2020年11月26日
アイサイトを搭載! スバル、新型BRZを世界初公開|米国では2021年秋発売予定
スバルは2020年11月18日、新型BRZ(米国仕様車)を世界初公開した。新型BRZは、新型2.4リッター水平対向4気筒エンジンを搭載。また、BRZとしては初めて運転支援システム「アイサイト」を採用し、安全性能を向上させた。なお、米国での発売は2021年秋を予定している。
ついに次期型を発表! スバル 新型BRZ(米国仕様)の主な特徴
初代スバルBRZは、2012年3月トヨタとの共同開発で生まれたFRスポーツカーで、当時新開発の2.0リッター水平対向エンジン(FA20型)を搭載する。トランスミッションは6速MTと6速ATを採用し、希少なコンパクトFRスポーツとして人気を博すも、日本での生産は2020年8月に終了。今回初のフルモデルチェンジを受けワールドプレミアされた。
躍動感のある外観デザイン
より低く、よりワイドに設置されたヘキサゴングリルが低重心を主張するとともに、グリルから始まり後方へ連なる芯の通った造形で体幹の力強さを表現。絞り込んだキャビンと力強く張り出したフェンダーのダイナミックな抑揚がスポーツカーらしい走りへの期待感を高めている。
また、サイドシルスポイラーやフロントフェンダー後方に配したエアアウトレットなど、デザインにアクセントをもたらすだけでなく、スポーツカーとしての性能を最大限に引き出す機能性を持ち合わせた空力アイテムを多数採用している。
走りに集中できるインテリア
シンプルな水平基調のインストルメントパネルや低く設置したメーターバイザーにより、広い視界を確保。7インチTFT液晶パネルとセグメント液晶パネルを組み合わせたデジタルメーターにより必要な情報をわかりやすく表示することで、日常の運転からスポーツ走行時まで直感的な情報把握を可能とした。
また、高いホールド性とフィット感をもたらすスポーツシートは疲れにくく運転に集中できる環境を作り出すとともに、クルマの挙動を正確にドライバーへ伝える役割も果たしている。
さらに、8インチ SUBARU STARLINK マルチメディアインフォテインメントシステムを採用し、Apple CarPlay、Android Autoに対応。スマートフォンのような直感的な使い勝手と操作感を実現している。
ピュアスポーツカーならではの走りと安全性を追求
新型2.4リッター水平対向4気筒エンジン搭載
初代モデルから排気量を拡大した、新型2.4リッター水平対向4気筒エンジンを搭載。徹底した吸排気性能の強化とフリクション低減によって、トルクを15%向上。レスポンスも早く、滑らかに高回転まで吹け上がるスポーツカーらしいフィーリングとともに、力強い加速を実現している。
また、AT搭載車ではSPORTモードの制御が進化。クルマがスポーツ走行中と判断した際には、ドライバーの意思や操作に応じて最適なシフト操作を自動的に行い、よりダイレクト感のあるコーナリングを可能にしている。
進化したハンドリング性能
スバルグローバルプラットフォームの開発から得たノウハウを取り入れるとともに、インナーフレーム構造や構造用接着剤などを採用。ボディを再構築することで、初代モデルに対しフロント横曲げ剛性を約60%、ねじり剛性を約50%と大幅に向上させた。これによりステアリング操作への応答性を高めるとともに、旋回時のトラクション性能を向上している。
また、ルーフ、フード、フロントフェンダーの素材に軽量なアルミを採用。エンジン出力や安全性の向上に伴う重量増を抑制すると同時に、前後左右重量の適正化やさらなる低重心化を実現し運動性能を向上している。
さらに、18インチアルミホイール装着車には、215/40R18 ミシュラン パイロットスポーツ4 タイヤを装備した。
運転支援システム「アイサイト」を搭載
新型BRZは、BRZとしては初となる運転支援システム「アイサイト」をAT車に標準装備。プリクラッシュブレーキや全車速追従機能付クルーズコントロールなど、進化した安全性能と走りの愉しさを両立。また高張力鋼板の採用拡大などによりボディを強化するとともに、各種エアバッグをはじめとする乗員保護システムを強化することで、衝突安全性能も向上している。
さらに、コネクティッドサービス SUBARU STARLINK Safety and Security を採用。万一の事態に備えた「つながる安全」を提供するとともに、快適なカーライフをサポートする。
スバル 新型BRZの主なスペック(開発目標値)
■グレード:Premium、Limited
■全長:約4264mm
■全幅:約1775mm
■全高:約1310mm
■ホイールベース:約2575mm
■エンジン:2.4L水平対向4気筒(筒内直接+ポート燃料噴射装置 TOYOTA D-4S)
■トランスミッション:6MT/6AT
■駆動:RWD(後輪駆動)
■最高出力:約231PS
■最大トルク:約249Nm
新型スバルBRZ世界初公開。2.4Lに排気量アップ、ATモデルはアイサイトが標準装備される
プラットフォームはキャリー。全体のデザインは従来モデルの進化版
2020年11月18日23時(日本時間)、ついに第二世代となる新型BRZが発表されました。スバルのデザイン・アイデンティティであるヘキサゴン形状をアンダーグリルに採用することで、低重心をアピールするスタイリングに変身していることは一目でわかるポイントですが、全体としては従来モデルの進化版といった雰囲気です。
北米仕様の目標スペックとして発表されたボディサイズは、全長4265×全幅1775×全高1310mm、ホイールベース2576mm。全幅とホイールベースは北米仕様の初代モデルと同じ数値で、基本骨格はそのまま活用していると考えるのが妥当でしょう。
公式発表においても新世代プラットフォーム「SGP」の“ノウハウを取り入れた”とあり、プラットフォームを一新したのではなく、従来モデルから進化させたことを示しています。とはいえ、新型レヴォーグなどでも採用したインナーフレーム構造や構造用接着剤を採用してフロント横曲げ剛性は約60%、ねじり剛性は約50%向上。こうしてフロントのしっかり感を出すことで、ステアリング操作への応答性向上などのハンドリング性能をレベルアップしているというわけです。
アルミ製ルーフやエンジンフードで軽量化
空力面ではフロントフェンダーに新設されたエアアウトレットがスタイリングでもアクセントとなっています。そのほかダックテールとなったトランクリッド、サイドシルスポイラーやリアフェンダーのスポイラー形状なども躍動感を高めています。
ボディをしっかりさせるというと、どうしても重くなってしまいがちですが、新型BRZはフロントフェンダー・エンジンフード、そしてルーフをアルミ製とすることで軽量化を図っています。とくにルーフのアルミ化は重心を下げるのに効きますし、それは水平対向エンジンを低く搭載するというBRZの素性の良さを引き上げる進化ポイントといえるでしょう。
2.4Lに排気量アップした新エンジン、6速MTも健在
さて、アルミ製エンジンフードの下に収まる水平対向エンジンは、排気量を2.4Lへと拡大した新ユニット。現時点では北米仕様の目標スペックが公開されているのみですが、最高出力228hp、最大トルクは約250Nmとなっています。また、排気量アップや環境対応という社会ニーズを考えると、従来の2.0Lエンジンのような高回転フィールは味わえないと思ってしまいがちですが、公開されているメーター画像を見る限り、レッドゾーンは7500rpmからとなっていて、これまで同様に高回転を維持したスポーツドライビングが楽しめそうです。なお、燃料噴射装置についてはトヨタの技術であるD-4S(ポート噴射・筒内直接噴射の併用型)が引き続き採用されています。
トランスミッションでの注目点は新型BRZには6速MTが健在ということです。スポーツカーでも2ペダルが当たり前という時代に、BRZにはマニュアルトランスミッションが用意されるというわけです。さらにパーキングブレーキもハンド式(サイドブレーキ型)となっているのは、サイドターンやドリフトのきっかけにハンドブレーキを使いたいというドライバーには朗報といえるでしょう。
ATにはアイサイトが標準装備、北米では来年秋に発売
ATモデルの変速段数が6速と発表されたのは少々残念な気もしますが、こちらもおそらく従来モデルと同じ系統のユニットが採用されていると予想されます。ビッグニュースといえるのはAT車にはSUBARUの先進運転支援システムである「アイサイト」が標準装備となること。安全性能に定評ある衝突被害軽減ブレーキや全車速対応追従クルーズコントロールといった機能を、スポーツカーであるBRZでも味わえるようになったというのは見逃せないポイントです。
最後に注目したいのはタイヤサイズ。北米仕様は「プレミアム」と「リミテッド」という2グレードが設定される模様ですが、前者には215/45R17、後者には215/40R18のタイヤが与えられると発表されました。18インチはミシュラン・パイロットスポーツ4を履くということですが、いずれにしても、215幅となっていて、グリップに頼らないスポーツドライビングを目指したことが予想されます。
北米での発売は2021年秋を予定しているとアナウンスされました。はたして日本の公道で新型BRZを見ることができるのはいつになるのか、その日が非常に楽しみです。
文:山本晋也(自動車コミュニケータ・コラムニスト)
スバル新型BRZ世界初公開!排気量は?ボディサイズは?アイサイト付きも?スペックも判明
希代のボクサーFRが全面刷新!
スバルは11月18日、新型BRZの米国仕様車を世界初公開した。
企画・デザインはトヨタ、開発・生産はスバル。両社の提携によって2012年3月に誕生した初代トヨタ86/BRZから8年。2020年7月に、まずはBRZが注文受付を終了。同年12月には86も終了するといわれ、希代のボクサーFRスポーツはモデルチェンジすることなく”いったん”姿を消すことに…。
この時点ではどちらも新型についての公式なアナウンスはなかったが、次期型の開発は順調に進められていた。
その新型。ティザー写真の公開に続いて今回、そのフルヌードが世界初公開となった。水平対向エンジン搭載車を想起させるロー&ワイドなスタンス、そして駆動する後輪を内包したグラマラスで塊感のあるリヤフェンダーのアイコンを踏襲。まごうことなき2代目BRZである。
顔つきは、目元の印象が一変。切れ長で独立した立体感ある先代から、フェンダー周辺との一体感を高めた意匠へ。スバル車のアイデンティティである逆台形の六角形グリルもより低く、ワイドに据えられている。バンパー両サイドには、これも先代とは逆形状のガーニッシュを伴ったエアインテークが備わっている。
フロントフェンダーのデザインも変わった。先代は上部にダミーのエアアウトレットを備えていたが、フロントタイヤ後端に位置を変えた新型は、整流効果を狙ったホンモノを採用。そこからボディサイドに目を移すと、先代が細身に見えるほどの抑揚に目を奪われる。後付けのサイドスカートのように張り出したサイドシルも新たなアイコンだ。
「パッと見のシルエットは先代と変わらないように見えますが、新型のほうが格段にグラマラスです」
とは、すでに現車を目撃した情報筋。真正面から見ると、思いのほかくびれがなかった先代。新型は、これがグッとオトナに成長した。
ちなみに「86とのデザインの違いは?」に関しては明言を避けられた。
ボディサイズはほぼそのまま! プラットフォームは?
今回公開された北米仕様のディメンジョンはいずれも換算値で全長4265mm×全幅×1775mm×全高1310mm。ホイールベースは2575mmだ。これを先代STIスポーツと比較すると、新型は全長が25mm長くて全幅は同寸。全高は10mm高くホイールベースは5mm長い。つまりサイズ感は先代とほぼ同じだ。それは、基本となるプラットフォームが先代からのキャリーオーバーだから。
とはいえ、「な~んだ」ではない。
新型は、次世代車台「スバルグローバルプラットフォーム」の開発から得た知見を積極的に導入。さらに、新型レヴォーグにも導入されたインナーフレーム構造、構造用接着剤の使用範囲を拡大してボディを再構築。これにより、初代比でフロント横曲げ剛性を約60%、ねじり剛性を約50%と大幅に向上させている。
補剛する一方で軽量化も実施。ルーフとボンネットフード、フロントフェンダーをアルミパーツとして重量増を抑えるとともに、前後左右の重量配分の適正化も実施している。
サスペンション形式も、前ストラット/後ダブルウイッシュボーンと先代を踏襲。低い重心がもたらすロールの少なさに加えて、先代が改良ごとに積み上げてきた、足がよく動き、駆動力をコントロールしながら荷重変化を楽しめるFRらしいセッティングが施されているはず。タイヤサイズは215/40R18、215/45R17の2種類を設定。18インチにはミシュラン パイロットスポーツ4が採用された。先代はタイヤの性能に頼らないというコンセプトのものと、”プリウス用タイヤ”のミシュラン プライマシーHPだったが…。剛性アップや後述するエンジンパワー向上に伴い、グリップ重視のタイヤが採用されることになったのだろうと想像する。
エンジン排気量アップ!サーキット試乗でインプレッション
そしてエンジン。自然吸気のボクサー4はそのままだが、型式はFA20からFA24となった。これは、北米市場に投入済みの新型レガシィなどに積まれる2.4Lターボがベースと思われる。これにトヨタの燃料噴射システム「D-4S」が組み合わさるのは先代と同じだ。
同機は排気量アップによる出力向上とともに、先代の2Lユニットよりも吸排気効率を高め、フリクションを低減。これにより、トルクを約15%向上(21.6km→25.4kgm)させているのが大きな特徴。低・中回転域のトルクが足りなかった先代の2L。MT車では、シフトアップ時のクラッチ操作でトルクが落ち込み緩慢な操作を許容しなかったが、新型はプラス400ccの余裕によりこの点が大幅に改善したという。馬力は228hp(ps換算で224.8)とパワーアップも遂げている。
ちなみにトランスミッションも、6速MT/6速ATともに基本はキャリーオーバーとなるが、AT車はスポーツモードの制御が進化。クルマがスポーツ走行中と判断したときには、運転者の意図や操作に応じて適切なシフト操作を自動で行う。
今回、北米でのお披露目ではサーキット試乗も行われた。馬力アップはもちろん、特に中間回転域でのトルクがアップしたせいか、落ち込みを感じずスムーズに吹け上がるパワフルさが印象的。実際にステアリングを握ったテストドライバー、スコット・スピード氏によれば、2→3速のシフトアップが引っかからずにスムーズに。さらに、ボディ剛性、タイヤグリップ性能のアップでコーナリングでの粘りはかなり進化しているという。(排気量アップにより)エンジンが重くなったぶんは、各種アルミパーツとすることで前後重量配分バランスは取れている、とのことだった。エキゾーストサウンドは、より低音で心地よいものになっているとの情報も。
最大のトピックは…アイサイトの搭載か
そしてインテリア。目を引くのは先代以上に水平基調となったインパネ。さらにメーターフードを先代よりも低く配置することで、より広い前方視界を実現した。メーターは、先代のデジタル速度計と指針の回転系の組み合わせから、7インチTFT液晶パネルとセグメント液晶を組み合わせるデザインとなった。水平対向のピストンをイメージさせる意匠が粋。質感アップも見どころで、特にドアパネル、ダッシュボードなどは格段にグレードアップしている。スエード調素材の使用面積も広くなっているように感じた。
先代では皆無に等しかったエンターテイメント機能も最新版をインストール。8インチディスプレイの「スバル スターリンク マルチインフォテイメントシステムを採用する。もちろんApple CarPlayやAndroid AutoもOK。さらに不意の事故などの事態に備えたつながる安心を提供するコネクティッドサービスにも対応している。
最大のトピックは、AT車への運転支援機構「アイサイト」が標準装備されることだろう。衝突被害軽減ブレーキや全車速追従機能付きクルーズコントロールも備わる。
新型の国内導入は…2021年夏と予想する!
〈文=ドライバーWeb編集部〉
新型スバルBRZ、ついにアンヴェールへ! 次期86はいずれ登場か
11月18日、スバルは、新型「BRZ」の詳細を発表した。
排気量は2.4リッターに拡大
新型登場が予告されていた「BRZ」は、初代から数えて2代目になる。従来とおなじくトヨタ自動車と共同開発だ。ただし、姉妹車であるトヨタ「86」の次期モデルについてのアナウンスは、今回なかった。
新型BRZは、初代とおなじく水平対向エンジンを搭載し、後輪を駆動する。メディア向け資料には「世界トップクラスの低重心による優れたハンドリング性能を実現した」と、うたう。
搭載するエンジンは、2.0リッターから2.4リッターに排気量を拡大。最高出力は228ps、最大トルクは250Nmを発揮する。吸排気性能の強化とフリクションの低減によって、トルクが先代に比べて15%向上したという。トランスミッションは6ATと6MTが選べる。前者はスポーツ・モードの制御が進化したそうで、スポーツ走行中と判断したときには、ドライバーの意思や操作に応じて、最適なギアを自動的に選ぶという。
タイヤは215/45R17と215/40R18の2サイズを用意。後者はミシュランの「パイロットスポーツ4」を履く。
プラットフォームは従来からのキャリーオーバーだ。ただし、構造用接着剤などを採用することで初代よりも、フロントの横曲げ剛性を約60%、ねじり剛性を約50%向上させたという。メディア向け資料には「ステアリング操作への応答性を高め、より軽快な動きを実現するとともに、旋回時のトラクション性能を向上させた」と、記されている。
アイサイトも搭載
外装は、「ヘキサゴングリル」と呼ぶフロントグリルを低い位置に設置し、低重心であることを視覚的にも主張する。
サイドシルスポイラーやフロントフェンダー後方に配されたエアアウトレットは、デザイン性を高めるとともに、空力性能も高めているという。
内装は、水平基調のインパネと低く設置したメーターフードによって広い視界を確保したという。メーターは7インチTFT液晶を使ったフルデジタルになった。8インチのモニターを使った「SUBARU STARLINK マルチメディアインフォテインメントシステム」は、Apple CarPlayなどのスマートフォンとも連携する。
新型は、運転支援システムも拡充された。ほかのスバル車にも搭載される「アイサイト」をBRZとしては初めて搭載した。衝突被害軽減ブレーキやACC(アダプティブ・クルーズ・コントロール)などが含まれるという。
新型スバルBRZは、2021年に販売が始まる予定だ。
文・稲垣邦康(GQ)
【写真で見る】ついに登場! スバル「新型BRZ」発表 FR+MTのピュアスポーツ
SUBARU(スバル)が新型「BRZ」を発表しました。
駆動方式は変わらずFR。エンジンは、最大228馬力を発生する新型の2.4リッター水平対向4気筒を搭載します。また、BRZとしては初となるスバルの運転支援システム「アイサイト」を採用します。
米国で2021年秋発売を予定しています。
スバル、新型「BRZ」を世界初公開 2400cc搭載 米国で2021年秋発売 日本導入は未定
スバルは18日、新型「BRZ」の米国仕様車をウェブサイト上で世界初公開した。加速感とフィーリングの良さを両立する2.4リットル水平対向4気筒エンジンを採用するとともに、BRZでは初めて運転支援システム「アイサイト」を搭載し、安全性能も高める。2021年秋に米国で発売する。日本への導入計画は未定。
初代から大排気量化したエンジンは吸排気性能の強化と摩擦抵抗の低減でトルクを15%向上。スバルグローバルプラットフォームの開発で得た知見を活用し、インナーフレーム構造や構造用接着剤などを活用し、フロント横曲げ剛性を約60%、ねじり剛性を約50%高めた。スポーツカーとしての走りやデザインに磨きをかけるとともに安全性も高めており、自動変速機(AT)車にアイサイトを標準装備した。
スバル、新型「BRZ」世界初公開! どこが変わった!? 旧モデルと徹底比較
米国スバルは日本時間2020年11月18日23時、2021年秋に発売予定の新型BRZを世界初公開した。2012年8月にトヨタとの共同開発で誕生し、今ではすっかり希少な存在となってしまったコンパクトFRスポーツであるスバル BRZは、新型となってどう進化したのか? 新たに公開された画像とともに、新旧BRZの違いを見てみよう。
排気量が2.0リッターから2.4リッターにアップ!
軽量コンパクトなFRスポーツとして人気のスバル BRZが初のフルモデルチェンジを受け、日本時間2020年11月18日23時にワールドプレミアされた。
2012年8月にトヨタとの共同開発で誕生した初代BRZは、高回転型の2.0リッター水平対向ノンターボエンジン(FA20型)を搭載。今回のフルモデルチェンジによって排気量は2.4リッターに増加し、最高出力228HP(約231PS)、最大トルク184lb.-ft. (約249Nm)に向上している。
肥大化することなく“軽量&コンパクト”を維持
公表された新型BRZ(米国仕様)のサイズは、全長約4264mm(167.9インチ)、全幅約1775mm(69.9インチ)、全高約1310mm(51.6インチ)。旧型と比較すると、全長は約24mm伸ばされてはいるもの横幅に変更はなく、全高は数mmから10mm程度下げられている。また、ホイールベースは旧型より約5mm長い約2575mm(101.4インチ)と小幅な変更にとどまり、北米向けにボディが肥大化することはなかった。
米国スバルの公式情報によると、車両重量は推定値ではあるものの、もっとも軽量なプレミアムグレード(6MT)で約1277kg(2815ポンド)となり、旧型の6速MTモデルと比較するとわずかながら増量。しかし、ボディ剛性の向上やエンジンの排気量アップなどを考えると、ルーフ(屋根)、フード(ボンネット)、フロントフェンダーにアルミ素材を採用したことによる軽量化によって、重量増を最小限に抑えたと言って良いだろう。
キープコンセプトながらスッキリした印象の外装
新型BRZの外装は、旧型同様2ドアクーペらしい流麗なラインと、膨らみがやや強調されたフェンダーによって、踏ん張り感のあるデザインとなった。そして、ヘッドライト、テールランプ共に、旧型は下側にふくらみを持たせたデザインだったが、新型ではシンプルな造形に変更。また、フェンダーに設けられたエアダクトや立体感の増したサイドスカートを採用し、旧型よりもアグレッシブな印象を与える。
最新のデジタルインターフェイスを備えたインテリア
一方、インテリアも旧型のやや凹凸のあるダッシュボードから、高さを抑えた水平基調のデザインとなり、広い視界を確保しつつスッキリとした印象に仕上がっている。さらに、7インチTFT液晶パネルとセグメント液晶パネルを組み合わせたデジタルメーターや8インチ SUBARU STARLINK マルチメディアインフォテインメントシステムなど、先進的なデジタルインターフェイスを備えている。
スバル 新旧BRZ比較表
スバル 新旧BRZ比較表新型BRZ Premium 6MT旧型BRZ 2.0 STI スポーツ 6MT全長4264mm4240mm全幅1775mm1775mm全高1310mm1320mm車両重量1277kg1250kgホイールベース2575mm2570mm排気量2.4リッター2.0リッター最高出力231PS/7000rpm207PS/7000rpm最大トルク249Nm/3700rpm212Nm/6400rpmタイヤサイズ215/45R17215/40R18※新型BRZのスペックは米国仕様の推定値
スバルが次期BRZのデザインと概要を発表。ボディサイズはほぼ変わらず、エンジンは2.4Lに拡大
スバルは2020年11月18日、北米市場で次期型となるSUBARU BRZの概要を発表。初代BRZと同様にトヨタ自動車と共同開発されたというが、フルモデルチェンジによってどのようなモデルに進化したのか。
従来モデルのプラットフォームをリファインして走行性能アップ
低重心な水平対向エンジンは高回転型の自然吸気とし、6速MTと後輪駆動の組み合わせ、またコンパクトで軽量なスポーツクーペと、クルマ好きならずともワクワクするような文言をいくつも提げて2012年に登場したスバル BRZ。共同開発したトヨタの兄弟車種、86とともに比較的安価に設定されていることもあって多くのファンを生み出したモデルで、スーパーGTのGT300をはじめとするモータースポーツで登場から8年経過した今も活躍している。
そして2020年11月18日、米国で次期BRZのスタイリングと概要が公開された。従来型と同様に、新型もトヨタとの共同開発されたモデルであり、北米市場での発売は2021年秋を予定されている。
スバルは現在グローバルプラットフォーム(SGP)による新型車開発を行ない、インプレッサからフォレスター、新型レヴォーグまで幅広く採用されている。しかし、今回のBRZはSGPではなく、従来のプラットフォームをベースに、新技術を投入することによって、これまでも好評だったピュアスポーツカーならではの走りの愉しさを強調するという。
インナーフレーム構造や構造用接着剤などを採用、ボディを再構築することでフロント横曲げ剛性を約60%、ねじり剛性を約50%と大幅に向上させてきた。ハンドリングの応答性向上や、より軽快なフットワーク、旋回時のトラクション性能確保を実現する。
従来のプラットフォームをベースにしていることもあって、ボディサイズはほとんど変わっていない。北米仕様での数値となるが、全長約4265mm/全幅1775mm/全高1311mm/ホイールベース約2576mm(いずれもインチをmmに変換)と、全長で25mm延長されているくらいだ。(現行モデルは同4240mm/1775mm/1320mm/2570mm・日本仕様)
ボディシルエットは継承されているように見えるが、フロントバンパーは前方へ伸ばすように低く、その先に配置されているヘキサゴングリルも幅広に開口されることで、より低重心な印象を与えられている。また、フロントタイヤの後ろのエアアウトレットやダックテール形状のトランクリッドなど、アグレッシブさも強調されている。
搭載されるパワートレーンは2.4Lに拡大された水平対向4気筒の自然吸気エンジンで、従来モデルと同様にトヨタの直噴技術「TOYOTA D-4S」を組み合わされる。228hp(約231ps)と184lb.ft(約249Nm)を発生し、メーターのレッドゾーンはおよそ7500rpmからはじまっている。吸排気性能の強化とフリクション低減によって、トルク増大だけでなくレスポンスの向上や、滑らかな回転フィールをもたらすという。
エンジンパワーは従来の207ps/212Nmから約24ps/37Nmも拡大しており、近年減りつつあった自然吸気エンジンならではの伸びやかな加速フィールを楽しめそうなモデルである。
インテリアにおいてはコクピットのデジタル化が進められ、メーターパネルとして7インチの液晶ディプレイを採用。文字情報の見やすさ向上だけでなく、省スペース化されたことでメーターバイザーの位置を低められて前方視界の確保にもひと役買っている。このほかにも、Apple CarPlayやAndroid Autoに対応した8インチのマルチメディアインフォテインメントシステムを採用される。
今回はあくまで北米市場向けの情報で、日本市場への導入時期や詳細なスペックなどは公開されていない。いまだ沈黙を守っているトヨタの兄弟車種、次期86とともにどのような展開が行われるのか、続報に期待である。
スバル 次期BRZ 主要諸元
●全長×全幅×全高:約4265×1775×1311mm
●ホイールベース:約2576mm
●車両重量:未公開
●エンジン:水平対向4気筒
●排気量:2.4L
●最高出力:約231.26ps
●最大トルク:約249.47Nm
●トランスミッション:6速MT/6速AT
●サスペンション(前/後):ストラット/ダブルウイッシュボーン
●駆動方式:FR
●タイヤサイズ:215/45R17(プレミアム)、215/40R18(リミテッド)
※数値はすべて北米仕様。
【動画】スバル 2代目「BRZ」がワールドプレミア 発売は2021年秋
スバル オブ アメリカは2020年11月18日、2代目となる新型「BRZ」のワールドプレミアをカリフォルニア州のサーキットで行ないました。2022年型となる新型BRZは2.4LのFA24型を搭載しパワーアップ。よりパワフルで、軽量、高剛性でハンドリング性能を高めたなピュアスポーツ カーに進化しました。
VIDEO
スポーツチューンのFA24型を搭載
新型BRZの基本的なコンセプトである低重心、軽量、精度の高いステアリング性能を追求し、2+2パッケージのピュア スポーツカーであることは不変です。そして2022年モデルのエンジンはパワーアップされ、さらにハンドリング性能も一段と洗練。ボディ骨格のねじり剛性は50%も向上し、モダンに進化したインテリア&装備をしています。
新たに搭載される水平対向4気筒エンジンは、アメリカで販売しているアセント、レガシィ/アウトバックに搭載されているFA24型の2.4Lエンジンがベース。FA24型はボア・ストロークが94mm×86mmの自然吸気で、直噴+ポート噴射のD4-Sシステム、吸排気可変バルブタイミングなどを採用しています。
最高出力は231ps/6000rpm、最大トルク250Nm/3700rpmで、最高回転数は7000rpmと自然吸気のスポーツ エンジンにふさわしく仕上げています。従来より約20psパワーアップしたことに加え、より低回転から17%アップした大トルクを発生し、動力性能が向上しています。
そしてこのエンジンの搭載位置は、一段と低重心化され、世界有数のピュアスポーツカーと同等レベルになっています。
グレードは、プレミアムとリミテッドの2グレードで、トランスミッションは6速MTとスポーツモード付き6速ATが設定されています。この6速ATは新たに自動スロットルブリッピングにより迅速なダウンシフトが可能になっており、さらにヨーレートセンサーを使用して、ハードコーナリング中にトランスミッションをより低いギアに保持することができる機能が追加されています。
もちろん日常の快適さや実用性を犠牲にすせず、機能性を高めています。リヤシートバックを倒すことで、マウンテンバイク、ゴルフクラブ、大きな荷物を積載できるカーゴスペースを生み出すことができます。サーキット走行用4本のレースタイヤと工具類も難なく積載できます。
ボディのアウターパネルは、ルーフ、フロントフェンダー、フードをアルミニウム製とするなど軽量化も一層追求され、車両重量は6速MT仕様のプレミアムが1277kg、リミテッドは1286kg、そして6速AT仕様のプレミアムが1299kgで、リミテッドが1307kgとなっています。
ボディサイズは、全長4265mm(+30.5mm)、全幅1776mm、全高1310mm(-10mm)、ホイールベース2576mm(+50.8mm)とわずかに大きくなっています。
シャシー
新型BRZのボディは、スバルグローバルプラットフォーム(SGP)の技術ノウハウを採用し、より強化されたサスペンション マウント、より高強度のサブフレームの採用、ボディ骨格の結合ポインの強化、超高張力鋼板の採用拡大などにより、従来ボディより大幅にシャシー剛性を向上。 曲げ剛性が60%向上し、ねじり剛性は50%以上高められています。
新型BRZのサスペンションは、フロントがストラット式、リヤがダブルウイッシュボーン式で従来の形式を踏襲。超低重心と高強度のボディ構造を最大限に活用し、さらに前後の荷重配分もより適正化されています。
コーナリングでのターンインのレスポンスを向上させるため、フロントのストラット式サスペンションは専用開発され、理想的なハンドリングと乗り心地を両立させる長いストロークを保ちながら低いボンネットラインを実現。
サーキット走行の場合、標準のビークルスタビリティコントロール(VSC)システムでドライバーは5種類のモードが選択でき、VSCオフも可能となっています。
デザインと装備
新型BRZの大胆な新しいスタイリングは、よりグラマラスでダイナミックな印象になっています。全体デザインでは機能的な空力デザインとモダンさ、俊敏さとパワフルさを表現したクーペデザインになっています。
フロントのグリルは低く設定され、エモーショナルなフェンダーアーチに繋がり、またフロントサイドは大胆なフェンダーフレアを強調。ルーフラインはヴィンテージのレーシングカーような微妙な「ダブルバブル」形状を採用しています。
フロントフェンダーはアグレッシブなデザインで、大きなサイドベントを備えています。このサイドベントの機能は、エンジンルームとフェンダー内のエアを排出することで、空気抵抗を低減する役割を持っています。ここから放出されたエアはサイドシルスポイラーに送られ、ハイスピード時にはダウンフォースを生み出します。
リヤアーチの後ろにある小さなフィンも空気の流れを助け、安定性を向上させる役割を持っています。リヤエンドはより大きなダウンフォースを得るためにアグレッシブなダックテール形状の処理を新採用しました。
インテリアは、ドライバーを中心にデザインされ、新たにカスタマイズ可能な7インチのデジタルメーターを採用。デジタルスピードメーター、タコメーターを配置し、タコメーターの左側にはアンペア、水温、または加速度を表示できるなどプログラム可能なパネル表示となっています。
そしてサーキットモード時には、タコメーターは自動的にカラーディスプレイ付きの線形グラフに移行します。
インフォテイメントでは8インチのタッチスクリーンをダッシュボード中央に配置。最新のスバル スターリンク マルチメディアシステムを備えています。
もちろんApple CarPlay、Android Autoによるスマートフォン接続、Bluetoothによるハンズフリー電話接続、オーディオストリーミング、リヤビジョンカメラなども統合されています。オプションとしてテレマティクスも搭載可能となっています。
なお、新型BRZの生産は、群馬工場で行なわれ、2021年初秋に発売される予定です。したがって残り9ヶ月間は世界各地での走行テストを繰り返し、シャシーなどの熟成を行なう期間になると推測できます。
第2世代の新型SUBARU BRZがワールドプレミア。米国では2021年秋に発売予定
SUBARUが新型BRZを世界初公開。パワーユニットには新型2.4L水平対向4気筒エンジンを搭載
米国SUBARUは11月18日(現地時間)、第2世代となる新型BRZの米国仕様車を世界初公開した。
SUBARUがトヨタ自動車とタッグを組んで開発した2ドアクーペ車のSUBARU BRZとトヨタ86は、2012年2月に市場デビュー。FR(フロントエンジン・リアドライブ)レイアウトと水平対向エンジンが生み出す低重心パッケージングによって思い存分に“走り”が楽しめるスポーツモデルとして、走り好きから熱い支持を獲得した。
初代BRZはデビューから8年半あまりが経過した2020年8月に生産を終了し、以後は在庫のみを販売している。次期型はどのような姿で登場するのか、ファンから大きな期待を集めていたが、そのベールがついに剥された。
新型BRZは、初代モデルが提供してきたスポーツカーならではの走りの愉しさをさらに充実させるとともに、ユーザーのカーライフに安心感をもたらす新たな価値を加えることで、誰もが愉しめるスポーツカーとして全方位に渡って大幅な進化を遂げたことが特徴だ。
まずパワーユニットには、初代モデルから排気量を拡大した新しい2.4リットル水平対向4気筒DOHC16V・デュアルAVCSエンジンを搭載。燃焼システムには筒内直接+ポート燃料噴射のトヨタD-4Sを採用し、徹底した吸排気性能の強化とフリクション低減によって、発生トルクを15%ほど向上させる。公表されたスペックは、最高出力が228hp/7000rpm、最大トルクが184 lb. ft.(25.4kg・m)/3700rpmだ。組み合わせるトランスミッションには、改良版の6速MTと6速ATを設定。AT 搭載車ではSPORTモードの制御を変更し、クルマがスポーツ走行中と判断した際には、ドライバーの意思や操作に応じて最適なシフト制御を自動的に行い、よりダイレクト感のあるコーナリングを可能とした。
基本骨格については、スバルグローバルプラットフォームの開発から得たノウハウを鋭意取り入れ、合わせてインナーフレーム構造や構造用接着剤などを採用してボディを再構築。初代モデルに対してフロント横曲げ剛性を約60%、ねじり剛性を約50%引き上げる。また、ステアリング操作への応答性をいっそう高め、より軽快な動きを実現するとともに旋回時のトラクション性能を向上させた。一方、ボディに関してはルーフ、フード、フロントフェンダーの素材に軽量なアルミを採用。エンジン出力や安全性の向上に伴う重量増を抑えると同時に前後左右重量の適正化やさらなる低重心化を果たし、運動性能をいっそう高める。そして、懸架機構には進化版の前マクファーソンストラット/後ダブルウィッシュボーンを採用。足もとには、17インチアルミホイール+215/45R17タイヤまたは18インチアルミホイール+215/40R18タイヤ(ミシュラン パイロットスポーツ4)を装着した。
エクステリアについては、ひと目見ただけで高い走行性能を予感させる、躍動感を持ったスポーツカーらしいルックスに仕立てたことが訴求点だ。フロント部はより低く、よりワイドに設置したヘキサゴングリルで低重心を強調し、さらにグリルから始まり後方へ連なる芯の通った造形で体幹の力強さを表現。サイドビューは絞り込んだキャビンと力強く張り出したフェンダーのダイナミックな抑揚によって、スポーツカーらしい走りへの期待感を高めるアピアランスを創出する。そしてリアセクションは、シャープな造形のコンビネーションランプにエッジ部をアップスエップ形状で仕立てたスポイラー、厚みのあるバンパーおよびディフューザーなどを組み込んで、印象的かつスポーティな後ろ姿を具現化した。また、サイドシルスポイラーやフロントフェンダー後方に配したエアアウトレットなど、デザインにアクセントを付与するだけでなく、スポーツカーとしての性能を最大限に引き出す機能性を持ち合わせた空力アイテムを多数装備する。ボディサイズは米国仕様で全長167.9×全幅69.9×全高51.6インチ(4265×1775×1311mm)/ホイールベース101.4インチ(2576mm)と、従来よりやや長いディメンションとなった。
内包するインテリアは、走りに集中できる環境を作り出すデザインに仕立てる。コクピットはシンプルな水平基調のインストルメントパネルや低く設置したメーターバイザーにより、広い視界を確保。また、7インチTFT液晶パネルとセグメント液晶パネルを組み合わせたデジタルメーターを組み込み、必要な情報を分かりやすく表示して、日常の運転からスポーツ走行時まであらゆる状況下で直感的に情報を把握することを可能にした。一方、前席には高いホールド性とフィット感をもたらす新スポーツシートを装着。また、Apple CarPlay/Android Autoに対応した8インチSUBARU STARLINKマルチメディアインフォテインメントシステムを採用し、スマートフォンのような直感的な使い勝手と操作感を実現した。
スポーツカーならではの走りを最大限に愉しめるよう、安心・安全という付加価値にもいっそうの磨きをかける。SUBARU独自の運転支援システムのアイサイトは、機能の拡充を図りながら、AT車に標準で装備。また、最新のコネクティッドサービスのSUBARU STARLINK Safety and Securityも採用している。
新型BRZは、米国市場では2021年秋に発売する予定。日本市場での発売時期などは、現在のところ未発表である。
遂に出た!2.4Lになった新型 スバル BRZの詳細スペックをチェック!トヨタ 86はどうなる?
2020年11月28日23時に世界初公開となった新型スバルBRZ。今回の発表で発表された詳細を基に、初代BRZとはどのようなポイントが異なるのか紹介しつつ、兄弟車となるトヨタ86はどうなるのか推測していきたいと思います。※今回発表されたスペックはアメリカ仕様車の開発目標値とされています。文・西川昇吾
新型スバル BRZ最大の変更点はエンジン
まず、走りに影響する部分の大きな変更点がエンジンです。従来の86/BRZが搭載していた2.0L水平対向4気筒直噴から、2.4Lへと排気量を拡大。これによりスペックは最高出力170kW(231PS)、最大トルク249Nmとなっていて、従来モデルより最高出力で18kW(24PS)、最大トルクで37Nm向上しています。
最高出力と最大トルクの発生回転域は公開されていませんが、スバルの発表によると徹底した吸排気性能の強化と、フリクション低減を行い、スポーツカーらしい滑らかに高回転まで吹け上がるエンジンフィーリングを実現しているそうです。
※写真のエンジンは従来モデルのもの
正式な発表ではありませんが、この新しいパワーユニットは北米市場で販売されているレガシィアウトバックや、3列シートSUVアセントに搭載されている2.4L水平対向ターボエンジンをベースにMA化し、トヨタの筒内直接+ポート燃料噴射装置TOYOTA D-4Sを組み合わせたものでしょう。(TOYOTA D-4S採用は発表済み)
トランスミッションは、従来モデルと同じく6速MTと6速ATがラインアップされていて、ATはSPORTモードの制御を進化させいます。クルマがスポーツ走行中と判断した際にはドライバーの意思や操作に応じ最適なシフト操作を自動的に行い、従来よりもダイレクト感のあるコーナリングを可能にしています。
スポーツカーとして正常進化した新型BRZのハンドリング
コンパクトFRスポーツであるBRZ、当然エンジンだけでなくハンドリングの進化も重要なポイントです。スバルグローバルプラットホーム(SGP)の開発から得たノウハウを取り入れたという再構築されたボディは、フロント横曲げ剛性を約60%、ねじり剛性を約50%向上させています。これによりステアリングの応答性が高まり、より軽快な動きを実現。
そしてエンジンが大きくなったことで懸念される重量増に関する対策もバッチリと取られています。ルーフやボンネット、フロントフェンダーの素材にアルミを採用。車両重量までは公表されていないものの、前後左右重量の適正化やさらなる低重心化を実現し、運動性能を向上させたとのこと。
そしてその走りを支えるタイヤにはミシュランパイロットスポーツ4が選ばれており、路面からのインフォメーションが分かりやすく、程よいグリップが魅力であるこのタイヤは、速さではなくドライビングを楽しむスポーツカーであるBRZにベストマッチのチョイスと言えます。また、タイヤサイズは上位グレードPremiumが215/40R18でベースグレードLimitedが215/45R17となっています。(今回発表されたグレード構成はアメリカ仕様車)
なお、サスペンション形状は従来と同じでフロントストラット、リアダブルウィッシュボーンとなっています。
スバル BRZのボディサイズを新旧で比較
続いてボディサイズを見てみましょう。全長4,265mm全幅1,775mm全高1,311mmで、ホイールベースは2,576mmと発表されています。なお数値はアメリカ仕様のインチ数値をミリに変更しているため、小数点以下を四捨五入しています。
これを従来モデルと比較すると全長で25mm、ホイールベースで6mm大きくなっていて、全高は9mm低くなっています。なお全幅は同じです。このように比較するとボディサイズはほとんど変更されていません。スポーツモデルがモデルチェンジを受けた際に「大きくなって軽快感が失われた」という声が上がることがありますが、新型BRZでそのような心配をする必要性はないでしょう。
空力的進化が伺える新型スバル BRZのエクステリア
エクステリアは従来のBRZと同じく、エンジン高の低い水平対向のメリットを最大限に生かした低いノーズが採用されているのが大きな特徴です。ヘッドライトやテールライトなどは現代風にリファインされていますが、基本的なシルエットは従来モデルを踏襲していると言えます。
しかしながら新たに追加されたサイドシルスポイラーやフロントフェンダー後方のエアアウトレットなど、空力性能の向上を期待させるパーツも採用されているのが見てとれます。
スポーツカーの基本と先進性が融合した新型スバル BRZのインテリア
インテリアに目を向けると、車体の姿勢を掴みやすい水平基調のインパネや高いホールド性を期待させるスポーツシートなどスポーツカーの基本をしっかりと抑えている印象を受けます。
しかしながらメーターは7インチTFT液晶パネルとセグメント液晶パネルを組み合わせたデジタルメーターを採用。水平対向エンジンをモチーフにしたインターフェースデザインは近代的で、あらゆる情報を瞬時に把握できます。
また、写真からは手動式サイドブレーキが確認でき、簡単に電子制御をOFFにできると思われるスイッチ類も顔を覗かせます。このような然るべき場所ではドライバーの感性を邪魔しないギャミックは、従来モデル同様と思われます。
新型スバル BRZのモビリティとしての進化
現代のクルマとしても進化しているのが今回の新型BRZの注目ポイント。まず運転支援システム「アイサイト」をAT車に標準装備しており、プリクラッシュブレーキ(衝突被害軽減ブレーキ)や全車速追従機能付クルーズコントロールが機能として備わっています。
インフォメーションシステムにはApple CarPlayやAndroid Autoに対応した8インチSUBARU STARLINKマルチメディアインフォテインメントシステムを採用し、スマートフォンのように直感的に操作が可能です。そのほかにもコネクティッドサービスSUBARU STARLINK Safety and Securityを採用しており、利便性はもちろん、万が一の事態でも繋がる安心を備えています。
新型スバル BRZと次期86の関係性は?
今回の新型BRZは大きな仕様やコンセプトの変更をせずに、スポーツカーらしく真面目に走る曲がる止まるを正常進化させたという印象を受けます。この後発表されると思われる次期トヨタ86も基本的にはこのBRZに沿ったものとなるでしょう。
アメリカ仕様のBRZが各種コネクテッドサービスや先進のインフォメーションシステムを導入したことで、86はT-Connectナビなどに対応するかという点が注目とも言えます。次期BRZと86を選ぶ際の悩みどころは、デザインとインターフェースの機能性となるかもしれません。
ダウンサイジングターボやハイブリッド化が進む中で、NAエンジン+FRというシンプルなパッケージングを維持した新型BRZの存在は「よくぞ変わらずにいてくれた!」と賞賛を送るべきでしょう。
そして今後86はどう変わって登場するのか?両車の日本仕様の詳細はどうなるのか?まだまだ続報が待ちきれないモデルと言えます。
Posted at 2020/11/26 22:39:18 | |
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富士重工 | 日記
2020年11月26日
【10年ひと昔の国産車 14】スバル エクシーガとフォレスターで、STIパフォーマンスパッケージを試す
「10年ひと昔」とはよく言うが、およそ10年前の国産車は環境や安全を重視する傾向が強まっていた。そんな時代のニューモデル試乗記を当時の記事と写真で紹介していこう。今回はSTIのパフォーマンスパッケージを装着した「エクシーガとフォレスター」だ。
スバル エクシーガとフォレスター(2009年、STI パフォーマンスパッケージ装着車)
どんなにグリップの高いタイヤや追従性の高いサスペンションを装着しても、それを支えるボディが弱いとクルマ本来の性能を出すことはできない。走りにこだわると最後にボディチューニングにたどり着くというのは、このためだ。
ただボディに手を入れることは極めて難しい。今回テストしたSTI パフォーマンスパッケージ(以下、PP)は、スバルのシャシ剛性を知り尽くしたSTIだからこそ実現できたボディ強化アイテムと言っていいだろう。
STI PPは、ボディワークの入門用パーツとも言えるフレキシブルタワーバーと、ボディ下側を連結強化するフレキシブルロアアームバー(フォレスターを除く)、新開発のサポートフロントキットの3アイテムで構成される。
フレキシブルというのがSTIならではの発想で、タワーバーの中央とロワアームバーの両端にジョイントを入れ、横方向の力はしっかり受け止めながら、縦方向の力に対してはしなやかにいなす効果を得ている。サスペンションの支持部分を強化しつつも全体の剛性バランスを崩さず、スバル車が持つ高いシャシ性能を一層高めている。またサポートフロントキットは、クロスメンバーの剛性をアップする。
今回はその違いを明らかにするために、ノーマルを試乗した後にその場でSTI PPを装着して、乗り比べてみた。
まず、しっかり感が確実にアップしたことがわかる。ステアリングフィールは、よりダイレクトで正確になっている。センター付近の座り感がしっかりしたことで高速走行時の安定性が向上しているし、小さく切り込んでいった時の応答性に遅れが感じられず、コーナーへのアプローチがしやすくなっている。
ボディの動きにフラット感が出たところもいい。エクシーガはレガシィ譲りの走りの良さと7人乗りなのに乗り心地のいいところが大きな魅力だ。カドの丸い乗り味でふところ深く路面をとらえてくれている点が持ち味でもあるが、いっぽう初期の動きが少々大きいのが気になっていた。
これが、PP装着後はピシッと引き締まった印象となり、ボディに無駄な動きが感じられなくなった。背の高さや重さを感じることが少なくなり、ドライバー以上に、同乗者が快適に過ごせる空間が得られた印象だ。その気になって走りこんでみても、ステアリングの効きが旋回後期までしっかりとついてきて、グイグイ曲がってくれる。大きくロールしてもサスペンションがしっかり路面をつかみ続けてくれている証だろう。
背の高さではエクシーガを超えるフォレスターはロアアームバーのない2点仕様だが、これでも効果てきめん。ステアリングの応答性が高くなり、車重が軽くなったようなコーナリング性能を見せる。ロールが進行する時にグリップ感が抜けていかないのもソリッドタイプのタワーバーと異なるだ。フロントに加えてリアも同様に強化されれば、一層魅力は増すだろう。
スバル車の基本性能の高さは誰もが認めるところだが、そこにSTI PPを装着するだけで走りのしっかり感は驚くほど向上する。ステアフィールや乗り味をもう少しピシッとさせたいと思っている人には、ぜひともオススメしたいアイテムだ。
■スバル エクシーガ 2.0GT(ベース車両) 主要諸元
●全長×全幅×全高:4740×1775×1660mm
●ホイールベース:2750mm
●車両重量:1650kg
●エンジン種類:水平対向4 DOHCターボ
●排気量:1994cc
●最高出力:165kW<225ps>/5600rpm
●最大トルク:326Nm<33.2kgm>/4800rpm
●トランスミッション:5速AT
●駆動方式:フロント縦置き4WD
●タイヤ:215/50R17
●当時の車両価格<税込み>:278万2500円
Posted at 2020/11/26 22:22:10 | |
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富士重工 | 日記
2020年11月26日
名門SUV生産終了の事情 公式でレガシィアウトバック来春終了発表 次期型はどうなる??
スバルのクロスオーバーSUV、レガシィアウトバックの受注が2021年1月24日に終了することが明らかになった。
この情報は、すでに東京地区の販売会社、東京スバルの公式ホームページにも掲載されている。
現行モデルでレガシィアウトバックは生産終了となってしまうのか? それとも次期モデルが用意されているのか?
そこで、次期レガシィアウトバックはどうなるのか? モータージャーナリストの渡辺陽一郎氏が解説する。
文/渡辺陽一郎
写真/スバル
【画像ギャラリー】新型レガシィアウトバックはこうなる! 現行モデルとの違いを写真でチェック!
2021年1月24日をもってアウトバックの注文受付を終了!
東京スバルの公式ホームページに掲載されたレガシィアウトバックの受注終了のお知らせ
レガシィアウトバックの現行モデル(2018年8月の改良モデル)。ボディサイズは全長4820×全幅1840×全高1605mm。搭載されるエンジンは175ps/24.0kgmのFB25型2.5L水平対向4気筒エンジン
「レガシィアウトバックは、2021年1月24日をもって、現行モデルの受注生産の受け付けを終了」という告知が、スバルの販売会社のホームページに掲載された。
次期型はどうなるのか。スバルの販売会社の営業マンに尋ねた。
「セダンのレガシィB4は、すでに販売を終了した。2020年1月には、アウトバックの販売も終わる。現行型の受注台数が想定以上に多い場合は、終了する日程が早まることも考えられる。
次期型の投入時期や車両の概要は、メーカーから聞いていない。少なくとも2020年度中(2021年3月まで)に登場することはない。
早くても2021年の後半だと思う。北米では次期レガシィがすでに発売され、エンジンは水平対向4気筒の2.5Lと、2.4Lターボを搭載している。次期レガシィアウトバックの日本仕様には、新型レヴォーグと同じ1.8Lターボを採用する可能性もあるかもしれません」とコメント。
北米では2019年7月からアウトバックの新型が登場している
2019年7月に発売されている北米仕様の新型アウトバック。ボディサイズは全長4860×全幅1855×全高1680mmと、現行モデルとほぼ同じ車格をキープ
北米仕様のアウトバックに搭載されるのは260hp/38.4kgmを発生するFA24型2.4L、水平対向4気筒ターボ
先進運転支援システム、アイサイトの最新版を全グレードに標準装備。フロントガラスにLEDの光を投影し、アイサイト作動状態を直感的に知らせるアイサイトアシストモニターも採用
北米では、2019年7月から新型レガシィアウトバックとレガシィB4を生産している。
判断が難しいのは、次期型のボディ構成だ。現行型はアウトバックとB4を用意したが、次期型では廃止されてアウトバックのみになる可能性もある。
B4を廃止する可能性の根拠は登録台数だ。2019年1~12月の平均を見ると、アウトバックは323台だが、B4は96台に留まった。
ちなみに先代レヴォーグは、2019年の1ヵ月平均で、1060台が登録されている。これに比べるとレガシィアウトバックも低調で、B4はさらに下まわる。セダンの売れ行きが下がった状況も考えると、国内でB4を廃止する可能性は高い。
北米で先行発売された新型レガシィは、現行インプレッサから採用を開始した新しいプラットフォームを使う。新型レヴォーグと同様、フルインナーフレーム構造によってボディ剛性も高く、走行安定性や乗り心地を向上させている。
新型レガシィアウトバックのボディサイズは、北米仕様の場合、全長4860×全幅1855×全高1680mmだ。
プラットフォームは刷新されるが、ボディの大きさは若干拡大される程度で、ホイールベースは2745mmだから同じ数値を踏襲する。
つまり外観デザイン、ボディサイズ、クルマの性格はあまり変えず、走行性能、乗り心地、衝突被害軽減ブレーキなどの安全装備、運転支援機能、衝突安全性などを向上させている。
機能の進化に重点を置いたフルモデルチェンジだ。レヴォーグを含めて、今のスバル車に多く見られる技術指向の刷新になる。
それにしても、北米では新型レガシィを2019年後半から販売しているのに、国内では、2020年の終盤でも旧型を販売している。
この状況で、いまだに新型の国内発売時期が示されていない。スバルの国内市場に対する姿勢は、日本のメーカーとしてどうなのか。
特に今は衝突被害軽減ブレーキ、走行安定性、衝突安全ボディなど、クルマの安全性能が急速に向上している。海外で新型、日本で旧型を売ると、安全性の劣った商品を売ることになってしまう。
現行アコードも同様だ。北米では2017年7月に現行型を発表しながら、日本のデビューはその2年半後だ。国内発売は2020年2月であった。
レガシィやアコードは、かつて国内市場を支える基幹車種だったが、今は海外向けの商品に変わった。
複数の国や地域で売る場合、販売台数の多い順番で発売するのは理解できる。レガシィやアコードは、日本の売れ行きが乏しいから後まわしにされたが、海外に比べて1年以上も遅れるのは行き過ぎだ。
主力車種がフルモデルチェンジを行う周期は、海外では約5年に収まる。アコードのように2年半も遅れると、日本ではフルモデルチェンジ周期の約半分を旧型で過ごす。
日本で販売する次期レガシィはどうなる?
日本で販売されているレガシィアウトバックの現行モデル
北米仕様のアウトバック2020年モデル
日本で販売される次期アウトバックは基本的に今の北米仕様と同様だろうが、エンジンは販売店の指摘通り、新型レヴォーグと同じ1.8Lターボを搭載する可能性がある。
日本の現行アウトバックは175ps/24.0kgmを発生するFB25型2.5L、水平対向4気筒ターボで、北米仕様のアウトバックは260hp/38.4kgmを発生するFA24型2.4L、水平対向4気筒ターボ。新型レヴォーグの1.8Lターボは177ps/30.6kgmに達する。
しかも新型レヴォーグから採用を開始した新しいエンジンだから、先代型の1.6Lターボに比べると、パワーアップに加えて燃料消費量は少ない。
日本のニーズを考えると、1.8Lターボを搭載するメリットは大きい。ボディタイプは、先に述べた通りアウトバックのみに絞られる可能性が高い。
将来の希望的な話をすれば、レヴォーグをベースに、日本仕様のアウトバックが開発されると嬉しい。
レヴォーグは日本向けに開発されたワゴンで、先代型は一時的に欧州でも販売したが、好調な売れ行きには至らなかった。
新型レヴォーグの開発者は「今のところ新型レヴォーグを海外で売る予定はない。そこで全幅を先代型と同様、1.8m以下に抑えるなど、取りまわし性に配慮した。国内市場のためのワゴンを作り上げた」という。
レヴォーグに見られる日本のユーザーに向けた心意気がスバルの本質なら、海外で新型、日本で旧型を売る今のレガシィは矛盾を抱える。
大柄になったレガシィは海外向けにして、レヴォーグをベースにしたミドルサイズのアウトバックを開発すべきだ。そうなればレヴォーグの量産効果も向上する。
もともとレヴォーグは、レガシィが海外向けに変わり、かつてのレガシィツーリングワゴンの後継車種として開発された。
以前のアウトバックは、レガシィツーリングワゴンをベースにしたSUV仕様だった。それなら今の日本のアウトバックは、レヴォーグをベースに作るのが本来のあり方だ。
1994年、北米で発売された初代アウトバック。日本では1995年8月にレガシィグランドワゴンとして発売された
日本で2代目レガシィが発売された後の1994年、北米で当時のレガシィツーリングワゴンをベースにしたSUVの初代アウトバックが発売された。
日本では1995年から、これをレガシィグランドワゴン、レガシィランカスターと車名を変えながら売っている。
1990年代の中盤から後半のSUVは、パジェロ、ハイラックスサーフ、テラノといった後輪駆動ベースの悪路向けが主力だった。
今に通じる前輪駆動ベースのシティ派SUVは、RAV4、CR-V、ハリアーなどの初代モデルがようやく登場した時代だ。
この時にレガシィグランドワゴンやランカスターは、ワゴンの走行安定性とSUVの悪路走破力を両立した先進的な車種として、既に多くのユーザーに愛用されていた。
最低地上高(路面とボディの最も低い部分との間隔)に200mmの余裕を持たせて悪路のデコボコを乗り越えやすく、運転感覚はワゴンと同様だから、高重心による不安定を意識させない。スバルの安全思想を明確に表現するクルマでもあった。
さらに1999年には、レガシィランカスターADAが発売されている。ステレオカメラを使った運転支援機能が装着され、この機能が進化して今のアイサイトに至る。
このように以前のレガシィツーリングワゴンやレガシィグランドワゴン/ランカスター/アウトバックは、日本のユーザーに愛されるスバルの進歩的な主力商品だった。
そのレガシィが海外向けになり、日本のレヴォーグが登場したなら、アウトバックの日本仕様も是非これをベースに作ってほしい。
現実は北米に遅れて大柄なアウトバックを国内導入すると思うが、期待したいのはさらにその先の開発だ。
レヴォーグをベースにアイサイトXなども搭載する、日本ファーストのアウトバックが熱望されているのだ。
Posted at 2020/11/26 22:15:30 | |
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富士重工 | 日記
2020年11月26日
アイサイトXの実力は?フルモデルチェンジしたスバルの新型「レヴォーグ」のリアルな評価
スバルの新型「レヴォーグ」が話題だ。どんなクルマに仕上がったのか、気になっている方も多いはず。そこで@DIMEから記事を5本厳選して紹介しよう。
スバル「レヴォーグ」はどう進化した?
スバルが新型「レヴォーグ」に搭載されるアイサイトXで目指すもの
スバルのミドルクラスワゴン「レヴォーグ」が10月15日にフルモデルチェンジする。「レヴォーグ」は2014年6月に国内専用モデルとして投入された。日本の道で使いやすいサイズと、スバルの持つ安全装備、4WDの走り、ワゴンへのこだわりなどがユーザーに評価され、国内市場での販売台数でみると現在はスバル車のベストセラーモデルとなっている。その完成度の高さから英国を中心とした欧州市場にも輸出されている人気車だ。
【参考】https://dime.jp/genre/972788/
力強くしなやかに生まれ変わった今秋フルモデルチェンジするスバルの新型「レヴォーグ」の完成度
スバルの社内では「レヴォーグ」の購入を希望するご主人と、ややスポーティーで乗り心地に不満を抱く奥様が他のモデルを挙げることを“家庭内競合”と呼んでいるのだそうだ。奥さんが首をタテに降らなければ(納得してくれなければ)お財布は開かない。そんな時代に、スポーツ性もコンフォート性能も両立したクルマを目指し、新型「レヴォーグ」は開発されたのだという。
【参考】https://dime.jp/genre/973105/
スバルの新型「レヴォーグ」から採用される先進安全運転支援技術アイサイトXの進化と真価
2030年まで自社による死亡事故ゼロを目指すスバル。この秋に発売がスタートする新型「レヴォーグ」は、内外装のデザインをはじめ、車体、動的に係わる性能はもちろんだが、さらにはスバルの先進安全運転支援技術「アイサイト」も格段に進化した「アイサイトX」がこのモデルに初搭載される。
【参考】https://dime.jp/genre/983541/
評価の高さは本物か?乗ってわかった新型「レヴォーグ」の完成度
スバルの新型レヴォーグがまもなく10月15日に正式発売の予定だ。現在先行予約が行われており、多くの受注が入っていると聞く。各ディーラーにはまだ車両は配備されておらず、現在は先行展示イベントが各地で行われている真っ最中だ。そんな新型レヴォーグは注目すべき点は多い。なかでもスバルに初搭載された、「電子制御可変ダンパー」は走りながら、車のキャラクターを変化させ、シチュエーションに合わせた走りができる。そのダンパーを備えた車には、どのようなシーンが似合うのだろうか。
【参考】https://dime.jp/genre/994882/
360度センシングの新世代アイサイトを標準で装備したSUBARUのツーリングワゴン「レヴォーグ」
SUBARUの新型「レヴォーグ」が発表された。新型「レヴォーグ」は、SUBARUに脈々と受け継がれる「より遠くまで、より早く、より快適に、より安全に」というグランドツーリングのDNAを継承。そのうえで、SUBARUの最新技術を結集し、「先進安全」、「スポーティ」、「ワゴン価値」の3つの価値を革新的に進化させたパフォーマンスワゴンだ。
【参考】https://dime.jp/genre/1012686/
文/DIME編集部
新エンジン 新シャシー 新アイサイトで新次元突入の新型レヴォーグ徹底解剖
2020年10月15日、いよいよ(というかようやく?)正式発表となったスバルの新型レヴォーグ。発売も11月26日と、目前に迫った。
発表の日までに積み上げられた先行予約の数は8290台。これだけで新レヴォーグに寄せられた信頼の厚さが推し計れようというものだが、発表会の席上、開発を担当した五島賢プロジェクトゼネラルマネージャーの言葉は、そうした期待に応えて余りあるものだったに違いない。
「新型レヴォーグは次元が違うレベルの走りになった」。五島氏は席上でこんなふうに告げた。この言葉はしかし、ただ単に新しいエンジン、新しいプラットフォーム、そして新アイサイトを組み合わせた新型車に与えられた言葉ではない。
今回は、発表会の様子を交えながら、あらためて新型レヴォーグの魅力に触れるとともに、その「次元の違う走り」を実現した「DNA」についてもお伝えできればと思う。
■NEWレヴォーグの主なポイント
・360度センシングで安全性が進化した新世代アイサイトを標準装備
・フルインナーフレーム構造で進化したプラットフォームを採用
・高度運転支援システム「アイサイトX」採用
・新開発1.8L水平対向4ターボ搭載
【画像ギャラリー】発表会の様子、新型レヴォーグのラインナップを写真で見る
※本稿は2020年10月のものです
文/ベストカー編集部、写真/SUBARU、ベストカー編集部
初出:『ベストカー』 2020年11月26日号
■新型エンジン&プラットフォームで劇的進化!
新型レヴォーグが10月15日、ついに正式発表された。今回は日本航空(JAL)の協力により、成田空港A格納庫でボーイング787機の眼前での発表会となった。
ニュルブルクリンク24時間レースへの車両輸送など、スバルとJALの関係はこれまでも築かれてきたが、やはりその根底にあるのはスバルが航空機メーカーとしての流れを汲む自動車メーカーであるということだろう。
10月15日に開催された発表会は、日本航空の協力によって成田空港A格納庫内のボーイング787機の前で行われた
かつて中島飛行機として、一式戦闘機「隼」や零戦を支えた「栄」エンジンの開発/製造をしていたという経歴がスバルにはある。テクノロジーの粋を集めた旧日本軍機たちは、さまざまな制約のなかで生まれた傑作たちだった。
現代ではその航空テクノロジーは旅客機へと移管され、スバルはボーイング787の中央翼を製造している。
そんな航空機製造を担ってきたスバルの根底には「絶対安全」という哲学が創業より流れている。
さらに「すべての移動を感動に」という信条も、スバルと日本航空の共通するアイデンティティ。今回の発表会はそんな両社によるコラボレーションとなった。
ボーイング787機・JALの鶴丸ロゴの前に佇む新型レヴォーグ。胸アツである
■「先行予約8290台」が意味するものとは
ややスバルのヒストリーにアツくなってしまったが、新型レヴォーグにハナシを戻そう。
すでに価格以外のスペック、グレードなどは発表されており、ご存知の人も多いかもしれないが、今回の発表でもっとも驚くべきは2020年8月14日~10月14日まで(2カ月近く)の先行予約台数かもしれない。なんとその数8290台(月販計画台数2200台)。
STIスポーツ…電子制御ダンパーや専用デザインのフロントバンパー、本革シートなどを採用したスポーティな最上級モデル。価格370万7000円~
もちろんプロモーションの成功もあるのだが、その最たる理由はスバルファン、そしてツーリングワゴンを待っているユーザー層にとって「レヴォーグなら間違いない」という意識が定着していることだろう。これもスバルの歴史に裏付けられたもの。
GT-H…充実した快適装備や18インチアルミホイールなどを採用し、スポーティさと上質さを併せ持つ上級グレード。価格332万2000円~
スバルがずっと大切にしているスポーティな乗り味もさることながら、新しい運転支援システム「アイサイトX」の先進安全技術の高さも大きな購買理由になるはずだ。実際に先行予約では約93%のユーザーがアイサイトX装着グレードを選んでいる。
GT…充実の基本装備を採用したスタンダードグレード。ホイールは17インチ。価格310万2000円~
エンジンは全車水平対向4気筒1.8L直噴ターボを搭載し、6グレードでの販売。
カラーはホワイト・パール(有料色)、アイスシルバー・メタリック、マグネタイトグレー・メタリック、クリスタルブラック・シリカ、ピュアレッド、クールグレーカーキ、ラピスブルーパール、そしてSTIグレード専用色としてWRブルー・パールの全8色が用意される。
また先行予約ではSTIスポーツ(EX含む)が全体の57%を占めており、走りに期待するファンが多い証だろう。「スバリスト支持率100%」も夢じゃない気がするほど。
全グレードで177ps/30.6kgmを発揮する新開発の1.8L水平対向4気筒直噴ターボを搭載
プラットフォームはレヴォーグでは、ボディ全体の骨格連続性を高める「フルインナーフレーム構造」などが採用された
■新世代「アイサイト」の先進機能が魅力
新開発の広角ステレオカメラと前後4つのレーダーの組み合わせで360度センシングを実現する先進安全システムの「新世代アイサイト」は全車に標準装備。
見通しの悪い交差点などでの出会い頭の衝突回避をサポートする前側方プリクラッシュブレーキや、ステアリング制御もあわせてサポートする緊急時プリクラッシュステアリングなどを搭載。
新世代へと進化した「アイサイト」
■新開発の「アイサイトX」も選べる
さらに、GT EXやGT-H EX、STIスポーツ EXの各モデルを選ぶと新開発の先進運転支援システム「アイサイトX」が装備される。
一定の条件を満たした自動車専用道路において、運転支援機能が大幅に拡張。
渋滞時(0hm/h~約50km/h)ではステアリングから手を放すことが可能になる渋滞時ハンズオフアシスト機能などが搭載されている。
新開発の先進運転支援システム「アイサイトX」
■新型レヴォーグに織り込まれた「蒼きDNA」
新型レヴォーグの開発責任者である五島賢氏。10月15日の発表会ではスバル中村知美社長の次にスピーチを行ったのだが、終始一貫して感じたことは「あふれ出る自信」だった。
「新型レヴォーグは次元が違うレベルの走りになった」と述べ「この走りを一度体験すればお客様の心の導火線に火が付きます」と力強いワードでスピーチを続けたのが印象的。
11.6インチセンターインフォメーションディスプレイはEXグレード以外はオプション設定
新開発の1.8Lエンジン、前述のアイサイトX、そして新たにフルインナーフレーム構造を取り入れたプラットフォームを採用しており、それら技術面での大きな進化に裏付けられた発言であることは明白だ。
しかし「次元が違う」というのは非常に勇気の要るスピーチにも思える。その発言ができた最も大きな理由は五島氏スピーチの次の一説に隠されていたように思う。
上質感を追求した室内。疲れにくい快適性とスポーティな走りにも対応したホールド性を両立したフロントシートを装備
「私の祖父は中島飛行機に勤め、父は富士重工、そして私はSUBARUに。航空機メーカーとしてのDNAを3代にわたり受け継いでいます。そんな私に流れる“蒼きDNA”が、この新型レヴォーグを作らせてくれたのかもしれません」。
親子3代にわたりスバルに勤務していることもあり、きっとスバルイズムを自然に幼いころから叩き込まれていたであろう五島氏。その集大成が新型レヴォーグかもしれない。
ラゲッジスペースはVDA方式で492Lの大容量を確保。フロアボード下に69Lの収納空間もある
最近は北米重視という批判もあったスバルだが、新型レヴォーグの車幅が1795mmに抑えられていることなどを見るに、そんな批判を一蹴してしまう商品力に溢れている。
「最新技術はマザーマーケットの日本から導入する」という中村社長の言葉からもわかるように、少なくとも今のスバルは国内市場を軽視していないことが新型レヴォーグからはビシビシ伝わってきた。
発売開始は11月26日、スバル広報部発表の公式最新情報では「年内納車開始」となっている。
前述したようにすでに8000台超のオーダーを抱えており、早く欲しい人はディーラーに急いだほうがいいかもしれない。
ここまでやるか新型レヴォーグ! 高評価連発の「アイサイトX」の凄すぎるところ3つ
試乗した多くの人が新型レヴォーグを絶賛!
新型レヴォーグに搭載されるSUBARUの最先端運転支援システム「アイサイトX」。ジャーナリストや一般ユーチューバーなど、試乗した人たちから幅広く高い評価を受けており、試乗したほぼすべての人が絶賛している。
ここでは「アイサイトX」の少し細かい部分を探りながら、スゴイところをピックアップしてみた。
1)フロントガラスの「防曇システム」を採用
アイサイトXは、2機のステレオカメラ、前側方レーダ、3D高精度地図ユニットを組み合わせ、さらに車両の前側方に搭載されるミリ波レーダーを装備して周辺の交通状況を検知しているが、1990年代に実用化したADA以来、今でも重要なのが2機のステレオカメラから得られる前方視界だ。これを安定的に確保するため、ステレオカメラ前方のフロントガラス内側を除曇するシステムを新採用している。
曇りを取るためのヒーターをカメラのレンズフード下面に貼りつけ、レンズフード越しにフロントガラスを加熱するというもの。車外の気温やエアコンの作動状況などのさまざまな情報をもとに、フロントガラスの曇りやすさを推定。カメラ自身がフロントガラスの曇りやすい状況を判断したり検知しながら、必要に応じて温めて曇りを防止、または除去する。3代目レガシィランカスターの時代からステレオカメラによる運転支援システムを実用化してきたパイオニアならではの工夫がみられる。
ちなみに、アイサイトXのカメラの視野角は従来比で2倍弱も拡大。カメラはフロントガラスにマウントされるようになっているが、たとえば飛び石などでフロントガラスの交換が必要になった場合でも、ガラスの交換コストや手間は従来型と変わらないという。
2)誰もが感動する「自然な制御」は、ドライバーの運転操作を徹底的に解析した賜物
オートクルーズ作動時の加減速や、ステアリング操舵制御、また自動ブレーキの作動など、アイサイトXの制御は機械的な感覚ではなく、まるで運転上手な人間が操作しているかなのように感じられることで多くの人から賞賛されている。この、あらゆる場面で滑らかな挙動がもたらす「制御の自然さ」は、過去のアイサイトでも大きな美点として高く評価されてきたが、ハンズフリーアシストや自動車線変更制御など、より踏み込んだ運転支援システムに進化してもなお、制御の自然さが劇的に増したことでも高評価を受けている。
安定的に高精度、誤作動の少なさなどの基本性能を高いレベルで確保した上で、違和感のないフィーリングを追求する姿勢は、SUBARUが長年に渡る運転支援システムの開発で貫き続けたものだ。
ステアリングはエンジニアの執念の結晶
たとえば、片側2車線以上の自動車専用道路を70~120km/hで走行中に作動する「アクティブレーンチェンジアシスト」。ウインカーを出すだけで自動で車線変更を行う機能だが、この機能でもクルマ側が行う車線変更の巧みさがすこぶる好評である。
SUBARUは昔から運転スキルの高いドライバーの運転操作の解析を続けてきたが、アイサイトXでもテストドライバーの車線変更時の膨大な寮のデータをもとに、隣車線に向けたハンドルの切り出し角の最大値や、隣車線に移動後に収束するための切り戻し操作を精密に解析。横方向の加速度の不連続性を徹底的に抑えることで、まるでベテランドライバーが運転してるかのような自然な操舵フィーリングを実現した。
また、隣車線は並走車に隠されたり、夜間はヘッドライトの照射距離が届きにくいなど、安定して認識することが困難と言われるが、新型ステレオカメラの撮像画像の明るさの最適化や、道路の形状を推定する機能の高精度化などにより、あらゆる環境で隣車線を安定して認識できる技術を実現している。
3)こだわり抜いたタッチセンサー付きのステアリングホイール
高速道路での渋滞時など、特定の条件下で高度なハンズフリー運転を実現したアイサイトX。ステアリングには、ドライバーがちゃんと握っているかどうかを検知するタッチセンサーが備わるが、じつはこのステアリングはエンジニアの執念の結晶とも言える逸品パーツに仕上がっている。
まず、新型レヴォーグはステアリングそのものの質感やデザイン性に強くこだわり、握りやすく、手に馴染みやすくするためのさまざまな工夫が凝らされているが、その質感や操作性を一切損ねることなく、タッチセンサーの精度や耐久性を徹底的に追求した。
ステアリングホイール周囲環境の、温度や湿度の変動に伴う静電容量値の変動追従性を突き詰めたことをはじめ、マイナス20度の極寒から50度の灼熱まで、あらゆる環境下での作動や耐久性を確認。
成人男性の平均握力による負荷が長期間加えられることも想定し、質感の劣化はもちろん、長期間の過酷な状況での使用にも耐えながら機能を確保し続ける耐久性を実現したという。
運転支援システムや液晶メーターなど、ハイテクデバイス化が進むと、将来の耐久性に不安を感じるものだが、SUBARU車のユーザーは他銘ユーザーよりも平均保有年月が比較的長く、走行距離も伸びがちとなる傾向がみられるため、耐久性の確保にも抜かりなくこだわり抜いたという。アイサイトVer.1~2を搭載する少し旧世代のSUBARU車をみても、アイサイトが壊れて使用不能となるケースはほとんど見られない。さらにいえば、2003年式の4代目レガシィ3.0Rに搭載されたアイサイトの前身システムADA(ミリ波レーダー搭載)も、今でも立派に作動している個体がほとんどだ(そもそも売れた数は少ないが)。
2020年のコスパNo.1モデル!?ロングドライブでわかったスバル「レヴォーグ」が評価される理由
2020年、国産新型車の超目玉の1台が、スバル・レヴォーグだろう。これまでテストコースやサーキットでの試乗会が行われてきたが、いよいよ公道を走る機会を得た。それも東京・恵比寿から軽井沢・鬼押し出しに至る約200kmの行程で、GT-H EX、STIスポーツEXの2台のステアリングを握り、一般道、高速道路、ワインディングロードを走破できることができた。
ここでは新型レヴォーグのパッケージ、大きく進化したアイサイトXを含む先進安全運転支援機能やステーションワゴンならではの使い勝手面について報告したい。
まず、簡単に新型レヴォーグをおさらいしておくと、ボディサイズは全長4755×全幅1795×全高1500mm。ホイールベース2670mm。つまり、全長とホイールベースが延長されたほかは、先代と同数値。とくに全幅を1800mm以下に抑えたことは、日本の道での扱いやすさに直結。全高1500mmは立体駐車場への入庫容易性につながり、まさに日本でのジャストサイズのスポーツワゴンになっている。
ホイールベース+25mmは、すべて後席のニースペースにあてられ、よりゆったりと座れる後席居住空間を実現している。
パワーユニットは先代の1.6L、2Lに対して、水平対向1.8L直噴ターボ1本となった。スペックは177ps、30.6kg-m。最高出力よりも最大トルクの増大が目玉であり、より実燃費近いWLTCモード燃費は主要グレードで13.6km/Lである。
コクピットは12.3インチのフル液晶メーターと11・6インチの縦型ディスプレーが基本のデジタルコクピットだ。
そして、大きなハイライトとして話題になっているのが、「ぶつからないクルマ」アイサイトを進化させたアイサイトXの新採用だ。ステレオカメラの性能を大きく向上させるとともに、後方左右の側方レーダー、前方左右の前側方レーダーを追加。他車、歩行者、自転車にも対応。見通しの悪い交差点、駐車場からの出庫などで頭を出した時、横ほうからのクルマや自転車も認識する。電動ブースターによるブレーキまでかかる仕組みである。また、ステアリング回避機能、車線変更中止機能なども加わる。
さらに注目すべきは、GPS、天頂衛星を受信することで可能になる3D高精度地図データによって、自動車線変更、カーブ&料金所前での自動減速なども実現。高速道路での渋滞時には50km/h以下でハンズオフ走行&発進アシストまで可能にしているのだからすごい。将来の自動運転にまた一歩、近づいたことになる。
DCM=車載専用通信機を装備しているため、「スバルつながる安心パッケージ」として、緊急時、あおり運転被害時に有効なヘルプネット、SOSコールや車両のトラブル時に助かるスバルiコール(安心ホットライン)も用意。まさに、運転初心者からベテランドライバー、シニアドライバーまでをフォローする、絶大なる安心にも包まれた先進車と言っていい。※「以上のスバルつながる安心パッケージ」の利用料は新車時から5年間無料。以降、年間5500円(消費税10%の場合)。
新型レヴォーグは後席の居住性も向上。ホイールベースの先代比+25mmをそのままニースペースにあてたことはすでに報告済だが、身長172cmの筆者のドライビングポジション背後でのニースペースは先代の175mmに対して200mmと、かなりゆったり座れるようになっている。また、シートの座面長も18mm長くなり、着座面裏面のウレタン厚を6mmUP。同時に、フロアからシートまでの高さ=ヒール段差を新旧型実測で25mmほど高め、より椅子感覚の自然な着座姿勢が取れるようになったことも褒められる。ついにレガシイのような後席エアコン吹き出し口を完備したことも含め、一段と快適かつリラックスできる後席居住空間を得たことになる(フロアにセンタートンネルがあるため2名乗車推奨)。
もちろん、レヴォーグはステーションワゴンであり、ラゲッジスペースの使い勝手も気になるところだが、フロア奥行き1070mm以外はすべて拡大。先代比+10LのVDA容量492Lを確保し、ゴルフバック4セット、4人分のアウトドアグッズを、後方視界を確保した上で積み込むことができるという。
さらに床下には69Lものサブトランクを備え(機内満ち込みキャリーバッグがすっぽり入る)、リヤエンブレムに手やひじをかざすだけでバックドアが開く新開発パワーリヤゲートは、両手に荷物を持っているとき、両手にペットをひいているときなど、もう身に染みる便利さである。
後席格納によって完全にフラットになるラゲッジスペースの拡大性(新型はフロア奥行き約1640mm。後席背面までなら約2000mm)は、先代も文句なしだったが、新型はさらに機能的になっている。そう、後席背もたれが6:4分割から4:2:4分割となり、センターの2部分のみ倒し、アームレストとして活用できるとともに、センタースルー機能でスキー板のような長尺物を車内側に積み込め、また大型犬などペットをラゲッジルームに乗せなくてはならない場合でも、エアコンの風が届きやすく、また後席の飼い主とのアイコンタクトが容易になり、お互い安心してレヴォーグのドライブを楽しむことができるというわけだ。
新型レヴォーグの進化、新しさはそれだけにとどまらない。例えば、STIスポーツの11.6インチセンターインフォメーションディスプレー搭載車なら、コンフォート、ノーマル、スポーツ、スポーツ+、インディビジュアルの5つのドライブモード(パワーユニット、ステアリング、サスペンション、AWD、アイサイト、エアコンの調整可)を好みに合わせてセッティングできるだけでなく、インディビジュアルモードでは5人分の個別のドライブモードセッティング、エアコンの調整を記憶、パーソナライズ可能で、なんと顔認識!!で呼び出せるのである(ドライブモードセレクトなしのグレードではエアコンのみ可能)。
実際にアイサイトXを含む新型レヴォーグの機能をすべて使いこなせるようになるには、まるでパソコンやスマホの取扱説明書とにらめっこするような準備、理解が必要だが、すべてを扱えるようになった暁には、素晴らしく便利で安全、快適な、自分好みのパーソナルなレヴォーグになっているに違いない。
つまり、新型レヴォーグの魅力を、機能を最大限に得るためには、アイサイトX搭載グレード、11.6インチセンターインフォメーションディスプレー装着グレードかベスト、ということであり、非装着車との価格差を大きく縮める先進性、満足度がそこにある、ということだ。
先行予約では、グレード別予約率で、STIスポーツEXが54%、GT-H EXが31%で(STIスポーツ2グレード計で57%)、アイサイトX選択率は93%に達するという。なお、新型レヴォーグGT-H EX、STIスポーツEXの試乗インプレッションについては、別途、お届けしたい。
スバル・レヴォーグ
https://www.subaru.jp/levorg/levorg/
文/青山尚暉
モータージャーナリスト。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。自動車専門誌の編集を経て、現在、モータージャーナリスト、愛犬との快適安心なカーライフを提案するドッグライフプロデューサーのふたつの肩書を持つ。小学館PETomorrowでも「わんこと行くクルマ旅」を連載中。最新刊に「愛犬と乗るクルマ」がある。
一般道、高速道路、峠道を走ってわかったスバル新型「レヴォーグ」の完成度
2020年に大注目すべき国産新型車の1台が、スバル・レヴォーグだ。これまでテストコースやサーキットでの試乗会が行われてきたが、いよいよ公道を走る機会を得ることができた。走行ルートは東京・恵比寿から軽井沢・鬼押し出しに至る約200kmの行程。GT-H EX、STIスポーツEXの2台を、一般道、高速道路、ワインディングロードで走らせた。
最初に言っておくと、新型レヴォーグのパワーユニットは1.8L直噴ターボ1種類で、タイヤもヨコハマブルーアース1銘柄(GTとGT-EXは215/50R17、GT-HとGT-H EX、STIスポーツは225/45R18)だが、今回、試乗したGT-H EX(370.7万円)とSTIスポーツ(409.2万円)とでは、ドライブフィールが微妙に異なっていた。
世界的にも採用例の少ない水平対向エンジンは、どちらのグレードでも「電動車かっ」と驚くほどスムーズかつ静かに回る。水平対向エンジン独特のビートを感じさせてくれるのは走り出し、低回転域のみ・・・というのは、スバルファンとしては物足りないかも知れないが(車内でも議論があったとか)、とにもかくにも30.6kg-mに増大した圧巻のトルクの厚みと雑味が一切ない上質な回転フィール、十二分な加速力を、抜群のレスポンスとともに味わせてくれるのだ。まさに新感覚、新世代のスバル車と言っていい。
GT-H EX、STIスポーツとの違いは、まず、乗り心地である。STIスポーツのほうが、かなりレベルの高い話で、とくに荒れた路面、ザラついた路面、段差越えなどでのマイルドさ、収まり、フラット感に優れる。そしてタイヤが発するロードノイズも、比べれば圧倒的に静か。その理由は、リヤサスにある。STIスポーツはZF製の電子制御可変ダンパー、それ以外のグレードはカヤバ製のコンベンショナルなダンパーを用いているのだが、電子制御可変ダンパーはドライブモードで3段階にダンピングを変更できるだけでなく、ステアリングを切った瞬間(角度)、路面からの入力が入った瞬間、Gを検知した瞬間などに4輪を瞬時に電子制御=アダプティブ制御する。つまり、クルマの動き、入力に対して即時に反応し、最適制御してくれる。結果、乗り心地はもちろん、パワーステアリングの制御の違いもあって(STIスポーツは操舵力がより重めでセンターがよりしっかりしていて、レスポンス、保舵感に優れる)、安定感、直進感の良さを、かなりレベルの高いところで、さらにワンランク高めてくれるのだ。
ロードノイズに関しては、リヤサスペンションの構造上の違いによって、STIスポーツのほうは高周波のロードノイズをカット。速度域、路面にかかわらず驚くほど静かな走りを実現している。その理由は、標準サスはゴムブッシュとスチールハウジングを用いているのだが、STIスポーツは、高周波ノイズをカットしやすいウレタンブッシュ、アルミハウジングが奢られているからだ。STIスポーツはZF製の電子制御可変ダンパーを使っているため可変幅が広く、低速域で路面から入ってくる高周波ノイズが目立ちがちで、ウレタンブッシュ、アルミハウジングが大きな効果を発揮するのだという。
先代に対して、総合的な走りの質感が飛躍的にアップした理由の一つが車内の静粛性で、先に触れたロードノイズの遮断性能(STIスポーツがより優れる)に加え、ボディ剛性の高さ、そしてエンジンのトルクアップによって、常に低回転で走れることもその要因として考えられる。実際、高速走行でも1500回転以下で走っているシーンがほとんどで、高級サルーンさながらの快適で上質無比なクルージングを堪能できた。
首都高速では渋滞に巻込まれたが、アイサイトX搭載車なら、結論として渋滞さえも楽しみに変わる。そう、50km/h以下で作動するハンズオフドライブだ。完全に停止したあとも自動で再発進してくれるところが、ペダルまたはスイッチ操作が必要な渋滞追従機能&停止保持機能付きACCとの違い、先進的便利さだ。実際、渋滞ハンズオフ運転中は、前をしっかり見ていればOK(カメラが監視している)。ペットボトルの蓋を開ける、鼻をかむ・・・といったことも両手でできたりする。その際の減速、追従性能も文句なし。実にドライバーの意図をくんだようなスムーズかつ頼りがいある制御で、無論、アクセルを踏み増したくなるような場面はなかった。
軽井沢に向かう関越道、上信越道では高精度3Dマップ、GPS、準天頂衛星受信によるアイサイトXによる車両の周囲360度をステレオカメラ、前後4つのレーダーによってセンシングし続けてくれる安心感に満ちたクルージング、追従走行の本領を確認。加減速は素晴らしくスムーズ、というより、ペダルコントロールに長けたベテランドライバーの領域。アイサイトXまかせにしておけば、クルマ酔いしやすい乗員も安心だと思われる。
さらにアイサイトの設定速度では曲がれないとクルマが判断すれば、メーター内にカーブ警告のアイコンが点灯。自動で速度を落としてくれるし、料金所に近づけば料金所マークが点灯、自動で減速し、最適速度で通過してくれるのだから素晴らしい。これまでのACC機能では、カーブも料金所(先行車がいない場合)も、設定速度のまま突っ込んでしまうのだ。この違いは大きすぎる。
そして問題はそこからで、前車に追従して料金所ゲートを安全速度で通過後、のろり、そろりと再加速するACCもある中で、アイサイトXの再加速性能は、トルキーでレスポンシブルなエンジン性能もあって、実に活発かつスムーズに加速してくれるから気持ちいい。思わずアクセルを踏み増したくなるようなことは1度もなかった。
自動レーンチェンジも試したが、アイサイトXのすべての機能が12.3インチのフル液晶メーター内の的確な表示で実に分かりやすく安心できる。この自動レーンチェンジにしても、終始、自車左右後方の車両を検知してくれているため、左右どちらのレーンに車線変更できるのかが一目瞭然。レーンチェンジ可能なレーンが標示されれば、ウインカーを最後まできっちり倒せば、自動レーンチェンジ開始。完了すれば、ウインカーは自動で戻る。
ここで褒められるべきは、レーンチェンジのスムーズさ。一般ドライバーだとレーンチェンジ完了時に、いわゆる「おつり」がくる揺り戻し挙動が発生しがちだが、アイサイトXの自動レーンチェンジは、これまたベテランドライバーが、レーンチェンジしたことを気づかせないほどスムーズにレ―チェンジしているかのような挙動かつ、極めて安全に自動完結してくれるのである。
新型レヴォーグは基本的な運動性能、つまり直進性や安定感、電動ブレーキブースター採用による減速性能も恐れ入るほど見事だが、GT-H EXとSTIスポーツの両車を乗り比べると、ステアリングフィール、乗り心地、静粛性で、後者がより優れていると感じた。STIスポーツを知らなければ、GT系でも大満足できることは間違いないのは確かなのだが・・・。
その理由として挙げられるのが、まずはSTIスポーツの特権として備わる、SIドライブから進化したドライブモードセレクトの存在だ。コンフォート、ノーマル、スポーツ、スポーツ+、そしてパワーユニット、ステアリング、サスペンション、AWD、アイサイト、エアコンを好みにセッティングできるインディビジュアルの5つのモードから選べ、コンフォートからスポーツ+までのセレクトで、ドライブフィールに確かな差があるのが好印象。それぞれの差が微小だと、宝の持ち腐れになりがちなのだ。例えば、コンフォートの快適さに満足しつつ、山道でスポーツやスポーツ+に、ディスプレー上でセットすれば、パワー、ステアリングフィール、乗り心地、AWDの効きなどまで可変し、ダイナミックで痛快なスポーツ走行が可能になる。とくにパワーステアリングの制御が素晴らしく、センターからの遊びゼロに等しいレスポンス、スムーズで頼りがいある操舵フィール、ノーズをきっちり思い通りにスパッと向けられる人車一体感、トレース性能は、STIスポーツならではだった。ちなみにGT-H EXの操縦性は、より万人向けの、扱いやすさを重視した操舵フィールになる。
ただ、正直に言って、アイサイトXやドライブモードセレクトの使いこなしは、パソコンやスマホ、タブレットの操作などになれている人にとってはすぐに飲み込める操作、機能だが、覚えることが多く、使って有益な頭の硬いシニアドライバーが、どこまで使いこなせるかは、担当セールスの教え方、取説の読み込み次第・・・という印象も持てた。
上信越道碓井軽井沢ICを下り、直進すると、そこからはプリンス通りに至るバイパス、絶景のワインディングロードだ。ここではSTIスポーツのアダプティブ電子制御可変サスペンションが大いなる威力を発揮。ドライブモードセレクトをスポーツにセットしたことは言うまでもないが、盛り上がるパワー、シャープでリニアなステアリング、引き締まった足回りによって、上り坂をぐいぐいと余裕たっぷりに走り、上質でハイレベルすぎるフラット極まる乗り心地、意のままの操縦感覚、回頭感、まるで路面をなめるような安定感、低重心感たっぷりのスポーティな操縦性の気持ち良さを堪能することができた。水平対向エンジンが先代より40mm後方=車体中心寄りにレイアウトされていることも、回頭性の良さを高めているはずである。しかも、エンジンを高回転まで回しても、終始、車内は静かそのもの。運動性能、走りの質感、快適性の高さ、進化に改めて驚かされたのだ。
東京~軽井沢の入り口までの約170kmのドライブも、そうした新型レヴォーグの基本性能の驚くべき高さ、アイサイトXによる絶大なる安心感、SOSコールやスバルiコール(安心ホットライン)、先進機能、そしてシートの体をすっぽり包み込むような快適感あるかけ心地、自然なサポート性の良さもあって、肉体的、精神的疲労度皆無で走破、楽しむことができたのである。
なお、東京~軽井沢間の実燃費はWLTCモード13.6kmに迫る約12kmを記録。ちなみに、開発陣になぜ電動化しなかったのか?と聞いたところ、「レヴォーグはグランドツアラーというキャラクターで、高速主体の走りで使われることが多く想定され、フォレスターやXVなどに用意されているマイルドハイブリッドでは費用対効果が薄い」と説明してくれたのだが、純ガソリンターボ車、それもAWDのクルマをけっこう活発に走らせて12km台の実燃費なら納得できるというものではないだろうか。
新型レヴォーグで丸1日、ロングドライブを経験した結論としては、やはりベストグレードは、フルデジタルコクピット、ZF製電子制御可変ダンパー、アイサイトXが付くSTIスポーツEX(409・2万円)だと強く感じた。GT-H EX(370.7万円)との38万5000円の価格差は、ZF製電子制御ダンパー、ドライブモードセレクト、顔認証システムの拡大、レザーシートなどの装備類の違いで、とくに先進的な機能、より高次元の走りを望むユーザーにとっては、考え方によってはかなり圧縮されると断言できる。
スポーティで先進感あるクルマを望み、先進運転支援機能、乗り心地や車内の静かさ、動的質感、つながる安心=コネクテッド機能、そしてアウトドアやキャンプ、ペットとのドライブでも使い勝手のいいユーティリティーにも妥協せず、最善の安心、「ぶつからないクルマ」を手に入れたい・・・そんなわがまますぎる要望のほぼすべてをかなえてくれるのが、ズバリ、新型レヴォーグである。クルマ移動の守備範囲が劇的に広がる、新しい日常にも、ぴったりの1台だと感じたのも本当だ。
また、愛犬とドライブする機会の多いユーザーにも、新型レヴォーグSTIスポーツEXは、走行性能とは別のところ(快適性や静粛性、姿勢変化の少なさ、犬の乗り降りのしやすさなど)でも、格好の選択になりうると思えた。
写真は先代レヴォーグと筆者の愛犬
スバル・レヴォーグ
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文/青山尚暉
モータージャーナリスト。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。自動車専門誌の編集を経て、現在、モータージャーナリスト、愛犬との快適安心なカーライフを提案するドッグライフプロデューサーのふたつの肩書を持つ。小学館PETomorrowでも「わんこと行くクルマ旅」を連載中。最新刊に「愛犬と乗るクルマ」がある。
Posted at 2020/11/26 22:11:50 | |
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富士重工 | 日記
2020年11月26日
ターボ復活! “刺激”は控えめに──新型スバル・フォレスターSPORT試乗記
スバルのSUV「フォレスター」にターボエンジン搭載モデルが復活した! クローズドコースで試乗した小川フミオの印象は?
力強いエンジン
スバルはSUV「フォレスター」に1.8リッター水平対向4気筒ガソリンターボ・エンジン搭載の「SPORT」を新設定し、2020年10月23日から販売を始めた。さっそく試乗してみると、オフロードで高い走破性を発揮するフォレスターに、オンロードでの使い勝手のよいモデルがくわわった、と、知れた。
フォレスターといえば、歴代モデルに設定されていたターボ、あるいはチューンナップされたSTiターボが人気を集めていた。高性能SUVという希有なコンセプトでファンの評価は高かったものの、男っぽすぎて女子ウケはいまひとつだった印象がある。
Hiromitsu YasuiHiromitsu Yasui今回の5代目に設定されたSPORTは、スタイリングから走りまで、洗練度があがっている。幅広いユーザーを対象にしている印象で、プジョーやフォルクスワーゲンなど輸入車からの乗り換えを考えているひとも、すんなり受け入れられるだろう。
フォレスターSPORTに搭載されたターボエンジンは、1795ccの水平対向4気筒。最高出力は130kW(177ps)、最大トルクは300Nmで、AWD(全輪駆動)システムと組み合わせられる。新型レヴォーグに搭載されるのと、おなじエンジンだ。
従来、5代目フォレスターにも用意されていた2.5リッター水平対向4気筒ガソリンエンジンは廃止。フォレスターのエンジンはいま、2.0リッター水平対向4気筒ガソリン・エンジンに、発進時などに小型モーターがサポートするシステムを組み合わせたマイルド・ハイブリッド(e-BOXER)と、この1.8リッターターボの2本立てになった。
Hiromitsu YasuiHiromitsu YasuiHiromitsu Yasui1.8リッターターボエンジンの特徴は、最大トルクを1600rpmから発生させ、「低回転域(定速域)での使い勝手のよさを重視」(SUBARUの広報担当者)したところにあるという。
ふだんの走行時、アクセルペダルを踏み込んでいない負荷のない状態でも、2000rpmあたりでエンジン回転をキープするように変速機が設定されている。そのため、アクセルペダルを軽く踏み込んだだけで、1570kgの車体はすっと気持よく前に出る。
エンジン回転をあげていくと、2500rpmを超えるところから、ターボチャージャーによるパワーが炸裂。車両は強い力で押しだされていく。従来の2.5リッターは自然吸気型だったので、アクセルペダルの踏みこみ量に応じて徐々にトルクが”積み増し”されていく感覚だったのと対照的だ。
Hiromitsu YasuiHiromitsu Yasui専用開発のコイルスプリングとダンパー
はっきりいって、私はこれまでフォレスターに使われていた2.5リッターエンジンをそれほど評価していなかった。排気量のわりにパワーが不足している感があったからだ。燃料消費量も、メーカー公表値はリッター13.2km(WLTC)であるいっぽう、私の経験では、実際にはリッター10km前後だった。
今回の1.8リッターターボエンジンは設計が新しいぶん、低回転域から高回転域まで、アクセルペダルの踏みかたに敏感に反応してくれるのがよい。リニアトロニックとSUBARUが名づけた、ギアでなくベルトを使った無段変速機も、ドライバーの意図をしっかり汲んでくれ、いきなり加速してももたつくことがなかった。
Hiromitsu YasuiHiromitsu YasuiHiromitsu Yasuiメーカー公表の燃費は13.6km/Lと、2.5リッターとあまり変わらないのは、さきに触れたように、エンジン回転を高めに維持する設定ゆえだろう。市街地でも、加速性がよいパワフルな走りにこだわったぶん、燃費はいまひとつである。でも、燃費がすべてではないので、ユーザーが判断すればよいだろう。
専用開発のコイルスプリングとダンパーを与えられたSPORTでは、ステアリング・ホイールを切ったときの車体のロールは抑えている。
なにはともあれ、いまのSUBARUは、運転が楽しめるモデルづくりに注力しているかんじがある。フォレスターSPORTも例外でない。そこが私は気に入っている。
Hiromitsu YasuiHiromitsu Yasui嬉しい選択
エクステリアでは、ブラックのフロントグリルや、ダークメタリックのアルミホイールが専用装備。内装では、乗員のからだが滑りにくい人工皮革の「ウルトラスエード」と本革のコンビネーションシートを採用し、上質感と機能性の両立をはかっている。
ドライバーモニタリングシステムが標準装備されているので、複数のドライバーでこのクルマを使う状況では、かなり便利なはずだ。ドライバーが乗り込むと、ダッシュボード中央上部に内蔵されたカメラによる顔認証システムが作動。登録ドライバーのばあい、シートポジション、ドアミラー角度、空調の温度設定などを自動的に再現する。スウィッチ操作が不要になるので便利だ。
Hiromitsu YasuiHiromitsu YasuiHiromitsu Yasui価格は328万9000円で、e-BOXERユニット搭載の「Touring」(291万5000円)、同じく「X-BREAK」(今回からの新設定で305万8000円)、そして「Advance」(315万7000円)とうまくつながるような設定である。e-BOXER車も力があって、ドライブを楽しめるだけに、悩ましい、いや嬉しい選択だ。
Hiromitsu YasuiHiromitsu YasuiHiromitsu YasuiHiromitsu Yasui文・小川フミオ 写真・安井宏充(Weekend.)
Posted at 2020/11/26 22:05:54 | |
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富士重工 | 日記