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2013年03月08日 イイね!

保存版・燃えろ!20世紀のガチンコライバル列伝!!!…カローラLBvsサニーカリフォルニア 後編

保存版・燃えろ!20世紀のガチンコライバル列伝!!!…カローラLBvsサニーカリフォルニア 後編 燃えろ!20世紀のガチンコライバル列伝!!!”『KE/AE/TE50,60~70系カローラリフトバック/スプリンターリフトバックvsB310~B11サニーカリフォルニア』…後編です!(*^^)v

79/1のカリフォデビューによりいよいよ“スポーツHB、スポーツワゴン”ガチンコが始まりす!

その第一章は…79/4、第2世代となる2代目カロスプLBから始まります。

クラスどころか従来にはないシューティングブレークとしてデビューした先代LBでしたが結果はまだこのような形式のモデルが出るには充分な土壌のない日本では苦戦、輸出先の米国ではそれなりに人気/販売も好成績ながら77年のデビューから3年を経てもあまり浸透はしませんでした。
しかし、80年代に向けて日本人の“クルマ”に対する意識も変化、分野は異なりますが1BOXワゴンやボントラ4WDのブームがこの頃訪れRVブーム(当時は“RV"の言葉はありませんでしたが…)も訪れトヨタ、そして日産もRV的要素も強いLB、カリフォは是が非でもこれを浸透させたかったに違いなくカロスプLB、先代で得られなかった評価を新型KE/AE70系に賭けてきました。

(79/4)
カロスプ、FMCにてカローラ4代目、スプリンター3代目(KE15/17カローラスプリンター時代含まず)となる70型が登場、LBは2代目の計算になります!

まずは70系の諸元から入ります、こちらも1度MCしておりますので以後前期・後期で記載。

[ボディ]
3ドアHB
[バリエーション]
1300
カローラ:DX/GL
スプリンター:DX/XL
1500
カローラ:GL/SE
スプリンター:XL/SE
1600
カローラ、スプリンター:GT

[型式]
※カローラ、スプリンター型式統一
1300:E-KE70
1500:E-AE70
1600:E-TE71
※E-は53年規制を表します、全種53年規制適合
[サイズ]
全長4105~4255mm全幅1625mm 全高1330mm
[ホイールベース]
2400mm
[車重]
830~975kg
[搭載エンジン]
4K-U型 1200cc 直4 OHV シングルキャブ 72ps/10.5kgm
3A-U型 1500cc 直4 OHC シングルキャブ 80ps/11.8kgm
2T-GEU型 1600cc 直4 DOHC EFI 115ps/15.0kgm
[ミッション]
4速MT/5速MT/3速AT
[脚廻り]
Frストラット/Rr4リンクリジット
[駆動方式]
FR
※全長はカローラとスプリンターのノーズ形状の違い及びウレタンバンパーの装着モデルで差があります。

ベースとなる70系は歴代カローラ(スプリンンター)にはない80年代らしいシャープなウェッシの効くスポーティなスタイリングが非常に魅力!LB以外に先代から引き継ぎ2/4セダン(2ドアはカローラのみ)、クーペ、HT、そしてバンがラインナップされますがセダンを含めクリーンでスパッとした直線で構成された美しくスポーティなシルエットはカローラのイメージを劇的に変えたモデルでした。
カローラ/スプリンターセダンは逆スラント気味の直立、スプリンターのクーペとLBはは先代のイメージを80年代風にアレンジしたスラントノーズとされていました。
グラスエリアを大幅に拡大し全体的に明るい印象を与え実際中に乗っても視界はどのボディでも広々!スクエアなスタイリングは見切りもよくボディの四隅の把握がたやすい乗り易いクルマに仕上がっていまいた。

LBは先代同様にスポーツモデルのHT/クーペをベースにしています。先代では元々HT(カローラ)クーペ(スプリンター)が別設計ボディでしたのでLBはより低く大きいスプリンタークーペをベースとしましたがコストダウンもあり70系はHTとクーペを共通化、そこにLBも含んでBピラーまでは同一ボディ、B以降をそれぞれに専用スタイルを与え性格を異にしています。
HTは名前通りセンターピラーを持たないモデルですが6ライト形式にしてグラスエリアを拡大したノッチバック、クーペはセンターピラーが与えられていますがテールゲートを備えたセリカLB同様のHBのフルファストバッククーペに変身しています。
元々大きめだったクーペとLBに関してはサイズ拡大はほんの僅かで実際の拡大を感じさせる数値ではないながらやはり視界の広がりは数字以上に広さを感じさせました。

LBのスタイリングはRrサイドウィンドウまではHTと同一、ルーフとクォータウィンドゥをラゲッジルーム分まで延ばしたスタイリングになっていましたがハッキリ言ってHTも、クーペも上回れずむしろこれらのジャープなイメージを削ぐ結果にしかならなかったと個人的には思います。

また、下手に70シリーズ全体にイメージ付けられたカムテール(ダックテール=テールエンドが跳ね上げスパっとテールでラインを落とすスタイリング)にこだわりすぎたためLBもエンドをこれにて処理するもノッチバック(セダン/HT)やファストバック(クーペ)ならば非常にこの処理が映えスタイリッシュに感じましがRrの傾斜が緩やかでルーフの長いLBのスタイルでこれをやると如何にも“取って付けた”的で似合わずこれがあるばかりにせっかくのシャープさが妙にお尻が重々しく感じてしまい個人的にはパス!って感じ。
事実、販売していてもお客さんからは前述の「バンみたい」に加えてこのRrの処理は不評、こうなると先代のボディラインとテールエンドが交わる部分で素直になだらかに落とす処理が美しく思えましたねー、70系のテールエンド処理が違っていたら?まず他にはないHTワゴンですしね、まぁトヨタが新しいデザインに挑戦した努力は認めますが正直、売る立場と乗る立場になって欲しかったですわ^_^;

↓79/4デビューの70系2代目カローラLB(前期1600GT TE71)



↓同スプリンターLB(前期1600GT)


スタイリングはこのように先代以下の評価でしたがシャーシは新設計されており先代とは別物の素晴らしさを感じさせてくれました。

劇的に改善されたのがハンドリングとサスペンション、あのグニャとして応答性が悪く直進さえ苦労するダルダルのステアリング操作感は見事に消え失せておりしっかり地に着いた安心感を得る事に成功しています!
特に1300は先にデビューしているスターレットKP61のラック&ピニオンをそのまま移植した事でサニーを上廻るシャープ&スポーティなステアリング特性が味わえパワーアシストなしでも苦労のない適度な重さ、現代では当たり前なこの方式ですが当時はまだ珍しく先代とは隔世の感がありましたねー…

思った方向にイメージした通り応えてくれるラック&ピニオンは歴代カローラにはない怖い位のシャープなハンドリング、1500と1600DOHCには従来通りのボールナット式でしたので特にDOHCのGTにこれが与えられていたらさぞ楽しいクルマになっていたと今も惜しく感じます。
1500/1600DOHCもステアリングギア比見直しにより先代に較べれたらかなり現代的になり許容範囲の出来になっていましたがGTではやはり重いエンジン+ワイドタイヤによる相変わらずのハンドル重さで走れば問題なくとも据え切りなどは非常に辛かったです、多分今の世代の方はパワステがあって当たり前ですからこれを縦列駐車なんてする羽目になったら涙モノだと思います、女性だと難しいでしょうね~。

↓1300のみに与えられた“新感覚”ラック&ピニオン方式のステアリング


サスは80年手前になってようやくRrがリンク式(4リンク)に改められ商業車的乗り心地よサラバ!となりました(笑)
Frは従来通りのストラットですが先代よりは全体に固めに振られしってかりした感じに仕上がっています。
GTに関しては必要充分にハード化されDOHCパワーに応えますがサニーに較べると限界は低かった?いや、車重のせいかな?同じ領域でもサニーの方が粘り70系は限界は低いイメージがあります。

↓新設計されたFrストラット/Rr4リンクサスペンション


室内&インテリアも非常に質感が上がり先記のように大きいグラスエリアで実際の居住空間はさほど広くはなっていませんが窮屈さはなくなり非常に明るく80年代モデルらしいもの、インパネも視線を下げ立体的機能的なデザインとされ集中メーター、トレイ式のダッシュが前方視界も開くのと同時に新しさを充分に感じさせるものでした。

サニー310と比較して優れていたのはこのインパネだったと思いますね、サニーは70系に較べると視点が高く前方視界には不利で閉塞感も感じさせる造形、決して機能的にもデザイン的にも悪くはないのですが70年代の悪名高き日産衝立インパネを引きずっている感がありました。

↓カロスプのセダン/バンのみ別設計になるLB(HT/クーペ)のインパネ及びLBの室内
(前期スプリンターLB GT)


↓カローラLB、GL(㊤)とSE(㊦)のインパネ、上級には国産初の回転式コンソロールを装備!


搭載エンジンはグッと整理して非常に分かり易くなっています!
先代からのキャリーオーバーは1300の4Kと1600DOHC 2T-GEUで1400T-Uと160012T-Uを統合置き換えにて3A-U型が1500シリーズとして新登場しています。
3Aは78年にトヨタ初FFのターセル/コルサ用に開発された新エンジンの1A-Uの改良型で排ガス対策を設計時から織り込んだ造りで旧T/2Tに較べ別物のように吹け上がり先代では元気さは上ながらヘビーウェイトで本領発揮に至らなかった4K以上のドライバビリティを実現!仕事柄A型を一早く味わったワタクシ、この時にようやく排ガス対策は落ち着いたと実感しました…。

ではここからカリフォを含めたモデル改歴をとします。(一部重複あり)

(79/8)
カロスプに1800モデルを追加します。
これは旧1600モデルの代替ユーザーに対応したものであり1400→1500を置き換えと定義、この為1600ユーザーから「スケールダウンでは?」の声を吸い上げたモノ。
新搭載される1800は上級のセリカ、カリーナ、コロナでお馴染の13T-U型OHVシングル95ps/15.0kgmであり勿論TTC-Cで53年適合エンジンです。
排ガス対策で縮小した自慢の“ワイドバリェーション”が1800シリーズの追加で復活、下は1300~DOHCをも含み上は1800迄とA14型1機種しかないカリフォにこの分野では大差をつけます!
尚、1800の型式はE-TE70となります。

↓1300~1800迄取り揃えたカロスプLBの搭載エンジン群

 
1800は当初バン以外全てに設定、LBは1500同様のGLとSEの設定、しかし実際にはこの1800、これは駄作で古い設計のT型を何故にまた載せるか!って感じでした。
重たさは2T-G並でパワー感は3A以下、吹け上がりも鈍くキビキビ感は3Aとは比較できないモノで排気量が大きいのでトルクフルではありましたがハッキリ言って必要のないモデルでしたね、ドライブフィールが1500以下の1800なんて税金高くなる分無駄!!これは店側も積極的には売り込みませんでしたしワタシも売った経験は僅か1台のみ!
鮮明に憶えていますが1800クーぺSLというの売りましたがそのお客さん、カローラクーペのスタイリングに惚れこみながらも年配だったのでレビンはいらないからという理由でお買い上げ下さいました、後にも先にもこれ1台でしたね(笑)
当時、1800を持つセリカがA40型で人気薄だったので検討される方はいましたがスタイリング重視の方なら間違いなくレビンに行きましたし…
セダンにしても旧1600のユーザー対応という口実ながらそれらユーザーは1800が欲しければハナから上級のカリーナなりコロナに流れておりこれら上級を持たないカローラ店の苦肉の賜物、80年にデビューするカローラ店扱いのセリカカムリまでの1ポイントリリーフであまりにも売れない(売らない)ので80年中にはセダンを残して1800はすぐに消えています。

(79/10)
カリフォ、ベースのセダン/クーペのMCが実施されたのに合わせて早くもMCされ中期型となります。
後期型、カリフォに関してはFrのフェイスリフトとインパネの変更がとなっています。

↓79/10~の中期サニーカリフォルニア(1500SGL)


デビューして日が浅いカリフォですがベースモデルの陳腐化を嫌ったインパネまで変更すると言う割と大掛かりなMCが施され型式をB311型としています!

大きく変わったのはFrが従来の逆スラントからスラントノーズになり丸型2灯ヘッドランプが角型2灯とされFr部だけ見たらまるで別のクルマのような出で立ちになっています。
これは時代的に“角型ライトこそ新しい”という空気になっておりサニーに限らずこの時期は丸2→角2若しくは角4に改めるケースは多かったです。
ただ、このMCはワタシ的には?でして今も当時も圧倒的に前期顔の支持が高いのはご承知の事と思います。事実、当時も現在もまわりのクルマ好き仲間誰しも同意見ですしね、やはり丸目でデザインされたクルマは一部例外を除いて絶対丸目の方がよく時代に迎合せざるを得なかった日産の立場は理解しますがこれ、残念感しかなかったですorz…
ただ、この時にようやくスポーティ色が濃いGXグレードを追加しサニーファン、カリフォファンには喜ばれていた?と思いいます。

↓新追加グレードとなる1400GX



インパネ変更は前期型の一部を残しながらメーターフード~グローブBOXまで大掛かりに変更、ステアリングの意匠も変えられています。
新デザインのインパネはカロスプを意識したか?視点をや下げ前方視界が若干拡大、ただ残念な事に前期よりも造り込みにコストダウン感がモロに表れ前期では標準グレードとGX/SGXのスポーツグレードでは異なるデザインだったものを共通化、これでスポーツグレードの優越感?高級感?は完全に消え失せサニーファンはガッカリしたのでは?と敵ながら心配しました(笑)
デザインは決して悪くなく機能的で好感持ててましたがねー、何だろう?材質の変更なのか?特に低グレードの質感は同じ低グレードでもカロスプの敵ではなかった感じを覚えました。

↓新らたにされたカリフォのインパネ(㊤1400GX/㊦1400SGL)



↓インテリアは基本、ほぼ変更ありません、GXはクーペ/セダン譲りのチェック柄をコーディネート!
(㊤1400GX/㊦1400SGL)



↓中期1400GL(79y~)


(80/3)
カロスプLBにムーンルーフ(ガラスサンルーフ)付モデルを設定。

(80/11)
カリフォ、2度目のMCを実施し後期型となります。
このMCは外見上ではカリフォの場合、Frグリル中央にラインが入る程度のモノですがサニーシリーズ全体が(バン/トラ除く)従来のA12→A13、A14S→A15Sとそれぞれ100ccづつ排気量をアップ、カリファはA15SとようやくEGI付エンジンもラインナップ、セダン/クーペ同様にA15E型を搭載します。
A15Sは83ps、A15Eは92psのスペックとなりますがサニーファン、カリフォファンとしては待望のインジェクション仕様車の登場は朗報だったでしょう。これに合わせて最上級にセダン/クーペ同様に『SGX-E』をラインナプしています。
ただ、くどいですがモデル末期でのEGI設定、カリフォこそ車重もあり当初からEGIが必要だったと感じですがやはり販売が思うように向上せずこれのテコ入れだったのでしょうがこの時期での投入、もはや“遅きに失した”でカリフォ人気のUPという訳にはいきませんでした…。

A15エンジン、1400と乗り較べても正直、気元々が元気の良いA型エンジンなので100ccのUP、それほど手に取って分かる程の劇的性能アップは感じませんでした。
ただ、カリフォでの経験がないので余談になりますがセダンでのA12→A13は低速のトルク太りは実感できましたしありがちなこれによる高回転が犠牲になっている事もなかったので排気量UPは確実にドライバビリティ向上に貢献していたと1500の場合も推測、但しA15体験者によれば1300より吹けはイマイチだったと…。

↓後期型カリフォ(80/11~㊤1500GX/㊦新設1500SGX-E)



(81/8)
カロスプLB、MCにて後期型となります。
こちらは小規模なMCでお約束の前後意匠変更に一部インパネパネル内及びコンソロールの変更が行われています。

↓81/8、後期型となったLB(㊤カローラLB新設1500SX/㊦スプリンターLB1500SE)



意匠チェンジ、カローラは大型角型2灯ライト、スプリンターは異形ライトが装着されそれぞれグリルを高級化、テールはそれぞれ同系列販売店の上級モデルのセリカカムリ(カローラ)、チェイサー(スプリンター)のイメージに合わせた造形に変更されます。
また、インパネは視認性を向上させたメーター、新配列のラジオ装着、そして前期の一つの売りであった回転式コンソロ-ル(上級グレード)をコストダウンのため固定的に変更しています。

↓小変更された後期インパネ(カローラLB1500SX)


このMCではSXなる新グレードを追加、セダンに残る1800を廃止、また3Aと4Kはレーザーエンジンに指定“LASRE”は80年に従来のM型に代る新開発1G-EUエンジンで初めて名乗った当時のトヨタ新鋭エンジンに与えられた称号、3A/4Kとも既存ながら主要部の新設計及び補機類の見直しが行われこれに指定、それぞれレーザー3A-Ⅱ、同4K-Ⅱと呼称しました。

↓“LASER”とされた新鋭3Aと4Kエンジン



(81/10)
カリフォ、サニーシリーズ(バン/トラック除く)が5代目B11型にFMC、カリフォもこれにより第二世代(2代目)となります。

B11、ご承知の通りサニーシリーズ初のFF化となったモデルでこの時期、小型車が従来のFRからスペース効率、コスト面でも有利なFF化に傾いて行った中でチァレンジ精神旺盛な日産らしく保守的ユーザーが多い大衆車も一気にFF化したものです。
当時まだFFは異端児的扱いがあるも古くから富士重やホンダ、そして日産もチェリー→パルサーで一定の市民権は得ており保守層にこだわりなかなかFF化に踏み切れないトヨタに先んじかつ思い切りよくサニーをFF化し“新時代の小型ファミリーカー”をアピールしました!

↓FFとなった2代目B11型サニーカリフォルニア(㊤1500SGX-E㊦1500SGL)




それではB11系の諸元から入ります。

[ボディ]
5ドアHB
[バリエーション]
1300:DX/GL-L
1500:GL-L/SGL/SGX/SGX-E
[型式]
1300:E-WB11
1500:E-WHB11
※E-は53年規制を表します、全車53年規制適合
[サイズ]
全長4255mm全幅1620mm 全高1365mm
[ホイールベース]
2400mm
[車重]
800~855kg
[搭載エンジン]
E13型 1300cc 直4 OHC シングルキャブ 75ps/10.7kgm
E15型 1500cc 直4 OHC シングルキャブ 85ps/12.3kgm
E15E型 1500cc 直4 OHC EGI 95ps/12.5kgm
[ミッション]
4速MT/5速MT/3速AT
[脚廻り]
Frストラット/Rrtレーリングアーム=4輪独立懸架
[駆動方式]
FF

上記の通りシャーシは勿論の事、搭載エンジンも新設計され全てが産まれ変わったサニー(カリフォ)となりました!
B11となって全長は若干短くなりながらもホイールベースは拡大、全幅と全高も拡大されており310では感じられた天井の圧迫感から解放、拡大したホイールベースで前席、後席ともこのクラスとしては当時としては“広大”と言えるレベルだった事でしょう、ドア数は先代を受け継ぎ使い勝手に優れる4枚となっています。

スタイリングはシャープで直線的だった310から一転した丸味帯びたデザイン、機能的実用的であはあるも悪く言えば“ズングリ”というイメージで歴代サニーがやはり丸っこいデザインが不評だった210を除きシャープなスタイリングで人気を博したのに対し個人的には残念な方向に向かってしまった感じがしました。
ただ、先代のイメージとDNAは確実に継承、例のウッドパネルもopで健在です。

ただ、乗ってみると新エンジンであるE型はA型の発展型エンジンだけありA型の身上だった気持ちの良い吹け上がりも健在、そのパワーは1300でも何の不自由もなくファミリーユースには充分以上の実力を持っておりEGIのE15Eならば充分にスポーティレベル、先代ではパワー不足感を持たれるのを嫌いカリフォは1500のみの設定でしたがB11からは1300を設定しています。

↓新開発E型エンジンを搭載!


全車この代からラック&ピニオン方式となったステアリングと4独サスの組み合わせ、そしてパワフルなE型エンジンはサニー(カリフォ)をストレスなく走らせその小気味良さはサニーの伝統を継承していました!

FF化もありFRの70系1300LBやKP61とは当然ながらまた違った感触でチェリー/パルサーで培ったFF技術はトルクステア等のFFの癖はそう気になる程ではなく初代チェリーから較べると隔世の感アリって感じです。
シャープさではライバルに負けます(1300に限って)がパワーアシストなしでも重くもなく軽過ぎでもなくやはりワタシのようにFR育ちには違和感はあれど不快レベルではありませんでした。(GL-LとSGLにはパワステ装備)

脚廻りの味付けは至ってソフト、セダンのSGX-Eの経験しかワタシはありませんがスポーティグレードでももう少し固さが欲しかったと個人的には感じます。
Rrがトレーディリングアームですからしなやかさはないながらも当時のここクラスとしては贅沢な乗り心地だったかもしれません、全体的にFrヘビー感は拭えませんがRrもしっかり地に着いた安定感をもたらしてくれていました。

↓FF、ラック&ピニオン、4独サスと先進機構採用でもはやカロスプLBは勝負にならない範疇に…


室内、インパネは奇をてらわず至ってオーソドックス、インパネは80年代らしく目線を低くまた、FF化の利点を生かすようにセンターコンソロールを上級グレードでも省き足元スペースの広大さをアピールしていました。
ただこのセンターコンソロールレスは豪華好きな日本人には単に“安っぽい”のイメージとなってしまいインパネやシートの造り、材質やデザインがこれは日産全体に言えるのですがFFとかFRとか関係なしにどうしてもトヨタに較べると華奢でオモチャっぽいという声が多くB11と70では一世代違いながら70に高級さを感じるユーザーは少なくなかったと思いますねー。

↓B11カリフォのインアネ&室内(1500SGX)


以上のようにカロスプLBを大幅にリードする先進技術の詰め込まれたB11カリフォ、もはや旧態化のFRとFFの関係となりましたしこの手のモデルとしては走りよりは居住空間、ラゲッジが優先されるのが当たり前ですのでカリフォがこのMCで圧倒的にこの時期のファミリーカー、そしてレジャービーグルとしても大幅なリードとなっていますね。

ただ、そのどことなく野暮ったいデザインが災いした点とまだこのクラスを選ぶユーザーにはどうしてもメインはFRという意識も強くB11の真髄が市場に残念ながら評価されずクルマの出来の割にはライバルとの差は付かなかったのが実情で当時販売の最前線にトヨタ側にいたワタクシですがB11にそれ程の脅威は感じず自社のカローラLBも売れてはいませんでしたが「サニー、FF化でどうサイの目が出るか?」と言う興味はありましたがデビュー後、メインのセダンにしてもそれ程爆発的な新車効果って程でもなくトヨタ側の現場は至って冷静でした…。

↓ベースモデルとなるB11カリフォ1300DX


(82/10)
カリフォ、セダンと同時に1700ディーゼル(以下De)を追加します。
サニー初のDeに搭載されるエンジンは1700cc CD17型4気筒OHC 61ps/10.6kgmという内容、このDeはパフォーマンスに優れたDeエンジンで数値以上?いや、B11の持って生まれた軽快感からなせる技か非常に快適に走るDeで特性上当たり前ですが高回転は苦手ながら低速トルクはもりもりでしたしガソリン車の1300より街中では小気味イイ走りを提供してくれ初めて乗った時には舌を巻くフィーリングでした!
De特有の振動や騒音も極力抑えられその出来は一時代前の上級、ローレルやマークⅡのDeモデルをも凌ぐもので街乗り程度なら至って静か、回すとやはり…って感じはありましたがDe乗用車の進歩を確実に感じられるものでした。

82/5、ライバルのカローラもセダンのみですがDeを搭載、70年代後半からその経済性からジワジワと静かな人気を得ていたDe車、当初はセドリック/クラウン、そしてコロナ/ブルクラスに、80年代に入るとこのクラスにも台頭してきておりカローラに対抗したB11、De搭載となりカローラLBはスポ-ティに相変わらずこだわり搭載には至りませんでしたがカリフォは1歩先んじた訳ですね。

↓カロスプLBにはない武器!1.7Lディーゼルエンジン搭載


(83/5)
カロスプ、5代目AE80系(スプリンター4代目)にFMC実施、これによりカロスプからLBがカタログ落ちします。
2代続けたLBでしたがトヨタが目論んだ“スポ-ティHB”は遂に受け入れられず終了となります。

コンセプトは間違いではなかったと思いますし一部では支持もありましたがカロスプとしてはラインナップし続ける程の販売量は得られずにこの施策を止め80系はセダンのみFF化された事もありLBに変わってよりスペース効率が優れ使い勝手の良い5ドアに変更、メーカーは最後まで決してLBを“ワゴン”とは謳いませんでしたが“ワゴン”の性格は70系を83/8に継続しながら大幅リフレッシュし高級度と遊び感覚=RV色?を強めた新星カローラワゴンに受け継ぎました。
(5ドアはカロスプ、ワゴンはカローラのみに設定)

↓LBに変わる“多用途”をアピールする5ドア(AE80カローラ5ドア㊤1500ZX㊦1500SX)


↓“ワゴン”としては70バンベースのワゴンを充実して継続(83/8~ カローラワゴン1800ディーゼルGL)


この80系デビュー、LB→5ドア/ワゴン化によりこの時点でカリフォに相当する車型がカロスプからは消えましたのでこの時点でこのガチンコは終了となります。
但し行きがかりですからB11カリフォのモデル改歴は続行、その後の両車の展開を簡単に時系列でご紹介しますネ!

(83/10)
カリフォ、MCにて後期型となります。
主な変更はフェスリフトとE15E搭載モデルの廃止。

↓83/10~カリフォ1500SGX


(85/9)
サニーシリーズが6代目B12型にFMC、カロスプはFMCにより売れ行き不振のLBをカタログ落ちとしましたが4ドアHBである程度の需要があったカリフォはこの代でも無事ラインナップしており“スポーティHB”はこの頃になると“スポーティワゴン”としてメーカーもアピールしていました。

↓B12型サニーカリフォルニア(㊤1700GL-D㊦1500SGL)


~カロスプ、カリフォのその後の展開~

[カローラ/スプリンター]

(87/5)
6(5)代目E90系がデビュー、80系を継承する5ドアは『シエロ』のネーミングでスプリンターのみに設定、カローラはワゴンのみになり87/8迄70系を生産し新たに90系をベースにFMCしています。

↓唯一のLBの継承!?はスプリンターのみに設定された5ドアの『E90系スプリンターシエロ』


↓87/8~はバンと共に8年ぶりの新ボディとなった『E90系カローラワゴン』


(91/5)
7(6)代目E100系がデビュー、シエロは廃止となり91/9セダン系に遅れてFMCしたカローラワゴンにRV要素モデルは集約されます。
シエロは輸出用では設定されるもやはり国内での5ドア販売不振により廃止、尚、100系カローラバン/ワゴンと双子となる『スプリンターバン/ワゴン』が設定されますがスプリンターワゴンは所謂バンの1年車検を避ける為の“ビジネスワゴン”でありカローラワゴンのように一般向けモデルではありませんでした。

↓91/9~はE100系カローラワゴンに集約


この後2000年に8代目カローラE120系デビュー時にスプリンターは消滅、カローラワゴンも消滅しバンをプロボックスに分離、完全なるファミリー&スポーティワゴンとなる『カローラフィルダー』が登場して現在に至ります…。

以上の歴史を振り返ると現行カローラフィルダーの先祖がE50/60系カロスプLBとなるのがご理解頂けた事と思います(^^)v

[サニーカリフォルニア]

(90/1)
セダン系がFMCし7代目B13型がデビューしますがカリフォはB12のまま継続。

(90/10)
カリフォはサニーから離れ別設計(但し基本シャーシはB11~共通でパーツ類も共用多数)であるADバン/ADワゴンとボディ共用化がなされたためネーミングは『サニーカリフォルニア』を継承するも型式はAD系のY10型となります。

↓90/10~はY10系サニーカリフォルニアとなりました!


その後カリフォは96/5にベースのADワゴンと統合、大幅なMCを受け『ウィングロード』とネーミングを改め現在に至ります。

この96/5限りで『サニーカルフォルニア』は17年の歴史を終えその後をウィングロードに託す訳ですね…。


以上“カロスプLBvsサニーカリフォ”でした!

長々読んで頂きましたが今回は前編冒頭に記載した通り純粋にはガチンコにはできないと思います。
やはりFMCにタイムラグが大き過ぎ片方が新型になると片方は急速に旧態化、日進月歩にクルマ造りが変わる時期でもありましたから…50/60LB及びB11後期は唯我独尊でしたしB11前期にしてもFRの70と対決させるには適さないでしょう、公平な対決はは70と310全般とするべきでしょうね。

さて、これに限って言えばお互いの存在期間が79~81年の僅か2年半が対象となりますネ…
販売台数的には残念ながらワタクシ、現在ではLBとカリフォを抜き出した統計は取れないのでカローラ/スプリンター、サニー全体の販売台数で見るとカローラが786,000台強、スプリンター310,300台強(カロスプ計110万台強)サニー473,500台強となっていますからこのうち約1割をLB/カリフォと考えてもこれはカロスプが圧勝でしょう。
ただ、あくまで印象ですがサニーの場合、カリフォの割合はカロスプLBより多めに感じましたのでこれを独断で2割としても…あっ、どっちにしてもLBが勝ちですね(汗)

まぁお互い販売的には芳しいモノではなかったですし純粋にクルマの出来として考えると非常に難しいです。
クルマとしての全体のバランス、ドライバビリティ、ユーザーに何を訴求したいのか?がカリフォの方が明白でありLBは最初から最後までイマイチ中途半端。DOHCを載せ必死にスポーツHBをアピールするも果たしてこの類のモデルに当時としてはDOHCは大袈裟ですしね、まぁ、これがあるからこそのLBの価値とも思えます、とにかくDOHCエンジンが希少で当時としては他にないハイパフォーマンスで魅力のある『GT』モデルではありましたから…

これ、やはり選ぶユーザーニーズによりどちらがいいか?は大幅に異なると思います、ある程度の積載、多用途も欲しいが走りも重要と思う場合はLBのDOHCでしょうし多人数の乗降が多く使い勝手優先ならばカリフォでしょう、ただ、決して310カリフォのドライバビリティが特段劣っていた訳ではないです。
非DOHC以外のLBでも使い勝手も乗降もほどほどでいいという感じであればリーズナブルな1300を選べるLBだって価値はある訳ですし結果、甲乙は付け難いですがね~~。

まっ、そんな訳で『走り』重視ならLB、ワゴンらしく使い勝手に優れるのはカリフォと言った感じで結論付けたいと思いますm(__)m


燃えろ!20世紀のガチンコライバル列伝“KE/AE/TE50,60~70系カローラリフトバック/スプリンターリフトバックvsB310~B11サニーカリフォルニア”……完
Posted at 2017/08/24 20:09:37 | コメント(0) | トラックバック(0) | ライバル | クルマ
2013年03月07日 イイね!

保存版・燃えろ!20世紀のガチンコライバル列伝!!!…カローラLBvsサニーカリフォルニア 前編

保存版・燃えろ!20世紀のガチンコライバル列伝!!!…カローラLBvsサニーカリフォルニア 前編“燃えろ!20世紀のガチンコライバル列伝!!!”今回はベタ中のベタである『カローラvsサニー』です!

あっ、でもコレをまともに取り上げると両車デビューの1966年~サニー製廃の2004年、実に38年の歴史があるのでいつになったら終わるのか見当も付きません、依って両車の中から苦し紛れ見え見えですが(汗)特定の車型をガチンコさせてみたいと思います^^;

但し、特定車型と言えどもいきさつ上、計5年~分ですので長くなりますので前編・後編に分けてUPさせて頂きます(汗)

題して『KE/AE/TE50,60~70系カローラリフトバック/スプリンターリフトバックvsB310~B11サニーカリフォルニア』…そう、車名を見ればツウな貴方ならお分かりの“スポーツワゴン対決”です!

“スポーツワゴン”と言えば89年デビュー以降、当時としてはズバ抜けた動力特性(水平対向4発DOHCターボ+4WD)を持ちさりとてワゴンの実用性を最大限に生かした従来型のような商用バンを持たない初代スバルレガシィワゴンを思い浮かべる方が多いでしょう…

古くから存在するワゴンモデルですが商用バンのイメージを脱却できない日本人のステーションワゴンへの捉え方が災いし成功例は殆どなかったのが実情、ところがレガシィは前述の通り従来型ワゴンのイメージを覆し大人気を博しこれ以降、他社も対レガシィ車種を増発、トヨタカルディナ、日産アベニール、三菱レグナム等々、90年代にはワゴンブームを構築させ今でも一人勝ちのレガシィですので“ステーションワゴン/スポーツワゴン=レガシィ”は誰の頭の中でも印象強いのでは?と思います。

ただ、“スポーツワゴン”(的?)モデルはこのレガシィの遥か前、1976年(昭和51年)にデビューした当時の3代目カローラ/スプリンター(以後カロスプ)に設定されたリフトバック(以後LB)が元祖となるんです、絶対!

このLBに対抗したのが後発のライバル、サニーカリフォルニア(以後カリフォ)でありそれまで商用バンのボディを借りてきて内外装を飾り足をソフトに(車によってはサス形式も変更)し5ナンバーにした程度の言わば”ついでに造っている”といった扱いであったワゴンをバンモデルとは関連のない専用設計でレガシィの約10~15年も前にデビューしたのがこの2車でした。

↓1976年にデビューした“元祖”スポーツワゴンを謳った『カローラLB』
(77y前期1600GSL)


↓カロスプに3年遅れでようやく設定されたサニーのスポーツワゴン『サニーカリフォルニア』
(79y前期1400GX)


カロスプLBは76/1、カリフォは79/1デビューなのでライバルながら3年サニーが出遅れていますので実際のガチンコ開始はカリフォデビューの79~となりますね、期間はカロスプが5代目80系に83/5、移行した時点でLBは廃止されますので永い両車の歴史では“一瞬”かもしれません、僅か4年と少しです…。

複雑なのはこの時期のカロスプ対サニーは約2年程のFMCにタイムラグがありましてこれはデビューはお互い66年で同じでしたが2代目(カロスプKE/TE20系)、サニー(B110系)までは慣例通りの4年目でのFMC(70y)ながらサニーが110系を3年で諦め73yにB210型にFMCした時から狂いその後カロスプが3代目のKE/TE30,40系は規定通り?の74年に変わるも排ガス規制期のゴタゴタでFMCが遅れ3代目が5年の生産となっておりここで2年狂った訳です。
サニー3代目310は通常通り4年の77年FMCを行いこの時からサニーの新型はカロスプ旧型後期と、カロスプ新型はサニー旧型後期と対決するという図式が出来上がっていました。

一時カローラ店に在籍したワタクシ、これは2年ごとに対サニー戦争が激化しサニーの新型が出ると急速に型遅れ感が強くなるカローラはエクストラ仕様だの特別仕様だのを出し派手な展示会、豪華な景品でお客を逃すまいと必死になっていた会社(メーカー&ディーラー)を懐かしく思い出します。
まぁ、これはあちらさん(サニー)もスプリンターのオート店も同じでしたからね、当時は三つ巴+伏兵でランサーEXやミラージュ、シビックやファミリアなんかも巻き込んで如何に“型遅れ”のカローラを売るか!必死でした(笑)

そんな訳でこのガチンコ、正確には79/1のカリフォデビュー期からの開始ですのでカロスプは初代50/60系LBの末期、そしてこれがFMCした79/3~は新鋭70系LBが310カリフォ生存期間の~81/10迄、これ以降は2代目カリフォ(サニー5代目)B11型と70系がガチンコし70系→80系FMCの83/5でENDとなります。

以上から一番ガチンコ期間の永い70系LBと310カリフォ(79/3~81/10)2年半に絞られますが両車の特色や開発経緯、人気/販売を語るにはこの前後モデルも必要不可欠ですので76/1の50/60系カロスプ~83/5の80カロスプデビュー(LB廃止)迄を取り上げたいと思いますのでお付き合い宜しくお願いしますm(__)m

さて、いつものように長い前置きはここまで!
カロスプLBvsサニーカリフォ、行ってみましょー!!

【新時代の多目的多用途スポーツHB、カローラLB/スプリンターLB登場!】

76/1、上辺の豪華装備やらNEWモデルの開発ばかりに気を取られたトヨタ、排ガス対策では他社の後手に廻り開発にも苦労、他社パテントを模索したりとさんざんでしたがようやく自社開発に光を見出し余裕ができたこの時期、当時のドル箱であったカローラ(スプリンター)に新モデルを設定、これがLBでした。
常にNo1でいなければいけないトヨタ、売れる=NEWモデル=旧態化、陳腐化は最大の敵!と言った感じですので3年目に入る当時の3代目カロスプ、幸い当時のサニー210型は不人気で販売的には安心ながらもサニーの新型がデビューするのは時間の問題でしたし来る53年規制パスという目標もありまだFMCは先延ばしにせざるを得ないトヨタ、カロスプにカンフルを打った感じですね!

LBは73年のセリカで初めて命名された当時のトヨタハッチバック(HB)のネーミングでありセリカに続いてこのカロスプ、後年(78年)にはコロナにも設定されますが共通するのは単にHBという事だけでありセリカはフルファストバックのHBクーペ、コロナは4ドアセダンベースの5ドアHBであり趣も性格も各車異なるモノでした。
ただ、この時期に3モデルに設定されたネーミングであった為、「トヨタのHBはLBなんだ」と浸透し知名度も広がったのも事実、対する日産は210サニーでセリカLB同様のHBクーペを出しながらも単なる“サニークーペ”とし特徴のアピールには欠けていたような…
この為、日産も77yからの2代目バイオレット/オースターA10型でHBクーペ設定時に「オープンバック」(バイオレット、「マルチクーペ」(オースター)とネーミングしましたがこれ限りで終わり浸透には至りませんでした。

カロスプLBはご承知のように双子兄弟ですがベースの3代目カローラとスプリンターは先代20系の前後意匠を変えただけの単なる双子ではなく共通パーツ(外板)も使いながらオリジナルティ溢れるものでしたので一見すると別のクルマに見えた程です。
3代目はカローラが2/4ドアセダン、HTを、スプリンターは4ドアセダンとクーペを設定していましたが被る4ドアセダンですらカローラはセミファストバック、スプリンターはノッチバックの出で立ちでカローラに及んでは排気量(1200/1400/1600)で前後デザインを分けるという凝りよう(スプリンターは共通)でした。

尚、型式はベースのカローラが50年規制モデル(~76/12)まではKE/TE30、スプリンターはKE/TE40となっていますが51年規制モデル(77/1~)以後はMCのみの小規模変更ながら型式改定がなされそれそれKE/TE50系、同60系になっております。
LBは77/1発売で既に51年対策モデルですのでデビュー時から50/60系となりますね!

カロスプLBは40系スプリンタークーペをベースにしてルーフを延長、そしてテールゲート、スプリットシート(分割可倒式Rrシート)を備えるものですがクーペベースだけあり使い勝手の優れる4(5)ドア形式ではなく2(3)ドアタイプ、また車高もベースのクーペそのままなので外見上は従来のバンベースのワゴンやセダンベースの5ドアとは異なりスポーティさを醸し出し国内では類のないシュ-ティングブレークモデルでした。
スプリンタークーペはシリーズ中でサイズは一番大きく唯一、4m台を超える長さと1320mmという低い車高が非常にスポーティ、FrグリルはS30ファエレディZ調にえぐれたライトに薄いグリルというマッシブさが受けカローラのスポーティモデルであったHTを遥かに上回る人気を獲得、このクーペをベースにしたカロスプLBですから低く長くのワイド&ローのプロポーションも自慢でした。

このように外観は“スポーティなLB”(この時代、トヨタは“LB”を浸透させたく“ワゴン”“HB”の名称は使いませんでした、中身は完全なるHBorワゴンですが…)で売りHBと可倒シートで多用途性をアピールしたLB、ようやく働きバチの日本人に初めて洒落たレジャービーグルとして訴求したモデルではなかったか?と思います。

↓レジャー、多用途性をアピールするカローラLB



スプリンターLBはクーペのBピラーより前半はそのまま従来のスプリンタークーペを使用、カローラLBは輸出用にスプリンタークーペのボディを使いマスクのみオリジナルの3分割タイプとしたカローラクーペが存在しておりこの顔をスプリンターに付けカローラLBとしたものでして顔付は当時の米・マスタング風のなかなか迫力があり国内では初お目見えでしたのでデビュー2年を経過した3代目カローラでは新鮮でした。
この代のカロスプはボディだけではなくインパネも限りなく似てはいますがカローラとスプリンターで若干リ・デザインされていましたがカローラLBではスプリンタークーペのボディが基本の為、インパネもこれに準じます。

↓スプリンタークーペのインパネをカローラLBに使用(カローラLB1600GSL)


アピールではカローラLBをファミリー層に、スプリンターLBを若年層にというう戦略が取られ特にスプリンターLBは当時若い男性に絶対的人気のあったハワイ産まれ、ハワイ育ちの今で言うグラビアアイドル?のアグネス・ラムを起用、若い女性に人気の近藤正臣とカップルを演出したCMはクルマ以上に人気となったモノでした!
いやー、ワタクシもラムちゃん、大好きでしたねー、当時まだ小学生(高学年)だったにも限らず、、、ん?どこが!?…ご想像にお任せします(爆)

↓このラムちゃんはTシャツ着てるので拝めませんが(動画でお確かめ下さい…笑)
「光の中を走るサンデッキ」なるコピーにトヨタの期待が込められていますネ!


このように鳴り物入り!?でデビューしたカロスプLBですが正直当時の空気では「バンみたいでカッコ悪い」が多数の意見であまり商業的には成功しませんでした。
現代目線で見れば明らかにバンとは違うのですが当時、まだまだ日本人の固定概念にはない車型だった事もあり受け入れ度合いは低く“出るのが早過ぎた”感がありますね。
従来型ワゴンですらまだ遊びに使いこなす、なんて洒落た事ができない日本人でしたしRVなんて言葉は見た事も聞いた事もない時代、カロスプLBを受け入れる土壌がなかったのは間違いないですorz…


【“遊びのベースキャンプ”を謳い決してバンでもワゴンでもない「5ドアスポーツセダン」、サニーカリフォルニア登場!】

カロスプLBから3年遅れの79/1にデビューしたカリフォ、一早く単なるファミリーセダンの領域から脱出したカロスプ=最大のライバルでありながらこの分野にこれだけ遅れたのでカリフォは全てカロスプLBを上回る並々ならぬ入魂でデビューしました!

ベースは77/11に4代目にFMC済のB310型サニーでこれのセダンがベース、しかしながらクーペ並に低い全高や各部味付けもスポーティでボディベースがクーペだったライバルより居住性を重視しながらのスポーツワゴンでした。

ライバルとの最大の違いは“5ドアスポーツセダン”とアピールするようにドアが4枚(ゲートを除く)だった事でこれにより乗降性はカロスプLBの比ではなく後席の居住性もこれを上回り使い勝手、多人数乗車にも優位な点を武器に一気に3年の遅れを取り戻そうと日産は計算していたと思います、但しそうは甘くない市場の反応に後に苦しむ事となりますが…。

4ドアHBにライバル同様のスプリットシートも装備(上位グレード)、ドアが2枚多いだけで使い勝手は著しく向上したのは言うまでもないのですがその分見かけは頑張った割にはカロスプLB以上にバンに見えてしまうのが市場の多数共通した意見、テールランプ形状がバン同様縦型だったのも大きな要因に思います。
ライバルより3年遅れながらもまだこういった“スポーツワゴン”を見る目は冷ややかでありカリフォもライバル同様、気張った割には最後まで人気は得られませんでした。

カリフォもカロスプLB同様にどう見てもワゴンでありながらこれを一切コピーやカタログには謳わずライバル同様に“スポーティ”をアピール、4枚でありながらやはり低い全高としバンとの差を出す為にRrウィンドゥの傾斜も強くしバンとは異なるオリジナルなスタイリングを採っています、ワゴンの本場、米国で流行っていたウッドパネルを日本初でOP装備設定しそれまでにない高級感をもアピール、デビュー当時はこのウッドパネルでカリフォは注目を集め後年シビックカントリーを始めとした後発ワゴンモデルに影響を与えました!

しかしこうして見るとカロスプLBもカロスプもワゴンでありながらそれを名乗らない=如何に当時の空気がワゴンを受け入れていなかったかがご理解できる事と思います。

↓カリフォも遅ればせながらレジャービーグル及び多用途性を最大限アピール!
(80y後期型カリフォルニア1400GX op装着モデル 2枚目奥は兄弟!?のバネット)



尚、カリフォはベースのサニー310デビューから1年2カ月近く経ってからのラインナップでしたので前期型となる初期モデルは僅か9か月の存在、79/10にはベースであるセダン/クーペが通常通り2年でMCを受けるのと同時にMCされており前期型カリフォは当時でも稀有な存在でしたが新型車効果と以後のカリフォ不人気もあり何故か?個人的には当時、前期を多く見かけていたような気がします、もっともワタシがドライブ経験あるのが前期なのでその印象が強いのかもしれませんが…。

ここまで両車のデビュー期を記載しましたが読んでお分かりのように発売時期がかなりズレているので直接両車を単純には比較できません、ガチンコできるのは前述の通り70系LBと310カリフォ(79/3~81/10)になりますので各部比較は後としていつもとは順序が異なりますがモデル改歴から入りたいと思います。

但し直接比較はできないながらも進化の過程をご理解頂く為にこの期間に入らないカロスプLBの50/60系、カリフォ2代目(5代目サニー)B11型も仕様解説を記します!

~モデル改歴~

※一部特別仕様、限定車や小変更は省いているケースがありますのでご了承願います。
また、LBとしては初代となる50/60系、ベースとなったスプリンタークーペのデビューの関係でカローラLBは小変更程度でMCなしながらスプリンターLBは2度のMCを受けていますのでスプリンターLBのみ前期・中期・後期と記載します。

(76/1)
カロスプLBが従来型セダン/HT/バン(カローラ)、セダン/クーペ(スプリンター)に追加設定されます。
76/1デビュー時の諸元は下記の通りです。

[ボディ]
3ドアHB
[バリエーション]
1200
カローラ:DX/HiDX/SL
スプリンター:DX/XL
1600
カローラ:DX/HiDX/GSL
スプリンター:DX/XL/GS
[型式]
カローラLB1200:B-KE50
カローラLB1600TTC-C:B-TE51
カローラLB1600TTC-L:B-TE52
スプリンターLB1200:B-KE60
スプリンターLB1600TTC-C:B-TE61
スプリンターLB1600TTC-L:B-TE62
※B-は51年規制を表します。
1200は酸化触媒(TTC-C)方式による51年規制適合
1600はTTC-Cと希薄燃焼(TTC-L)方式に2通りを設定、いずれも51年規制適合
[サイズ]
全長4120mm全幅1600mm 全高1320mm
[ホイールベース]
2370mm
[車重]
870~955kg
[搭載エンジン]
3K-U型 1200cc 直4 OHV シングルキャブ 64ps/9.2kgm(TTC-C)
2T-U型 1600cc 直4 OHV シングルキャブ 90ps/13.0kgm  同
12T型 1600cc 直4 OHV シングルキャブ 85ps/13.5kgm(TTC-L)
[ミッション]
4速MT/5速MT/3速AT
[脚廻り]
Frストラット/Rrリーフリジット
[駆動方式]
FR

以上を見て頂ければ分かるようにバリェーションはベースが元々少数であるスプリンター、やはりLBでもカローラのSLに相当するグレードが省かれます。
搭載エンジンはベースが積むT-U型1.4Lが何故か?両車とも省かれ1.2と1.6の2種の搭載…
未だにこれは七不思議の一つでクーペやHTよりも重量増になっていたLBなので廉価版としてもむしろ1.2を落とし1.4をラインナップした方が正常では?と感じます。まぁ、この時期は排ガス対策の混乱もあり1.6では触媒のその後に自信がない時期(燃えろ!20世紀のガチンコライバル列伝!!!…7後編のカリーナの項で解説)でTTC-CとLの2通りを用意した位ですからこの辺の事情があったのかと推察されます。

ミッションは1200と1600TTC-Lは4/5MTのみ、1600TTC-CにMTに加え3ATが用意されています。

↓77/1デビューのスプリンターLB1200XL(前期)


そうそう、余談ですが刑事ドラマ好きのGureですからこれは語っておかないと!!^^;
スプリンターLBと言えばトヨタが車輛提供していた人気刑事ドラマ『太陽にほえろ!』の劇用車としてデビュー直後から登場しておりグリーンのLB1600GSが颯爽と走りまわっていました!
ゴリさん(竜 雷太)やスコッチ(沖 雅也)がよく乗っていたイメージがあります…。

↓『太陽にほえろ!』で活躍するスプリンターLB1600GS!!(前期)


(77/1)
カロスプシリーズ全体がMC、LBにはセダン/HT/クーペと比較して唯一抜けていた1400シリーズを追加します。
1400はTTC-Cにより51年規制に適合したT-U型OHV シングルキャブ82ps/11.6kgmエンジンを搭載、型式はB-TE50(カローラLB)及びB-TE60(スプリンターLB)となっています、1400シリーズのグレードは1200に準じミッションは4/5MT。
尚、他1200/1600も51年規制に適合(スペック変更なし)型式の排ガス規制記号がB-になっています。

またカロスプで排ガス規制により途絶えていた1600DOHCの2T-Gエンジンが未対策時のソレックスツインキャブ→EFI化、酸化触媒と併せ51年規制に適合、2T-GEU型とエンジン型式を改めて復活しました!
75yまでカローラのHTにレビン(TE37)、スプリンタークーペのトレノ(TE47)に専用がラインナップされていましたが復活2T-GEUはLBにも搭載されトヨタDOHCの象徴グレード『GT』が与えられました。
2T-GEUの諸元は1.6L4気筒DOHC-EFI 110ps/14.5kgm、当時は希少なクラス唯一のDOHCの搭載によりこれまでのスポーティは名だけだったLBも名実共に“スポーツHB”となった訳でHTやセダンにはラインナップされずLBにこれを設定したトヨタのLBに賭ける情熱が伺えますね。

2T-GEU、スペック的には未対策時代のレギュラー仕様と同一(ハイクは115ps)ですがそのフィーリングは“スペック詐欺”を疑うに充分なモノでソレックスの勇ましい吹け上がりは消え失せ排ガス補機装置に余分に力を取られた2T-GEUは旧2T-Gと比較してストレスの多いDOHCになり下がっていました。
27レビントレノとは比較対象できないのは勿論、37/47レビントレノと較べても10%以上の重量増しであるLBでは本格的スポーツ走行には荷が重い部分もありますがそれでも従来搭載の1200~1600と較べればその走りは月とスッポン!また、当時他社含め(マツダREを除く)軒並み目の充てられない対策エンジンのヘタレぶりの中では光る存在でした!

↓LBには新搭載となる2T-GEU型DOHCエンジン!


↓2T-GEU搭載の新追加、カローラLB1600GT


↓旧TE47トレノと共通するGTのインパネ


尚、このMCでにてカローラにスプリンタークーペの双子となるカローラクーペを、スプリンターにカローラHTの双子となりスプリンターHTを新設、これにより74年デビュー以来LBを除くオリジナリティを誇ったカロスプが先代20系と同様に前後意匠違いだけの完全双子となります(セダンを除く)。カローラクーペはLBの顔をスプリンタークーペに移植、つまりは従来の輸出専用モデルの国内市販化、スプリンターHTはカローラHTにスプリンターの顔を移植したモノでした。
セダンのみ従来通りRr部のボディラインが異なるモノを継続しますが“リ・デザイン”を強調してデビューしたこの代のカロスプは3年で限りなく“同じクルマ”となってしまいました。

これによりLB以外で2T-GEUを搭載するモデル(カローラレビン、スプリンタートレノ)は両車ともクーペに設定、未対策モデル時はレビンはHT、トレノはクーペと棲み分けていましたがレビン/トレノも先代TE27以来の完全双子化がなされています。

↓77/1時点での2T-GEU以外のLB搭載エンジン群


カロスプ共LBのMCはカローラLBに対してはデビュー間もない事もありMCまでは行われませんが小変更を実施、上位グレード、GSLの装備充実(ホイールリング、モールの新設)や他グレードのホイール変更(ホイールキャップ→キャップレスホイール)程度ですがスプリンターLBはベースのクーペが74yデビューですのでカローラLBに対し小規模ながらMCが行われここから中期となります。
内容はカローラLB同様の内容とフェイスリフト、大きく印象は変わりませんがFrにエアダムが装備されグリルデザインが若干変更されています。

↓高級感を高めた77/1~のカローラLB1600GSLのFrと室内



↓スプリンターLB、GTデビュー時は中期型になります!


(77/8)
1600、TTC-Lの12T型とTTC-Cの2T-U型に分かれていたましたが三元触媒の開発に成功、これを使用し53年規制に適合化した12T-U型(TTC-C)に統一、12T-Uは2T型改良エンジンでありスペック等は旧2T-Uから変更はありません。

(77/10)
1200のMTのみ排気量を100cc拡大した4K-U型に換装、1300シリーズが追加されます。
新搭載されたエンジンは酸化触媒方式の4K-U型OHV シングルキャブ(TTC-C)72ps/10.5kgmとなりカロスプシリーズ初の53年規制適合モデルでした。
型式はE-KE55(カローラLB)及びE-KE65(スプリンターLB)。

↓新グレード!?になるカローラLB1300SL(前期)


(77/11)
ライバルのサニー、4代目B310型がデビュー(セダン/クーペ/バン/トラック ※トラックは従来型B120を継続)

(78/4)
カローラLBは再度の小変更、スプリンターLBでは2度目のMCにて後期型となります。
再びスプリンターLBのみグリルがリ・デザインされていますがRrは変更ありません、カロスプLB共に一部グレードにエクストラインテリア仕様を追加。

尚、この時にカローラはセダンH/TをMC、セダンとHTは74yの30系デビュー以来続けていた排気量別のリ・デザインされた前後意匠を変更、セダンとHTで分ける形にしています。

↓後期型スプリンターLB1600GS


また、この時同時に2T-GEUを酸化触媒により53年規制に適合、出力を110ps→115psへアップしています。
またATモデルのみここまで1200でしたがこれも1300の4K-U型に換装、これにより全種53年排ガス規制に適合し従来設定のなかったATモデルが1600にも広げられています。
53年規制となった2T-GEUと4Kはかなり以前の元気さを取り戻してきており同じ形式(4K=旧3K)ながら別物に近いドライバビrティを実現、ようやく排ガス規制の完了を予見できるに充分な力強さを感じました!

これにて初代カロスプLBは79/3迄変更なく進みますが79/1に“クラス唯一のスポーツHB”だったところに最大のライバルとなるB310型サニーカリフォニアがデビュー、この分野でもいよいよSC戦争が勃発する訳ですネ!

いよいよカリフォデビューですがその前に補足として初代カロスプLBのインプレなんぞを…
これ、営業時代は既に旧型でしたが下取りその他で数多く乗っているので語らせて下さい^^;

カロスプLBは広大な居住空間も一つの売りでしたが実際、それはクーペと較べればという話しで実車は天井が低くて圧迫感があり174cmのワタシの頭かろうじてグーが入るか入らなかったって感じ。
後席もFRのこのクラス、しかもクーペベースですから決して広くはない、いや、狭いです。ただヘッドスペースは後席乗員の真上でルーフが下がってくるクーペとは違い充分余裕があるのでこれに関しては上々です(笑)

インプレは30/40カロスプそのもので70年代とカローラ政策の“70点主義”が丸出し、ダルなハンドリングとプアなサスペンションはいただけない味わいでしたねー、GTですらハンドリングは最悪、良く言う“ゴムをよじる”感丸出しでしかも重い2T-GEUにワイドタイヤですからパワステなんてこのクラスには考えられない時代、狭い駐車場では殺してやろうか!と難儀したものです。

1200や1300にしても軽さは皆無でちょいと飛ばすとヨロヨロ…までは大袈裟ですが常にハンドリングに神経は集中しないと不安があるモノでした。まぁこれは70年代のトヨタ車にはベタだったので当時は慣れていてかえってシャープなハンドリングを持つクルマ(同じトヨタでしたら格下のKP61スターレット)や70年代ではこれに定評のあった三菱系に乗るとその鋭さにビックリしましたが(笑)
KPはその後主流になるラック&ピニオンを先取っていましたから納得ですが三菱のギャラン系やランサーは当時常識のボールナットながらトヨタとはこれだけ違うか!という気持ち良さでた!!

パワーは2T-GEUの際にお伝えした通り、このクラスとしては大柄ボディでしたし重量もありますので1200~1600非DOHC以外はファミリーユース以外、何者でもなかったです。
ただ、50→51→53年と進んだ排ガス対策でベースが同じK及びT型でも確実に新しい規制にパスしたタイプのエンジンがフィーリングは良かったのは間違いありません!

一番のウィークポイントは脚廻りでFrはともかくRrはこの時代ですら旧態化のリーフリジットでしたからね、GTはそれなりに強化もされてはおりましたがゴツゴツとし路面の震動を見事に拾うリーフ特有のがさつさは他グレードの乗り味と大差なかったです。

↓70年代後半、後輪既にリジットでもリンク式が主流でしたがカロスプLBはベースが古く後輪は時代遅れのリーフ!



さぁ、日産ファン、サニーヲタ?(笑)の方、大変長らくお待たせ致しました!!
サニカリフォルニアを取り上げて頂きたいと思います(*^^)v

約3年、ライバルの存在を横目で見ていたサニーですが思っていた程ライバルが評価を得られず余裕の様子見!?だったかもしれませんね(笑)
ライバルの不調を3年間、じっくり見据えたのでしょう、カロスプLBのいい部分は見習い更にこれを超える部分をアレンジし77/11にデビューした4代目B310型サニーセダン/クーペ/バン/トラック(B120)に79/1、追加設定されました!

カロスプLBの思ったよりの不調はスポーティを強調したかった為の施策が裏目に出た事だったと思われます。
クーペをベースにした事により居住性、そしてせっかくのHBの利便性を活かしきれずまた、その当時としては奇異なスタイリングも市場に受けなかった部分がありました。
HBとしても不完全、スポーツワゴン(メーカーはそう謳いませんでしたが…)としてもシャーシが古く不完全、どこか中途半端な部分がウけなかった要因でしょう、そこでカリフォは同じようにスポーティさを醸し出しながらもHBワゴン(こちらも当時は“ワゴン”としては売っていませんでした…)としての利便線も深めた仕様でデビューしています。

↓ライバルに3年遅れてデビューしたサニーカリフォルニア(前期1400SGL)


それではサニーカリフォルニアを諸元から入ります。
カリフォは2度のMCが行われてていますので前期・中期・後期にて以後記載します。

[ボディ]
5ドアHB
[バリエーション]
1400DX/GL/SGL
[型式]
E-WHB310
※E-は53年規制を表します。
日産NAPS(酸化触媒)方式による53年規制適合
[サイズ]
全長4160mm全幅1595mm 全高1345mm
[ホイールベース]
2340mm
[車重]
875~975kg
[搭載エンジン]
A14S型 1400cc 直4 OHV シングルキャブ 80ps/11.5kgm 
[ミッション]
4速MT/5速MT/3速AT
[脚廻り]
Frストラット/Rr4リンクリジット
[駆動方式]
FR

カリフォはカロスプLBの失敗?に学びベースはセダン、しかし310そのもがセダン/クーペともに全長もホイールベースも共通ですのでこの表現は適切ではないですね。
但し、カリフォもスポーティを謳いますので基本である“ワイド&ロー”を表現するために全高はセダンよりも抑えクーペ並(クーペ1340mm)としいます。このため全体フォルムは確かに低く、長くを実現しましたがあくまで個人的ですがカロスプLBにはない5ドアを採用した事もあり利便性はこれの比ではないのは当然ながらスタイル的にはよりライトバン的なイメージになってしまい逆にルーフが低い分、同じB310のバン(VB310)の4ドアバンをチョッピングルーフにしたような感じのような印象でこれもイマイチな感じでした。
市場の反応もほぼワタクシの感覚と同じだったのでしょう、カロスプLB同様に「バンみたい」の声、かなり聴かれたかも…。

サイズ的にはカロスプLBとほぼ互角、天井低くて圧迫感があるのも同じですが後席ドアがあるのとテールゲートの傾斜もライバルと比較して緩い分、積載効率と積載性は高かったと思われます、これも何回か乗りましたのでインプレは書けますがフル積載の経験、ましてやその部分でライバルと比較した事はないのであくまでも想像です。

グレードは3種でライバル並ですが搭載エンジンは何故かA14の1種のみ、セダン/クーペは勿論バン迄含め伝統のA12型1200をラインナップしていましたしセダンとクーペの上級スポーティグレード(GX-E/SGX-E)にはEGI付A14Eが最強エンジンとしてラインナップされていたのにも関わらずカリフォはA14のみ、しかも最もスポーティなSGXグレードはなし…
憶測ですが高級感とスポーティ感を強調するのと車重がセダン/クーペに較べ重いので1200の設定は避けたのでしょうがその割にEGIモデルの設定がないのは?で何を訴求したいのかイマイチよう分からん位置付けでした。

↓NAPSでも元気なA14型エンジンを搭載!


ただ、インプレ的にはサニーらしく至って軽快!ライバルはもうモデル末期ですから比較は酷ですがB10以来歴代サニーに受け継ぐDNAが310にも確実に引き継がれ名機と言われたA12のスケールUP版のA14も排ガス規制を受けても未対策には及ばないながら元気でトヨタT-U型1400はお話にならない実力でした。

カリフォは開口部が多いので致し方ないですがややボディ剛性が弱い感じで攻めるとヨレが感じられました、しかしこの時代のHBではどこでもあった症状、致命的な欠点ではなかったと思う程度のものです。

シャーシはやはりライバルのカロスプが74年デビューですから3年新しい310、脚廻りも旧態以前の後輪リジットのライバルに差を付け時代にそぐった後輪4リンク式を採用、カリフォのGXとセダン/クーペGX/SGXではハードに固められておりパワーに見合う味付けはややハードに攻めても音を上げずなかなか出来栄えの良いサス、そしてハンドリングもこれも伝統ですね、パワーアシストなしでも重過ぎず、かつ軽過ぎずシャープ…とまでは言いきれないながらもスポーティ度合いは高くカロスプに較べたら格段に運転が楽しいい!そんな印象でしたねー。

310はとにかく全てがかつてのB10や今や名車扱いのB110同様に大したパワーやシャーシでなくてもバランスに優れ軽快でドライブィングが飽きない、そんな魅力があるので今でもファンが多いのでいょう、カリフォは重い分、少しそれはスポイルされるも素生がいい310ですから充分その魅力は感じ取れます。

↓80年代に相応しい後輪4リンクを採用したカリフォのサスペンション


↓インパネや室内は基本的にセダン/クーペ同グレードと同様の味付けでした。(SGL前期)


カリフォのデビユーで役者は揃った?大衆車スポーツワゴンガチンコはここからが本番!
79/4にはライバルであるカロスプLBがカリフォを待っていたようにFMCし迎撃態勢を整えます。


“燃えろ!20世紀のガチンコライバル列伝9!!!”『KE/AE/TE50,60~70系カローラリフトバック/スプリンターリフトバックvsB310~B11サニーカリフォルニア』…後編に続く(^.^)/
Posted at 2017/04/12 21:29:11 | コメント(0) | トラックバック(0) | ライバル | クルマ

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