
LEVORG VM4 1.6L用【SA浜松 SPORTS ECU】データ開発テスト2日目です。初日には【レギュラーガソリン】の状態での検証を終え、2日目はガソリンを【ハイオクガソリン】に変更してスタートです。
まずはハイオクガソリンを入れた状態でパワー計測を行ないました。


基準となりますデータ開発テストを行なう為、車両には【空燃比計】【ノックモニター】を取付けています。
車両にもA/Fセンサーは装着されておりますが、構成までした社外空燃比計を取付ける事でズレがどの範囲になっているか確認できます。
ノックアンプはエンジンノッキングをヘッドホンから音で確認する事ができます。これによりノック有無を常に耳とデータロガーで確認できる事や、センサー感度の確認まで行なっております。
☆赤ライン→純正ECU ハイオク仕様
☆紫ライン→純正ECU レギュラー仕様
レギュラー仕様とハイオク仕様の差はまったくなく、パワー計測ラインも綺麗に重なった状態でした。
ハイオクガソリンへ変更する事で、レギュラーガソリンで発生していた【ノッキング】は一切出なくなりましたが、LEVORG 1.6Lでは【点火学習MAP】が存在しない為、点火時期がレギュラー仕様から変化する事がなく、結果ハイオクガソリンを入れた事でノッキングがなくなりエンジンには優しい状態になっても出力値は同じになりました。

一通りの検証が終えたところで、SA浜松Specデータ開発をスタートしました。
まずは空燃比と点火時期MAPの構築です。
レギュラーガソリン仕様では空燃比が全体的に濃い為、空燃比MAPにて適正値になるよう補正を行なうと同時に、点火時期は新規MAPを作り点火学習ができるようにセットアップしました。
これによりベース点火時期に対してノッキングが発生しないエリアでは設定した値で徐々に点火進角ができるようになりました。
FB16エンジンに最適な点火タイミングの検証には大変時間を要しましたが、納得のできるMAP構築が行なえました。

次に過給圧コントロールMAP補正を行ないました。
1.6L・2.OL共に【Target Boost MAP】があり、目標のエンジントルクに対して、エンジン回転毎の過給圧コントロールが可能になります。
ドライブモードと過給圧コントロールMAPの構築を詰める事で、アクセルにリニアな出力特性を作り出す事が可能になります。
過給圧コントロールにはリミット値や補正MAP等、多くの関係性持つMAPがある為、目標値をコントロールする為に1つ1つのMAPによる変化を都度確認して行く必要がありました。
2.0Lの時にも大変苦労をしましたが、1.6Lは更に解析に時間を要しました。

同時にバルタイMAPへと開発テストは続きます。
Posted at 2018/01/11 13:27:58 |
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