジン形式:直4SOHC+スーパーチャージャー+ターボ
ボア×ストローク:φ66.0×68.0mm
排気量:930cc 圧縮比:7.7:1
最高出力:110ps/6400rpm
最大トルク:13.3kgm/4800rpm
トランスミッション:5速MT
サスペンション形式(F/R):ストラット/トーションビーム
ブレーキ(F/R):ディスク/ドラム
タイヤサイズ:FR155SR13
TEXT&PHOTO:廣嶋健太郎(Kentaro HIROSHIMA)
Posted at 2020/06/22 21:51:38 | |
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2020年06月21日
【WRC】ベルギー、初のWRC開催へ協議中。実現すればスパ・フランコルシャンも走行か
2020年のFIA 世界ラリー選手権(WRC)は3月以降、新型コロナウイルスの影響でシーズンが中断されたままの状態となっている。実施できたイベントは3つで、中止されたイベントはポルトガル、ケニア、フィンランド、ニュージーランド、イギリスと5つに上っている。
WRC側は当初は開催予定に含まれていなかった会場を2020年シーズンのカレンダーに加えることを検討しており、既にラトビア共和国ではヨーロッパラリー選手権のプロモーターと、WRCの併催について話し合いを行なっている。
ベルギー国内の伝統の1戦、イプルー・ラリーの主催者も、新たにWRCを開催する可能性について協議に入っているという。
同イベントの主催者であるクラブ・スーパーステージはFIAからアプローチがあった後、イプルー市とWRCイベントの開催可能性について予備的な話し合いを行なったと明らかにした。また近日中には決定が下されると見られている。
この計画が現実のものとなった場合、10月1~4日にベルギーで初のWRCが開催されることになるだろう。
ラリーの正確なルートはまだ決まっていないが、クラブ・スーパーステージの広報担当者によればイプルーの東280kmに位置するスパ・フランコルシャン・サーキットを走行することも考えられているようだ。
「我々イプルーがWRC2020年シーズンの開催に向けて検討されているというのは、素晴らしく名誉なことだ」
クラブ・スーパーステージ委員会のヤン・ヒューグはそう述べた。
「FIAからの問い合わせは光栄だ。その瞬間から、クラブ・スーパーステージは新たな時間調整やスペシャルステージの想定、イプルー市や政府、その他当局へのアプローチを加速させた」
「このプロジェクトは当局やラリースポーツに馴染みのあるイプルー市、その他我々のパートナーからも好感触を得ている」
「我々はイベント予想形を作成したが、そこにはベルギーモータースポーツのふたつの象徴があり、イプルーとスパ・フランコルシャンが団結することができる」
「だが、ハッキリとさせておこう。まだ何も決まっていない。クラブ・スーパーステージは現在FIAとWRCプロモーターと交渉中であり、まもなく決定が下されることになるだろう」
またWRCはFIAとのタスクフォースを設置し、地方およびヨーロッパのイベントを評価し、それらを世界選手権の水準に引き上げることも目指している。
FIA eカンファレンス2020でWRCプロモーターのイベントディレクターを務めるサイモン・ラーキンは次のように語った。
「過去数年間におけるWRCの成長をもとに、FIAとWRCプロモーターの間で共同タスクフォースが設立されており、WRCの世界から経験豊富な関係者が参加している」
「つまり、可能性のある新イベントをFIAが受け入れることのできる水準に引き上げるための基盤が既にできているということだ」
「これによって我々はFIAとWRCのマネージメントと共に、自信を持って新たなイベントを迎えることができる。そして残るスケジュールと協力して、チャンピオンシップを少しでも安全な形で復活させようとしている」
「これが現在我々の取り組んでいるプロセスであり、すぐにでも皆さんに前向きな反応を示せればと思っている」
Posted at 2020/06/21 09:52:56 | |
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自動車業界あれこれ | 日記
2020年06月21日
画期的技術だが高齢者には厳しい? 日産のワンペダルドライブを「使わない」人がいる理由
慣れれば完全停止までアクセルペダルのみでできる
日産のモーター駆動車であるノートe-POWERやセレナe-POWER、そして電気自動車である2代目リーフには、ブレーキペダルを踏まなくてもアクセルペダルの操作だけで速度をコントロールすることができる「ワンペダル」(リーフはe-Pedal)機能が備わっている。
このワンペダルドライブとは、アクセルを踏むと加速するというのは従来のクルマと同じだが、アクセルペダルを戻すと、ペダルの戻す量に応じて減速力が発生するというもの。つまり、少しだけアクセルペダルを戻すと軽いブレーキが、一気にアクセルペダルを離すと強めのブレーキがかかるのだ。
もしこのアクセルペダルでの減速力では足りない場合は、ブレーキペダルを踏むことでより強い制動力を得ることができるようになる。
慣れれば完全停止までアクセルペダルひとつで可能となり(e-POWER系は停止保持機能はないが)、頻繫にアクセルペダルとブレーキペダルを行ったり来たりすることが減り、運転時の疲労軽減にもつながるものとなっている。
過去アクセルペダルをラフに扱っていた人には違和感
しかし、該当車種のオーナーのなかには、どうしてもこのワンペダルドライブに馴染めずにオフのまま走行している人が少なからず存在するというのだ。
そういったユーザーに話を聞いてみると、どうもアクセルペダルのコントロールがうまくいかず、ガクガクとした走りになってしまうという理由が返ってきた。
これは、過去のクルマでアクセルペダルをラフに扱っていたユーザーに多く、当時のクセがなかなか抜けないのが原因ようだ。また、年配のユーザーは関節の可動域が小さくなり、細かい操作が苦手になってくるという身体的な理由も見受けられた。
もちろん、ワンペダルを活用しなくても、モーター駆動ならではの力強くシームレスな走りは楽しめるが、現行のe-POWER系はフットブレーキによる減速では回生が得られないので、もし慣れの問題で活用していないのであればもったいないところなので、ぜひマスターできるように走り込んでみていただきたいところだ。
ブレーキ機能搭載の後付型「ペダル踏み間違い急発進抑制装置」、日本初の量産化に目処
ジャパン・ハイブリットサービスは、ペダル踏み間違い時に、ブレーキ制動により車を停止する、後付け安全装置「とまるんデス」の取扱店募集に向け、新たに製品情報の提供を開始する。
「自動ブレーキ」と呼ばれることも多い「衝突被害軽減ブレーキ」が、2021年11月から国産新型乗用車に義務付けられることとなった。一方、これまでに登録された自動車には、同じ効果を狙った後付け型の「ペダル踏み間違い急発進抑制装置」などの取付が推奨されている。
ペダル踏み間違い急発進抑制装置は、障害物を検知する機能の有無はあるが、いずれも事前に設定された条件を満たす際に「アクセル」機能を停止し、急な加速を抑制するもの。アクセル機能が停止されるため、加速は継続しないが、ドライバーがブレーキを踏み込まない限り止まらない。
ジャパン・ハイブリットサービスが開発を進めている「とまるんデス」は、ペダル踏み間違い急発進抑制装置にはない、ブレーキ機能を搭載した後付け安全装置。2019年11月の特許取得後、自動車への取付部品の見直しを進め、より取付が容易でかつ安定的な構造を実現し、量産化に目途を付けた。ブレーキ機能を搭載した後付け型ペダル踏み間違い急発進抑制装置の量産化は日本初(同社調べ)となる。
”先代”でも安心! スバルが後付けの「ペダル踏み間違い時加速抑制装置」を発売
先代「インプレッサ」や「XV」、軽自動車では「ルクラ」や「プレオ」などに対応
スバルは、先代モデルなどの既販車を対象にした後付け「ペダル踏み間違い時加速抑制装置」の販売を開始した。この製品は自動車部品大手のデンソーが手がけたもので、後付け可能な安全運転支援システムとしてはトヨタやダイハツに続くもの。
スバルの運転支援システムといえば「アイサイト」が有名だが、今回発売するペダル踏み間違い時加速抑制装置はアイサイトなどが装着されていないスバル車ユーザーにも一層の「安心と愉しさ」を提供する目的から純正用品として設定された。適用車種により、「ペダル踏み間違い時加速抑制装置」と「ペダル踏み間違い時加速抑制装置 『つくつく防止』」の2種類がラインアップされている。
ペダル踏み間違い時加速抑制装置(取り付け工賃別の消費税込み希望小売価格=56,100円)
適用車種:インプレッサ(GP/GJ型),スバルXV(GP型)
機能
・時速約10km以下での前進/後退時に、前後に装着したソナーセンサーで前後方約3m以内にある壁などの障害物を検知した場合ランプとブザーで警告。それでもアクセルを強く踏み込んだ場合には、加速を抑制。
・後退時には、障害物の検知にかかわらず時速約5km以上でアクセルを強く踏んだ場合やアクセルを踏んだまま時速約5kmを超えた場合に、警告と加速抑制を行なう。
ペダル踏み間違い時加速抑制装置 「つくつく防止」(取り付け工賃別の消費税込み希望小売価格=35,200円)
適用車種:ルクラ(RF型)、ステラ(RK型)、プレオ(RD型)、プレオ+(RE型)
機能
・時速約10km以下での前進/後退時に、前後に装着したソナーセンサーで前後方約3m以内にある壁などの障害物を検知。アクセルを強く踏み込んでしまった場合、ランプとブザーで警告するとともに加速を抑制する。
スバル・ウェブサイト
https://www.subaru.jp/
サポカー補助金について
なお、65歳以上のユーザーがこの装置を購入・取り付ける場合、一定の条件の下で経済産業省および国土交通省が実施する「サポカー補助金」制度の対象となり「後付けのペダル踏み間違い急発進抑制装置」導入補助(4万円)を受けることができる。
この補助を受けるためには、一般社団法人・次世代自動車振興センターから「後付け装置取扱事業者」に認定された事業者において、装置を購入・取り付ける。全国のスバル販売特約店(44社)は、現在この認定に向けた申請準備を進めており2020年6月末までに認定される見込み。
補助金の申請については販売・取り付けを行なった後付け装置取扱事業者が行ない、購入者はあらかじめ補助金分が差し引かれた金額で購入・取り付けできるため申請等をする必要はない。
詳しくは、一般社団法人 次世代自動車振興センターのWebサイトを参照のこと。
http://www.cev-pc.or.jp/support-car/support-car.html
デンソーの後付けペダル踏み間違い時加速抑制装置、スバル純正用品に採用
デンソーは、同社が開発した後付け装着可能な「ペダル踏み間違い時加速抑制装置」がSUBARU(スバル)純正用品として採用され、販売が開始されたと発表した。
同製品は、超音波センサー、表示機、コントローラーで構成。ドライバーの操作に対する2つのサポートで、ブレーキペダルとアクセルペダルの踏み間違いによる衝突事故軽減に貢献する。
「発進時加速抑制」では、駐車・停車状態からの発進時に、バンパーに取り付けられた超音波センサーが障害物を検知すると、表示機とブザーでドライバーに注意喚起。それでもドライバーがブレーキと間違えて強くアクセルを踏み込んだ場合には、加速を抑制する。
「後退時加速抑制」では、駐車場等で後退する際に、時速約5km以上でアクセルを踏み込んだ場合には、障害物を検知していない状況でも速度が出過ぎないように加速を抑制する。
今後、デンソーは他の乗用車メーカーへの展開を促進し、交通事故の低減に貢献することで、安心・安全なクルマ社会の実現を目指す。
Posted at 2020/06/21 09:49:53 | |
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